説明

経営計画立案・達成能力を高めるための教育システム装置および教育システムの動作方法。

【課題】適切な経営計画を立案する能力、および、立案した経営計画を達成する能力を高めることが可能な教育システム装置および教育システムの動作方法を提供することを課題とする。
【解決手段】問題意識の有無をチェックする問題意識チェックステップと、問題意識として持つべき情報を提供する基礎情報提供ステップと、社員・顧客に対して実施するアンケート結果を取得するアンケート結果取得ステップと、正しい経営計画の立て方を理解させる情報を提供する立案情報提供ステップと、アンケート結果に関連付けた経営計画の入力を受付ける経営計画入力受付ステップと、実際に業務を行った結果の入力受付け、経営計画との乖離を算出・提示、改善案の入力受付け処理を繰り返し行うトレーニングステップと、トレーニングを終了してよいか判断する判断ステップと、を有する経営計画立案・達成能力を高める教育システムの動作方法などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業、特に経営コンサルタントなどの助力を必要としている中小企業において、社員に対して、適切な経営計画を立案する能力、立案した経営計画を達成する能力を身につけさせる教育システム装置および教育システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業にとって、「売上拡大」、「増収増益」の達成は、必要不可欠である。利益が手元に残れば、支店や事務所の拡大も可能になり、人材の採用や教育にお金をかけることが可能となる。そうすれば、優秀な人材を確保することが可能となり、更なる「売上拡大」、「増収増益」を達成することができる。また、「売上拡大」、「増収増益」という目標を達成することで、社長以下全社員が、「やればできる!」という達成感を得ることができ、仕事に対するモチベーションが高まり、更なる「売上拡大」、「増収増益」を達成することが可能となる。
【0003】
ここで、「売上拡大」、「増収増益」を達成するためには、「適切な経営計画を立てる−立案した経営計画を達成する」というプロセスを繰り返し行うことが必須である。しかしながら、「適切な経営計画を立てる能力」、「立案した経営計画を達成する能力」のいずれか一つでも不足している場合には、前記プロセスを適切に行うことができない。
【0004】
例えば、「適切な経営計画を立てる能力」が不足している場合には、ハードルの高すぎる経営計画を立ててしまい、途中で、または、最初から計画達成の意欲を失ってしまう場合がある。または、ハードルの低すぎる経営計画を立ててしまい、容易に計画を達成できてしまう場合がある。かかる場合には、「経営計画達成の過程」において必要となる問題点の抽出・改善の作業がなされないので、業務を実行する能力の向上は図れず、十分な「売上拡大」、「増収増益」を達成することはできない。すなわち、ハードルの低すぎる経営計画を達成しても、本来の意味での「適切な経営計画を立てる−立案した経営計画を達成する」を実行したとはいえない。
【0005】
すなわち、「売上拡大」、「増収増益」を目標に掲げる企業にとっては、社員に対し、「適切な経営計画を立案する能力」、「立案した経営計画を達成する能力」を身につけさせることは不可欠である。
【0006】
ここで、従来技術における教育システムとしては、例えば、特許文献1や特許文献2のようなものがあった。
【特許文献1】特開2005−250005
【特許文献2】特開2001−350854
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明では、社員が、適切な経営計画を立案する能力、および、立案した経営計画を達成する能力を高めることが可能な教育システム装置および教育システムの動作方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、以下のような発明などを提供する。
【0009】
第一発明では、社員の経営計画立案・達成能力を高めるための教育システムの動作方法であって、経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックする問題意識チェックステップと、問題意識として持つべき点は、社内のコミュニケーション不足、社員の社外情報の入手不足、社員の問題意識不足、社員の行動及び業務内容の無駄にある点を理解させるための情報提供を行う基礎情報提供ステップと、社員に対して行った業務目標と自己の業務実態との乖離を示すアンケートの結果と、顧客に対して行った業務に対する不満度についてのアンケートの結果と、を取得するアンケート結果取得ステップと、売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるための情報提供を行う立案情報提供ステップと、アンケート結果取得ステップにて取得したアンケート結果に関連付けた経営計画の入力を受付ける経営計画入力受付ステップと、経営計画入力受付ステップにて受付けた経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を受付ける処理、前記経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理、前記乖離情報を提供するとともに改善案の入力を受付ける処理、を繰返し行うトレーニングステップと、トレーニングステップで算出した乖離が所定の閾値以下であるか判断する判断ステップと、を有する経営計画立案・達成能力を高めるための教育システムの動作方法を提供する。
【0010】
第二発明では、社員の経営計画立案・達成能力を高めるための教育システム装置であって、経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックする問題意識チェック部と、問題意識として持つべき点は、社内のコミュニケーション不足、社員の社外情報の入手不足、社員の問題意識不足、社員の行動及び業務内容の無駄にある点を理解させるための情報提供を行う基礎情報提供部と、社員に対して行った業務目標と自己の業務実態との乖離を示すアンケートの結果と、顧客に対して行った業務に対する不満度についてのアンケートの結果と、を取得するアンケート結果取得部と、売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるための情報提供を行う立案情報提供部と、アンケート結果取得部にて取得したアンケート結果に関連付けた経営計画の入力を受付ける経営計画入力受付部と、経営計画入力受付部にて受付けた経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を受付ける処理、前記経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理、前記乖離情報を提供するとともに改善案の入力を受付ける処理、を繰返し行うトレーニング部と、トレーニング部で算出した乖離が所定の閾値以下であるか判断する判断部と、を有する経営計画立案・達成能力を高めるための教育システム装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の教育システム装置および教育システムの動作方法により、社員は、適切な経営計画を立案する能力および達成する能力を高めることが可能となる。その結果、企業としての経営計画を立案する能力および達成する能力を高めることができ、「売上拡大」、「増収総益」を達成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
<本実施形態の概要>
【0013】
本実施形態の教育システムは、請求項1に記載の7つのステップから構成される。これら7つのステップは、7つのステップのすべてを電子計算機の一連の動作方法として実現してもよい。または、7つのステップのそれぞれを電子計算機の一連の動作方法として実現し、それらを組み合わせることで、一連の教育システムを構成するようにしてもよい。
【0014】
前記のような教育システムは、請求項2に記載の教育システム装置により実現することができる。なお、請求項2に記載の教育システム装置は、単一の機器で構成されてもよいし、複数の機器を組み合わせることで構成されてもよい。
【0015】
以下、図1を用いて、本実施形態の教育システムの概要を説明する。なお、ここでの各ステップの説明は、理解しやすいように、利用者の立場にたち、各ステップで行うべき内容を説明したものである。
【0016】
「ステップ0」では、経営計画立案・達成のための能力が不足していることを認識する。
【0017】
「ステップ1」では、経営計画立案・達成のための根幹となる知識を習得する。
【0018】
「ステップ2」では、適切な経営計画を立案するために、現状を適切に把握するための資料を収集する。
【0019】
「ステップ3」では、『売上拡大』、『増収増益』の基本的考え方に従った、正しい計画の立て方を知る。
【0020】
「ステップ4」では、ステップ2で収集した資料を基に、経営計画を立案する。
【0021】
「ステップ5」では、『立案した経営計画に従って実際に行動』→『現状分析』→『改善トレーニング』、を繰り返し行う。
【0022】
「ステップ6」では、前記ステップで身に付けた能力を基に、『経営計画の立案』→『経営計画の達成』を繰り返し行い、『売上拡大』、『増収増益』を実現する
<本実施形態の機能的構成>
【0023】
本実施形態の「教育システム装置」の機能ブロックの一例を図2に示す。図2に示すように、本実施形態の「教育システム装置」(0200)は、「問題意識チェック部」(0201)と、「基礎情報提供部」(0202)と、「アンケート結果取得部」(0203)と、「立案情報提供部」(0204)と、「経営計画入力受付部」(0205)と、「トレーニング部」(0206)と、「判断部」(0207)を有する。
【0024】
なお、本実施形態の教育システム装置は、必ずしも、前記構成要件を、物理的に分離した一つの機器のみで実現する必要はない。すなわち、複数の機器を組み合わせて利用することで実現してもよい。
【0025】
ここで、本装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやRAM、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部やその外部周辺機器用のI/Oポート、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるユーザインターフェイスなどが挙げられる。
【0026】
またこれらハードウェアやソフトウェアは、RAM上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェイスを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、および同製品を記憶媒体に固定した記憶媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0027】
以下、本実施形態の「教育システム装置」(0200)の、「問題意識チェック部」(0201)と、「基礎情報提供部」(0202)と、「アンケート結果取得部」(0203)と、「立案情報提供部」(0204)と、「経営計画入力受付部」(0205)と、「トレーニング部」(0206)と、「判断部」(0207)の機能的構成について詳細に説明する。
【0028】
「問題意識チェック部」(0201)は、経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックするよう構成されている。「経営計画立案・達成」は、企業としての目標である「売上拡大」、「増収増益」、などを達成するために必須のプロセスである。「問題意識チェック部」(0201)は、社員の「経営計画立案・達成」のための問題意識の有無をチェックするとともに、社員に対して問題意識の欠如を認識させる機能をも有する。
【0029】
ここで、問題意識チェック部(0201)が、経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックする具体的手段としては、例えば、「現在の自社の経営計画は何ですか?」、「自社の経営計画を達成するためのあなた(社員)の経営計画は何ですか?」、「自社またはあなたは経営計画達成のためにどんな試みを行っていますか?」、「経営計画達成のために、適切な人に相談し、適切な人と協力できましたか?」、「経営計画の見直しはどれくらいのスパンで行っていますか?」、「前回立案した経営計画は達成できましたか?」、「その経営計画は達成可能なものでしたか?」、「その経営計画はハードルが低すぎませんでしたか?」、「その経営計画を達成することで、あなたの能力は向上しましたか?」などの質問を保持しておき(前記質問は一例)、音声情報、文字情報、静止画像/動画像情報、または、それらの組み合わせにより、ディスプレイやスピーカなどを介して出力する。そして、前記質問に対する回答の結果を、キーボードや、操作キーなどからの入力、タッチパネル入力、スキャニング、マイクを利用した音声入力などの手段により受付ける。そして、受付けた質問の回答を基に、社員の「経営計画立案・達成」のための問題意識の有無をチェックしてもよい。
【0030】
質問の回答を基に、社員の「経営計画立案・達成」のための問題意識の有無をチェックする手段としては、各質問の回答を得点化し、その合計点で判断する手段などが考えられる。各質問の回答の結果を得点化する手段としては、例えば、「丸バツ方式」や、「五択方式」などの質問の場合には、「丸:50点、バツ:0点」、「1:50点、2:40点、3:30点、4:20点、5:10点」などの得点化ルールを質問毎に定めておき、前記ルールを利用して得点化してもよい。その他、「現在の自社の経営計画は何ですか?」などのように、回答が文章になる質問の場合には、その質問に特有の「キーワード」を一以上保持しておき、「キーワード」がどの程度含まれるかを基に得点化してもよい。例えば、前記質問の場合には、自社の経営計画を顕著に表す「キーワード」を一以上保持しておき、前記キーワードがいくつ含まれるかで、得点化してもよい。また、その他、回答の文字数を基に得点化してもよい。
【0031】
問題意識チェック部(0201)は、前記のようにして社員の問題意識の有無をチェックすると、その結果をディスプレイやスピーカを介して出力することで、社員に対して問題意識の欠如を認識させる。
【0032】
なお、前記質問は、質問の文章を社員に読ませることで、「経営計画立案・達成」のための問題意識の欠如を認識させる効果も期待される。よって、質問は読み飛ばしなどがされないような工夫を施すことが好ましい。例えば、画面上には質問が一問ずつ表示されるようにしてもよい。または、画面上に文字情報を表示するとともに、スピーカを介して音声情報をも出力するようにしてもよい。そして、音声情報の出力が一通り終了するまでは、質問の回答に応えることができないようにしてもよい。
【0033】
問題意識チェック部(0201)は、経営計画立案・達成のための問題意識の有無のチェックのためのプロセスを一通り終了すると、その旨を、以下の「基礎情報提供部」(0202)に通知する。
【0034】
「基礎情報提供部」(0202)は、問題意識チェック部(0201)よりプロセスを終了した旨の通知を受けると、問題意識として持つべき点は、「社内のコミュニケーション不足」、「社員の社外情報の入手不足」、「社員の問題意識不足」、「社員の行動及び業務の無駄」、にある点を理解させるための情報提供を行うよう構成されている。
【0035】
すなわち、社員は、問題意識チェック部(0201)により、自社または自己は、「経営計画立案・達成」のための問題意識が欠如している旨を認識させられた後、基礎情報提供部(0202)により、自社または自己が問題意識として持つべき事項を理解させられることとなる。
【0036】
ここで、基礎情報提供部(0202)の前記情報の提供を実現する具体的手段としては、『問題意識として持つべき点は、「社内のコミュニケーション不足」、「社員の社外情報の入手不足」、「社員の問題意識不足」、「社員の行動及び業務の無駄」である』ことを説いた、音声情報、文字情報、静止画像/動画像情報、または、それらを組み合わせたもの、のデータを保持しておき、前記データを基に、ディスプレイやスピーカなどを介して所望の情報を出力することで実現できる。なお、問題意識として持つべき点は、「社内のコミュニケーション不足」、「社員の社外情報の入手不足」、「社員の問題意識不足」、「社員の行動及び業務の無駄」であることを説いた情報は、以下の点を十分に考慮し、容易に理解可能に構成したもの(ショートストーリーなど)であることが望ましい。
【0037】
「社内のコミュニケーション不足」における「社内のコミュニケーション」とは、口頭、文書、電子データ、など、あらゆる手段を利用したコミュニケーションのことである。かかるコミュニケーションが不足していると、組織としての活動は成り立たない。例えば、各社員の業務の進捗状況が不明確となり、適切な仕事の割り振りが行えず、暇な社員がいたり、忙し過ぎて適切な判断・処理・対応などを行えない社員がいたりする事態が生じうる。また、クライアントからの情報を担当者が抱え込んでしまい、適切な対応を行えず、クレーム対象になってしまったりする。また、担当者が情報を抱え込んでしまうことで、売上拡大のチャンスを逃してしまう恐れもある。
【0038】
「社員の社外情報の入手不足」における「社外情報」とは、その企業に関するあらゆる情報のことであり、その企業にとってプラスな情報も、マイナスな情報をも含むものである。得てして、社内からの評価と社外からの評価は異なったりするものである。売上拡大のためには、社内情報のみならず社外情報をも十分に入手・検討した上で、適切な対応をとる必要がある。社外情報が不足していると、誤った経営判断をしてしまう恐れがある。また、社外情報の不足により、売上拡大のチャンスを逃してしまう恐れもある。
【0039】
「社員の問題意識不足」における「問題意識不足」は、「過去からの経験則に従って動く」、「周りの人に合わせて動く」、「上司に従って動く」、など、自分で考えて行動しない人間に生じやすい問題であり、このような人間は、自己に問題があることに気付きにくい。また、社員の問題意識不足が生じている場合には、「問題が起きても原因が明確にならない」、「よって改善策が見つからない」、「よって改善できない」、「新しいチャレンジをしない」、「変革が起きにくい」、などの問題が生じうる。また、売上拡大のチャンスが巡ってきても、それに気づかないという恐れもある。
【0040】
「社員の行動及び業務の無駄」は、適切な目的に向かって、適切な道筋で、適切な処理を行わないために生じうる問題である。その結果、社員などは、自分で勝手に不要な「仕事」や「作業」を作ってしまうこととなる。自己で考えて行動することは大切であるが、上司、仲間に相談し、自己の考えを検証した上で、行動する必要がある。すなわち、当該問題は、社内のコミュニケーション不足により生じうる問題でもある。このような無駄な業務などを行っている社員の中には、自己が無駄な業務などを行っていることに気づかず、自己は忙しく仕事をこなしていると勘違いしている者もいる点も問題である。当然に、社員の行動及び業務の無駄の問題が生じていると、本来の仕事が回らなくなり、ライバル会社との開発競争に敗れ、売上拡大のチャンスを逃してしまうなどの不利益を被る恐れがある。
【0041】
基礎情報提供部(0202)は、所定の情報提供を一通り終了すると、その旨を、以下の「アンケート結果取得部」(0203)に通知する。
【0042】
「アンケート結果取得部」(0203)は、情報提供部(0202)よりプロセスを終了した旨の通知を受けると、社員に対して行った業務目標と自己の業務実態との乖離を示すアンケートの結果と、顧客に対して行った業務に対する不満度についてのアンケートの結果とを取得するよう構成されている。具体的には、アンケート結果取得部(0203)は、あらかじめ、「社員に対して行うアンケート」と、「顧客に対して行うアンケート」とを保持しておく。そして、ディスプレイやスピーカを介して、前記アンケートを回答者に対して提示するとともに、キーボードや、操作キーなどからの入力、タッチパネル入力、スキャニング、有線/無線による通信、マイクを利用した音声入力などによりアンケートの回答を受付けるよう構成されている。
【0043】
これらのアンケート結果は、社内の現状を分析するために利用されるものであり、例えば、「社員に対して行うアンケート」は、図3のようなものであってもよい。アンケートの回答から、業務目標と自己の業務実態との乖離を算出することが可能となる。
【0044】
業務目標と自己の業務実態との乖離を算出する具体的手段としては、以下のようなものが考えられる。まず、図3のようなアンケートのそれぞれの項目に対してキーワードを設定しておく。例えば、「社員が社長や会社の方針を理解しているか」というアンケート項目に対しては、実際の「社長や会社の方針」の中から、「社長や会社の方針」を顕著に表す文言を抽出し、キーワードとして設定してもよい。そして、前記キーワードが、社員に対して行ったアンケートの回答中にどの程度存在するかを算出することで、業務目標と自己の業務実態との乖離を算出してもよい。その他の手段としては、「あなたが考える、会社の方針を実現するための具体的手段は?」というアンケート項目に対しては、前記キーワードを利用する手段のほか、そのアンケートの回答の文字数を算出し、文字数を得点化することで、業務目標と自己の業務実態との乖離を算出してもよい。かかる場合、白紙回答も、一つの判断材料として利用することが可能となる。なお、前記のような手段を実現するためには、アンケートの各項目における内容を出来るだけ詳細にし、回答の幅がある程度制限されるようにするのが望ましい。このようにすることで、効果的なキーワードを設定することが可能となり、実態を十分に反映した業務目標と自己の業務実態との乖離を算出することが可能となる。
【0045】
次に、「顧客に対して行うアンケート」としては、例えば、図4(A)〜(C)のようなものであってもよい。図4(A)〜(C)は、一例として、病院が顧客に対して行うアンケートの例を示したものである。顧客に対するアンケートは、例えば、「挨拶がきちんとできていなかったか?」、「返事ができていなかったか?」、「言葉使いが良くなかったか?」などのように、出来るだけ細かい内容にするのが望ましい。また、「満足度アンケート」ではなく、「不満度アンケート」とし、悪い点を抽出するのを目的としたものであるのが望ましい。
【0046】
なお、顧客に対するアンケートは、顧客に対して回答を強要することができない。よって、十分な量の回答を取得できない恐れがある。かかる場合には、偏ったアンケート結果が出てしまう可能性が高く、適切な現状把握のための資料としては利用できない。そこで、アンケート結果取得部(0203)は、顧客によるアンケートの回答率を高くするために、以下のような手段を有していてもよい。
【0047】
例えば、アンケート結果取得部(0203)は、5択、3択、丸バツ方式、などのように、比較的容易に回答することが可能なアンケート、及び、容易に回答が可能なインターフェイスを備えておいてもよい。または、アンケートの回答のためのインターフェイスにキャラクターを表示しておき、アンケートに回答すると、キャラクターが奇妙な動きをしたり、何かを話したりするように構成しておいてもよい。
【0048】
または、アンケートの匿名性を十分に確保することで、アンケートの回答率を高めてもよい。具体的には、アンケート取得部(0203)は、乱数生成器と、アンケートへの協力をお願いする文字情報を備えておく。また、アンケートのデータは、インターネット上のサーバに保持しておき、インターネットを介して、容易に、アンケートとその回答を送受信できるように構成しておく。
【0049】
そして、顧客に対して、紙媒体(手紙、FAX、メモ、など)、電子媒体(メール、など)、などの手段により、アンケートへの協力をお願いする文字情報を伝える際、いずれかの手段によりアンケートへの協力をお願いする文字情報を伝えるごとに、それぞれに固有の乱数を生成し、前記文字情報とともに前記乱数をも渡す。前記乱数はパスワードとして利用することになるが、アンケート結果取得部(0203)は、生成した乱数のみを保持し、その乱数を送信した宛先、送信時間などの関連情報は一切保持しないように構成する。なお、偶然同じ乱数を生成した場合には、その乱数を生成した回数を保持するようにする。
【0050】
そして、アンケート回答のため、サーバにアクセスしてきた顧客にパスワード(乱数)の入力を促し、前記入力情報を利用して、正当な顧客か認証する。その後、正当な顧客と認証した場合には、アンケートを送信し、アンケートの回答を受信する。また、保持している「生成した乱数の一覧データ」の中から、前記入力を受付けたパスワード(乱数)を消去する。このように構成することで、同じ顧客が、一つのパスワードを利用して、何度もサーバにアクセスすることを回避できる。
【0051】
前記のように構成することで、アンケート回答者の匿名性は確保され、回答率を高めることが可能となる。また、なりすましによるアンケートの回答を回避でき、アンケート結果の有用性を確保できる。
【0052】
アンケート結果取得部(0203)は、アンケートの結果を取得すると、その旨を、以下の「立案情報提供部」(0204)に通知する。なお、アンケート結果取得部(0203)は、社員に対するアンケートの結果を取得すると、その旨を、以下の「立案情報提供部」(0204)に伝えるように構成してもよい。そして、顧客に対するアンケートの結果は、随時取得し、内部メモリなどに格納するよう構成してもよい。
【0053】
「立案情報提供部」(0204)は、アンケート結果取得部(0203)からアンケート結果を取得した旨の通知を受けると、売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるための情報提供を行うよう構成されている。具体的には、「売上拡大の基本的考え方」を認識させることで、正しい経営計画の立て方を理解させることとなる。
【0054】
前記情報の提供を実現する具体的手段としては、立案情報提供部(0204)は、『売上拡大の基本的考え方』を説いた、音声情報、文字情報、静止画像/動画像情報、または、それらを組み合わせたもの、のデータをあらかじめ保持しておき、前記データを基に、ディスプレイやスピーカなどを介して所望の情報を出力することで実現できる。
【0055】
なお、売上拡大の基本的考え方を説いた情報は、「売上=数量×単価」であることを十分に考慮し、「数量」と「単価」を増やすことを説いたものであることが望ましい。例えば、「どのように新規顧客を獲得するか」、「既存顧客からの注文数量を増やすにはどうすればよいか」、「どのようにすれば単価をあげられるか」などである。さらに詳細には、「新規顧客獲得のためには、訪問回数、商談時間の十分な確保」、「商品知識の認識」、「キーマンの認識」、「十分な提案力・インタビュー能力の保持」が不可欠であることを説いたものであることが望ましい。
【0056】
立案情報提供部(0204)は、所定の情報提供を一通り終了すると、その旨を、以下の「経営計画入力受付部」(0205)に通知する。
【0057】
「経営計画入力受付部」(0205)は、立案情報提供部(0204)から所定の情報提供を一通り終了した旨の通知を受けると、アンケート結果取得部(0203)にて取得したアンケート結果に関連付けた経営計画の入力を受付けるよう構成されている。具体的には、経営計画の入力を受付けるためのインターフェイスをディスプレイに表示し、そこから、キーボードや、操作キーなどからの入力、タッチパネル入力、スキャニング、有線/無線による通信、マイクを利用した音声入力などにより経営計画の入力を受付けるよう構成されている。
【0058】
なお、入力を受付ける経営計画は、アンケート結果取得部(0203)にて取得したアンケート結果に関連付けたものである必要がある。経営計画入力受付部(0205)は、入力を受付けた経営計画が、アンケート結果取得部(0203)にて取得したアンケート結果と関連がない、または、関連が薄いと判断した場合には、「適切な経営計画でないと判断しました。別の経営計画を入力して下さい。」などのような文字情報、音声情報を出力し、別の経営計画の入力を促すように構成してもよい。入力を受付けた経営計画とアンケート結果取得部(0203)にて取得したアンケート結果との関連性を調べる手段としては、以下のようなものであってもよい。
【0059】
例えば、顧客に対して行った不満度についてのアンケートの結果、極めて評価が悪かったアンケート項目から、その項目を顕著に表す言葉を抽出し、キーワードとして保持しておく。例えば、結果が悪かったアンケート項目の中から、すべての名詞を抽出し、抽出した名詞をキーワードとして保持してもよい。かかる場合、アンケート項目を作成する際、一つの項目の中には、その項目を顕著にあらわす名詞を一つのみ含めるようにするのが望ましい。例えば、「笑顔がなかったか」、「挨拶がよくなかったか」などである。そして、前記のようにして抽出した複数のキーワードが、入力を受付けた経営計画の中にどれくらい含まれているかを判断することで、関連性を判断してもよい。
【0060】
または、社員などに対して行ったアンケートの中に、「社長または会社の方針並びに売上拡大計画を、それぞれの業務にどう反映させますか?」などのアンケート項目を設けておき、当該回答中に含まれる名詞(キーワード)が、入力を受付けた経営計画の中にどれくらい含まれているかを判断することで、関連性を判断してもよい。また、前記顧客に対して行った不満度についてのアンケートの結果の利用と、当該社員に対して行ったアンケートの結果の利用とを組み合わせて、関連性を判断してもよい。
【0061】
経営計画入力受付部(0205)は、適切な経営計画の入力を受付けると、その旨を、以下の「トレーニング部」(0206)に伝える。
【0062】
「トレーニング部」(0206)は、経営計画入力受付部(0205)から、適切な経営計画の入力を受付けた旨の通知を受けると、『経営計画入力受付部(0205)にて受付けた経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を受付ける処理』、『前記経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理』、『前記乖離情報を提供するとともに改善案の入力を受付ける処理』、を繰返し行うよう構成されている。
【0063】
『経営計画入力受付部(0205)にて受付けた経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を受付ける処理』は、前記入力を受付けるためのインターフェイスをディスプレイに表示し、そこから、キーボードや、操作キーなどからの入力、タッチパネル入力、スキャニング、有線/無線による通信、マイクを利用した音声入力などにより実現してもよい。受付ける「業務の結果を示すデータ」は、アンケート結果取得部(0203)が取得するデータと同様なものであってもよいし、または、社員の上司(管理者)などによる評価結果であってもよい。
【0064】
『経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理』は、前記受付けた「業務の結果を示すデータ」を利用して算出することができる。具体的には、「業務の結果を示すデータ」として、顧客に対して行った業務に対する不満度についてのアンケートの結果(5段階評価など)を取得する。そして、アンケートの項目の中の立案した経営計画と関連する項目の結果を抽出し、以前、顧客に対して行ったアンケートにおける同じ項目の結果と比較する。前記比較を、抽出した全てのアンケート項目において行い、比較結果の統計を算出することで、「経営計画とそれに従って行った業務との乖離」を算出してもよい。具体的には、経営計画に従って行った業務の合格点をあらかじめ定めておき(例:「85%以上」)、その合格点と算出した統計結果との乖離を算出するようなものでもよい。
【0065】
その他、「業務の結果を示すデータ」として、社員の上司(管理者)などによる評価結果を取得した場合には、評価結果を得点化することで、乖離を算出してもよい。かかる場合、社員の上司(管理者)などによる評価結果は、5段階評価、10段階評価など、数値化できるものであるのが望ましい。
【0066】
『乖離情報の提供処理』は、ディスプレイやスピーカを介して出力してもよいし、紙媒体に印刷して出力してもよい。
【0067】
『改善案の入力を受付ける処理』は、前記入力を受付けるためのインターフェイスをディスプレイに表示し、そこから、キーボードや、操作キーなどからの入力、タッチパネル入力、スキャニング、有線/無線による通信、マイクを利用した音声入力などにより実現してもよい。なお、入力を受付ける改善案は、適切なものである必要がある。そこで、トレーニング部(0206)は、入力を受付けた改善案が適切なものであるか判断する手段を有し、適切でないと判断した場合には、「適切な改善案でないと判断しました。別の改善案を入力して下さい。」などのような文字情報、音声情報を出力し、別の改善案の入力を促すように構成してもよい。入力を受付けた改善案が適切かどうか判断する手段としては、以下のようなものであってもよい。
【0068】
例えば、以前に受付けた改善案に含まれる文言と、新たに入力を受付けた改善案に含まれる文言とを比較し、新たに入力を受付けた改善案が以前に受付けた改善案と同様のものであると判断した場合には(「出現名詞が一定の確率以上で同じ」など)、不適切と判断してもよい。または、一定の文字数を超えていないものは不適切と判断してもよい。さらには、改善案は所定の協力者と相談して作成するように定めておき、協力者と相談したものでないと判断した場合には、不適切と判断してもよい。具体的には、協力者の名称やパスワードなどを必須の入力情報としてもよい。前記は、なりすましを防止するため、指紋認証などの技術を利用してもよい。
【0069】
トレーニング部(0206)は、「経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理」を行うと、その結果を、以下の「判断部」(0207)に通知する。
【0070】
「判断部」(0207)は、トレーニング部(0206)より前記結果の通知を受けると、トレーニング部(0206)で算出した乖離が所定の閾値(任意の設計事項)以下であるか判断するよう構成されている。
【0071】
判断部(0207)は、乖離が所定の閾値以下であると判断すると、「トレーニングを終了」する旨の通知を、ディスプレイやスピーカを介して、社員に通知するとともに、トレーニング部(0206)を制御し、繰返し行っているトレーニングの処理を終了させる。社員などに対する通知は、「達成感」を得られるような文字情報、音声情報、画像情報などであることが望ましい。ここで得られる「達成感」が、新たに経営計画を立案し、達成するためのモチベーションとなるからである。
【0072】
なお、判断部(0207)は、乖離が所定の閾値以上であると判断すると、何もせずに処理を終了し、トレーニング部(0206)から新たな乖離の結果が通知されるのを待つこととなる。
<本実施形態のハードウェア構成>
【0073】
図5は、上記機能的構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を表す図である。
【0074】
以下に、図5のハードウェア図を用いて、本実施形態を実現する手段の一例を説明する。図に示すように、本実施形態の教育システム装置は、「問題意識チェック部」、「基礎情報提供部」、「アンケート結果取得部」、「立案情報提供部」、「経営計画入力受付部」、「トレーニング部」、「判断部」などを構成する「CPU」(0501)、「主記憶装置」(0502)、「プログラム記憶装置」(0503)、「2次記憶装置」(0504)、「ユーザI/F」(0505)、「ネットワークI/F」(0506)、「ディスプレイ」(0507)、「スピーカ」(0508)、「HDD」(0509)、「バス」(0510)、などを備えている。
【0075】
主記憶装置(0502)は、プログラム実行中に動的にデータ書換可能な記憶装置である。主記憶装置(0502)はプログラム記憶装置(0503)に記憶されているプログラムを実行するために必要なスタックやヒープ等のワーク領域を提供する。プログラム記憶装置(0503)は、問題意識チェックステップを実行するための「問題意識プログラム」、基礎情報提供ステップを実行するための「基礎情報提供プログラム」、アンケート結果取得ステップを実行するための「アンケート結果取得プログラム」、立案情報提供ステップを実行するための「立案情報提供プログラム」、経営計画入力受付ステップを実行するための「経営計画入力受付プログラム」、トレーニングステップを実行するための「トレーニングプログラム」、判断ステップを実行するための「判断プログラム」、などを保持する。
【0076】
2次記憶装置(0504)は、プログラム実行中に動的にデータ書換可能な記憶装置であり、教育システム装置の電源が切れても、記憶しているデータが消去されない。2次記憶装置(0504)は、経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックするためのデータであって、文字・静止画像・音声などにより構成されたデータである「問題意識チェックデータI」、問題意識として持つべきデータであって、文字・静止画像・音声などにより構成されたデータである「基礎情報データI」、売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるためのデータであって、文字・静止画像・音声などにより構成されたデータである「立案情報データI」、社員に対して行う業務目標と自己の乖離を示すアンケートのデータである「社員アンケートデータ」と、前記社員アンケートデータを利用して行ったアンケートの結果のデータである「社員アンケート結果」と、顧客に対して行った業務に対する不満度に対するアンケートのデータである「顧客アンケートデータ」と、前記顧客アンケートデータを利用して行ったアンケートの結果のデータである「顧客アンケート結果」と、入力を受付けた、経営計画のデータである「経営計画」と、経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出するための式のデータである「乖離算出式」と、入力を受付けた、経営計画とそれに従って行った業務との乖離を小さくするための改善案のデータである「改善案」と、トレーニングステップを終了するための条件となる、経営計画とそれに従って行った業務との乖離の閾値を定めたデータである「乖離閾値」、などを保持する。
【0077】
ユーザI/F(0505)は、ユーザから教育システム開始の指示信号を受付けたり、アンケートの回答の入力を受付けたり、経営計画の入力を受付けたり、改善案の入力を受付けたりする。ネットワークI/F(0506)は、有線または無線でインターネットに接続し、顧客に対して顧客アンケートを送信したり、前記顧客アンケートに対する回答を受信したりする。ディスプレイ(0507)、スピーカ(0508)は、アンケートや所定の情報などを出力したり、所定の入力を促すための案内情報を出力したりする。HDD(0509)は、プログラム実行中に動的にデータ書換可能な記憶装置であり、教育システム装置の電源が切れても、記憶しているデータが消去されない。HDD(0509)は、経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックするためのデータであって、動画像・音声などにより構成されたデータである「問題意識チェックデータII」、問題意識として持つべきデータであって、動画像・音声などにより構成されたデータである「基礎情報データII」、売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるためのデータであって、動画像・音声などにより構成されたデータである「立案情報データII」、
【0078】
以下、本実施形態の教育システム装置の処理の一例について説明する。
【0079】
まず、CPU(0501)は、ユーザI/F(0505)を介して教育システムを開始する指示信号の入力を受付けると、「ユーザID」、「パスワード」などを任意に選択して入力させるためのインターフェイスをディスプレイ(0507)に出力する。そして、ユーザI/F(0505)を介して「ユーザID」、「パスワード」などの入力を受付けると、それらと、教育システムの進行具合を確認するためのデータである「進行データ」とを関連付けて、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。当然、この段階での「進行データ」は、いずれのステップをも終了していないステータスを示すものである。
【0080】
その後、プログラム記憶装置(0503)より、問題意識チェックプログラムを取り出すと、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。そして、問題意識チェックプログラムに従い、2次記憶装置(0504)から問題意識チェックデータIを取り出すと(または、HDD(0509)から問題意識チェックデータIIを取り出すと)、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して当該データを出力するとともに、ユーザI/F(0505)を介して、回答の入力を受付ける。そして、問題意識チェックデータI(または、問題意識チェックデータII)のすべてのデータの出力処理および回答の受付処理を一通り終了すると、質問に対する回答の評価結果を、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して出力する。その後、問題意識チェックプログラムの進行チェック命令に従い、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納されている進行データに、問題意識チェックプログラムによる処理を一通り終了した旨を示す書き込みを行う。
【0081】
次に、CPU(0501)は、プログラム記憶装置(0503)より、基礎情報提供プログラムを取り出すと、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。そして、基礎情報提供プログラムに従い、2次記憶装置(0504)から基礎情報データIを取り出すと(または、HDD(0509)から基礎情報データIIを取り出すと)、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して当該データを出力する。そして、基礎情報データI(または、基礎情報データII)のすべてのデータの出力を終了すると、基礎情報提供プログラムの進行チェック命令に従い、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納されている進行データにその旨を示す書き込みを行う。
【0082】
なお、ユーザは、出力されたデータを視聴することで、問題意識として持つべき点は、「社内のコミュニケーション不足」、「社員の社外情報の入手不足」、「社員の問題意識不足」、「社員の行動及び業務内容の無駄」にある点を理解することとなる。
【0083】
次に、CPU(0501)は、プログラム記憶装置(0503)より、アンケート結果取得プログラムを取り出すと、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。そして、アンケート結果取得プログラムに従い、2次記憶装置(0504)から社員アンケートデータを取り出すと、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して当該データを出力する。その後、ユーザI/F(0505)を介して、ユーザよりアンケートに対する回答の入力を受付けると、前記回答を、社員アンケート結果として、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。また、それ以前に、ネットワークI/F(0506)を介して、顧客に対して行ったアンケートの結果であって、2次記憶装置(0504)に格納している顧客アンケート結果を取り出し、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。そして、ユーザから、すべての社員アンケートに対する回答の入力を受付けると、アンケート結果取得プログラムの進行チェック命令に従い、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納されている進行データにその旨を示す書き込みを行う。
【0084】
次に、CPU(0501)は、プログラム記憶装置(0503)より、立案情報提供プログラムを取り出すと、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。そして、立案情報提供プログラムに従い、2次記憶装置(0504)から立案情報データIを取り出すと(または、HDD(0509)から立案情報データIIを取り出すと)、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して当該データを出力する。そして、立案情報データI(または、立案情報データII)のすべてのデータの出力を終了すると、立案情報提供プログラムの進行チェック命令に従い、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納されている進行データにその旨を示す書き込みを行う。
【0085】
なお、ユーザは、出力されたデータを視聴することで、売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解することとなる。
【0086】
次に、CPU(0501)は、プログラム記憶装置(0503)より、経営計画入力受付プログラムを取り出すと、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。そして、経営計画入力受付プログラムに従い、ディスプレイ(0507)に経営計画の入力を促すインターフェイスを出力し、ユーザI/F(0505)を介して経営計画の入力を受付けると、受付けた経営計画のデータを主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。その後、経営計画入力受付プログラムの進行チェック命令に従い、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納されている進行データに、経営計画の入力を受付けた旨を示す書き込みを行う。
【0087】
次に、CPU(0501)は、プログラム記憶装置(0503)より、トレーニングプログラムを取り出すと、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。そして、トレーニングプログラムに従い、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して、「経営計画に従って、所定期間、業務を行ってください。そして、所定期間後、業務の結果を入力して下さい。」なる案内を出力し、一端処理を終了する。この際、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納していた「ユーザID」、「パスワード」、「進行データ」、「社員アンケート結果」、「経営計画」などは、互いに関連付けて、2次記憶装置(0504)に格納される。
【0088】
そして、所定期間経過後、CPU(0501)は、ユーザI/F(0505)を介して教育システムを開始する指示信号の入力を受付けると、「ユーザID」、「パスワード」の入力を促すインターフェイスをディスプレイ(0507)に出力する。そして、ユーザI/F(0505)を介して「ユーザID」、「パスワード」の入力を受付けると、入力を受付けた「ユーザID」、「パスワード」を基に、2次記憶装置(0504)に格納されている、当該ユーザのデータ(進行データなど)を取り出し、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。そして、取り出した進行データを認識することで、当該ユーザの現在のステータスを認識する。
【0089】
そして、前記認識に基づき、CPU(0501)は、プログラム記憶装置(0503)より、トレーニングプログラムを取り出すと、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。その後、トレーニングプログラムの業務結果入力受付命令に従い、業務結果入力のためのインターフェイスをディスプレイ(0507)に出力する。そして、ユーザI/F(0505)を介して業務結果の入力を受付けると、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。その後、乖離算出命令に従い、2次記憶装置(0504)より乖離算出式を取り出すと、入力を受付けた業務結果と、経営計画とを基に、乖離を算出し、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。そして、改善案入力受付命令に従い、前記乖離の結果を、ディスプレイ(0507)またはスピーカ(0508)を介して出力するとともに、改善案の入力を促すインターフェイスをディスプレイ(0507)に出力する。その後、ユーザI/F(0505)を介して改善案の入力を受付けると、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納する。
【0090】
また、前記トレーニングプログラムの乖離算出命令に従い、乖離の結果を算出すると、それをトリガに、プログラム記憶装置(0503)より判断プログラムを取り出し、主記憶装置(0502)のワーク領域に展開する。そして、判断プログラムに従い、2次記憶装置(0504)より乖離閾値を取り出すと、前記算出された乖離の結果と大小比較する。大小比較の結果が、乖離閾値の方が大きかった場合、判断プログラムによる処理を終了する。そして、トレーニングプログラムに従い、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して、「経営計画に従って、所定期間、業務を行ってください。そして、所定期間後、業務の結果を入力して下さい。」なる案内を出力し、一端処理を終了する。この際、主記憶装置(0502)のデータ領域に格納していた「ユーザID」、「パスワード」、「進行データ」、「社員アンケート結果」、「経営計画」、「改善案」などは、互いに関連付けて、2次記憶装置(0504)に格納される。
【0091】
一方、判断プログラムによる大小比較の結果が、乖離閾値の方が小さかった場合、判断プログラムの終了命令に従い、トレーニングプログラムによる処理を終了するとともに、ディスプレイ(0507)、または、スピーカ(0508)を介して、「トレーニング終了です!お疲れ様です!」などの情報を出力し、処理を終了する。
<本実施形態の処理の流れ>
【0092】
本実施形態の処理の流れの一例を図6のフローチャートに示す。
【0093】
なお、本実施形態の教育システムの動作方法は、以下のような流れでデータの取得を行い、データの処理を行うような単純方法であってもよいし、または、以下のような流れを電子計算機の一連の動作方法として実現したものであってもよい。
【0094】
ステップS0601では、経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックする。具体的には、文字情報・音声情報・静止画/動画情報、などから構成される質問などをディスプレイやスピーカを介して出力し、回答させることで、ユーザの問題意識の有無をチェックするとともに、ユーザに対して問題意識の有無を認識させる。
【0095】
ステップS0602では、問題意識として持つべき点は、社内のコミュニケーション不足、社員の社外情報の入手不足、社員の問題意識不足、社員の行動及び業務内容の無駄、にある点を理解させるための情報提供を行う。具体的には、文字情報・音声情報・静止画/動画情報、などから構成される前記内容を示した情報を、ディスプレイやスピーカを介して出力する。
【0096】
ステップS0603では、社員に対して行った業務目標と自己の業務実態との乖離を示すアンケートの結果と、顧客に対して行った業務に対する不満度についてのアンケートの結果とを取得する。具体的には、社員に対して、ディスプレイやスピーカを介してアンケートを出力し、キーボードなどを介して、アンケートの回答の入力を受付ける。また、インターネットを介して、顧客に対してアンケートを送信し、それに対する回答を受信する。
【0097】
ステップS0604では、売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるための情報提供を行う。具体的には、文字情報・音声情報・静止画/動画情報、などから構成される前記内容を示した情報を、ディスプレイやスピーカを介して出力する。
【0098】
ステップS0605では、ステップS0603にて取得したアンケート結果に関連付けた経営計画の入力を受付ける。具体的には、ディスプレイに経営計画の入力を促すインターフェイスを出力し、キーボードなどを介して、経営計画の入力を受付ける。
【0099】
ステップS0606では、ステップS0605にて受付けた経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を受付ける処理、前記経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理、前記乖離情報を提供するとともに改善案の入力を受付ける処理、を繰り返し行う。具体的には、ディスプレイに経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を促すインターフェイスを出力し、キーボードなどを介して、業務の結果の入力を受付ける。また、インターネットを介して、顧客に対してアンケートを送信し、それに対する回答を受信する。そして、前記回答を、業務の結果を示すデータをして取得する。その後、前記取得した業務の結果を示すデータと、ステップS0605にて受付けた経営計画との乖離を算出し、ディスプレイに結果を出力する。また、ディスプレイに改善案の入力を促すインターフェイスを出力し、キーボードなどを介して、改善案の入力を受付ける。ステップS0606では、前記処理を1セットとし、所定期間おきに、前記1セット分の処理を行う。
【0100】
ステップS0607では、ステップS0606で算出した乖離が所定の閾値以下であるか判断する。具体的には、あらかじめ、乖離の閾値を定めたデータを保持しておく。そして、ステップS0606で乖離を算出すると、その都度、乖離の結果を示すデータを取得し、保持している閾値と大小比較する。比較の結果、閾値の方が大きい場合には、当該ステップの処理を終了する。一方、閾値の方が小さい場合には、ステップS0606での処理を終了するよう制御するとともに、トレーニング終了を示す情報をディスプレイやスピーカを介して出力する。
<本実施形態の発明の効果>
【0101】
本実施形態の教育システム装置および教育システムの動作方法により、社員の経営計画立案・達成のための能力を高めることができる。その結果、社員は、日々の業務の中で、適切な経営計画を立案し、それを達成するべく努力しながら業務を遂行することで、自己の能力を高めることができるほか、企業は売上拡大・増収増益を達成することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の教育システムの概要を説明するための図表
【図2】本実施形態の機能ブロック図
【図3】社員に対して行うアンケートの一例
【図4A】顧客に対して行うアンケートの一例1
【図4B】顧客に対して行うアンケートの一例2
【図4C】顧客に対して行うアンケートの一例3
【図5】本実施形態のハードウェア構成の一例を示した概念図
【図6】本実施形態の処理の流れを示すフローチャート図
【符号の説明】
【0103】
0200 教育システム装置
0201 問題意識チェック部
0202 基礎情報提供部
0203 アンケート結果取得部
0204 立案情報提供部
0205 経営計画入力受付部
0206 トレーニング部
0207 判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
社員の経営計画立案・達成能力を高めるための教育システムの動作方法であって、
経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックする問題意識チェックステップと、
問題意識として持つべき点は、社内のコミュニケーション不足、社員の社外情報の入手不足、社員の問題意識不足、社員の行動及び業務内容の無駄にある点を理解させるための情報提供を行う基礎情報提供ステップと、
社員に対して行った業務目標と自己の業務実態との乖離を示すアンケートの結果と、顧客に対して行った業務に対する不満度についてのアンケートの結果とを取得するアンケート結果取得ステップと、
売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるための情報提供を行う立案情報提供ステップと、
アンケート結果取得ステップにて取得したアンケート結果に関連付けた経営計画の入力を受付ける経営計画入力受付ステップと、
経営計画入力受付ステップにて受付けた経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を受付ける処理、前記経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理、前記乖離情報を提供するとともに改善案の入力を受付ける処理、を繰返し行うトレーニングステップと、
トレーニングステップで算出した乖離が所定の閾値以下であるか判断する判断ステップと、を有する経営計画立案・達成能力を高めるための教育システムの動作方法。
【請求項2】
社員の経営計画立案・達成能力を高めるための教育システム装置であって、
経営計画立案・達成のための問題意識の有無をチェックする問題意識チェック部と、
問題意識として持つべき点は、社内のコミュニケーション不足、社員の社外情報の入手不足、社員の問題意識不足、社員の行動及び業務内容の無駄にある点を理解させるための情報提供を行う基礎情報提供部と、
社員に対して行った業務目標と自己の業務実態との乖離を示すアンケートの結果と、顧客に対して行った業務に対する不満度についてのアンケートの結果とを取得するアンケート結果取得部と、
売上拡大の基本的考え方に従った正しい経営計画の立て方を理解させるための情報提供を行う立案情報提供部と、
アンケート結果取得部にて取得したアンケート結果に関連付けた経営計画の入力を受付ける経営計画入力受付部と、
経営計画入力受付部にて受付けた経営計画に従って行った業務の結果を示すデータの入力を受付ける処理、前記経営計画とそれに従って行った業務との乖離を算出する処理、前記乖離情報を提供するとともに改善案の入力を受付ける処理、を繰返し行うトレーニング部と、
トレーニング部で算出した乖離が所定の閾値以下であるか判断する判断部と、を有する経営計画立案・達成能力を高めるための教育システム装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−26363(P2010−26363A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189552(P2008−189552)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(508222874)
【Fターム(参考)】