説明

組立移動式の高所用作業台

【課題】足場の組立てをなくし、分解して構成部材を搬入して簡単に組み立て、かつ移動可能として使用できる高所用作業台を提供すること。
【解決手段】作業者と作業具等が乗る作業台1と、この作業台1を載置支持する台枠20と、この台枠20の四隅に、それぞれ揺動可能にして、かつ伸縮可能に設けられる移動支持脚42と、前記台枠20に設けられる伸縮可能な梯子56を備え、前記作業台1、台枠20、移動支持脚42、梯子56がそれぞれ別体として搬送され、室内等の作業現場においてこれら構成部材が組み立てられて室内天井等に施工されているアスベストの除去作業等の高所作業の作業台として用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、倉庫内や室内天井等に施工されているアスベストの除去作業等の高所作業に用いられる組立て移動式の作業台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者等は、先に、倉庫内の天井や壁等に施工されているアスベストに、固化液を噴霧吹き付けしてアスベストを固化させ、次いで、このアスベストを大気中に飛散させることなく除去してアスベストを処理する技術を開発し、特許を取得した(特許第3831749号、特許第3884059号)。
【0003】
これら特許に係るアスベストの処理においては、高い天井や壁に施工されているアスベスト層に対し、外部より、アスベストを硬化させるための固化液を噴霧して吹き付け含浸させ、次いで、大気中に飛散しないように固化処理されたアスベストを真空吸塵装置等により除去処理する。
【0004】
ところで、これらの吹き付け作業や除去作業は、アスベストの施工場所が高所であるため、大変な作業であって、従来においては、作業現場において作業用の足場をパイプ材等で組み、この足場上に用具等を載せて作業しなければならなかった。
【0005】
しかしながら、足場を組むとなると、多くの足場部材の搬入・搬出、組立て作業の所要時間、作業労力、費用等が増大して、アスベストの処理コストが高くなり、折角の特許に係る技術が広く有効に活用されないことにもなりかねない。
【0006】
そこで、作業現場での足場の組立てをなくし、現場において高所での作業台を簡易に組み立てて、先の特許にかかるアスベストの処理作業を容易にするため、本発明を完成したものである。
【0007】
特許文献1には、移動足場基体と、これに昇降自在に装着される昇降作業床体と、この昇降作業床体を昇降させる昇降手段を備えた昇降式移動足場が開示されている。
【0008】
しかしながら、この特許文献1のものは、折り畳みは可能であるものの、構成部材は分解・組立式とはなっていない。従って、全体重量が重くなり、かつ嵩張って、搬入・搬出等の取り扱いにおいて労力を要し、大変である。
【0009】
また、昇降作業床を昇降させる手段として、手動式或いは電動式の油圧ジャッキと、滑車、ワイヤーが用いられているため、構造的に複雑であるばかりか、重量的にも増大化して、取り扱い上において難がある。
【0010】
特許文献2には、床板をウインチと滑車を利用した手動式伸縮装置により一人で昇降させる作業床が開示されている。
【0011】
しかしながら、この特許文献2のものは、前記特許文献1のものと同様に、折り畳みは可能であるものの、構成部材は分解・組立式とはなっていない。従って、全体重量が重くなって、搬入・搬出や作業上において相当の労力を要するものである。
【0012】
このように、特許文献1、2のいずれにおいても、分解・組立式でないため、全体重量が重くなり、かつ嵩張って、搬入・搬出や作業上において相当の労力を要するものである。
【特許文献1】実開平7−11642号公報
【特許文献2】実用新案登録第3033420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする問題点は、作業現場で足場を組立てなければならないために、時間的、コスト的に負担が増大し、また、足場の作業現場への搬入、作業現場からの搬出等の取り扱い上において相当の労力を要するという点である。
【0014】
従って、本発明の目的は、作業現場での足場の組立てをなくし、分解して構成部材を搬入・搬出するため、重量的に少ない労力ですみ、また、組立ても簡単で、全体構造も単純で安価に製作できる組立移動式の高所用作業台を提供することにある。
【0015】
この目的のため、本発明の請求項1に記載の組立移動式の高所用作業台は、室内天井等に施工されているアスベストの除去作業等の高所作業に用いられる組立て移動式の作業台であって、
作業者と作業具等が乗る作業台1と、
この作業台1を載置支持する台枠20と、
この台枠20の四隅に、それぞれ揺動可能にして、かつ伸縮可能に設けられる移動支持脚42と、
前記台枠20に設けられる伸縮可能な梯子56
を備え、
前記作業台1、台枠20、移動支持脚42、梯子56がそれぞれ別体として搬送され、室内等の作業現場においてこれら構成部材が組み立てられて使用される構成を特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項2に記載の組立移動式の高所用作業台は、室内天井等に施工されているアスベストの除去作業等の高所作業に用いられる組立て移動式の作業台であって、
作業者と作業具等が乗る作業台1と、
この作業台1を載置支持する台枠20と、
この台枠20の四隅に、それぞれ揺動可能にして、かつ伸縮可能に設けられる移動支持脚42と、
前記台枠20に設けられる伸縮可能な梯子56および補強支持脚69
を備え、
前記作業台1、台枠20、移動支持脚42、梯子56および補強支持脚69がそれぞれ別体として搬送され、室内等の作業現場においてこれら構成部材が組み立てられて使用される構成を特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項3に記載の組立移動式の高所用作業台は、前記作業台1は、前記作業具等を出し入れするための、開閉蓋10付きの開口部6を有し、
前記台枠20は、基枠22と、この基枠22の4枚の枠板23、24の内側面に、それぞれ回動金具25を介して内向水平な倒伏状態にして、かつ略垂直な起立状態になるように揺動可能に設けられ、前記作業台1が載置されて定置支持される4枚の載置支持用枠板26、27と、前記基枠22の四隅部下方にそれぞれ突設された前記移動支持脚42の取付部36と、前記基枠22の前記枠板23、24のいずれか一方の相対する枠板の内側面下方にそれぞれ突設された前記梯子56の取付部39を有し、
前記伸縮可能な移動支持脚42は、太いパイプ状の脚43と細いパイプ状の脚44を含む複数段の構成であって、上下の前記細い脚44が上下に伸縮可能な仕組みとなっており、最下段の脚下端には、移動用のキャスター49が設けられ、
前記伸縮可能な梯子56は、一対の縦桟とこの縦桟間に設けられた複数の横桟から構成の複数の梯子ユニット59、62、63が上下に伸びて伸縮可能となっている構成を特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項4に記載の組立移動式の高所用作業台は、前記作業台1は、前記作業具等を出し入れするための、開閉蓋10付きの開口部6を有し、
前記台枠20は、基枠22と、この基枠22の4枚の枠板23、24の内側面に、それぞれ回動金具25を介して内向水平な倒伏状態にして、かつ略垂直な起立状態になるように揺動可能に設けられ、前記作業台1が載置されて定置支持される4枚の載置支持用枠板26、27と、前記基枠22の四隅部下方にそれぞれ突設された前記移動支持脚42の取付部36と、前記基枠22の前記枠板23、24のいずれか一方の相対する枠板の内側面下方にそれぞれ突設された前記梯子56の取付部39および前記補強支持脚69の取付部41を有し、
前記伸縮可能な移動支持脚42は、太いパイプ状の脚43と細いパイプ状の脚44を含む複数段の構成であって、上下の前記細い脚44が上下に伸縮可能な仕組みとなっており、最下段の脚下端には、移動用のキャスター49が設けられ、
前記伸縮可能な梯子56は、一対の縦桟とこの縦桟間に設けられた複数の横桟から構成の複数の梯子ユニット59、62、63が上下に伸びて伸縮可能となっており、
前記伸縮可能な補強支持脚69は、太いパイプ状の脚70と細いパイプ状の脚71を含む複数段の構成であって、上下の前記細い脚71が上下に伸縮可能な仕組みとなっており、最下段の脚下端には、滑り止めパット76が設けられている構成を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜4に記載の発明によれば、高所用作業台を構成する各部材は、分解・組立式であるから、従来のように作業現場での足場の組立てを必要とせず、分解状態で作業現場に車両等で搬入し、現場で組立てて使用されるものであるから、各構成部材は軽量となって搬入等の取り扱いにおいて容易である。
【0020】
また、各構成部材は、上下に伸縮可能であるから、作業天井等の高さに対応して作業台の高さを任意に調整設定することができる。
【0021】
また、移動式となっているから、作業能率が向上し、また、全体的に単純構造であって分解・組立が容易であり、安価に製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態についてその作用と共に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る組立移動式の高所用作業台の一例を示す略全体の線図的構成図、図2は、図1の2方向から見た線図的構成図、図3は、図1の3方向から見た線図的構成図で、これら図において、本高所用作業台は、作業者と作業具等が乗る作業台と、この作業台を載置支持する台枠と、この台枠の四隅に、それぞれ揺動可能にして、かつ伸縮可能に設けられた移動支持脚と、前記台枠に設けられた伸縮可能な梯子および補強支持脚を備えている。
【0024】
作業台1は、図4および図5に例示されているように、四角形状の台板2を主体とし、その四辺下面の周囲には、薄い板厚部3と厚い板厚部4を介して段部5が形成され、作業板2の略中央部には、作業具等を出し入れするための開口部6が設けられるとともに、この開口部6の一辺にはL形状段部7が形成され、蝶番等の金具8を介して設けられ、かつ開口部6のL形状段部7と一体的に係合するL形状段部9を有する開閉蓋10によって開閉できるようになっている。
【0025】
台枠20は、図6〜図13に例示されているように、一対の一方の枠板23および他方の枠板24からなる全体が平面視矩形状にして、かつ上下面21が開口の基枠22と、4枚の枠板23、24の上部内側面に、それぞれ回動金具25を介して内向水平な倒伏状態に揺動可能にして、かつ略垂直な起立状態に揺動可能に設けられた長短4枚の載置支持用枠板26、27を有している。
【0026】
長短4枚の載置支持用枠板26、27の上部内側面には、それぞれL形状段部28、29が形成され、図9に示されているように、想像線で示された作業板2の段部5と、起立状態で矩形状に形成された4枚の載置支持用枠板26、27のL形状段部28、29との係合によって台板2が載置されて支持されるようになっている。
【0027】
なお、作業台1と台枠20は、定形的に構成されているが、これに限定されず、特に図示しないが、一定方向に伸縮可能なるように構成してもよい。
【0028】
4枚の載置支持用枠板26、27を各枠板23、24に取り付けている回動金具25は、図10に例示されているように、各枠板23、24の上部内側面に取り付けられた雄金具30と、各載置支持用枠板26、27の下部内側面に取り付けられた雌金具31から構成され、載置支持用枠板26、27が内側に倒されると、載置支持用枠板26、27は雄金具30の支持ピン32を支点とし、かつ雄金具30の頭部と共に弾性的に内側に倒されて内向き水平状態が保持され、また、各載置支持用枠板26、27が外側に起こされると、雄金具30と弾性的に係合している雌金具31の復帰によって各載置支持用枠板26、27は略垂直な起立状態に保持されるようになっている。
【0029】
なお、各載置支持用枠板26、27が折り畳まれる場合、載置支持用枠板26同志、または27同志は互いに重なり合わないが、載置支持用枠板26と27は互いに重なり合うことになるので、いずれか一方の載置支持用枠板26(または27)の取り付け位置を上下いずれかにずらして取り付け、かつその大きさは、起立状態となったとき4枚の載置支持用枠板26、27により同じ高さの矩形状枠体が形成されるように設定される。
【0030】
このようにして、各載置支持用枠板26、27は、基枠22の内側に水平状態を保持して折り畳まれ、不使用時や搬送時には全体がコンパクト化されるように構成されており、使用時においては、元に起こして矩形状の枠として使用されるが、この場合、起立状に起こされた各載置支持用枠板26、27が完全な枠を形成するようにするため、図11〜図13に例示されているように、それぞれの隣り合う載置支持用枠板26、27は、その四つの当接隅部の外側面において、載置支持用枠板26、27に突設のピン33にL形止め金具34の各U溝35が係合されることによって固定的に止められるようになっている。
【0031】
なお、隣り合う載置支持用枠板26、27を固定的に止める手段は、図示例示のピン33とL形止め金具34に限定されず、他の例えば、二つの部材によるフック構造としてもよい。
【0032】
図7および図8に例示されているように、基枠22を形成する枠板23、24が当接する四隅部の下方には、それぞれ後述する伸縮可能な移動支持脚を取り付けるための挿通穴36を有する取付部37が突設され、また、一対の枠板23の内側面下方には、それぞれ一対の、後述する伸縮可能な梯子を取り付けるための挿通穴38を有する取付部39、および伸縮可能な補強支持脚を取り付けるための挿通穴40を有する取付部41が突設されている。
【0033】
台枠20の四隅部の取付部37に、それぞれ揺動可能に取り付けられる伸縮可能な移動支持脚42は、図14〜図16に例示されているように、三段構成になっており、二段目の太いパイプ状の脚43から上下にそれぞれ細いパイプ状の脚44が上下に伸びて伸縮できる仕組みになっている。
【0034】
三段の脚43、44には、それぞれ適宜の等間隔で複数の止め具挿通穴45が明けられ、かつ外面には穴番号46が、例えば、「1」、「2」のような数字をもって表示されている。
【0035】
最上段の脚44の上部外側面には、上方にやや延び、かつ止め具挿通穴47を有する一対の取付片48が突設され、また、最下段の脚44の下端には移動用のキャスター49が設けられるとともに、脚44の下部から分岐した分岐パイプ50の下端にはジャッキ式の滑り止めパット51が設けられている。
【0036】
そして、三段の脚43、44は、設定高さに対応して、それぞれの穴番号46を対応させて同軸状に挿入されて連結金具52、例えばそれぞれの止め具挿通穴45の適合穴に挿通のボルト53とこれにワッシャー54を介して締着の蝶ナット55により一体的に連結され、最上段脚44の取付片48が台枠20における取付部36に外挿されて、穴36、47との適合穴に挿通のボルト、ワッシャー、ナット(図示を省略し、図14において単に略図的に鎖線であらわし、止め金具として52の数字を付してある。)により揺動可能に取り付けられる。
【0037】
なお、移動支持脚42は、三段構成とされているが、これに限定されず、少なくとも二段以上の複数段構成であってもよいことは勿論である。
【0038】
また、移動支持脚42の構成部材は、ハイプ状であれば、断面円形であってもよく、また、角形であってもよい。
【0039】
また、最上段の脚44の上部外側面に設けた止め具挿通穴47を有する一対の取付片48は、台枠20の取付部36に設けて、最上段の脚44には設けないようにしてもよい。
【0040】
また、最下段の脚44の下端に設けられたキャスター49は、ストッパー付きであってもよく、また、滑り止めパット51は金属製、ゴム製等のいずれであってもよい。
【0041】
取付部39に取り付けられる伸縮可能な梯子56は、図17に例示されているように、図14〜図16に例示の伸縮可能な移動支持脚42と略同様に、二段目の太いパイプ状の一対の縦桟57と複数の横桟58とで構成の中間梯子ユニット59と、細いパイプ状の一対の縦桟60と複数の横桟61とで構成の上部梯子ユニット62と下部梯子ユニット63の三段構成であって、中間梯子ユニット59から上下に上下部梯子ユニット62、63が上下に伸びて伸縮できる仕組みになっている。
【0042】
なお、各梯子ユニット59、62、63における各一対の縦桟57、60には、適宜の等間隔で複数の止め具挿通穴64、65が明けられており、これら穴64、65には移動支持脚42の場合と同様に、穴番号(図示しない。)が表示されている。
【0043】
最上段の梯子ユニット62における一対の縦桟57の上部外側面には、上方にやや延び、かつ止め具挿通穴66を有する一対の取付片67が突設され、また、最下段の梯子ユニット63における一対の縦桟60の下端にはジャッキ式の滑り止めパット68が設けられている。
【0044】
そして、梯子56は、その最上段梯子ユニット62における一対の縦桟57の取付片67が台枠20における取付部39に外挿されて、穴38、66との適合穴に挿通のボルト、ワッシャー、ナットからなる止め金具52(図17において単に略図的に鎖線であらわしてある。)により揺動可能に取り付けられる。
【0045】
なお、梯子ユニットは、三段構成とされているが、これに限定されず、少なくとも二段以上の複数段構成であってもよいことは勿論である。
【0046】
また、各梯子ユニット62、63の構成部材は、ハイプ状であれば、断面円形であってもよく、また、角形であってもよい。
【0047】
また、最上段の梯子ユニット62の上部外側面に設けた止め具挿通穴66を有する一対の取付片67は、台枠20の取付部39に設けて、最上段の梯子ユニット62には設けないようにしてもよい。
【0048】
台枠20における基枠22の一対の取付部41に、それぞれ伸縮可能な補強支持脚69は、図18に例示されているように、三段構成になっており、二段目の太いパイプ状の脚70から上下にそれぞれ細いパイプ状の脚71が上下に伸びて伸縮できる仕組みになっている。
【0049】
三段の脚70、71には、それぞれ適宜の等間隔で複数の止め具挿通穴72、73が明けられ、かつ外面には穴番号(図示しない。)が表されている。
【0050】
最上段の脚71の上部外側面には、上方にやや延び、かつ止め具挿通穴74を有する一対の取付片75が突設され、また、最下段の脚71の下端にはジャッキ式の滑り止めパット76が設けられている。
【0051】
そして、補強支持脚69は、その最上の脚71の取付片75が台枠20における基枠22の取付部41に外挿されて、穴40、74との適合穴に挿通のボルト、ワッシャー、ナットからなる止め金具52(図18において単に略図的に鎖線であらわしてある。)により略垂直、または揺動可能に取り付けられる。
【0052】
なお、補強支持脚69は、三段構成とされているが、これに限定されず、少なくとも二段以上の複数段構成であってもよいことは勿論である。
【0053】
また、補強支持脚69の構成部材は、ハイプ状であれば、断面円形であってもよく、また、角形であってもよい。
【0054】
また、最上段の脚71の上部外側面に設けた止め具挿通穴74を有する一対の取付片75は、台枠20の取付部41に設けて、最上段の脚71には設けないようにしてもよい。
【0055】
また、補強支持脚69は、左右一対の2本設けられているが、その数については特に限定されるものではない。
【0056】
また、補強支持脚69は、伸縮可能な梯子56の取り付けによって補強機能が得られれば、必ずしも必要ではない。
【0057】
また、補強機能は、補強支持脚69に替え、特に図示しないが、2本一対の移動支持脚42間に、取り外し可能な補強横材を設けるようにしてもよい。
【0058】
次に使用方法について説明する。
【0059】
前述のように構成された作業台1、台枠20、移動支持脚42、梯子56および補強支持脚69は、それぞれ分解状態で車両等によりアスベストの処理現場に搬送され、組み立てられて使用される。
【0060】
基枠22に、それぞれ回動金具25を介して内向水平な倒伏状態に畳まれている長短4枚の載置支持用枠板26、27を外側に起こして起立状態とし、それぞれの隣り合う載置支持用枠板26、27同士を、その四つの当接隅部の外側面において、載置支持用枠板26、27に突設のピン33にL形止め金具34のU溝35を係合させて固定的に止め、台枠20を組み立て、これに作業台1を載置して両者を組み付ける。
【0061】
移動支持脚42の全長は、作業天井等の高さに対応して設定され、太いパイプ状の脚43の上下に、細いパイプ状の脚4をそれぞれの穴番号46を合わせ挿入して、それぞれの穴45との適合穴に挿通の止め金具52によって同軸状に連結し、所定長さの移動支持脚42として組み立てる。
【0062】
梯子56は、梯子ユニット59、62、63をそれぞれ止め金具52によって連結して、所定長さの梯子56として組み立てる。
【0063】
また、補強支持脚69も、移動支持脚42の場合と同様に、太いパイプ状の脚70の上下に、細いパイプ状の脚71をそれぞれの穴番号を合わせ挿入して、それぞれの穴72、73との適合穴に挿通の止め金具52によって同軸状に連結し、所定長さの補強支持脚69として組み立てる。
【0064】
このようにして、各構成部材を組み立て、4本の移動支持脚42を台枠20のそれぞれの取付部37に止め金具52によって揺動可能に取り付け、梯子56を台枠20の取付部39に止め金具52によって揺動可能に取り付け、さらに補強支持脚69を台枠20の取付部41に止め金具52によって揺動可能に取り付け、本作業台を組み立てる。
【0065】
組み立てた作業台は、キャスター49によって所定の作業場所まで移動させて、滑り止めパット51等により固定的にセットし、作業台1上において目的とする作業を行う。
【0066】
作業を終えて本作業台を分解する場合には、組み立て時とは逆の操作によって作業台1、台枠20、移動支持脚42、梯子56および補強支持脚69のそれぞれに取り外して分解し、さらに台枠20における4枚の載置支持用枠板26、27の止めを外して、それぞれを内向水平な倒伏状態に畳み、また、必要に応じて移動支持脚42を各脚43、44に分解し、梯子56も各梯子ユニット59、62、63に分解し、また、補強支持脚69も各脚70、71に分解し、コンパクト化した組立て構成部材として搬送や保管を行う。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る組立移動式の高所用作業台の一例を示す略全体の線図的構成図である。
【図2】図1の2方向から見た線図的構成図である。
【図3】図1の3方向から見た線図的構成図である。
【図4】作業台の平面図である。
【図5】図4の5−5に沿った一部省略の部分拡大断面図である。
【図6】図4の6−6に沿った部分拡大断面図である。
【図7】台枠を構成する基枠の平面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】載置支持用枠板の起立状態を示す一部省略の拡大断面図である。
【図10】載置支持用枠板の揺動を司る回動金具の一例を示す展開平面図である。
【図11】載置支持揺枠板同士を止める止め金具の一例を示す展開平面図である。
【図12】止め金具による載置支持用枠板の止め状態を示す側面図である。
【図13】止め金具の拡大横断面図である。
【図14】移動支持脚の一例を示す一部を省略し、かつ分解状態での正面図である。
【図15】図14の部分側面図である。
【図16】移動支持脚を構成する脚同志の連結状態を示す一部省略の縦断面図である。
【図17】伸縮梯子の一例を示す一部省略の正面図である。
【図18】補強支持脚の一例を示す一部省略の正面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 作業台
2 台板
6 開口部
8 開閉金具
10 開閉蓋
20 台枠
22 基枠
23、24 枠板
25 回動金具
26、27 載置支持用枠板
36、39、41 取付部
42 移動支持脚
43、44 脚
49 キャスター
56 伸縮梯子
59、62、63 梯子ユニット
69 補強支持脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内天井等に施工されているアスベストの除去作業等の高所作業に用いられる組立て移動式の作業台であって、
作業者と作業具等が乗る作業台(1)と、
この作業台(1)を載置支持する台枠(20)と、
この台枠(20)の四隅に、それぞれ揺動可能にして、かつ伸縮可能に設けられる移動支持脚(42)と、
前記台枠(20)に設けられる伸縮可能な梯子(56)
を備え、
前記作業台(1)、台枠(20)、移動支持脚(42)、梯子(56)がそれぞれ別体として搬送され、室内等の作業現場においてこれら構成部材が組み立てられて使用される構成を特徴とする組立移動式の高所用作業台。
【請求項2】
室内天井等に施工されているアスベストの除去作業等の高所作業に用いられる組立て移動式の作業台であって、
作業者と作業具等が乗る作業台(1)と、
この作業台(1)を載置支持する台枠(20)と、
この台枠(20)の四隅に、それぞれ揺動可能にして、かつ伸縮可能に設けられる移動支持脚(42)と、
前記台枠(20)に設けられる伸縮可能な梯子(56)および補強支持脚(69)
を備え、
前記作業台(1)、台枠(20)、移動支持脚(42)、梯子(56)および補強支持脚(69)がそれぞれ別体として搬送され、室内等の作業現場においてこれら構成部材が組み立てられて使用される構成を特徴とする組立移動式の高所用作業台。
【請求項3】
前記作業台(1)は、前記作業具等を出し入れするための、開閉蓋(10)付きの開口部(6)を有し、
前記台枠(20)は、基枠(22)と、この基枠(22)の4枚の枠板(23)、(24)の内側面に、それぞれ回動金具(25)を介して内向水平な倒伏状態にして、かつ略垂直な起立状態になるように揺動可能に設けられ、前記作業台(1)が載置されて定置支持される4枚の載置支持用枠板(26)、(27)と、前記基枠(22)の四隅部下方にそれぞれ突設された前記移動支持脚(42)の取付部(36)と、前記基枠(22)の前記枠板(23)、(24)のいずれか一方の相対する枠板の内側面下方にそれぞれ突設された前記梯子(56)の取付部(39)を有し、
前記伸縮可能な移動支持脚(42)は、太いパイプ状の脚(43)と細いパイプ状の脚(44)を含む複数段の構成であって、上下の前記細い脚(44)が上下に伸縮可能な仕組みとなっており、最下段の脚下端には、移動用のキャスター(49)が設けられ、
前記伸縮可能な梯子(56)は、一対の縦桟とこの縦桟間に設けられた複数の横桟から構成の複数の梯子ユニット(59)、(62)、(63)が上下に伸びて伸縮可能となっている構成を特徴とする請求項1の組立移動式の高所用作業台。
【請求項4】
前記作業台(1)は、前記作業具等を出し入れするための、開閉蓋(10)付きの開口部(6)を有し、
前記台枠(20)は、基枠(22)と、この基枠(22)の4枚の枠板(23)、(24)の内側面に、それぞれ回動金具(25)を介して内向水平な倒伏状態にして、かつ略垂直な起立状態になるように揺動可能に設けられ、前記作業台(1)が載置されて定置支持される4枚の載置支持用枠板(26)、(27)と、前記基枠(22)の四隅部下方にそれぞれ突設された前記移動支持脚(42)の取付部(36)と、前記基枠(22)の前記枠板(23)、(24)のいずれか一方の相対する枠板の内側面下方にそれぞれ突設された前記梯子(56)の取付部(39)および前記補強支持脚(69)の取付部(41)を有し、
前記伸縮可能な移動支持脚(42)は、太いパイプ状の脚(43)と細いパイプ状の脚(44)を含む複数段の構成であって、上下の前記細い脚(44)が上下に伸縮可能な仕組みとなっており、最下段の脚下端には、移動用のキャスター(49)が設けられ、
前記伸縮可能な梯子(56)は、一対の縦桟とこの縦桟間に設けられた複数の横桟から構成の複数の梯子ユニット(59)、(62)、(63)が上下に伸びて伸縮可能となっており、
前記伸縮可能な補強支持脚(69)は、太いパイプ状の脚(70)と細いパイプ状の脚(71)を含む複数段の構成であって、上下の前記細い脚(71)が上下に伸縮可能な仕組みとなっており、最下段の脚下端には、滑り止めパット(76)が設けられている構成を特徴とする請求項2の組立移動式の高所用作業台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−180034(P2008−180034A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15687(P2007−15687)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【特許番号】特許第3950474号(P3950474)
【特許公報発行日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(392023038)宝養生資材株式会社 (18)
【Fターム(参考)】