説明

組み立て箱の蓋構造

【課題】安価で作業工程が良好な別部材を使用しない組み立て箱の蓋構造を提供すること。
【解決手段】方形の底面板(11)の相対向する二辺に長側面板(12、12)が連設され、他の相対する二辺に短側面板(13、13)が連設され、長側面板の両端にはそれぞれ舌片(14、14)が形成され、舌片の先端近傍は縦方向の切り込み(a)により二分され、底面板寄りは舌片が延長されて山折り線(b)、第2山折り線(c)、谷折り線(d)が順次設けられて折り返し部(15)が形成され、蓋に組み立てた時、折り返し部はそれぞれ山折り線、第2山折り線、谷折り線に沿って折り曲げられ、谷折り線から先端は接着片(16)を形成して、接着片の内面は長側面板の内面と接着され、方形の身箱受け枠(18)を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立て箱の蓋構造に関するものであり、特には、身箱とそれに被せる蓋で構成される贈答箱の蓋構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組み立て箱に代表される、「身箱」および「蓋」で構成された贈答箱で、特に身箱(20)がハーフサイズタイプ(深さが約半分)の場合には、積み重ね時の耐荷重対策として緩衝機能となる、蓋(50)の内面に「天パット」と称する別部材(60)を装着して収納物(30)を保護している場合が一般的である(図4参照)。
【0003】
しかしながら、このような別部材を装着する場合、作業工程なども含めてコスト面の問題及び効率の問題が生じていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、「天パット」と称する別部材を蓋の内面に装着して緩衝機能を持たせているような「身箱」および「蓋」で構成される贈答箱に関する以上のような問題に鑑みてなされたもので、安価で作業工程(作業効率)が良好な組み立て箱の蓋構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1の発明は、身箱及びそれに被せる蓋よりなる組み立て箱の蓋構造であって、方形の底面板の相対向する二辺にそれぞれ折り曲げ線を介して長側面板が連設され、他の相対する二辺にはそれぞれ折り曲げ線を介して短側面板が連設され、前記相対向する各側面板のどちらか一組の両端には折り曲げ線を介して舌片が形成され、該舌片の先端近傍は縦方向の切り込みにより二分され、二分された舌片の底面板寄りは、舌片が延長されて山折り線、第2山折り線、谷折り線が順次設けられて折り返し部が形成され、長側面板と短側面板と舌片を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を短側面板の内面に貼り合わせて蓋に組み立てた時、前記折り返し部はそれぞれ山折り線、第2山折り線、谷折り線に沿って折り曲げられ、谷折り線から先端は接着片を形成して接着片の内面は長側面板の内面と接着剤等を介して接着され、断面が方形の身箱受け枠を形成していることを特徴とする、組み立て箱の蓋構造である。
【0006】
このように請求項1記載の発明によれば、方形の底面板の相対向する二辺にそれぞれ折り曲げ線を介して長側面板が連設され、他の相対する二辺にはそれぞれ折り曲げ線を介して短側面板が連設され、前記相対向する各側面板のどちらか一組の両端には折り曲げ線を介して舌片が形成され、該舌片の先端近傍は縦方向の切り込みにより二分され、二分された舌片の底面板寄りは、舌片が延長されて山折り線、第2山折り線、谷折り線が順次設けられて折り返し部が形成され、長側面板と短側面板と舌片を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を短側面板の内面に貼り合わせて蓋に組み立てた時、前記折り返し部はそれぞれ山折り線、第2山折り線、谷折り線に沿って折り曲げられ、谷折り線から先端は接着片を形成して接着片の内面は長側面板の内面と接着剤等を介して接着され、断面が方形の身箱受け枠を形成しているので、身箱に収納物を収納して蓋を被せた時、蓋の4隅に形成された身箱受け枠が身箱の側面板に当たり、上からかかる荷重を受け止めることができる。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記折り返し部の幅は、身箱と蓋
を一体にした贈答箱の深さ(高さ)から、身箱の深さ(高さ)を差し引いた値であることを特徴とする、組み立て箱の蓋構造である。
【0008】
このように請求項2記載の発明によれば、前記折り返し部の幅を、身箱と蓋を一体にした贈答箱の深さから身箱の深さを差し引いた値としたので、緩衝効果に富んだ効率の良い組み立て箱の蓋構造が出来上がる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記材質は、ダンボールからなることを特徴とする、組み立て箱の蓋構造である。
【0010】
このように請求項3記載の発明によれば、材質がダンボールからなるので、積み重ね強度のある組み立て箱とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明の組み立て箱の蓋構造は、輸送もしくは保管時において、別部材を使用することなく、積載等による荷重に耐えることができる安価で容易に作製可能な贈答箱である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の組み立て箱の蓋構造は、例えば、図1、図2、図3に示すように、身箱(20)及びそれに被せる蓋(10)よりなる組み立て箱の蓋構造である。
【0013】
すなわち、方形の底面板(11)の相対向する二辺にそれぞれ折り曲げ線を介して長側面板(12、12)が連設されている。
他の相対する二辺にはそれぞれ折り曲げ線を介して短側面板(13、13)が連設されている。
【0014】
それぞれの長側面板(12、12)の両端には折り曲げ線を介して舌片(14、14、14、14)が形成されている。
【0015】
各舌片(14)の先端近傍は縦方向の切り込み(a)により二分され、二分された舌片の底面板寄りは、舌片が延長されて山折り線(b)、第2山折り線(c)、谷折り線(d)が順次設けられて折り返し部(15)が形成されている。
【0016】
以上のような構造からなる蓋ブランクを、先ず、折り返し部(15)を山折り線(b)、第2山折り線(c)、谷折り線(d)に沿って折り曲げ、谷折り線(d)から先端の接着片(16)の内面を、それと重なる長側面板(12)の内面に接着剤等を介して接着する。
【0017】
ついで、舌片(14)を折り曲げ線に沿って折り曲げると、折り曲げた舌片(14)と長側面板(12)の間の空間に、折り曲げ線、山折り線(b)、第2山折り線(c)、谷折り線(d)に囲まれた断面が方形の身箱受け枠(18)が出来上がる。
【0018】
引き続き、長側面板(12、12)と短側面板(13、13)と舌片(14、14、14、14)を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片(14)の外面を短側面板(13)の内面に貼り合わせて蓋(10)に組み立て、本発明の組み立て箱の蓋構造とする。
【0019】
なお、折り返し部(15)の幅は、身箱(20)に蓋(10)を被せて一体にした贈答箱の深さから、身箱の深さを差し引いた値とするとが好ましい。こうすることにより、贈
答箱を積み重ねた際、身箱受け枠が身箱の底面板に当たって、蓋に緩衝機能を持たせることができる。
【0020】
また、組み立て箱の蓋構造には、板紙、ダンボール等の紙が使用可能だが、贈答箱に使用されることを考慮すると耐荷重性のあるダンボールが好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の組み立て箱の蓋構造の一実施例を示す、蓋ブランクの平面説明図である。
【図2】本発明の組み立て箱の蓋構造の一実施例を示す、斜視説明図である。
【図3】本発明の組み立て箱の蓋構造を用いた組み立て箱の一実施例を断面で示す、概念説明図である。
【図4】従来の組み立て箱の蓋構造を用いた組み立て箱の一例を断面で示す、概念説明図である。
【符号の説明】
【0022】
10‥‥蓋
11‥‥底面板
12‥‥長側面板
13‥‥短側面板
14‥‥舌片
15‥‥折り返し部
16‥‥接着片
18‥‥身箱受け枠
20‥‥身箱
30‥‥収納物
50‥‥蓋
60‥‥天パット
a‥‥切り込み
b‥‥山折り線
c‥‥第2山折り線
d‥‥谷折り線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身箱及びそれに被せる蓋よりなる組み立て箱の蓋構造であって、
方形の底面板の相対向する二辺にそれぞれ折り曲げ線を介して長側面板が連設され、他の相対向する二辺にそれぞれ折り曲げ線を介して短側面板が連設され、
前記相対向する各側面板のどちらか一組の両端にはそれぞれ折り曲げ線を介して舌片が形成され、
該舌片の先端近傍は縦方向の切り込みにより二分され、二分された舌片の底面板寄りは、舌片が延長されて山折り線、第2山折り線、谷折り線が順次設けられて折り返し部が形成され、
長側面板と短側面板と舌片を折り曲げ線に沿って折り曲げ、舌片の外面を短側面板の内面に貼り合わせて蓋に組み立てた時、前記折り返し部はそれぞれ山折り線、第2山折り線、谷折り線に沿って折り曲げられ、谷折り線から先端は接着片を形成して接着片の内面は長側面板の内面と接着剤等を介して接着され、断面が方形の身箱受け枠を形成していることを特徴とする、組み立て箱の蓋構造。
【請求項2】
前記折り返し部の幅は、身箱と蓋を一体にした贈答箱の深さ(高さ)から身箱の深さ(高さ)を差し引いた値であることを特徴とする、請求項1記載の組み立て箱の蓋構造。
【請求項3】
前記組み立て箱の蓋の材質がダンボールからなることを特徴とする、請求項1又は2記載の組み立て箱の蓋構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−199302(P2006−199302A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10039(P2005−10039)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】