説明

経心膜的アクセスのための装置、システム、および方法

心臓の内部組織および外部組織を含む組織にアクセスするための装置、システム、および方法を開示する。本明細書で開示される実施形態のうちの少なくとも一部は、心臓組織にリードを局所送達するための心膜腔を通じた心臓の外表面へのアクセスを提供する。本明細書に開示される実施形態のうちの少なくとも一部は、貯留した流体の除去のために心膜腔へのアクセスを提供する。さらに、開示される種々の実施形態により、組織に係合し、体内の間隙から流体を除去し、治療目的で物質を標的部位へ送達するための、装置、システム、および方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経心膜的アクセスのための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本国際特許出願は、2007年4月27日出願の米国仮特許出願第60/914,452号、および2006年6月30日出願の米国仮特許出願第60/817,421号に対する優先権を主張する、2007年6月29日出願の国際出願第PCT/US2007/015207号に対する優先権を主張し、少なくとも一部の指定国においてはその一部継続出願であると見なされるべきである、2008年2月5日出願の国際特許出願第PCT/US2008/053061号に対する優先権を主張し、少なくとも一部の指定国においてはその一部継続出願であると見なされるべきである。本出願は、2007年4月27日出願の米国仮特許出願第60/914,452号に対しても優先権を主張する。これらの出願の各々は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0003】
虚血性心疾患または冠状動脈性心疾患によって、他のいずれの単一原因よりも多くの米国人が毎年死亡している。2004年には、米国において5人に1人が虚血性心疾患により死亡している。この疾患は、世界中で実に深刻な影響を及ぼしている。未治療のままであると、虚血性心疾患は慢性心不全に至る場合があり、これは血液を送り出す心臓の能力の著しい低下として定義され得る。慢性心不全は、しばしば薬物療法で治療される。
【0004】
虚血性心疾患は、一般に、心筋に対する血流の減少によって特徴付けられ、やはりしばしば薬物療法で治療される。使用可能な薬物の多くは、全身的に投与することができるが、心臓に直接局所薬物送達(「LDD」)することにより、局所薬物濃度が高まり、全身性副作用を低減することができ、結果として治療転帰を改善する。
【0005】
心臓病薬は、血管を通るカテーテルを介して心臓の内部に局所的に送達し得る。しかし、管腔内薬物送達は、(1)送達が一貫しない、(2)位置特定の効率が低い、(3)循環への流出が比較的速い、等の幾つかの短所を有する。
【0006】
そのような短所を克服するために、心臓の外表面を囲む心膜腔に薬物を直接送達することができる。心膜腔は、心臓と心臓を包む比較的堅い心膜嚢との間に形成された空洞である。心膜嚢および心臓がそのような近接状態にあるため、通常、心膜腔は比較的小さいが、カテーテルを使用して、心膜腔に薬物を注入し、心筋組織および冠動脈組織に局所投与することができる。心膜腔を介して心臓に薬剤を供給する薬物送達方法は、(1)強化された一貫性および(2)心臓組織に対する薬物の長時間暴露、を含む、管腔内送達を越える幾つかの利点を提供する。
【0007】
現行の医療において、薬物は、経皮的経心室方法または経胸腔的アプローチのいずれかによって心膜腔に送達される。経皮的経心室方法は、心室心筋を通じて心膜腔にカテーテルを制御挿入するステップを含む。経胸腔的アプローチは、吸引先端を備えるシース針を使用し、心膜を把持して心臓の外側から心膜腔にアクセスするステップと、心筋から心膜を引き離して心膜腔を拡張するステップと、針を用いて心膜腔に薬物を注入するステップと、を含む。
【0008】
慢性心不全を有する患者の一部には、心機能を改善させるために薬物療法に加えて心臓再同期療法(「CRT」)を使用することができる。そのような患者は、一般に、左右心室をわずかにずれて拍動(すなわち、収縮期を開始)させる伝導異常を有し、これが心臓の既に制限されている機能をさらに低下させる。CRTは、心室を再同期することにより同期不全の問題の解決を助け、これにより心機能の改善に至る。該療法は、心臓の指定領域への電気リードの配置を通じて心室の少なくとも1つのペーシングの制御を助ける、埋め込み型装置の使用を伴う。そして、小さな電気信号がリードを介して心臓に送達され、左右心室を同時に拍動させる。
【0009】
心臓への薬物の局所送達と同様、心臓へのCRTリードの配置は、標的配置部位が左心室である場合、特に困難であり得る。リードは、冠状静脈洞を介した経静脈的アプローチ、心外膜での外科的配置、または心内膜的アプローチを用いて配置することができる。リード配置のこれらの方法に伴う問題には、不適切な位置への配置(電気信号に応答しない瘢痕組織またはその近傍への不慮の配置を含む)、配置中の冠状静脈洞または心静脈の切開または穿孔、配置中の長時間の蛍光透視鏡への暴露(および関連する放射線のリスク)、配置後のリードの除去、ならびに配置に要する長く予測不可能な所要時間(約30分から数時間の範囲)が含まれる。
【0010】
臨床的に、心膜腔にアクセスするために承認された唯一の非外科的手段は、剣状突起下カテーテル、および超音波誘導尖端および胸骨傍針カテーテル手技を含み、各方法は経胸腔的アプローチを含む。剣状突起下方法においては、蛍光透視誘導下で、吸引先端を備えるシース針を剣状突起下位置から縦隔に進める。カテーテルは、心膜嚢の前方外表面上に位置付けられ、吸引先端を使用して心膜を把持し、心臓組織から引き離すことによって、心膜嚢と心臓との間にさらなる隙間を形成する。さらなる隙間は、心膜嚢が穿刺される場合に、心筋が不注意に穿刺される可能性を低減する傾向がある。
【0011】
本手技は正常な心臓において有効に機能するが、罹患または肥大した心臓、すなわち、まさに薬物送達およびCRTリード配置を最も必要とする心臓においては重大な制限がある。心臓が肥大している場合、心膜腔は著しく小さく、右心室またはその他の心臓構造を穿刺するリスクが増大する。さらに、心膜は非常に堅い膜であるため、心膜の吸引は心膜をほとんど変形させず、そのため、提供される心臓からの心膜の隙間は非常に小さい。
【0012】
すでに言及されたように、心臓は、心膜と称される「嚢」によって囲まれている。心臓の表面と心膜との間の間隙は、通常、流体が心膜内に貯留する緊急状態として定義される心タンポナーデを発症する前には、少量の流体のみ収容することができる。したがって、心穿孔が急速にタンポナーデをもたらし得ることは当然のことであり、これは致死的であり得る。しかしながら、徐々に貯留する浸出液では、多くの疾病においてよく見られることであるが、タンポナーデをもたらすことなく、大量の浸出液が貯留され得る。主要な要因は、心膜内の総容積のために心膜がその圧力−容積関係の不適合領域に達することであり、その場合、タンポナーデは急激に発症する。Little W.C.,Freeman G.L.(2006).“Pericardial Disease.”Circulation 113(12):1622−1632。
【0013】
心タンポナーデは、心膜腔内の流体貯留が、心臓充満が影響を受ける点まで心臓を囲む圧力を上昇させるのに十分である時に起こる。最終的に、加圧された心膜液浸出による心臓の圧迫が、著しい静脈圧の上昇および心拍出量の低下をもたらし、ショック状態を引き起こし、治療されなければ急速に致命的となり得る。同上。
【0014】
異なる原因の心膜液浸出の頻度は、一部地理および患者集団によって異なる。Corey G.R.(2007).“Diagnosis and treatment of pericardial effusion.”http://patients.uptodate.com。心膜液浸出の高い発生率は、一部の疾病に関連する。例えば、癌患者の21パーセントが心膜への転移を有する。最も一般的なものは、肺癌(悪性浸出液の37%)、乳癌(22%)、および白血病/リンパ腫(17%)である。HIV患者は、AIDSを発症しているいないに関わらず、高い有病率を有することが見出され、41〜87%が無症状性の浸出、13%が中程度から重度の浸出を有する。Strimel W.J.e.a.(2006).“Pericardial Effusion.”http://www.emedicine.com/med/topic1786.htm。
【0015】
末期腎疾患は、大きな公衆衛生問題である。米国では、350,000を超える患者が血液透析または持続的外来腹膜透析のいずれかで治療を受けている。Venkat A.,Kaufmann K.R.,Venkat K.(2006).“Care of the end−stage renal disease patient on dialysis in the ED.”Am J Emerg Med 24(7):847−58。腎不全は、患者の最大20%に大量の心膜液浸出を引き起こす、心膜疾患の一般的な原因である。Task Force members,Maisch B.,Seferovic P.M.,Ristic A.D.,Erbel R.,Rienmuller R.,Adler Y.,Tomkowski W.Z.,Thiene G.,Yacoub M.H.,ESC Committee for Practice Guidelines,Priori S.G.,Alonso Garcia M.A.,Blanc J.−J.,Budaj A.,Cowie M.,Dean V.,Deckers J.,Fernandez Burgos E.,Lekakis J.,Lindahl B.,Mazzotta G.,Moraies J.,Oto A.,Smiseth O.A.,Document Reviewers,Acar J.,Arbustini E.,Becker A.E.,Chiaranda G.,Hasin Y.,Jenni R.,Klein W.,Lang I.,Luscher T.F.,Pinto F.J.,Shabetai R.,Simoons M.L.,Soler Soler J.,Spodick D.H.(2004).“Guidelines on the Diagnosis and Management of Pericardial Diseases Executive Summary:The Task Force on the Diagnosis and Management of Pericardial Diseases of the European Society of Cardiology.”Eur Heart J 25(7):587−610。
【0016】
ウイルス性心膜炎は、心膜の最も一般的な感染症である。炎症性異常は、直接的ウイルス攻撃、免疫応答(抗ウイルスまたは抗心臓)、またはその両方による。同上。成人の化膿性(細菌性)心膜炎はまれであるが、治療されなければ常に致命的である。治療された患者の死亡率は40%であり、ほとんどが心タンポナーデ、毒性、および狭窄による。大抵は、連続的な伝播または血行性の拡散により生じる、体内の他の場所から発生した感染症の合併症である。同上。心膜炎の他の形態には、結核性および腫瘍性が含まれる。
【0017】
最も一般的な続発性悪性腫瘍は、肺癌、乳癌、悪性黒色腫、リンパ腫、および白血病である。切迫したタンポナーデでは、浸出は少量あるいは大量であり得る。悪性と確認された患者のほぼ3分の2において、例えば放射線心膜炎または日和見感染等の悪性でない疾病によって、心膜液浸出が引き起こされる。悪性心膜疾患の確認には、心膜流体の分析、心膜または心外膜生検が必須である。同上。
【0018】
心膜液浸出の管理は、依然として問題である。この難しい病型を治療するための最良の方法に関して一様な合意はない。心膜液浸出を有する患者の約半分が心タンポナーデの症状を呈する。これらの症例の場合、根本原因にかかわらず、心膜の除圧により症状が緩和する。Georghiou G.P.,Stamler A.,Sharoni E.,Fichman−Horn S.,Berman M.,Vidne B.A.,Saute M.(2005).“Video−Assisted Thoracoscopic Pericardial Window for Diagnosis and Management of Pericardial Effusions.”Ann Thorac Surg 80(2):607−610。症候性心膜液貯留は一般的であり、種々の原因から生じ得る。薬物治療で浸出が管理できない、あるいは診断が必要である場合、外科的介入が必要となる。同上。
【0019】
心膜液浸出の最も効果的な管理はまだ特定されていない。従来の手順は、全身麻酔下での心膜開窓の外科的配置である。これらの患者は頻繁に複数の併存症を有するため、この手順は重大な手術および麻酔リスクを意味する。盲目針心膜穿刺術等の低侵襲性手技は、高い合併症および再発率を有する。長期カテーテルドレナージを用いた心エコー誘導下の心膜穿刺術の手技は、静脈内鎮静方での局所麻酔薬下で行われる。適所のカテーテルを用いて心膜切開を行うことにより、長期ドレナージおよび硬化療法が可能になる。心エコー誘導下の心膜穿刺術は、大学付属または学術機関で行われる場合、安全で成功する手順であることが示されている。しかし、地域の病院での実践の詳細についてはほとんど研究されていない。Buchanan C.L.,Sullivan V.V.,Lampman R.,Kulkarni M.G.(2003).“Pericardiocentesis with extended catheter drainage:an effective therapy.”Ann Thorac Surg 76(3):817−82。
【0020】
心タンポナーデの治療は、心膜液浸出のドレナージである。医学的管理は通常効果がなく、心膜ドレナージの手配がなされる間のみ、使用されるべきである。患者の体液量が減少している場合(低循環血液量による心タンポナーデ)、流体蘇生法は一時的な利益でしかない場合がある。
【0021】
外科的ドレナージ(または心膜切除術)は、多くの患者にとって過剰である。最良の選択肢は、ピッグテール型ドレナージカテーテルを残してドレナージが完了するまで適所に保持するセルディンガー手技を用いた心膜穿刺術である。Sagrista Sauleda J.,Permanyer Miralda G.,Soler Soler J.(2005).“[Diagnosis and management of acute pericardial syndromes].”Rev Esp Cardiol 58(7):830−41。この低侵襲性手技は、短い手術時間、補給品、外科医、および麻酔費用の軽減をもたらした。我々の機関で心膜開窓とカテーテルドレナージを伴うエコー誘導下の心膜穿刺術との手順費用を比較すると、カテーテルドレナージを支持する約$1,800/症例の費用節減があった。医療費が高騰する時代には、これらの節減は注目に値する重要性を持つ。Buchanan C.L.,Sullivan V. V.,Lampman R.,Kulkarni M.G.(2003).“Pericardiocentesis with extended catheter drainage:an effective therapy.”Ann Thorac Surg 76(3):817−82。
【0022】
明らかに、心膜液浸出およびタンポナーデの治療に対する、小侵襲で安全かつ効果的なアプローチの臨床的必要性が存在する。本出願は、浸出の根本原因を治療するために、特に流体ドレナージ、流体診断、蘇生法、および治療送達に使用される特殊なカテーテルと組み合わせて、先に開示された安全で効果的な経心膜的アクセスアプローチを利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、心臓にアクセスするために使用し、治療物質および診断物質、ならびにCRTリードおよび他の種類のリードを局所送達することができる、効率的で使い易く比較的安価な装置、システム、および手技が必要である。また、組織内で流体を含有する間隙にアクセスするために使用し、流体を除去し、必要な場合は任意選択的に物質を送達することができる、効率的で使い易く比較的安価な装置、システム、および手技が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
限定されないが、心臓の内部組織および外部組織にアクセスするステップを含む、組織に係合するための装置、システム、および方法を本明細書に開示する。開示される実施形態のうちの少なくとも一部は、心臓組織にリードを局所送達するための心膜腔を通じた心臓の外表面へのアクセスを提供する。さらに、開示される種々の実施形態は、組織に係合するための装置、システム、および方法を提供する。
【0025】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、システムは、近位端、遠位端、近位端と遠位端との間に延在する第1および第2管腔、ならびに遠位端に動作可能に接続されるスカートを含む係合カテーテルであって、スカートは、係合カテーテルの外周と実質的に同様の周囲を有する近位端を含み、スカートは、係合カテーテルの外周よりも大きな周囲を有する遠位端をさらに含む係合カテーテルと、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間に延在する中空チューブを含む送達カテーテルであって、中空チューブを係合カテーテルの第2管腔に挿入できるように構成される送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に位置する針と、係合カテーテルの近位端に位置する真空ポートであって、係合カテーテルの第1管腔に動作可能に接続され、真空源との動作接続が可能である真空ポートと、を含み、係合カテーテルの第1管腔は、係合カテーテルの遠位端またはその近傍に位置する吸引ポートを含み、吸引ポートは、スカートの近位端を組織の表面に着脱可能に係合させるように構成され、真空源が真空ポートに動作可能に取り付けられた際、スカートが組織の表面との可逆的密閉を形成できるようにする。別の実施形態において、システムは、心臓を囲む心膜嚢から標的組織を引き離すことによって、標的組織と心膜嚢との間の心膜腔を拡張できる。さらに別の実施形態において、システムによって係合される組織は心臓である。さらなる実施形態において、システムは、スカートが心臓の内壁に取り付けられた際、心臓と心膜嚢との間の心膜腔を拡張することができる。
【0026】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、スカートは、変形可能な構成を含む。別の実施形態において、スカートの変形可能な構成は、拡張構成に拡張することができる。さらに別の実施形態において、拡張構成はフラスト円錐形構成である。さらなる実施形態において、拡張構成は不定形のフラスト円錐形構成である。
【0027】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、システムは、近位端、遠位端、ならびに近位端と遠位端との間に延在する管腔を含むスリーブをさらに含み、スリーブは、係合カテーテルの周囲の周方向に位置付けられ、スリーブは、係合カテーテルに摺動係合する。別の実施形態において、スリーブは係合カテーテルの遠位端に位置付けることができ、スリーブは少なくとも部分的にスカートを囲む。さらに別の実施形態において、スカートの変形可能な構成は、スリーブにより少なくとも部分的に囲まれた際に仕舞われる。
【0028】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、スリーブはスカートを囲まないように係合カテーテルに沿って位置付けられ、スカートは拡張構成に拡張することができる。別の実施形態において、拡張構成はフラスト円錐形構成である。さらに別の実施形態において、拡張構成は不定形のフラスト円錐形構成である。
【0029】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、標的組織は心房壁の一部分を含む。別の実施形態において、標的組織は心耳の一部分を含む。さらに別の実施形態において、中空チューブが第2管腔に挿入され、吸引ポートが標的組織に取り付けられた際、標的組織を穿刺できるように針が位置付けられ、標的組織が穿刺された際、心膜腔へのアクセスが達成されるようにする。さらなる実施形態において、システムは、心膜腔に挿入するためのガイドワイヤをさらに含む。またさらなる実施形態において、針は中空チューブと連通する中空針を含み、ガイドワイヤは中空チューブおよび中空針を通って心膜腔に挿入できる。
【0030】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、係合カテーテルは係合カテーテルの第2管腔と流体連通する注入チャネルをさらに含み、注入チャネルは流体を標的組織に投与するように構成される。別の実施形態において、流体は接着剤を含む。さらに別の実施形態において、注入チャネルはリング型である。
【0031】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、係合カテーテルは、係合カテーテルの長さに沿って形成された注入チャネルをさらに含み、注入チャネルは、その遠位端において、流体を標的組織に投与するための少なくとも1つの開口を有し、注入チャネルは、注入チャネルの近位端において、外部流体源に動作可能に取り付けることができ、外部流体源が注入チャネルに動作可能に取り付けられた際、外部流体源からの流体が注入チャネルを通じて標的組織に流れ得るようにする。別の実施形態において、針は、標的組織を穿刺するための針ワイヤを含む。さらに別の実施形態において、針は、圧力先端針を含む。
【0032】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、係合カテーテルは、係合カテーテルの長さに沿って湾曲を含む。別の実施形態において、係合カテーテルの湾曲は、約45度の角度を形成する。さらに別の実施形態において、係合カテーテルの湾曲は、約90度の角度を形成し、係合カテーテルの一部分が係合カテーテルの別の部分とほぼ垂直になるようにする。さらなる実施形態において、係合カテーテルの湾曲は、係合カテーテルの一部分が係合カテーテルの別の部分とほぼ平行になるような角度を形成する。
【0033】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用する係合カテーテルの少なくとも1つの実施形態において、係合カテーテルは、細長いチューブであって、近位端、遠位端、チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、およびチューブの長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、外壁および内壁は、外壁と内壁との間でチューブの長さに沿って少なくとも1つの吸引チャネルを形成する細長いチューブと、チューブの遠位端に動作可能に接続されるスカートであって、チューブの外周と実質的に同様の周囲を有する近位端を含み、チューブの周囲よりも大きい周囲を有する遠位端をさらに含むスカートと、チューブの近位端と連通する真空ポートであって、少なくとも1つの吸引チャネルに動作可能に接続され、真空源との動作接続が可能である真空ポートと、チューブの遠位端において、少なくとも1つの吸引チャネルと連通する吸引ポートであって、吸引ポートは、スカートの近位端を組織の表面に着脱可能に係合させるように構成され、真空源が真空ポートに動作可能に取り付けられた際、スカートが組織の表面との可逆的密閉を形成できるようにする吸引ポートと、を含む。別の実施形態において、スカートは、変形可能な構成を含む。さらに別の実施形態において、スカートの変形可能な構成は、拡張構成に拡張できる。さらなる実施形態において、拡張構成はフラスト円錐形構成である。またさらなる実施形態において、拡張構成は不定形のフラスト円錐形構成である。
【0034】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用する係合カテーテルの少なくとも1つの実施形態において、スカートがスリーブにより少なくとも部分的に囲まれた際、スカートは仕舞構成を有し、スカートがスリーブにより囲まれない時には、スカートは拡張構成を有する。別の実施形態において、係合カテーテルのスカートにより係合される組織は、心臓である。さらに別の実施形態において、スカートは、スカートが心臓の内壁に取り付けられた際、心臓と心膜嚢との間の心膜腔を拡張できる。
【0035】
本開示に従う組織に係合するために真空源と併用する係合カテーテルの少なくとも1つの実施形態において、係合カテーテルは、少なくとも1つの吸引チャネル内に位置付けられ、外壁および内壁に取り付けられる少なくとも1つの内部管腔支持をさらに含み、少なくとも1つの内部管腔支持は、チューブの長さの少なくとも大部分に沿って、チューブの遠位端から延在する。別の実施形態において、少なくとも1つの内部管腔支持は、2つの内部管腔支持を含み、少なくとも1つの吸引チャネルは、2つの吸引チャネルを含む。さらに別の実施形態において、チューブの長さに沿って形成された注入チャネルをさらに含み、注入チャネルは、その遠位端において、流体を標的組織に投与するための少なくとも1つの開口を有し、注入チャネルの近位端において外部流体源に動作可能に取り付けることができ、外部流体源が注入チャネルに動作可能に取り付けられた際、外部流体源からの流体が注入チャネルを通じて標的組織に流れ得るようにする。
【0036】
本開示に従う組織に係合するための方法の少なくとも1つの実施形態において、該方法は、システムを提供するステップであって、近位端、遠位端、近位端と遠位端との間に延在する第1および第2管腔、ならびに遠位端に動作可能に接続されるスカートを含む係合カテーテルであって、スカートは係合カテーテルの外周と実質的に同様の周囲を有する近位端を含み、スカートは係合カテーテルの外周よりも大きな周囲を有する遠位端をさらに含む係合カテーテルと、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間に延在する中空チューブを含む送達カテーテルであって、中空チューブを係合カテーテルの第2管腔に挿入できるように構成される送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に位置する針と、係合カテーテルの近位端に位置する真空ポートであって、係合カテーテルの第1管腔に動作可能に接続され、真空源との動作接続が可能である真空ポートと、を含み、係合カテーテルの第1管腔は、係合カテーテルの遠位端またはその近傍に位置する吸引ポートを含み、吸引ポートは、スカートの近位端を標的組織の表面に着脱可能に係合させるように構成され、真空源が真空ポートに動作可能に取り付けられた際、スカートが標的組織と表面との可逆的密閉を形成できるようにする、ステップと、係合カテーテルの遠位端が標的組織またはその近傍に位置付けられるように、係合カテーテルを体内に挿入するステップと、を含む。
【0037】
別の実施形態において、システムは、心臓を囲む心膜嚢から標的組織を引き離すことによって、標的組織と心膜嚢との間の心膜腔を拡張できる。さらに別の実施形態において、係合カテーテルを体内に挿入するステップは、係合カテーテルの遠位端が心臓内に位置付けられ、スカートが心臓の壁の内部上で標的組織と接触するような、係合カテーテルの挿入を含む。さらなる実施形態において、該方法は、スカートが心臓の壁の内部上で標的組織に可逆的に取り付けられるように、真空ポートに真空源を動作可能に接続するステプをさらに含む。
【0038】
本開示に従う組織に係合するための方法の少なくとも1つの実施形態において、該方法は、送達カテーテルを係合カテーテルの第2管腔に挿入するステップをさらに含む。別の実施形態において、該方法は、針で心臓の壁の内部上の標的組織を穿刺するステップをさらに含む。さらに別の実施形態において、該方法は、心膜腔に物質を投与するステップをさらに含む。さらなる実施形態において、該方法は、標的組織から針を引き抜き、針を引き抜いた後、標的組織に物質を投与するステップをさらに含む。またさらなる実施形態において、物質は、標的組織内の刺創を密封するための接着剤を含む。
【0039】
本開示に従う組織に係合するための方法の少なくとも1つの実施形態において、標的組織は心房壁の一部分を含む。別の実施形態において、標的組織は心耳の一部分を含む。さらに別の実施形態において、該方法は、心臓の壁を通って心膜腔にガイドワイヤを挿入することによって、心膜腔にアクセスするステップをさらに含む。
【0040】
本開示に従う組織から流体を除去するために真空源と併用するカテーテルの少なくとも1つの実施形態において、カテーテルは、細長いチューブであって、近位端、遠位端、チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびにチューブ内の管腔を画定するチューブの長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、内壁は、チューブの長さに沿って少なくとも1つの吸引チャネルを形成する細長いチューブと、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、1つ以上のアパーチャは、チューブの外壁からチューブの内壁へと延在し、1つ以上のアパーチャは、チューブの遠位端またはその近傍に存在し、1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの吸引チャネルと連通するアパーチャと、チューブの近位端と連通する真空ポートであって、少なくとも1つの吸引チャネルに動作可能に接続され、真空源に動作可能に接続される真空ポートと、を含み、吸引チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を、少なくとも1つの吸引チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入させ、真空源が真空ポートに動作可能に取り付けられた際、少なくとも1つの吸引チャネルを介して除去させるように構成される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹溝が、チューブの長さの少なくとも一部に沿って延在する外壁上で画定される。さらに別の実施形態において、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャは、少なくとも1つの凹溝に沿って画定される。さらなる実施形態において、少なくとも1つの凹溝は、チューブの長さの少なくとも一部に沿って延在する1つ以上の隆起を画定し、該隆起は、組織と1つ以上のアパーチャとの間に隙間を許容するように構成および配列される。
【0041】
本開示に従う組織から流体を除去するために真空源と併用するカテーテルの少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つの凹溝は、少なくとも3つの凹溝を含む。別の実施形態において、1つ以上のアパーチャは、少なくとも3つのアパーチャを含む。さらに別の実施形態において、カテーテルは、カテーテルの長さに沿って湾曲を含む。さらなる実施形態において、カテーテルは、チューブ内に画定され、チューブの長さに沿って位置付けられる少なくとも1つの送達チャネルをさらに含み、1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの送達チャネルと連通する。
【0042】
本開示に従う組織から流体を除去するために真空源と併用するカテーテルの少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つの送達カテーテルは、少なくとも1つの送達カテーテルは、標的部位への送達のために、少なくとも1つの送達チャネルと連通する1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、送達チャネルの近位端に存在する送達源から物質を送達するように動作可能である。別の実施形態において、物質は、気体、液体、および微粒子から成る群からの少なくとも1つの物質を含む。さらに別の実施形態において、物質は、抗生物質、細胞分裂阻害剤、硬化剤、細胞傷害性薬物、免疫調節剤、およびクリスタロイドグルココルチコイドから成る群からの少なくとも1つの物質を含む。さらなる実施形態において、真空ポートは、さらに送達源との動作接続が可能であり、吸引チャネルは、物質を含有する送達源が真空ポートに動作可能に取り付けられた際、物質を送達するように構成され、物質は、吸引チャネルを通じ、かつ少なくとも1つの吸引チャネルと連通する1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、送達源から標的部位へ送達される。またさらなる実施形態において、真空源はシリンジを含む。
【0043】
本開示に従う組織から流体を除去するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、システムは、近位端、遠位端、ならびに近位端と遠位端との間に延在する管腔を含む係合カテーテルと、吸引カテーテルであって、細長いチューブであって、近位端、遠位端、チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびにチューブ内の管腔を画定するチューブの長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、内壁は、チューブの長さに沿って少なくとも1つの吸引チャネルを形成する細長いチューブと、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、1つ以上のアパーチャは、チューブの外壁からチューブの内壁へと延在し、1つ以上のアパーチャは、チューブの遠位端またはその近傍に存在し、1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの吸引チャネルと連通するアパーチャと、チューブの近位端と連通する真空ポートであって、少なくとも1つの吸引チャネルに動作可能に接続され、真空源に動作可能に接続される真空ポートと、を含み、吸引チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を、少なくとも1つの吸引チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入させ、真空源が真空ポートに動作可能に取り付けられた際、少なくとも1つの吸引チャネルを介して除去させるように構成される、吸引カテーテルと、を含み、吸引カテーテルは、係合カテーテルの管腔に挿入できるように構成される。別の実施形態において、吸引カテーテルは、係合カテーテルの管腔を通る挿入を介して組織の間隙に進入するように動作可能である。さらに別の実施形態において、吸引カテーテルは、係合カテーテルの管腔を通る挿入を介して心臓の右心耳に進入するように動作可能である。さらなる実施形態において、吸引カテーテルは、心臓の臓側心膜に進入して心膜嚢にアクセスするようにさらに動作可能である。
【0044】
本開示に従う組織から流体を除去するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つの凹溝が、チューブの長さの少なくとも一部に沿って延在する吸引カテーテルの外壁上に画定される。別の実施形態において、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャは、少なくとも1つの凹溝に沿って画定される。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの凹溝は、チューブの長さの少なくとも一部に沿って延在する1つ以上の隆起を画定し、該隆起は、組織と1つ以上のアパーチャとの間の隙間を許容するように構成および配列される。さらなる実施形態において、吸引カテーテルは、吸引カテーテルの長さに沿って湾曲を含む。
【0045】
本開示に従う組織から流体を除去するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、吸引カテーテルは、チューブ内に画定され、チューブの長さに沿って位置付けられる少なくとも1つの送達チャネルをさらに含み、1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの送達チャネルと連通する。別の実施形態において、少なくとも1つの送達カテーテルは、標的部位への送達のために、少なくとも1つの送達チャネルと連通する1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、送達チャネルの近位端に存在する送達源から物質を送達するように動作可能である。さらに別の実施形態において、物質は、気体、液体、および微粒子から成る群からの少なくとも1つの物質を含む。
【0046】
本開示に従う組織から流体を除去するために真空源と併用するシステムの少なくとも1つの実施形態において、物質は、抗生物質、細胞分裂阻害剤、硬化剤、細胞傷害性薬物、免疫調節剤、およびクリスタロイドグルココルチコイドから成る群からの少なくとも1つの物質を含む。別の実施形態において、真空ポートは、さらに送達源との動作接続が可能であり、吸引チャネルは、物質を含有する送達源が真空ポートに動作可能に取り付けられた際、物質を送達するように構成され、物質は、吸引チャネルを通じ、かつ少なくとも1つの吸引チャネルと連通する1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、送達源から標的部位へ送達される。さらに別の実施形態において、真空源はシリンジを含む。
【0047】
本開示に従う吸引カテーテルを使用して組織から流体を除去するための方法の少なくとも1つの実施形態において、該方法は、システムを提供するステップであって、近位端、遠位端、ならびに近位端と遠位端との間に延在する第1管腔を含む係合カテーテルと、吸引カテーテルであって、細長いチューブであって、近位端、遠位端、チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびにチューブ内の管腔を画定するチューブの長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、内壁は、チューブの長さに沿って第1チャネルを形成する細長いチューブと、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、1つ以上のアパーチャは、チューブの外壁からチューブの内壁へと延在し、1つ以上のアパーチャは、チューブの遠位端またはその近傍に存在し、1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、第1チャネルと連通するアパーチャと、チューブの近位端と連通する第1ポートであって、第1チャネルに動作可能に接続され、第1真空源との動作接続が可能である第1ポートと、を含み、チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入させ、第1真空源が第1ポートに動作可能に取り付けられた際、第1チャネルを介して除去させるように構成される吸引カテーテルと、を含み、吸引カテーテルは、係合カテーテルの第1管腔に挿入できるように構成される、ステップと、係合カテーテルの遠位端が組織内の間隙を囲む組織壁またはその近傍に位置付けられるように、係合カテーテルを体内に挿入するステップと、係合カテーテルの第1管腔に吸引カテーテルを挿入するステップであって、吸引カテーテルは、吸引カテーテルの遠位端が組織壁によって囲まれる間隙内に存在し、該間隙内に存在する流体と接触するように、組織壁を通じて係合カテーテルの遠位端を出るステップと、を含む。別の実施形態において、該方法は、該間隙内に存在する流体の少なくとも一部分が、第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入し、第1チャネルを介して除去されるように、第1真空源を第1ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの凹溝が、チューブの長さの少なくとも一部に沿って延在する外壁上で画定される。
【0048】
本開示に従う吸引カテーテルを使用して組織から流体を除去するための方法の少なくとも1つの実施形態において、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャは、少なくとも1つの凹溝に沿って画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹溝は、チューブの長さの少なくとも一部に沿って延在する1つ以上の隆起を画定し、該隆起は、組織と1つ以上のアパーチャとの間の隙間を許容するように構成および配列される。さらに別の実施形態において、組織壁は心臓の右心耳である。さらなる実施形態において、組織壁は、心臓の臓側心膜である。
【0049】
本開示に従う吸引カテーテルを使用して組織から流体を除去するための方法の少なくとも1つの実施形態において、第1ポートは、さらに送達源との動作接続が可能であり、第1チャネルは、物質を含有する送達源が第1ポートに動作可能に取り付けられた際、物質を送達するように構成される。別の実施形態において、該方法は、送達源内に存在する物質の少なくとも一部分が、第1チャネルを通じ、かつ第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、送達源から標的部位へ送達されるように、物質を含有する送達源を第1ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む。さらに別の実施形態において、物質は、抗生物質、細胞分裂阻害剤、硬化剤、細胞傷害性薬物、免疫調節剤、およびクリスタロイドグルココルチコイドから成る群からの少なくとも1つの物質を含む。さらなる実施形態において、該方法は、該間隙内に存在する物質の少なくとも一部分が、第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入し、第1チャネルを介して除去されるように、第1真空源を第1ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む。
【0050】
本開示に従う吸引カテーテルを使用して組織から流体を除去するための方法の少なくとも1つの実施形態において、吸引カテーテルは、チューブ内でその長さに沿って位置付けられる第2チャネルを画定する第2管腔をさらに含み、1つ以上の送達アパーチャがチューブに沿って画定され、1つ以上の送達アパーチャは、チューブの外壁からチューブの第2管腔へと延在し、チューブの遠位端またはその近傍に存在する。別の実施形態において、第2ポートが、チューブの近位端またはその近傍で連通し、第2ポートは第2チャネルに動作可能に接続され、第2ポートはさらに送達源との動作接続が可能であり、第2チャネルは、物質を含有する送達源が第2ポートに動作可能に取り付けられた際、物質を送達するように構成される。さらに別の実施形態において、該方法は、送達源内に存在する物質の少なくとも一部分が、第2チャネルを通じ、かつ第2チャネルと連通する1つ以上の送達アパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、送達源から標的部位へ送達されるように、物質を含有する送達源を第2ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む。
【0051】
本開示に従う吸引カテーテルを使用して組織から流体を除去するための方法の少なくとも1つの実施形態において、該方法は、システムを提供するステップであって、近位端、遠位端、ならびに近位端と遠位端との間に延在する第1管腔を含む係合カテーテルと、近位端、遠位端、ならびに近位端と遠位端との間に延在する中空円筒を含む穿刺カテーテルであって、送達カテーテルの遠位端に針を有し、中空円筒が係合カテーテルの第1管腔に挿入できるように構成される穿刺カテーテルと、吸引カテーテルであって、細長いチューブであって、近位端、遠位端、チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびにチューブ内の管腔を画定するチューブの長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、内壁は、チューブの長さに沿って第1チャネルを形成する細長いチューブと、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、1つ以上のアパーチャは、チューブの外壁からチューブの内壁へと延在し、1つ以上のアパーチャは、チューブの遠位端またはその近傍に存在し、1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、第1チャネルと連通するアパーチャと、チューブの近位端と連通する第1ポートであって、第1チャネルに動作可能に接続され、第1真空源との動作接続が可能である第1ポートと、を含み、チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入させ、第1真空源が第1ポートに動作可能に取り付けられた際、第1チャネルを介して除去させるように構成される吸引カテーテルと、を含み、吸引カテーテルは、係合カテーテルの第1管腔に挿入できるように構成される、ステップと、係合カテーテルの遠位端が組織内の間隙を囲む組織壁またはその近傍に位置付けられるように、係合カテーテルを体内に挿入するステップと、穿刺カテーテルを係合カテーテルの第1管腔に挿入するステップであって、穿刺カテーテルは、係合カテーテルの遠位端を出て、穿刺カテーテルの針で組織壁を穿刺するステップと、穿刺カテーテルを係合カテーテルから除去するステップと、係合カテーテルの第1管腔に吸引カテーテルを挿入するステップであって、吸引カテーテルは、吸引カテーテルの遠位端が組織壁によって囲まれる間隙内に存在し、該間隙内に存在する流体と接触するように、組織壁を通じて係合カテーテルの遠位端を出るステップと、該間隙内に存在する流体の少なくとも一部分が、第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入し、第1チャネルを介して除去されるように、第1真空源を第1ポートに動作可能に接続するステップと、を含む。
【0052】
本開示に従う組織に係合するための方法の少なくとも1つの実施形態において、該方法は、係合カテーテルから送達カテーテルを除去するステップをさらに含む。別の実施形態において、該方法は、吸引カテーテルを係合カテーテルの第2管腔に挿入するステップをさらに含み、吸引カテーテルは、吸引カテーテルの遠位端が少なくとも部分的に穿刺された組織によって囲まれる間隙内に存在し、該間隙内に存在する流体と接触するように、穿刺された組織を通って係合カテーテルの遠位端を出る。さらに別の実施形態において、吸引カテーテルは、細長い吸引チューブであって、近位端、遠位端、吸引チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびに吸引チューブ内の管腔を画定する吸引チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、内壁は、吸引チューブの長さに沿って第1チャネルを形成する細長い吸引チューブと、チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、1つ以上のアパーチャは、チューブの外壁から吸引チューブの内壁へと延在し、1つ以上のアパーチャは、吸引チューブの遠位端またはその近傍に存在し、1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、第1チャネルと連通するアパーチャと、吸引チューブの近位端と連通する吸引カテーテルポートであって、第1チャネルに動作可能に接続され、吸引カテーテルの真空源との動作接続が可能である吸引カテーテルポートと、を含み、第1チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入させ、吸引カテーテルの真空源が吸引カテーテルポートに動作可能に取り付けられた際、第1チャネルを介して除去させるように構成され、吸引カテーテルは、係合カテーテルの第2管腔に挿入できるように構成される。さらなる実施形態において、該方法は、該間隙内に存在する流体の少なくとも一部分が第1チャネルと連通する1つ以上のアパーチャに進入し、第1チャネルを介して除去されるように、吸引カテーテルの真空源を吸引カテーテルポートに動作可能に接続するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】本明細書に開示される、係合カテーテルの一実施形態および送達カテーテルの一実施形態を示す。
【図1B】本明細書に開示される、係合カテーテルの別の一実施形態および送達カテーテルの別の一実施形態を使用する、経皮的血管内心膜送達を示す。
【図2A】図1Aに示される係合および送達カテーテルを使用し、右心房壁または心耳を通じて心膜腔にアクセスするための経皮的血管内手技を示す。
【図2B】図2Aに示される係合カテーテルの実施形態を示す。
【図2C】図2Aおよび2Bに示される係合カテーテルの実施形態の遠位端の別の図を示す。
【図3A】本明細書に開示される、カテーテルの一実施形態の除去を示す。
【図3B】本明細書に開示される、一実施形態に従う、穿刺の再密閉を示す。
【図4A−4C】本明細書に開示される、一実施形態を使用する、心房壁内の穴の閉合を示す。
【図4D】本明細書に開示される別の実施形態を使用した心臓組織の穴の別の閉合を示す。
【図4E】本明細書に開示される別の実施形態を使用した心臓組織の穴のさらに別の閉合を示す。
【図4F】本明細書に開示される別の実施形態を使用した心臓組織の穴のまた別の閉合を示す。
【図5A】本明細書に開示される係合カテーテルの一実施形態を示す。
【図5B】図5Aに示される係合カテーテルの近位端の断面図を示す。
【図5C】図5Aに示される係合カテーテルの遠位端の断面図を示す。
【図5D】心臓の内側から心臓壁に接近する、図5Aに示される係合カテーテルを示す。
【図6A】本明細書に開示される、送達カテーテルの一実施形態を示す。
【図6B】図6Aに示される針の拡大図を示す。
【図6C】図6Aおよび6Bに示される針の断面図を示す。
【図7】本明細書に開示される送達カテーテルの一実施形態を示す。
【図8】操縦チャネル内の操縦ワイヤシステムの一実施形態を示す。
【図9A】本明細書に開示される操縦ワイヤシステムの別の実施形態を示し、本実施形態は一箇所で屈折される。
【図9B】図9Aに示される操縦ワイヤシステムであって、2箇所で屈折される操縦ワイヤシステムを示す。
【図9C】その原位置にある、図9Aおよび9Bに示される操縦ワイヤシステムを示す。
【図10】操縦ワイヤシステムの別の実施形態の一部分を示す。
【図11】本明細書に開示される送達カテーテルの別の実施形態の断面図を示す。
【図12A】本明細書に開示される、心臓組織の穴を閉合するためのシステムの一実施形態を示す。
【図12B】本明細書に開示される、心臓組織の穴を閉合するためのシステムの別の実施形態を示す。
【図12C】本明細書に開示される、心臓組織の穴を閉合するためのシステムの別の実施形態を示す。
【図13】本明細書に開示される、心臓組織の穴を閉合するためのシステムの別の実施形態を示す。
【図14】本明細書に開示される、心臓組織の穴を閉合するためのシステムの別の実施形態を示す。
【図15A】本明細書に開示される、心臓組織の穴を閉合するためのシステムの別の実施形態を示す。
【図15B】心臓組織に接近する図15Aの実施形態を示す。
【図15C】心臓組織の中で展開される、図15A〜15Cの実施形態を示す。
【図16A】本明細書に開示される、実質的にスリーブ内に位置付けられるスカートを有する、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図16B】本明細書に開示される、組織に係合するための器具の一部分の別の実施形態を示す。
【図16C】本明細書に開示される、実質的にスリーブの外に位置付けられるスカートを有する、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図17A】本明細書に開示される、組織に係合している、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図17B】本明細書に開示される、組織に係合している拡張したスカートを有する、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図18A】本明細書に開示される、スリーブ内に存在する仕舞われたスカート有する、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図18B】本明細書に開示される、拡張したスカートを有する、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図19】本明細書に開示される、組織に係合するためのシステムの実施形態を示す。
【図20A】本明細書に開示される、中を通って位置付けられるリードを有する、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図20B】本明細書に開示される針を示す、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図20C】中を通って位置付けられるリードを有する図20Bの実施形態を示す。
【図21A】本明細書に開示される、組織から流体を除去するための器具の一部分の実施形態を示す。
【図21B】本明細書に開示される、組織から流体を除去するため溝を含む器具の一部分の実施形態を示す。
【図22】本明細書に開示される、心臓内に挿入される、組織から流体を除去するための器具の一部分の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
開示される実施形態に関する以下の発明を実施するための形態は、本質的に単なる例示であり、添付の請求項の範囲を限定するものでないことが当業者には理解されるであろう。
【0055】
開示される実施形態は、心臓の内側から心臓の種々の組織にアクセスするために有用な装置、システム、および方法を含む。例えば、種々の実施形態は、心房壁または心耳の壁を通じた心膜腔への経皮的血管内アクセスを提供する。少なくとも一部の実施形態において、心臓壁を心膜嚢から吸い込み、引き込んで、心臓と心膜嚢との間の心膜腔を増大させることにより、心膜腔へのアクセスを容易にする。
【0056】
比較的堅い心膜嚢とは異なり、心房壁および心耳はむしろ柔軟で変形可能である。そのため、心房壁または心耳の吸引は、心膜の吸引と比較して、心膜からの心臓組織の著しく大きな隙間を提供することができる。さらに、血管内領域(心臓の内側)からのナビゲーションは、胸腔内アクセス(心臓の外側)よりも正確に重要な心臓構造の位置を提供する。
【0057】
心膜腔へのアクセスは、心膜流体内の診断マーカの同定、心膜穿刺術、および血管形成能、筋原性、および抗不整脈能を備える治療因子の投与に使用することができる。さらに、以下でさらに詳しく説明されるように、心外膜ペーシングリードを心膜腔を介して送達し、アブレーションカテーテルを心膜腔から心外膜組織上で使用することができる。
【0058】
図1Aに示されるカテーテルシステムの実施形態では、カテーテルシステム10は、係合カテーテル20、送達カテーテル30、および針40を含む。係合カテーテル20、送達カテーテル30、および針40のそれぞれが近位端および遠位端を有するが、図1Aは遠位端のみを示す。係合カテーテル20は、送達カテーテル30が挿入された管腔を有し、送達カテーテル30は、針40が挿入された管腔を有する。送達カテーテル30は、多数の開口50を有し、カテーテルの管腔からカテーテルの遠位端に近接する心臓組織に流体を伝送するために使用できる。
【0059】
図2A、2B、2Cにおいてさらに詳しく示されるように、係合カテーテル20は、心臓内の標的組織65の吸引に使用される真空チャネル60、および標的組織65に対する物質の注入に使用される注入チャネル70を含み、物質は、例えば、生分解性または非生分解性の接着剤を含む。図2Bおよび2Cに示されるように、注入チャネル70はリング型であり、注入された物質を標的組織上に比較的均一に分散する傾向にあるが、その他の形状の注入チャネルが好適な場合もある。シリンジ80は、注入チャネル70に取り付けられ、適切な物質を注入チャネル70に送達し、シリンジ90は、係合カテーテル20の近位端において、真空ポート(図示せず)を通じて真空チャネル60に取り付けられ、真空チャネル60を通じて適切な吸引を提供する。係合カテーテル20の遠位端において、吸引ポート95は、真空チャネル60に取り付けられ、標的組織65と接触して、吸引ポート95が標的組織65を囲むことにより、標的組織65が、吸引ポート95の周囲内に包含されるようにする。シリンジ90は、図2Bにおいて、係合カテーテル20の吸引を提供する真空源として示されているが、その他の種類の真空源、例えば、特定の吸引圧力を提供する制御真空システムを使用してもよい。同様に、シリンジ80は、図2Bに示される実施形態において、外部流体源として機能するが、その他の外部流体源を使用してもよい。
【0060】
本明細書に開示される種々の実施形態を使用するための進入経路は、頸静脈または大腿静脈を通じて、それぞれ上大静脈または下大静脈、右心房壁または心耳を(経皮的に)通り、(穿刺を通じて)心膜嚢に至る。
【0061】
ここで図1Bを参照すると、係合カテーテル100は、標準的なアプローチによって頸静脈または大腿静脈に配置される。4または5Fr.であり得るカテーテルは、蛍光透視または心エコー誘導下で、右心耳110に位置付けられる。吸引を開始し、心臓を囲む心膜嚢120から心耳110の一部分を吸い込む。ここで説明されるように、心臓組織の吸い込みは、係合カテーテル100を通じて血液を引き戻すことができない場合、吸引圧力を測定する際、吸引圧力が徐々に増加する場合に明らかである。次に、送達カテーテル130を係合カテーテル100の管腔を通じて挿入する。図1Aおよび2Aに示されるように、針40等の針を用いて、吸い込まれた心耳110に小穿孔を形成することができる。次に、送達カテーテル130を通じてガイドワイヤ(図示せず)を心膜腔に進め、心耳を通る進入点125を固定し、送達カテーテル130または別のカテーテルのさらなる挿入を誘導することができる。蛍光透視または心エコーを使用し、心膜腔内のカテーテルの位置を確認することができる。代替として、圧力先端針が圧力を感知し、心房(約10mmHg)から心膜腔(約2mmHg)までの圧力変化を測定することができる。これは、特に経中隔アクセスに有用であり、以下でさらに詳述されるように、動脈構造(例えば、大動脈)の穿刺を診断し、接着剤で密閉することができる。
【0062】
心房壁または心耳を吸い込むことにより、心臓壁または心耳を心膜嚢から引き込み、追加の心膜腔を形成することができるが、送達カテーテル130等のカテーテルを通じて、CO2ガスを心膜腔に送達し、心膜嚢と心臓表面との間に追加腔を形成することができる。
【0063】
ここで図3Aを参照すると、図1Bに示されるカテーテルシステムは、進入経路を通じて引き戻すことによって回収される。しかし、心臓内の標的組織(例えば、図3Aに示されるような右心耳)の穿刺は、カテーテルを引き抜く際に密閉することができ、心膜腔への出血を防ぐ。カテーテルの回収は、(1)注入チャネル70を介して組織接着剤またはポリマ75を放出し、図3Bに示されるように、穿刺穴を密閉する、(2)内部クリップまたは機械的ステッチを解放し、本明細書で論じられるように、空洞または心臓の内側から穴を閉合する、または(3)壁の両側から穴に接近するサンドイッチ型の機械装置を用いて心臓を機械的に閉合する(図4A、4B、および4Cを参照)方法のうちの1つにおいて、組織の密閉と組み合わせることができる。つまり、例えば、生分解性接着材料(例えば、フィブリン接着剤またはシアノメタクリル酸)、磁気システム、または傘型ニチノールステントを使用することによって、閉合を行うことができる。心房内の穴を閉合する一例を図3Bに示す。係合カテーテル20は、吸引ポート60を通じた吸引を使用して、標的組織95に取り付けられる。組織接着剤75は、注入チャネル70を通じて注入され、標的組織95における刺創を被覆および密閉する。次に、係合カテーテル20を引き抜き、心房壁または心耳に取り付けられた組織接着剤75のプラグを残す。
【0064】
心房壁または心耳における刺創を密閉するための他の例を図4A〜4Fに示す。ここで図4A〜4Cを参照すると、外被膜610および内被膜620を有するサンドイッチ型閉合部材は、心房壁630の標的組織に取り付けられる、係合カテーテル600の管腔を通じて挿入される。外被膜および内被膜610、620のそれぞれは、傘と同様に、カテーテルを通じてその折り畳み構成で挿入し、カテーテルの外側に出た時点で拡張構成に拡張することができる。図4Aに示されるように、刺創を通って心膜腔にすでに送達された外被膜610は、心房壁の外側上で(その拡張構成に)展開され、標的組織における刺創を密閉する。内被膜620は、4Aおよび4Bに示されるように、内被膜620が(例えばねじ状機構により)可逆的に取り付けられている細長い送達ワイヤ615により、係合カテーテル600を通じて(その折り畳み構成で)送達される。内被膜620が標的組織において、心房壁630の内部上の適所に配置されると、内被膜620を展開し、標的組織における刺創の密閉を助ける(図4Cを参照)。
【0065】
内被膜620および外被膜610は、ニチノール等の形状記憶合金を含む、多くの材料から作製することができる。そのような実施形態は、カテーテル内では折り畳み構成で存在し、体内で展開されると拡張構成に拡張することができる。構成におけるそのような変化は、例えば温度の変化により生じ得る。内被膜および外被膜の他の実施形態は、他の生体適合性材料から作製して機械的に展開することができる。
【0066】
内被膜620の展開後、係合カテーテル600は、標的組織上でそのグリップを解放し、引き抜いて、図4Cに示されるように、刺創を密閉するためのサンドイッチ型閉合を残す。外被膜610および内被膜620は、生体適合性接着剤を使用して、適所に保持することができる。同様に、外被膜610および内被膜620は、例えば、磁石を含む外被膜610の内面(図示せず)、磁石を含む内被膜620の内面(図示せず)、または磁石を含む外被膜610もしくは内被膜620の両方の内面等により、磁力を使用して適所に保持することができる。
【0067】
図4A、4B、および4Cに示される実施形態において、閉合部材は外被膜610および内被膜620を含む。しかし、少なくとも一部の他の実施形態では、閉合部材が2つの被覆を有する必要はない。例えば、図4Dに示されるように、閉合部材632は1つのみの被覆634から作製される。被覆634は、第1面636および第2面638を有し、第1面636は送達ワイヤ640の遠位端642に可逆的に取り付けられるように構成される。閉合部材632は、折り畳み構成から拡張構成へ移行することができる、ニチノールを含む任意の好適な材料から作製され得る。
【0068】
図4Eに示される実施形態において、閉合部材1500は、送達カテーテル1530内で外被膜1510および内被膜1520を含む。外被膜1510および内被膜1520は、結合部1540において付着され、これは例えば機械的付着または磁気付着によって形成することができる。磁気付着を有する実施形態において、外被膜および内被膜のそれぞれは、もう一方の強磁性構成要素に磁気的に係合することができる強磁性構成要素を有し得る。
【0069】
心房壁1550の穴1555を通って挿入後の送達カテーテル1530が示される。ロッド1560を押すことにより、心房壁1550に接近するように送達カテーテル1530を通じて閉合部材1500を進めることができる。ロッド1560は、閉合部材1500が適切に展開された後、ロッド1560が内被膜1520から取り外され得るように、内被膜1520に可逆的に取り付けることができる。例えば、ロッド1560は、展開の完了後、閉合部材1500からロッド1560を回して容易に外すことができるようにねじ状の先端を備える内被膜1520に係合してもよい。代替として、内被膜1520をロッド1560に付着させずに、内被膜1520が送達カテーテル1530の内側に沿って押され得るように、単にロッド1560を内被膜1520に係合してもよい。
【0070】
閉合部材1500は、外被膜1510が心房壁1550に隣接する送達カテーテル1530の一部分に到達するまで、送達カテーテル1530を通って進められ、外被膜1510は送達カテーテル1530から心膜腔にゆっくりと押される。次に、外被膜1510が拡張し、心房壁1550の外表面に位置付けられる。外被膜1510が心房壁1550上に適切に位置付けられると、結合部1540は穴1555内の心房壁1550とほぼ平行になる。次に、送達カテーテル1530をゆっくりと引き抜き、結合部1540の周りで穴1555をわずかに閉合させる。送達カテーテル1530の引き抜きを継続すると、内被膜1520が送達カテーテル1530から展開し、これによりその拡張形態に開く。その結果、心房壁1550が内被膜1520と外被膜1510との間で締め付けられ、穴1555を閉合し、心臓からの血液の漏出を防ぐ。
【0071】
図4Fは、外被膜1610と内被膜1620との間で心房壁1600を挟むことによる、心房壁1600の穴(図示せず)の閉合を示す。心房壁1600の外表面上で展開された外被膜1610が示され、一方送達カテーテル1630は心房壁1600の内表面上に展開される。示されるように、ロッド1640は内被膜1620と係合し、送達カテーテル1650は引き抜かれている途中であり、これにより内被膜1620が完全に展開される。次に、ロッド1640が送達カテーテル1630を通って引き抜かれる。本明細書においてより完全に説明されるように、係合カテーテル(図示せず)が送達カテーテル1650を囲んでもよい。
【0072】
心臓組織の刺創を密閉するための他の例を、図12〜15に示す。ここで図12Aを参照すると、第1端652、第2端654、および第1端652から第2端654へと延在する穴656を有するプラグ650が示される。プラグ650は、カゼイン、ポリウレタン、シリコーン、およびポリテトラフルオロエチレンを含む任意の好適な材料から作製することができる。ワイヤ660は、プラグ650の穴656に摺動可能に挿入される。ワイヤ660は、心臓組織の穴(図示せず)を通って延在する限り、例えばガイドワイヤまたはペーシングリード等であり得る。図12Aに示されるように、第1端652は硫酸バリウム等の放射線不透過性材料で被覆され、したがって放射線不透過性である。これにより、医師は、X線画像法を使用して体内のプラグの配置を見ることができる。例えば、医師は手順中にプラグの位置を確認することができ、患者に対するより安全でより効果的な手順が可能になる。
【0073】
図12Aに示されるように、プラグ650の第1端652は、プラグ650の第2端654よりも小さな直径を有する。実際、図12Bに示されるプラグ680、および図13および14に示されるプラグ684は、それらのそれぞれの第2端よりも小さな直径の第1端を有する。しかし、プラグのすべての実施形態が、第2端よりも小さい直径の第1端を有するわけではない。例えば、図12Cに示されるプラグ682は、第2端の直径よりも小さくはない直径を持つ第1端を有する。両方の種類のプラグを使用して、心臓組織の穴を閉合することができる。
【0074】
再び図12Aを参照すると、細長いシャフト670は、近位端(図示せず)、遠位端672、および近位端から遠位端672へと延在する管腔674を有する。図12Aにはカテーテルは示されていないが、プラグ650、ワイヤ660、およびシャフト670は、本明細書に開示される係合カテーテルの実施形態等のカテーテルの管腔(図14を参照)に挿入されるように構成される。また、プラグ650およびシャフト670は、ワイヤ660上で挿入されるように構成されており、プラグ650の管腔656およびシャフト670の管腔674のそれぞれはワイヤ660の周囲よりもわずかに大きいため、ワイヤ660に沿って摺動することができる。
【0075】
図13および14に示されるように、プラグ684は、シャフト672を使用して、細長いチューブ676内のワイヤ674に沿って標的心臓組織678の穴およびその中へと押される。細長いチューブ676の遠位端677は、心臓組織678に取り付けられて示されるが、遠位端677が心臓組織678に隣接している限り、遠位端677が心臓組織678に取り付けられる必要はない。プラグ684穴に挿入されると、ワイヤ674は、プラグ684および心臓の内部(図示せず)の穴から引き抜くことができ、シャフト672が細長いチューブ676から引き抜かれる。一部の実施形態において、プラグは自己密閉型であり、つまりプラグの穴はワイヤが引き抜かれた後に閉合する。例えばプラグは、流体を吸収した後に膨張するカゼインまたはアメロイド等の乾燥タンパク質基質から作製することができる。シャフト672が引き抜かれた後、細長いチューブ676を心臓から引き抜くことができる。
【0076】
一部の実施形態において、ワイヤはプラグの穴から引き抜かれないことに留意されたい。例えば、ワイヤがペーシングリードである場合、ワイヤをプラグ内に残して、CRT装置に動作可能に接続することができる。
【0077】
ここで図12Bを参照すると、プラグ684と類似したプラグ680が示される。しかし、プラグ680は、螺旋またはネジ状の形状のプラグ680を囲む隆起683を有する外表面681を含む。隆起683は、プラグ680の標的組織の穴(図示せず)への固定を助ける。プラグの他の実施形態は、例えば円形の、プラグを囲む多数の隆起を有する外表面を含んでもよい。
【0078】
図15A〜15Cは、組織の穴を閉合するための閉合部材のまた別の実施形態を示す。カテーテル1702内の、頭部1705、ならびに複数のアーム1710、1720、1730、および1740を含む蜘蛛型クリップ1700が示される。アーム1710、1720、1730、および1740のうちのそれぞれはその近位端で頭部1705に取り付けられる。蜘蛛型クリップ1700は4本のアームを有するが、蜘蛛型クリップの他の実施形態は、4本未満またはそれを超えるアームを含む。例えば、蜘蛛型クリップの一部の実施形態は、3本のアームを有し、一方他の実施形態は、5本以上のアームを有する。
【0079】
再び図15A〜15Cを参照すると、アーム1710、1720、1730、および1740は、形状記憶合金(例えば、ニチノール)またはステンレス鋼等の、2つの形状の間を移行することができる任意の可撓性の生体適合性金属から作製することができる。蜘蛛型クリップ1700は、そのアーム1710、1720、1730、および1740の遠位端が離間する開位置(図15Aを参照)と、アーム1710、1720、1730、よび1740の遠位端が集合する閉位置(図15Cを参照)との間を移行することができる。形状記憶合金から作製される実施形態について、クリップは、クリップが心臓組織の中に配置された際等で、該金属がほぼ体温に温められると、開位置から閉位置に移行するように構成され得る。ステンレス鋼等の他の種類の金属から作製される実施形態について、クリップはその閉位置に構成されるが、クリップの頭部に圧力が加えられた際、開位置に移行されてもよい。そのような圧力がアームを外側に突き出させることにより、アームの遠位端が離れる。
【0080】
このようにして、蜘蛛型クリップ1700を使用して心房壁を通る穴等の組織の創傷または穴を密閉することができる。例えば、図15Bは、係合カテーテル1760内でロッド1750により係合される蜘蛛型クリップ1700を示す。示されるように、係合カテーテル1760は鐘形の吸引ポート1765を有し、これは本明細書で開示されるように、心臓組織1770を吸い込んでいる。心臓組織1770は、そこを通る穴1775を含み、吸引ポート1765は、穴1775を蜘蛛型クリップ1700に向けるように穴1775上に適合している。
【0081】
ロッド1750は、係合カテーテル1760を通って蜘蛛型クリップ1700を押し、蜘蛛型クリップ1700を心臓組織1770の方へ進める。ロッド1750は、単に頭部1705を押すことにより頭部1705に係合するが、他の実施形態において、ねじ式のシステムを使用して頭部にロッドを可逆的に取り付けてもよい。そのような実施形態において、単に頭部にロッドをねじ込むか、または頭部からロッドを回して外すことにより、それぞれ、ロッドを頭部に取り付けおよび頭部から取り外すことができる。
【0082】
少なくとも一部の実施形態において、蜘蛛型クリップは、ロッドによりクリップの頭部に加えられる圧力によって、係合カテーテルを通って進む間、その開位置に保持される。この圧力は、前進中の係合カテーテルに対する脚の付勢により対向され得る。
【0083】
図15Cを参照すると、蜘蛛型クリップ1700は心臓組織1770に接近し、最終的にはアーム1710、1720、1730、および1740のそれぞれの遠位端が心臓組織1670に接触するように心臓組織1770に係合する。ロッド1750が蜘蛛型クリップ1700から係脱し、蜘蛛型クリップ1700がその閉位置に移行することにより、アーム1710、1720、1730、および1740の遠位端を引き寄せる。アームの遠位端が引き寄せられるにつれて、遠位端が心臓組織1770の一部分を把持することにより、アーム1710、1720、1730、および1740の間の組織がつぶれて穴1775が効果的に閉合されるようになる。
【0084】
次に、ロッド1750が引き抜かれ、係合カテーテル1760が心臓組織1770から係脱する。心臓組織1770の収縮が穴1775の閉合を保持し、係合カテーテル1760が除去された後、穴1775を通って血液が漏出することはない。比較的短期間の後、体の自然な治癒プロセスにより、穴1775は永久的に閉合される。蜘蛛型クリップ1700は、無期限に体内に残存してもよい。
【0085】
図16A、16B、および16Cは、本明細書に開示される、組織に係合するための器具の一部分の実施形態を示す。図16Aに示されるように、スリーブ1800が、係合カテーテル1810の少なくとも一部分の周囲に存在する。スリーブ1800は、本明細書に記載されるように、中を通る管腔を有し、係合カテーテル1810の外側の周囲に示され、係合カテーテル1810に摺動係合する、硬質または可撓性のチューブを含み得る。少なくとも図16Aに示される実施形態において、係合カテーテル1810の遠位端1820はスカート1830を含み、図16Aではスリーブ1800内に格納されて示されている。送達カテーテル1840は、示されるように係合カテーテル1810内に存在し、生成物(気体、液体、および/または微粒子)の標的部位への送達を促進することができる。本実施形態では、送達カテーテル1840は少なくとも部分的に係合カテーテル1810の管腔内に存在し、係合カテーテルは少なくとも部分的にスリーブ1800の管腔内に配置される。
【0086】
ここで図16Bを参照すると、図16Aに示される器具または図16Aに示される実施形態に類似した実施形態が示され、スリーブ1800は係合カテーテル1810の遠位端から引き戻されている。図16Bに示されるように、スリーブ1800が(矢印の方向に)引き戻されるとスカート1830が露出し、スリーブ1800がスカート1830の周囲に存在しなくなると、スカート1830は任意選択的にフラスト円錐形(「鐘形」)スカート1830に拡張することができる。スカート1830は、図16Aおよび図18Aに示されるように、スリーブ1800の管腔内に存在する時は可逆的に変形され(仕舞われ)てもよく、これは本明細書でさらに詳細に記載される。不定形のフラスト円錐形構成を含む、スカート1830のフラスト円錐形構成への多くの代替の構成が存在し得ることが理解され得、本明細書でさらに詳細に記載されるように、近位位置よりも大きい遠位部分(係合される組織に最も近接した)を有するスカート1830の構成が、組織のより大きな表面積の吸引からの利益を得ることができることに留意されたい。
【0087】
図16Cは、拡張したスカート1830を有する、本明細書に記載される器具の実施形態を示す。図16Cに示されるように、スリーブ1800は、スカート1830の拡張構成が組織(図示せず)に係合するように示され得るように、(矢印の方向に)引き戻されている。
【0088】
図17Aおよび17Bは、本明細書に記載される、組織に係合するための器具の一部分の代替の実施形態を示す。図17Aおよび17Bはそれぞれ、スリーブ1800、スカート1830を有する係合カテーテル1810、および送達カテーテル1840を示す。各図において、スカート1830は組織1850の表面に係合して示される。17Aおよび17Bに示される実施形態において、示されるようにスリーブ1800、係合カテーテル1810、および送達カテーテル1840の相対的な大きさは類似しているが、係合カテーテル1810のスカート1830の相対的な大きさは明らかに異なる。図17Aに示される、組織に係合するための器具の一部分の例示的な実施形態は、係合カテーテル1810と同一、あるいは実質的に類似した相対的な大きさのスカート1830を含み、つまり、図17Aに示される係合カテーテル1810およびスカート1830の直径は、ほぼ同一である。逆に、図17Bに示される、組織に係合するための器具の一部分の例示的な実施形態は、係合カテーテル1810より顕著に大きなスカート1830を含み、つまり、図17Bに示される係合カテーテル1810およびスカート1830の最も幅広な点における直径は、顕著に異なる。図17Bに示されるように、スカート1830が係合カテーテル1810から組織1850へと延在するにつれて、スカート1830の直径は増す。したがって、図17Bに示される実施形態のスカート1830は、図17Aに示されるスカート1830の実施形態よりも大きな表面積の組織(1860と図示)に係合することができる。スカート1830によってより大きな表面積の組織1850に係合する能力により、本明細書で詳述されるように真空が提供されると、組織1850のより良好な可逆的係合が可能になる。この吸引の改善により、そのような器具の使用者は、そうでなければスカート1830がより小さな表面の組織に係合する際に可能であるよりも効果的に組織1850に係合することができる。
【0089】
図18Aおよび18Bは、組織に係合するための器具の一部分の実施形態の斜視図を示す。図18Aは、係合カテーテル1810のスカート1830が実質的にスリーブ1800内に位置付けられる実施形態を表す。図18Bは、係合カテーテル1810のスカート1830がスリーブ1800外に位置付けられる実施形態を表す。したがって、スリーブ1800内のスカート1830の位置付けは図16Aおよび18Aの実施形態で見ることができ、スリーブ1800外のスカート1830の位置付けは、図16Cおよび18Bの実施形態で見ることができる。
【0090】
図18Aに示されるように、係合カテーテル1810のスカート1830はスリーブ1800内に位置付けられ、それによってスカート1830の構成は、スカート1830がスリーブ1800内に適合し得るように仕舞われる。スリーブ1800が図18Bに示される矢印の方向に移動するにつれてスカート1830が露出するようになり、スリーブ1800の内壁によって提供される制約がないため、その構成は拡張を許される。
【0091】
また、図18Aおよび18Bに示される実施形態は、係合カテーテル1810の構成の例示的な実施形態も示す。図18Bに示されるように、係合カテーテル1810は係合カテーテル1810の遠位端(スカート1830の近位端)に存在する多数の(管腔を表す)アパーチャを画定し、これには1つ以上の真空ポート1870(真空チューブの遠位端またはその近傍のアパーチャを表す)、および送達ポート1880(送達チューブの遠位端またはその近傍のアパーチャを表す)が含まれるが、それらに限定されない。本明細書に記載されるように、1つ以上の真空チューブの近位端に位置する吸引ポートに真空源(図示せず)を連結することができ、真空ポートでの真空の導入により、気体、流体、および/または微粒子を1つ以上の真空ポート1870に導入することができる。気体、流体、および/または微粒子は、送達アパーチャ1880から組織(図18Aまたは18Bには図示せず)へ導入してもよい。
【0092】
図17Aおよび17Bの例示的な実施形態によって示されるように、組織に係合するためのそのような器具の使用者にとって、適切な吸引を獲得する能力は、少なくとも部分的に組織1850またはその近傍におけるスカート1830および送達カテーテル1840の相対的配置に依存する。図5Dに示される例示的な実施形態について本明細書で詳述されるように、真空源が(図18Aおよび18Bに示される)1つ以上の真空ポート1870を通って吸引を提供しても、スカート1830が組織1850に効果的に係合しなければ、組織1850の領域における気体、流体、および/もしくは微粒子、ならびに/または送達カテーテル1840を介して組織1850の領域へ送達される気体、流体、および/もしくは微粒子は、1つ以上の真空ポート1870によって吸い込まれ得る。スカート1830が組織1850に効果的に係合しても、送達カテーテル1840が組織1850に係合していない場合は、送達カテーテル1840を介して送達されるいずれの気体、液体、および/または微粒子も1つ以上の真空ポート1870によって吸い込まれ得る。スカート1830および送達カテーテル1840が組織1850に効果的に係合した場合、組織1850上またはその中の送達カテーテル1840の配置が組織1850またはその中に直接送達をもたらすため、送達カテーテル1840によって組織1850に送達されるいずれかの気体、液体、および/または微粒子のうちの全てではないにしてもほとんどが、1つ以上の真空ポート1870によって吸引されない。
【0093】
本明細書に記載される、組織に係合するためのシステムおよび/または装置の例示的な実施形態を図19に示す。図19に示されるように、例示的な器具は、矢印の方向に動かされて、係合カテーテル1810の遠位端にスカート1830を現し、スカートを拡張したフラスト円錐形構成に戻す、スリーブ1800を示す。本実施形態に示されるように、送達カテーテル1840が器具の近位端に導入され(破線矢印によって示される方向に)、係合カテーテル1840の遠位端で送達カテーテル1840が送達管腔(図示せず)から出ることができる。針1890を送達カテーテル1840の遠位端に存在させ、組織(図示せず)の潜在的な穿刺を促進し、送達カテーテル1840の遠位端を組織に進入させてもよい。
【0094】
さらに、また図19の例示的な実施形態に示されるように、リード1900が送達カテーテル1840に(破線矢印によって示される方向に)導入されてもよく、これによってリード1900の遠位端が針1890のアパーチャを出て、任意選択的に組織および/または組織の管腔に進入することができる。本明細書に記載されるように、感知リードおよび/またはペーシングリードを含む、任意の数の好適な種類のリード1900を、本明細書に記載される送達カテーテルと併用することができる。また、真空源1910は、そのような器具への真空源を提供し、吸引を用いてスカート1830を組織に係合させることができる。
【0095】
図19に示されるように、組織に係合するための器具の例示的な実施形態は、湾曲を有する係合カテーテル1810を含む。そのような湾曲した係合カテーテル1810により、そのような器具の使用者は、例えば、ある方向から体内または組織へ器具を挿入し、別の方向からスカート1830、送達カテーテル1840、針1890、および/またはリード1900を用いて組織を係合することができる。例えば、使用者は、器具の一部分を心臓の片側から導入し、器具が器具の導入の方向とは異なる方向から心臓に係合してもよい。
【0096】
また、本開示の器具の例示的な実施形態を使用して、臓器の内部に係合することができることが理解され得る。本明細書ですでに言及されたように、そのような器具を使用して、組織の表面に係合することができる。しかし、そのような組織は、限定されないが、心臓、肺、腸、胃、または任意の数の他の臓器もしくは組織を含む、任意の数の組織の外表面であり得ることが理解され得る。また、例えば心臓を含むこれらの種類の臓器または組織の一部は、本開示の器具によって係合され得る、1つ以上の内部組織表面を有することも理解され得る。例えば、そのような器具の使用者は、器具を使用して、心臓の片側をもう一方から分割する心臓の中隔に係合することができる。そのような使用は気体、液体、および/または微粒子の心臓の特定の側への送達を促進することができ、したがって標的送達が有益な効果を提供することができ、これには心臓の左側の内壁をペーシングするためにリードを送達する能力が含まれるが、それに限定されない。
【0097】
ここで図20A、20B、および20Cを参照すると、本開示に従う、組織に係合するための器具の一部分の実施形態が示される。図20Aに示されるように、組織に係合するための器具の一部分の例示的な実施形態は、係合カテーテル1810に摺動係合するスリーブ1800を含み、スリーブ1800が示される矢印の方向に摺動されると、示されるように、拡張した、任意選択的にフラスト円錐形構成を有するスカート1830が現れる。送達カテーテル1840は、送達カテーテル1840の遠位端に針1890を示して送達管腔(図示せず)から出ることができる。図20Aの実施形態に示されるように、針1890のアパーチャから出るリード1900が示される。
【0098】
図20Bおよび20Cは、図20Aに示される、本開示に従う組織に係合するための器具の一部分の実施形態の拡大図を示す。図20Bおよび20Cに示されるように、針1890のアパーチャ1920が示され、図20Cに示されるように、リード1900は針1890のアパーチャ1920から出ることができる。
【0099】
ここで図5A、5B、5C、および5Dを参照すると、本明細書に開示される係合カテーテルの別の実施形態が示される。係合カテーテル700は、近位端710、および遠位端720、ならびに近位端710と遠位端720との間に延在する2つの管腔730、740を有する細長いチューブである。管腔730、740は、特に図5Bおよび5Cに示されるように、同心の内壁750および外壁760によって形成される。近位端710において、係合カテーテル700は、管腔730に取り付けられる真空ポート770を含み、真空源を真空ポート770に取り付けて管腔730内に吸引を形成することによって、吸引チャネルを形成するようにする。カテーテル700の遠位端720において、吸引ポート780を管腔730に取り付け、吸引ポート780を心臓組織775(図5Dを参照)と接触して配置し、組織を吸い込むことによって、真空源が取り付けられて係合される際、吸引ポート780と組織775との間に真空密閉を形成できるようにする。真空密閉により、吸引ポート780は組織775を把持、固定、および牽引することができる。例えば、真空源を使用して吸引ポートを内部心房壁に取り付けることにより、吸引ポートは心臓を囲む心膜嚢から心房壁を牽引することができ、心房壁と心膜嚢との間の心膜腔を拡張する。
【0100】
図5Cに示されるように、2つの内部管腔支持810、820は管腔730内に位置し、内壁750および外壁760に取り付けられて、壁に対する支持を提供する。これらの管腔支持は、管腔730を2つの吸引チャネルに分割する。内部管腔支持810、820は、カテーテル700の長さの大部分に沿ってカテーテル700の遠位端720から延在するが、内部管腔支持810、820は、カテーテル700の全長に渡る場合とそうでない場合とがある。実際に、図5A、5B、および5Cに示されるように、内部管腔支持810、820は、近位端710まで延在せず、外部真空源からの吸引がカテーテル700の周囲に比較的均一に分散されることを保証する。図5Cに示される実施形態は、2つの内部管腔支持を含むが、他の実施形態は、1つのみの内部支持を有するか、または3つ以上のそのような支持を有し得る。
【0101】
図5Dは、そこに取り付けるために心臓組織775に接近する、係合カテーテル700を示す。本手順を行う医師にとって、いつ吸引ポートが心房壁または心耳の組織を係合したかを知ることは、重要である。例えば、図5Dを参照すると、吸引ポート780は、密閉が形成されるように組織775を完全に係合していないことが明らかである。しかし、吸引ポート780は通常、手順中に見られないため、医師は、吸い込まれた血液の量を監視する、圧力センサ/調整器を用いて吸引圧力を監視する、またはそれら両方によって、心房組織と吸引ポートとの間に適切な真空密閉が形成されたことを判断することができる。例えば、係合カテーテル700が心房壁組織(例えば、組織775)に接近して適所に近づくと、管腔730を通じて吸引を行うことができる。圧力センサ/調整器を用いて、所定レベルの吸引(例えば、10mmHg)を課し、測定することができる。カテーテル700が壁を係合しない限り、一部血液がカテーテルに吸い込まれ、吸引圧力は同一である。しかし、カテーテル700が(図5Dにおいて組織775として示される)心臓の壁に係合または取り付けられる場合、最小量の血液が吸い込まれ、吸引圧力は徐々に増加し始める。そのような各兆候は、係合の指標として(アラームまたはその他の手段を通じて)医師に警告することができる。次に圧力調整器は、吸引圧力を規定値に維持し、組織の過剰な吸引を防ぐことができる。
【0102】
係合カテーテル、例えば、係合カテーテル700は、心房壁または心室壁を含む心臓の壁の内部組織に流体またはその他の物質を送達するように構成することができる。例えば、図5Aおよび5Cに示される管腔740は、遠位端720に注入チャネル790を含む。注入チャネル790は、管腔740を通って流れる物質を標的組織に分配する。図5Dに示されるように、注入チャネル790は、管腔740の遠位端である。しかし、他の実施形態において、注入チャネルは、リング型(図2Cを参照)であるか、または他の幾つかの好適な構成を有し得る。
【0103】
係合カテーテルを用いて局所的に投与できる物質は、遺伝子または細胞療法用の製剤、薬物、および心臓における使用に安全な接着剤を含む。管腔740の近位端は、外部流体源に取り付けることができる流体ポート800を有し、送達される流体を標的組織に供給する。実際に、標的組織から針を引き抜いた後、本明細書で論じられるように、係合カテーテルによって接着剤を標的組織に投与し、標的組織から針を引き抜くことによってできた刺創を密閉することができる。
【0104】
ここで図6A、6B、および6Cを参照すると、近位端860、遠位端870、およびカテーテルの長さに沿って管腔885を有する細長い中空チューブ880を含む送達カテーテル850が示される。中空針890は遠位端870から延在し、管腔885と連通する。図6A、6B、および6Cの実施形態において、針890は遠位端870に取り付けられるが、他の実施形態において、針をカテーテルの遠位端(図1Aを参照)に着脱可能に取り付けるか、または他の方法で配置することができる。図6A、6B、および6Cに示される実施形態において、針が取り付けられる一部の他の実施形態の場合と同様に、中空チューブ880と針890との間の接合(すなわち、取り付け部位)は、針890の周囲の周方向に安全ノッチ910を形成し、針890の過剰な穿孔を防ぐ。従って、医師は、針890を心房壁に挿入して心膜腔にアクセスする際、通常の条件下において、安全ノッチ910における中空チューブ880の直径が(針890の直径と比べて)大きく、さらなる針の挿入を妨げるため、心膜嚢を針890で無意識に穿孔することはない。図6A、6B、および6Cに示される実施形態において、安全ノッチ910は、中空チューブ880と針890との接合によって形成されるが、他の実施形態は、異なって構成される安全ノッチを有し得る。例えば、安全ノッチは、バンド、リング、または針の先端から好適な距離を置いて針に取り付けられる類似装置を含み得る。安全ノッチ910と同様に、他の安全ノッチの実施形態は、針のプロファイルよりも大きいプロファイルを呈することによって、針がノッチ本体を越えて挿入されるのを防ぎ、ノッチが針の進入によって生じた組織の穴に容易に進入しないようにする。
【0105】
本手順を行う医師にとって、いつ針が心房組織を穿刺したかを知ることは有用である。これは、幾つかの方法で行うことができる。例えば、送達カテーテルを圧力変換器に接続し、針の先端における圧力を測定することができる。心膜腔における圧力は心房内よりも低く、拍動もはるかに少ないため、医師は、針が心房組織を通過して心膜腔に入ったことを即座に認識することができる。
【0106】
代替として、図6Bに示されるように、カテーテルアセンブリの一部として、針890をひずみゲージ915に接続してもよい。針890が組織に接触する際(図示せず)、針890は変形する。変形はひずみゲージ915に伝達され、電気信号が(古典的なホイートストンブリッジを通じて)変形を反映することにより、医師に警告する。そのように壁の穿刺を確認することによって、過剰な穿刺を防ぎ、手順の、さらなる制御を提供することができる。
【0107】
一部の実施形態において、送達カテーテル、例えば、図6A、6B、および6Cに示されるカテーテル850を係合カテーテル、例えば、図5A、5B、5C、および5Dに示されるカテーテル700と併用して、心臓壁と心膜嚢との間の心膜腔にアクセスする。例えば、係合カテーテル700を血管系に挿入し、係合カテーテルの遠位端が心房内に入るように進めることができる。本明細書に開示される吸引ポートを使用して、係合カテーテルを心房の壁の内部上の標的組織に取り付けることができる。送達カテーテルは、係合カテーテルの内部管腔、例えば、図5Bおよび5Cに示される管腔740を通じて挿入される際、標準的なガイドワイヤを送達カテーテルの管腔を通じて挿入することができる。ガイドワイヤを使用することにより、送達カテーテル850をより効果的にナビゲートし、針890が係合カテーテル700の内壁750を損傷しないようにすることができる。ガイドワイヤが突出している送達カテーテルの先端が心房に到達した際、ワイヤを引き戻し、針を前方に押して標的組織を穿孔する。次に、穿孔を通じて心膜腔へガイドワイヤを進め、心房壁を通じた心膜腔へのアクセスを提供する。
【0108】
再び図6A、6B、および6Cを参照すると、針890を心房壁または心耳を通じて挿入した後に、送達カテーテル850の管腔885を使用して流体を心膜腔に送達することができる。壁または心耳の穿刺後に、針管腔900を通じて心膜腔にガイドワイヤ(図示せず)を挿入し、心房壁または心耳を通じたアクセスを維持することができる。次に、多くの方法で心膜腔に流体を導入することができる。例えば、心房壁または心耳を針で穿刺した後、一般に針を引き抜く。図6Aおよび6Bに示される実施形態のように、針が送達カテーテルに永久に取り付けられる場合は、次に送達カテーテル850を引き抜き、別の(針が取り付けられていない)送達カテーテルをガイドワイヤで心膜腔に導入する。次に、第2送達カテーテルの管腔を通じて心膜腔に流体を導入することができる。
【0109】
しかし、一部の実施形態において、単一の送達カテーテルのみが使用される。そのような実施形態において、針は送達カテーテルに取り付けられないが、代わりに針ワイヤ(図1Aを参照)であってもよい。そのような実施形態において、送達カテーテルの管腔を通じて針を引き抜き、送達カテーテルをガイドワイヤで心膜腔に挿入することができる。次に、送達カテーテルの管腔を通じて心膜腔に流体を導入する。
【0110】
医師は、本明細書に開示される種々の実施形態を使用して、例えば、(1)遺伝子、細胞、薬物等を送達する、(2)心外膜刺激のためのカテーテルアクセスを提供する、(3)急激に(例えば、心臓タンポナーデの場合)または慢性的に(例えば、慢性腎疾患、癌等により生じた浸出を緩和するために)流体を排出する、(4)経中隔的穿刺を行い、電気生理学的治療、生検等のために左心耳を通じてカテーテルを送達する、(5)右心耳を通じて大動脈基部に磁気の糊またはリングを送達し、経皮大動脈弁を所定の位置に保持する、(6)例えば、肺静脈、または心房性および心室性不整脈の心臓の右心房および心外膜表面に組織アブレーションのためのカテーテルを送達する、(7)(本明細書で論じられるように)心外膜、右心房、および左右心室ペーシングリードを送達および配置する、(8)経皮的アプローチを通じて左心耳を閉塞する、および(9)内視カメラまたは内視鏡を用いて心膜腔を可視化し、治療的送達、診断、リード配置、マッピング等のために心臓の心外膜表面をナビゲートすることができる。ここに明記されていないその他の多くの適用も可能であり、本開示の範囲内である。
【0111】
ここで図7を参照すると、送達カテーテル1000が示される。送達カテーテル1000は、チューブ1010の近位端(図示せず)からチューブ1010の遠位端1025へと延在する壁1020を有する細長いチューブ1010を含む。チューブ1010は2つの管腔を含むが、送達カテーテルの他の実施形態は、送達カテーテルの使用目的により、2つ未満またはそれを超える管腔を有してもよい。また、チューブ1010は、操縦ワイヤシステム1040の一部分が中に位置する操縦チャネル1030も含む。操縦チャネル1030はチューブ1010の遠位端1025において開孔1044を形成し、ガイドワイヤ1050上で適合する大きさである。
【0112】
図8は、操縦チャネル1030内の操縦ワイヤシステム1040をより詳しく示す(残りの送達カテーテルから切り離されて示される)。操縦ワイヤシステム1040は、部分的に操縦チャネル1030内に位置し、2本の操縦ワイヤ1060および1070、ならびに制御装置1080を含み、制御装置1080は、図8に示される実施形態において、第1ハンドル1090および第2ハンドル1094を含む。第1ハンドル1090は操縦ワイヤ1060の近位端1064に取り付けられ、第2ハンドル1094は操縦ワイヤ1070の近位端1074に取り付けられる。操縦ワイヤ1060の遠位端1066は、取り付け点1100で、操縦チャネル1030内の送達カテーテルのチューブの壁に取り付けられ、操縦ワイヤ1070の遠位端1076は、取り付け点1110で、操縦チャネル1030内の送達カテーテルのチューブの壁に取り付けられる。図7に示されるように、取り付け点1100および取り付け点1110は、送達カテーテル1000の遠位先端1120の近傍の、操縦チャネル1030の対向側面に位置する。
【0113】
図8の実施形態において、操縦ワイヤ1060および1070は操縦チャネル1030を通る1組として通されている。しかし、他の実施形態の操縦ワイヤシステムは、操縦チャネル内で個別に小さな管腔に通される操縦ワイヤを含んでもよい。例えば、図11は、壁1266、操縦チャネル1290、第1管腔1270、および第2管腔1280を含む細長いチューブ1264を有する送達カテーテル1260の断面図を示す。送達カテーテル1260は、操縦ワイヤ管腔1293内に操縦ワイヤ1292、操縦ワイヤ管腔1295内に操縦ワイヤ1294、および操縦ワイヤ管腔1297内に操縦ワイヤ1296をさらに含む。操縦ワイヤ管腔1293、1295、および1297のそれぞれは操縦チャネル1290内に位置し、壁1266から形成される。操縦ワイヤ1292、1294、および1296のそれぞれは、操縦チャネル1290内の壁1266に取り付けられる。説明されるように、各操縦ワイヤの壁への取り付け点は、送達カテーテルの遠位先端近傍に位置してもよく、あるいは送達カテーテルの中央により近接して位置してもよい。
【0114】
ここで図7および8を参照すると、操縦ワイヤシステム1040を使用して、送達カテーテル1000の遠位先端1120を制御することができる。例えば、第1ハンドル1090が引かれると、操縦ワイヤ1060が遠位先端1120を引き、これが送達カテーテル1000を屈曲させ、先端を第1方向へ屈折させる。同様に、第2ハンドル1094が引かれると、操縦ワイヤ1070が反対方向に遠位先端1120を引き、これが送達カテーテル1000を屈曲させ、先端を反対方向へ屈折させる。したがって、操縦ワイヤシステム1040を使用して、送達カテーテル1000を体を通って方向付ける(すなわち、操縦する)ことができる。
【0115】
操縦ワイヤシステム1040は2本の操縦ワイヤのみを有するが、操縦ワイヤシステムの他の実施形態は2つを超える操縦ワイヤを有してもよい。例えば、操縦ワイヤシステムの一部の実施形態は3本の操縦ワイヤを有してもよく(図11を参照)、そのそれぞれが異なる取り付け点で操縦チャネルに取り付けられる。操縦ワイヤシステムの他の実施形態は、4本の操縦ワイヤを有してもよい。一般に、操縦ワイヤが多いほど、それぞれのさらなる操縦ワイヤにより、ユーザは送達カテーテルの先端をさらなる方向に屈折させることができるため、医師は送達カテーテルの方向付けをより制御できる。例えば、4本の操縦ワイヤを使用して、送達カテーテルを4つの異なる方向(例えば、上、下、右、左)に方向付けることができる。
【0116】
操縦ワイヤシステムが2本を越える操縦ワイヤを含む場合、送達カテーテルは異なる点で同じ方向に屈折することができる。例えば、3本の操縦ワイヤを備える送達カテーテルは、ある方向に屈折するための2本の操縦ワイヤと、逆に屈折(すなわち、反対方向への屈折)するための第3操縦ワイヤを含み得る。そのような実施形態において、屈折のための2本の操縦ワイヤが、送達カテーテルの長さに沿って異なる位置に取り付けられる。ここで図9A〜9Cを参照すると、異なる屈折状態の操縦チャネル1360内の操縦ワイヤシステム1350が示される(残りの送達カテーテルから切り離されて示される)。操縦ワイヤシステム1350は、部分的に操縦チャネル1360内に位置し、3本の操縦ワイヤ1370、1380、および1390、ならびに制御装置1400を含み、制御装置1400は、図9A〜9Cで示される実施形態ではハンドル1410を含む。ハンドル1410は、操縦ワイヤ1370の近位端1374、操縦ワイヤ1380の近位端1384、および操縦ワイヤ1390の近位端1394に取り付けられる。操縦ワイヤ1370の遠位端1376は、取り付け点1378で、操縦チャネル1360内の送達カテーテルのチューブの壁に取り付けられ、これは送達カテーテルの遠位先端近傍である(図示せず)。操縦ワイヤ1380の遠位端1386は、取り付け点1388で、操縦チャネル1360内の送達カテーテルのチューブの壁に取り付けられ、これは送達カテーテルの遠位先端近傍である(図示せず)。取り付け点1378および取り付け点1388は、操縦チャネル1360の対向側面に位置し、操縦ワイヤ1370および1380が、引き締められた際(以下で説明されるように)、送達カテーテルを反対方向に屈折させる傾向にあるようにする。操縦ワイヤ1390の遠位端1396は、取り付け点1398で、操縦チャネル1360内の送達カテーテルのチューブの壁に取り付けられ、これは、送達カテーテル上の、取り付け点1378および1388よりも送達カテーテルの近位端に近接した点に位置する。取り付け点1398は、操縦チャネル1360の取り付け点1388と同じ側面に位置し、操縦ワイヤ1380および1390が、引き締められた際(以下で説明されるように)、送達カテーテルを同じ方向に屈折させる傾向にあるようにする。しかし、取り付け点1398は取り付け点1388よりも送達カテーテルの近位端に近接するため、操縦ワイヤ1390の引き締めは、操縦ワイヤ1380の引き締めが行うよりも送達カテーテルの近位端に近接する点で送達カテーテルを屈折させる傾向にある。したがって、図9Aに示されるように、操縦ワイヤ1390の引き締めは、送達カテーテルをほぼ点1410で屈折させる。操縦ワイヤ1380の同時の引き締めは、図9Bに示されるように、送達カテーテルをほぼ点1420でさらに屈折させる。したがって、操縦ワイヤ1370の引き締めは逆の屈折を生じ、送達カテーテルをその原位置に戻す(図9Cを参照)。
【0117】
再び図7を参照すると、細長いチューブ1010は管腔1130および管腔1140をさらに含む。管腔1130は、チューブ1010のほぼ近位端(図示せず)からチューブ1010の遠位端1025またはその近傍に延在する。管腔1130は、チューブ1010の遠位端1025またはその近傍にチューブ1010に対する屈曲1134と、チューブ1010の遠位端1025またはその近傍にチューブ1010の壁1020を通る出口1136とを有する。同様に、管腔1140は、チューブ1010の遠位端1025またはその近傍にチューブ1010に対する屈曲1144と、チューブ1010の遠位端1025またはその近傍にチューブ1010の壁1020を通る出口1146とを有する。図7に示される実施形態において、管腔1130は、レーザードップラー先端部として構成され、管腔1140は、引き込み式の感知リード1150、および該リードの遠位端に先端を有するペーシングリード1160を受容する大きさである。光ファイバーレーザードップラー先端部は、(先端部により発される光の波長の変化を測定することにより)血流を検出および測定し、これが医師によるリード配置中の血管の特定―そして回避―を助ける。感知リード1150は、心臓組織内の電気信号を検出するように設計され、医師が瘢痕組織等の電気的に無反応である組織にペーシングリードを配置することを回避できるようにする。ペーシングリード1160は心臓組織へ配置するためにねじ式のリードであり、電極であるその先端は、実質的にねじ状の形状を有する。ペーシングリード1160は、心臓ペーシングのためにCRT装置(図示せず)に動作可能に取り付けることができる。心臓ペーシング用のリード1160が使用されているが、感知リードを含む任意の好適な種類のリードを、本明細書に記載される送達カテーテルと併用することができる。
【0118】
管腔1130の屈曲1134および管腔1140の屈曲1144のそれぞれは、約90度の角度を形成し、これによりカテーテルが心膜腔内で操作される際に、それぞれの出口1136および1146が心臓の外表面に面するようになる。しかし、他の実施形態は、管腔が心膜腔から心臓の外表面への適切なアクセスを提供する限り、90度未満またはそれ以上の他の角度を形成する屈曲を有してもよい。そのような角度は、例えば約25度〜約155度の範囲であってもよい。リードおよびドップラー先端部の送達に加えて、管腔1130および管腔1140は、例えば生検の採取、遺伝子細胞治療剤もしくは薬理学的薬剤の送達、心室の補強のための生物接着剤の送達、急性心筋梗塞および境界部位の心室心外膜の吸引の実施、心膜液貯留あるいは心タンポナーデの治療における流体の除去、または心房細動の治療における心臓組織のアブレーションを可能にするように構成されてもよい。
【0119】
例えば、管腔1130を使用して、遺伝子細胞、幹細胞、医用材料、成長因子(サイトキナーゼ、線維芽細胞成長因子、または血管内皮成長因子等)および/もしくは生分解性合成高分子、RGDリポソーム生物接着剤、または治療もしくは診断用の任意の他の好適な薬物もしくは物質の心筋内注入用のカテーテル針を送達することができる。例えば、好適な生分解性合成高分子には、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ酸無水物、ポリアミド、およびポリウレタンが含まれ得る。一部の実施形態において、該物質は、メタロプロテイナーゼ(例えば、メタロプロテイナーゼ1)等の組織阻害剤を含む。
【0120】
一部の物質(生体高分子およびRGDリポソーム生物接着剤等)の注入は、慢性心不全の治療に有用であり、左心室壁を補強および強化する。したがって、本明細書に開示される実施形態を使用して、心膜腔から心臓組織へのそのような物質の注入は、経胸腔的アプローチを介した送達に関連する問題およびリスクを緩和する。例えば、本明細書に開示されるように、送達カテーテルの遠位端が心膜腔まで進められると、針が送達カテーテルの管腔を通って心臓組織の中に延在され、針を通って心臓組織に物質が注入される。
【0121】
心膜腔から心臓組織への物質の送達は、レーザードップラー先端部を使用して促進され得る。例えば、心室壁の菲薄化を治療する際、図7に示される実施形態の管腔1140に位置するレーザードップラー先端部を使用して、手順中(リアルタイムで)左心室壁の厚さを測定し、注入のための適切な標的領域を決定することができる。
【0122】
再び図8を参照すると、制御装置1080は第1ハンドル1090および第2ハンドル1094を含むが、制御装置の他の実施形態は、異なる構成を含んでもよい。例えば、ハンドルを使用する代わりに、制御装置が操縦ワイヤシステムの操縦ワイヤを制御するための任意の好適なトルクシステムを含んでもよい。ここで図10を参照すると、操縦ワイヤ1180、操縦ワイヤ1190、および制御装置1200を有する操縦ワイヤシステム1170の一部分が示される。制御装置1200は、第1の回転可能なスプール1220を有するトルクシステム1210を含み、これは、回転時に操縦ワイヤ1180を回収および分配することができる。例えば、第1の回転可能なスプール1220がある方向に回転すると、操縦ワイヤ1180がスプール1220上に回収されることにより、操縦ワイヤ1180を引き締める。スプール1220が反対方向に回転すると、操縦ワイヤ1180がスプール1220から分配されることにより、操縦ワイヤ1180が弛緩する。また、トルクシステム1210は第2の回転可能なスプール1230も有し、これは上述のとおり回転時に操縦ワイヤ1190を回収および分配することができる。
【0123】
トルクシステム1210は、第1の回転可能なダイヤル1240および第2の回転可能なダイヤル1250をさらに含む。第1の回転可能なダイヤル1240は第1の回転可能なスプール1220に取り付けられ、第1の回転可能なダイヤル1240の回転が、第1の回転可能なスプール1220を回転させるようにする。同様に、第2の回転可能なダイヤル1250は第2の回転可能なスプール1230に取り付けられ、第2の回転可能なダイヤル1250の回転が、第2の回転可能なスプール1230を回転させるようにする。カテーテルの操作を容易にするために、トルクシステム1210、具体的には第1および第2の回転可能なダイヤル1240および1250は、任意選択的にチューブ1010の近位端でカテーテルハンドル(図示せず)上に位置付けられてもよい。
【0124】
操縦ワイヤシステム1170を使用して、操縦ワイヤシステム1140と類似の様式で、体を通って送達カテーテルを方向付けることができる。したがって、例えば、第1の回転可能なダイヤル1240が第1方向(例えば時計回り)に回転されると、操縦ワイヤ1180が引き締められ、送達カテーテルがある方向に屈折される。第1の回転可能なダイヤル1240が他の方向(例えば反時計回り)に回転されると、操縦ワイヤ1180が弛緩し、送達カテーテルはその原位置に伸展する。第2の回転可能なダイヤル1250が一方向(例えば反時計回り)に回転されると、操縦ワイヤ1190が引き締められ、送達カテーテルは第1屈折と反対の方向に屈折する。第2の回転可能なダイヤル1250が他の方向(例えば時計回り)に回転されると、操縦ワイヤ1190が弛緩し、送達カテーテルはその原位置に伸展する。
【0125】
操縦ワイヤシステムの一部の他の実施形態は、トルクシステムにより、医師が種々の操縦ワイヤを確実に引き締めおよび弛緩できる限り、他の種類のトルクシステムを含み得る。各操縦ワイヤの引き締めおよび弛緩の程度は、トルクシステムにより制御可能であるべきである。
【0126】
再び図11を参照すると、送達カテーテル1260の断面図が示される。送達カテーテル1260は、チューブ1265、第1管腔1270、第2管腔1280、および操縦チャネル1290を含む。操縦ワイヤ1292、1294、および1296が操縦チャネル1290内に示される。第1管腔1270は出口1275を有し、これを用いて、マイクロカメラシステム(図示せず)またはレーザードップラー先端部1278を送達することができる。第2管腔1280は、ペーシングリード1300、ならびに感知リード(図示せず)を送達するための大きさである。
【0127】
心膜液浸出の除去による心タンポナーデの治療は、以下に記載されるように、本開示の器具を使用して行うことができる。典型的な手順には体内への器具の一部分の経皮的血管内挿入を伴い、これは局所または全身麻酔下で行うことができる。次に、本明細書に記載されるアプローチまたは使用者に既知である他の方法を利用して、器具の一部分を経皮血管的に心膜嚢に進入させることができる。そのような器具を使用して体内の他の間隙にアクセスし、本明細書に記載されるように流体を除去および/または気体、液体、および/または微粒子を送達することができ、そのような器具は心臓へのアクセスおよび心膜液浸出の除去に限定されないことが理解され得る。
【0128】
そのような器具の一部分の例示的な実施形態が、図21Aおよび21Bに示される。図21Aに示されるように、有孔ドレナージカテーテル2100が提供される。有孔ドレナージカテーテル2100は、少なくとも1つの吸引/注入アパーチャ2110を画定するチューブを含み、図21Aの実施形態に示されるように、有孔ドレナージカテーテル2100は、複数の吸引/注入アパーチャ2110を画定する。吸引/注入アパーチャ2110は、有孔送達カテーテル2100内に画定される内部管腔に動作可能に接続される。有孔ドレナージカテーテル2100の一部分は、図21Aおよび21Bに示されるように、本明細書に記載される組織に係合するためのシステムの1つ以上の部分に連結可能であることが理解され得る。したがって、組織に係合するためのシステムの1つ以上の部分を使用して、本明細書に記載されるように流体を除去するためのシステムを画定することができる。
【0129】
有孔送達カテーテル2100内の内部管腔は、複数の内部チャネルを画定できることが理解され得る。例えば、有孔送達カテーテル2100は2つのチャネルを画定することができ、1つのチャネルは、1つ以上の吸引/注入アパーチャ2110に動作可能に連結され、チャネルの一端に連結される真空源が吸引/注入アパーチャ2110を介して吸引を提供するのを可能にし、1つのチャネルは1つ以上の他の吸引/注入チャネルに動作可能に接続され、標的部位への気体、液体、および/または微粒子の注入を可能にする。
【0130】
以下でさらに詳述されるように、有孔ドレナージカテーテル2100が体内の間隙、例えば心膜嚢に進入すると、有孔ドレナージカテーテル2100を用いて、1つ以上の吸引/注入アパーチャ2110を通る吸引の使用により、流体を除去することができる。また、有孔ドレナージカテーテル2100を使用して、1つ以上の吸引/注入アパーチャ2110を通って標的部位へ気体、液体、および/または微粒子を送達することもできる。
【0131】
有孔ドレナージカテーテル2100の一部分の別の例示的な実施形態を図21Bに示す。図21Bに示されるように、有孔ドレナージカテーテル2100は、複数の吸引/注入アパーチャ2110を備えるチューブを含む。しかし、例示的な本実施形態では、有孔ドレナージカテーテル2100は、有孔ドレナージカテーテル2100の長さの一部分に延在する多数の凹溝2120を含み、これによりその中の陥凹部分に吸引/注入アパーチャ2110が提供される。凹溝2120は、少なくとも部分的に有孔ドレナージカテーテル2100の周囲の周りに位置付けられると、有孔ドレナージカテーテル2100の長さの一部分に延在する1つ以上の隆起2130を画定する。有孔ドレナージカテーテル2100の該隆起2130は、組織(図示せず)またはその近傍に位置付けられると、組織が1つ以上の吸引/注入アパーチャ2110と直接接触するのを防ぐのを補助する。例えば、有孔ドレナージカテーテル2100が本明細書に記載される様式で使用され、真空が有孔ドレナージカテーテル2100に連結されると、1つ以上の凹溝2120内に位置付けられる1つ以上の吸引/注入アパーチャ2110からの吸引により、有孔ドレナージカテーテル2100の領域に存在する流体の除去が可能になる。隆起2130は、1つ以上の吸引/注入アパーチャ2110との組織の接着および/または接触を防ぐか、あるいは最小限に抑えるのを補助する。
【0132】
有孔ドレナージカテーテル2100を使用する手順は、例えば蛍光透視法および/またはエコードップラー可視化手技を使用して、有孔ドレナージカテーテル2100を心膜嚢、その後心臓表面に挿入することにより行うことができる。有孔ドレナージカテーテル2100が心膜嚢に挿入されると、心膜嚢内に存在する心膜液浸出は、例えば、シリンジを使用した弱吸引により除去することができる。一例では、60ccのシリンジを使用し、手動で優しく吸引し、浸出液を除去してもよい。浸出液が除去されたら、患者の血行動態パラメータを監視して浸出液の除去の有効性を確認することができる。例えば、蛍光透視法またはエコードップラー可視化によって心膜嚢が空であることが確認されたら、急性心膜液浸出のカテーテルは除去することができ、あるいは以下に記載されるように局所治療に使用して、例えば抗生物質、化学療法、または別の薬物を導入してもよい。
【0133】
心膜嚢内に存在する有孔ドレナージカテーテル2100の一部分の例示的な実施形態を図22に示す。図22に示されるように、有孔ドレナージカテーテル2100は、本明細書に記載される手技および/または手順のうちの1つ以上を使用してまず心臓2200に挿入され、右心耳2210、臓側心膜2215を通って心膜嚢2220に配置される。心膜嚢2220の外側部分は、壁側心膜2230によって画定される。次に、有孔ドレナージカテーテル2100を使用して、心膜液浸出2240(心膜嚢2220内の流体)を除去することができる。真空源(図示せず)が流体を除去するためのシステムの一部分(部分的に、有孔ドレナージカテーテル2100、および本明細書に記載される組織に係合するためのシステムの1つ以上の他の構成要素を含む)の近位端に連結されると、有孔ドレナージカテーテル2100への真空の導入により、心膜液浸出2240(流体)を、心膜嚢2220から吸引/注入アパーチャ2110の長さに沿って画定される1つ以上の吸引/注入アパーチャ2110へ引き抜くことができる。
【0134】
有孔ドレナージカテーテル2100は、心膜液浸出(または体内の間隙内に存在する他の流体)の一部または全ての除去に使用され、流体が除去された間隙またはその近傍に気体、液体、および/または微粒子を送達するために使用することもできる。例えば、心膜液浸出を除去するための有孔ドレナージカテーテル2100の使用により、感染症のリスクが増す場合がある。したがって、有孔ドレナージカテーテル2100は、水および/または任意の数の有益な溶液で心膜嚢(または体内に存在する他の間隙)をすすぐために使用することができ、また、1つ以上の抗生物質を送達して、患者に効果的な全身的抗生物質療法を提供するために使用することもできる。抗生物質(例えばゲンタマイシン)の心膜内への点滴注入は有用であるが、典型的にはそれ自体では十分ではなく、したがってより効果的な治療のために全身的な抗生物質治療と組み合わせることができる。
【0135】
本開示の装置、システム、および/または方法を使用して、タンポナーデを伴わない腫瘍性の心膜液浸出を治療するためのさらなる方法を利用してもよい。例えば、全身的な抗腫瘍薬治療を行って、腫瘍の進行を抑制および/または阻止するための薬物を導入してもよい。緊急を要しない状態である(例えば心タンポナーデではない)場合、本開示のシステムおよび/または方法を使用して心膜穿刺術を行ってもよい。さらに、本開示により、細胞分裂阻害剤/硬化剤の心膜内への点滴注入が可能になる。本明細書に開示される装置、システム、および/または方法のうちの1つ以上を使用して、硬化剤、細胞傷害性薬物、または免疫調節剤の心膜内への点滴注入により再発の阻止を達成できることが理解され得るが、心膜内治療は腫瘍の種類に合わせて調整され得ることに留意されたい。慢性的な自己反応性の心膜液浸出に関しては、クリスタロイドグルココルチコイドの心膜内への点滴注入は、高用量の局所適用を可能にしつつ全身性副作用を回避することができる。
【0136】
ペーシングリードは、本明細書に開示される係合カテーテルおよび送達カテーテルを使用して、心臓の外表面に配置することができる。例えば、係合カテーテルの細長いチューブを血管の中に延在し、チューブの遠位端が心臓の壁の内部上の標的組織と接触するようにする。上記で説明されるように、標的組織は心房壁または心耳の内部に位置し得る。吸引を開始し、標的組織の一部分を吸い込み、心臓を囲む心膜嚢から心臓壁を引き離すことにより、心膜嚢と心臓壁との間の心膜腔を拡張する。次に、チューブの管腔を通って針を挿入し、心臓へ進める。針を標的組織に挿入し、標的組織を穿孔する。針を通してガイドワイヤの遠位端を心膜腔に挿入し、心臓壁を通る進入点を固定する。そして、標的組織から針を引き抜く。
【0137】
本明細書に記載される送達カテーテルは、係合カテーテルのチューブの管腔にガイドワイヤ上で挿入される。送達カテーテルは、14Fr.の放射線不透過性操縦カテーテルであり得る。送達カテーテルの遠位端を、ガイドワイヤ上で標的組織を通って心膜腔に進める。心膜腔に入ると、本明細書に開示される操縦ワイヤシステムを使用して送達カテーテルを方向付ける。さらに、マイクロカメラシステムを送達カテーテルの管腔を通って延在し、心膜腔内の所望の位置への送達カテーテルの方向付けを補助してもよい。送達カテーテルとの併用に好適なマイクロカメラシステムは、当技術分野において周知である。さらに、送達カテーテルの管腔を通ってレーザードップラーシステムを延在し、送達カテーテルの方向付けを補助してもよい。送達カテーテルを、送達カテーテルの管腔のうちの1つの出口が心臓の外表面(例えば心房または心室の外表面)に隣接するように位置付ける。送達カテーテルの管腔を通ってペーシングリードを心臓の外表面に延在する。ペーシングリードは、例えばリードを心臓組織にねじ込むことにより、心臓の外表面に取り付けてもよい。加えて、リードをさらに組織内にねじ込むことにより、心臓組織のより深部、例えば心内膜下組織にペーシングリードを配置してもよい。リードを適切な位置に配置した後、心膜腔および体から送達カテーテルを引き抜く。ガイドワイヤを心膜腔および体から引き抜き、係合カテーテルを体から引き抜く。
【0138】
開示される実施形態は、心内膜下ならびに心外膜のペーシングに使用することができる。リードの配置が心外膜である場合、心内膜下壁の近傍に到達する長いねじ状の先端を有するようにリードを構成することができる。リードの先端は、心内膜下領域へのペーシングを行うように、またそれを提供するように刺激型であるように作製することができる。一般に、リードの長さは、心臓壁の厚さを通じて任意の部位で経壁的にペーシングするように選択することができる。当業者は、当該患者にとって心外膜、心内膜下、またはいずれかの経壁的位置での筋肉の刺激が最適であるかを決定することができる。
【0139】
心臓組織にアクセスするための装置、システム、および方法の種々の実施形態は、本明細書において極めて詳細に説明されているが、それらの実施形態は、本明細書に記載される開示の非限定例として提供されるにすぎない。本明細書に記載される実施形態の多くの変型例および修正は、本開示に照らして、当業者には明らかとなるであろう。よって当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更および修正を行うことができること、また相当物をその要素に代替できることを理解するであろう。実際に、本開示は、本開示の範囲を網羅する、または限定するものではない。本開示の範囲は、添付の請求項、およびそれらの相当物により画定されるものとする。
【0140】
さらに、代表的な実施形態を説明する際に、本開示は、方法および/またはプロセスを特定順序のステップとして表している場合がある。しかし、方法またはプロセスが本明細書で説明される特定順序のステップに依存しない限り、方法またはプロセスは説明される特定順序のステップに限定されてはならない。当業者に理解されるように、その他の順序のステップが可能である場合がある。そのため、本明細書に開示される特定順序のステップは、請求項を限定するものと見なされてはならない。さらに、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、記載される順序のステップの実行に限定されてはならず、当業者であれば、配列を変更することができ、それでもなお本開示の精神および範囲内であることが容易に理解できる。
【0141】
したがって、本開示は、および本説明ならびに添付の請求項は、本開示に基づいて当業者に明らかとなるすべての修正および変更を含み、包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に係合するために真空源と併用するシステムであって、
近位端、遠位端、前記近位端と前記遠位端との間に延在する第1および第2管腔、ならびに前記遠位端に動作可能に接続されるスカートを含む係合カテーテルであって、前記スカートは、前記係合カテーテルの外周と実質的に同様の周囲を有する近位端を含み、前記スカートは、前記係合カテーテルの前記外周よりも大きな周囲を有する遠位端をさらに含む係合カテーテルと、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間に延在する中空チューブを含む送達カテーテルであって、前記中空チューブを前記係合カテーテルの前記第2管腔に挿入できるように構成される送達カテーテルと、
前記送達カテーテルの前記遠位端に位置する針と、
前記係合カテーテルの前記近位端に位置する真空ポートであって、前記係合カテーテルの前記第1管腔に動作可能に接続され、前記真空源との動作接続が可能である真空ポートと、を含み、
前記係合カテーテルの前記第1管腔は、前記係合カテーテルの前記遠位端またはその近傍に位置する吸引ポートを含み、前記吸引ポートは、前記スカートの前記近位端を組織の表面に着脱可能に係合させるように構成され、真空源が前記真空ポートに動作可能に取り付けられた際、前記スカートが前記組織の前記表面との可逆的密閉を形成できるようにする、システム。
【請求項2】
前記システムは、心臓を囲む心膜嚢から前記標的組織を引き離すことによって、前記標的組織と前記心膜嚢との間の心膜腔を拡張できる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムにより係合される前記組織は、心臓である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記スカートが前記心臓の内壁に取り付けられた際、前記心臓と心膜嚢との間の心膜腔を拡張することができる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記スカートは、変形可能な構成を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記スカートの前記変形可能な構成は、拡張構成に拡張することができる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記拡張構成は、フラスト円錐形構成である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記拡張構成は、不定形のフラスト円錐形構成である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
近位端、遠位端、ならびに前記近位端と前記遠位端との間に延在する管腔を含むスリーブをさらに含み、前記スリーブは、前記係合カテーテルの周囲の周方向に位置付けられ、前記スリーブは、前記係合カテーテルに摺動係合する、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記スリーブは、前記係合カテーテルの前記遠位端に位置付けることができ、前記スリーブは、少なくとも部分的に前記スカートを囲む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記スカートの前記変形可能な構成は、前記スリーブにより少なくとも部分的に囲まれた際に仕舞われる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記スリーブは、前記スカートを囲まないように前記係合カテーテルに沿って位置付けられ、前記スカートは、拡張構成に拡張することができる、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記拡張構成は、フラスト円錐形構成である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記拡張構成は、不定形のフラスト円錐形構成である、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記標的組織は、心房壁の一部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記標的組織は、心耳の一部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記針は、前記中空チューブが前記第2管腔に挿入され、前記吸引ポートが前記標的組織に取り付けられた際、前記標的組織を穿刺できるように位置付けられ、前記標的組織が穿刺された際、前記心膜腔へのアクセスが達成されるようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記心膜腔に挿入するためのガイドワイヤをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項19】
前記針は、前記中空チューブと連通する中空針を含み、前記ガイドワイヤは、前記中空チューブおよび前記中空針を通って前記心膜腔に挿入できる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記係合カテーテルは、前記係合カテーテルの前記第2管腔と流体連通する注入チャネルをさらに含み、前記注入チャネルは、流体を前記標的組織に投与するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記流体は接着剤を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記注入チャネルはリング型である、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記係合カテーテルは、前記係合カテーテルの長さに沿って形成された注入チャネルをさらに含み、前記注入チャネルは、その遠位端において、流体を前記標的組織に投与するための少なくとも1つの開口を有し、前記注入チャネルは、前記注入チャネルの前記近位端において、外部流体源に動作可能に取り付けることができ、前記外部流体源が前記注入チャネルに動作可能に取り付けられた際、前記外部流体源からの流体が前記注入チャネルを通じて前記標的組織に流れ得るようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記針は、前記標的組織を穿刺するための針ワイヤを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記針は、圧力先端針を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記係合カテーテルは、前記係合カテーテルの長さに沿って湾曲を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記係合カテーテルの前記湾曲は、約45度の角度を形成する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記係合カテーテルの前記湾曲は、約90度の角度を形成し、前記係合カテーテルの一部分が前記係合カテーテルの別の部分とほぼ垂直になるようにする、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記係合カテーテルの前記湾曲は、前記係合カテーテルの一部分が前記係合カテーテルの別の部分とほぼ平行になるような角度を形成する、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
組織に係合するために真空源と併用する係合カテーテルであって、
細長いチューブであって、近位端、遠位端、前記チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、および前記チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、前記外壁および前記内壁は、前記外壁と前記内壁との間で前記チューブの長さに沿って少なくとも1つの吸引チャネルを形成する細長いチューブと、
前記チューブの前記遠位端に動作可能に接続されるスカートであって、前記チューブの外周と実質的に同様の周囲を有する近位端を含み、前記チューブの前記周囲よりも大きい周囲を有する遠位端をさらに含むスカートと、
前記チューブの前記近位端と連通する真空ポートであって、前記少なくとも1つの吸引チャネルに動作可能に接続され、前記真空源との動作接続が可能である真空ポートと、
前記チューブの遠位端において、前記少なくとも1つの吸引チャネルと連通する吸引ポートであって、前記吸引ポートは、前記スカートの前記近位端を組織の表面に着脱可能に係合させるように構成され、真空源が前記真空ポートに動作可能に取り付けられた際、前記スカートが前記組織の前記表面との可逆的密閉を形成できるようにする吸引ポートとを含む、係合カテーテル。
【請求項31】
前記スカートは、変形可能な構成を含む、請求項30に記載の係合カテーテル。
【請求項32】
前記スカートの前記変形可能な構成は、拡張構成に拡張できる、請求項31に記載の係合カテーテル。
【請求項33】
前記拡張構成は、フラスト円錐形構成である、請求項32に記載の係合カテーテル。
【請求項34】
前記拡張構成は、不定形のフラスト円錐形構成である、請求項32に記載の係合カテーテル。
【請求項35】
前記スカートは、前記スカートがスリーブにより少なくとも部分的に囲まれた際、仕舞構成を有し、前記スカートは、前記スカートが前記スリーブにより囲まれない時には拡張構成を有する、請求項31に記載の係合カテーテル。
【請求項36】
前記係合カテーテルの前記スカートにより係合される前記組織は、心臓である、請求項30に記載の係合カテーテル。
【請求項37】
前記スカートは、前記スカートが前記心臓の内壁に取り付けられた際、前記心臓と心膜嚢との間の心膜腔を拡張できる、請求項36に記載の係合カテーテル。
【請求項38】
前記少なくとも1つの吸引チャネル内に位置付けられ、前記外壁および前記内壁に取り付けられる少なくとも1つの内部管腔支持をさらに含み、前記少なくとも1つの内部管腔支持は、前記チューブの前記長さの少なくとも大部分に沿って、前記チューブの前記遠位端から延在する、請求項30に記載の係合カテーテル。
【請求項39】
前記少なくとも1つの内部管腔支持は、2つの内部管腔支持を含み、前記少なくとも1つの吸引チャネルは、2つの吸引チャネルを含む、請求項38に記載の係合カテーテル。
【請求項40】
前記チューブの前記長さに沿って形成された注入チャネルをさらに含み、前記注入チャネルは、その遠位端において、流体を前記標的組織に投与するための少なくとも1つの開口を有し、前記注入チャネルの前記近位端において外部流体源に動作可能に取り付けることができ、前記外部流体源が前記注入チャネルに動作可能に取り付けられた際、前記外部流体源からの流体が前記注入チャネルを通じて前記標的組織に流れ得るようにする、請求項30に記載の係合カテーテル。
【請求項41】
組織に係合する方法であって、該方法は、
システムを提供するステップであって、
近位端、遠位端、前記近位端と前記遠位端との間に延在する第1および第2管腔、ならびに前記遠位端に動作可能に接続されるスカートを含む係合カテーテルであって、前記スカートは、前記係合カテーテルの外周と実質的に同様の周囲を有する近位端を含み、前記スカートは、前記係合カテーテルの前記外周よりも大きな周囲を有する遠位端をさらに含む係合カテーテルと、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間に延在する中空チューブを含む送達カテーテルであって、前記中空チューブを前記係合カテーテルの前記第2管腔に挿入できるように構成される送達カテーテルと、
前記送達カテーテルの前記遠位端に位置する針と、
前記係合カテーテルの前記近位端に位置する真空ポートであって、前記係合カテーテルの前記第1管腔に動作可能に接続され、前記真空源との動作接続が可能である真空ポートと、を含み、
前記係合カテーテルの前記第1管腔は、前記係合カテーテルの前記遠位端またはその近傍に位置する吸引ポートを含み、前記吸引ポートは、前記スカートの前記近位端を標的組織の表面に着脱可能に係合させるように構成され、真空源が前記真空ポートに動作可能に取り付けられた際、前記スカートが前記標的組織の前記表面との可逆的密閉を形成できるようにする、ステップと、
前記係合カテーテルの前記遠位端が前記標的組織またはその近傍に位置付けられるように、前記係合カテーテルを体内に挿入するステップと、を含む、方法。
【請求項42】
前記システムは、心臓を囲む心膜嚢から前記標的組織を引き離すことによって、前記標的組織と前記心膜嚢との間の心膜腔を拡張できる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記係合カテーテルを体内に挿入する前記ステップは、前記係合カテーテルの前記遠位端が前記心臓内に位置付けられ、前記スカートが前記心臓の壁の内部上で前記標的組織と接触するような、前記係合カテーテルの挿入を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記スカートが前記心臓の壁の内部上で前記標的組織に可逆的に取り付けられるように、前記真空ポートに真空源を動作可能に接続するステプをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記送達カテーテルを前記係合カテーテルの前記第2管腔に挿入するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記針で前記心臓の壁の内部上の前記標的組織を穿刺するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記心膜腔に物質を投与するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記標的組織から前記針を引き抜き、前記針を引き抜いた後、前記標的組織に物質を投与するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記物質は、前記標的組織内の刺創を密封するための接着剤を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記標的組織は、心房壁の一部分を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
前記標的組織は、心耳の一部分を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
前記心臓の前記壁を通って前記心膜腔にガイドワイヤを挿入することによって、前記心膜腔にアクセスするステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
組織から流体を除去するために真空源と併用するカテーテルであって、
細長いチューブであって、近位端、遠位端、前記チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびに前記チューブ内の管腔を画定する前記チューブの前記長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、前記内壁は、前記チューブの前記長さに沿って少なくとも1つの吸引チャネルを形成する細長いチューブと、
前記チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記外壁から前記チューブの前記内壁へと延在し、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記遠位端またはその近傍に存在し、前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの吸引チャネルと連通するアパーチャと、
前記チューブの前記近位端と連通する真空ポートであって、前記少なくとも1つの吸引チャネルに動作可能に接続され、前記真空源に動作可能に接続される真空ポートと、を含み、
前記吸引チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を、前記少なくとも1つの吸引チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入させ、前記真空源が前記真空ポートに動作可能に取り付けられた際、少なくとも1つの吸引チャネルを介して除去させるように構成される、カテーテル。
【請求項54】
少なくとも1つの凹溝が、前記チューブの前記長さの少なくとも一部に沿って延在する前記外壁上で画定される、請求項53に記載のカテーテル。
【請求項55】
前記チューブに沿って画定される前記1つ以上のアパーチャは、前記少なくとも1つの凹溝に沿って画定される、請求項54に記載のカテーテル。
【請求項56】
前記少なくとも1つの凹溝は、前記チューブの前記長さの少なくとも一部に沿って延在する1つ以上の隆起を画定し、前記隆起は、組織と前記1つ以上のアパーチャとの間に隙間を許容するように構成および配列される、請求項55に記載のカテーテル。
【請求項57】
前記少なくとも1つの凹溝は、少なくとも3つの凹溝を含む、請求項56に記載のカテーテル。
【請求項58】
前記1つ以上のアパーチャは、少なくとも3つのアパーチャを含む、請求項53に記載のカテーテル。
【請求項59】
前記カテーテルは、前記カテーテルの長さに沿って湾曲を含む、請求項53に記載のカテーテル。
【請求項60】
前記チューブ内に画定され、前記チューブの前記長さに沿って位置付けられる少なくとも1つの送達チャネルをさらに含み、前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの送達チャネルと連通する、請求項53に記載のカテーテル。
【請求項61】
前記少なくとも1つの送達カテーテルは、標的部位への送達のために、前記少なくとも1つの送達チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、前記送達チャネルの近位端に存在する送達源から物質を送達するように動作可能である、請求項60に記載のカテーテル。
【請求項62】
前記物質は、気体、液体、および微粒子から成る群からの少なくとも1つの物質を含む、請求項61に記載のカテーテル。
【請求項63】
前記物質は、抗生物質、細胞分裂阻害剤、硬化剤、細胞傷害性薬物、免疫調節剤、およびクリスタロイドグルココルチコイドから成る群からの少なくとも1つの物質を含む、請求項61に記載のカテーテル。
【請求項64】
前記真空ポートは、さらに送達源との動作接続が可能であり、前記吸引チャネルは、物質を含有する送達源が前記真空ポートに動作可能に取り付けられた際、前記物質を送達するように構成され、前記物質は、前記吸引チャネルを通じ、かつ前記少なくとも1つの吸引チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、前記送達源から標的部位へ送達される、請求項53に記載のカテーテル。
【請求項65】
前記真空源は、シリンジを含む、請求項53に記載のカテーテル。
【請求項66】
組織から流体を除去するために真空源と併用するシステムであって、
近位端、遠位端、ならびに前記近位端と前記遠位端との間に延在する管腔を含む係合カテーテルと、
吸引カテーテルであって、
細長いチューブであって、近位端、遠位端、前記チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびに前記チューブ内の管腔を画定する前記チューブの前記長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、前記内壁は、前記チューブの前記長さに沿って少なくとも1つの吸引チャネルを形成する細長いチューブと、
前記チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記外壁から前記チューブの前記内壁へと延在し、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記遠位端またはその近傍に存在し、前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの吸引チャネルと連通するアパーチャと、
前記チューブの前記近位端と連通する真空ポートであって、前記少なくとも1つの吸引チャネルに動作可能に接続され、前記真空源に動作可能に接続される真空ポートと、を含み、
前記吸引チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を、前記少なくとも1つの吸引チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入させ、前記真空源が前記真空ポートに動作可能に取り付けられた際、少なくとも1つの吸引チャネルを介して除去させるように構成される、吸引カテーテルと、を含み、
前記吸引カテーテルは、前記係合カテーテルの前記管腔に挿入できるように構成される、システム。
【請求項67】
前記吸引カテーテルは、前記係合カテーテルの前記管腔を通る挿入を介して組織の間隙に進入するように動作可能である、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記吸引カテーテルは、前記係合カテーテルの前記管腔を通る挿入を介して心臓の右心耳に進入するように動作可能である、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記吸引カテーテルは、心臓の臓側心膜に進入して心膜嚢にアクセスするようにさらに動作可能である、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
少なくとも1つの凹溝が、前記チューブの前記長さの少なくとも一部に沿って延在する前記吸引カテーテルの前記外壁上に画定される、請求項66に記載のシステム。
【請求項71】
前記チューブに沿って画定される前記1つ以上のアパーチャは、前記少なくとも1つの凹溝に沿って画定される、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記少なくとも1つの凹溝は、前記チューブの前記長さの少なくとも一部に沿って延在する1つ以上の隆起を画定し、前記隆起は、組織と前記1つ以上のアパーチャとの間の隙間を許容するように構成および配列される、請求項70に記載のシステム。
【請求項73】
前記吸引カテーテルは、前記吸引カテーテルの長さに沿って湾曲を含む、請求項66に記載のシステム。
【請求項74】
前記吸引カテーテルは、前記チューブ内に画定され、前記チューブの前記長さに沿って位置付けられる少なくとも1つの送達チャネルをさらに含み、前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの送達チャネルと連通する、請求項66に記載のシステム。
【請求項75】
前記少なくとも1つの送達カテーテルは、標的部位への送達のために、前記少なくとも1つの送達チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、前記送達チャネルの近位端に存在する送達源から物質を送達するように動作可能である、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記物質は、気体、液体、および微粒子から成る群からの少なくとも1つの物質を含む、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記物質は、抗生物質、細胞分裂阻害剤、硬化剤、細胞傷害性薬物、免疫調節剤、およびクリスタロイドグルココルチコイドから成る群からの少なくとも1つの物質を含む、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
前記真空ポートは、さらに送達源との動作接続が可能であり、前記吸引チャネルは、物質を含有する送達源が前記真空ポートに動作可能に取り付けられた際、前記物質を送達するように構成され、前記物質は、前記吸引チャネルを通じ、かつ前記少なくとも1つの吸引チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、前記送達源から標的部位へ送達される、請求項66に記載のシステム。
【請求項79】
前記真空源は、シリンジを含む、請求項66に記載のシステム。
【請求項80】
吸引カテーテルを使用して組織から流体を除去するための方法であって、
システムを提供するステップであって、
近位端、遠位端、ならびに前記近位端と前記遠位端との間に延在する第1管腔を含む係合カテーテルと、
吸引カテーテルであって、
細長いチューブであって、近位端、遠位端、前記チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびに前記チューブ内の管腔を画定する前記チューブの前記長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、前記内壁は、前記チューブの前記長さに沿って第1チャネルを形成する細長いチューブと、
前記チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記外壁から前記チューブの前記内壁へと延在し、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記遠位端またはその近傍に存在し、前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、前記第1チャネルと連通するアパーチャと、
前記チューブの前記近位端と連通する第1ポートであって、前記第1チャネルに動作可能に接続され、前記第1真空源との動作接続が可能である第1ポートと、を含み、
前記チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入させ、前記第1真空源が前記第1ポートに動作可能に取り付けられた際、前記第1チャネルを介して除去させるように構成される吸引カテーテルと、を含み、
前記吸引カテーテルは、前記係合カテーテルの前記第1管腔に挿入できるように構成される、ステップと、
前記係合カテーテルの前記遠位端が組織内の間隙を囲む組織壁またはその近傍に位置付けられるように、前記係合カテーテルを体内に挿入するステップと、
前記係合カテーテルの前記第1管腔に前記吸引カテーテルを挿入するステップであって、前記吸引カテーテルは、前記吸引カテーテルの前記遠位端が前記組織壁によって囲まれる前記間隙内に存在し、前記間隙内に存在する流体と接触するように、前記組織壁を通じて前記係合カテーテルの前記遠位端を出るステップと、を含む、方法。
【請求項81】
前記間隙内に存在する前記流体の少なくとも一部分が、前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入し、前記第1チャネルを介して除去されるように、第1真空源を前記第1ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
少なくとも1つの凹溝が、前記チューブの前記長さの少なくとも一部に沿って延在する前記外壁上で画定される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記チューブに沿って画定される前記1つ以上のアパーチャは、前記少なくとも1つの凹溝に沿って画定される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記少なくとも1つの凹溝は、前記チューブの前記長さの少なくとも一部に沿って延在する1つ以上の隆起を画定し、前記隆起は、組織と前記1つ以上のアパーチャとの間の隙間を許容するように構成および配列される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記組織壁は、心臓の右心耳である、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記組織壁は、心臓の臓側心膜である、請求項80に記載の方法。
【請求項87】
前記第1ポートは、さらに送達源との動作接続が可能であり、前記第1チャネルは、物質を含有する送達源が前記第1ポートに動作可能に取り付けられた際、前記物質を送達するように構成される、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
前記送達源内に存在する前記物質の少なくとも一部分が、前記第1チャネルを通じ、かつ前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、前記送達源から標的部位へ送達されるように、物質を含有する送達源を前記第1ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記物質は、抗生物質、細胞分裂阻害剤、硬化剤、細胞傷害性薬物、免疫調節剤、およびクリスタロイドグルココルチコイドから成る群からの少なくとも1つの物質を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記間隙内に存在する前記物質の少なくとも一部分が、前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入し、前記第1チャネルを介して除去されるように、第1真空源を前記第1ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記吸引カテーテルは、前記チューブ内でその前記長さに沿って位置付けられる第2チャネルを画定する第2管腔をさらに含み、1つ以上の送達アパーチャが前記チューブに沿って画定され、前記1つ以上の送達アパーチャは、前記チューブの前記外壁から前記チューブの前記第2管腔へと延在し、前記チューブの前記遠位端またはその近傍に存在する、請求項81に記載の方法。
【請求項92】
第2ポートが、前記チューブの前記近位端またはその近傍で連通し、前記第2ポートは前記第2チャネルに動作可能に接続され、前記第2ポートはさらに送達源との動作接続が可能であり、前記第2チャネルは、物質を含有する送達源が前記第2ポートに動作可能に取り付けられた際、前記物質を送達するように構成される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記送達源内に存在する前記物質の少なくとも一部分が、前記第2チャネルを通じ、かつ前記第2チャネルと連通する1つ以上の送達アパーチャのうちの少なくとも1つを通じて、前記送達源から標的部位へ送達されるように、物質を含有する送達源を前記第2ポートに動作可能に接続するステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
吸引カテーテルを使用して組織から流体を除去するための方法であって、
システムを提供するステップであって、
近位端、遠位端、ならびに前記近位端と前記遠位端との間に延在する第1管腔を含む係合カテーテルと、
近位端、遠位端、ならびに前記近位端と前記遠位端との間に延在する中空円筒を含む穿刺カテーテルであって、前記送達カテーテルの前記遠位端に針を有し、前記中空円筒が前記係合カテーテルの前記第1管腔に挿入できるように構成される穿刺カテーテルと、
吸引カテーテルであって、
細長いチューブであって、近位端、遠位端、前記チューブの長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびに前記チューブ内の管腔を画定する前記チューブの前記長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、前記内壁は、前記チューブの前記長さに沿って第1チャネルを形成する細長いチューブと、
前記チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記外壁から前記チューブの前記内壁へと延在し、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記遠位端またはその近傍に存在し、前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、前記第1チャネルと連通するアパーチャと、
前記チューブの前記近位端と連通する第1ポートであって、前記第1チャネルに動作可能に接続され、前記第1真空源との動作接続が可能である第1ポートと、を含み、
前記チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入させ、前記第1真空源が前記第1ポートに動作可能に取り付けられた際、前記第1チャネルを介して除去させるように構成される吸引カテーテルと、を含み、
前記吸引カテーテルは、前記係合カテーテルの前記第1管腔に挿入できるように構成される、ステップと、
前記係合カテーテルの前記遠位端が組織内の間隙を囲む組織壁またはその近傍に位置付けられるように、前記係合カテーテルを体内に挿入するステップと、
前記穿刺カテーテルを前記係合カテーテルの前記第1管腔に挿入するステップであって、前記穿刺カテーテルは、前記係合カテーテルの前記遠位端を出て、前記穿刺カテーテルの前記針で前記組織壁を穿刺するステップと、
前記穿刺カテーテルを前記係合カテーテルから除去するステップと、
前記係合カテーテルの前記第1管腔に前記吸引カテーテルを挿入するステップであって、前記吸引カテーテルは、前記吸引カテーテルの前記遠位端が前記組織壁によって囲まれる前記間隙内に存在し、前記間隙内に存在する流体と接触するように、前記組織壁を通じて前記係合カテーテルの前記遠位端を出るステップと、
前記間隙内に存在する前記流体の少なくとも一部分が、前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入し、前記第1チャネルを介して除去されるように、第1真空源を前記第1ポートに動作可能に接続するステップと、を含む、方法。
【請求項95】
前記係合カテーテルから前記送達カテーテルを除去するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項96】
吸引カテーテルを前記係合カテーテルの前記第2管腔に挿入するステップをさらに含み、前記吸引カテーテルは、前記吸引カテーテルの遠位端が少なくとも部分的に前記穿刺された組織によって囲まれる間隙内に存在し、前記間隙内に存在する流体と接触するように、前記穿刺された組織を通って前記係合カテーテルの前記遠位端を出る、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記吸引カテーテルは、
細長い吸引チューブであって、近位端、遠位端、前記吸引チューブの前記長さに沿って周方向に位置付けられる外壁、ならびに前記吸引チューブ内の管腔を画定する前記吸引チューブの前記長さに沿って周方向に位置付けられる内壁を含み、前記内壁は、前記吸引チューブの前記長さに沿って第1チャネルを形成する細長い吸引チューブと、
前記チューブに沿って画定される1つ以上のアパーチャであって、前記1つ以上のアパーチャは、前記チューブの前記外壁から前記吸引チューブの前記内壁へと延在し、前記1つ以上のアパーチャは、前記吸引チューブの前記遠位端またはその近傍に存在し、前記1つ以上のアパーチャのうちの少なくとも1つは、前記第1チャネルと連通するアパーチャと、
前記吸引チューブの前記近位端と連通する吸引カテーテルポートであって、前記第1チャネルに動作可能に接続され、吸引カテーテルの真空源との動作接続が可能である吸引カテーテルポートと、を含み、
前記第1チャネルは、体内の間隙内に存在する流体を前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入させ、前記吸引カテーテルの真空源が前記吸引カテーテルポートに動作可能に取り付けられた際、前記第1チャネルを介して除去させるように構成され、
前記吸引カテーテルは、前記係合カテーテルの前記第2管腔に挿入できるように構成される、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記間隙内に存在する前記流体の少なくとも一部分が前記第1チャネルと連通する前記1つ以上のアパーチャに進入し、前記第1チャネルを介して除去されるように、吸引カテーテルの真空源を前記吸引カテーテルポートに動作可能に接続するステップをさらに含む、請求項97に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A−5C】
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【図5D】
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【図6A−6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【公表番号】特表2010−524638(P2010−524638A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506356(P2010−506356)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/056666
【国際公開番号】WO2008/134128
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(509004620)シーヴィ デヴァイシズ,エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】