説明

組立ハウス用の窓枠

【課題】梱包性に優れ、雨漏りを確実に防止できる組立ハウス用の窓枠を提供する。
【解決手段】本組立ハウス1用の窓枠5は、組立ハウス1において溝形の一対の柱2の間に落とし込んで用いられる。窓枠5は、上下一対の横枠としての上枠7および下枠8を有し、左右一対の縦枠としての右枠9および左枠10を有している。下枠8は、左右方向に延びる横材11と、この横材11の左右両端にねじ止め固定された組立用の一対のソケット12とを含む。右枠9の上下両端に差込部20,21が突設され、ソケット12に差し込まれている。ソケット12は、上方または下方へ突出しないように、ソケット12の高さH1が横材11の高さH2の範囲内に収められており、左右方向についての下枠8の全長L2は、パネル4の幅寸法L3と等しい長さとされる。右枠9の差込部20は、水平方向に切った断面形状が口字状に閉じた形状をしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、組立ハウス用の窓枠に関する。
【背景技術】
【0002】
組立ハウスは、壁面を構成するための複数のパネルと、複数の柱とが組み合わされて作られる(例えば、特許文献1参照。)。組立ハウスに窓を設ける場合は、パネルの上に窓枠が取り付けられる。パネルや窓枠は、互いに対向する一対の溝形の柱の間に落とし込まれることにより取り付けられ、パネルや窓枠の左右両側部分が対応する柱により支えられる。
【0003】
組立ハウス用の窓枠は、従来より、アルミ製であり、一対の横枠と一対の縦枠とが組み合わされて作られる。横枠の左右両端には、組立用の筒状のソケットが配置されている。このソケットは、横枠の長手方向に対して直角に突出していて、横枠の端部はL字形形状をなしている。
また、従来の窓枠の左右方向の寸法(幅寸法ともいう。)は、この窓枠に対応するパネル、すなわち、当該窓枠が嵌められた一対の柱間に取り付けられたパネルの幅寸法に比べて、わずかに短くなっていた。これは、左右両側が柱で挟まれたパネルの上に窓枠を載せる場合に、窓枠を載せ易くするとともに、窓枠を柱間に嵌め込み易くするためである。
【特許文献1】特開2003−148053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、窓枠は、分解状態(組立前の状態)で組立ハウスの建設現場へ運搬されて、建設現場で矩形に組み立てられる。運搬時には、窓枠の横枠および縦枠をそれぞれ梱包する必要があるが、両端のソケットがL字状に突出した横枠は、梱包性に劣るという欠点があった。すなわち、梱包に手間がかかり、また、荷姿が悪く、横枠が運搬中に破損する虞があり、また、荷姿が嵩張る。
【0005】
また、従来の窓枠の幅寸法は、対応する上記パネルの幅寸法に比べて、わずかに短いので、ハウス内への雨漏りが生じることがあった。というのは、雨水が柱と窓枠との間を通り、パネルの頂面に溜まり、溜まった雨水が、パネルと窓枠とのつなぎ目を通ってハウス内へ漏れてしまう。
この発明は、かかる背景のもとに、従来の欠点を解消するためになされたもので、梱包性に優れた組立ハウス用の窓枠を提供することを主たる目的とする。また、この発明は、組立ハウスに組み付けた状態で、雨漏りを確実に阻止することのできる組立ハウス用の窓枠を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の組立ハウス用の窓枠は、組立ハウスにおいて相対向して開口する溝形の一対の柱間に落とし込んで用いられる矩形の窓枠であって、上下一対の横枠および左右一対の縦枠を備え、横枠は、左右方向に延びる横材と、この横材の左右両端にねじ止め固定された組立用のソケットとを含み、縦枠の上下両端には、差込部が突設され、この差込部が上記ソケットに差し込まれていて、上記ソケットは、上方または下方へ突出しないように、ソケットの高さが横材の高さの範囲内に収められており、左右方向についての横枠の全長は、当該窓枠が取り付けられる上記一対の柱の間に嵌められるパネルの幅寸法と等しい長さとされ、上記縦枠の差込部は、水平方向に切った断面形状が口字状に閉じた形状をしていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、横枠の端部においてソケットが直角に突出しないので、横枠を梱包し易く、また、横枠の荷姿も優れていて運搬時に横枠が破損する虞もなく、さらに横枠の荷姿は嵩張らないですむ。従って、梱包性に優れた窓枠を実現できる。また、横枠の全長がパネルの幅寸法と等しいので、窓枠を組立ハウスに組み付けた状態で、パネルの頂面の全体が窓枠の横枠で覆われる。その結果、仮に柱と窓枠との間を雨水が通ることがあったとしても、パネルの頂面に雨水が溜まることはなく、ひいては雨漏りを確実に阻止することができる。また、差込部は口字状に閉じた形状であるので、開いた形状に比べて、変形し難い。さらに、横枠の全長をパネルの幅と等しくしたので、差込部の断面積を最大にでき、この点でも変形を抑制できる。従って、ソケットと差込部との嵌合長さが短くても、変形し難い窓枠を実現できる。さらに、横枠の全長がパネルの幅と等しいので、柱間への窓枠の組込み易さを、パネルと同程度に確保できる。なお、窓枠としては、採光や通風用の窓開口を区画するためのサッシ枠であってもよいし、通行のための出入口用開口を区画するためのサッシ枠であってもよく、開口の大きさや目的は限定されない。
【0008】
また、本発明において、上記ソケットは、上記差込部が差し込まれる差込空間を内部に形成するために上下方向に延びて断面矩形の筒形状をなす4つの面部を含み、4つの面部のうちの一つの面部には、横枠の横材の端部が接続されるとともに、補強板が積層されてねじ止め固定されているのが好ましい。この場合、より一層変形し難い窓枠を実現することができる。
【0009】
また、本発明において、上記横枠および縦枠には、戸部材が開閉自在に取り付けられ、上記横枠は、戸部材に対向し階段状に形成された部分を含む場合がある。この場合、雨水の浸入を防止するのに好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の組立ハウスの要部の一部断面斜視図である。
組立ハウス1は、構造材としての複数の柱2と、窓を構成するサッシユニット3と、板材からなり壁を形成するパネル4とを有している。サッシユニット3は、四角環状をなすサッシ枠としての窓枠5と、窓枠5に移動可能に取り付けられて引き戸を構成する一対の戸部材6とを含んでいる。
【0011】
複数の柱2は、図示しないベース枠の上に所定間隔をあけて立てられていて上下方向Zに延びている。各柱2には、案内溝2aが形成されている。互いに隣接する一対の柱2には、その案内溝2aが、互いに対向して形成されている。パネル4およびサッシユニット3の窓枠5が、隣接する一対の柱2,2間に、その一対の案内溝2aに上方から落とし込まれて取り付けられている。また、サッシユニット3の窓枠5は、パネル4に載せられている。
【0012】
なお、以下の説明では、隣接する一対の柱2が並ぶ方向を左右方向Xとし、上下方向Zおよび左右方向Xと直交する方向を前後方向Y1,Y2とする。また、屋外側を前方Y1とし、室内側を後方Y2とする。
柱2は、溝形材、例えば、リップ溝形鋼を用いられている。柱2は、互いに対向する一対のフランジ2bと、この一対のフランジ2bと逆向きに延びていて互いに対向する一対のフランジ2cと、2対のフランジ2b,2cの基端部を接続するウェブ2dとを有している。各フランジ2b,2cの先端に屈曲状にリップ2eが形成されていて、対をなすフランジ2b,2cのリップ2e同士は、互いに接近するように延びている。
【0013】
柱2は、パネル4およびサッシユニット3を落とし込むための2つの上述の案内溝2aを区画している。2つの案内溝2aは、互いに逆向きに開放されている。各案内溝2aは、対応する一対のフランジ2b,2cとウェブ2dと一対のリップ2eとにより区画され、案内溝2aの入口開口が一対のリップ2eの間に形成され、所定幅で上下に延びている。なお、柱2の溝形材としては、リップ溝形鋼の他、C型チャンネル鋼を例示でき、この他、案内溝2aを有する部材であればよく、例えば、断面H字形形状の部材でもよい。
【0014】
図2は、図1に示す組立ハウスの要部としてのサッシユニット3の正面図であり、柱2およびパネル4も一点鎖線で図示されている。図2を参照する。
窓枠5は、正面視で矩形をなしている。具体的には、窓枠5は、上下一対の横枠としての上枠7および下枠8を有し、左右一対の縦枠としての右枠9および左枠10を有している。また、窓枠5は、内側に開口5aを区画している。この開口5aは、上述の一対の戸部材6により覆うことができるようにされている。横枠および縦枠に、戸部材6が開閉自在に取り付けられている。また、窓枠5は、対応する柱2の案内溝2a内へ上方から落とし込んで上下にスライドさせて装着可能な一対のスライド部(図示せず)を有している。このスライド部は、具体的には、窓枠5の右側縁部および左側縁部により構成されている。
【0015】
上枠7は、窓枠5の上端部に配置され左右方向に沿って長く延びている。下枠8は、窓枠5の下端部に配置され左右方向に沿って長く延びている。右枠9は、窓枠5の右端部に配置され上下方向に沿って長く延びている。左枠10は、窓枠5の左端部に配置され上下方向に沿って長く延びている。
本実施形態では、左右方向についての上枠7の全長L1および下枠8の全長L2(窓枠5の幅寸法に相当する。)は、当該窓枠5が取り付けられる上記一対の柱2の間に嵌められる対応するパネル4の幅寸法L3と等しい長さとされている。
【0016】
図3は、図2に示すサッシユニット3の分解図であり、正面視で示している。図2と図3を参照する。
下枠8は、左右方向に沿って延びる主要部としての横材11と、この横材11の右側および左側の端部11a,11bに設けられた組立用の一対のソケット12と、ソケット12を補強する一対の補強板13と、横材11とソケット12との間に介在してこの間を封止する一対のパッキン14とを有している。
【0017】
下枠8の横材11は、アルミニウム合金を押出成形されてなる棒状部材である。
パッキン14は、合成樹脂、ゴム等の軟質部材により形成された板材からなる。
補強板13は、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属板からなる。
ソケット12は、上方および下方へ突出しないように、ソケット12の高さが横材11の高さの範囲内に収められている。ソケット12の高さ寸法H1は、横材11の高さ寸法H2よりも小さい値である。ソケット12の下側端面は、横材11の最下部よりも高い位置に配置されている。ソケット12の上側端面と、横材11の最上部とは、同じ高さになるように面一に配置されている。
【0018】
上枠7は、左右方向に沿って延びる主要部としての横材15と、この横材15の右側および左側の端部15a,15bに設けられた組立用のソケット16と、ソケット16を補強する一対の補強板17と、横材15とソケット16との間に介在してこの間を封止する一対のパッキン18とを有している。
横材15と横材11とは、その断面形状が互いに異なるが、他の点では同様である。また、ソケット16は、ソケット12と同様に形成されている。補強板17は、補強板13と同様に形成されている。パッキン18は、パッキン14と同様に形成されている。
【0019】
ソケット16は、上方および下方へ突出しないように、ソケット16の高さが横材15の高さの範囲内に収められている。ソケット16の高さ寸法H3は、横材15の高さ寸法H4よりも小さい値である。ソケット16の下側端面と、横材15の最下部とは、同じ高さになるように面一に配置されている。ソケット12の上側端面は、横材15の最上部よりも低く配置されている。
【0020】
右枠9は、上下方向に沿って延びる主要部としての縦材19と、縦材19の下端部に設けられた組立用の差込部20と、縦材19の上端部に設けられた組立用の差込部21とを有している。右枠9の下端9aおよび上端9bの両端に、差込部20,21が上下方向に突設されている。
縦材19は、アルミニウム合金を押出成形されてなる棒状部材である。差込部20,21は、互いに同様に形成されている。差込部20は、下枠8の右端部に設けられたソケット12に差し込まれている。差込部21は、上枠7の右端部に設けられたソケット16に差し込まれている。
【0021】
左枠10は、上下方向に沿って延びる主要部としての縦材22と、縦材22の下端部に設けられた組立用の差込部23と、縦材22の上端部に設けられた組立用の差込部24とを有している。左枠10と右枠9とは、互いに左右対称の形状をなしていて、それ以外の点については互いに同様に構成されている。
上枠7、下枠8、右枠9および左枠10の各部材の端部同士は互いに連結され、全体として窓枠5は矩形、例えば左右方向に長い長方形をなしている。この矩形の角部において縦枠と横枠とを互いに連結する連結構造が、備えられている。
【0022】
例えば、正面視で右下の角部における連結構造は、下枠8の横材11の右側の端部11aと、下枠8の右側のソケット12と、このソケット12を補強するための補強板13と、右枠9の縦材19の下側の端部と、右枠9の下側の差込部20とを有している。
以下では、正面視で右下の角部における連結構造に則して説明するが、これと同様の連結構造が、他の角部においても備えられている。
【0023】
図4は、連結構造の正面視での一部断面図であり、図5のIV−IV断面を示す。図5は、連結構造の平面視での一部断面図であり、図4のV−V断面を示す。図6は、連結構造の平面視での一部断面図であり、図4のVI−VI断面を示す。図7は、下枠8の要部としての右端部の分解斜視図である。図8は、右枠9の要部としての下端部の分解斜視図である。先ず、図4と図7を参照する。
【0024】
下枠8の横材11の端部11aは、ソケット12を固定するための複数、例えば2つの雌ねじ孔11cを有している。横材11の端部11aには、パッキン14を介して、ソケット12が取り付けられている。
図4および図5を参照して、ソケット12は、筒部12aを有している。この筒部12aは、平面視で断面矩形の環状をなし、上下方向に延びた筒形状をなしている。筒部12aは、4つの面部12f,12g,12h,12iを含んでいる。4つの面部12f,12g,12h,12iは、差込部20が差し込まれる差込空間12jを内部に形成している。
【0025】
図4および図6を参照して、筒部12aの3つの面部12g,12h,12iは、上述のスライド部を形成している。また、筒部12aの残りの1つの面部12fには、下枠8の横材11の端部11aが接続されるとともに、補強板13が積層されて固定されている。内側の面部12fには、横材11に固定するためのビス25用の挿通孔12mが形成されている。この挿通孔12mは、ビス25の軸部が挿通できる大きさで形成されている。また、外側の面部12hには、ビス25用の挿通孔12nが形成されている。この挿通孔12nは、ビス25の頭部が挿通する大きさで形成されている。
【0026】
図6および図7を参照して、補強板13は、ソケット12の面部12fに当接している。補強板13は、ビス25の軸部を通すための2つの挿通孔13aを有している。
ビス25が、ソケット12の外側の面部12hの挿通孔12nを通り、補強板13の挿通孔13aを通り、ソケット12の内側の面部12fの挿通孔12mを通されている。そして、ビス25の雄ねじが、パッキン14を貫通して、横材11の雌ねじ孔11cにねじ込まれている。これにより、ソケット12が、横材11の端部11aにビス25のねじ止めにより固定されている。
【0027】
図4と図8を参照する。縦材19は、筒部19aを有する。この筒部19aは、平面視で断面矩形の環状をなし、上下方向に延びた筒形状をなしている。筒部19aは、4つの面部19b,19c,19d,19eを含んでいる。3つの面部19c,19d,19eは、上述のスライド部を形成している。また、筒部19aの内側において、上下方向について下端面19fから所定長さの所定部に差込部20が嵌め込まれていて、また、上述の所定部における面部19dには、差込部20を固定するためのビス26用の複数、例えば2つの挿通孔19gが形成されている。
【0028】
差込部20は、水平方向に切った断面(右枠9の長手方向に垂直な断面に相当する。)における断面形状が口字状に閉じた形状をしていて、その下端部に左右方向に開放する切欠部20aを有している。この切欠部20aは、差込部20がソケット12に嵌められた状態で、補強板13との干渉を避けるために形成されている。差込部20は、縦材19の筒部19aに嵌められる第1の部分としての上部20bと、横材11のソケット12に差し込まれて嵌められる第2の部分としての下部20cとを有している。
【0029】
上部20bは、縦材19との固定用の雌ねじ孔20dを有している。この雌ねじ孔20dに、固定用のビス26がねじ込まれている。
下部20cは、その下側の一部に上述の切欠部20aを有している。下部20cはソケット12の高さと同じ寸法、またはこの寸法よりもわずかに短い寸法で形成されている。また、下部20cは、差込部20がソケット12に嵌められた状態で、ソケット12の挿通孔12nを塞ぐ部分としての面部20eを有している。
【0030】
図4を参照して、連結構造では、右枠9の縦材19にビス26により差込部20の上部20bが固定されていて、差込部20の下部20cが、下枠8のソケット12に嵌め込まれている。右枠9の縦材19の下端面19fは、下枠8の最上部、すなわち、ソケット12および横材11の上端面に当接して受けられている。ソケット12の挿通孔12nが、差込部20の面部20eにより塞がれている。
【0031】
このように本発明の実施形態によれば、横枠としての下枠8のソケット12は、上方または下方へ突出しないように、ソケット12の高さが横材11の高さの範囲内に収められている。これにより、下枠8の端部においてソケット12が直角に突出しないので、下枠8を梱包し易く、また、下枠8の荷姿も優れていて運搬時に下枠8が破損する虞もなく、さらに梱包された下枠8の荷姿は嵩張らないですむ。また、上枠7についても同様である。従って、梱包性に優れた窓枠5を実現できる。
【0032】
また、左右方向についての上枠7の全長L1および下枠8の全長L2は、当該窓枠5が取り付けられる一対の柱2の間に嵌められるパネル4の幅寸法L3と等しい長さとされている。これにより、窓枠5を組立ハウス1に組み付けた状態で、パネル4の頂面の全体が窓枠5の下枠8で覆われる。その結果、仮に柱2と窓枠5との間を雨水が通ることがあったとしても、パネル4の頂面に雨水が溜まることはなく、ひいては雨漏りを確実に阻止することができる。
【0033】
さらに、上枠7および下枠8の全長L1,L2がパネル4の幅L3と等しいことにより、窓枠5の幅寸法をパネル4の幅寸法に等しくでき、柱2間への窓枠5の組込み易さを、パネル4と同程度に確保できる。
具体的には、対応する一対の柱2の中心間距離が1800mmの場合には、L1=L2=L3=1785mmである。一対の柱2の中心間距離が1820mmの場合には、L1=L2=L3=1805mmである。一対の柱2の中心間距離が1840mmの場合には、L1=L2=L3=1825mmである。
【0034】
また、縦枠としての右枠9の差込部20は、水平方向に切った断面形状が口字状に閉じた形状をしている。これにより、閉じた形状の差込部20は、開いた形状に比べて、変形し難い。
さらに、上枠7の全長L1および下枠8の全長L2がパネル4の幅L3と等しいので、差込部20の断面積を最大にでき、この点でも変形を抑制できる。従って、ソケット12と差込部20との嵌合長さが短くても、変形し難い窓枠5を実現できる。
【0035】
変形し難い窓枠5は、雨漏りをより一層確実に防止することができる。すなわち、窓枠が変形すると、パッキンの封止が不十分になるので、雨漏りが発生することがある。これに対して、窓枠の変形を防止することにより、雨漏りを防止することができる。
また、ソケット12は、差込部20が差し込まれる差込空間12jを内部に形成し、上下方向に延びて断面矩形の筒形状をなす4つの面部12f,12g,12h,12iを含み、このうちの一つの面部12fには、横材11の端部11aが接続されるとともに、補強板13が積層されてねじ止め固定されている。この場合、補強板13によりソケット12を補強できるので、より一層変形し難い窓枠5を実現することができる。ひいては、雨漏りをより一層確実に防止することができる。
【0036】
また、横枠としての下枠8のソケット12と横材11との最上部同士が、面一をなしているので、仮に、横材11とソケット12とが位置ずれを生じたときであっても、窓枠5の全体の形状に違和感が生じずに済み、優れたデザインを実現できる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。例えば、下枠8および上枠7の強度がさほど要求されない場合には、補強板13,17の少なくとも一方を廃止することも考えられる。
【0037】
また、上述の窓枠5は、下枠8の上面において、一対の戸部材6を受ける部分が平坦に形成されたいわゆるフラットタイプのサッシ枠であったが、図9の斜視図に示すように、下枠8の上面において、一対の戸部材6を受ける部分27が階段状に形成されたいわゆる階段式のサッシ枠であってもよい。
このように階段式のサッシ枠では、横枠としての下枠8は、戸部材6に対向し階段状に形成された部分27を含んでいる。この部分27は、室内側であるほどに開口が狭くなるように形成されている。この場合、雨水の浸入を防止するのに好ましい。
【0038】
また、上述の実施形態の連結構造は、通風や採光用の窓用の開口5aを区画するサッシ枠としての窓枠5に適用されていたが、出入口用の開口を区画するサッシ枠としての窓枠(図示せず)に適用することもできる。このように、窓枠としては、開口を区画する枠であればよく、開口の大きさや目的は限定されず、例えば、採光や通風用の窓枠であってもよいし、通行のための出入口用の開口のためのサッシ枠であってもよい。出入口用のサッシ枠であっても、その下方にパネルが配置される場合があり、この場合には、上述のようにパネルの頂面に溜まった雨水に起因する雨漏りを防止する効果を、窓枠5と同様に得ることが可能である。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態の組立ハウスの要部の一部断面斜視図である。
【図2】図1に示す組立ハウスの要部としてのサッシユニットの正面図であり、柱およびパネルも一点鎖線で図示されている。
【図3】図2に示すサッシユニットの分解図であり、正面視で示している。
【図4】図2に示す連結構造の正面視での一部断面図であり、図5のIV−IV断面を示す。
【図5】図2に示す連結構造の平面視での一部断面図であり、図4のV−V断面を示す。
【図6】図2に示す連結構造の平面視での一部断面図であり、図4のVI−VI断面を示す。
【図7】図4に示す下枠の要部としての右端部の分解斜視図である。
【図8】図4に示す右枠の要部としての下端部の分解斜視図である。
【図9】本発明の変形例を示す組立ハウスのサッシユニットの下枠の要部としての右端部の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1…組立ハウス
2…柱
4…パネル
5…窓枠
6…戸部材
7…上枠(横枠)
8…下枠(横枠)
9…右枠(縦枠)
9a…下端(縦枠の上下両端の一方)
9b…上端(縦枠の上下両端の一方)
10…左枠(縦枠)
11,15…横材
11a,11b,15a,15b…端部(横材の端部、横材の左右両端)
12,16…ソケット
12j…差込空間
12f,12g,12h,12i…面部
13,17…補強板
20,21,23,24…差込部
27…階段状に形成された部分
H1,H3…ソケットの高さ
H2,H4…横材の高さ
L1…上枠の全長(横枠の全長)
L2…下枠の全長(横枠の全長)
L3…パネルの幅寸法
X…左右方向(水平方向)
Z…上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立ハウスにおいて相対向して開口する溝形の一対の柱間に落とし込んで用いられる矩形の窓枠であって、
上下一対の横枠および左右一対の縦枠を備え、
横枠は、左右方向に延びる横材と、この横材の左右両端にねじ止め固定された組立用のソケットとを含み、
縦枠の上下両端には、差込部が突設され、この差込部が上記ソケットに差し込まれていて、
上記ソケットは、上方または下方へ突出しないように、ソケットの高さが横材の高さの範囲内に収められており、
左右方向についての横枠の全長は、当該窓枠が取り付けられる上記一対の柱の間に嵌められるパネルの幅寸法と等しい長さとされ、
上記縦枠の差込部は、水平方向に切った断面形状が口字状に閉じた形状をしていることを特徴とする組立ハウス用の窓枠。
【請求項2】
請求項1に記載の組立ハウス用の窓枠において、
上記ソケットは、上記差込部が差し込まれる差込空間を内部に形成するために上下方向に延びて断面矩形の筒形状をなす4つの面部を含み、4つの面部のうちの一つの面部には、横枠の横材の端部が接続されるとともに、補強板が積層されてねじ止め固定されていることを特徴とする組立ハウス用の窓枠。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組立ハウス用の窓枠において、
上記横枠および縦枠には、戸部材が開閉自在に取り付けられ、
上記横枠は、戸部材に対向し階段状に形成された部分を含むことを特徴とする組立ハウス用の窓枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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