説明

組込まれた伸縮自在の情報表示エレメントを有する薬物送達デバイス

本発明は医薬品の用量を投薬するための薬物送達デバイスに関し、少なくとも一つのハウジング構成要素(100;200;300)を有するハウジング、医薬品を含有するカートリッジ、−医薬品の予定の用量を設定し、そして投薬するためにカートリッジと実施可能に係合された用量投薬メカニズム、及び少なくとも一つのハウジング構成要素(100;200;300)に関して移動可能なように配置されている表示エレメント(102;202:302)を含んでなり、
ここで表示エレメント(102;202:302)及びハウジング構成要素(100;200;300)が表示エレメント(102;202:302)に提供された情報を選択的に隠蔽及び/又は示現するために相互に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物送達デバイス、特に医薬品を投与し得るペン型注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
使用者が操作する薬物送達デバイスはそれ自体先行技術で知られている。これらのデバイスは、通常は、正式の医学的訓練を受けていない人々、即ち、患者が医薬品、例えばヘパリン、インスリン等の正確なかつ事前設定された用量を投与する必要がある状況に適用し得る。特に、このようなデバイスは、医薬品を短期間又は長期間に亘って規則正しい又は不規則な基準で投与する適用分野を有している。
【0003】
これらの要望に適応するために、これらのデバイスは数多くの要件を充足しなければならない。先ず、デバイスは構造上強固でなければならないし、取扱い及びその操作及び所要の薬物用量の送達についての使用者の理解の観点より使用するためにはなお容易でなければならない。用量設定及び用量送達が、容易であり、直感的に認識可能であり、かつ明白なものでなければならない。さらには、デバイスは製造が安価であり、かつ処分に問題のないものでなければならない。
【0004】
このようなペン型注射器は例えば特許文献1に一般的に例示されている。この薬物送達デバイスは、使用者に反復投与の注射可能な薬物の選択を可能にし、また設定された用量の薬物を投薬し、また前記薬物を患者に適用するための用量表示メカニズムを含んでなる。
【0005】
仮にこのような既知の薬物送達デバイスが、それらの習得及び技能に基づいて、容易でかつ直感的に認識可能な医療機器を提供したとしても、このようなデバイスの最終使用者は、このような薬物送達デバイスを適切にかつ安全な方法で取り扱うためのサポートをなお必要とすることがある。
【0006】
例えば、薬物送達デバイスは、使用者がそれぞれの薬物送達デバイスの機能及び特徴について自らに情報提供し得るために、指示マニュアルと一緒に提供される。実際には、そのような指示マニュアル容易に紛失することがあり、特に再充填可能な又は再使用可能な薬物送達デバイスの長期使用中にそのようになることがある。デバイス若しくは他のデバイス関連又は医薬品関連の情報が辿れなくなるこのような場合、薬物送達デバイスの取り扱いが不適切になる危険が増大する。このような不適切な取扱いはいずれも、不適切な、かつ誤った用量の設定及び投薬を伴い、例えば、使用者、即ち患者に重大な結果を伴うものである。
【0007】
患者が複数の異なった型の薬物送達デバイスを取り扱わねばならないような状態、又は患者以外の人が事前設定された用量を投与しなければならないような場合、この危険性はさらに増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP1913967A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、特に、取扱いが容易でかつ安全な医薬品の用量を投薬するための改良された薬物送達デバイスを提供するものである。本発明のさらに他の目的は、適切でかつ明白なデバイスの取り扱いについての情報を変わりなく使用者に提供するための有効な手段を提供し、また医薬品関連又は治療関連の情報を提供するにところにある。さらに、薬物送達デバイスは製造費用が安価であり、かつまた機械的に安定かつ強固でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、医薬品の用量を投薬するための薬物送達デバイスを提供するものである。薬物送達デバイスは、少なくとも一つのハウジング構成要素を有するハウジングを含んでなる。デバイスはさらにカートリッジのためのホルダー又はカートリッジを含んでなり、カートリッジは薬物送達デバイスによって投薬される医薬品を含有している。さらに、デバイスは、医薬品の所定の用量を設定及び/又は投薬するためのカートリッジと使用可能に係合し得る用量投薬メカニズムを有している。代表的な実施態様では、カートリッジは、用量投薬メカニズムの移動可能なピストンロッドと相互作用するピストンを含んでなる。同様に、用量投薬メカニズムとカートリッジとの間の相互作用が異なった原理に基づいていることを企図し得る更なる実施態様も存在する。
【0011】
遠位方向、即ち患者の方を指向する方向において、カートリッジは典型的には針、カニューレ、注入チューブ又は類似の送達器具と連結されるものである。カートリッジそれ自体は交換可能な又は使い捨てアンプル、カートリッジ、カープル又はシリンジとしてデザインすることができる。カートリッジがピストンを含んでなるこのような実施態様では、前記ピストンは、カートリッジから事前設定された用量の医薬品を放出するために、典型的には遠位方向に移動可能である。
【0012】
薬物送達デバイスは、更に表示エレメントを含んでなり、このエレメントは、少なくとも一つのハウジング構成要素に関して、移動可能なように配置されている。表示エレメント及びハウジングエレメントは、表示エレメントに提供される情報を選択的に隠蔽又は覆い隠すために及び/又は選択的に示現するために相互に移動可能である。
【0013】
好ましくは、表示エレメント上に又は表示エレメントによって提供される情報は、薬物送達デバイスの適切な利用について情報提供をする。加えて又は代替的に、表示エレメントによって提供される情報はカートリッジに含まれている医薬品について情報提供し得る。更に、表示エレメントは、患者が厳守しなければならないこともある一時的な用量投薬パターンに関する情報及び指示をも提供し得る。
【0014】
医薬品関連又はデバイス関連の情報を提供するための表示エレメントは好ましくは薬物送達デバイスに取り外し不可能なように連結されている。このようにして、適切なデバイス取扱いに関する重要な情報が、デバイスを長時間にわたって使用しているときでも、失われないことが確実となる。
【0015】
表示エレメントとハウジング構成要素との相対的な移動により、本発明では、要求に応じてのみ所望の情報を提供するように適合された情報示現メカニズムが提供される。そうでないときには、デバイス関連又は製品関連の情報は覆い隠し、隠蔽し又は隠すことができる。表示エレメントを隠蔽することによって、薬物送達デバイスの一般的な外観及びデザインが情報担持表示エレメントによって損なわれることがない。加えて、表示エレメントにカバーをかけることによって、表示エレメント上に又は表示エレメントによって提供される情報を、擦り減り及び摩耗に対して保護することができ、それによって情報の耐久性が増大する。
【0016】
本発明の第一の実施態様によれば、ハウジング構成要素は実質的にスリーブ様の形状からなり、そして表示エレメントは、情報を示現及び/又は隠蔽するために、スリーブ長軸と実質的に垂直に又は平行な方向に移動可能である。それで、ハウジング構成要素は、円形または楕円形の横断面の本質的にチューブ状の構造からなっている。あるいはまた、表示エレメントと相互作用するハウジング構成要素は長方形又は正方形の横断面からなっていてもよい。
【0017】
表示エレメントとハウジング構成要素との間の相対的移動の大きさは情報により必要とされるスペースにより定められる。好ましくは、情報はグラフ、絵又は書面の形態で表わされ得、そして表示エレメントとハウジング構成要素との間の相対的移動の間にそれまでに情報が連続して把握され得るような順序で配置されていてよい。
【0018】
例えば表示エレメントがハウジングの長軸に平行に移動可能なら、情報は好ましくは横方向に配置することができる。反対の場合、即ち表示エレメントがハウジング構成要素の長軸に関して横方向に移動可能である場合、絵、グラフ又は書面のいずれかの形態の情報の単位は、好ましくはハウジング構成要素の長軸に平行に隣接して配置される。このようにして、表示エレメント及びハウジング構成要素がそれぞれの情報単位で必要とされるスペースに相当する対応する距離の近辺に相互に移動すると直ちに、表示エレメントによって提供される情報の少なくとも一部をとらえることができる。
【0019】
別の観点では、表示エレメントはハウジング構成要素内部に折り曲げ可能及び/又は巻きつけ可能なように配置される。この実施態様では、表示エレメントは柔軟性があり、そして、表示エレメントを折り曲げ又は巻きつけ可能なようなシート状構造からなる。このようにして、表示エレメントとハウジング構成要素との間の相対移動も表示エレメントそれ自体の機械的変形と一致するようになる。
【0020】
特に、折り曲げ可能な構成では、表示エレメントはハウジング構成要素に一端部分で強固に接続されていてよいが、反対端部分、好ましくは、自由端部分はハウジング構成要素に関して相対移動を受けやすくなっている。表示エレメントを折り曲げ可能及び/又は巻きつけ可能として実施することによって、表示エレメントに適応するのに必要なスペースを最小限に保持することができるが、一方ではその情報含有表面が拡大され得る。折り曲げ又は巻きつけによって、表示エレメントは容易にハウジング構成要素中に埋設することができる。
【0021】
本発明の更に他の好ましい実施態様によれば、表示エレメントはハウジング構成要素に巻きつけ可能なように装着されているインナースリーブ上に巻きつけられる。ここで、インナースリーブ及びハウジング構成要素は相互に対応する形状からなり、ここでインナースリーブはハウジング構成要素に比較して若干横断面が小さくなっている。表示エレメントは巻きつけ可能なシート状構造からなっていてもよく、一端部分でインナースリーブに強固に接続されていてよいが、一方ではシート状表示エレメントの別の反対の部分はハウジング構成要素に関して移動自由である。このようにして、表示エレメントは、ハウジング構成要素からその情報を示現するために引き出すのに適合されている。
【0022】
好ましくは、表示エレメントは巻きつけ可能なインナースリーブの外周に巻きつけられるものであり、それにより、表示エレメント及びその情報がハウジング構成要素によって隠蔽又は覆い隠されている当初の位置で、表示エレメントがインナースリーブとハウジング構成要素との間に巻きつけられる。
【0023】
改善された実施態様では、ハウジング構成要素は、表示エレメントの少なくとも自由端部分により交差される縦スリットからなる。スリットは好ましくはハウジング構成要素又はインナースリーブの長軸に平行に伸びている。表示エレメントがこのスリット中を伸びるように適合されているので、ハウジングから突出している表示エレメントの自由端部分を握り、引き出すことにより、表示エレメントを広げることができる。従って、表示エレメントがインナースリーブ上にほぼ完全に巻きつけられていても、表示エレメントの自由端部分を少なくとも部分的に使用し得ることが企図されている。
【0024】
本発明の別の実施態様によれば、表示エレメントはハウジング構成要素の外周に容器に折り曲げ可能なように配置されている。ハウジング構成要素の容器は典型的には、その情報内容を示現又は開示するために、折り曲げた表示エレメントを広げ、そして取り出すのを可能にする開口部を有している。容器は典型的には実質的にスリーブ様ハウジング構成要素に関して外側に放射状に開口している。しかしながら、代替的な実施態様では、容器及びその折り曲げ可能な表示エレメントをハウジング構成要素の近傍軸端部分に配置することもあり得ることである。
【0025】
定義の明確な方法で折り曲げ可能であるためには、表示エレメントは多数の折り曲げ線を含んでなり、これに沿って表示エレメントの隣接部分を相互に折り曲げることができる。折り曲げ線は好ましくは縦方向に伸び、それ故ハウジング構成要素の長軸と実質的に平行になっている。
【0026】
ハウジング構成要素の外周に容器を提供することにより、ハウジング構成要素の横断面が円形形状から外れることがある。長方形であってもよい容器の形状に基づいて、ハウジング構成要素の全体の形状は対応して変化し得る。しかしながら、このような実施態様は、表示エレメントの実施がハウジング構成要素の内部構造及び寸法に対してほとんど効果を有していないという利点と一致するものとなる。このようにして、前記ハウジング構成要素の内部に配置される構成要素は、先行技術で知られている実施態様に比して、変わらないままでよい。
【0027】
折り曲げられた表示エレメントを受容するための容器はハウジング構成要素と一体化して形成され得る。あるいはまた、ハウジング構成要素に接続される別個の構成要素として設計されていてもよい。
【0028】
さらに他の好ましい実施態様によれば、表示エレメントはその自由端部分にグリップエレメントを含んでなる。このようにして、特に、表示エレメントを情報示現構成中に広げるか又は開くために、表示エレメントの自由端の握りが容易になる。グリップエレメントは棒様又は横木様の形状からなってよい。好ましい実施態様では、グリップエレメントは、表示エレメントがその隠蔽又は覆い隠しされた当初の構成にあるときに、ハウジング構成要素の外表面に接していてもよい。
【0029】
グリップエレメントはハウジング構成要素のスリット又は容器の開口部の長さに匹敵する縦の延長部を有し得る。このようにして、表示エレメントはハウジングスリット又は容器開口部に沿ったいずれの個所でも容易に握ることができる。
【0030】
本発明の別の観点では、表示エレメントは、その自由端に容器又はハウジング構成要素のスリットを覆う蓋を有している。蓋及びグリップエレメントは、例えばT型横断面を有する単独の共通片に提供され得、そこではスリット又は開口部を横に伸びている部分が蓋として働き、そして放射状の方向に突出している隣接部分がグリップエレメントとして働くものである。好ましくは、蓋とグリップエレメントとの組合せが、柔軟な表示エレメントの自由端に強固に接続されている。横断蓋部分は、更には容器の内部又はハウジング構成要素の内部を環境の影響、例えばダスト及び湿気に対して保護するためのシールとして働き得る。
【0031】
本発明の別の実施態様によれば、ハウジング構成要素及び表示エレメントは、対応するスリーブ様形状を有している。これらは更にはスリーブの長軸に沿って相互に関連して配置されている。
【0032】
また、二個のスリーブ、表示エレメント及びハウジング構成要素は交互配置様式で同心的に配置されている。好ましくは、表示エレメントはその外表面に情報を含んでなり、表示エレメントを受け入れるように適合されているハウジング構成要素よりも小さい横断直径を有している。このようにして、表示エレメントによって提供された情報は、ハウジング構成要素又は表示エレメントが軸移動可能な構成要素として設計されているか否かによって、ハウジング構成要素に関して表示エレメントを滑動可能なように移動させるか、又は表示エレメントに関してハウジング構成要素を滑動可能なように移動させることによって示現される。
【0033】
更に他の好ましい実施態様によれば、表示エレメント及びハウジング構成要素は、対応する縦スリットと係合される少なくとも一つの縦リブを含んでなる。このようにして、回転軸として共通する縦軸での表示エレメントとハウジング構成要素との間の相対回転が有効に防止し得る。縦の放射状に突出しているリブは、表示エレメントの外周に配置されているか、又は放射状に内部指向しているように、ハウジング構成要素の内部表面に配置されていてもよい。対応して、突出リブと係合する縦スリット又は縦ノッチがハウジング構成要素又は表示エレメントの対応する表面に配置され得る。
【0034】
さらに他の好ましい実施態様によれば、ハウジング構成要素及び/又は表示エレメントは、少なくとも一個のスプリングエレメントによって提供されるスプリングの力に対して情報示現構成中に移動可能である。表示エレメントが回転可能なインナースリーブで巻きつけられる実施態様では、前記スリーブの回転が、例えば戻りスプリングによって、スプリング付勢されていてもよい。このようなスプリングエレメントによって、引き出された表示エレメントは、反作用をする張力が放射状外方向に表示エレメントにそれ以上適用されなくなると直ぐに、自律的に巻きつけられる。
【0035】
また、表示エレメントの折り曲げ可能な実施態様はスプリングエレメントと組み合わせることができ、スプリングエレメントは自律的な巻き取りを提供するために折り曲げ可能な表示エレメントに埋設されていてよい。さらに、スリーブ様表示エレメント及びハウジング構成要素は、ハウジング構成要素により情報が隠蔽又は覆い隠しされている当初の構成中に二つの構成要素を戻すように、適切なスプリングエレメントによって反対の作用をすることができる。
【0036】
本発明のその他の好ましい実施態様によれば、表示エレメントにはプリントされた情報、例えばグラフ及び絵で表したイラスト、絵文字及び文字がプリントされている。例えば、表示エレメントは、例えば紙製の引裂抵抗性シート、特に塗被紙若しくは積層紙又はセルロース基材上の類似の基体からなり得る。あるいはまた、表示エレメントはポリマー基材上にプリント可能な、及びプリントされたシート材料からなり得る。
【0037】
その他の実施態様によれば、表示エレメントは、紙の上の通常インクの外見に類似するように適合された電子ペーパーディスプレイを含んでなる。それは、電場の適用によって荷電顔料粒子を再配置することにより可視画像を形成し得る電気泳動表示として適合されていてよい。適用電圧により限定された水―油界面の形状を制御することに基づくエレクトロウェッティングディスプレイの原理を利用するその他の考えられる電子ペーパーディスプレイも企図されている。
【0038】
このような電子ペーパーディスプレイは更に要望に応じて再構成可能であり、電力消費を無視し得るか又は電力消費無しに、長時間持続性及び耐久性のある情報パターンを提供し得る。
【0039】
その他の実施態様では、電子ペーパーディスプレイは、接地に関してのその絶対配向に従って、それ自体を再構成するように適合させ得る。従って、デバイスのモーメント配向についての情報を提供するある種の配向、位置又は重力センサーをデバイスに装着し得る。この位置情報に従って、ディスプレイは、読み取り方向が重力のモーメント方向に実質的に垂直であるか、又は垂直のままであるような方式で、文字通り又は図形の情報を配置するように再構成し得る。従って、使用者がデバイスを傾けると、表示された情報がデバイスに関して相応して傾けられる。このようにして、電子ペーパーディスプレイによって表示される情報は、デバイスのモーメント配向とは無関係に、使用者にとって真っ直ぐになっていて、かつ読み取り可能のままである。
【0040】
本明細書で使用される「医薬品」は、少なくとも一つの薬学的に活性な化合物を含有する医薬製剤を意味し、
ここで、一つに実施態様においては、薬学的に活性な化合物は、1500Daまでの分子量を有し、そして/又はペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、別の実施態様においては、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症、血栓塞栓性疾患、例えば、深静脈又は肺血栓塞栓症、急性冠動脈症候群(ACS)、アンギーナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症及び/又は関節リウマチなどの糖尿病に関連する合併症の治療及び/又は予防に有用であり、
ここで、別の実施態様においては、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療及び/又は予防のための少なくとも1つのペプチドを含んでなり、
ここで、別の実施態様においては、薬学的に活性な化合物は、少なくとも一つのヒトインスリン、又はヒトインスリン同族体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその同族体若しくは誘導体、又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4、又はエキセジン−3若しくはエキセジン−4の同族体若しくは誘導体を含んでなる。
【0041】
インスリン同族体としては、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリン、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、ここで、B29位において、Lysは、Proで代替され;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン及びDes(B30)ヒトインスリンがある。
【0042】
インスリン誘導体としては、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン;及び,B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンがある。
【0043】
エキセンジン(Exendin)−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、ペプチドの配列:HHis−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0044】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物のリスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC末端に結合してもよく;
【0045】
又は以下のエキセンジン−4誘導体の配列:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desMet(O)14Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2,
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2; H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
から選択され、
又は、エキセンジン−4誘導体のいずれかとの薬物的に許容可能な塩又は溶媒和物から選択される。
【0046】
ホルモンとしては、例えば、脳下垂体ホルモン、又は視床下部ホルモン、又は調節活性ペプチド、及び2008年編纂の、Rote Liste、第50章にリストアップされたそれらの拮抗剤がある。ホルモンの例としては、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、 ゴセレリンがある。
【0047】
多糖類としては、例えば、グルコサミンノグリカン、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン又は超低分子量ヘパリン又はその誘導体、或いは上記多糖類の硫酸化、例えば、ポリ硫酸化形態、及び/又はその薬物的に許容可能な塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬物的に許容可能な塩の例には、エノキサパリンナトリウムがある。
【0048】
薬学的に許容可能な塩としては、例えば、酸付加塩、及び塩基付加塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基付加塩としては、例えば、アルカリ又はアルカリ性の、例えば、Na+、又は、K+、又はCa2+、又はアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)から選択されるカチオンを有する塩であり、ここで、R1〜R4は、互いに独立して、水素、場合により置換されるC1−C6−アルキル基;場合により置換されるC2−C6−アルケニル基;場合により置換されるC6−C10−アリール基;又は、場合により置換されるC6−C10−ヘテロアリール基を意味する。更なる薬学的に許容される塩の例としては、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17.Ed.Alfonso R.Gennaro(Ed.), Mark Publishing Company,Easton, Pa., U.S.A., 1985、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0049】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0050】
本発明については、発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変形及び変更をなしうることが当業者に明らかであろう。更には、添付の特許請求の範囲で使用されるいずれの参照記号も本発明の範囲を限定するものと解すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】透視面での回転可能な表示エレメントを有する本発明の第一実施態様を概略的に例示する。
【図2】概略的に示された横断面の例示で、巻きつけられた表示エレメントを有する図1による実施態様を例示する。
【図3】交互配置されたスリーブ様表示エレメント及びハウジング構成要素を有する本発明の第二の実施態様を概略的に説明する。
【図4】当初の隠蔽された構成の表示エレメントを有する図3による実施態様を示す。
【図5】広げた構成での折り曲げ可能な表示エレメントを有する本発明の第三の実施態様を概略的に説明する。
【図6】折り曲げられた表示エレメントを有する図5による実施態様を例示する。
【0052】
発明の詳細な説明
図1及び2では、本発明の第一の実施態様を例示する。ハウジング構成要素100は、用量投薬メカニズムのためのハウジングとして又は薬物送達デバイスのハウジングの部分を保持するカートリッジとして働き得、回転可能なように装着されたインナースリーブ108を収容している。ハウジングエレメント100及びインナースリーブ108は円形の横断面を有し、それによりインナースリーブ108はスリーブ100,108の長軸の周りを自由回転する。
【0053】
表示エレメント102はシート様外形を有し、形状は図2に例示したようにインナースリーブ108が巻きつけられるように適合されている。それ故、図2による巻きつけられた構成では、柔軟かつ巻きつけ可能な表示エレメント102がインナースリーブ108の外周の周りに巻きつけられる。
【0054】
ハウジング構成要素100は、図2に例示されたように、少なくとも縦のスリット112を更に含んでなり、表示エレメント102が放射状方向に引き出されるのを可能とする。このために、その自由端部部分で、表示エレメント102はグリップエレメント104を含んでなり、このエレメントは棒又はレール様構造を有し、そして実質的に縦方向に伸びている。図2の横断面の例示から更に明らかなように、インナースリーブ108はハウジング構成要素に関してスプリング付勢されている。それ故、グリップエレメント104に放射状の外向きの力を及ぼすことによって、表示エレメント102は、インナースリーブ108のそれぞれの回転を伴って広がり、次いでスプリングエレメント110の復元力の増大をもたらす。
【0055】
図1に例示したように、一旦表示エレメント102がハウジング構成要素100から引き出されると、インナースリーブ108が、表示エレメント102の自律的な巻き取りのために、スプリングエレメント110の効果で反対方向に回転し得る。
【0056】
表示エレメント102それ自体はプリント可能なまたプリントされた情報シートとして又はプリントされた情報ログとして実行され得る。シート102はセルロース又はポリマーベースであってよく、また塗被又は積層されていてよく、それによってプリンとされた情報が表示エレメント102上で耐久性を保持する。プリントされた情報は、薬物送達デバイスのカートリッジに含まれる医薬品の種類について情報提供し得る。
【0057】
更には、表示エレメント102は薬物送達デバイスの適正な使用についての情報を提供し得る。それは薬物送達デバイスの広範な又は省略された指示マニュアルを提供し得る。更には、表示エレメント102は、薬物送達デバイスの適切かつ安全な適用に有用かつ必要であり得る患者関連又は治療関連の情報を提供し得る。
【0058】
更に図2から明らかなように、インナースリーブ108も縦スリットを含んでなり、これは表示エレメント102の末端部分及び/又は固定エレメント106を受容するように適合されている。固定エレメント106は典型的には表示エレメントのシート102と強固に連結または結合されているウエルトの型式として設計されている。表示エレメント102のそれぞれの端部分をインナースリーブ108の前記スリット中に滑動させて導入することによって、シート様表示エレメント102を少なくとも横断移動に関してインナースリーブ108に強固に連結することができる。
【0059】
固定エレメント106はインナースリーブ108スリットよりもサイズが大きいので、グリップエレメント104を半径方向に外側に引くことによって、表示エレメント102を広げることがスプリングエレメント110の作用に対抗するインナースリーブ108のそれぞれの回転をもたらす。
【0060】
図3による第二の実施態様は、むしろ堅くかつ非柔軟性の挙動を有する表示エレメント202を例示する。ここでは、表示エレメント202は、放射状に外側に突出しているリブ204を有するスリーブ様形状寸法を含んでなる。表示エレメント202は、ハウジング構成要素202に関して滑動可能なように配置されている。この交互配置された配置により、表示エレメント202の外周に提供された情報を示現又は隠蔽するために、相対的な軸変位が可能である。
【0061】
この実施態様では、表示エレメント202それ自体がハウジング構成要素として作用し得、これに対してハウジング構成要素200は表示エレメント202にプリントされた情報のための滑動可能なカバーとして役立ち得る。この実施態様では、表示エレメント202又はハウジング構成要素200のいずれか一つが薬物送達デバイスのさらなる(特に図示されていない)ハウジング構成要素に連結されていて、このデバイスは例えば用量投薬メカニズム(図示されていない)又は医薬品で充填されたカートリッジ(図示されていない)を含んでいる。
【0062】
また、表示エレメント202の放射状に突出しているリブ204はハウジング構成要素200のスリット又はノッチ206と嵌合している。このようにして、回転軸として縦軸を有する表示エレメント202とハウジング構成要素200との間の相互回転を有効に阻止できる。相互に嵌合しているエレメント、リブ204及びスリット又はノッチ206によって、これらの二つのスリーブ様構成要素200、200の間の相対的な軸滑り変位を認めることができる。
【0063】
図4では、表示エレメント202はその当初の位置にあり、そこではハウジング構成要素200のよって完全に隠蔽又は覆い隠されている。放射状に突出しているリブ204はハウジング構成要素200から平らに突出しているので、使用者にとって、ハウジング構成要素200に関して表示エレメント202を滑動可能なように変位するためのグリップの補助として役立つことができる。
【0064】
図5及び6に例示した第三の実施態様では、折り曲げ可能な表示エレメント102が提供され、それは縦方向に伸びている、即ち、ハウジング構成要素300の長軸に平行な規則正しく間隔のあいた折り曲げ線310を含んでなる。広げた構成が図5では例示されているが、表示エレメント302の折り曲げ、かつ隠された構成は図6に例示されている。明らかなように、折り曲げ可能なシート様表示エレメント302はジグザグ様の方式で折り曲げられるように適合されている。従って、折り曲げ線310で分離される表示エレメント302の隣接部分は図6の折り曲げられた(明確に例示されていない)構成において相互の頂部に配置されている。
【0065】
さらに図5からわかるように、ハウジング構成要素300は折り曲げた表示エレメント302を受容するための若干長方形の形の容器308を一体化して含んでなる。ハウジング構成要素300の内部部分から離れているその自由端として、表示エレメント302は組み合わせた蓋及びグリップエレメント304,306と強固に連結されている。この組み合わせたグリップ及び蓋エレメント304,306はT−型横断面を有している。ここで、蓋区域306は容器308を密閉するように適合されていて、一方グリップ区域304は、表示エレメント302を広げる目的のために、使用者によりグリップされるように適合されている。
【0066】
さらに加えて、表示エレメント302は、表示エレメント302をその折り曲げた構成に保持するために、一体化したスプリングエレメントを含んでなっていてもよい。このようにして、表示エレメント302から引き出すことによる情報の示現はスプリングの力に対抗して実施されなければならない。グリップエレメント304を開放すると直ちに、少なくとも一つの一体化したスプリング又は予め張力をかけているエレメントが、図6に例示しているように、表示エレメント302をその広げた構成に戻すのに役立っている。
【0067】
相互に移動可能な表示エレメント及びハウジング構成要素の例示された実施態様は、一切特別なハウジング構成要素に限定されるものではない。一般に、例えばペン型注射器のような薬物送達デバイスのいずれの縦又はスリーブ様ハウジング構成要素は、たとえハウジング構成要素100,200,300が、カートリッジ保持部分、ペンキャップとして又は薬物送達の用量投薬メカニズムを収容するように適合されたハウジング構成要素として、提供されるか否かであっても、原則的には例示された表示エレメント及び適切な示現及び隠蔽メカニズムのいずれをも備えるのに適切である。
【符号の説明】
【0068】
100:ハウジング
102:表示エレメント
104:グリップエレメント
106:固定エレメント
108:インナースリーブ
110:スプリングエレメント
112:スリット
200:ハウジング
202:表示エレメント
204:突起部
206:スリット
300:ハウジング
302:表示エレメント
304:グリップエレメント
306:蓋
308:容器
310:折り曲げ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 少なくとも一つのハウジング構成要素(100;200;300)を有するハウジング、
− カートリッジのためのホルダー又はカートリッジ(該カートリッジはそれぞれ医薬品を含んでなる)、
− 医薬品の予定の用量の設定及び/または投薬のためにカートリッジと実施可能なように係合された用量投薬メカニズム、及び
− 少なくとも一つのハウジング構成要素(100;200;300)に関して移動可能なように配置されている表示エレメント(102;202:302)
からなり、
ここで表示エレメント(102;202:302)及びハウジング構成要素(100;200;300)が表示エレメント(102;202:302)に提供された情報を選択的に隠蔽及び/又は示現するために相互に移動可能である医薬品の用量を投薬するための薬物送達デバイス。
【請求項2】
ハウジング構成要素(100;200;300)が実質的にスリーブ様形状を有し、そして表示エレメント(102;202:302)が情報を示現するためにスリーブの長軸に対して実質的に垂直又は平行な方向に移動可能である請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
表示エレメント(102;302)がハウジング構成要素(100;300)の内部で折り曲げ可能なように及び/又は巻きつけ可能なように配置されている請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
表示エレメント(102)がハウジング構成要素(100)に回転可能なように装着されているインナースリーブ(108)に巻きつけられる請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
ハウジング構成要素(100)が表示エレメント(102)の少なくとも自由端部分により交差される縦スリットを含んでなる請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
表示エレメント(302)がハウジング構成要素(300)の外周において容器に折り曲げ可能なように配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
表示エレメント(102;302)がその自由端部分においてグリップエレメント(104;304)を含んでなる請求項1〜6のいずれか1項記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
表示エレメント(102;302)がその自由端部分において容器(308)又はハウジング構成要素(300)のスリットを覆うための蓋(306)を含んでなる請求項3〜7のいずれか1項記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
ハウジング構成要素(200)及び表示エレメント(202)が相当するスリーブ様形状を含んでなり、かつスリーブ長軸に相互に沿う関係で滑動可能なように配置されている請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
表示エレメント(202)がその外表面に情報を含んでなり、かつ表示エレメント(302)を受容するように適合されているハウジング構成要素(300)より小さい横断直径を有する請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
表示エレメント(18)及びハウジング構成要素(302)が、相当する縦スリット又はノッチ(206)と係合する少なくとも一つの縦リブ(204)を含んでなる請求項9又は10に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
表示エレメント(102;202;302)及び/又はハウジング構成要素(100;200;300)が、少なくとも一つのスプリングエレメント(110)によって提供されるスプリングの力に対抗する情報示現構成で移動可能である請求項1〜11のいずれか1項記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
表示エレメント(102;202;302)がプリントされた情報でプリントされる請求項1〜12のいずれか1項記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
表示エレメント(102;202;302)が電子ペーパーディスプレイを含んでなる請求項1〜12のいずれか1項記載の薬物送達デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−521820(P2012−521820A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502591(P2012−502591)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053966
【国際公開番号】WO2010/112407
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】