説明

組立式コンテナ

【課題】パレットやスキッド台車等の搬送器具に支柱を用いず4枚のカバーパネルを掛け止めるだけで組立ができる分解可能な組立式コンテナに関する。
【解決手段】搬送器具の荷台面上に立設し、第1掛止構成部を有する枠状の支持壁部と、該支持壁部の内面に接して立設し、前記第1掛止構成部に掛止められる第2掛止構成部を備えた一対の第1カバーパネルと、該一対の第1カバーパネルに形成されて組立時に開口が向かい合うように並べられる嵌合溝間に左右の端部が挿入されて下向きに摺動して荷台面上に立設される一対の第2カバーパネルとからなって、略箱形に組み立てられる組立式コンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、方形の荷台面を有するパレットやスキッド台車等の搬送器具に支持壁部を設け、該支持壁部に支柱を用いずカバーパネル部を掛け止めるだけで組立ができる分解可能な組立式コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組立式のコンテナとして、例えば特開平9−142464号の箱では、方形で平板状の底板と、底板の四周辺に接して直立する底側板とからなる底皿部と、底皿部の四周辺の内側に沿って直立する4個の側板と、底皿部の内側の4隅に接して直立し、かつ、側板の垂直方向の端部を嵌め込むことによって隣り合う側板を繋ぐための凹部を有する、水平方向の断面の形状がL字型の4個の支柱と、箱の側面部に被さって位置する蓋からなる箱の構成が開示されている。
しかし、上記構成では、既存のパレットやスキッド台車をそのまま使用することができず、底板の四周辺に接して直立する底側板を形成する必要があった。
そして、4個の支柱の凹部に4枚の側板のそれぞれの垂直端部を嵌め込んで連結する必要があり、部品点数が多く、組立乃至分解も繁雑になるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−142464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その主たる課題は、支柱を用いることなく、パレットやスキッド台車等の搬送器具に枠状の支持壁部を設け、これにカバーパネルを掛止めるだけで、着脱可能に組立てることができる組立式コンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
搬送器具の方形の荷台面上に立設する枠状の支持壁部と、
該支持壁部の対向する一対の第1壁面に形成された突部又は受部からなる第1掛止構成部と、
前記支持壁部の対向する一対の第1壁面の内面に接して立設すると共に、前記第1掛止構成部に掛止められる受部又は突部からなる第2掛止構成部と、第2カバーパネルの左右の端部のいずれか一側を上下に摺動可能に嵌合する嵌合溝と、第2カバーパネルと相互に掛止められる第3掛止構成部とを設けた一対の第1カバーパネルと、
該一対の第1カバーパネルの嵌合溝間に挿入されて下向きに摺動自在な左右の端部を有して第1カバーパネルに掛け止められ、前記支持壁部の第1壁面に隣接し直交する一対の第2壁面の内面に沿って立設する一対の第2カバーパネルとからなって、略箱形に組み立てられることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明では、
前記第1カバーパネルと第2カバーパネルの掛止手段が、
第1カバーパネルに設けた嵌合溝と第2カバーパネルに形成されて前記嵌合溝に摺動可能に嵌合する第2カバーパネルの左右の端部との組合せと、
第1カバーパネルに設けられて、前記嵌合溝を形成する周壁の上方で上端が開口した上部受溝、又は嵌合溝の下部で嵌合溝内に突出した下方突部からなる第3掛止構成部と、第2カバーパネルに設けられて、第2カバーパネルの上部に設けられて前記上部受溝に上から挿入される上方突部、又は下部に設けられて下方突部に上から挿入される下端が開口した下部受溝からなる第4掛止構成部との組合せとからなることを特徴とする。
また、請求項3の発明では、
前記第1カバーパネルは、プラスチック製中空体シートの第1パネル本体と、該第1パネル本体の左右両端を嵌合すると共に嵌合溝一対の金属製の第1フレームとからなっており、
第2カバーパネルが、プラスチック製中空体シートの第2パネル本体と、該第2パネル本体の少なくとも上端を嵌合する第3嵌合溝部を有する金属製の第2フレームとからなっており、
第2掛止構成部及び第3掛止構成部が第1カバーパネルの第1フレームに形成されており、
第4掛止部が、第2カバーパネルの第2フレームに形成されていることを特徴とする。
また、請求項4の発明では、
前記支持壁部に第1カバーパネルと第2カバーパネルとが組み立てられた箱体の上端に外嵌する蓋部が設けられており、
支持壁部には、角部にアングル状の補強金具が固定されており、
支持壁部の内周は、第1カバーパネルと第2カバーパネルとが支持壁部から分解して横倒した第1カバーパネルと第2カバーパネルとを収納可能な内周寸法に設定されており、
前記蓋部は支持壁部に外嵌し、蓋部の下端が前記補強金具に衝合して掛止められることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、以下のような特有の効果を奏することができる。
(1)搬送器具の荷台面上に固定した支持壁部に第1掛止構成部を設けておき、一対の第1カバーパネルに前記第1掛止構成部に掛止可能な第2掛止構成部を設けることで、支持壁部に沿って対向する一対の第1カバーパネルを起立姿勢で掛止めることができる。
この一対の第1カバーパネルにより一対の対向する嵌合溝を形成し、該嵌合溝に沿って第2カバーパネルを上から下に嵌合して荷台面上に箱型に組み立てることができる。
(2)第1カバーパネルの嵌合溝を形成する周壁に第3掛止構成部を設け、第2カバーパネルに設けた第4掛止構成部を掛止めることで、箱型に組み立てられた状態で、第1カバーパネルと第2カバーパネルとを相互に掛止めることができ、組み立てられた箱型の強度を一層高めることができる。
(3)第1カバーパネルと第2カバーパネルとをパネル本体と金属製のフレームとし、該フレームに嵌合溝や各掛止構成部を設けることで、コンテナ組立時の連結強度を高めながら全体の軽量化を図ることができる。
(4)蓋体を箱型に組み立てられたコンテナの上部に外嵌することで上部開口を塞ぐことができる。
また、支持壁部の内周寸法を、分解した第1カバーパネル及び第2カバーパネルを倒した際の外周寸法以上に設定することで、不使用時に支持壁部内に第1カバーパネル及び第2カバーパネルを収納し、蓋部で覆って回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】組立式コンテナの組立状態を示す断面図である。
【図2】支持壁部の側断面図である。
【図3】(a)は第1カバーパネルの斜視図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図4】(a)は第2カバーパネルの正面図、(b)は側面図、(c)が平面図である。
【図5】(a)は支持壁部に一方の第1カバーパネルを掛け止めた状態、(b)は一対の第1カバーパネルを掛け止めた状態の説明図である。
【図6】(a)は第1カバーパネル間に一方の第2カバーパネルを嵌め込んだ状態、(b)は一対の第2カバーパネルを嵌め込んだ状態の説明図である。
【図7】支持壁部と第1カバーパネルと第2カバーパネルの掛止状態を示す部分斜視図である。
【図8】第1カバーパネルと第2カバーパネルとを取り外し、支持壁部内に収納したコンテナ回収時の状態を示す斜視図である。
【図9】第1掛止構成部を突部とし、第2掛止構成部を孔(受部)とした実施例2の説明図である。
【図10】第3掛止構成部を下方突部とし、第4掛止構成部を下部受溝とした実施例3の説明図である。
【図11】第3掛止構成部と第4掛止構成部とを省略した実施例4の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、この発明の組立式コンテナの好適実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例の組立式コンテナ1は、搬送器具としてパレットを用いたものである。
この組立式コンテナ1は、図1に示すように、方形の荷台面2を有するパレット9と、該パレット9の荷台面2上で、外周縁近傍に沿って枠状に立設する支持壁部3と、該支持壁部3の内面に沿って四周を囲む一対の第1カバーパネル10及び一対の第2カバーパネル20と、上面を塞ぐ蓋部30とからなっている。
【0011】
[パレット]
パレット9は、図1に例示するように、上面に方形の荷台面2を有する合成樹脂製のパレットからなっている。
該パレット9の一方の外周縁部に沿う側壁面の中途位置には、対向方向に延びてフォークを挿入するための一対の貫通孔9aが設けられた公知構成からなっている。
この発明では、方形の荷台面を有するものであれば、上記パレットに限らず、木製のパレットやスキッド台車その他の公知の搬送器具を用いることができる。
【0012】
[支持壁部]
支持壁部3は、図2及び図7に明瞭なように、下端が荷台面2に固定された金属製の枠状の壁面であって、図示例では荷台面2の外周縁より僅かに内側に立設された平面視方形の壁体からなっている。
該支持壁部3は、対向する一対の第1壁面4と、該第1壁面4と隣接し直交する方向に設けられた第2壁面5とからなっている。
【0013】
[第1掛止構成部]
前記第1壁面4には、第1カバーパネル10を支持壁部3に凹凸係合により掛止めるための第1掛止構成部7が形成されている。
本実施例では、第1掛止構成部7は、荷台内方と外方を貫通する貫通孔からなっている。
【0014】
支持壁部3の各角部には、図7に示すように、外側からアングル状の補強金具6が隙間無く外嵌し固定されている。
この補助金具6は、角部と下端を揃え、高さが支持壁部3の高さ方向中途位置まで延びる寸法に設定され、上端が支持壁部3との間で段部を形成している。
そして、前記第1掛止構成部7は、第1壁面4と補強金具6とを貫通している。
【0015】
[第1カバーパネル]
第1カバーパネル10は、図3に示すように、合成樹脂製の第1パネル本体11と、該第1パネル本体11の左右両端を嵌合固定する一対の金属製の第1フレーム12、12とからなっている。
第1パネル本体11はプラスチック製中空体シートが用いられるが、この発明では、発泡プラスチックボードその他の発泡体シートなど、軽量で強度を有する素材を用いても良い。
プラスチック製中空体シートは、例えば、一回の押し出しで一体として吐出・成型されたプラスチック製段ボール、2枚のライナーの間に中芯を有するプラスチック製段ボール、など中空構造であれば好ましい。
前記第1パネル本体11は、図示例では横目のプラスチック製段ボールが用いられており、その左右両端面は第1フレーム12でカバーされている(図3(a)参照)。
この発明ではプラスチック製段ボールの目の向きは特に限定されないが、横目とし第1フレーム12でカバーすることで中空部分への異物の侵入を防ぐことができ、上方からの負荷に対する強度は第1フレーム12によって補強することができる。
【0016】
[第1フレーム]
第1フレーム12は、第1パネル本体11の左右両端部をそれぞれ嵌合固定する左右対称の一対のフレームからなっており、断面略コ字状のパネル固定部12aと、該パネル固定部12aに連接し第1パネル本体11の延出方向と直交する方向に開口した嵌合溝13を有する嵌合溝形成部13Aとを有している。
【0017】
[嵌合溝]
嵌合溝13は、第1カバーパネル10の左右両端側で、開口の向きを同じにして第1カバーパネル10の高さ方向の全長に亘って一対に形成されている(図3(a)参照)。
該嵌合溝13は、組立時に対向する一対の第1カバーパネル10間において、それぞれ開口が向かい合う一対のスライド溝を形成するもので、第2カバーパネル20の端部をそれぞれ上から挿入して荷台面まで下向きにスライドして嵌合溝13に嵌め込み、第1カバーパネル10間に第2カバーパネル20を嵌め込んで組み立てる構成からなっている(図6(a)参照)。
【0018】
[第2掛止構成部]
そして、本実施例では、前記第1掛止構成部7に掛止められる突部からなる第2掛止構成部14が、嵌合溝13の底壁裏面となる第1フレーム12から外方へ突出し、前記貫通孔からなる第1掛止構成部7に出没可能な柱状の突部が形成されている。
【0019】
[第3掛止構成部]
また、前記嵌合溝形成部13Aで、嵌合溝13の側壁の一方(図示例では外側)には、上部が開口したU字状の上部受溝からなる第3掛止構成部15が形成されている。
【0020】
[第2カバーパネル]
第2カバーパネル20は、図4に示すように、合成樹脂製の第2パネル本体21と、該第2パネル本体21の上端に沿って嵌合固定された第2フレーム22とを有しており、本実施例では更に第2パネル本体21の下端に沿って嵌合固定される第3フレーム23を備えている。
第2パネル本体21は、前記第1パネル本体11と同様に、プラスチック製中空体シートが好ましい。
前記第2パネル本体21は、図示例では縦目のプラスチック製段ボールが用いられており、その上下両端面は第2フレーム22、第3フレーム23でカバーされている(図4(a)参照)。
この発明ではプラスチック製段ボールの目の向きは特に限定されないが、縦目とすることで、上方からの負荷に対する強度が高まり、また第2フレーム22、第3フレーム23により中空部分への異物の侵入を防ぐことができる。
また、第2フレーム22は、断面略コ字状からなって矩形の第2パネル本体21の上端縁に沿って外嵌し固着されており、第3フレーム23は、断面略コ字状からなって矩形の第2パネル本体21の下端縁に沿って外嵌し固着されている。
【0021】
[第4掛止構成部]
そして、第2フレーム22の左右両側の上部には、第2フレーム22の延出方向と直交する方向に突出し、前記第3掛止構成部15のU字溝に上から挿入される柱状の上方突部からなる第4掛止構成部25が形成されている。
【0022】
第4掛止構成部25は、第1カバーパネル10に第2カバーパネル20を掛止める際に、第3掛止構成部15に掛止められるものであるので、嵌合溝形成部13Aの第3掛止構成部15が形成される配置に対応してその位置が決められる。
【0023】
即ち、本実施例では、第3掛止構成部15が嵌合溝形成部13Aの外側の側壁に形成されたため、第4掛止構成部25は組立時に荷台外方を向くように第2フレーム22に設けられたが、第3掛止構成部15が嵌合溝形成部13Aの溝底壁に形成される場合には、第4掛止構成部25は組立時に第2フレーム22の延出方向に沿って外方を向くように配置され、また第3掛止構成部15が嵌合溝形成部13Aの内側の側壁(パネル固定部12aの溝底壁)に形成される場合には、第4掛止構成部25は組立時に第2フレーム22の延出方向に沿って荷台内方を向くように配置されればよい(図示せず)。
【0024】
[蓋部]
蓋部30は、下面が開放された箱形からなっている(図1参照)。
蓋部30は、第3パネル本体31の上面を額縁状に覆って固着するフランジ片32と、該フランジ片32から直角に折れ曲がって角筒状となる周壁部33とからなっており、周壁部33のコーナー部にはアングル状の補強金具34が固定されている。
第3パネル本体31は、前記第1パネル本体と同様に、プラスチック製中空体シートが好ましい。
【0025】
該蓋部30は、その内周が前記第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とで組み立てられた箱体の上端に外嵌可能な寸法に設定されており、箱体に沿って嵌め込むことができる。
なお、箱体の解体時には、蓋部30の下端が前記支持壁部3に固定された補強金具6の上端の段部に掛止められて、定位置で蓋を閉じることができるようになっている(図8参照)。
【0026】
ここで、支持壁部3の内周は、第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とが支持壁部3から取りはずされた際に横倒した第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とを収納可能な内周寸法に設定されている。
従って、組み立てられた箱体が解体されると、第1カバーパネル10と第2カバーパネル20とは横に水平に倒し積み重ねて支持壁部3の内部に収納することができる。
積み重ねたパネルの高さが支持壁部3より高い場合であっても、本実施例のように前記蓋部30を中空位置で掛止めることで、蓋部30の内空部も収納空間として利用することができる。
【0027】
[組立方法]
図5及び図6により、上記構成部品を用いた組立式コンテナ1の組立方法を説明する。
まず、図5(a)に示すように、パレット9の荷台面2上の支持壁部3の第1壁面4に沿って、内側から第1カバーパネル10を押し当てる。
そして、支持壁部3の貫通孔からなる第1掛止構成部7に第1カバーパネル10の突部からなる第2掛止構成部14を突入して掛止める。
同様に図5(b)に示すように、対向する第1壁面4の第1掛止構成部7にも他方の第1カバーパネル10の第2掛止構成部14を突入して掛止め、一対の第1カバーパネル10を平行に離間して自立させる。
即ち、第2掛止構成部14が第1掛止構成部7に突入して、掛止められているため、第1カバーパネルは、内側に倒れ込まず、外側にも支持壁部3があるため倒れず、自立することができる。
これにより、第2カバーパネル20を挿入する際、一対の第1カバーパネルを
手で支えておく必要がなく、作業者が一人でも組立ができる。
【0028】
次に、起立した一対の第1カバーパネル10間の両側に形成されて向かい合う一対の嵌合溝13によりスライド溝を形成し、第2カバーパネル20の両端を上から下向きに摺動させて荷台面2まで挿入する(図6(a)参照)。
この第2カバーパネル20の下降に伴い、第2カバーパネル20に形成された第4掛止構成部25を第1カバーパネル10の第3掛止構成部15に掛け止めて、第1カバーパネル10と第2カバーパネル20を相互に掛止めることができる。
【0029】
そして、一対の第1カバーパネル10の間に、直角に一対の第2カバーパネル20が掛け止められて、支持壁部3の内面に沿って4面からなるカバーパネル10、20により箱体が組み立てられる(図6(b)参照)。
このように形成された箱体に上から蓋部30を被せることで、上部開口を塞ぐことができ、コンテナの組み立てが完成する。
【0030】
コンテナの不使用時には、前記とは逆の手順で蓋部を外し、各カバーパネル10、20を分解していく。
即ち、第2カバーパネル20は嵌合溝13に沿って上方に摺動し引き上げるだけで第3掛止構成部15と第4掛止構成部25の掛止が外れ、第2カバーパネル20を取りはずすことができる。
次に、第1カバーパネル20を荷台内方へ押し動かすことで、前記支持壁部3の第1掛止構成部7から第2掛止構成部14を外して第1カバーパネル10を取りはずすことができる。
取りはずした第1カバーパネル20と第2カバーパネル20とは横に倒して支持壁部3の内部に収納し、蓋部30を支持壁部3に被せることで、コンパクトに収納することができ、発送元へ回送して繰り返し再使用することができる(図8参照)。
【実施例2】
【0031】
図9は実施例2の組立式コンテナ1の要部を示すもので、支持壁部3に固定された第1掛止構成部7を突部とし、第1カバーパネル10の第2掛止構成部14を受部とした異なる実施例を示す。
凹凸の掛止を逆にした以外は前記実施例と同様であるので、その他の説明を省略する。
【実施例3】
【0032】
図10は実施例3の組立式コンテナ1の要部を示すもので、第1カバーパネル10の第3掛止構成部15が、嵌合溝13の下部で嵌合溝13内に突出した下方突部からなっている。
そして、第2カバーパネル20の下部、図示例では第3フレーム23に第4掛止構成部25が形成されている。
即ち、第4掛止構成部25は、第2カバーパネル20の下部に設けられて前記下方突部の第3掛止構成部15に上から挿入される下端が開口した倒立U字状の下部受溝からなっている。
【0033】
従って、支持壁部3に掛け止められて対峙する一対の第1カバーパネル10間の嵌合溝13に第2カバーパネル20の左右両端を挿入し下向きにスライドさせると、荷台面2の近傍で、前記第4掛止構成部25の下部受溝が第3掛止構成部15の下方突部に外嵌して、両者が掛止められる。
分解する際には第2カバーパネル20を引き上げるだけでよい。
その他の構成は前記実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0034】
また、本実施例でも、第3掛止構成部15と第4掛止構成部25との配置は図示例には限らず、嵌合溝13の周壁のいずれかに第3掛止構成部15が設けられ、これに対応して第4掛止構成部25が設けられればよい。
【実施例4】
【0035】
図11は実施例4の組立式コンテナ1の要部を示すもので、この実施例では、第3掛止構成部15と第4掛止構成部25との掛止構造を省略している。
即ち、第1カバーパネル10と第2カバーパネル20との掛止は、第1カバーパネル10の嵌合溝13に、第2カバーパネル20の左右の端部が嵌合する構造だけであってもよい。
その他の構成は前記実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
この発明は上記実施例に限定されるものではなく、各実施例に記載された構成の一部を適宜に組み合わせた構成としてもよく、その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
【符号の説明】
【0037】
1 組立式コンテナ
2 荷台面
3 支持壁部
4 第1壁面
5 第2壁面
6 補強金具
7 第1掛止構成部
9 パレット
10 第1カバーパネル
11 第1パネル本体
12 第1フレーム
13 嵌合溝
14 第2掛止構成部
15 第3掛止構成部
20 第2カバーパネル
21 第2パネル本体
22 第2フレーム
25 第4掛止構成部
30 蓋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送器具の方形の荷台面上に立設する枠状の支持壁部と、
該支持壁部の対向する一対の第1壁面に形成された突部又は受部からなる第1掛止構成部と、
前記支持壁部の対向する一対の第1壁面の内面に接して立設すると共に、前記第1掛止構成部に掛止められる受部又は突部からなる第2掛止構成部と、第2カバーパネルの左右の端部のいずれか一側を上下に摺動可能に嵌合する嵌合溝と、第2カバーパネルと相互に掛止められる第3掛止構成部とを設けた一対の第1カバーパネルと、
該一対の第1カバーパネルの嵌合溝間に挿入されて下向きに摺動自在な左右の端部を有して第1カバーパネルに掛け止められ、前記支持壁部の第1壁面に隣接し直交する一対の第2壁面の内面に沿って立設する一対の第2カバーパネルとからなって、略箱形に組み立てられることを特徴とする組立式コンテナ。
【請求項2】
第1カバーパネルと第2カバーパネルの掛止手段が、
第1カバーパネルに設けた嵌合溝と第2カバーパネルに形成されて前記嵌合溝に摺動可能に嵌合する第2カバーパネルの左右の端部との組合せと、
第1カバーパネルに設けられて、前記嵌合溝を形成する周壁の上方で上端が開口した上部受溝、又は嵌合溝の下部で嵌合溝内に突出した下方突部からなる第3掛止構成部と、第2カバーパネルに設けられて、第2カバーパネルの上部に設けられて前記上部受溝に上から挿入される上方突部、又は下部に設けられて下方突部に上から挿入される下端が開口した下部受溝からなる第4掛止構成部との組合せとからなることを特徴とする請求項1に記載の組立式コンテナ。
【請求項3】
第1カバーパネルは、プラスチック製中空体シートの第1パネル本体と、該第1パネル本体の左右両端を嵌合すると共に嵌合溝一対の金属製の第1フレームとからなっており、
第2カバーパネルが、プラスチック製中空体シートの第2パネル本体と、該第2パネル本体の少なくとも上端を嵌合する第3嵌合溝部を有する金属製の第2フレームとからなっており、
第2掛止構成部及び第3掛止構成部が第1カバーパネルの第1フレームに形成されており、
第4掛止部が、第2カバーパネルの第2フレームに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の組立式コンテナ。
【請求項4】
支持壁部に第1カバーパネルと第2カバーパネルとが組み立てられた箱体の上端に外嵌する蓋部が設けられており、
支持壁部には、角部にアングル状の補強金具が固定されており、
支持壁部の内周は、第1カバーパネルと第2カバーパネルとが支持壁部から分解して横倒した第1カバーパネルと第2カバーパネルとを収納可能な内周寸法に設定されており、
前記蓋部は支持壁部に外嵌し、蓋部の下端が前記補強金具に衝合して掛止められることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の組立式コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−229054(P2012−229054A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100248(P2011−100248)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000223193)東罐興業株式会社 (90)
【Fターム(参考)】