組合せスイッチ及びそれを用いた複合電気配線体
【課題】余分な接続部品なしで機能追加が可能で、電気配線体の電線本数の増加を抑制でき、配線経路の長さも合理化できる組合せスイッチを提供する。
【解決手段】複数のスイッチ25A〜25Dと、電源入力端子29、グランド端子31及び前記スイッチの複数の出力端子33A〜33Dを有する入出力コネクタ27と、電源導体35と、グランド導体37と、複数の出力導体39A〜39Dとを備えた組合せスイッチにおいて、電源導体35に電源入力端子29とは別に少なくとも1本の増設用電源端子61A、61Bを設け、グランド導体37にグランド端子31とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子63A、63Bを設け、増設用電源端子61A、61B及び増設用グランド端子63A、63Bを増設用コネクタ65内に配置した。増設用コネクタ65に増設用電気配線体を接続することで、機能部品を増設することができる。
【解決手段】複数のスイッチ25A〜25Dと、電源入力端子29、グランド端子31及び前記スイッチの複数の出力端子33A〜33Dを有する入出力コネクタ27と、電源導体35と、グランド導体37と、複数の出力導体39A〜39Dとを備えた組合せスイッチにおいて、電源導体35に電源入力端子29とは別に少なくとも1本の増設用電源端子61A、61Bを設け、グランド導体37にグランド端子31とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子63A、63Bを設け、増設用電源端子61A、61B及び増設用グランド端子63A、63Bを増設用コネクタ65内に配置した。増設用コネクタ65に増設用電気配線体を接続することで、機能部品を増設することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に組み込まれた複数の機能部品を操作するための複数のスイッチを組み合わせた組合せスイッチと、それを用いた複合電気配線体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車のパワーシートには、ドライバーの体格に応じてシートの位置や高さ、背もたれの角度などを調整するための複数のモーターが組み込まれており、これらのモーターを操作するスイッチは通常、1箇所にまとめて組合せスイッチの形態にして、シートの側面カバー等に取り付けられている(特許文献1)。また、自動車のドアには、ガラス窓の開閉や、ドアの施錠・解錠、後視鏡の向き調整などを行うためのモーターが組み込まれており、これらのモーターを操作する複数のスイッチも概ね1箇所にまとめて組合せスイッチの形態にして設置されている。
【0003】
図7は自動車のパワーシートにおける組合せスイッチの取り付け状態を示す。図において、11はシートクッション、13は背もたれ、15はクッション11の側面に取り付けられる側面カバー、17はこの側面カバー15に取り付けられた組合せスイッチである。
【0004】
組合せスイッチ17は、スイッチケース19の表面にシートノブ21とリクライニングノブ23を備えている。シートノブ21の前端部を上下させるとクッション11の前方が丸1、丸2のように上下し、シートノブ21を前後させるとシート全体が丸3、丸4のように前後にスライドし、シートノブ21の後端部を上下させるとクッション11の後方が丸5、丸6のように上下する。またリクライニングノブ23を回動させると背もたれ13の傾斜角度が丸7、丸8のように変化する。この組合せスイッチ17は、上記のような8通りの操作を行うことから8ウェイスイッチとも呼ばれている。
【0005】
組合せスイッチ17のケース19内には、図8及び図9に示すように、クッション前方上下用のスイッチ25Aと、前後スライド用のスイッチ25Bと、クッション後方上下用のスイッチ25Cと、リクライニング用のスイッチ25Dが設けられている。各スイッチ25A〜25Dは1対のシーソースイッチで構成されている。また、ケース19の一端側には入出力コネクタ27が設けられている。入出力コネクタ27は、電源入力端子(プラス端子)29、グランド端子(マイナス端子)31、各スイッチ25A〜25Dに対応する出力端子33A〜33Dを有している。コネクタ29の電源入力端子29と各スイッチ25A〜25Dの電源側接点Bは電源導体(プラス側導体)35でつながれており、グランド端子31と各スイッチ25A〜25Dのグランド側接点Aはグランド導体(マイナス側導体)37でつながれており、出力端子33A〜33Dと各スイッチ25A〜25Dの出力端子部C、D〜J、Kは出力導体39A〜39Dでつながれている。各導体35、37、39A〜39Dは所定のパターンに形成されたバスバー又は銅箔などからなる。
【0006】
組合せスイッチ17の入出力コネクタ27には、図10に示すように、パワーシート内に配索されるワイヤーハーネス41のスイッチ側コネクタ43が接続される。ワイヤーハーネス41の入力端側は、フロア側コネクタ45により電源及びグランドに接続され、出力端側は、モーター側コネクタ47A〜47Dにより、クッション前方上下モーター、前後スライドモーター、クッション後方上下モーター、リクライニングモーターに接続される。
【0007】
以上の構成において、例えばシートノブ21の前端部を上へ変位させると、クッション前方上下用のスイッチ25Aの出力端子部C、Dが片側の接点A、Bに接続され(図8参照)、これによってモーターが正転してクッション前方が上昇し、シートノブ21の前端部を下へ変位させると、出力端子部C、Dが反対側の接点B、Aに接続され、これによってモーターが逆転してクッション前方が下降するようになる。他のスイッチ25B〜25Dの動作も同様である。
【0008】
【特許文献1】特開2002−144973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の組合せスイッチで調整できるのは、クッション前方上下、前後スライド、クッション後方上下、リクライニングの4種類である。これらの機能はパワーシートのいわば基本機能であり、パワーシートにはこれ以外にも、ランバー調整、クッション長さ調整、ヒーター制御、ブロア制御などの機能が装備されることがある。これらの機能は、自動車のグレードによって、あるいは顧客のオプションによって、装備される場合と装備されない場合とがある。これらの機能を選択的に装備するとなると、パワーシート用の電気配線体の種類が増えるだけでなく、電線本数が増えて電線束が太くなるので、大幅なコストアップとなる。
【0010】
例えば、ランバー調整機能を追加する場合には、図11に示すような電気配線体が必要になる。すなわち、ランバースイッチ49を側面カバー15に取り付け、このランバースイッチ49に電力を供給するため、組合せスイッチ17側の電源線とランバースイッチ49側の電源線とを3Pジョイントコネクタ51で接続し、組合せスイッチ17側のグランド線とランバースイッチ49側のグランド線を4Pジョイントコネクタ53で接続する必要がある。なお図11において、55はランバースイッチ40の入出力コネクタ、57は同コネクタ55に接続されるワイヤーハーネス側のコネクタ、59はランバー調整モーターに接続されるコネクタである。
【0011】
このように、一つの機能を追加するだけでも、電線本数が増え、電線接続箇所も増えるので、電気配線体は複雑で、コストの高いものとなってしまう。同様な問題は、複数の機能部品を組合せスイッチで操作するドア用電気配線体などにも存在する。
【0012】
そこで、本発明の目的は、余分な接続部品なしで機能追加が可能で、電気配線体の電線本数の増加を抑制でき、配線経路の長さも合理化できる組合せスイッチと、それを用いた複合電気配線体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため本発明は、複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えた組合せスイッチにおいて、
前記電源導体に前記電源入力端子とは別に少なくとも1本の増設用電源端子を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源端子及び増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置したことを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る組合せスイッチは、前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、この増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子を前記増設用コネクタ内に配置した構成とすることができる。
【0015】
また本発明に係る組合せスイッチは、複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えたものにおいて、
前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子と前記増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置した構成とすることもできる。
【0016】
また本発明に係る組合せスイッチは、スイッチにつながらない信号伝送導体を設け、この信号伝送導体の一端側に設けた信号端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の信号端子を前記増設用コネクタ内に配置した構成とすることもできる。
【0017】
また本発明に係る複合電気配線体は、上記のように構成されて組合せスイッチと、この組合せスイッチの増設用コネクタに少なくとも1つの機能を追加する電気配線体を接続したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る組合せスイッチは、増設用電源端子と増設用グランド端子(及び必要に応じ増設用信号端子)を有する増設用コネクタを備えているので、この増設用コネクタに増設機能部品用の電気配線体を接続するだけで、ジョイントコネクタ等の追加部品を用いることなく、増設機能部品に電力(必要に応じ信号)を供給することができる。また機能増設のために電源及びグランドから多数本の長い電線を引き回す必要がないので、電線本数の増加を抑えることができ、空間と重量の節約になる。
【0019】
また、追加したスイッチ等を1箇所に集めることも可能であるから、例えばパワーシートの場合であれば、追加したスイッチ等を側面カバーに取り付けることにより、またドアの場合であれば、追加したスイッチ等をドアトリムに取り付けることにより、いわゆるモジュール部品を構成できる。モジュール化すれば、車両の組立性が改善されるだけでなく、修理、交換も容易になり、解体してリサイクルする際には電気配線体のみを容易に回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明に係る組合せスイッチの一実施形態を示す。この組合せスイッチ17は、ケース19、スイッチ25A〜25D、入出力コネクタ27、電源入力端子29、グランド端子31、出力端子33A〜33D、電源導体35、グランド導体37、出力導体39A〜39Dを備えている。これらの点は従来と同じである。この組合せスイッチ17が従来と異なる点は、次のとおりである。
【0021】
第1点は、電源導体35に前記電源入力端子29とは別に複数本の増設用電源端子61A、61Bを設け、グランド導体37に前記グランド端子31とは別に複数本の増設用グランド端子63A〜63Eを設けたことである。これらの増設用電源端子61A、61B及び増設用グランド端子63A〜63Eは、前記入出力コネクタ27とは別に設けた増設用コネクタ65内に配置されている。増設用コネクタ65は、ケース19の入出力コネクタ27側と反対側に設けることが好ましい。
【0022】
第2点は、ケース19内に、前記電源導体35とは別に、いずれのスイッチ25A〜25Dにもつながらずにケース19内を通り抜ける増設用電源導体67を設けたことである。この増設用電源導体67の一端側には電源入力端子69が設けられ、他端側には複数本の増設用電源端子71A〜71Cが設けられている。電源入力端子69は入出力コネクタ27内に配置され、増設用電源端子71A〜71Cは増設用コネクタ65内に配置されている。
【0023】
第3点は、ケース19内に、いずれのスイッチ25A〜25Dにもつながらずにケース19内を通り抜ける信号伝送導体73を設けたことである。この信号伝送導体73の一端側には信号端子75が設けられ、他端側には複数本の信号端子77A〜77Cが設けられている。一端側の信号端子75は入出力コネクタ27内に配置され、他端側の信号端子77A〜77Cは増設用コネクタ65内に配置されている。
【0024】
組合せスイッチ17を上記のような構成にしておくと、各種機能部品の増設を次のようにして簡単に行うことができる。
【0025】
図2は、予め電源及びグランド用並びにクッション前方上下、前後スライド、クッション後方上下、リクライニング用の共通電気配線体79が接続されている組合せスイッチ17に、ランバー用電気配線体83を増設する場合である。なお、共通電気配線体79は、コネクタ45、23間に、図1の信号端子75に接続される信号伝送線81を有している。その他は従来と同じである。
【0026】
ランバー用電気配線体83は、ランバースイッチ85と、ランバースイッチに接続される入出力コネクタ87と、ランバーモーターに接続されるランバーコネクタ89と、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に接続される基端側コネクタ91と、コネクタ89、87間をつなぐ電線93と、コネクタ87、91間をつなぐ電線95とで構成されている。なお、電線93、95は1本の線で示されているが、実際には電源線とグランド線の2本で構成される(以下も同じ)。基端側コネクタ91は、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に対応する全ての端子を有するものであってもよいし、ランバースイッチ用の2端子だけを有するものであってもよい。
【0027】
ランバースイッチ85は側面カバー15の所定位置に取り付けられる。基端側コネクタ91を増設用コネクタ65に接続すると、基端側コネクタ91内の端子が図1の増設用電源端子61A及び増設用グランド63Aに接続され、ランバースイッチ85が動作可能となる。このように本発明の組合せスイッチ17を使用すれば、ランバー用電気配線体83を増設した複合電気配線体を簡単に組み立てることができる。また図11に示した従来の配線構造に比べると、ジョイントコネクタが不要となり、電線本数も少なくできる。
【0028】
図3は、図1のように構成された組合せスイッチ17に、ランバー用電気配線体83と、クッション長さ調整用電気配線体97を増設する場合である。共通電気配線体79及びランバー用電気配線体83の構成は図2と同じである。
【0029】
クッション長さ調整用電気配線体97は、クッション長さ調整スイッチ99と、同スイッチ99に接続される入出力コネクタ111と、クッション長さ調整モーターに接続されるコネクタ113と、コネクタ113、111間をつなぐ電線115と、コネクタ111と基端側コネクタ91間をつなぐ電線117とで構成されている。この場合も基端側コネクタ91は、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に対応する全ての端子を有するものであってもよいし、ランバースイッチ用の2端子とクッション長さ調整用の2端子だけを有するものであってもよい。
【0030】
クッション長さ調整スイッチ99は側面カバー15の所定位置に取り付けられる。基端側コネクタ91を増設用コネクタ65に接続すると、基端側コネクタ91内の端子が図1の増設用電源端子61A、61B及び増設用グランド63A、63Bに接続され、ランバースイッチ85及びクッション長さ調整スイッチ99が動作可能となる。このように本発明の組合せスイッチ17を使用すれば、ランバー用電気配線体83及びクッション長さ調整用電気配線体97を増設した複合電気配線体も簡単に組み立てることができる。また従来の配線構造に比べると、ジョイントコネクタが不要となり、電線本数も少なくて済む。
【0031】
図4は、図1のように構成された組合せスイッチ17に、ランバー用電気配線体83と、クッション長さ調整用電気配線体97と、ヒーター用電気配線体119と、ブロア用電気配線体121、123を増設する場合である。共通電気配線体79、ランバー用電気配線体83及びクッション長さ調整用電気配線体97の構成は図3と同じである。
【0032】
ヒーター用電気配線体119は、ヒーター用ECU(電気制御ユニット)125と、同ECUに接続される入出力コネクタ127と、ヒーター(クッション及び背もたれ用)に接続されるコネクタ129と、コネクタ129、127間をつなぐ電線131と、コネクタ127と基端側コネクタ91をつなぐ電線133とで構成されている。電線133は電力伝送用の電線と、ECU125に信号を伝送する信号伝送線を含んでいる。ECU125は側面カバー15の内面又は組合せスイッチ17の裏面に取り付けられる。
【0033】
クッションブロア用電気配線体121は、クッションブロアに接続されるコネクタ135と、このコネクタ135と基端側コネクタ91間をつなぐ電線137で構成されている。背もたれブロア用電気配線体123も、背もたれブロアに接続されるコネクタ139と、このコネクタ139と基端側コネクタ91間をつなぐ電線141で構成されている。電線137、141は電力伝送用の電線と、ブロア回転数検出信号などを伝送する信号伝送線を含んでいる。
【0034】
基端側コネクタ91は、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に対応する全ての端子を有している。基端側コネクタ91を増設用コネクタ65に接続すると、増設された全ての機能部品が動作可能となる。増設用コネクタ65内の各端子と基端側コネクタ91内の各端子との対応関係は図5のとおりである。このように本発明の組合せスイッチ17を使用すれば、各種の電気配線体を増設した複合電気配線体を簡単に組み立てることができる。また従来の配線構造に比べると、ジョイントコネクタが不要となり、電線本数も少なくて済む。
【0035】
図6は本発明に係る組合せスイッチの他の実施形態を示す。この組合せスイッチ17は、図1の組合せスイッチにおける増設用電源導体67及び信号伝送導体73を省略したものである。それ以外の構成は図1の組合せスイッチと同じであるので、同一部分には同一符号を付してある。ランバー調整モーターやクッション長さ調整モーターのように電力供給だけで済む1種又は2種以上の機能部品の増設に対応するのであれば、このように、電源導体35に複数本の増設用電源端子61A、61Bを設け、グランド導体37に複数本の増設用グランド端子63A、63Bを設けただけでも十分である。増設により電流容量が不足する場合は、図1のような増設用電源導体67を追加してもよい。
【0036】
以上の実施形態では、パワーシート用の組合せスイッチに本発明を適用した場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばドア用の組合せスイッチなどにも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る組合せスイッチの一実施形態を示す回路構成図。
【図2】図1の組合せスイッチを用いた複合電気配線体の一実施形態を示す説明図。
【図3】図1の組合せスイッチを用いた複合電気配線体の他の実施形態を示す説明図。
【図4】図1の組合せスイッチを用いた複合電気配線体のさらに他の実施形態を示す説明図。
【図5】図4の複合電気配線体における組合せスイッチの増設用コネクタ内の各端子の接続先を示す説明図。
【図6】本発明に係る組合せスイッチの他の実施形態を示す回路構成図。
【図7】パワーシートにおける組合せスイッチの取り付け状態を示す説明図。
【図8】従来の組合せスイッチにおけるスイッチの配置と配線を示す説明図。
【図9】従来の組合せスイッチの一例を示す回路構成図。
【図10】従来の組合せスイッチを用いたパワーシート用電気配線体を示す説明図。
【図11】図10の電気配線体にランバー制御用電気配線体を追加した場合の説明図。
【符号の説明】
【0038】
17:組合せスイッチ
19:側面カバー
21:シートノブ
23:リクライニングノブ
25A〜25D:スイッチ
27:入出力コネクタ
29:電源入力端子
31:グランド端子
33A〜33D:出力端子
35:電源導体
37:グランド導体
39A〜39D:出力導体
43:スイッチ側コネクタ
45:フロア側コネクタ
47A〜47D:モーター側コネクタ
49:ランバースイッチ
61A、61B:増設用電源端子
63A〜63E:増設用グランド端子
65:増設用コネクタ
67:増設用電源導体
69:電源入力端子
71A〜71C:増設用電源端子
73:信号伝送導体
75、77A〜77C:信号端子
79:共通電気配線体
81:信号伝送線
83:ランバー用電気配線体
85:ランバースイッチ
91:基端側スイッチ
97:クッション長さ調整用電気配線体
99:クッション長さ調整スイッチ
119:ヒーター用電気配線体
121、123:ブロア用電気配線体
125:ヒーター用ECU
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に組み込まれた複数の機能部品を操作するための複数のスイッチを組み合わせた組合せスイッチと、それを用いた複合電気配線体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車のパワーシートには、ドライバーの体格に応じてシートの位置や高さ、背もたれの角度などを調整するための複数のモーターが組み込まれており、これらのモーターを操作するスイッチは通常、1箇所にまとめて組合せスイッチの形態にして、シートの側面カバー等に取り付けられている(特許文献1)。また、自動車のドアには、ガラス窓の開閉や、ドアの施錠・解錠、後視鏡の向き調整などを行うためのモーターが組み込まれており、これらのモーターを操作する複数のスイッチも概ね1箇所にまとめて組合せスイッチの形態にして設置されている。
【0003】
図7は自動車のパワーシートにおける組合せスイッチの取り付け状態を示す。図において、11はシートクッション、13は背もたれ、15はクッション11の側面に取り付けられる側面カバー、17はこの側面カバー15に取り付けられた組合せスイッチである。
【0004】
組合せスイッチ17は、スイッチケース19の表面にシートノブ21とリクライニングノブ23を備えている。シートノブ21の前端部を上下させるとクッション11の前方が丸1、丸2のように上下し、シートノブ21を前後させるとシート全体が丸3、丸4のように前後にスライドし、シートノブ21の後端部を上下させるとクッション11の後方が丸5、丸6のように上下する。またリクライニングノブ23を回動させると背もたれ13の傾斜角度が丸7、丸8のように変化する。この組合せスイッチ17は、上記のような8通りの操作を行うことから8ウェイスイッチとも呼ばれている。
【0005】
組合せスイッチ17のケース19内には、図8及び図9に示すように、クッション前方上下用のスイッチ25Aと、前後スライド用のスイッチ25Bと、クッション後方上下用のスイッチ25Cと、リクライニング用のスイッチ25Dが設けられている。各スイッチ25A〜25Dは1対のシーソースイッチで構成されている。また、ケース19の一端側には入出力コネクタ27が設けられている。入出力コネクタ27は、電源入力端子(プラス端子)29、グランド端子(マイナス端子)31、各スイッチ25A〜25Dに対応する出力端子33A〜33Dを有している。コネクタ29の電源入力端子29と各スイッチ25A〜25Dの電源側接点Bは電源導体(プラス側導体)35でつながれており、グランド端子31と各スイッチ25A〜25Dのグランド側接点Aはグランド導体(マイナス側導体)37でつながれており、出力端子33A〜33Dと各スイッチ25A〜25Dの出力端子部C、D〜J、Kは出力導体39A〜39Dでつながれている。各導体35、37、39A〜39Dは所定のパターンに形成されたバスバー又は銅箔などからなる。
【0006】
組合せスイッチ17の入出力コネクタ27には、図10に示すように、パワーシート内に配索されるワイヤーハーネス41のスイッチ側コネクタ43が接続される。ワイヤーハーネス41の入力端側は、フロア側コネクタ45により電源及びグランドに接続され、出力端側は、モーター側コネクタ47A〜47Dにより、クッション前方上下モーター、前後スライドモーター、クッション後方上下モーター、リクライニングモーターに接続される。
【0007】
以上の構成において、例えばシートノブ21の前端部を上へ変位させると、クッション前方上下用のスイッチ25Aの出力端子部C、Dが片側の接点A、Bに接続され(図8参照)、これによってモーターが正転してクッション前方が上昇し、シートノブ21の前端部を下へ変位させると、出力端子部C、Dが反対側の接点B、Aに接続され、これによってモーターが逆転してクッション前方が下降するようになる。他のスイッチ25B〜25Dの動作も同様である。
【0008】
【特許文献1】特開2002−144973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の組合せスイッチで調整できるのは、クッション前方上下、前後スライド、クッション後方上下、リクライニングの4種類である。これらの機能はパワーシートのいわば基本機能であり、パワーシートにはこれ以外にも、ランバー調整、クッション長さ調整、ヒーター制御、ブロア制御などの機能が装備されることがある。これらの機能は、自動車のグレードによって、あるいは顧客のオプションによって、装備される場合と装備されない場合とがある。これらの機能を選択的に装備するとなると、パワーシート用の電気配線体の種類が増えるだけでなく、電線本数が増えて電線束が太くなるので、大幅なコストアップとなる。
【0010】
例えば、ランバー調整機能を追加する場合には、図11に示すような電気配線体が必要になる。すなわち、ランバースイッチ49を側面カバー15に取り付け、このランバースイッチ49に電力を供給するため、組合せスイッチ17側の電源線とランバースイッチ49側の電源線とを3Pジョイントコネクタ51で接続し、組合せスイッチ17側のグランド線とランバースイッチ49側のグランド線を4Pジョイントコネクタ53で接続する必要がある。なお図11において、55はランバースイッチ40の入出力コネクタ、57は同コネクタ55に接続されるワイヤーハーネス側のコネクタ、59はランバー調整モーターに接続されるコネクタである。
【0011】
このように、一つの機能を追加するだけでも、電線本数が増え、電線接続箇所も増えるので、電気配線体は複雑で、コストの高いものとなってしまう。同様な問題は、複数の機能部品を組合せスイッチで操作するドア用電気配線体などにも存在する。
【0012】
そこで、本発明の目的は、余分な接続部品なしで機能追加が可能で、電気配線体の電線本数の増加を抑制でき、配線経路の長さも合理化できる組合せスイッチと、それを用いた複合電気配線体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため本発明は、複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えた組合せスイッチにおいて、
前記電源導体に前記電源入力端子とは別に少なくとも1本の増設用電源端子を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源端子及び増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置したことを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る組合せスイッチは、前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、この増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子を前記増設用コネクタ内に配置した構成とすることができる。
【0015】
また本発明に係る組合せスイッチは、複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えたものにおいて、
前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子と前記増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置した構成とすることもできる。
【0016】
また本発明に係る組合せスイッチは、スイッチにつながらない信号伝送導体を設け、この信号伝送導体の一端側に設けた信号端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の信号端子を前記増設用コネクタ内に配置した構成とすることもできる。
【0017】
また本発明に係る複合電気配線体は、上記のように構成されて組合せスイッチと、この組合せスイッチの増設用コネクタに少なくとも1つの機能を追加する電気配線体を接続したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る組合せスイッチは、増設用電源端子と増設用グランド端子(及び必要に応じ増設用信号端子)を有する増設用コネクタを備えているので、この増設用コネクタに増設機能部品用の電気配線体を接続するだけで、ジョイントコネクタ等の追加部品を用いることなく、増設機能部品に電力(必要に応じ信号)を供給することができる。また機能増設のために電源及びグランドから多数本の長い電線を引き回す必要がないので、電線本数の増加を抑えることができ、空間と重量の節約になる。
【0019】
また、追加したスイッチ等を1箇所に集めることも可能であるから、例えばパワーシートの場合であれば、追加したスイッチ等を側面カバーに取り付けることにより、またドアの場合であれば、追加したスイッチ等をドアトリムに取り付けることにより、いわゆるモジュール部品を構成できる。モジュール化すれば、車両の組立性が改善されるだけでなく、修理、交換も容易になり、解体してリサイクルする際には電気配線体のみを容易に回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明に係る組合せスイッチの一実施形態を示す。この組合せスイッチ17は、ケース19、スイッチ25A〜25D、入出力コネクタ27、電源入力端子29、グランド端子31、出力端子33A〜33D、電源導体35、グランド導体37、出力導体39A〜39Dを備えている。これらの点は従来と同じである。この組合せスイッチ17が従来と異なる点は、次のとおりである。
【0021】
第1点は、電源導体35に前記電源入力端子29とは別に複数本の増設用電源端子61A、61Bを設け、グランド導体37に前記グランド端子31とは別に複数本の増設用グランド端子63A〜63Eを設けたことである。これらの増設用電源端子61A、61B及び増設用グランド端子63A〜63Eは、前記入出力コネクタ27とは別に設けた増設用コネクタ65内に配置されている。増設用コネクタ65は、ケース19の入出力コネクタ27側と反対側に設けることが好ましい。
【0022】
第2点は、ケース19内に、前記電源導体35とは別に、いずれのスイッチ25A〜25Dにもつながらずにケース19内を通り抜ける増設用電源導体67を設けたことである。この増設用電源導体67の一端側には電源入力端子69が設けられ、他端側には複数本の増設用電源端子71A〜71Cが設けられている。電源入力端子69は入出力コネクタ27内に配置され、増設用電源端子71A〜71Cは増設用コネクタ65内に配置されている。
【0023】
第3点は、ケース19内に、いずれのスイッチ25A〜25Dにもつながらずにケース19内を通り抜ける信号伝送導体73を設けたことである。この信号伝送導体73の一端側には信号端子75が設けられ、他端側には複数本の信号端子77A〜77Cが設けられている。一端側の信号端子75は入出力コネクタ27内に配置され、他端側の信号端子77A〜77Cは増設用コネクタ65内に配置されている。
【0024】
組合せスイッチ17を上記のような構成にしておくと、各種機能部品の増設を次のようにして簡単に行うことができる。
【0025】
図2は、予め電源及びグランド用並びにクッション前方上下、前後スライド、クッション後方上下、リクライニング用の共通電気配線体79が接続されている組合せスイッチ17に、ランバー用電気配線体83を増設する場合である。なお、共通電気配線体79は、コネクタ45、23間に、図1の信号端子75に接続される信号伝送線81を有している。その他は従来と同じである。
【0026】
ランバー用電気配線体83は、ランバースイッチ85と、ランバースイッチに接続される入出力コネクタ87と、ランバーモーターに接続されるランバーコネクタ89と、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に接続される基端側コネクタ91と、コネクタ89、87間をつなぐ電線93と、コネクタ87、91間をつなぐ電線95とで構成されている。なお、電線93、95は1本の線で示されているが、実際には電源線とグランド線の2本で構成される(以下も同じ)。基端側コネクタ91は、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に対応する全ての端子を有するものであってもよいし、ランバースイッチ用の2端子だけを有するものであってもよい。
【0027】
ランバースイッチ85は側面カバー15の所定位置に取り付けられる。基端側コネクタ91を増設用コネクタ65に接続すると、基端側コネクタ91内の端子が図1の増設用電源端子61A及び増設用グランド63Aに接続され、ランバースイッチ85が動作可能となる。このように本発明の組合せスイッチ17を使用すれば、ランバー用電気配線体83を増設した複合電気配線体を簡単に組み立てることができる。また図11に示した従来の配線構造に比べると、ジョイントコネクタが不要となり、電線本数も少なくできる。
【0028】
図3は、図1のように構成された組合せスイッチ17に、ランバー用電気配線体83と、クッション長さ調整用電気配線体97を増設する場合である。共通電気配線体79及びランバー用電気配線体83の構成は図2と同じである。
【0029】
クッション長さ調整用電気配線体97は、クッション長さ調整スイッチ99と、同スイッチ99に接続される入出力コネクタ111と、クッション長さ調整モーターに接続されるコネクタ113と、コネクタ113、111間をつなぐ電線115と、コネクタ111と基端側コネクタ91間をつなぐ電線117とで構成されている。この場合も基端側コネクタ91は、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に対応する全ての端子を有するものであってもよいし、ランバースイッチ用の2端子とクッション長さ調整用の2端子だけを有するものであってもよい。
【0030】
クッション長さ調整スイッチ99は側面カバー15の所定位置に取り付けられる。基端側コネクタ91を増設用コネクタ65に接続すると、基端側コネクタ91内の端子が図1の増設用電源端子61A、61B及び増設用グランド63A、63Bに接続され、ランバースイッチ85及びクッション長さ調整スイッチ99が動作可能となる。このように本発明の組合せスイッチ17を使用すれば、ランバー用電気配線体83及びクッション長さ調整用電気配線体97を増設した複合電気配線体も簡単に組み立てることができる。また従来の配線構造に比べると、ジョイントコネクタが不要となり、電線本数も少なくて済む。
【0031】
図4は、図1のように構成された組合せスイッチ17に、ランバー用電気配線体83と、クッション長さ調整用電気配線体97と、ヒーター用電気配線体119と、ブロア用電気配線体121、123を増設する場合である。共通電気配線体79、ランバー用電気配線体83及びクッション長さ調整用電気配線体97の構成は図3と同じである。
【0032】
ヒーター用電気配線体119は、ヒーター用ECU(電気制御ユニット)125と、同ECUに接続される入出力コネクタ127と、ヒーター(クッション及び背もたれ用)に接続されるコネクタ129と、コネクタ129、127間をつなぐ電線131と、コネクタ127と基端側コネクタ91をつなぐ電線133とで構成されている。電線133は電力伝送用の電線と、ECU125に信号を伝送する信号伝送線を含んでいる。ECU125は側面カバー15の内面又は組合せスイッチ17の裏面に取り付けられる。
【0033】
クッションブロア用電気配線体121は、クッションブロアに接続されるコネクタ135と、このコネクタ135と基端側コネクタ91間をつなぐ電線137で構成されている。背もたれブロア用電気配線体123も、背もたれブロアに接続されるコネクタ139と、このコネクタ139と基端側コネクタ91間をつなぐ電線141で構成されている。電線137、141は電力伝送用の電線と、ブロア回転数検出信号などを伝送する信号伝送線を含んでいる。
【0034】
基端側コネクタ91は、組合せスイッチ17の増設用コネクタ65に対応する全ての端子を有している。基端側コネクタ91を増設用コネクタ65に接続すると、増設された全ての機能部品が動作可能となる。増設用コネクタ65内の各端子と基端側コネクタ91内の各端子との対応関係は図5のとおりである。このように本発明の組合せスイッチ17を使用すれば、各種の電気配線体を増設した複合電気配線体を簡単に組み立てることができる。また従来の配線構造に比べると、ジョイントコネクタが不要となり、電線本数も少なくて済む。
【0035】
図6は本発明に係る組合せスイッチの他の実施形態を示す。この組合せスイッチ17は、図1の組合せスイッチにおける増設用電源導体67及び信号伝送導体73を省略したものである。それ以外の構成は図1の組合せスイッチと同じであるので、同一部分には同一符号を付してある。ランバー調整モーターやクッション長さ調整モーターのように電力供給だけで済む1種又は2種以上の機能部品の増設に対応するのであれば、このように、電源導体35に複数本の増設用電源端子61A、61Bを設け、グランド導体37に複数本の増設用グランド端子63A、63Bを設けただけでも十分である。増設により電流容量が不足する場合は、図1のような増設用電源導体67を追加してもよい。
【0036】
以上の実施形態では、パワーシート用の組合せスイッチに本発明を適用した場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばドア用の組合せスイッチなどにも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る組合せスイッチの一実施形態を示す回路構成図。
【図2】図1の組合せスイッチを用いた複合電気配線体の一実施形態を示す説明図。
【図3】図1の組合せスイッチを用いた複合電気配線体の他の実施形態を示す説明図。
【図4】図1の組合せスイッチを用いた複合電気配線体のさらに他の実施形態を示す説明図。
【図5】図4の複合電気配線体における組合せスイッチの増設用コネクタ内の各端子の接続先を示す説明図。
【図6】本発明に係る組合せスイッチの他の実施形態を示す回路構成図。
【図7】パワーシートにおける組合せスイッチの取り付け状態を示す説明図。
【図8】従来の組合せスイッチにおけるスイッチの配置と配線を示す説明図。
【図9】従来の組合せスイッチの一例を示す回路構成図。
【図10】従来の組合せスイッチを用いたパワーシート用電気配線体を示す説明図。
【図11】図10の電気配線体にランバー制御用電気配線体を追加した場合の説明図。
【符号の説明】
【0038】
17:組合せスイッチ
19:側面カバー
21:シートノブ
23:リクライニングノブ
25A〜25D:スイッチ
27:入出力コネクタ
29:電源入力端子
31:グランド端子
33A〜33D:出力端子
35:電源導体
37:グランド導体
39A〜39D:出力導体
43:スイッチ側コネクタ
45:フロア側コネクタ
47A〜47D:モーター側コネクタ
49:ランバースイッチ
61A、61B:増設用電源端子
63A〜63E:増設用グランド端子
65:増設用コネクタ
67:増設用電源導体
69:電源入力端子
71A〜71C:増設用電源端子
73:信号伝送導体
75、77A〜77C:信号端子
79:共通電気配線体
81:信号伝送線
83:ランバー用電気配線体
85:ランバースイッチ
91:基端側スイッチ
97:クッション長さ調整用電気配線体
99:クッション長さ調整スイッチ
119:ヒーター用電気配線体
121、123:ブロア用電気配線体
125:ヒーター用ECU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えた組合せスイッチにおいて、
前記電源導体に前記電源入力端子とは別に少なくとも1本の増設用電源端子を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源端子及び増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする組合せスイッチ。
【請求項2】
前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、この増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子を前記増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする請求項1記載の組合せスイッチ。
【請求項3】
複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えた組合せスイッチにおいて、
前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子と前記増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする組合せスイッチ。
【請求項4】
スイッチにつながらない信号伝送導体を設け、この信号伝送導体の一端側に設けた信号端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の信号端子を前記増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せスイッチ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組合せスイッチと、この組合せスイッチの増設用コネクタに少なくとも1つの機能を追加する電気配線体を接続したことを特徴とする複合電気配線体。
【請求項1】
複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えた組合せスイッチにおいて、
前記電源導体に前記電源入力端子とは別に少なくとも1本の増設用電源端子を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源端子及び増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする組合せスイッチ。
【請求項2】
前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、この増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子を前記増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする請求項1記載の組合せスイッチ。
【請求項3】
複数の機能部品を個別に操作する複数のスイッチと、電源入力端子、グランド端子及び前記複数の機能部品に対応する複数の出力端子を有する入出力コネクタと、前記スイッチの電源側接点と前記入出力コネクタの電源入力端子とをつなぐ電源導体と、前記スイッチのグランド側接点と前記入出力コネクタのグランド端子とをつなぐグランド導体と、前記スイッチの出力端子部と前記入出力コネクタの出力端子とをつなぐ出力導体とを備えた組合せスイッチにおいて、
前記電源導体とは別にスイッチにつながらない増設用電源導体を設け、前記グランド導体に前記グランド端子とは別に少なくとも1本の増設用グランド端子を設け、前記増設用電源導体の一端側に設けた電源入力端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の増設用電源端子と前記増設用グランド端子を前記入出力コネクタとは別に設けた増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする組合せスイッチ。
【請求項4】
スイッチにつながらない信号伝送導体を設け、この信号伝送導体の一端側に設けた信号端子を前記入出力コネクタ内に配置し、他端側に設けた少なくとも1本の信号端子を前記増設用コネクタ内に配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せスイッチ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組合せスイッチと、この組合せスイッチの増設用コネクタに少なくとも1つの機能を追加する電気配線体を接続したことを特徴とする複合電気配線体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−258131(P2007−258131A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84564(P2006−84564)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
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