説明

組立家屋

【課題】複数の異なる部材や部品、接続のための金具や工具等を必要とすることなく、きわめて簡単に組立や設置、撤去が行え、非使用時の保管や運搬、管理等も容易で、屋外での使用に耐えうる防水性も容易に確保する。
【解決手段】設置面に立設可能な組立家屋1であって、中空板材を環状につなげた環状部材10は、設置面に立設される囲い部11と、囲い部11の上方に形成される覆い部12と、を有し、囲い部11は、垂直折り目21に沿った折り曲げ加工により、設置面上の空間を所定形状に仕切る壁となり、覆い部12は、水平折り目22に沿った内方への折り曲げ加工により、所定形状に仕切った空間を上方から覆う屋根となり、覆い部12を環状部材10の一部に固定することで、家屋形状を保持可能に保形される構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内や屋外等において組み立てられて使用される避難所用の簡易家屋、緊急用の簡易医療室、仮設用の簡易更衣室等の組立家屋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建物内や屋外等において、板材やパネル等を組み立てて空間を仕切ることにより、簡易な家屋を設置することがある。
このような組立家屋は、組み立てや設置が簡単に行え、保管や搬送,撤去等も通常の家屋等と比較して容易に行えるものであり、一時的,応急的な空間の間仕切り等に利用される。
例えば、被災地等の避難所(体育館,講堂,公民館等)に設置される避難所用の簡易家屋や緊急用の簡易医療室、海水浴場等に一時的に設置される簡易更衣室等に使用される。
【0003】
このような簡易・一時的に設置される組立家屋に関するものとしては、例えば、特許文献1に開示されているような「組立式簡易家屋」がある。
この特許文献1の組立式簡易家屋は、居住空間を囲む前後周壁板及び左右周壁板と、一組の補強梁材を備え、各周壁板に形成した切れ目を相互に嵌め込むことにより隣接する周壁板を接合するとともに、左右周壁板の上端同士を一組の補強梁材で連結することにより家屋形状を保形するようになっている。
【0004】
このような組立式簡易家屋は、周壁板や補強梁材を分解した状態で持ち運び、設置箇所においてそれらを組み立てることで、所望の場所に簡易家屋を設置でき、使用後は再び分解することで撤去・移動することが可能となる。
また、特許文献1では、上部開口を覆う屋根部を追加すれば、屋外でも使用できることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−82767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の組立家屋は、屋根付きの仕切られた空間を形成する場合、複数の周壁板や補強梁材、屋根部を構成する板材等の複数の異なる種類の部材、部品を用意し、それらを適切に組み立てる作業が必要であった。
このため、複数の部材、部品の管理、保管、運搬等が煩雑となる上、組立・分解作業も容易とは言えなかった。
特に、一時的,応急的に使用される避難所用の簡易家屋や緊急用の簡易医療室の場合、設置経験のない者が作業を行うこともあり、組み立て,設置の作業が煩雑乃至困難なものとなるおそれがあった。
【0007】
また、特許文献1の組立家屋では、各周壁板に形成した切れ目を相互に嵌め込むことにより隣接する周壁板を接合するだけでなく、周壁板と別体の板材(屋根部)で上部開口を塞ぐので、周壁板の接合部や周壁板と屋根部の間に隙間が生じるという問題があった。
このため、屋外での使用に耐えうる防水性の確保が困難であり、屋外で使用すると雨漏り等が発生するおそれがあった。
なお、特許文献1の組立家屋であっても、組立家屋を組み立てた後、隙間をシーリング材で塞ぐシーリング加工を施せば雨漏り等を防ぐことが可能であるが、シーリング加工によって設置作業が煩雑になるだけでなく、分解や再利用が困難になるおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明者らは以上のような従来技術の課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、一般に気泡ボードと称される樹脂製の中空板に着目し、かかる気泡ボードを環状につなげた環状部材のみによって避難所用の簡易家屋、緊急用の簡易医療室、仮設用の簡易更衣室等の組立家屋を組み立てることを可能とし、異なる種類の複数の部材や部品を不要とし、組立作業等もきわめて容易で誰にでも簡単に組立・設置が可能となり、屋外での使用に耐えうる防水性も容易に確保できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は、上述した従来の問題を解決するために提案されたものであり、複数の異なる部材や部品、接続のための金具や工具等を必要とすることなく、きわめて簡単に組立や設置、撤去が行え、非使用時の保管や運搬、管理等も容易で、屋外での使用に耐えうる防水性も容易に確保することができる、避難所用の簡易家屋、緊急用の簡易医療室、仮設用の簡易更衣室等の設置に好適な組立家屋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明の組立家屋は、中空構造をなすための立体加工が施されたコア材の表裏両面に平板状の外装材を積層してなる合成樹脂製の中空板材からなり、設置面に立設可能な組立家屋であって、前記中空板材を環状につなげた環状部材を備え、前記環状部材は、設置面に立設される囲い部と、前記囲い部の上方に形成される覆い部と、を有し、前記囲い部は、設置面に対して垂直方向に延びる垂直折り目が形成され、前記垂直折り目に沿った折り曲げ加工により、設置面上の空間を所定形状に仕切る壁となり、前記覆い部は、設置面に対して水平方向に延びるとともに前記囲い部との境界となる水平折り目が形成され、前記水平折り目に沿った内方への折り曲げ加工により、前記所定形状に仕切った空間を上方から覆う屋根となり、前記覆い部を前記環状部材の一部に固定することで、家屋形状を保持可能に保形される構成としてある。
【0011】
このような構成からなる本発明の組立家屋によれば、中空部材からなる環状部材を折り曲げ加工するだけで、周囲が囲い部によって囲まれ、上方が覆い部で覆われた所定形状の空間を形成することができる。
このため、複数の異なる部材や部品、接続のための金具や工具等を必要とすることなく、きわめて簡単に組立や設置、撤去が行えるだけでなく、非使用時の保管や運搬、管理等も容易にすることができる。
また、このような構成からなる組立家屋は、組み立て後に生じる隙間を最小限に抑えることができるので、シーリング加工等を行わなくても、屋外での使用に耐えうる防水性を容易に確保することができる。
さらに、合成樹脂製の中空板材は、軽量かつ柔軟で、耐水性や耐久性、保温性にも優れ、水洗い等も可能で、繰り返し使用することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明の組立家屋によれば、複数種類の板部材やそれを接合するための金具や工具等を必要とすることなく、きわめて簡単に避難所用の簡易家屋、緊急用の簡易医療室、仮設用の簡易更衣室等の組立・設置や撤去を行うことができるだけでなく、非使用時の保管や運搬等も容易に行うことができる。
また、組立後にシーリング加工等を行わなくても、屋外での使用に耐えうる防水性を容易に確保することができる。
さらに、合成樹脂性の中空板材は、保温性や耐水性、耐久性にも優れ、汚れても洗浄して繰り返し再利用することができる組立家屋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る組立家屋の組立状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る組立家屋の展開図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る組立家屋の組立過程を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る組立家屋を構成する中空板材を示す要部斜視図であり、(a)は三層構成の気泡ボードを示しており、(b)は(a)に示す気泡ボードの端部(縁部)を封止材で封止した場合を示している。
【図5】本発明の一実施形態に係る組立家屋の折り部の一例を示す説明図であり、切り込み(ハーフカット)加工された折り部が形成されたパネルの要部平面を示している。
【図6】本発明の一実施形態に係る組立家屋の折り部の一例を示す説明図であり、折り部が切り込み(ハーフカット)加工された図5のA−A断面を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る組立家屋の折り部の一例を示す説明図であり、折り部が切り込み(ハーフカット)加工された図5のB−B断面を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る組立家屋の折り部の一例を示す説明図であり、折り部がV字加工されている場合を示している。
【図9】本発明の一実施形態に係る組立家屋を床部上に設置する場合の一例を示す分解斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る組立家屋の高さ方向のスペースを拡張する場合の一例を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る組立家屋の高さ方向のスペースを拡張した場合の一例を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る組立家屋の床面積を拡張する場合の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る組立家屋の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る組立家屋の組立状態を示す斜視図、図2は、本発明の一実施形態に係る組立家屋の展開図、図3は、本発明の一実施形態に係る組立家屋の組立過程を示す斜視図である。
【0015】
[環状部材]
これらの図に示すように、本発明の一実施形態に係る組立家屋1は、環状部材10を備えている。
環状部材10は、折り曲げ加工によって所定形状の空間を囲み、例えば、避難所用の簡易家屋、緊急用の簡易医療室、仮設用の簡易更衣室等として使用可能な組立家屋1を構成するパネル部材となっている。
図1に示す例では、図2に示すような展開形状を有する環状部材10を用いて、避難所用の簡易家屋を形成したもので、組み立てられた組立家屋1は、建物内や屋外等の任意の設置場所に設置・立設されて使用される。
この環状部材10は、中空構造をなすための立体加工が施されたコア材の表裏両面に平板状の外装材を積層してなる合成樹脂製の中空板材を環状につなげて形成したものとなっている。
【0016】
環状部材10は、これを折り曲げ加工して組立家屋1が構成された状態で、人が家屋内に出入り可能な大きさを有し、避難所用の簡易家屋の場合、家屋内において横になって睡眠が可能となる大きさの組立家屋1(例えば幅が2000mm〜2500mm、奥行きが1000mm〜1200mm、高さが1000mm〜2000mm)が構成されるように設定されている。
また、環状部材10は、家屋内の人が外部から見えない(覗かれない)ように、透視不能な色(例えば、黒色)や材料からなる中空板材を用いて形成されている。
【0017】
そして、このような中空板材を環状につなげた環状部材10が、図1〜図3に示すように、設置面に立設される囲い部11と、囲い部11の上方に形成される覆い部12とを備えている。
【0018】
囲い部11は、設置面に対して垂直方向に延びる垂直折り目21が形成され、垂直折り目21に沿った折り曲げ加工により、設置面上の空間を所定形状に仕切る仕切り壁となる部分である。
例えば、本実施形態の囲い部11は、設置面上の空間を矩形状に仕切るように四面の仕切壁を構成するように形成されている。
【0019】
本実施形態の垂直折り目21は、組み立て時に山折り状の折り曲げ加工が可能となるように形成されており、後述する中空板材の折り部2によって形成することができる。折り部2は、後述するように切り込み加工やV字加工により、環状部材10が折り曲げ可能となるように形成される(図5〜図8参照)。
例えば、本実施形態の垂直折り目21は、組み立て時の角度(90゜)や折畳み時の角度(0゜又は180゜)を考慮し、表面側にV字加工を施した折り部2としてある。
なお、図2において、一点鎖線で示される折り目は、組み立て時に山折り状に折り曲げ加工される折り目であり(表面側にV字加工)、破線で示される折り目は、組み立て時に谷折り状に折り曲げ加工される折り目となっている(裏面側に切り込み加工)。
【0020】
また、囲い部11には、組立家屋1の出入り口13と、出入り口13を開閉する扉14とが形成されている。
例えば、本実施形態の囲い部11では、家屋正面となる仕切り壁の一部に矩形の出入り口13を形成するにあたり、出入り口13の三辺(上辺、下辺及び左辺)を切断するとともに、残りの一辺(右辺)を谷折り状に折り曲げ可能に形成している(裏面側に切り込み加工)。
このようにすると、出入り口13を形成すると同時に、折り曲げ可能部をヒンジとして開閉操作可能な扉14を構成することができる。
【0021】
また、囲い部11は、設置面に敷設される床部の一例である、例えば、図9に示すようなパレット50上に載置することを考慮し、下端部に切欠15や固定孔16が形成されている。
切欠15は、設置面に敷設された複数のパレット50の差し込み部51に対して囲い部11の下端部を差し込む際、囲い部11が複数のパレット50の縁部をまたぐための切欠きである。
また、固定孔16は、パレット50の差し込み部51に対して囲い部11の下端部を差し込む際、パレット50の差し込み部51に設けられる舌片52で係合・固定される孔である。
ここで、舌片52は、進退可能となっており、舌片52を進出させることで固定孔16と係合され、後退させることにより、固定孔16との係合が解除するようになっている。
【0022】
なお、図9に示す例では、環状部材10と別体の床シート60(中空板材)をパレット50上に敷設して組立家屋1の床面としているが、図2に2点鎖線で示すように、床シート部17を囲い部11の下方に一体的に形成しておき、組み立て時に床シート部17を内側に折り曲げることで組立家屋1の床面を構成するようにしてもよい。
【0023】
覆い部12は、設置面に対して水平方向に延びるとともに囲い部11との境界となる水平折り目22が形成され、水平折り目22に沿った内方への折り曲げ加工により、囲い部11により所定形状に仕切った空間を上方から覆う屋根となる部分である。
そして、覆い部12を環状部材10の一部に固定することで、家屋形状を保持可能に保形されるようになっている。
つまり、本発明の組立家屋1は、屋根を構成する覆い部12によって家屋形状が保持されるので、補強梁材などの形状保持部材が不要となる。
【0024】
本実施形態の覆い部12は、設置面上の空間を矩形状に仕切る囲い部11に沿って四面に形成され、四面のうちの対向する一組の覆い部12a、12bをそれぞれ内側に折り込むとともに対向する他の一組の覆い部12c、12dの上端部に形成される接合部18同士を重ね合わせて固定することにより、組立家屋1の屋根を構成しつつ、家屋形状を保持可能に保形する。
このような組み立てを可能にするために、覆い部12には、水平折り目22の他に、囲い部11の垂直折り目21と連続する垂直折り目23、覆い部12a、12bを内側に折り込み可能とするための傾斜折り目24、さらには、接合部18同士を重ね合わせるための水平折り目25が形成されている。
水平折り目22及び垂直折り目23は、組み立て時に山折り状に折り曲げ加工される折り目として形成され、傾斜折り目24及び水平折り目25は、組み立て時に谷折り状に折り曲げ加工される折り目として形成されている。
【0025】
接合部18には、接合部品を挿入可能な貫通孔18aが備えられている。本実施形態では、各接合部18に六つの貫通孔18aが形成されている。
そして、接合部18同士を重ね合わせた状態で、各貫通孔18aに接合部品が挿入されて、接合部18同士が接合される。
【0026】
ここで、貫通孔18aは、使用する接合部品に対応した大きさ・形状に形成される。接合部品としては、例えば、一般的なボルト・ナットや、段ボール留め具(所謂Pジョイント)などを使用することができ、貫通孔18aは、それら接合部品に適合した大きさ、形状に形成される。
本実施形態の接合部品70は、貫通孔18a(例えば、六角孔)を弾性変形によって貫通する弾性爪部材71と、弾性爪部材71に嵌合されて弾性爪部材71の弾性変形を阻害する弾性阻害リベット72とからなり、弾性阻害リベット72で弾性爪部材71の弾性変形を阻害することにより、接合部18同士の接合状態を維持し、弾性阻害リベット72を抜いて弾性爪部材71の弾性変形を許容することにより、接合部18同士の接合状態を解除することができる。
【0027】
また、図3に示すように、他の一組の覆い部12c、12dにおいて、一方の覆い部12dの端部を折り返すことにより、他方の覆い部12cの端部を被覆可能に形成することができる。
例えば、一方の覆い部12dの接合部18に、略同形状の折り返し部19を折り曲げ可能に延長形成し、一方の覆い部12dの接合部18と他方の覆い部12cの接合部18とを重ね合わせて接合する際、折り返し部19を折り返して、他方の覆い部12cの接合部18を被覆した状態で、接合部18及び折り返し部19を接合させる。
このようにすると、接合部18間に生じる隙間を折り返し部19で被覆することにより、組立家屋1の防水性を向上させ、屋外での使用に際して雨漏りを防止することができる。
【0028】
覆い部12により形成される屋根は、囲い部11に向かって下方に傾斜することが好ましい。
例えば、本実施形態では、他の一組の覆い部12c、12dが、囲い部11に向かって下方に傾斜するように形成されている。
このようにすると、雨を屋根上からスムーズに流すことができるので、屋外での使用に際して雨漏りを防止することができる。
なお、本実施形態の覆い部12は、頂部から二方向に傾斜する切妻屋根形状としているが、頂部から一方向に傾斜する片流れ屋根形状や、頂部から四方向に傾斜する寄棟屋根形状としてもよい。
【0029】
以上のように構成される本実施形態の環状部材10は、以下のように形成することができる。
例えば、一枚の中空板材、又は複数枚の中空板材の端面同士を熱融着により接合して、図2の展開形状を有する中空板材を形成するとともに、所定の箇所に、折り目加工、孔可能、切欠加工などを施した後、中空板材の端面A、A’同士を熱融着により接合して環状部材10を形成する。
例えば、前述した大きさの避難所用の簡易家屋とする場合、板厚9mmの中空板材を用い、囲い部11の幅が2240mm、奥行きが1050mm、高さが1150mmとなり、覆い部12の斜面部分の長さが600mm、接合部18の高さが150mmとなるように展開形状を切り出せば、図3に示すような環状部材10が得られる。
【0030】
また、環状部材10には、必要に応じて切断予定線を形成することができる。中空板材はハサミ、カッター等を用いて適宜切断、裁断が可能であり、切断予定線に沿って切断することで、組立家屋1の変形や拡張が容易に行え、拡張性の高いものとすることができる。
例えば、図12に示すように、少なくとも囲い部11の一部を切り取り可能に形成するとともに、切り取った部分同士が対向するように二つの組立家屋1を配置し、いずれか一方の組立家屋1に他方の組立家屋を嵌挿可能に形成し、嵌挿部分を接合することで、組立家屋1の床面積を拡張する場合、囲い部11の切り取り部分に切断予定線を印刷などで形成しておくことにより、切り取り作業を間違いなく容易に行うことが可能となる。
なお、切断予定線を設けること自体を省略することも可能であり、環状部材10を用いて組立家屋1の組み立てを行う者が、切断予定線に拘束されることなく自由に環状部材10の切断・裁断加工が行えるようにすることもできる。
【0031】
[気泡ボード]
次に、以上のような構成からなる本実施形態の組立家屋1(環状部材10)を構成する中空板材について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る組立家屋を構成する中空板材を示す要部斜視図であり、(a)は三層構成の気泡ボードを示しており、(b)は(a)に示す気泡ボードの端部(縁部)を封止材で封止した場合を示している。
本実施形態に係る環状部材10は、図4(a)に示す中空構造をなすための立体加工が施されたコア材の表裏両面に平板状の外装材を積層してなる合成樹脂製の中空板材からなっている。このような中空板材としては、一般に、気泡ボード、プラスチック段ボールなどと称されるものが知られているが、独立した多数の気泡内に空気が封入され、より断熱性に優れていることから、図4(a)に示すような気泡ボード100を用いるのが好ましい。
【0032】
図4(a)に示す気泡ボード100は、中空状に膨出する多数の突起103が成形されたコア材としてのキャップシート102と、突起103内に空気を封入して気泡を形成する一方の外装材としてのバックシート101と、突起103の頂面側に積層された他方の外装材としてのライナーシート104とを備えている。
【0033】
このような気泡ボード100は、例えば、図示しない多数のキャビティ孔が設けられた成形ロールの外周面に、シート状に連続して繰り出される溶融樹脂を接触させて中空状に膨出する多数の突起103を真空成形することによってキャップシート102を形成しつつ、このキャップシート102を、突起103の開口側に供給されたバックシート101と、突起103の頂面側に供給されたライナーシート104とで挟み込み、これらを熱融着により積層一体化し、しかる後に所定の形状に切り出すことによって製造することができる。
なお、上記のようにして気泡ボード100を製造するにあたり、バックシート101、キャップシート102、ライナーシート104のそれぞれの厚みは、気泡ボード100に要求される強度、剛性などを考慮して適宜調整することができる。通常は、例えば100μm〜1.5mm程度とすることができる。
【0034】
所定の形状に切り出された気泡ボード100の端縁には、必要に応じて、図4(b)に示すように、帯状の封止材105を熱融着などによって取り付けるようにしてもよい。このようにすることで、気泡ボード100の内部に異物が侵入してしまうのを防止するとともに、それぞれの気泡103の間にも空気が封入されるようにして、さらなる断熱性の向上を図ることもできる。
また、以上のような気泡ボード(中空板材)100の材料樹脂としては、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などを挙げることができる。但し、これらに限定はされない。
【0035】
[折り部]
以上のような気泡ボード100に対して、図5に示すように、所定の加工を施すことにより折り部2を形成して、環状部材10を折り曲げ可能とする。
図5に示す折り部2は、所定の形状に形成された環状部材10の所定箇所に切り込み(ハーフカット)加工を入れて形成することができ、これによって折り部2に沿って環状部材10を折り曲げ可能に構成することができる。
折り部2を形成する際に切り込み(ハーフカット)を入れるのは、気泡ボード100のバックシート101側、ライナーシート104側のいずれであってもよいが、図5〜7示す例では、気泡ボード100のバックシート101側に切り込み3を入れることによって折り部2を形成している。
【0036】
ここで、図5は、図4に示す気泡ボード100をバックシート側から見た拡大図であり、図5のA−A断面図を図6(a)に示し、当該部位を折り部2で折り曲げた状態を図6(b)に示す。同様に、図5のB−B断面図を図7(a)に示し、当該部位を折り部2で折り曲げた状態を図7(b)に示す。
これらの図に示すように、突起103がない部位では、キャップシート102とバックシート101との融着部を切断するように切り込み3を入れ(図6(a)参照)、ライナーシート104のみが屈曲して折り部2が形成されるようになる(図6(b)参照)。
これに対して、突起103がある部位では、バックシート101と突起103の側壁部とを切断するように切り込み3を入れ(図7(a)参照)、ライナーシート104に突起103の頂面が融着された部分が屈曲して折り部2が形成されるようになる(図7(b)参照)。
【0037】
これにより、折り部2は、ライナーシート104のみからなる部分と、ライナーシート104に突起103の頂面が融着されて二重構造となっている部分とが交互に配置されて形成されることになる。したがって、気泡ボード100に切り込み3を入れて形成された折り部2は、ライナーシート104に突起103の頂面が融着された二重構造となっている部分によって部分的に補強されて、折り部2の曲げ易さを損なわない程度に強度が高められている。すなわち、折り部2を補強するために、例えば、折り部2を形成しようとする部位にシート材を積層して二重構造としただけでは、折り部2が折り曲げにくくなって、環状部材10の組み立てに支障をきたすおそれがあるが、本実施形態にあっては、折り部2が部分的に二重構造となるために、その曲げ易さを損なうことなく適度に折り部2が補強されることになる。
【0038】
また、曲げ易さを損なうことなく折り部2の強度をさらに高めるために、例えば、ポリエチレン系樹脂フィルムなどのような柔軟なフィルム材を気泡ボード100に積層することもできる。
このとき、バックシート101側に切り込み3を入れて折り部2を形成するのであれば、ライナーシート104側の面、すなわち、切り込み3を入れる側とは反対側の面に、必要に応じて接着剤を介するなどして当該フィルム材を積層することができる。
【0039】
なお、特に図示しないが、気泡ボード100のライナーシート104側から切り込み3を入れて折り部2を形成する場合、突起103がない部位では、ライナーシート104を切断するように切り込み3を入れ、キャップシート102とバックシート101との融着部が屈曲して折り部2を形成することになる。一方、突起103がある部位では、ライナーシート104に突起103の頂面が融着された部分と突起103の側壁部とを切断するように切り込み3を入れ、バックシート101が屈曲して折り部2を形成することになる。
いずれにしても、形成された折り部2は、バックシート101のみからなる部分と、バックシート101にキャップシート102が融着されて二重構造となっている部分とが交互に配置されて形成されることになり、折り部2が部分的に二重構造となって、その曲げ易さを損なうことなく適度に折り部2が補強されることになる。
【0040】
また、以上のような切り込み加工による折り部2以外にも、例えば、図8に示すようなV字加工を施すことにより環状部材10に折り部2を形成することができる。
図8は、上述した図5に対応する気泡ボード100の断面図であり、図6で示した切り込み3に換えてV字加工部4を形成したものである。
同図に示すV字加工部4は、気泡ボード100には、加熱鏝を当てるなどして断面V字状に溶融して形成するものであり、このV字加工部4を設けることによって、図8(b)に示すように、気泡ボード100が折り曲げられるようになる。
V字加工部4を形成した気泡ボード100の折り曲げは、図8(b)に示すように、V字加工部4を形成した面の反対側への折り曲げだけでなく、V字加工部4を形成した面側への折り曲げも可能となる。前者では、略180゜までの折り曲げ角度を確保することができ、後者では、折り曲げ限度が略90゜となる。
【0041】
なお、このような溶融加工して形成されるV字加工部4は、気泡ボード100の一部が線状に押し潰された状態となっており、V字加工部4で囲まれた範囲には空気が封入されるようになる。このため、気泡ボード100の端縁に封止材105(図4(b)参照)を取り付けなくとも、当該範囲における気泡に空気が封入され、これによって気泡ボード100(環状部材10)の断熱性を向上させることができる。
【0042】
[組立家屋の組立方法]
次に、以上のような構成からなる本実施形態の環状部材10を用いて組立家屋1を組み立てる手順(組立方法)について、図1〜図3、図9〜図12を参照して説明する。
【0043】
図1に示す組立家屋1を組み立てる場合は、まず、図2に示す展開形状を備えた環状部材10を用意する。
次に、図3に示すように、環状部材10の垂直折り目21、23を山折り状に折り曲げ加工し、設置面上に環状部材10を立設させる。これにより、環状部材10の囲い部11は、設置面上の空間を矩形状に仕切る仕切り壁となる。
【0044】
次に、環状部材10の覆い部12によって組立家屋1の屋根を形成する。
具体的には、囲い部11に沿って四面に形成される四面の覆い部12a〜12dのうち、対向する一組の覆い部12a、12bを、傾斜折り目24の谷折り状の折り曲げ加工によりそれぞれ内側に折り込むとともに、対向する他の一組の覆い部12c、12dの上端部に形成される接合部18同士を、水平折り目22の山折り状の折り曲げ加工や、水平折り目25の谷折り状の折り曲げ加工により重ね合わせる。これにより、覆い部12は、頂部から二方向に傾斜する切妻屋根形状となる。
そして、接合部18同士を重ね合わせた状態で、接合部18の各貫通孔18aに接合部品70を挿入し、接合部18同士を固定すれば、図1に示す組立家屋1が完成する。
【0045】
このように組み立てられた組立家屋1は、床部上に設置することができる。
図9は、本発明の一実施形態に係る組立家屋を床部上に設置する場合の一例を示す分解斜視図である。
この図に示すように、組立家屋1は、設置面に敷設される床部、例えば、図9に示すパレット50上に載置することができる。
ここで、床部の一例であるパレット50は、荷物等を載置可能に形成されるフォークリフト等で運搬可能な荷台からなり、設置面と組立家屋1の床面との間に隙間53が形成されている。この隙間53が断熱層となって組立家屋1内における冬期の寒さや夏期の暑さを緩和することができる。
【0046】
上記のような設置形態を適用する場合は、組み立てた組立家屋1をパレット50上に載置する方法と、パレット50上で組立家屋1を組み立てる方法のいずれかが選択される。
前者の場合は、まず、前述した手順で組立家屋1を組み立てる。
次に、設置面の所定箇所にパレット50を敷設する。本実施形態の組立家屋1の床面形状は、二つのパレット50を並べた形状に一致するように設定されているので、設置面の所定箇所に二つのパレット50を並べて敷設する。
そして、敷設した二つのパレット50上に床シート60を重ね合わせる。
【0047】
次に、敷設した二つのパレット50上に組立家屋1を載置する。
具体的には、パレット50の差し込み部51に対して、組立家屋1の囲い部11の下端部を上方から差し込む。
その際、囲い部11の下端部には、パレット50の縁部をまたぐ切欠15が形成されているので、二つのパレット50をまたぐ状態で二つのパレット50の差し込み部51に差し込むことが可能となる。
また、囲い部11の下端部には、固定孔16が形成されており、パレット50の差し込み部51に対して囲い部11の下端部を差し込む際、パレット50の差し込み部51に設けられる舌片52を固定孔16内に進入させることでこれらが係合することにより、組立家屋1がパレット50に固定される。
なお、舌片52は、進退可能となっており、舌片52を後退させることにより、固定孔16との係合を解除することができる。
【0048】
次に、組立家屋の高さ方向のスペース、又は床面積を拡張する場合の例について説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る組立家屋の高さ方向のスペースを拡張する場合の一例を示す分解斜視図、図11は、本発明の一実施形態に係る組立家屋の高さ方向のスペースを拡張する場合の一例を示す斜視図である。
これらの図に示すように、組立家屋1Bは、高さ方向のスペースを拡張したり、設置面に対する高さを調整可能に構成することができる。例えば、図10及び図11に示す組立家屋1Bは、囲い部11と相似形をなし、囲い部11の下方からその内側に嵌挿されるとともに、囲い部11の設置面からの高さを調整可能な高さ調整部材80を備える。
【0049】
互に重なり合う囲い部11の下端部と高さ調整部材80の上端部には、接合部品70を挿入可能な複数の貫通孔11a、81が備えられている。そして、囲い部11の貫通孔11aと高さ調整部材80の貫通孔81を重ね合わせ、ここに接合部材70を挿入することにより囲い部11と高さ調整部材80が固定される。これにより、組立家屋1Bの高さ方向のスペースが拡張される。
また、高さ調整部材80の貫通孔81は、上下方向に所定の間隔をあけて複数形成されており、いずれかの貫通孔81を選択的に使用することによって囲い部11の設置面からの高さを調整することが可能となる。
また、高さ調整部材80は、囲い部11の下方からその内側に嵌挿されることにより、囲い部11との重ね合わせ部から雨が浸入することが防止される。
【0050】
図12は、本発明の一実施形態に係る組立家屋の床面積を拡張する場合の一例を示す斜視図である。
この図に示すように、組立家屋1Cは、床面積を拡張したり、床面積を調整することができる。例えば、図12に示す組立家屋1Cは、少なくとも囲い部11の一部を切り取り可能に形成するとともに、切り取った部分同士が対向するように二つの組立家屋1a、1bを配置し、いずれか一方の組立家屋1aに他方の組立家屋1bを嵌挿可能に形成してある。
この例では、組立家屋1aと組立家屋1bは互いに相似形をなし、組立家屋1bが組立家屋1aの長手方向に沿って嵌挿可能に形成してある。
【0051】
二つの組立家屋1a、1bの互に重なり合う部分には、接合部品70を挿入可能な複数の貫通孔11bが備えられている。そして、二つの組立家屋1a、1bの貫通孔11bを重ね合わせ、ここに接合部材70を挿入することにより二つの組立家屋1a、1bが固定される。これにより、床面積が拡張された組立家屋1Cが完成することになる。
また、少なくとも一方の組立家屋1a、1bが備える貫通孔11bは、前記嵌挿方向に所定の間隔をあけて複数形成されており、いずれかの貫通孔11bを選択的に使用することによって組立家屋1Cの床面積を調整することが可能となる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る組立家屋1によれば、中空部材からなる環状部材10を折り曲げ加工するだけで、周囲が囲い部11によって囲まれ、上方が覆い部12で覆われた所定形状の空間を形成することができる。
このため、複数の異なる部材や部品、接続のための金具や工具等を必要とすることなく、きわめて簡単に組立や設置、撤去が行えるだけでなく、非使用時の保管や運搬、管理等も容易にすることができる。
また、このような構成からなる組立家屋は、組み立て後に生じる隙間を最小限に抑えることができるので、シーリング加工等を行わなくても、屋外での使用に耐えうる防水性を容易に確保することができる。
さらに、合成樹脂製の中空板材は、軽量かつ柔軟で、耐水性や耐久性、保温性にも優れ、水洗い等も可能で、繰り返し使用することが可能となる。
【0053】
以上、本発明の組立家屋について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明の組立家屋は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、組立家屋の床面積を拡張する場合の組立家屋では、相似形をなす二つの組立家屋1a、1bを長手方向に沿って嵌挿させて構成したが、例えば、L字状、T字状となるように嵌挿させることもでき、このときには、二つの組立家屋1a、1bを相似形にする必要がないことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、建物内や屋外等において組み立てられて使用される避難所用の簡易家屋、緊急用の簡易医療室、仮設用の簡易更衣室等の組立家屋として利用可能であり、特に、組み立てや設置が簡単に行え、保管や搬送,撤去等も容易な組立家屋として好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 組立家屋
10 環状部材
11 囲い部
12 覆い部
13 出入り口
14 扉
18 接合部
19 折り返し部
21 垂直折り目
22 水平折り目
50 パレット(床部)
60 床シート
70 接合部品
80 高さ調整部材
100 気泡ボード(中空板材)
101 バックシート
102 キャップシート
104 ライナーシート
105 封止材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空構造をなすための立体加工が施されたコア材の表裏両面に平板状の外装材を積層してなる合成樹脂製の中空板材からなり、設置面に立設可能な組立家屋であって、
前記中空板材を環状につなげた環状部材を備え、
前記環状部材は、
設置面に立設される囲い部と、前記囲い部の上方に形成される覆い部と、を有し、
前記囲い部は、
設置面に対して垂直方向に延びる垂直折り目が形成され、前記垂直折り目に沿った折り曲げ加工により、設置面上の空間を所定形状に仕切る壁となり、
前記覆い部は、
設置面に対して水平方向に延びるとともに前記囲い部との境界となる水平折り目が形成され、前記水平折り目に沿った内方への折り曲げ加工により、前記所定形状に仕切った空間を上方から覆う屋根となり、
前記覆い部を前記環状部材の一部に固定することで、家屋形状を保持可能に保形されることを特徴とする組立家屋。
【請求項2】
前記囲い部は、設置面上の空間を矩形状に仕切り、
前記覆い部は、前記囲い部に沿って四面に形成され、
前記四面のうちの対向する一組の覆い部をそれぞれ内側に折り込むとともに対向する他の一組の覆い部の端部同士を重ね合わせて固定することにより、前記家屋形状を保持可能に保形される
ことを特徴とする請求項1記載の組立家屋。
【請求項3】
前記他の一組の覆い部において、一方の覆い部の端部を折り返すことにより、他方の覆い部の端部を被覆可能に形成した
ことを特徴とする請求項2記載の組立家屋。
【請求項4】
前記覆い部により形成される屋根を、前記囲い部に向かって下方に傾斜させた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組立家屋。
【請求項5】
前記設置面に敷設されるとともに前記囲い部を載置可能な床部を備え、
前記床部は、前記囲い部と着脱可能に形成されるとともに、前記設置面との間に隙間を形成した
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組立家屋。
【請求項6】
前記囲い部と相似形をなし、前記囲い部の下方からその内側に嵌挿されるとともに、前記囲い部の前記設置面からの高さを調整可能な高さ調整部材を備える
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組立家屋。
【請求項7】
少なくとも前記囲い部の一部を切り取り可能に形成するとともに、切り取った部分同士が対向するように二つの組立家屋を配置し、いずれか一方の組立家屋に他方の組立家屋を嵌挿可能に形成した
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組立家屋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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