累積歩行高低量報知システム
【課題】利用者が所有しているICカードを用いて階段が積極的に利用されるようにする。
【解決手段】カードIDを記憶したICカード10と、高低差のある階段に設置しカードIDを読み取るターミナル20A1と、読み取ったカードIDとカードIDを読み取ったターミナル20A1を特定するIDとをコンピュータネットワーク網40に送信するためにターミナル20A1とコンピュータネットワーク網40とに接続した統括コンピュータ30Aと、カードIDとターミナル20A1を特定するIDとからICカード10の利用者の累積歩行高低量を演算するメインサーバ50と、メインサーバ50からコンピュータネットワーク網40を介して送信された利用者の累積歩行高低量を報知するディスプレイ60A1と、を有する。
【解決手段】カードIDを記憶したICカード10と、高低差のある階段に設置しカードIDを読み取るターミナル20A1と、読み取ったカードIDとカードIDを読み取ったターミナル20A1を特定するIDとをコンピュータネットワーク網40に送信するためにターミナル20A1とコンピュータネットワーク網40とに接続した統括コンピュータ30Aと、カードIDとターミナル20A1を特定するIDとからICカード10の利用者の累積歩行高低量を演算するメインサーバ50と、メインサーバ50からコンピュータネットワーク網40を介して送信された利用者の累積歩行高低量を報知するディスプレイ60A1と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばICカードを使用した累積歩行高低量報知システムに係り、具体的には、非接触型ICカードの利用者が登り降りした歩行路(階段、坂道、登山道)の高低量(高低差)を累積し、現時点までの歩行高低量を知ることができる累積歩行高低量報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地下鉄やJRの改札は、下記特許文献1に開示されているように、非接触型ICカード(SuicaやPASMO)を用いて行なっている。一方、地下鉄やJRの駅には、多くのエスカレータやエレベーターなどの昇降機が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−257112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば都営大江戸線のように、地下深くにある地下鉄の駅では、地上と駅をエスカレータやエレベーターなどの昇降機またはその隣に併設した階段で結んでいる。しかし、地上と駅との高低差が大きいため、エスカレータの利用率に比較して階段の利用率は少ない。
【0005】
また、近年、環境問題の関心が高まるにつれて、省エネ思考、二酸化炭素の排出抑制の思考が広まりつつある。さらに、今後の少子高齢化の時代の到来に備えて、医療費の削減が要請されている。
【0006】
そこで、発明者らは、普及している非接触型ICカードを利用して階段の利用率を向上させ、昇降機の負荷を軽減させて省エネ思考および二酸化炭素の排出抑制の思考に応え、さらに、積極的に身体を動かす機会を与えて、医療費の削減の要請に応えることができるシステムを創り出すことができないものかと試行錯誤を重ねた。
【0007】
その結果、駅の階段に、自動改札機と同一原理で動作するターミナルを設置して、そのターミナルに非接触型ICカードをかざすことによって、階段の歩行高低量を累積し、現在までどの程度の高低差を登り降りしたのかを階段の利用者に知らせることができるシステムを着想するに至った。
【0008】
本発明は、利用者が現在所有しているICカードを用いることによって、高低差のある歩行路が積極的に利用されるようにようにした累積歩行高低量報知システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、カード型記憶媒体、ターミナル、統括コンピュータ、メインサーバおよび報知手段を備える。
【0010】
カード型記憶媒体は利用者が改札を通過するときにも使用できるものであってカードIDを記憶している。
【0011】
ターミナルはたとえば駅の階段などの高低差のある歩行路に設置してカード型記憶媒体のカードIDを読み取る。
【0012】
統括コンピュータはたとえば駅の構内に設置されてターミナルとコンピュータネットワーク網とに接続される。ターミナルが読み取ったカードIDとそのカードIDを読み取ったターミナルを特定するためのIDとをコンピュータネットワーク網に送信する。
【0013】
メインサーバはコンピュータネットワーク網を介して送られたカードIDとターミナルを特定するためのIDとからカード型記憶媒体の利用者の累積歩行高低量を演算する。
【0014】
報知手段はメインサーバからコンピュータネットワーク網を介して送信された利用者の累積歩行高低量を利用者に報知する。
【発明の効果】
【0015】
カード型記憶媒体の利用者は、報知手段によって現時点での累積歩行高低量を把握することができる。このため、累積歩行高低量をさらに大きくしたいと考える利用者が増加し、高低差のある歩行路の利用率が高まる。
【0016】
その結果、省エネ思考、二酸化炭素の排出抑制および医療費の削減に貢献できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係る累積歩行高低量報知システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】ICカードの概略構成図である。
【図3A】ICカードの外観図である。
【図3B】ICカードの外観図である。
【図3C】ICカードの外観図である。
【図3D】ICカードの外観図である。
【図4】ターミナルとディスプレイの設置位置関係およびディスプレイの表示内容の一例を示す図である。
【図5】各ターミナルにターミナルを特定するIDとして割り当てられているIDの種類の説明図である。
【図6】統括コンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図7】メインサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図8】階段DBの具体的な構成を示す図である。
【図9】累積歩行高低量DBの具体的な構成を示す図である。
【図10】山の高さDBの具体的な構成を示す図である。
【図11】累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。
【図12】累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。
【図13】累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る累積歩行高低量報知システムについて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために例示したものである。したがって、以下で説明する実施形態の記載内容によって、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲が限定されるものと解してはならない。
[実施形態1]
実施形態1として説明する累積歩行高低量報知システムは、鉄道の駅構内に設置して、利用者が登った階段の累積歩行高低量(累積高低差)を知ることができ、さらに階段を山に見立てて、利用者が現在どの山を登頂中であるのかも知ることができるシステムである。
[累積歩行高低量報知システムの構成]
図1は、実施形態1に係る累積歩行高低量報知システムの概略構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムは、ICカード10、ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3、統括コンピュータ30A、30B、コンピュータネットワーク網40、メインサーバ50、ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3、ユーザーPC70で構成される。
【0020】
ICカード10は、「カードID」を記憶したカード型記憶媒体であって、本実施形態では現在一般的に使用されているSuicaやPASMOなどの非接触型ICカードを例示している。
【0021】
ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3は、高低差のある歩行路に設置しICカード10に記憶されているカードIDを読み取る。ターミナル20A1〜20A3は、地下鉄大江戸線の新宿駅の3箇所の階段にそれぞれ設置する。また、ターミナル20B1〜20B3は、地下鉄大江戸線の六本木駅の3箇所の階段にそれぞれ設置する。1つのターミナルは、階段を上り始める所、上り終わる所、踊り場のいずれか1箇所に設置する。ターミナルは、階段を上る人のスムースな歩行を可能にするために、階段を上り始める所、上り終わる所のいずれかに設置することが好ましい。
【0022】
統括コンピュータ30A、30Bは、それぞれ地下鉄大江戸線の新宿駅と六本木駅に設置される。統括コンピュータ30A、30Bは、コンピュータネットワーク網40を介して相互に接続される。ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3にはそれぞれのターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」が付与されている。本実施形態では、1つの駅に複数のターミナルを設置した場合を例示しているので、ターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」を用いている。しかし、1つの駅に1つのターミナルを設置する場合には、ターミナルを特定するIDとしては「ターミナルID」に限らず、たとえば「駅ID」を用いても良い。どのターミナルにどの「ターミナルID」が付与されているのかは、統括コンピュータ30A、30Bがそれぞれ記憶している。しかしながら、ターミナルIDはターミナル自体が記憶していても良い。統括コンピュータ30A、30Bは、ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3のいずれかで読み取った非接触型ICカードのカードIDと、そのカードIDを読み取ったターミナルを特定するIDとの両方をコンピュータネットワーク網40に送信する。
【0023】
メインサーバ50は、コンピュータネットワーク網40を介して送信されてきたカードIDとターミナルを特定するIDとからICカード10の利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名およびその利用者の固有IDを演算する。この累積歩行高低量、登頂中の山名および固有IDの演算のためにメインサーバ50は3つのデータベースを備えている。このデータベースについては後で詳しく説明する。
【0024】
ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3は報知手段として機能するものである。ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3は、メインサーバ50からコンピュータネットワーク網40を介して送信された利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを総括コンピュータ経由で報知する。ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3は、利用者がICカード10をターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3にかざしたときに、その利用者が累積歩行高低量、登頂中の山名および固有IDをすぐに見ることができるように、ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3の近くに設置することが望ましい。
【0025】
ユーザーPC70は、ICカード10の利用者が操作可能なコンピュータであって、通常は、その利用者の自宅に設置されている。ユーザーPC70は、その利用者が入力した固有IDによって自宅からメインサーバ50にアクセスし、その利用者の累積歩行高低量および登頂中の山名を表示する。
【0026】
以上が本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの概略構成である。
【0027】
次に、累積歩行高低量報知システムを構成するICカード10などの各構成要素についてさらに詳しく説明する。
【0028】
図2はICカード10の概略構成図、図3A〜図3Dは実際に発行するICカード10の外観図である。
【0029】
図2に示すように、ICカード10は、各ICカードに特有のカードIDを有している。カードIDは、ICカード10に設けられている記憶部12に記憶されている。ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3は、ICカード10が近くでかざされたときに、記憶部12に記憶されているカードIDを読み取る。
【0030】
図3A〜図3Dは、実際に発行するICカード10の外観を示している。図3Aに示すICカード10は、利用者が駅の階段を上り、その登った高さ、すなわち累積歩行高低量が599mを超えた場合に、標高599mの高尾山を登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。図3Bに示すICカード10は、累積歩行高低量が931mを超えた場合に、標高931mの六甲山を登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。図3Cに示すICカード10は、累積歩行高低量が6962mを超えた場合に、標高6962mのアコンカグアを登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。図3Dに示すICカード10は、累積歩行高低量が8848mを超えた場合に、標高8848mのエベレストを登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。
【0031】
図4は、ターミナル20A1とディスプレイ60A1の設置位置関係およびディスプレイ60A1の表示内容の一例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、ディスプレイ60A1はターミナル20A1の近くに設置される。利用者がICカード10をターミナル20A1にかざしたときに、その利用者が累積歩行高低量および登頂中の山名をすぐに見ることができるようにするためである。
【0033】
ディスプレイ60A1には、ICカード10の利用者の累積歩行高低量および登頂中の山名が表示される。また、ディスプレイ60A1には、ユーザーPC70からメインサーバ50にアクセスして、その利用者の累積歩行高低量および登頂中の山名を表示させることができるようにするために、その利用者に特有の固有IDも表示される。
【0034】
図5は、各ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3にターミナルを特定するIDとして割り当てられているIDの種類の説明図である。
【0035】
図5に示すように、各ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3には、ターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」を付与してある。どのターミナルがどのIDを有しているかは、統括コンピュータが把握している。
【0036】
図6は、統括コンピュータ30Aの概略構成を示すブロック図である。
【0037】
図6に示すように、統括コンピュータ30Aは、ターミナル制御部32A、ディスプレイ制御部34A、送受信部36Aを備えている。
【0038】
ターミナル制御部32Aは、ターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」を記憶している。ターミナル制御部32Aは、ICカードがかざされたときに読み取ったカードIDを受信し、同時に、そのカードIDを読み取ったターミナルのターミナルIDを把握する。受信したカードID、そのカードIDを読み取ったターミナルのターミナルIDは、送受信部36Aに送られる。
【0039】
ディスプレイ制御部34Aは、送受信部36Aから入力した、利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを、ターミナル20A1の近くに設置されているディスプレイ60A1に表示させる(図1参照)。
【0040】
送受信部36Aは、ターミナル制御部32Aが受信したカードID、そのカードIDを読み取ったターミナルのターミナルIDを、コンピュータネットワーク網40を介してメインサーバ50に送信する。また、メインサーバ50から送信された、利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを、コンピュータネットワーク網40を介して受信する。
【0041】
図7は、メインサーバ50の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
図7に示すように、メインサーバ50は、演算/送受信制御部52、階段DB54、累積歩行高低量DB、山の高さDBを有している。
【0043】
演算/送受信部52は、コンピュータネットワーク網40を介して統括コンピュータ20A1から送信されたターミナルIDに基づいて、階段DB54、累積歩行高低量DB56、山の高さDB58をアクセスする。階段DB54、累積歩行高低量DB56、山の高さDB58をアクセスすることによって、利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを取得する。取得した利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDは、コンピュータネットワーク網40を介して統括コンピュータ30Aに送信される。
【0044】
図8は、階段DBの具体的な構成を示す図である。
【0045】
図8に示すように、階段DB54は、ターミナルID、段数、高低差に関する情報が記憶されている。
【0046】
ターミナルIDは、設置されているターミナルを特定するために付されているIDである。ターミナルIDは、ターミナルに個々に付されている特有のIDである。段数は、ターミナルが設置されている階段の段数を示す。高低差は、ターミナルが設置されている階段の高低差を示す。
【0047】
たとえば新宿駅のターミナルIDがFFFで示されるターミナルが設置されている場所の階段の段数は100段でその高低差は30mである。また、六本木駅のターミナルIDがSSSで示されるターミナルが設置されている場所の階段の段数は110段でその高低差は33mである。
【0048】
図9は、累積歩行高低量DB56の具体的な構成を示す図である。
【0049】
図9に示すように、累積歩行高低量DB56は、カードID、累積歩行高低量(m)、山ID、固有IDに関する情報が記憶されている。
【0050】
カードIDは、前述のようにICカード10に記憶されているIDであって、間接的に利用者を特定するためのIDである。累積歩行高低量は、そのICカード10の利用者が現在までに何メートルの高低差を登ったかを更新記録できるエリアである。累積歩行高低量はメインサーバ50の演算/送受信制御部52によって読み込まれたり書き換えられたりされる。山IDは、駅に設置されるディスプレイたとえば60A1に山名を表示するために利用される各山に付された固有のIDである。固有IDは、ディスプレイ60A1に表示されるICカード10の利用者に固有のIDである。固有IDは、ディスプレイ60A1に表示される。
【0051】
図10は、山の高さDB58の具体的な構成を示す図である。
【0052】
図10に示すように、山の高さDB58は、山ID、山名、標高(m)に関する情報が記憶されている。
【0053】
山IDは、各山に付されているIDである。山名は、たとえば、高尾山、六甲山、アコンカグア、エベレストなど実際の山名を記録するエリアである。標高(m)は、各山の標高を記録するエリアである。
【0054】
以上が本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの各構成要素についての詳細な説明である。
【0055】
次に、本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの詳細な動作を、図11〜図13の動作フローチャートを参照しながら詳細に説明する。
[累積歩行高低量報知システムの動作]
図11から図13は、本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。この動作フローチャートでは、ICカード10の利用者が六本木駅に入って新宿駅を出るまでの動作について説明する。利用者が六本木駅に入るまではすべて階段かエスカレータを下ることになるので、利用者がICカード10をターミナル12B1〜12B3にタッチすることはない。
【0056】
利用者が新宿駅に着いてから地上に出るまでに階段を登る。その際、利用者が新宿駅の階段を登るときに、その階段を登り始める所に設置されているターミナル20A1にICカードをタッチする(S1)。
【0057】
統括コンピュータ30Aに設けたターミナル制御部32Aは、ターミナル(たとえばターミナル20A1)でカードIDを読み込む。また、ターミナル制御部32Aは、カードIDを読み込んだターミナル20A1のターミナルIDを自己が所有する記憶装置から読み込む(S2)。
【0058】
統括コンピュータ10Aの送受信部36Aは、読み込んだカードIDを、コンピュータネットワーク網(たとえばインターネット)40経由でメインサーバ50に送信する。たとえば、カードIDとして00112が送信される(S3)。
【0059】
メインサーバ50は、コンピュータネットワーク網40経由で送られてきたカードID、に基づいて、3つのデータベース54、56、58から合致した情報を取り出す。そして、IDカード10の利用者の累積歩行高低量(m)を演算し、登頂中の山および固有IDを検索する。
【0060】
利用者の累積歩行高低量の演算、登頂中の山および固有IDの検索は、図12に示した動作フローチャート(図11のS4のサブルーチンフローチャート)の手順に従って行なう。
【0061】
メインサーバ50の演算/送受信制御部52は、統括コンピュータ10Aの送受信部36Aからコンピュータネットワーク網40経由で送られてきた、たとえば、ターミナルIDAFFに基づいて、新宿駅用の階段DBに記憶してある情報を参照し、段数と高低差を取得する。たとえば上記例の場合、新宿駅用の階段DBを見ると、ターミナルIDのAFFと合致する階段の段数は70段で、その階段の高低差は21mであることがわかる。したがって、演算/送受信制御部52は、段数70および高低差21mという情報を取得する。この段数70および高低差21mは、ICカード10をターミナル20A1にタッチした利用者がこれから歩いて登ろうとしている階段の段数と高さである(S4−1)。
【0062】
次に、演算/送受信制御部52は、コンピュータネットワーク網40経由で送られてきたカードIDに基づいて、累積歩行高低量DBに記憶してある情報を参照し、累積歩行高低量を取得する。たとえば上記例の場合、ターミナル20A1で読み込んだカードIDが00112であるので、演算/送受信制御部52は累積歩行高低量として600mを取得する(S4−2)。
【0063】
演算/送受信制御部52は、新宿駅用の階段DBから取得した高低差と累積歩行高低量DBから取得した累積歩行高低量を加算して、現在の累積歩行高低量を演算し、演算後の累積歩行高低量で累積歩行高低量DBの累積歩行高低量のエリアの数値を更新する。たとえば上記例の場合、階段DBから取得した階段の高低差が21mであり、累積歩行高低量DBから取得した累積歩行高低量が600mであるので、累積歩行高低量DBの累積歩行高低量のエリアには621mの数値が更新記憶される(S4−3)。
【0064】
そして、演算/送受信制御部52は、更新した累積歩行高低量DBの累積歩行高低量を、山の高さDBに記憶されている標高と比較して、登頂中の山IDを取得する。たとえば上記例の場合、更新記憶後の累積歩行高低量621mを山の高さDBに記憶されている標高と比較する。累積歩行高低量621mは高尾山の標高599mより大きく、六甲山931mの標高よりも小さいので、六甲山の山IDMT002を取得する。
【0065】
演算/送受信制御部52は、山の高さDBから取得した山IDで累積歩行高低量DBの山IDを更新記憶する。たとえば上記例の場合、累積歩行高低量DBに記憶されている現在の山IDMT002をMT002に書き換える。この場合、結果的には同一の山IDとなる(S4−5)。
【0066】
次に、演算/送受信制御部52は、山の高さDBに記憶されている山IDを参照して、累積歩行高低量DBに更新記憶した山IDに合致する山名を取得する。たとえば上記例の場合、更新記憶した山IDがMT002であるので、山名として「六甲山」を取得する(S4−6)。
【0067】
最後に、演算/送受信制御部52は、コンピュータネットワーク網40経由で送られてきたカードIDに基づいて、累積歩行高低量DBに記憶してある利用者の固有IDを取得する。たとえば上記例の場合、カードIDが00112であるので、N002の固有IDを得る。
【0068】
以上の処理が終了すると、図11のS4の処理が終了する。
【0069】
メインサーバ50の演算/送受信制御部52は、以上の処理で演算した累積歩行高低量、検索した登頂中の山名、検索した利用者の固有IDを、コンピュータネットワーク網40を介して統括コンピュータ30Aに送信する(S5)。
【0070】
統括コンピュータ30Aのディスプレイ制御部34Aは、受信した累積歩行高低量、登頂中の山名、固有IDを、ターミナル20A1の近くに設置してある60A1に、図4に示したような態様で表示する。
【0071】
ICカード10の利用者は、登ろうとする階段の下側に設けてあるターミナル20A1にICカード10をタッチするだけで、その階段を登った場合に、現在の累積歩行高低量が何メートルであるのか、山に見立てるとどの山に登頂中であるのか、また、自分の固有IDがどのようなものであるかを、そのタッチとほぼ同時に知ることができる。
【0072】
以上のような累積歩行高低量報知システムを駅の階段に設置することによって、登り階段を利用しようとする人が増加し、登り階段に併設されているエレベーターやエスカレータの利用率を減少させることができる。
【0073】
このため、エレベーターやエスカレータの使用電気量を減らすことができ、これから日本が世界をリードしようとしている二酸化炭素の排出制限に寄与することがでる。また、階段を積極的に利用しようとする人が増加することから、医療費の削減にも結びつくようになる。
[実施形態2]
実施形態1の累積歩行高低量報知システムは、階段を登った累積の高さが何mで、山に見立てるとどの山を登頂中であるのかがわかるようにして、登り階段の利用率を向上させるようにしている。
【0074】
実施形態2の累積歩行高低量報知システムは、階段を下った累積の低さが何mで、海の海溝に見立てるとどの海溝を潜っている最中であるのかがわかるようにして、下り階段の利用率を向上させるようにしている。
【0075】
本実施形態の累積歩行高低量報知システムは、実施形態1の累積歩行高低量報知システムの構成および動作と基本的には同一であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0076】
実施形態1と異なっているのは、図3A〜図3Dに示したICカードに記載されるデザインと表示である。本実施形態では、山名に代えて海溝名が表示され、その海溝の深さ(m)が表示される。
【0077】
また、山の高さDBが海溝の深さDBに代えられ、山の高さDBと累積歩行高低量DBの山IDが海溝IDに代えられる。また、山の高さDBの山名が海溝名に、標高が深さにそれぞれ代えられる。
【0078】
以上のように、各DBの名前およびDBの中身のデータを変更すれば、ICカード10の利用者が下り階段でも累積歩行高低量報知システムを利用できるようになる。ただ、この場合は、登り階段用のターミナルと下り階段用のターミナルを分けて設置する必要がある。
【0079】
以上のような累積歩行高低量報知システムを駅の階段に設置することによって、下り階段を利用しようとする人が増加し、下り階段に併設されているエレベーターやエスカレータの利用率を減少させることができる。
【0080】
このため、エレベーターやエスカレータの使用電気量を減らすことができ、これから日本が世界をリードしようとしている二酸化炭素の排出制限に寄与することがでる。また、階段を積極的に利用しようとする人が増加することから、医療費の削減にも結びつくようになる。
[実施形態3]
実施形態1および実施形態2では、ICカード10の利用者が自分の累積歩行高低量および登頂中の山名を駅構内で確認できるようにしたが、実施形態3では、利用者がその利用者の固有IDをユーザーPCから入力することによって、ユーザーPCのディスプレイに自分の累積歩行高低量および登頂中の山名を確認できるようにしている。
【0081】
本実施形態の累積歩行高低量報知システムは、実施形態1の累積歩行高低量報知システムの構成および動作と基本的には同一である。ただ、ユーザーPC70を用いてコンピュータネットワーク網40を介してメインサーバ50にアクセスできるようにしている。
【0082】
まず、ICカード10の利用者は、駅構内のディスプレイに表示される固有IDをユーザーPC70のキーボードから入力する。たとえば、固有IDとしてN002を入力する(S11)。
【0083】
メインサーバ50の演算/送受信制御部52は、ユーザーPC70からコンピュータネットワーク網40を介して送信されてきた固有IDを入力し、累積歩行高低量DBからその固有IDの累積歩行高低量と山IDとを取得する。上記の例の場合、累積歩行高低量として600mを、山IDとしてMT002を取得する(S12)。
【0084】
次に、演算/送受信制御部52は、山の高さDBに記憶されている山IDを参照して、累積歩行高低量DBの山IDに合致する山名を取得する。たとえば上記例の場合、記憶されている山IDがMT002であるので、山名として「六甲山」を取得する(S13)。
【0085】
演算/送受信制御部52は、以上の処理で演算した累積歩行高低量、検索した登頂中の山名を、コンピュータネットワーク網40を介してユーザーPC70に送信する(S14)。
【0086】
送信された累積歩行高低量、登頂中の山名はユーザーPCのディスプレイに表示される(S15)。
【0087】
以上のように、本実施形態では、ICカード10の利用者の家、外出先からでも、累積歩行高低量、登頂中の山名を容易に確認することができる。
【0088】
以上、本発明に係る累積歩行高低量報知システムの使用態様を実施形態1から実施形態3に分けて説明した。以上の実施形態では、駅の階段の上り下りした高さをICカード10の利用者が簡単に見られるようにして、利用者が階段を積極的に利用するように仕向け、階段の利用率の向上や省エネの向上、二酸化炭素排出量の抑制、利用者の健康面で貢献できるように配慮した。
【0089】
本発明に係る累積歩行高低量報知システムは、さらに、登山路や長い坂道に設置することによって、歩行意欲の増進に貢献させることも可能である。たとえば、富士山の山頂に累積歩行高低量報知システムを設置して、富士山の登頂を記録すると共に、歩行した高低量を記録することも可能である。累積歩行高低量報知システムを種々の山々に設置することで、生涯にわたる登山記録、すなわち登山した山名、登山した累積歩行高低量(登りと下り)を自動的に記憶させておくことができ、登山の意欲を後押しすることで、健康増進のツールとしても役立たせることができる。
【0090】
さらに、本発明に係る累積歩行高低量報知システムは、現在普及しているICカードを利用することによって実現することができるので、初期費用が抑えられるばかりではなく、利用者も改札を通過する感覚で気軽に参加することができる。
【0091】
また、どの山まで登頂が完了したかによって、差別化したサービスを提供することによって、都営大江戸線などの地下鉄やJRの利用率の向上につなげることも可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 ICカード、
12 記憶部、
20A1〜20A3 ターミナル、
20B1〜20B3 ターミナル、
30A、30B 統括コンピュータ、
32A ターミナル制御部、
34A ディスプレイ制御部、
36A 送受信部、
40 コンピュータネットワーク網、
50 メインサーバ、
52 演算/送受信制御部、
54 階段DB、
56 累積歩行高低量DB、
58 山の高さDB、
60A1〜60A3 ディスプレイ、
60B1〜60B3 ディスプレイ、
70 ユーザーPC。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばICカードを使用した累積歩行高低量報知システムに係り、具体的には、非接触型ICカードの利用者が登り降りした歩行路(階段、坂道、登山道)の高低量(高低差)を累積し、現時点までの歩行高低量を知ることができる累積歩行高低量報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地下鉄やJRの改札は、下記特許文献1に開示されているように、非接触型ICカード(SuicaやPASMO)を用いて行なっている。一方、地下鉄やJRの駅には、多くのエスカレータやエレベーターなどの昇降機が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−257112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば都営大江戸線のように、地下深くにある地下鉄の駅では、地上と駅をエスカレータやエレベーターなどの昇降機またはその隣に併設した階段で結んでいる。しかし、地上と駅との高低差が大きいため、エスカレータの利用率に比較して階段の利用率は少ない。
【0005】
また、近年、環境問題の関心が高まるにつれて、省エネ思考、二酸化炭素の排出抑制の思考が広まりつつある。さらに、今後の少子高齢化の時代の到来に備えて、医療費の削減が要請されている。
【0006】
そこで、発明者らは、普及している非接触型ICカードを利用して階段の利用率を向上させ、昇降機の負荷を軽減させて省エネ思考および二酸化炭素の排出抑制の思考に応え、さらに、積極的に身体を動かす機会を与えて、医療費の削減の要請に応えることができるシステムを創り出すことができないものかと試行錯誤を重ねた。
【0007】
その結果、駅の階段に、自動改札機と同一原理で動作するターミナルを設置して、そのターミナルに非接触型ICカードをかざすことによって、階段の歩行高低量を累積し、現在までどの程度の高低差を登り降りしたのかを階段の利用者に知らせることができるシステムを着想するに至った。
【0008】
本発明は、利用者が現在所有しているICカードを用いることによって、高低差のある歩行路が積極的に利用されるようにようにした累積歩行高低量報知システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、カード型記憶媒体、ターミナル、統括コンピュータ、メインサーバおよび報知手段を備える。
【0010】
カード型記憶媒体は利用者が改札を通過するときにも使用できるものであってカードIDを記憶している。
【0011】
ターミナルはたとえば駅の階段などの高低差のある歩行路に設置してカード型記憶媒体のカードIDを読み取る。
【0012】
統括コンピュータはたとえば駅の構内に設置されてターミナルとコンピュータネットワーク網とに接続される。ターミナルが読み取ったカードIDとそのカードIDを読み取ったターミナルを特定するためのIDとをコンピュータネットワーク網に送信する。
【0013】
メインサーバはコンピュータネットワーク網を介して送られたカードIDとターミナルを特定するためのIDとからカード型記憶媒体の利用者の累積歩行高低量を演算する。
【0014】
報知手段はメインサーバからコンピュータネットワーク網を介して送信された利用者の累積歩行高低量を利用者に報知する。
【発明の効果】
【0015】
カード型記憶媒体の利用者は、報知手段によって現時点での累積歩行高低量を把握することができる。このため、累積歩行高低量をさらに大きくしたいと考える利用者が増加し、高低差のある歩行路の利用率が高まる。
【0016】
その結果、省エネ思考、二酸化炭素の排出抑制および医療費の削減に貢献できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係る累積歩行高低量報知システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】ICカードの概略構成図である。
【図3A】ICカードの外観図である。
【図3B】ICカードの外観図である。
【図3C】ICカードの外観図である。
【図3D】ICカードの外観図である。
【図4】ターミナルとディスプレイの設置位置関係およびディスプレイの表示内容の一例を示す図である。
【図5】各ターミナルにターミナルを特定するIDとして割り当てられているIDの種類の説明図である。
【図6】統括コンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図7】メインサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図8】階段DBの具体的な構成を示す図である。
【図9】累積歩行高低量DBの具体的な構成を示す図である。
【図10】山の高さDBの具体的な構成を示す図である。
【図11】累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。
【図12】累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。
【図13】累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る累積歩行高低量報知システムについて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために例示したものである。したがって、以下で説明する実施形態の記載内容によって、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲が限定されるものと解してはならない。
[実施形態1]
実施形態1として説明する累積歩行高低量報知システムは、鉄道の駅構内に設置して、利用者が登った階段の累積歩行高低量(累積高低差)を知ることができ、さらに階段を山に見立てて、利用者が現在どの山を登頂中であるのかも知ることができるシステムである。
[累積歩行高低量報知システムの構成]
図1は、実施形態1に係る累積歩行高低量報知システムの概略構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムは、ICカード10、ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3、統括コンピュータ30A、30B、コンピュータネットワーク網40、メインサーバ50、ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3、ユーザーPC70で構成される。
【0020】
ICカード10は、「カードID」を記憶したカード型記憶媒体であって、本実施形態では現在一般的に使用されているSuicaやPASMOなどの非接触型ICカードを例示している。
【0021】
ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3は、高低差のある歩行路に設置しICカード10に記憶されているカードIDを読み取る。ターミナル20A1〜20A3は、地下鉄大江戸線の新宿駅の3箇所の階段にそれぞれ設置する。また、ターミナル20B1〜20B3は、地下鉄大江戸線の六本木駅の3箇所の階段にそれぞれ設置する。1つのターミナルは、階段を上り始める所、上り終わる所、踊り場のいずれか1箇所に設置する。ターミナルは、階段を上る人のスムースな歩行を可能にするために、階段を上り始める所、上り終わる所のいずれかに設置することが好ましい。
【0022】
統括コンピュータ30A、30Bは、それぞれ地下鉄大江戸線の新宿駅と六本木駅に設置される。統括コンピュータ30A、30Bは、コンピュータネットワーク網40を介して相互に接続される。ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3にはそれぞれのターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」が付与されている。本実施形態では、1つの駅に複数のターミナルを設置した場合を例示しているので、ターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」を用いている。しかし、1つの駅に1つのターミナルを設置する場合には、ターミナルを特定するIDとしては「ターミナルID」に限らず、たとえば「駅ID」を用いても良い。どのターミナルにどの「ターミナルID」が付与されているのかは、統括コンピュータ30A、30Bがそれぞれ記憶している。しかしながら、ターミナルIDはターミナル自体が記憶していても良い。統括コンピュータ30A、30Bは、ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3のいずれかで読み取った非接触型ICカードのカードIDと、そのカードIDを読み取ったターミナルを特定するIDとの両方をコンピュータネットワーク網40に送信する。
【0023】
メインサーバ50は、コンピュータネットワーク網40を介して送信されてきたカードIDとターミナルを特定するIDとからICカード10の利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名およびその利用者の固有IDを演算する。この累積歩行高低量、登頂中の山名および固有IDの演算のためにメインサーバ50は3つのデータベースを備えている。このデータベースについては後で詳しく説明する。
【0024】
ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3は報知手段として機能するものである。ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3は、メインサーバ50からコンピュータネットワーク網40を介して送信された利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを総括コンピュータ経由で報知する。ディスプレイ60A1〜60A3、60B1〜60B3は、利用者がICカード10をターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3にかざしたときに、その利用者が累積歩行高低量、登頂中の山名および固有IDをすぐに見ることができるように、ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3の近くに設置することが望ましい。
【0025】
ユーザーPC70は、ICカード10の利用者が操作可能なコンピュータであって、通常は、その利用者の自宅に設置されている。ユーザーPC70は、その利用者が入力した固有IDによって自宅からメインサーバ50にアクセスし、その利用者の累積歩行高低量および登頂中の山名を表示する。
【0026】
以上が本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの概略構成である。
【0027】
次に、累積歩行高低量報知システムを構成するICカード10などの各構成要素についてさらに詳しく説明する。
【0028】
図2はICカード10の概略構成図、図3A〜図3Dは実際に発行するICカード10の外観図である。
【0029】
図2に示すように、ICカード10は、各ICカードに特有のカードIDを有している。カードIDは、ICカード10に設けられている記憶部12に記憶されている。ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3は、ICカード10が近くでかざされたときに、記憶部12に記憶されているカードIDを読み取る。
【0030】
図3A〜図3Dは、実際に発行するICカード10の外観を示している。図3Aに示すICカード10は、利用者が駅の階段を上り、その登った高さ、すなわち累積歩行高低量が599mを超えた場合に、標高599mの高尾山を登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。図3Bに示すICカード10は、累積歩行高低量が931mを超えた場合に、標高931mの六甲山を登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。図3Cに示すICカード10は、累積歩行高低量が6962mを超えた場合に、標高6962mのアコンカグアを登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。図3Dに示すICカード10は、累積歩行高低量が8848mを超えた場合に、標高8848mのエベレストを登頂し終わったと見立てて発行されるカードである。
【0031】
図4は、ターミナル20A1とディスプレイ60A1の設置位置関係およびディスプレイ60A1の表示内容の一例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、ディスプレイ60A1はターミナル20A1の近くに設置される。利用者がICカード10をターミナル20A1にかざしたときに、その利用者が累積歩行高低量および登頂中の山名をすぐに見ることができるようにするためである。
【0033】
ディスプレイ60A1には、ICカード10の利用者の累積歩行高低量および登頂中の山名が表示される。また、ディスプレイ60A1には、ユーザーPC70からメインサーバ50にアクセスして、その利用者の累積歩行高低量および登頂中の山名を表示させることができるようにするために、その利用者に特有の固有IDも表示される。
【0034】
図5は、各ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3にターミナルを特定するIDとして割り当てられているIDの種類の説明図である。
【0035】
図5に示すように、各ターミナル20A1〜20A3、20B1〜20B3には、ターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」を付与してある。どのターミナルがどのIDを有しているかは、統括コンピュータが把握している。
【0036】
図6は、統括コンピュータ30Aの概略構成を示すブロック図である。
【0037】
図6に示すように、統括コンピュータ30Aは、ターミナル制御部32A、ディスプレイ制御部34A、送受信部36Aを備えている。
【0038】
ターミナル制御部32Aは、ターミナルを特定するIDとして「ターミナルID」を記憶している。ターミナル制御部32Aは、ICカードがかざされたときに読み取ったカードIDを受信し、同時に、そのカードIDを読み取ったターミナルのターミナルIDを把握する。受信したカードID、そのカードIDを読み取ったターミナルのターミナルIDは、送受信部36Aに送られる。
【0039】
ディスプレイ制御部34Aは、送受信部36Aから入力した、利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを、ターミナル20A1の近くに設置されているディスプレイ60A1に表示させる(図1参照)。
【0040】
送受信部36Aは、ターミナル制御部32Aが受信したカードID、そのカードIDを読み取ったターミナルのターミナルIDを、コンピュータネットワーク網40を介してメインサーバ50に送信する。また、メインサーバ50から送信された、利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを、コンピュータネットワーク網40を介して受信する。
【0041】
図7は、メインサーバ50の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
図7に示すように、メインサーバ50は、演算/送受信制御部52、階段DB54、累積歩行高低量DB、山の高さDBを有している。
【0043】
演算/送受信部52は、コンピュータネットワーク網40を介して統括コンピュータ20A1から送信されたターミナルIDに基づいて、階段DB54、累積歩行高低量DB56、山の高さDB58をアクセスする。階段DB54、累積歩行高低量DB56、山の高さDB58をアクセスすることによって、利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDを取得する。取得した利用者の累積歩行高低量、登頂中の山名および利用者の固有IDは、コンピュータネットワーク網40を介して統括コンピュータ30Aに送信される。
【0044】
図8は、階段DBの具体的な構成を示す図である。
【0045】
図8に示すように、階段DB54は、ターミナルID、段数、高低差に関する情報が記憶されている。
【0046】
ターミナルIDは、設置されているターミナルを特定するために付されているIDである。ターミナルIDは、ターミナルに個々に付されている特有のIDである。段数は、ターミナルが設置されている階段の段数を示す。高低差は、ターミナルが設置されている階段の高低差を示す。
【0047】
たとえば新宿駅のターミナルIDがFFFで示されるターミナルが設置されている場所の階段の段数は100段でその高低差は30mである。また、六本木駅のターミナルIDがSSSで示されるターミナルが設置されている場所の階段の段数は110段でその高低差は33mである。
【0048】
図9は、累積歩行高低量DB56の具体的な構成を示す図である。
【0049】
図9に示すように、累積歩行高低量DB56は、カードID、累積歩行高低量(m)、山ID、固有IDに関する情報が記憶されている。
【0050】
カードIDは、前述のようにICカード10に記憶されているIDであって、間接的に利用者を特定するためのIDである。累積歩行高低量は、そのICカード10の利用者が現在までに何メートルの高低差を登ったかを更新記録できるエリアである。累積歩行高低量はメインサーバ50の演算/送受信制御部52によって読み込まれたり書き換えられたりされる。山IDは、駅に設置されるディスプレイたとえば60A1に山名を表示するために利用される各山に付された固有のIDである。固有IDは、ディスプレイ60A1に表示されるICカード10の利用者に固有のIDである。固有IDは、ディスプレイ60A1に表示される。
【0051】
図10は、山の高さDB58の具体的な構成を示す図である。
【0052】
図10に示すように、山の高さDB58は、山ID、山名、標高(m)に関する情報が記憶されている。
【0053】
山IDは、各山に付されているIDである。山名は、たとえば、高尾山、六甲山、アコンカグア、エベレストなど実際の山名を記録するエリアである。標高(m)は、各山の標高を記録するエリアである。
【0054】
以上が本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの各構成要素についての詳細な説明である。
【0055】
次に、本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの詳細な動作を、図11〜図13の動作フローチャートを参照しながら詳細に説明する。
[累積歩行高低量報知システムの動作]
図11から図13は、本実施形態に係る累積歩行高低量報知システムの動作フローチャートである。この動作フローチャートでは、ICカード10の利用者が六本木駅に入って新宿駅を出るまでの動作について説明する。利用者が六本木駅に入るまではすべて階段かエスカレータを下ることになるので、利用者がICカード10をターミナル12B1〜12B3にタッチすることはない。
【0056】
利用者が新宿駅に着いてから地上に出るまでに階段を登る。その際、利用者が新宿駅の階段を登るときに、その階段を登り始める所に設置されているターミナル20A1にICカードをタッチする(S1)。
【0057】
統括コンピュータ30Aに設けたターミナル制御部32Aは、ターミナル(たとえばターミナル20A1)でカードIDを読み込む。また、ターミナル制御部32Aは、カードIDを読み込んだターミナル20A1のターミナルIDを自己が所有する記憶装置から読み込む(S2)。
【0058】
統括コンピュータ10Aの送受信部36Aは、読み込んだカードIDを、コンピュータネットワーク網(たとえばインターネット)40経由でメインサーバ50に送信する。たとえば、カードIDとして00112が送信される(S3)。
【0059】
メインサーバ50は、コンピュータネットワーク網40経由で送られてきたカードID、に基づいて、3つのデータベース54、56、58から合致した情報を取り出す。そして、IDカード10の利用者の累積歩行高低量(m)を演算し、登頂中の山および固有IDを検索する。
【0060】
利用者の累積歩行高低量の演算、登頂中の山および固有IDの検索は、図12に示した動作フローチャート(図11のS4のサブルーチンフローチャート)の手順に従って行なう。
【0061】
メインサーバ50の演算/送受信制御部52は、統括コンピュータ10Aの送受信部36Aからコンピュータネットワーク網40経由で送られてきた、たとえば、ターミナルIDAFFに基づいて、新宿駅用の階段DBに記憶してある情報を参照し、段数と高低差を取得する。たとえば上記例の場合、新宿駅用の階段DBを見ると、ターミナルIDのAFFと合致する階段の段数は70段で、その階段の高低差は21mであることがわかる。したがって、演算/送受信制御部52は、段数70および高低差21mという情報を取得する。この段数70および高低差21mは、ICカード10をターミナル20A1にタッチした利用者がこれから歩いて登ろうとしている階段の段数と高さである(S4−1)。
【0062】
次に、演算/送受信制御部52は、コンピュータネットワーク網40経由で送られてきたカードIDに基づいて、累積歩行高低量DBに記憶してある情報を参照し、累積歩行高低量を取得する。たとえば上記例の場合、ターミナル20A1で読み込んだカードIDが00112であるので、演算/送受信制御部52は累積歩行高低量として600mを取得する(S4−2)。
【0063】
演算/送受信制御部52は、新宿駅用の階段DBから取得した高低差と累積歩行高低量DBから取得した累積歩行高低量を加算して、現在の累積歩行高低量を演算し、演算後の累積歩行高低量で累積歩行高低量DBの累積歩行高低量のエリアの数値を更新する。たとえば上記例の場合、階段DBから取得した階段の高低差が21mであり、累積歩行高低量DBから取得した累積歩行高低量が600mであるので、累積歩行高低量DBの累積歩行高低量のエリアには621mの数値が更新記憶される(S4−3)。
【0064】
そして、演算/送受信制御部52は、更新した累積歩行高低量DBの累積歩行高低量を、山の高さDBに記憶されている標高と比較して、登頂中の山IDを取得する。たとえば上記例の場合、更新記憶後の累積歩行高低量621mを山の高さDBに記憶されている標高と比較する。累積歩行高低量621mは高尾山の標高599mより大きく、六甲山931mの標高よりも小さいので、六甲山の山IDMT002を取得する。
【0065】
演算/送受信制御部52は、山の高さDBから取得した山IDで累積歩行高低量DBの山IDを更新記憶する。たとえば上記例の場合、累積歩行高低量DBに記憶されている現在の山IDMT002をMT002に書き換える。この場合、結果的には同一の山IDとなる(S4−5)。
【0066】
次に、演算/送受信制御部52は、山の高さDBに記憶されている山IDを参照して、累積歩行高低量DBに更新記憶した山IDに合致する山名を取得する。たとえば上記例の場合、更新記憶した山IDがMT002であるので、山名として「六甲山」を取得する(S4−6)。
【0067】
最後に、演算/送受信制御部52は、コンピュータネットワーク網40経由で送られてきたカードIDに基づいて、累積歩行高低量DBに記憶してある利用者の固有IDを取得する。たとえば上記例の場合、カードIDが00112であるので、N002の固有IDを得る。
【0068】
以上の処理が終了すると、図11のS4の処理が終了する。
【0069】
メインサーバ50の演算/送受信制御部52は、以上の処理で演算した累積歩行高低量、検索した登頂中の山名、検索した利用者の固有IDを、コンピュータネットワーク網40を介して統括コンピュータ30Aに送信する(S5)。
【0070】
統括コンピュータ30Aのディスプレイ制御部34Aは、受信した累積歩行高低量、登頂中の山名、固有IDを、ターミナル20A1の近くに設置してある60A1に、図4に示したような態様で表示する。
【0071】
ICカード10の利用者は、登ろうとする階段の下側に設けてあるターミナル20A1にICカード10をタッチするだけで、その階段を登った場合に、現在の累積歩行高低量が何メートルであるのか、山に見立てるとどの山に登頂中であるのか、また、自分の固有IDがどのようなものであるかを、そのタッチとほぼ同時に知ることができる。
【0072】
以上のような累積歩行高低量報知システムを駅の階段に設置することによって、登り階段を利用しようとする人が増加し、登り階段に併設されているエレベーターやエスカレータの利用率を減少させることができる。
【0073】
このため、エレベーターやエスカレータの使用電気量を減らすことができ、これから日本が世界をリードしようとしている二酸化炭素の排出制限に寄与することがでる。また、階段を積極的に利用しようとする人が増加することから、医療費の削減にも結びつくようになる。
[実施形態2]
実施形態1の累積歩行高低量報知システムは、階段を登った累積の高さが何mで、山に見立てるとどの山を登頂中であるのかがわかるようにして、登り階段の利用率を向上させるようにしている。
【0074】
実施形態2の累積歩行高低量報知システムは、階段を下った累積の低さが何mで、海の海溝に見立てるとどの海溝を潜っている最中であるのかがわかるようにして、下り階段の利用率を向上させるようにしている。
【0075】
本実施形態の累積歩行高低量報知システムは、実施形態1の累積歩行高低量報知システムの構成および動作と基本的には同一であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0076】
実施形態1と異なっているのは、図3A〜図3Dに示したICカードに記載されるデザインと表示である。本実施形態では、山名に代えて海溝名が表示され、その海溝の深さ(m)が表示される。
【0077】
また、山の高さDBが海溝の深さDBに代えられ、山の高さDBと累積歩行高低量DBの山IDが海溝IDに代えられる。また、山の高さDBの山名が海溝名に、標高が深さにそれぞれ代えられる。
【0078】
以上のように、各DBの名前およびDBの中身のデータを変更すれば、ICカード10の利用者が下り階段でも累積歩行高低量報知システムを利用できるようになる。ただ、この場合は、登り階段用のターミナルと下り階段用のターミナルを分けて設置する必要がある。
【0079】
以上のような累積歩行高低量報知システムを駅の階段に設置することによって、下り階段を利用しようとする人が増加し、下り階段に併設されているエレベーターやエスカレータの利用率を減少させることができる。
【0080】
このため、エレベーターやエスカレータの使用電気量を減らすことができ、これから日本が世界をリードしようとしている二酸化炭素の排出制限に寄与することがでる。また、階段を積極的に利用しようとする人が増加することから、医療費の削減にも結びつくようになる。
[実施形態3]
実施形態1および実施形態2では、ICカード10の利用者が自分の累積歩行高低量および登頂中の山名を駅構内で確認できるようにしたが、実施形態3では、利用者がその利用者の固有IDをユーザーPCから入力することによって、ユーザーPCのディスプレイに自分の累積歩行高低量および登頂中の山名を確認できるようにしている。
【0081】
本実施形態の累積歩行高低量報知システムは、実施形態1の累積歩行高低量報知システムの構成および動作と基本的には同一である。ただ、ユーザーPC70を用いてコンピュータネットワーク網40を介してメインサーバ50にアクセスできるようにしている。
【0082】
まず、ICカード10の利用者は、駅構内のディスプレイに表示される固有IDをユーザーPC70のキーボードから入力する。たとえば、固有IDとしてN002を入力する(S11)。
【0083】
メインサーバ50の演算/送受信制御部52は、ユーザーPC70からコンピュータネットワーク網40を介して送信されてきた固有IDを入力し、累積歩行高低量DBからその固有IDの累積歩行高低量と山IDとを取得する。上記の例の場合、累積歩行高低量として600mを、山IDとしてMT002を取得する(S12)。
【0084】
次に、演算/送受信制御部52は、山の高さDBに記憶されている山IDを参照して、累積歩行高低量DBの山IDに合致する山名を取得する。たとえば上記例の場合、記憶されている山IDがMT002であるので、山名として「六甲山」を取得する(S13)。
【0085】
演算/送受信制御部52は、以上の処理で演算した累積歩行高低量、検索した登頂中の山名を、コンピュータネットワーク網40を介してユーザーPC70に送信する(S14)。
【0086】
送信された累積歩行高低量、登頂中の山名はユーザーPCのディスプレイに表示される(S15)。
【0087】
以上のように、本実施形態では、ICカード10の利用者の家、外出先からでも、累積歩行高低量、登頂中の山名を容易に確認することができる。
【0088】
以上、本発明に係る累積歩行高低量報知システムの使用態様を実施形態1から実施形態3に分けて説明した。以上の実施形態では、駅の階段の上り下りした高さをICカード10の利用者が簡単に見られるようにして、利用者が階段を積極的に利用するように仕向け、階段の利用率の向上や省エネの向上、二酸化炭素排出量の抑制、利用者の健康面で貢献できるように配慮した。
【0089】
本発明に係る累積歩行高低量報知システムは、さらに、登山路や長い坂道に設置することによって、歩行意欲の増進に貢献させることも可能である。たとえば、富士山の山頂に累積歩行高低量報知システムを設置して、富士山の登頂を記録すると共に、歩行した高低量を記録することも可能である。累積歩行高低量報知システムを種々の山々に設置することで、生涯にわたる登山記録、すなわち登山した山名、登山した累積歩行高低量(登りと下り)を自動的に記憶させておくことができ、登山の意欲を後押しすることで、健康増進のツールとしても役立たせることができる。
【0090】
さらに、本発明に係る累積歩行高低量報知システムは、現在普及しているICカードを利用することによって実現することができるので、初期費用が抑えられるばかりではなく、利用者も改札を通過する感覚で気軽に参加することができる。
【0091】
また、どの山まで登頂が完了したかによって、差別化したサービスを提供することによって、都営大江戸線などの地下鉄やJRの利用率の向上につなげることも可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 ICカード、
12 記憶部、
20A1〜20A3 ターミナル、
20B1〜20B3 ターミナル、
30A、30B 統括コンピュータ、
32A ターミナル制御部、
34A ディスプレイ制御部、
36A 送受信部、
40 コンピュータネットワーク網、
50 メインサーバ、
52 演算/送受信制御部、
54 階段DB、
56 累積歩行高低量DB、
58 山の高さDB、
60A1〜60A3 ディスプレイ、
60B1〜60B3 ディスプレイ、
70 ユーザーPC。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードIDを記憶したカード型記憶媒体と、
高低差のある歩行路に設置し前記カードIDを読み取るターミナルと、
読み取った前記カードIDと前記カードIDを読み取った前記ターミナルを特定するIDとをコンピュータネットワーク網に送信するために前記ターミナルと前記コンピュータネットワーク網とに接続した統括コンピュータと、
前記カードIDと前記ターミナルを特定するIDとから前記カード型記憶媒体の利用者の累積歩行高低量を演算するメインサーバと、
前記メインサーバから前記コンピュータネットワーク網を介して送信された前記利用者の累積歩行高低量を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする累積歩行高低量報知システム。
【請求項2】
前記メインサーバは、
前記ターミナルを特定するIDと関連付けて前記ターミナルが設置されている歩行路の高低差を記憶する階段データベースと、
前記読み取ったカードIDと関連付けて累積歩行高低量、各山に割り当てられた山IDおよび利用者の固有IDとを記憶する累積歩行高低差データベースと、
前記山IDと関連付けて山名とその山名の標高とを記憶する山の高さデータベースとを備えて、
前記メインサーバは、前記カードIDから利用者の現在までの累積歩行高低量を取得し前記ターミナルを特定するIDから利用者が登ろうとしているまたは登った階段の高低差を取得して、利用者の現在までの累積歩行高低量に利用者が登ろうとしているまたは登った階段の高低差を加えることによって、最新の累積歩行高低量を演算することを特徴とする請求項1に記載の累積歩行高低量報知システム。
【請求項3】
前記メインサーバは、最新の累積歩行高低量を山の高さデータベースに記憶されている標高と比較してその標高に該当する山IDを取得し、取得した山IDから山名を、前記コンピュータネットワーク網を介して送信し、当該山名を前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項2に記載の累積歩行高低量報知システム。
【請求項4】
さらに、前記コンピュータネットワーク網に接続したユーザーPCを備え、ユーザーPCで入力した利用者の固有IDを前記累積歩行高低差データベースの固有IDと照合し、利用者の最新の累積歩行高低量と山名を前記ユーザーPCに表示させることを特徴とする請求項2または3に記載の累積歩行高低量報知システム。
【請求項5】
前記高低差のある歩行路は、階段、坂道、登山道のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の累積歩行高低量報知システム。
【請求項1】
カードIDを記憶したカード型記憶媒体と、
高低差のある歩行路に設置し前記カードIDを読み取るターミナルと、
読み取った前記カードIDと前記カードIDを読み取った前記ターミナルを特定するIDとをコンピュータネットワーク網に送信するために前記ターミナルと前記コンピュータネットワーク網とに接続した統括コンピュータと、
前記カードIDと前記ターミナルを特定するIDとから前記カード型記憶媒体の利用者の累積歩行高低量を演算するメインサーバと、
前記メインサーバから前記コンピュータネットワーク網を介して送信された前記利用者の累積歩行高低量を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする累積歩行高低量報知システム。
【請求項2】
前記メインサーバは、
前記ターミナルを特定するIDと関連付けて前記ターミナルが設置されている歩行路の高低差を記憶する階段データベースと、
前記読み取ったカードIDと関連付けて累積歩行高低量、各山に割り当てられた山IDおよび利用者の固有IDとを記憶する累積歩行高低差データベースと、
前記山IDと関連付けて山名とその山名の標高とを記憶する山の高さデータベースとを備えて、
前記メインサーバは、前記カードIDから利用者の現在までの累積歩行高低量を取得し前記ターミナルを特定するIDから利用者が登ろうとしているまたは登った階段の高低差を取得して、利用者の現在までの累積歩行高低量に利用者が登ろうとしているまたは登った階段の高低差を加えることによって、最新の累積歩行高低量を演算することを特徴とする請求項1に記載の累積歩行高低量報知システム。
【請求項3】
前記メインサーバは、最新の累積歩行高低量を山の高さデータベースに記憶されている標高と比較してその標高に該当する山IDを取得し、取得した山IDから山名を、前記コンピュータネットワーク網を介して送信し、当該山名を前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項2に記載の累積歩行高低量報知システム。
【請求項4】
さらに、前記コンピュータネットワーク網に接続したユーザーPCを備え、ユーザーPCで入力した利用者の固有IDを前記累積歩行高低差データベースの固有IDと照合し、利用者の最新の累積歩行高低量と山名を前記ユーザーPCに表示させることを特徴とする請求項2または3に記載の累積歩行高低量報知システム。
【請求項5】
前記高低差のある歩行路は、階段、坂道、登山道のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の累積歩行高低量報知システム。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【公開番号】特開2011−81435(P2011−81435A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230685(P2009−230685)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(395007277)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(395007277)
【Fターム(参考)】
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