説明

組織処置システムおよび美容用の組織処置方法

無線波(r.f.)発生装置と処置器具とを含む組織処置システムであって、前記処置器具は、前記発生装置およびイオン化可能ガス源に接続可能であり、かつイオン化可能ガスを供給し、前記発生装置によりエネルギーを与えることにより、前記器具のノズルにおいてプラズマジェットを形成するように操作可能とされている。前記発生装置は、前記器具へ処置エネルギーを、無線波エネルギーのパルス群からなる少なくとも1個の独立したバーストの形で供給するように構成され、前記バーストはプリセット数n個のパルスを持ち、ここで2≦n≦5である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は組織処置システムに関し、特に皮膚の表面に適用(application)するためのガスプラズマジェットを形成する皮膚処置システムに関する。さらにこの発明は皮膚の処置方法に関し、特にガスプラズマを用いて皮膚組織の網目構造を再生する美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の皮膚処置システムとして、手持式の器具に無線波(r.f.: radio frequency)エネルギーのパルスを付与するための無線波発生装置を含むものがあり、そこでは無線波がパルス電界として、窒素などのイオン化可能ガスの気流に当てられ、皮膚表面に適用するためのプラズマジェットが形成される。このようなシステムは米国特許第6,629,974号、米国特許第6,723,091号、および米国特許出願第10/792,765号に開示されており、その開示の全体が参考文献として本願に援用される。これらの特許明細書および米国特許出願第11/281,594号(これもまたその開示の全体が参考文献として本願に援用される)に記載されているように、組織の線(line)またはしわ(wrinkle)に隣接する皮膚組織の網目構造を再生するために、プラズマジェットの適用を採用することができる。典型的には、単一のプラズマパルスが、標的組織の特定の領域に適用される。その後ハンドピースが移動し、別のパルスが隣接する組織範囲を処置するために適用され、同様にして組織の処置すべき領域を完全に覆い尽くすように、連続するパルスが隣接位置に適用され、これにより全領域に渡って均一な効果が達成される。無線波発生装置は、使用者により操作される作動装置のそれぞれの作動に対し、単一のパルスを発生するように操作し、または作動装置の操作が継続する間、継続する一連のパルスとして発生し、操作する人は連続するプラズマパルスの発生と発生の間の間隙時間中に、異なる処置位置を選んでハンドピースを移動するように操作する。
【0003】
米国特許第6,629,974号に記載されているように、従来のシステムでは予め定められたエネルギーのプラズマパルスを形成するようにされており、典型的なパルスのエネルギーは2、2.5、3、3.5および4ジュールであるとされている。
【0004】
処置は表皮の処置すべき領域を器具の1回の通過により行うことができ、その1回の通過にはその領域内の連続する位置への多数のプラズマパルスを適用することも含まれる。しかしながら、その後さらに2回目の器具の通過を行うこともでき、この場合は、特定の領域に1回目の通過を行った後、十分な時間が経過して皮膚が冷えてから、2回目の通過が行われる。
【0005】
患者の処置に採用されるパルス幅とエネルギーの設定値は、臨床前調査により決められ、後の臨床調査で良好な結果が得られることにより確認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,629,974号
【特許文献2】米国特許第6,723,091号
【特許文献3】米国特許出願第10/792,765号
【特許文献4】米国特許出願第11/281,594号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的はこのような処置結果を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の局面では、組織処置システムは無線波発生装置と処置器具とを含み、前記処置器具は前記発生装置およびイオン化可能ガス源に接続可能であって、かつイオン化可能ガスを供給し、前記発生装置によりエネルギーを与えることにより、前記器具のノズルにおいてプラズマジェットを形成するように操作可能とされている。前記発生装置は前記処置器具へ処置エネルギーを、無線波エネルギーのパルス群からなる少なくとも1個のバーストの形で供給するように構成され、前記バーストはプリセット数n個のパルスを持ち、ここで2≦n≦5である。バーストのそれぞれのパルスは好ましくは2ないし20msの範囲内のパルス幅を持ち、バーストのそれぞれのパルス間における時間間隔は100ms未満、より好ましくは10msないし40msである。典型的には、バーストのそれぞれのパルスのエネルギーは1ジュールないし2ジュールの範囲内である。
【0009】
パルスバーストが少なくとも3個のパルスを持っている場合においては、連続するパルス対間の時間間隔は異なっていてもよい。
【0010】
システムは使用者に操作される足踏みスイッチ形の作動装置を持っていることが好ましい。発生装置の一形態としては、足踏みスイッチを押下げることで、発生装置がパルス群からなる単一のバーストを供給するものがあげられる。他の形態としては、足踏みスイッチを押下げることで、発生装置がパルス群からなる一連のバーストを供給するものがあり、それぞれのバーストは上記の通りのものである。この場合、パルス群は典型的には、作動装置が解除されるまで予め定められた反復率で形成される。反復率は0.5Hzないし4Hzまたは5Hzであるのが好ましく、2.5Hzが特に好ましい値である。反復率はプリセット可能であるのが好ましい。
【0011】
発生装置の構成はそれぞれのバースト中のパルスの数だけではなく、連続するパルス間の時間間隔、ならびにバーストのパルスの幅および振幅をプリセット可能としてもよい。従って、例えばパルス間の間隔は10msないし100msの間で変えられ、パルス幅は2msないし20msの間で変えられるようにしてもよい。
【0012】
加えて、パルスの無線波電力レベルは異なる値にプリセットしてもよく、典型的には800Wないし2kWの間である。一連のパルスバーストを適用している間中、イオン化可能ガスの気流を器具に連続的に供給してもよいが、ガスはガスパルスとして供給するのが好ましく、この場合、それぞれのパルスは無線波パルス群からなるそれぞれのバースト前の合間に開始し、無線波パルスバーストの開始と実質的に同時に終了するか、またはそれぞれの無線波パルスバーストが発生している間中供給するのが好ましい。
【0013】
本発明の別の局面では、組織処置システムは無線波発生装置と、処置器具とを含み、この処置器具は前記発生装置およびイオン化可能ガス源に接続可能であって、かつイオン化可能ガスを供給し、発生装置によりエネルギーを与えることにより、器具のノズルにおいてプラズマジェットを形成するように操作可能とされている。前記システムは前記器具への処置エネルギーを、無線波エネルギーパルス群からなるバーストの形で供給するように構成され、バーストの個々のパルスのエネルギーレベルは表皮の空胞形成を定型的に引き起こすのに必要なエネルギーレベルの閾値よりも低くされている。好ましい実施の形態においてバーストのそれぞれのパルスのエネルギーは1ジュール以上、2ジュール以下である。無線波パルスのエネルギーはこれら2つの値間にプリセットされてもよい。
【0014】
本発明の第3の局面では、熱プラズマエネルギーの適用による真皮の網目構造の美容用の再生方法が提供され、その方法は熱プラズマエネルギーをプラズマパルス群のバースト
として皮膚表面に適用することを含み、バースト内のパルスのエネルギーレベルは表皮の空胞形成を定型的に引き起こすのに必要なエネルギーレベルより低くし、かつパルスバーストの適用は皮膚表面の処置すべき領域の全面に実質的に均一に行い、炎症反応により真皮の網目構造の再生部を形成する熱修飾区域を真皮に形成するようにされている。窒素ガスが、イオン化可能ガスとして用いられてもよい。
【0015】
好ましい方法として、熱プラズマエネルギーは手持式の器具を用いて適用され、その器具は連続する処置領域の間を、連続するパルスバーストとパルスバースト間の期間中に移動するようにされる。エネルギーは予め定められた皮膚表面の領域に多数回通過させて適用してもよく、それぞれの通過には、連続する処置領域に熱プラズマエネルギーを適用することが含まれる。
【0016】
本発明の第4の局面では、熱プラズマエネルギーの適用により、真皮の一定領域から光損傷した組織を取り除き、前記領域における真皮の網目構造を再生する方法が提供される。その方法は熱プラズマエネルギーを皮膚表面の前記領域に、プラズマパルス群からなる一連のバーストとして適用することを含み、それぞれのバースト内のパルスのエネルギーレベルは表皮の空胞形成を定型的に引き起こすのに必要なエネルギーレベルより低くし、かつパルスバーストの適用は前記領域の全面に実質的に均一に行うことにより、光損傷した乳頭状の真皮の少なくとも一部を包含する熱損傷区域を形成するものである。さらにその方法は、熱損傷レベルよりも軽度の炎症反応を誘発して、真皮の網目構造の再生部を形成し、光損傷した真皮の少なくとも一部を置換するものである。光損傷した真皮の置換により、表面のしわの深さを低減し、光損傷に関係する日射性の弾力衰退変化部(solar elastotic change)の少なくとも一部を置換するという利点がある。典型的には、熱損傷を除去する深さは、表皮および光損傷に関係する色素変質部の除去とともに、前癌状態の細胞変質部の除去も含む深さである。熱修飾および網目構造の再生に付随して、皮膚の弛緩(laxity)やたるみ(sagging)の少なくとも一部分が引き締まる。
【0017】
本発明の更なる局面では、プラズマパルスバーストとして熱エネルギーを供給するように構成された熱エネルギー源を用いて、組織における線またはしわに隣接する皮膚組織の網目構造を再生する美容方法は、熱エネルギー源を操作することにより、前記線またはしわに関係するDE連接部の領域に、熱修飾組織の隣接する第1および第2の領域を形成するステップを含んでおり、前記第1の領域は前記第2の領域を上から覆い、かつ前記第2の領域よりも高度に熱修飾されている。
【0018】
本発明の一層の更なる局面では、低い熱時定数を持つ熱エネルギー源を用い、熱エネルギーをプラズマパルスバーストとして供給することにより、線またはしわに隣接する真皮の網目構造を再生する美容方法が提供され、その方法は熱エネルギー源を操作して、それを前記線またはしわに隣接する皮膚の表面に向け、皮膚の表皮および真皮の領域に、熱修飾組織の隣接する第1および第2の領域を形成するステップを含み、前記第1の部位は前記第2領域を上から覆い、かつ熱エネルギーの適用後数日で前記第2の領域から分離する程度に熱修飾されており、前記分離する深さは加えたエネルギー量および皮膚の熱容量によって決まる。
【0019】
また本発明はイオン化可能ガスの気流に無線波電界を適用することにより形成されたプラズマジェットを用いて皮膚組織の網目構造を再生する方法を含み、その方法では無線波パルス群からなる少なくとも一つの独立したバーストとして無線波電界を適用することが含まれ、バーストはプリセット数nのパルスを持ち、ここでnは2ないし5の範囲である。
【発明の効果】
【0020】
出願人らは皮膚表面へプラズマジェットを単一の位置に、独立した2、3またはそれ以上のプラズマパルス群のバーストとして適用し、それぞれのパルスが従来のシステムで典型的に使われるパルスエネルギーよりいくらか低いエネルギー量を持ち、かつバースト中のパルスが比較的短い時間で分離されて、皮膚が個々のプラズマパルス間で冷やされなくすることにより、総エネルギー伝達量が同じである単一のパルスの場合と比べて、優れた新規コラーゲンの生成が行われることを見い出した。この改良は、皮膚表面ではより低い皮膚表面温度になり、表皮−真皮連接部においては高い温度になることの結果であると考えられる。理論モデリングでは、パルス幅を変えることにより、その他全ての要素が等しい場合、特定の皮膚の深さにおける温度曲線(temperature profile)が時間を通して変化することが示された。従って、例えば長および短パルスの伝達の場合を比較すると、特定のエネルギー量を比較的短時間内に適用すると、皮膚表面温度は高くなるが、特定の深さ(例えば真皮−表皮連接部)では低い温度になるのに対し、同じエネルギー量を比較的長い時間内に適用すると、皮膚表面温度は低くなるが、上記特定の深さでは高い温度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による組織処置システムの概略図である。
【図2】図1のシステムの部分を構成する組織処置器具の長手方向断面図である。
【図3】図1のシステムで使用するための無線波発生装置のブロック図である。
【図4】図4A、4B、4Cはガス流を調整する電磁弁の操作および組織処置器具への無線波エネルギー供給を示すオシロスコープのプロットである。
【図5】公知のシステムによる処置後の皮膚組織の網目構造における網目の再生を示す組織構造のスライドである。
【図6】本発明のシステムによる処置後の組織再生を示す組織構造のスライドである。
【図7】本発明のシステムによる処置5日後に採取した剥離生検材料から構成された2組の組織構造のスライドである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明は上記の図面を参照し、実施例について説明される。
【0023】
図1において、本発明の組織処置システムは、動力源として無線波発生装置10を備えている。この無線波発生装置10は、床置式の発生装置ハウジング12に取付けられ、またユーザーインターフェース14が発生装置を異なるエネルギーレベル設定に定めるために設けられている。手持式の組織処置器具16はコード18によって発生装置に接続されている。器具16はハンドピースを備えており、このハンドピースは再使用可能なハンドピース本体16Aおよび使い捨て可能なノーズアセンブリ16Bを有している。
【0024】
発生装置ハウジング12は、使用しないときに器具を収納するための器具ホルダ20を有している。
【0025】
コード18の内部には、同軸のケーブルが発生装置10から無線波エネルギーを器具16に伝達するために設けられ、またガス供給管が発生装置ハウジング12内のガス貯蔵器または供給源(図示せず)から、窒素ガスを供給するために設けられている。コードにはまた光ファイバー線が、発生装置ハウジング内の光源から、器具に可視光を透過させるために設けられている。コード18はその先端で、ハンドピース本体16Aのケーシング22の中に通されている。
【0026】
図2に示されているように、再使用可能なハンドピース本体16A内では、同軸ケーブル18Aが内部および外部の電極26、27に接続されている。内部電極26は外部電極
27内で長手方向に伸びている。それらの電極間には耐熱性のチューブ29(好ましくは石英から成る)が設けられ、使い捨て可能器具としてのノーズアセンブリ16B内に収容されている。ノーズアセンブリ16Bがハンドピース本体16Aに取付けられると、チューブ29の内部はガス供給管内部と連通し、ノーズアセンブリ16Bは本体16A内に受け入れられ、それにより内部電極26はチューブ29の中へ軸方向に伸び、外部電極27はチューブ29の外側周囲に伸びるようにされている。
【0027】
共振器としてらせん状に巻かれた形状のタングステンコイル31が石英チューブ29内に位置しており、このコイルの位置は、使い捨て可能なノーズアセンブリ16Bをハンドピース本体16A上の位置に取付けたとき、コイルの最も近い基端部が内部電極26の最も遠い先端部に近接するように定められている。コイルは近接するように巻かれ、石英チューブ29の内表面に接触している。
【0028】
器具の使用に際して、窒素ガスが供給管によりチューブ29の内部に送り込まれ、内部電極26の先端部付近の位置に達する。無線波電圧が同軸ケーブルを経由して電極26、27に供給されると、無線波の強電界がチューブ29の内側で内部電極の先端部の領域に生じる。電界の強度はらせん状コイル31が発生装置の操作周波数で共振することにより高められ、これにより窒素ガスのプラズマへの変換が促進され、プラズマがジェットとして石英チューブ29のノズル29Aから出て行く。ノズル29Aは直径5mmである。プラズマジェットは、処置ビーム軸32(この軸はチューブ29の軸である)に集中して、処置すべき組織に向けられており、ノズル29Aは典型的には組織の表面から数ミリメートルの距離を保って保持される。
【0029】
またハンドピース16には、光ファイバー製光ガイド34がコア18を通してハンドピース内まで伸びており、そこでその先端部34Aは内向に湾曲して、石英チューブ29により定まる処置軸の方向に向い、その先端部は終端位置で、ノズル29Aに近接して出射孔を形成する。この点におけるファイバーガイドの傾斜は、組織表面上に標的マーカーを投影するための投影軸を定める。
【0030】
器具の繰り返しの使用後、石英チューブ29とその共振コイル31は交換する必要が生じる。使い捨て可能のノーズアセンブリ16Bはこれらの要素を含んでおり、器具の再使用可能部分16Aに容易に装着、脱着され、器具の16Aと16Bの2つの部品間の接続部は、石英チューブ29とコイル31を電極26、27に対して正確に位置決めするようにされている。
【0031】
図3において、無線波エネルギーはマグネトロン200にて発生する。マグネトロン200への電力は次の2つの道筋で供給される。第1は、陰極へのDC高電圧であり、AC電源ユニット204からの給電によりされ、高電圧電源202で発生する。第2は、フィラメント電源であり、陰極ヒータへヒータ電源ユニット206から供給される。高電圧電源202およびフィラメント電源206は、双方ともCPUコントローラ210に連結されて、マグネトロンの出力電力を制御するようにされている。ユーザーインターフェース212はコントローラ210に連結されて、他の機能間で出力電力モードを設定するようにされている。
【0032】
AC電源ユニット204は外部AC主電源に接続され、またCPUコントローラ210への電源電圧を発生させる。
【0033】
マグネトロン200およびそれに結合するUHF同軸フィード伝送部では、高UHF帯域、典型的には2.475GHz帯の無線波エネルギーを発生し、このエネルギーは50オームライン214を経由してUHFサーキュレータ216に供給され、そこから患者の
アイソレーションバリア(isolation barrier)を構成するUHFアイソレータ218に供給される。アイソレータ218からの出力部220は、無線波同軸ケーブルを経由してハンドピースに接続されている(どちらも図3に図示なし)。
【0034】
高電圧電源202によるマグネトロンへの高電圧電源出力は、CPUコントローラ210から同時に与えられる次の2つの制御信号により発生する。
【0035】
(1) ライン220上のマグネトロン電流デマンド信号は、マグネトロン200からの瞬時の無線波出力電力レベルを決定するために、高電圧電源202からマグネトロンへ送り込まれる高電圧電源の出力電流を制御する。この出力電流は第1制御ライン222上の信号の電圧に比例する。マグネトロンからのUHF出力電力レベルは、高電圧電源202からの電源電流に比例するので、第1制御ライン222上のマグネトロン電流デマンド信号は、マグネトロンからの無線波出力電力レベルを決定する。
【0036】
(2) CPUコントローラ210から出る第2制御ライン224上の出力イネーブル(enable)信号は、高電圧電源の出力のオン、オフを行う。CPUコントローラ210は出力イネーブル信号を管理し、高電圧電源から得られる出力電流の持続期間、およびこれによりマグネトロン200で電力が発生し、50オームライン214上で得られる時間を決める。
【0037】
UHFサーキュレータ216は、マグネトロンおよびそれに結合するUHF同軸フィード伝送部の出力に、50オームの定常的な負荷インピーダンスをかける。マグネトロンおよびフィード伝送ステージ200に連結された第1ポートとは別に、サーキュレータ216はUHFアイソレーションステージ218に連結された第2ポート216A、および抵抗パワーダンプ226に反射電力を供給する第3ポート216Bを備えている。反射電力検出接続228はコントローラ210に検出信号を与える。
【0038】
UHFサーキュレータ216、アイソレータ218、これらの相互連結部(図示なし)、およびハンドピースへの同軸ケーブルフィーダ(図示なし)におけるUHFの損失は公知であり、または別途補償できるので、ハンドピースへ入力する際のUHF電力レベルは制御可能である。
【0039】
ハンドピースへの窒素ガスは、コード18(図1を参照)を通して、加圧ガス供給部230から送り込まれる。加圧ガス供給部230は、コード18に連結したガス供給吹出口232に接続している。ガス供給部230とガス供給吹出口232の間のガス供給路に電磁弁234が配置されており、CPUコントローラ210によって制御ライン236を通して操作される。
【0040】
プラズマジェットが発生するに当たり、CPUコントローラ210は電磁弁234を開ける操作を行い、ガスをハンドピースに加圧下に流す。このときガス供給制御信号が、ガス供給制御ライン236を通して電磁弁234に入力される。同時に、マグネトロン電流デマンド信号が電圧レベルとして第1制御ライン222に発生する。
【0041】
電磁弁234を開いてから予め定められた時間経過し、ガスがハンドピース(図1)内に流れる時点で、CPUコントローラ210が第2制御ライン224の出力イネーブル信号をアクティブ化することにより、UHF電力が発生するが、その電力レベルは第1制御ライン222の制御電圧の高さに対応している。UHF電力は出力イネーブル信号が第2制御ライン224に存在している限り、公知の電力レベルで発生する。
【0042】
さらに図4Aを参照すると、ガス供給電磁弁制御信号が上部トレース(CH1)として
、およびUHF出力端子220から送り込まれるUHF電力出力が下部トレース(CH2)として示されており、下部トレースはハンドピースに振り向けられる電力を監視する無線波電力検出器から得られ、電圧の高さで表示されている。ガス電磁弁が閉じられると、ハンドピースにはガスが流れず、上部トレースで示された電圧は高くなる。弁を開いてガスが流れるのを許容すると、その電圧は低くなる。無線波電力は出力端子220(図3)から供給されると、下部トレースは高くなり、そのレベルは出力電圧に比例する。無線波電力が供給されないと第2のトレースは低くなる。
【0043】
図4Aは2−パルスバーストの無線波エネルギーが発生する場合を図示している。この例では、それぞれのパルスのパルス幅は約8.2msであり、これは2J(ジュール)のパルスエネルギー値に相当し、また1つ目のパルスの終わりから2つ目のパルスの始まりまでの間の時間間隔または分離間隔は23msである。並置された上部および下部トレースからわかるように、ガス供給弁はパルスバーストの開始時より前に開かれ、パルスバーストの開始とほぼ同時に閉じる。これはパルスバーストが起こっている間、ガスがハンドピースを通って流れ、無線波パルスバーストによりハンドピース内に形成された電界によってイオン化されることを意味している。
【0044】
図3と図4Aを参照すると、2−パルスバーストが発生している間、図4Aに図示されているように、幅T1の2個のパルスが発生しており、それぞれは同じ量のエネルギーを伝送し、時間T2の時間間隔で分離されている。CPUコントローラ210は次の動作を起こすように操作される。
【0045】
(a) ガスは、ガス供給制御ライン236を経由して電磁弁234をアクティブ化することにより放出され、その後停止される。
【0046】
(b) UHF電力レベルは、コントローラ210と高電圧電源202の間に接続する第1制御ライン222上の電圧信号により設定される。
【0047】
(c) 既知の電圧レベルP1、パルス幅T1である個々のパルスは、高電圧電源の出力を、第2制御ライン224によってT1の期間にわたり可能状態(enable)にすることにより発生する(公知かつ反復性の伝搬や、他のアクティブ化の遅延等は無視する)。
【0048】
(d) 第2制御ライン224上のイネーブル信号を取り除くことにより高電圧電源202を動作しないようにすると、時間T1の後にUHF電力出力が休止し、それは期間T2の間継続する。
【0049】
(e) 第2制御ライン224によって、高電圧電源202をさらにT1の期間、再出力可能状態にすることにより、そのバーストの第1のパルスと同じ持続期間T1のUHF電力伝送を再開する。
【0050】
図4Bに示されているような3−パルスバーストの発生では、ステップ(d)および(e)の繰り返しが必要とされる。4−パルスバーストや5−パルスバーストの発生では、ステップ(d)および(e)の繰り返しがそれぞれ2回、3回と必要になる。
【0051】
ユーザーインターフェース212(図3)の設定により、パルスバーストのパラメータとして、パルスバーストのパルスの数、個々のパルスのエネルギー(無線波電力P1およびパルスの持続時間T1に比例する)、および連続するパルス間の時間間隔等の条件を決定する。ガス放出の適正なタイミングはCPUコントローラ210によって自動的に決定され、最適条件で定常的にプラズマが発生するようにされる。
【0052】
図4Bに図示されている3−パルスバーストは、3個のパルスを含み、それぞれ約8msのパルス幅を持ち、それぞれは近隣のパルスから23msの時間間隔で分離されている。上記図4Aについて述べられている2−パルスバーストの場合と同様に、それぞれのパルスのパルスエネルギーは2Jである。図4Aないし4Cに示されているプロットには好ましい設定が示されており、2個または3個のパルスを持つパルスバーストが好ましく、それぞれ個々のパルスにより伝送されるエネルギーは2ジュールであり、バースト当たりの総エネルギーは4ジュールまたは6ジュールとなる。それぞれのバースト適用の合計時間は名目上、2−パルスバーストでは40ms、3−パルスバーストでは70msである。それぞれのバーストは反復率を好ましくは4Hzまで上げて適用される。
【0053】
パルス当たり2ジュールの設定は、細胞の空胞を形成せず、他方では後のパルスに対し断熱する効果を与える最大エネルギーにほぼ相当する値として選ばれている。
【0054】
バーストのそれぞれ個別のパルスによるエネルギー伝送が既知で、繰返し可能とされるために、電磁弁234(図3)によるハンドピースへのガス供給のタイミングを変更することができる。例えば図4Cに示されているような、あるバリエーションとして、ガス供給がパルスバーストの期間を通して継続してもよい。この場合、電磁弁はパルスの開始よりも約70ms前に開くことになり、第3のパルスの終了までずっと開いたままであり、この場合では電磁弁234が開いている間の総時間は約150msである。
【0055】
CPUコントローラ210によるマグネトロン高電圧電源202と電磁弁234の制御信号は、ファームウエアの制御のもとで発生する。このためファームウエアの設定は、ユーザーインターフェースの設定と連携して、パルスバースト内のそれぞれ個別パルスの無線波パルス幅、および電磁弁のアクティブ化のタイミングを決定し、これによりそれぞれの個別パルスにより正確に予測可能なエネルギー伝送を達成して、プラズマ発生能率を最適化し、ガスの使用を最小にする。またファームウエアの設定は、それぞれ個別のパルス期間中の無線波電力の大きさを決定する。図4Aないし4Cの無線波電力のトレースに示されているように、それぞれ個別のパルス中の無線波電力レベルは広範囲で一定であり、例外的にそれぞれのパルスがパルス開始後の短期間に、プラズマ発生の誘発を助けるための初期出力増大が起こっている。
【0056】
好ましい処置では、器具16が組織の処置すべき領域上を1または2回通過で通過し、このとき器具は皮膚表面へ適用するそれぞれのパルスバースト間の間隙時間中に移動する。1回の通過による処置では、パルスは必要とされる範囲全体に均一に適用されるように、並列に配置されるラインに沿って、連続的なラインとして適用されるのが好ましい。2回の通過による処置では、1回目の通過中の連続的なラインは1回目の方向に形成され、2回目の通過中のパルスの連続的なラインは2回目の方向に形成され、このとき1回目と2回目の方向は互いに対しておよそ90度とされる。
【実施例】
【0057】
パルスバーストにより得られた処置結果は、従来技術の単一のパルス群を、従来のシステムで利用できる最大パルス幅(約4ジュールで30ms)で用いて得られた処置結果よりも、全般的に優れていた。同じ総エネルギーを持つパルスバーストを用いる場合では、改善された結果が得られた。
【0058】
パルス当たり2ジュールの合計4ジュールの2−パルスバーストによる2回の通過処置では、2回の通過のそれぞれに同エネルギーを単一パルスで加えられた場合と比較して、新規コラーゲン生成の効果が改善された。熱損傷および熱修飾の区域もまた、単一のパルスによるこれらの結果よりも、より均一になっていると観察された。3−パルスバーストでの2回の通過処置では、同じ総エネルギーの単一のパルスによる場合と比べ、同様の優
れた結果を得た。
【0059】
図5は上述した従来のシステムを用いた処置から得られた組織構造を示している。この例では、プラズマエネルギーの一連の単一パルスが適用され、それぞれのパルスエネルギーは3.5Jであった。この組織構造は処置10日後における皮膚組織を示している。この試料はピクロシリウスレッド(picrosirius red : PSR)で染色され、コラーゲン繊維が偏光のもとで複屈折するのを表示するようにしている。いくつかの新しいコラーゲンの孤立した繊維が、熱修飾区域内に横たわっているのが観察されたが、この区域における処置後のコラーゲン繊維の変性によりダークブルーを呈していた。
【0060】
図6は本発明により独立したパルスバーストとして、パルス群が適用された2回通過処置から8日後の皮膚組織の組織構造である。ここでは前記と同様の適用方法が採用され、それぞれのパルスバーストは2個のパルスのエネルギーから成っており、それぞれのパルスは表皮の空胞形成を引き起こすレベルより低いエネルギーレベルが選択されている。このスライドに当てられた偏光は、図1のそれとはいくらか異なっていて、新しいコラーゲン繊維が広範囲にわたりマトリックス状に沈着し、表皮−真皮連接部の新しいリートリッジ(Rete ridge:網状構造稜)を形成しているのが観測される。このことは新しいコラーゲンからなる真皮の再生レベルが、単一パルス処置で観測されたものよりも大幅に向上していることを表している。
【0061】
図7は本発明による処置5日後に採取された剥離生検材料の組織構造であり、H&E(Haemotoxylin & Eosin : ヘマトキシリン・アンド・エオシン)およびPSRを用いて染色した一連のシーケンシャル・エレクトロマイクログラフ(sequential
electromicrograph)として、処置された表皮の全幅の特徴を示している。この組織構造における顕著な点は、単一パルス適用により得られたものと比較して、処置区域を通して効果がはるかに均一であることである。
【0062】
上記システムおよび方法は適宜修正することができる。例えば、ノズルの直径は2mmないし8mmの範囲内とすることができる。しかしながら、直径5mm以外のノズルを使用するときは、ノズルの直径の二乗に比例して、設定する発生器のエネルギーの計算を行う必要がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線波発生装置と処置器具とを含む組織処置システムであって、
前記処置器具は、前記発生装置およびイオン化可能ガス源に接続可能であり、かつイオン化可能ガスを供給し、前記発生装置によりエネルギーを与えることにより、前記器具のノズルにおいてプラズマジェットを形成するように操作可能とされており、
前記発生装置は、前記器具へ処置エネルギーを、無線波エネルギーのパルス群からなる少なくとも1個の独立したバーストの形で供給するように構成され、
前記バーストはプリセット数n個のパルスを持ち、ここで2≦n≦5である
組織処置システム。
【請求項2】
発生装置は、バーストのそれぞれのパルスが、2msないし20msの範囲内のパルス幅を持つバーストを供給するように構成されている請求項1記載のシステム。
【請求項3】
発生装置は、バーストのそれぞれのパルス間における時間間隔が100ms未満であるバーストを供給するように構成されている請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
発生装置は、バーストのそれぞれのパルス間における時間間隔が40ms未満であるバーストを供給するように構成されている請求項1または2記載のシステム。
【請求項5】
発生装置は、それぞれのパルス間における時間間隔が10msより長いバーストを供給するように構成されている請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
発生装置は、バーストのそれぞれのパルスのエネルギーが1ジュールないし2ジュールの範囲内のバーストを供給するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
発生装置は、パルスバーストは少なくとも3つのパルスを持ち、各パルス対間の時間間隔が異なっているバーストを供給するように構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
使用者に操作される作動装置を持ち、
発生装置は、前記作動装置のそれぞれの操作により、前記発生装置がパルス群からなる単一のバーストを供給するモードで作動するように構成されている
請求項1ないし7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
使用者に操作される作動装置を持ち、
発生装置は、前記作動装置のそれぞれの操作により前記発生装置がパルス群からなる一連のバーストを、プリセットされたバーストの反復率で供給するモードで作動するように構成されている
請求項1ないし8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
発生装置は反復率が0.5Hzないし5Hzの範囲であるように構成されている請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
発生装置は、連続するパルス間の時間間隔が変えられるように構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
発生装置は、バーストのパルス幅が変えられるように構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
無線波発生装置と処置器具とを含む組織処置システムであって、
前記処置器具は、前記発生装置およびイオン化可能ガス源に接続可能であり、かつイオン化可能ガスを供給し、前記発生装置によりエネルギーを与えることにより、前記器具のノズルにおいてプラズマジェットを形成するように操作可能とされており、
前記システムは、前記器具へ処置エネルギーを、無線波エネルギーのパルス群からなるバーストの形で供給するように構成され、
バーストの個々のパルスのエネルギーレベルは表皮の空胞形成を定型的に引き起こすのに必要なエネルギーレベルの閾値よりも低くされている組織処置システム。
【請求項14】
発生装置は、バーストのそれぞれのパルスのエネルギーが1ジュールないし2ジュールの範囲内のバーストを供給するように構成されている請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
発生装置は、それぞれのバーストは2ないし5個のパルスを持つようなバーストを供給するように構成されている請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
熱プラズマエネルギーの適用による真皮の網目構造の美容用の再生方法であって、
熱プラズマエネルギーをプラズマパルス群の独立したバーストとして皮膚表面に適用することを含み、
前記バースト内のパルスのエネルギーレベルは表皮の空胞形成を定型的に引き起こすのに必要なエネルギーレベルより低くし、
前記パルスバーストの適用は、皮膚表面の処置すべき領域の全面に実質的に均一に行い、炎症反応により真皮の網目構造の再生部を形成する熱修飾区域を真皮に形成する方法。
【請求項17】
プラズマは、窒素ガスのプラズマである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
それぞれのパルスのエネルギーレベルは、1ジュールないし2ジュールの範囲内である請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
少なくともいくつかのパルスバーストは、それぞれ2ないし5個のパルスを持っている請求項16ないし18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
少なくともいくつかのパルスバーストのそれぞれのパルスは、2msないし20msの範囲内のパルス幅を持ち、バーストのパルス間における時間間隔は10msないし40msの範囲内である請求項16ないし19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
少なくともいくつかのパルスバーストは、それぞれ少なくとも3つのパルスを持ち、各パルス対間の時間間隔は変えることができる請求項19に記載の方法。
【請求項22】
それぞれのパルスバーストにおけるパルス間の時間間隔は、100msを超えない請求項16ないし19のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
熱プラズマエネルギーの皮膚表面への適用は、一連の独立したプラズマパルスバーストとしてされ、
バーストはプリセットされた反復率で起こり、
連続するバースト間の間隔が150msないし2sの間である
請求項16ないし22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
反復率が0.5Hzないし5Hzの範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
熱プラズマエネルギーは手持式の器具を用いて適用され、
その器具は連続する処置領域の間を、連続するパルスバーストとパルスバースト間の期間中に移動する
請求項16ないし24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
エネルギーは予め定められた皮膚表面の領域に多数回通過させて適用され、
それぞれの通過において連続する処置領域に熱プラズマエネルギーを適用する
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
熱プラズマエネルギーの適用により、真皮の一定領域から光損傷した組織を取り除き、前記領域における真皮の網目構造を再生する方法であって、
熱プラズマエネルギーを皮膚表面の前記領域にプラズマパルス群からなる一連のバーストとして適用することを含み、
それぞれのバースト内のパルスのエネルギーレベルは表皮の空胞形成を定型的に引き起こすのに必要なエネルギーレベルより低くし、
前記パルスバーストの適用は前記領域の全面に実質的に均一に行うことにより、光損傷した乳頭状の真皮の少なくとも一部を包含する熱損傷区域を形成し、
さらに熱損傷レベルよりも軽度の炎症反応を誘発して、真皮の網目構造の再生部を形成し、光損傷した真皮の少なくとも一部を置換する方法。
【請求項28】
光損傷した真皮の置換により、表面のしわの深さを低減する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
光損傷した真皮の置換により、光損傷に関係する日射性の弾力衰退変化部の少なくとも一部を除去および置換する請求項27に記載の方法。
【請求項30】
熱損傷を取り除く深さは、光損傷に関係する表皮および色素の変質を取り除く深さである請求項27に記載の方法。
【請求項31】
熱損傷を取り除く深さは、光損傷に関係する表皮および前癌状態の細胞変質部を取り除く深さである請求項27に記載の方法。
【請求項32】
熱修飾および網目の再生により、少なくとも一部分において皮膚の弛緩やたるみを引き締める請求項27に記載の方法。
【請求項33】
プラズマパルスバーストとして熱エネルギーを供給するように構成された熱エネルギー源を用い、組織における線またはしわに隣接する皮膚組織の網目構造を再生する美容方法であって、
熱エネルギー源を操作することにより、前記線またはしわに関係するDE連接部の領域に、熱修飾組織の第1および第2の隣接する領域を形成するステップを含み、
前記第1の領域は前記第2の領域を上から覆い、かつ前記第2の領域よりも高度に熱修飾されている方法。
【請求項34】
低い熱時定数を持つ熱エネルギー源を用い、熱エネルギーをプラズマパルスバーストとして供給することにより、線またはしわに隣接する真皮の網目構造を再生する美容方法であって、
熱エネルギー源を操作して、それを前記線またはしみに隣接する皮膚の表面に向け、皮膚の表皮および真皮の領域に、熱修飾組織の隣接する第1および第2の領域を形成するステップを含み、
前記第1の部位は前記第2領域を上から覆い、かつ熱エネルギーの適用後数日で前記第2の領域から分離する程度に熱修飾されており、
前記分離する深さは加えたエネルギー量および皮膚の熱容量によって決まる方法。
【請求項35】
イオン化可能ガスの気流に無線波電界を適用することにより形成されたプラズマジェットを用いて皮膚組織の網目構造を再生する方法であって、
無線波パルス群からなる少なくとも一つのバーストとして無線波電界を適用することを含み、
バーストはプリセット数nのパルスを持ち、ここでnは2ないし5の範囲である方法。
【請求項36】
使用者に操作される作動装置のそれぞれの操作により、パルス群からなる単一バーストを発生する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
使用者に操作される作動装置のそれぞれの操作により、パルスからなる一連の独立したバーストを発生し、作動装置が解除されるまでバーストを形成し続ける請求項35に記載の方法。
【請求項38】
プラズマパルスバーストとして熱エネルギーを供給するように構成された熱エネルギー源を用い、劣化により組織における線またはしわを形成した皮膚組織の網目構造を再生する美容方法であって、
熱エネルギー源を操作することにより、前記線またはしわに関係するDE連接部の領域に、熱修飾組織の第1および第2の隣接する領域を形成するステップを含み、
前記第1の領域は前記第2の領域を上から覆い、かつ前記第2の領域よりも高度に熱修飾されている方法。
【請求項39】
低い熱時定数を持つ熱エネルギー源を用い、劣化により線またはしわを形成した真皮の網目構造を再生する美容方法であって、
プラズマパルスバーストを形成する熱エネルギー源を操作して、それを処置すべき皮膚の表面に向け、皮膚の表皮および真皮の領域に、熱修飾組織の隣接する第1および第2の領域を形成するステップを含み、
前記第1の部位は前記第2領域を上から覆い、かつ熱エネルギーの適用後数日で前記第2の領域から分離する程度に熱修飾されており、
前記分離する深さは加えたエネルギー量および皮膚の熱容量によって決まる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A−4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−523247(P2010−523247A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502563(P2010−502563)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001232
【国際公開番号】WO2008/125810
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(505432935)リーテック リミテッド (5)
【Fターム(参考)】