説明

組立式耳式体温計プローブカバー及びその製造方法

【課題】耳式体温計のプローブに被せた後、自動的に正確に調節できて、脱落しにくく、測定温度の誤差を小さくすること。
【解決手段】中空構造の本体と台座とにより構成され、本体は開放端と開放端に対応する密閉端とを有し、開放端から密閉端までの間に断面直径が徐々に縮小する中空構造を有す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳式体温計プローブカバーに関し、特に組立式の耳式体温計プローブカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の耳式体温計のプローブを覆うプローブカバーは、米国特許第5088834号公報、米国特許第6022140号公報に開示されているように、単一部材式の耳式体温計カバーであり、耳式体温計プローブカバー近位のフレームと耳式体温計プローブ上の耳フックとを利用して互いにかけ、耳式体温計カバーを耳式体温計プローブに固定し、さらに側辺を利用し、耳式体温計プローブで耳式体温計プローブカバー端部の表面を引っ張るときに生じる力を解放するが、側辺材料が有する弾性には限りがある。
【0003】
この構造では吸収可能な製造上生成される公差には限りがある。
つまり、耳式体温計カバーの端部表面の部分を有効にかつ適切に平らに張ることができず、耳式体温計作用時に測定したときに温度差が生まれる
【0004】
また、米国特許第5163418号公報、米国特許第5906437号公報、米国特許第6371639号公報、米国特許第6647284号公報等に開示されているように、耳式体温計カバーの本体は、いずれも薄膜により構成され、その組立工程が複雑である。
【0005】
さらに前記した耳式体温計カバーは見た目がよくなく、表面にしわができて、耳に入れると不快感が生まれやすい。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5088834号
【特許文献2】米国特許第6022140号
【特許文献3】米国特許第5163418号
【特許文献4】米国特許第5906437号
【特許文献5】米国特許第6371639号
【特許文献6】米国特許第6647284号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の従来の耳式体温計プローブのプローブカバーの欠点に鑑みて成されたもので、本発明は、従来技術に対し改良を加え、組立式耳式体温計プローブカバーを耳式体温計のプローブに被せるときに、微かに移動させて調整することができ、さらにプローブ端部上に被せるプローブカバーを平滑にすることができ、赤外線が安定して透過するようにし、さらに耳式体温計で測定される温度が安定し、かつ正確であることを確実にする組立式耳式体温計プローブカバーを提供するものである。
【0008】
本発明は、主に中空構造の本体と台座により構成された組立式耳式体温計プローブカバーを提供する。そのうち、本体は開放端と、開放端に対応した密閉端とを有し、開放端から密閉端までの間に、直径が徐々に縮小する中空構造を有する。
【0009】
そのため、本発明の主な目的は、耳式体温計のプローブに被せた後、自動的に正確に調節でき、脱落しにくい組立式耳式体温計プローブカバーを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、耳式体温計のプローブに被せた後、プローブ端部上に被せたプローブカバーを平滑にし、より安定し、誤差の変化がより小さい測定結果を提供する組立式耳式体温計プローブカバーを提供することにある。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、耳式体温計プローブカバーを耳式体温計のプローブカバーに被せた後、自動調整を行い、脱落しにくい組立式耳式体温計プローブカバーの製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明のさらにもう1つの目的は、耳式体温計プローブカバーを耳式体温計のプローブカバーに被せた後、プローブ端部上に被せたプローブカバーを平滑にし、より安定し、誤差の変化がより小さい測定結果を提供する組立式耳式体温計プローブカバーの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、主に中空構造の本体と台座により構成された組立式耳式体温計プローブカバーを提供する。そのうち、本体は開放端と、開放端に対応した密閉端とを有し、開放端から密閉端までの間に、直径が徐々に縮小する中空構造を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、耳式体温計のプローブに被せた後、自動的に正確に調節できて、脱落しにくい。
【0015】
本発明は、耳式体温計のプローブに被せた後、プローブ端部上に被せたプローブカバーを平滑にし、より安定し、誤差の変化がより小さい測定結果を提供することができる。
【0016】
本発明は、耳式体温計プローブカバーを耳式体温計のプローブカバーに被せた後、自動調整を行い、脱落しにくい組立式耳式体温計プローブカバーの製造方法を提供することができる。
【0017】
本発明は、耳式体温計プローブカバーを耳式体温計のプローブカバーに被せた後、プローブ端部上に被せたプローブカバーを平滑にし、より安定し、誤差の変化がより小さい測定結果を提供する組立式耳式体温計プローブカバーの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は組立式耳式体温計プローブカバーに関するものである。
利用されている耳式体温計の基本原理は、関連技術分野の通常の知識を有する者であれば理解することができるため、以下の説明において詳細な説明を省略する。
また、以下の説明で引用する図面は、本発明の特徴に関する構造の概要を表したものであり、実寸に基づいた製作図面でないことを先に述べる。
【0019】
図1Aは、本発明に係る第1実施例に係る組立式耳式体温計プローブカバー1の概要図である。
【0020】
組立式耳式体温計プローブカバー1は、本体11、台座12、開放端111、密閉端112、フランジリング113、ベース121、開口122、突出部41などの構造を含む。
そのうち、この組立式耳式体温計プローブカバー1は、耳式体温計のプローブ21に被せるため、図2Aのように、耳式体温計のプローブ21底部に結合装置211をさらに設けてある。
【0021】
この結合装置211の構造は、環状の構造とすることができ、この結合装置211によって、組立式耳式体温計プローブカバー1を耳式体温計のプローブ21に被せるときに、プローブ21底部の結合装置211を組立式耳式体温計プローブカバー1のベース121中央付近の開口122と台座12の突出部41との間に嵌合することによって、固定する効果を達成することができる。
【0022】
前記の本体11は、中空構造であり、プラスチックで一体成型されており、開放端111と、開放端111に対応した密閉端112とを有す。
前記中空構造の形状は、開放端111から密閉端112までの間の両者の直径が徐々に縮小した形状をしているため、この中空構造の形状は、先端を切り取った短錐体を呈している。
そのうち、本体11の材質は、ポリエチレン(PE,polyethylene)、ポリプロピレン(PP,polypropylene)、ポリカーボネート(PC,Polycarbonate)、ポリスチレン(PS,Polystyene)、ポリエチレンテレフタラート(PET,Poly Ethylene Terephthalate)又はポリ塩化ビニル(PVC,Poly Vinyl Chioride)などの赤外線を透過できる材質で構成される。
【0023】
前記の密閉端112は、耳式体温計プローブ21端部で、人体から発射される放射波(すなわち赤外線範囲)が通過する薄膜である。
本体11のプラスチックの厚さは、開放端111から密閉端112の方向に従って徐々に薄くなるため、密閉端112は、この組立式耳式体温計プローブカバー1で最も薄い部位である。
【0024】
前記の開放端111は、その径方向から外向きに少なくとも1段のフランジリング113が延伸してある。
そのうちこのフランジリング113は、シームレスに相互に連接して1段をなすことができるだけでなく、継ぎ目又は開口のある段階式のフランジリング113とすることもできる。
【0025】
そのうち、シームレスに相互に連接して1段をなすフランジリング113が好ましい。
前記台座12は、ベース121及びベース中央付近の開口122を含む。
本体11を台座12に嵌合するときに、ベース中央付近の開口122は、本体11の開放端111に互いに対応した方向にある。
【0026】
ベース121は、1対のスロット1211がさらに設けてある。該入口1213は各スロット1211の一端に設けられる。
このスロット1211は対称に設けられる。
前記フランジリング113は、入口1213から入れることにより台座12に嵌合する。
スロット1211の入口1213の距離を、本体11のフランジリング113の最大直径よりも小さくすることにより、本体11のフランジリング113を、入れた後に脱落しにくくすることができる。
【0027】
スロット1211の後端1214の距離を入口1213の距離よりも小さくしているのは、本体11のフランジリング113の移動を制限するためである。
スロット1211の後端1214は、スロット1211を一緒に接続するために、さらに伸ばすこともできる(図4参照)。
本体11のフランジリング113を台座12に嵌合した後、本体11は開口122の箇所で微かに移動させることができる。
【0028】
そのため、組立式耳式体温計プローブカバー1を耳式体温計のプローブ21に被せるときに、本体11を微かに移動させ、組立式耳式体温計プローブカバー1を耳式体温計のプローブ21に簡単に順調に被せることができる。
【0029】
前記台座12のベース121は、さらに少なくとも1つのストッパー1212を設けることも、本体11を制限するフランジリング113の移動を制限する効果を提供することもできる。
台座12はガイドエッジ123をさらに含むことができ、これによって、組立式耳式体温計プローブカバー1の組立または配列の方向のガイドを提供する。
【0030】
前記のスロット1211とバース121は、一体成型で製造することができるだけでなく、スロット1211とベース121を相互に組み立てて製造することもできる。
【0031】
そのうちスロット1211とベース121を一体成型で製造することが好ましい。
スロット1211とベース121を相互に組み立てる方式は、貼り合わせて固定、又はホットメルトで固定することにより構成される方式から選んで固定することができる。
【0032】
前記台座12のベース121の開口122に向かう箇所に1つの突起装置4を設ける。
突起装置4は、少なくとも2つの突出部41である。
かつベース中央付近の開口122の直径は、本体11の開放端111の直径よりも小さくし、組立式耳式体温計プローブカバー1を耳式体温計のプローブ21に被せるとき、さらに耳式体温計プローブ21上の結合装置211を台座12中央の開口122と突出部41との間に嵌合させることにより、固定の効果を達成することができる。
【0033】
そのうち、前記の突出部41の設置方式は、対称的に設置するだけでなく、不等間隔で設置することもでき、そのうち対称の方式で設置することが好ましい。
【0034】
図3Aから図3Bを参照して、突出部41は台座12の方向に向けてさらにガイド面411が設けてある。
そのうち、突出部41は本体11の方向に向けてさらに制止面412が設けてあり、被せる方向3にて組立式耳式体温計プローブカバー1を耳式体温計のプローブ21に被せる。
【0035】
前記のガイド面411と被せる方向3により形成される第1夾角θ1は、制止面412と被せる方向3により形成される第2夾角θ2よりも小さいため、組立式耳式体温計プローブカバー1を耳式体温計のプローブ21に被せるとき、被せやすいが、脱落しにくい組立式耳式体温計プローブカバー1を形成することにより、固定の効果を達成する。
【0036】
前記の組立式耳式体温計プローブカバー1は、制止面412から密閉端112までの長さが耳式体温計の結合装置211からプローブ21端部までの長さよりも短いため、組立式耳式体温計プローブカバー1をプローブ21に被せた後、耳式体温計のプローブ21底部の結合装置211が制止面412に当接するとき、その耳式体温計の結合装置211からプローブ21端部までの長さが組立式耳式体温計プローブカバー1の制止面412から密閉端112までの長さよりも大きいことにより、本体11が引っ張られて変形し、密閉端112が平滑面を呈するようにする。
【0037】
このようにすることで、赤外線を安定して透過させて、耳式体温計2で測定される測定温度の誤差を小さくすることができる。
【0038】
図1Bから図4に本発明の第2実施例に係る組立式耳式体温計プローブカバー1を示す。
本例の組立式耳式体温計プローブカバー1は、本体11、台座12、開放端111、密閉端112、フランジリング113、ベース121、開口122及び突出リング42などの構造を含む。
【0039】
結合装置211は、突起構造又は環状構造とすることができる。
この結合装置211により、耳式体温計のプローブ21を組立式耳式体温計プローブカバー1のベース121中央付近の開口122と台座12の突出リング42との間に嵌合することができる。
これによって固定の効果を達成する。
組立式耳式体温計プローブカバー1のその他の特徴は、前記の第1実施例で開示したとおりである。
【0040】
本発明に係る第3実施例は、第1実施例で示した組立式耳式体温計プローブカバー1の製造方法を示すものである。
この製造方法は、(1)プラスチックで一体成型して製造する。開放端111は径方向に外向きに少なくとも1段のフランジリング113が延伸してある本体11を提供するステップと、(2)ベース121と、ベース中央付近の開口122とを含み、開口122が本体の開放端111に対応し、ベース12に少なくとも1つの入口1213が形成してあり、入口1213は、本体11のフランジリング113をベース121に嵌合できるようにする台座12を提供するステップとを含む。そのうち、この実施例の結合装置211は環状構造(図2A参照)であり、この結合装置211により、耳式体温計のプローブ21を組立式耳式体温計プローブカバー1のベース121中央付近の開口122と台座12の突出部41との間に嵌合することができ、これによって固定の効果を達成する。
【0041】
組立式耳式体温計プローブカバー1のその他の特徴は、前記の第1実施例で開示したとおりである。
【0042】
本発明に係る第4実施例は、第2実施例に基づき提出した組立式耳式体温計プローブカバー1の製造方法を示す。
【0043】
この製造方法は、(1)プラスチックで一体成型して製造し、開放端111は径方向に外向きに少なくとも1段のフランジリング113が延伸してある本体11を提供するステップと、(2)ベース121と、ベース中央付近の開口122とを含み、開口122が本体の開放端111に対応し、ベース121に少なくとも1つの入口1213が形成してあり、入口1213は、本体11のフランジリング113をアウターリング121に嵌合できるようにする台座12を提供するステップとを含む。そのうち、この実施例の結合装置211は突起構造(図2B参照)又は環状構型(図2A参照)とすることができ、この結合装置211により、耳式体温計のプローブ21を組立式耳式体温計プローブカバー1のベース121中央付近の開口122と台座12の突出リング42との間に嵌合することができ、これによって固定の効果を達成する。
【0044】
組立式耳式体温計プローブカバー1のその他の特徴は、前記の第1実施例で開示したとおりである。
【0045】
以上の記載は、本発明の比較的優れた実施例の説明であり、本発明を限定するものではない。また、以上の説明は、本技術分野を熟知した専門家であれば理解し、実施することができるため、本発明で開示された主旨を逸脱せずに完成したその他の同等の変更又は修飾は、いずれも本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】本発明に係る第1実施例の説明図であって、突出部を有する組立式耳式体温計プローブカバーの構造図である。
【図1B】本発明に係る第2実施例の説明図であって、突出リングを有する組立式耳式体温計プローブカバーの構造図である。
【図2A】本発明で提出された第1実施例又は第2実施例に基づく、結合装置を環状構造とする耳式体温計プローブの概要図である。
【図2B】本発明で提出された第2実施例に基づく、結合装置を突起構造とする耳式体温計プローブの概要図である。
【図3A】本発明で提出された第1実施例又は第2実施例に基づく、組立式耳式体温計プローブカバーを耳式体温計プローブに被せた後の断面構造の組立断面図である。
【図3B】本発明で提出された第1実施例又は第2実施例に基づく、組立式耳式体温計プローブカバーを耳式体温計プローブに被せた後の局部断面構造の図3AにおけるA部分の局部拡大図である。
【図4】本発明で提出された第1実施例又は第2実施例に基づく、組立式耳式体温計プローブカバーの台座の概要図である。
【符号の説明】
【0047】
1 組立式耳式体温計プローブカバー
11 本体
111 開放端
112 密閉端
113 フランジリング
12 台座
121 ベース
122 開口
1211 スロット
1212 ストッパー
1213 入口
1214 後端
4 突起装置
41 突出部
42 突出リング
411 ガイド面
412 制止面
2 耳式体温計
21 プローブ
211 結合装置
3 被せる方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に結合装置が設けられた耳式体温計のプローブに被せ、中空構造の本体と台座とにより構成され、前記本体は開放端と前記開放端に対応する密閉端とを有し、前記開放端から前記密閉端までの間に断面直径が徐々に縮小する前記中空構造を有する組立式耳式体温計プローブカバーであって、
前記本体は、プラスチックで一体成型され、前記開放端は径方向に外向きに少なくとも1段のフランジリングが延伸してあり、
前記台座は、ベースと、ベース中央付近の開口とを含み、
前記開口は、前記本体の開放端に対応し、前記ベースには少なくとも1つの入口が設けてあり、
前記本体のフランジリングを前記入口から入れ、前記台座に嵌合することを特徴とする組立式耳式体温計プローブカバー。
【請求項2】
中空構造の本体と台座とにより構成され、底部には結合装置が設けてある耳式体温計のプローブに被せるために用いられる組立式耳式体温計プローブカバーの製造方法であって、
開放端と前記開放端に対応する密閉端とを有し、前記開放端から前記密閉端までの間に断面直径が徐々に縮小する中空構造を有する本体を提供するステップと、
台座と、台座中央付近の開口とを含み、前記開口は、前記本体の開放端に対応する台座を提供するステップとを含む組立式耳式体温計プローブカバーの製造方法において、
前記台座は少なくとも1つの入口が形成してあり、
前記本体はプラスチックで一体成型され、前記本体の開放端は径方向に外向きに少なくとも1段のフランジリングが延伸してあり、
前記本体のフランジリングを前記台座の入口から入れ、前記台座に嵌合させることを特徴とする組立式耳式体温計プローブカバーの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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