説明

組み立て式シャワー装置

【課題】 組み立てや解体が簡単に行えるシャワー装置を提供する。
【解決手段】 組み立て式シャワー装置は、縦支柱と、前縦支柱と連結される横支柱とで形成される直方体空間を備える。直方体空間は、上面が開口し、側面が外壁用防水シート又は第1カーテンで覆われ、間仕切り用防水シートで複数の区画に間仕切りされる。直方体空間には、3つの側面が外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで、1つの側面が第2カーテンで囲まれシャワー室として使用される第1空間と、1つの側面が第2カーテンで、対向する1対の側面が外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで、第2カーテンに対向する側面が第1カーテンで囲まれ脱衣場として使用される第2空間との組み合わせが一方向に複数個並べられたものが1列以上設けられ、直方体空間は、屋根があるテントの下に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立て式シャワー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のように、支柱と側面壁と天井壁とを使って個室空間を形成する簡易テントが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−45574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、天井壁を設け、天井壁と支柱や側面壁との連結を行う必要があり、組み立てや解体の作業が複雑化していた。
【0005】
したがって本発明の目的は、組み立てや解体が簡単に行えるシャワー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る組み立て式シャワー装置は、縦支柱と、前縦支柱と連結される横支柱とで形成される直方体空間を備え、直方体空間は、上面が開口し、側面が外壁用防水シート又は第1カーテンで覆われ、間仕切り用防水シートで複数の区画に間仕切りされ、直方体空間には、3つの側面が外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで、1つの側面が第2カーテンで囲まれシャワー室として使用される第1空間と、1つの側面が第2カーテンで、対向する1対の側面が外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで、第2カーテンに対向する側面が第1カーテンで囲まれ脱衣場として使用される第2空間との組み合わせが一方向に複数個並べられたものが1列以上設けられ、直方体空間は、屋根があるテントの下に設けられる。
【0007】
組み立て式シャワー装置におけるシャワー室(第1空間)や脱衣場(第2空間)の側面は外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートや第1カーテンで覆われ内側が見えないようにされるが、上面は開口しているため、上面を閉じる形態に比べて、構造が簡単で、組み立てや解体が容易に行える。また、組み立て式シャワー装置は、屋根があるテントの下に設けられるため、上面が開口していても、上からは内部の構造がのぞけないし、雨なども入らない。また、シャワー室や脱衣場は、開口している上面から乾燥させることが出来るため、シャワー室や脱衣場の湿気を容易に取り除くことが出来る。
【0008】
また、天井壁を設けないため、必ずしも平均的な人間の身長よりも高めに側面を形成させる必要がなく、少ない面積の防水シートで、シャワー装置を形成することが可能になる。
【0009】
また、側面は、シート状の外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで構成されるため、解体時には、折りたたんだり、巻物状に収納したりすることが出来る。このため、解体後の部材(支柱、外壁用防水シート、間仕切り用防水シートなど)の持ち運びも容易に出来る。
【0010】
好ましくは、直方体空間の床面には、脱衣場よりもシャワー室が低く、シャワー室の一方の外側が他方の外側か若しくは中央部のシャワー室よりも低くなるような傾斜をつけた形状を有する床面部の上に、防水シートが敷かれる。
【0011】
脱衣場よりもシャワー室が低く、シャワー室の一方の外側を他方の外側(若しくは中央部)よりも低くなるような緩い傾斜をつけた形状の上に防水シートを敷いた場合には、脱衣場に排水が侵入したりせず、一方向の一方(又は、両方)の外側に集中して排水させることが出来る。
【0012】
また、好ましくは、シャワー室に、冷水又は温水を供給するポンプと湯沸かし器を更に備える。
【0013】
本発明に係る組み立て式シャワー装置は、縦支柱と、縦支柱と連結される横支柱とで形成される直方体空間を備え、直方体空間は、上面が開口し、側面が外壁用防水シート又は第1カーテン又は第1カーテンに平行な第2カーテンで覆われ、間仕切り用防水シートで複数の区画に間仕切りされ、直方体空間には、対向する1対の側面が外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで、対向する1対の側面の一方が第1カーテンと平行な第3カーテンで、他方が第1カーテンと平行な第4カーテンで囲まれシャワー室として使用される第1空間と、1つの側面が第1カーテンで、対向する1対の側面が外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで、第1カーテンに対向する側面が第3カーテンで囲まれ脱衣場として使用される第2空間と、1つの側面が第2カーテンで、対向する1対の側面が外壁用防水シート又は間仕切り用防水シートで、第2カーテンに対向する側面が第4カーテンで囲まれ着衣場として使用される第3空間が、第2空間、第1空間、第3空間の順に一方向に並べられたものが複数個設けられ、直方体空間は、屋根があるテントの下に設けられる。
【0014】
脱衣場(第2空間)でそれまで着ていた衣服を脱ぎ、シャワー室(第1空間)で体を洗い、着衣室(第3空間)で新しい衣服を着る。このため、シャワー室を使用する前に着ていた衣服は汚染されている可能性があり、シャワー室を使用した後に新しい衣服を着る状況下において、短時間で多くの人にシャワー室を使用させることが可能になる。例えば、シャワー室への入り口(脱衣場)と出口(着衣場)が別で、シャワー室を利用する人の流れを一方通行にして、汚染がシャワーで遮断出来るよう配慮されているため、口蹄疫発生農場などでの作業従事者が着ていた衣服を消毒洗浄や焼却処理し、シャワー室使用後に新しい衣服に着替える状況下で有効に使える。
【0015】
好ましくは、直方体空間の下部には、防水シートが敷かれ、シャワー室で生じた排水の防水シートから外部への流出を防ぐため、防水シートの端部が、端部以外よりも高くなるように、嵩上げされる。
【0016】
また、好ましくは、直方体空間の下部には、着衣場の床面がシャワー室の床面よりも嵩上げされた状態で、防水シートが敷かれる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、組み立てや解体が簡単に行えるシャワー装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態、第2実施形態における組み立て式シャワー装置が、屋根があるテントの下に設けられた状態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態における組み立て式シャワー装置の斜視図である。
【図3】第1実施形態における組み立て式シャワー装置における直方体空間の上面図である。
【図4】第1実施形態における縦支柱、横支柱、床面部の位置関係を示す、組み立て前の斜視図である。
【図5】第2実施形態における組み立て式シャワー装置の斜視図である。
【図6】第2実施形態における組み立て式シャワー装置における直方体空間の上面図である。
【図7】第2実施形態における縦支柱、横支柱、床面の防水シートの位置関係を示す、組み立て前の斜視図である。
【図8】第2実施形態における床面の防水シートと、防水シートが取り付けられる横支柱の位置関係を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、第1実施形態における組み立て式シャワー装置10の構成について、図を用いて説明する。第1実施形態に係る組み立て式シャワー装置10は、屋根があるテント5の下に設けられ、第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6、第1横支柱11b1〜第7横支柱11b7、外壁用防水シート13、間仕切り用防水シート14、第1カーテン15a、第2カーテン15b、スノコ17、脱衣籠18、タンク21、ポンプ23、湯沸かし器25、ホース27、シャワーヘッド31を備える(図1〜図4参照)。
【0020】
なお、図1では、屋根があるテント5として、側面が空いているものを使って説明するが、側面が閉じたものを使用する形態であってもよい。また、図3は、タンク21、ポンプ23、湯沸かし器25を省略している。
【0021】
方向を示すため、直交する水平方向をx方向、y方向とし、x方向とy方向に垂直な鉛直方向をz方向とする。
【0022】
第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6は、z方向に延びる支柱であり、下部分が地面(又は不図示の土台)に固定(または載置)される。
【0023】
第1縦支柱11a1、第3縦支柱11a3、第5縦支柱11a5は、x方向に等間隔に並べられ、第2縦支柱11a2、第4縦支柱11a4、第6縦支柱11a6は、x方向に等間隔に並べられる。
【0024】
第1縦支柱11a1と第2縦支柱11a2は、y方向に並べられ、第3縦支柱11a3と第4縦支柱11a4は、y方向に並べられ、第5縦支柱11a5と第6縦支柱11a6は、y方向に並べられる。
【0025】
第1横支柱11b1〜第3横支柱11b3は、y方向に延びる支柱であり、第4横支柱11b4〜第7横支柱11b7は、x方向に延びる支柱であり、それぞれの端部が、縦支柱のいずれかの上部と連結される。
【0026】
なお、図面の簡素化のために、各支柱の形状を直方体形状としているが、円柱形状など他の形状であってもよい。また、縦支柱と横支柱の連結部に、連結状態を補強する補強部材を設ける形態であってもよい。
【0027】
第1縦支柱11a1、第2縦支柱11a2、第3縦支柱11a3、第4縦支柱11a4、第1横支柱11b1、第2横支柱11b2、第4横支柱11b4、第6横支柱11b6により第1直方体空間が形成され、第3縦支柱11a3、第4縦支柱11a4、第5縦支柱11a5、第6縦支柱11a6、第2横支柱11b1、第3横支柱11b3、第5横支柱11b5、第7横支柱11b7により第2直方体空間が形成される。
【0028】
第1直方体空間、第2直方体空間は、さらにブルーシートなど透過しない防水シートで構成された間仕切り用防水シート14によって、複数の区画に間仕切りされ、それぞれ4つの小空間(計8つの小空間)が形成される(図2、図3参照)。
【0029】
第1縦支柱11a1、第2縦支柱11a2、第6縦支柱11a6、第5縦支柱11a5、第1横支柱11b1、第4横支柱11b4、第5横支柱11b5、第3横支柱11b3、第7横支柱11b7、第6横支柱11b6で囲まれた直方体空間(第1直方体空間と第2直方体空間)の上部は、開口する。
【0030】
直方体空間の側面は、ブルーシートなど透過しない防水シートで構成された外壁用防水シート13、若しくは、折りたたみや巻き取りなどで収納可能な第1カーテン15aで覆われる。
【0031】
具体的には、第1縦支柱11a1と第2縦支柱11a2は、外壁用防水シート13で連結され、第3縦支柱11a3と第4縦支柱11a4は、間仕切り用防水シート14で連結され、第5縦支柱11a5と第6縦支柱11a6は、外壁用防水シート13で連結される。
【0032】
外壁用防水シート13や、間仕切り用防水シート14は、端部に設けられた紐が縦支柱などに括り付けられることにより、縦支柱など取り付けられる。
【0033】
また、第1縦支柱11a1と第2縦支柱11a2とを連結する外壁用防水シート13と、第3縦支柱11a3と第4縦支柱11a4とを連結する間仕切り用防水シート14との間の第1直方体空間は、直交する2つの間仕切り用防水シート14で4等分される。
【0034】
同様に、第3縦支柱11a3と第4縦支柱11a4とを連結する間仕切り用防水シート14と、第5縦支柱11a5と第6縦支柱11a6とを連結する外壁用防水シート13との間の第2直方体空間は、直交する2つの間仕切り用防水シート14で4等分される。
【0035】
第1縦支柱11a1と第3縦支柱11a3は、2つの第1カーテン15aで連結され、第3縦支柱11a3と第5縦支柱11a5は、2つの第1カーテン15aで連結され、第2縦支柱11a2と第4縦支柱11a4は、2つの第1カーテン15aで連結され、第4縦支柱11a4と第6縦支柱11a6は、2つの第1カーテン15aで連結される。
【0036】
すなわち、第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6で囲まれた直方体空間は、間仕切り用防水シート14により、8つの小空間に区切られ、それぞれの小空間は、三つの側面が外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で囲まれ、残りの側面には、第1カーテン15aが設けられ、開閉可能な状態にされる。
【0037】
それぞれの小空間には、さらに折りたたみや巻き取りなどで収納可能な第2カーテン15bが設けられ、第2カーテン15bと外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で囲まれた第1空間は、シャワー室として使用され、第1カーテン15aと第2カーテン15bと外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で囲まれた第2空間は、脱衣場として使用される。各脱衣場(第2空間)には、脱衣籠18が設けられる。
【0038】
第1カーテン15a、第2カーテン15bは、横支柱などに設けられたカーテンレールの下に取り付けられる。
【0039】
すなわち、それぞれの小空間には、3つの側面が外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で、1つの側面が第2カーテン15bで囲まれたシャワー室(第1空間)と、1つの側面が第2カーテン15bで、対向する1対の側面が外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で、第2カーテン15bに対向する側面が第1カーテン15aで囲まれた脱衣場(第2空間)との組み合わせが形成され、かかるシャワー室(第1空間)と脱衣場(第2空間)の組み合わせが1方向(x方向)に複数個並べられたものが、y方向に1列以上設けられる。第1実施形態では、シャワー室(第1空間)と脱衣場(第2空間)の組み合わせが1方向(x方向)に4個並べられたものが、y方向に2列設けられた状態を示す。
【0040】
x方向と平行であって、第1縦支柱11a1、第2縦支柱11a2、第6縦支柱11a6、第5縦支柱11a5で囲まれた直方体空間を二等分する間仕切り用防水シート14、すなわち、各シャワー室(第1空間)における第2カーテン15bと対向する間仕切り用防水シート14の上部には、該直方体空間の外側に配置されたタンク21からの冷水(又は温水)を各シャワー室に供給するホース27やシャワーヘッド31が設けられ、各シャワー室には、シャワーヘッド31から供給される水の流量を調整する調整弁(不図示)が設けられる。但し、ホース27は、直方体空間を二等分する間仕切り用防水シート14の下部を通る形態であってもよい。また、シャワーヘッド31が設けられる位置は、シャワー室を構成する他の壁面であってもよい。
【0041】
タンク21には、各シャワー室で使用する水が貯められ、タンク21の水は、ポンプ23によって、ホース27を介して各シャワー室のシャワーヘッド31に到達される。また、経路途中には、温水を供給するための湯沸かし器25が設けられる。各シャワー室には、スノコ17が設けられる。ポンプ23や、湯沸かし器25の電源としては、発電機やバッテリーなどが考えられ、これらはポンプ23などの近辺に設置される。
【0042】
なお、各シャワー室に供給する水の温度を別々に制御出来る湯沸かし器25を設け、各シャワー室には、シャワーヘッド31から供給される水の流量と温度とを調整する調整弁が設けられる形態であってもよい。また、タンク21、ポンプ23、湯沸かし器25は、該直方体空間の外側に限らず、内側に配置する形態であってもよい。
【0043】
直方体空間(各シャワー室や、各脱衣場)の床面は、ブルーシートなどの防水シートが設けられる。かかる床面は、水平面と平行な平面形状であって、その上に防水シートを敷き、各シャワー室で生じた排水を自然に外に流す形態でも良いが、脱衣場よりもシャワー室が低く、シャワー室の一方の外側を他方の外側(若しくは中央部)よりも低くなるような緩い傾斜をつけた形状の上に防水シートを敷いた場合には、脱衣場に排水が侵入したりせず、y方向の一方(又は、両方)の外側に集中して排水させることが出来る。
【0044】
第1実施形態では、図4に示すように、各シャワー室(第1空間)における第2カーテン15bと対向する間仕切り用防水シート14がある側が、第1カーテン15aがある側よりも低くなり、且つ、y方向の一方(タンク21等が無い側)が、他方(タンク21等が有る側)よりも低くなるような緩い傾斜を有する形状の底面部40を設け、その上に防水シートを敷く。これにより、排水が、タンク21等と接触せずに、y方向の一方に流すことが可能になる。
【0045】
組み立て式シャワー装置10におけるシャワー室(第1空間)や脱衣場(第2空間)の側面は外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14や第1カーテン15aで覆われ内側が見えないようにされるが、上面は開口しているため、上面を閉じる形態に比べて、構造が簡単で、組み立てや解体が容易に行える。また、第1実施形態に係る組み立て式シャワー装置10は、屋根があるテント5の下に設けられるため、上面が開口していても、上からは内部の構造がのぞけないし、雨なども入らない。また、シャワー室や脱衣場は、開口している上面から乾燥させることが出来るため、シャワー室や脱衣場の湿気を容易に取り除くことが出来る。
【0046】
また、天井壁を設けないため、必ずしも平均的な人間の身長よりも高めに側面を形成させる必要がなく、少ない面積の防水シートで、シャワー装置を形成することが可能になる。
【0047】
また、側面は、シート状の外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で構成されるため、解体時には、折りたたんだり、巻物状に収納したりすることが出来る。このため、解体後の部材(支柱11、外壁用防水シート13、間仕切り用防水シート14など)の持ち運びも容易に出来る。
【0048】
なお、第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6や、外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で構成される小空間(シャワー室(第1空間)と脱衣場(第2空間)の組み合わせ)の数は、8つに限るものではない。
【0049】
次に、第2実施形態における組み立て式シャワー装置10の構成について説明する。第1実施形態では、第2空間の脱衣場が着衣場を兼ねる形態(第1空間と第2空間とで構成される形態)を説明したが、第2実施形態では、第2空間は脱衣場として使用され、新たに設けられた第3空間が着衣場として使用される形態(第1空間〜第3空間で構成される形態)を説明する。以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0050】
第2実施形態に係る組み立て式シャワー装置10は、屋根があるテント5の下に設けられ、第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6、第1横支柱11b1〜第7横支柱11b7、外壁用防水シート13、間仕切り用防水シート14、第1カーテン15a、第2カーテン15b、第3カーテン15c、第4カーテン15d、スノコ17、脱衣籠18、タンク21、ポンプ23、湯沸かし器25、ホース27、シャワーヘッド31を備える(図1、図5〜図8参照)。
【0051】
第2実施形態における第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6、第1横支柱11b1〜第7横支柱11b7、外壁用防水シート13、タンク21、ポンプ23、湯沸かし器25の構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態では、第3空間を別途形成するために、間仕切り用防水シート14やカーテン(第1カーテン15a、第2カーテン15b、第3カーテン15c、第4カーテン15d)の構成が、第1実施形態のものと異なる。
【0052】
第1縦支柱11a1、第2縦支柱11a2、第3縦支柱11a3、第4縦支柱11a4、第1横支柱11b1、第2横支柱11b2、第4横支柱11b4、第6横支柱11b6により第1直方体空間が形成され、第3縦支柱11a3、第4縦支柱11a4、第5縦支柱11a5、第6縦支柱11a6、第2横支柱11b1、第3横支柱11b3、第5横支柱11b5、第7横支柱11b7により第2直方体空間が形成される。
【0053】
第1直方体空間、第2直方体空間は、さらにブルーシートなど透過しない防水シートで構成された間仕切り用防水シート14によって、複数の区画に間仕切りされ、それぞれ2つの小空間(計4つの小空間)が形成される(図5、図6参照)。
【0054】
直方体空間の側面は、ブルーシートなど透過しない防水シートで構成された外壁用防水シート13、若しくは、折りたたみや巻き取りなどで収納可能な第1カーテン15a、第2カーテン15bで覆われる。
【0055】
具体的には、第1縦支柱11a1と第2縦支柱11a2は、外壁用防水シート13で連結され、第3縦支柱11a3と第4縦支柱11a4は、間仕切り用防水シート14で連結され、第5縦支柱11a5と第6縦支柱11a6は、外壁用防水シート13で連結される。
【0056】
外壁用防水シート13や、間仕切り用防水シート14は、端部に設けられた紐が縦支柱などに括り付けられることにより、縦支柱など取り付けられる。
【0057】
また、第1縦支柱11a1と第2縦支柱11a2とを連結する外壁用防水シート13と、第3縦支柱11a3と第4縦支柱11a4とを連結する間仕切り用防水シート14との間の第1直方体空間は、第1縦支柱11a1と第2縦支柱11a2とを連結する外壁用防水シート13と平行な間仕切り用防水シート14で2等分される。
【0058】
第1直方体空間を二等分する間仕切り用防水シート14は、第4横支柱11b4の中間地点や、第6横支柱11b6の中間地点に取り付けられる形態でも良いし、第1縦支柱11a1と第3縦支柱11a3の中間地点や、第2縦支柱11a2と第4縦支柱11a4の中間地点に設けられた縦支柱(不図示)に取り付けられる形態であっても良い。
【0059】
同様に、第3縦支柱11a3と第4縦支柱11a4とを連結する間仕切り用防水シート14と、第5縦支柱11a5と第6縦支柱11a6とを連結する外壁用防水シート13との間の第2直方体空間は、第5縦支柱11a5と第6縦支柱11a6とを連結する外壁用防水シート13と平行な間仕切り用防水シート14で2等分される。
【0060】
第2直方体空間を二等分する間仕切り用防水シート14は、第5横支柱11b5の中間地点や、第7横支柱11b7の中間地点に取り付けられる形態でも良いし、第3縦支柱11a3と第5縦支柱11a5の中間地点や、第4縦支柱11a4と第6縦支柱11a6の中間地点に設けられた縦支柱(不図示)に取り付けられる形態であっても良い。
【0061】
第1縦支柱11a1と第3縦支柱11a3は、2つの第2カーテン15bで連結され、第3縦支柱11a3と第5縦支柱11a5は、2つの第2カーテン15bで連結され、第2縦支柱11a2と第4縦支柱11a4は、2つの第1カーテン15aで連結され、第4縦支柱11a4と第6縦支柱11a6は、2つの第1カーテン15aで連結される。
【0062】
すなわち、第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6で囲まれた直方体空間は、間仕切り用防水シート14により、4つの小空間に区切られ、それぞれの小空間は、対向する二つの側面が外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で囲まれ、別の対向する2つの側面の一方には第1カーテン15aが設けられ、他方には第2カーテン15bが設けられ、開閉可能な状態にされる。
【0063】
それぞれの小空間には、第1カーテン15aや第2カーテン15bと平行な位置関係に、折りたたみや巻き取りなどで収納可能な第3カーテン15c、第4カーテン15dが設けられる。第3カーテン15cと第4カーテン15dと外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で囲まれた第1空間は、シャワー室として使用される。第1カーテン15aと第3カーテン15cと外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で囲まれた第2空間は、脱衣場として使用される。第2カーテン15bと第4カーテン15dと外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で囲まれた第3空間は、着衣場として使用される。従って、第2空間と第3空間が第1空間を挟む位置関係になる。
【0064】
シャワー室(第1空間)、脱衣場(第2空間)と着衣場(第3空間)には、スノコ17が設けられ、脱衣場(第2空間)と着衣場(第3空間)には、スノコ17の上に、脱衣籠18が設けられる。
【0065】
第1カーテン15a、第2カーテン15b、第3カーテン15c、第4カーテン15dは、横支柱などに設けられたカーテンレールの下に取り付けられる。図5〜図7では、第3カーテン15cや第4カーテン15dの上部に横支柱が設けられていないが、かかる部分に、第4横支柱15b4と平行な横支柱を設ける形態であってもよい。
【0066】
それぞれの小空間には、対向する1対の側面が外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で、対向する1対の側面の一方が第3カーテン15cで、他方が第4カーテン15dで囲まれたシャワー室(第1空間)と、1つの側面が第1カーテン15aで、対向する1対の側面が外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で、第1カーテン15aに対向する側面が第3カーテン15cで囲まれた脱衣場(第2空間)と、1つの側面が第2カーテン15bで、対向する1対の側面が外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で、第2カーテン15bに対向する側面が第4カーテン15dで囲まれた着衣場(第3空間)の組み合わせが、第2空間、第1空間、第3空間の順に1方向(y方向)に並べられ、かかる小空間がx方向に4つ設けられる。
【0067】
シャワー室(または、第3カーテン15cや第4カーテン15d)の上部には、該直方体空間の外側に配置されたタンク21からの冷水(又は温水)を各シャワー室に供給するホース27やシャワーヘッド31が設けられ、各シャワー室には、シャワーヘッド31から供給される水の流量を調整する調整弁(不図示)が設けられる。但し、ホース27は、シャワー室の下部を通る形態であってもよい。
【0068】
直方体空間(各シャワー室や、各脱衣場)の床面は、ブルーシートなどの防水シートが設けられる。かかる床面は、水平面と平行な平面形状であって、その上に防水シートを敷く。
【0069】
各シャワー室で生じた排水の防水シートから外部への流出を防ぐため、防水シートの端部は、端部以外よりも高くなるように、嵩上げされるのが望ましい。例えば、直方体空間の下部で地表面より高い位置に設けられた横支柱(不図示)などに取り付けられることで、端部が嵩上げされ、囲い壁を形成することが出来る(図8参照)。嵩上げされた防水シートで囲まれた空間に貯まった排水は、ポンプなどで排出される。
【0070】
また、脱衣場(第2空間)や着衣場(第3空間)の床面が、シャワー室(第1空間)の床面よりも高くなるように、防水シートの脱衣場(第2空間)や着衣場(第3空間)がある部分の下に、板状部材を設けるなどして脱衣場などの床面を嵩上げする(嵩上げされた状態で防水シートを敷く)のが望ましい。特に、シャワー室(第1空間)で洗い終わった体に排水が触れないように、着衣場(第3空間)の床面は、シャワー室(第1空間)よりも高くするのが望ましい(図7参照)。
【0071】
組み立て式シャワー装置10におけるシャワー室(第1空間)や脱衣場(第2空間)や着衣場(第3空間)の側面は外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14や第1カーテン15aや第2カーテン15bで覆われ内側が見えないようにされるが、上面は開口しているため、上面を閉じる形態に比べて、構造が簡単で、組み立てや解体が容易に行える。また、第2実施形態に係る組み立て式シャワー装置10は、屋根があるテント5の下に設けられるため、上面が開口していても、上からは内部の構造がのぞけないし、雨なども入らない。また、シャワー室や脱衣場は、開口している上面から乾燥させることが出来るため、シャワー室や脱衣場や着衣場の湿気を容易に取り除くことが出来る。
【0072】
第2実施形態では、脱衣場(第2空間)でそれまで着ていた衣服を脱ぎ、シャワー室(第1空間)で体を洗い、着衣室(第3空間)で新しい衣服を着る。このため、シャワー室を使用する前に着ていた衣服が汚染されている可能性があり、シャワー室を使用した後に新しい衣服を着る状況下において、短時間で多くの人にシャワー室を使用させることが可能になる。例えば、口蹄疫発生農場などでの作業従事者が着ていた衣服を消毒洗浄や焼却処理し、シャワー室使用後に新しい衣服に着替える状況下で、シャワー室への入り口(脱衣場)と出口(着衣場)が別で、シャワー室を利用する人の流れを一方通行にして、汚染がシャワーで遮断出来るよう配慮された第2実施形態における組み立て式シャワー室10は有効に使える。
【0073】
なお、第1縦支柱11a1〜第6縦支柱11a6や、外壁用防水シート13又は間仕切り用防水シート14で構成される小空間(シャワー室(第1空間)と脱衣場(第2空間と着衣場(第3空間))の組み合わせ)の数は、4つに限るものではない。
【0074】
また、第1カーテン15aなど、第1実施形態や第2実施形態で使用するカーテンは、出入り口を覆い、開閉可能な間仕切りとして使用される幕を意味し、図2などで示すような蛇腹式のものだけでなく、平板状のものなど他の形状であってもよい。なお、第1実施形態や第2実施形態における第1カーテン15a、第2カーテン15b、第3カーテン15c、第4カーテン15dは、位置関係を示すために区別しただけであり、カーテンの機能を果たす限りにおいて、同じ部材を用いてもよいし、異なる部材を用いても良い。
【0075】
また、補強などのため、テント5と、直方体空間を形成する縦支柱や横支柱が接続する形態であってもよい。また、直方体空間を形成する縦支柱や横支柱は、図4や図7に示すものだけでなく、補強などのため、他の支柱を設ける形態であってもよい。
【0076】
第1実施形態、第2実施形態における組み立て式シャワー室10を構成する部材(支柱、防水シート、カーテン、タンク、発電機など)は、それぞれ持ち運び可能なものであり、且つ簡単に入手やメンテナンスが可能である。このため、野原や駐車場など、スペースさえ確保出来れば、簡単に組み立て式シャワー室10を設置することが可能になる。
【符号の説明】
【0077】
5 屋根があるテント
10 組み立て式シャワー装置
11a1〜11a6 第1縦支柱〜第6縦支柱
11b1〜11b7 第1横支柱〜第7横支柱
13 外壁用防水シート
14 間仕切り用防水シート
15a 第1カーテン
15b 第2カーテン
15c 第3カーテン
15d 第4カーテン
17 スノコ
18 脱衣籠
21 タンク
23 ポンプ
25 湯沸かし器
27 ホース
31 シャワーヘッド
40 底面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦支柱と、前記縦支柱と連結される横支柱とで形成される直方体空間を備え、
前記直方体空間は、上面が開口し、側面が外壁用防水シート又は第1カーテンで覆われ、間仕切り用防水シートで複数の区画に間仕切りされ、
前記直方体空間には、3つの側面が前記外壁用防水シート又は前記間仕切り用防水シートで、1つの側面が第2カーテンで囲まれシャワー室として使用される第1空間と、1つの側面が前記第2カーテンで、対向する1対の側面が前記外壁用防水シート又は前記間仕切り用防水シートで、前記第2カーテンに対向する側面が前記第1カーテンで囲まれ脱衣場として使用される第2空間との組み合わせが一方向に複数個並べられたものが1列以上設けられ、
前記直方体空間は、屋根があるテントの下に設けられることを特徴とする組み立て式シャワー装置。
【請求項2】
前記直方体空間の床面には、前記脱衣場よりも前記シャワー室が低く、前記シャワー室の一方の外側が他方の外側か若しくは中央部のシャワー室よりも低くなるような傾斜をつけた形状を有する床面部の上に、防水シートが敷かれることを特徴とする請求項1に記載の組み立て式シャワー装置。
【請求項3】
前記シャワー室に、冷水又は温水を供給するポンプと湯沸かし器を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の組み立て式シャワー装置。
【請求項4】
縦支柱と、前記縦支柱と連結される横支柱とで形成される直方体空間を備え、
前記直方体空間は、上面が開口し、側面が外壁用防水シート又は第1カーテン又は前記第1カーテンに平行な第2カーテンで覆われ、間仕切り用防水シートで複数の区画に間仕切りされ、
前記直方体空間には、対向する1対の側面が前記外壁用防水シート又は前記間仕切り用防水シートで、対向する1対の側面の一方が前記第1カーテンと平行な第3カーテンで、他方が前記第1カーテンと平行な第4カーテンで囲まれシャワー室として使用される第1空間と、1つの側面が前記第1カーテンで、対向する1対の側面が前記外壁用防水シート又は前記間仕切り用防水シートで、前記第1カーテンに対向する側面が前記第3カーテンで囲まれ脱衣場として使用される第2空間と、1つの側面が前記第2カーテンで、対向する1対の側面が前記外壁用防水シート又は前記間仕切り用防水シートで、前記第2カーテンに対向する側面が前記第4カーテンで囲まれ着衣場として使用される第3空間が、前記第2空間、前記第1空間、前記第3空間の順に一方向に並べられたものが複数個設けられ、
前記直方体空間は、屋根があるテントの下に設けられることを特徴とする組み立て式シャワー装置。
【請求項5】
前記直方体空間の下部には、防水シートが敷かれ、前記シャワー室で生じた排水の前記防水シートから外部への流出を防ぐため、前記防水シートの端部が、端部以外よりも高くなるように、嵩上げされることを特徴とする請求項4に記載の組み立て式シャワー装置。
【請求項6】
前記直方体空間の下部には、前記着衣場の床面が前記シャワー室の床面よりも嵩上げされた状態で、防水シートが敷かれることを特徴とする請求項4に記載の組み立て式シャワー装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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