経編地とそれを用いた運動用衣服
【課題】簡単な構成で安価であり、通気性が良く引っ張り強度も高い経編地を提供する。
【解決手段】第一の筬により形成された第一基本組織14と、第二の筬により形成され第一基本組織14とともに編成された第二基本組織15とから成る基本編地16を有する。ウェールの編成方向に沿って第一・第二基本組織14,15が編成されていない空間部17を備え、空間部17を横切るように、第三の筬により編成された連結組織18を備える。空間部17の両側の基本編地16に、連結組織18の経糸13が掛かるように往復して編成され、空間部17により所定間隔で開口部20を形成する。
【解決手段】第一の筬により形成された第一基本組織14と、第二の筬により形成され第一基本組織14とともに編成された第二基本組織15とから成る基本編地16を有する。ウェールの編成方向に沿って第一・第二基本組織14,15が編成されていない空間部17を備え、空間部17を横切るように、第三の筬により編成された連結組織18を備える。空間部17の両側の基本編地16に、連結組織18の経糸13が掛かるように往復して編成され、空間部17により所定間隔で開口部20を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スポーツ用のアンダーウェア等に用いられる伸縮性に富んだ経編地とそれを用いた運動用衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動用衣服として、吸汗性の高いアンダーウェアの着用が定着してきている。このアンダーウェアには、伸縮性と吸汗性を備えた経編地の生地が用いられている。この経編地は、スパンテックス糸を用いて経編機により編成される。
【0003】
また、特許文献1に開示されているように、より吸汗性・発汗性の良い経編地の編組織についても提案されている。この編組織は、表組織に単糸繊度が1〜5デニールの合成繊維フィラメント糸を用い、その下層の組織には、単糸繊度が0.05〜0.5デニールの合成繊維フィラメント糸を用い、表組織となるステッチ組織のアンダーラップと同方向で、少なくともステッチ組織より一針間以上大きい組織で編成した経編地である。その他、特許文献2に開示されているように、ジャガード編により、編地の特定部分に異なる編組織を形成し、緊締力が部位により異なるアンダーシャツも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−176943号公報
【特許文献2】特開2005−290625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術の場合、経編地によりアンダーウェアは、生地密度が高く、通気性が悪く、汗の放散性が悪いものであった。さらに、通気性が悪いので、外気の流れや着用者自身の動きによる空気の流れを感じることも出来ず、着用感が良いとは言えないものであった。
【0006】
さらに、特許文献1に開示された経編地のように、吸汗性・発汗性に優れた編組織もあるが、この経編地も通気性が良いものではなく、着用感の良いものではなかった。一方、引用文献2に開示されたジャガード編を利用して、生地の編組織を変えて通気性を良くすることも考えられるが、ジャガード編は組織が複雑になり、コストが高く、伸縮性も良くなく、安価に着用感の良いアンダーウェアを形成することは難しいものであった。
【0007】
また、編組織により通気性を良くしようとすると、編み目やその他の開口が大きくなり、引っ張り強度が落ちて、耐久性も低いものとなる。さらに、肘部や膝部など動きの大きい部位では、編み地が大きく引き延ばされ、最も伸張度が大きい部位に向かってつっぱり感が生じ、動きの激しいスポーツの場合、アンダーウェアにより動きが阻害されたり、着用に違和感を生じたりする原因となっていた。
【0008】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、簡単な構成で安価であり、通気性が良く着用感が良好な経編地とそれを用いた運動用衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、第一の筬により形成された第一基本組織と、第二の筬により形成され前記第一基本組織とともに編成された第二基本組織とから成る基本編地を有し、ウェールの編成方向に沿って前記第一・第二基本組織が編成されていない空間部を備え、前記空間部を横切るように、第三の筬により編成された連結組織を備え、前記空間部の両側の前記基本編地に前記連結組織の経糸が掛かるように往復して編成され、前記空間部により所定間隔で開口部が形成された経編地である。
【0010】
前記第一基本組織はデンビー編により形成され、前記第二基本組織はコード編により形成され、前記連結組織はアトラス編を組み合わせて形成されたものである。
【0011】
前記連結組織は、前記第二基本組織と前記空間部の側方で絡み合い、前空間部を横切るものである。前記空間部の少なくとも一方の側に接する前記第一基本組織の前記経糸は、複数本を一つの筬位置番号に挿通されて編成されている。さらに、前記第一基本組織と前記第二基本組織は、互いに経糸の進行方向が反対である。
【0012】
また、前記空間部は、所定幅の前記基本編地を挟んで平行に2列設けられ、前記空間部は前記基本編地の1針分を空けて形成され、一連の前記連組織が前記2列の空間部を往復して横切り前記開口部を形成したものである。前記連結組織は、1コース毎に、コード編で1往復し、反対方向にアトラス編により横に移行し開き目を形成してさらに同方向に移動し、閉じ目を形成して再びコード編で往復し、反対方向に向かってアトラス編を行い、これを繰り返したものである。
【0013】
また、前記連結組織は、第三・第四の筬により編成された一対の連結組織を有するものでも良い。前記一対の連結組織は、互いに経糸の進行方向が反対で、対称な経糸編成の編み組織である。
【0014】
前記空間部は前記基本編地の1針分を空けて形成され、前記開口部が連なって開口列が形成され、一連の前記連結組織が前記空間部を往復して横切り、前記開口列を形成したものである。前記空間部は、所定幅の前記基本編地を挟んで平行に2列設けられ、一連の前記連結組織が前記2列の空間部を往復して横切り、2列の前記開口列を形成したものである。
【0015】
前記連結組織は、1コース毎に、コード編で1往復し、反対方向にアトラス編により横に移行し開き目を形成してさらに同方向に移動し、閉じ目を形成して再びコード編で往復し、反対方向に向かってアトラス編を行い、これを繰り返して成るものである。
【0016】
またこの発明は、前記経編地を用いて、着用者の身体の屈曲部の長手方向等に沿って前記開口列が形成された運動用衣服である。前記開口列は、着用者の腋の上方から肘を通過して形成されたものである。また、前記開口列は、着用者の腋の下方の体側部に形成されたものでも良い。
【発明の効果】
【0017】
この発明の経編地は、簡単な構造で引っ張り強度が高く、耐久性も高いものである。しかも、適宜の位置に開口部によるメッシュ部分が形成され、通気性があり、アンダーウェア等の運動用衣服として用いた場合には、空気の流れを感じることが出来る。さらに、伸縮性が高く、開口部による開口列で伸縮方向が分断され、つっぱり感がなく着用感の良い衣服を形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の第一実施形態の経編地の基本組織等を示す正面図である。
【図2】この実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図3】この発明の第二実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図4】この発明の第三実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図5】この発明の第四実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図6】この発明の第五実施形態の経編地の基本組織等を示す正面図である。
【図7】この発明の第五実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図8】この発明の第六実施形態の経編地の基本組織等を示す正面図である。
【図9】この発明の第七実施形態の経編地の連結組織を示す正面図である。
【図10】この発明による運動用衣服の実施形態を示す部分正面図である。
【図11】この発明による運動用衣服の実施形態を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の一実施形態の経編地について、図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態の経編地を示す。この実施形態の経編地10は、トリコットの経編地を形成するもので、第一の筬L1により形成され、筬L1の糸位置番号(1−0/1−2)で経糸11により編成されたデンビー編の第一基本組織14と、第二の筬L2により形成され第一基本組織14とともに編成され、筬L2の糸位置番号(1−0/2−3)で経糸12により編成されたコード編による第二基本組織15とから成る。第一基本組織14と第二基本組織15は、互いに経糸11,12の進行方向が反対であり、経編地の大部分を占める基本編地16を形成している。
【0020】
基本編地16には、ウェールの編成方向に沿って、第一・第二基本組織14,15が編成されていない空間部17が、1針分空けて形成されている。空間部17は、3本の経糸11による第一基本組織14と2本の経糸12による第二基本組織15による帯状の基本編地16を挟んで、2列に形成されている。そして、2列の空間部17を横切るように、第三の筬による経糸13が編成され、アトラス編を組み合わせた連結組織18を備えている。
【0021】
連結組織18は、4本の経糸13により形成され、1コース毎に、コード編で1往復して、反対方向にアトラス編により、3針位置だけ横に移行し開き目を形成してさらに3針位置同方向に移動し、閉じ目を形成して、再びコード編で往復し、反対方向へ上記と同様にアトラス編を行い、これを繰り返す。これにより、2列の空間部17の両側の基本編地16に経糸13が掛かるように往復して編成され、図2に示すように、空間部17により交互に開口部20を形成している。連結組織18の組織構成は、各筬L3の糸位置番号が0から7の間で往復し、上記のように編み進むもので、各筬の糸位置番号は、(1−0/2−3/1−0/3−4/6−7/5−4/6−7/4−3)の繰り返しで表される。
【0022】
ここで、第一基本組織14の経糸11はポリウレタン弾性繊維のスパンデックスが用いられている。また、第二基本組織15の経糸12及び連結組織18の経糸13は、ポリエステルやナイロンから成る引っ張り強度の高い糸が用いられている。
【0023】
さらに、空間部17に沿った経糸11のうちの一方の経糸11aである、図2で空間部17の左側に位置する第一基本組織14の経糸11aを、2本で一つの筬L1の糸位置に通して強度を高めている。
【0024】
この実施形態の経編地10によれば、簡単な編み組織構造で生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高いものである。しかも、適宜の位置に開口部20によるメッシュ部分が形成され、通気性があり、運動着等のアンダーウェアとして用いた場合にも、通気性が良く、空気の流れを感じることが出来、着用感の良いウェアを形成することが出来る。
【0025】
次に、この発明の経編地の第二実施形態について、図3を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地10は、連結組織18の経糸13を6本用いて形成したものである。経糸13の編組織は、上記実施形態と同様である。
【0026】
この実施形態の経編地10によれば、空間部17が形成された部分の生地の引っ張り強度がより高められ、耐久性も高いものとなっている。
【0027】
次に、この発明の経編地の第三実施形態について、図4を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、上記第一実施形態の編み組織で、空間部17の両側に沿った基本組織14の経糸11aを、2本で一つの筬L1の糸位置に通している。これにより、空間部17に沿った組織の強度をより高めたものである。
【0028】
次に、この発明の経編地の第四実施形態について、図5を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、連結組織18の経糸13を6本により形成したものである。さらに、上記第三実施形態の編み組織と同様に、空間部17の両側に沿った基本組織14の経糸11を、2本で一つの筬L1の糸位置に通している。この構成によっても、空間部17に沿った組織の強度をさらにより高めたものである。
【0029】
次に、この発明の経編地の第五実施形態について、図6、図7を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、連結組織18の経糸13の振り方を変えたもので、連結組織18は、5本の経糸13により形成され、2列の空間部17が形成された基本編地16は上記実施形態と同様であり、図6、図7に示すように、空間部17により二つの開口部20が互いに並んで、列を形成している。
【0030】
連結組織18の組織構成は、各筬L3の糸位置番号が0から5の間で往復し、上記のように編み進むもので、各筬の糸位置番号は、(1−0/2−3/1−0/2−3/4−5/3−2/4−5/3−2)の繰り返しで表される。そして、筬L3による経糸13の筬位置が4−5のときに筬L2による経糸12の筬位置1−0で経糸12,13絡み合い、確実に連結組織18と基本編地16が連結される。
【0031】
さらに、空間部17の両側に沿った第一基本組織14の経糸11aを、2本で一つの筬L1の糸位置に通している。この構成によっても、空間部17に沿った組織の強度をより高めることができる。
【0032】
この実施形態の経編地10によっても、簡単な編み組織構造で生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高いものである。
【0033】
次に、この発明の経編地の第六実施形態について、図8を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、前記第5実施形態の連結組織18同様の組織であって、さらに、対称に形成される連結組織22を、第4の筬L4により形成したものである。連結組織22は、経糸15によるアトラス編により構成されている。
【0034】
この経編地は、例えば第3の筬L3による連結組織18においては、3本の針に経糸13が通され、そのうち両側の2本の針には2本ずつの経糸13が挿通される。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。さらに、連結組織22が連結組織18と対称な経糸編成で互いに重なる位置に設けられる。第4の筬L4による連結組織22は、8本の針に経糸15が通され、そのうち、1本おきの針には2本の経糸15が挿通され、合計12本の経糸15が用いられている。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。そして、上述の実施形態と同様に、2列の空間部の両側の基本編地に経糸13,15が掛かるように往復して編成され、さらに連結組織18,22の経糸13,15が、互いに反対方向に交差するように編成される。
【0035】
この実施形態の経編地によっても、簡単な編み組織構造でさらに生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高い生地を形成することができるものである。
【0036】
次に、この発明の経編地の第七実施形態について、図9を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、連結組織18,22の経糸13,15の振り方を前述の実施形態とは変えたもので、図9に示すように、連結組織18,22が互いに対称に設けられ、この実施形態では1コース毎にコード編で3往復して、反対方向に向かってアトラス編により、2針位置だけ横に移行し開き目を形成して、さらに2針位置同方向に移動し、閉じ目を形成して、再びコード編で3往復し、反対方向へ上記と同様にアトラス編を行い、これを繰り返すものである。この対称に形成される連結組織22も、第4の筬L4により形成される。
【0037】
この経編地は、例えば第3の筬L3による連結組織18においては、3本の針に経糸13が通され、そのうち両側の2本の針には2本ずつの経糸13が挿通されている。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。さらに、連結組織22が連結組織18と対称な経糸編成で設けられ、第4の筬L4による連結組織22は、8本の針に経糸15が通され、そのうち、1本おきの針には2本の経糸15が挿通され、合計12本の経糸15が用いられている。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。そして、上述の実施形態と同様に、2列の空間部の両側の基本編地に経糸13,15が掛かるように往復して編成され、さらに連結組織18,22の経糸13,15が、互いに反対方向に交差するように編成される。
連結組織22が連結組織18と対称な経糸編成で、上述の実施形態と同様に、2列の空間部の両側の基本編地に経糸13,15が掛かるように往復して編成される。
【0038】
この実施形態の経編地10によっても、簡単な編み組織構造で生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高い生地を形成することができるものである。
【0039】
次に、この発明の経編地10を用いた運動用衣服の実施形態について、図10、図11を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の運動用衣服は、上述の実施形態の経編地を用いて、アンダーシャツ30を形成したもので、伸縮の大きい部位である腋から肘を通る部分に開口部20による開口列24が形成されたものである。
【0040】
具体的には、図10に示すように、開口列24が着用者の腋の上方から肘を通過して袖口まで形成されている。さらに、図11に示すように、開口列24が着用者の腋の下方の体側部に形成されていても良い。
【0041】
この開口列24により、例えば肘を曲げた場合、従来は、肘の頂点から放射状に張力が発生し、腋の下にも突っ張り感が生じるものであったが、この発明による経編地10を用いて、開口列24を腕に沿って形成することにより、開口列24で張力が分断され、突っ張りが開口列24により分散し、突っ張り感が緩和される。また、体側部に形成されている場合も、上体のひねりに対してアンダーシャツ30の追従がよく、通気性も良い。また、タイツ等に利用する場合は、膝部や臀部、体側部から足首まで等に開口列を適宜形成しても良く、開口列の形成位置は適宜設定し得るものである。
【0042】
なお、この発明の経編地は前記実施形態に限定されるものではなく、トリコット編やラッセル編等を利用して、各基本組織のパターンや経糸の本数は適宜設定可能である。また、その他、適宜本願発明の範囲内で変更可能なものである。
【符号の説明】
【0043】
10 経編地
11,12,13,15 経糸
14 第一基本組織
15 第二基本組織
16 基本編地
17 空間部
18,22 連結組織
20 開口部
24 開口列
【技術分野】
【0001】
この発明は、スポーツ用のアンダーウェア等に用いられる伸縮性に富んだ経編地とそれを用いた運動用衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動用衣服として、吸汗性の高いアンダーウェアの着用が定着してきている。このアンダーウェアには、伸縮性と吸汗性を備えた経編地の生地が用いられている。この経編地は、スパンテックス糸を用いて経編機により編成される。
【0003】
また、特許文献1に開示されているように、より吸汗性・発汗性の良い経編地の編組織についても提案されている。この編組織は、表組織に単糸繊度が1〜5デニールの合成繊維フィラメント糸を用い、その下層の組織には、単糸繊度が0.05〜0.5デニールの合成繊維フィラメント糸を用い、表組織となるステッチ組織のアンダーラップと同方向で、少なくともステッチ組織より一針間以上大きい組織で編成した経編地である。その他、特許文献2に開示されているように、ジャガード編により、編地の特定部分に異なる編組織を形成し、緊締力が部位により異なるアンダーシャツも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−176943号公報
【特許文献2】特開2005−290625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術の場合、経編地によりアンダーウェアは、生地密度が高く、通気性が悪く、汗の放散性が悪いものであった。さらに、通気性が悪いので、外気の流れや着用者自身の動きによる空気の流れを感じることも出来ず、着用感が良いとは言えないものであった。
【0006】
さらに、特許文献1に開示された経編地のように、吸汗性・発汗性に優れた編組織もあるが、この経編地も通気性が良いものではなく、着用感の良いものではなかった。一方、引用文献2に開示されたジャガード編を利用して、生地の編組織を変えて通気性を良くすることも考えられるが、ジャガード編は組織が複雑になり、コストが高く、伸縮性も良くなく、安価に着用感の良いアンダーウェアを形成することは難しいものであった。
【0007】
また、編組織により通気性を良くしようとすると、編み目やその他の開口が大きくなり、引っ張り強度が落ちて、耐久性も低いものとなる。さらに、肘部や膝部など動きの大きい部位では、編み地が大きく引き延ばされ、最も伸張度が大きい部位に向かってつっぱり感が生じ、動きの激しいスポーツの場合、アンダーウェアにより動きが阻害されたり、着用に違和感を生じたりする原因となっていた。
【0008】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、簡単な構成で安価であり、通気性が良く着用感が良好な経編地とそれを用いた運動用衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、第一の筬により形成された第一基本組織と、第二の筬により形成され前記第一基本組織とともに編成された第二基本組織とから成る基本編地を有し、ウェールの編成方向に沿って前記第一・第二基本組織が編成されていない空間部を備え、前記空間部を横切るように、第三の筬により編成された連結組織を備え、前記空間部の両側の前記基本編地に前記連結組織の経糸が掛かるように往復して編成され、前記空間部により所定間隔で開口部が形成された経編地である。
【0010】
前記第一基本組織はデンビー編により形成され、前記第二基本組織はコード編により形成され、前記連結組織はアトラス編を組み合わせて形成されたものである。
【0011】
前記連結組織は、前記第二基本組織と前記空間部の側方で絡み合い、前空間部を横切るものである。前記空間部の少なくとも一方の側に接する前記第一基本組織の前記経糸は、複数本を一つの筬位置番号に挿通されて編成されている。さらに、前記第一基本組織と前記第二基本組織は、互いに経糸の進行方向が反対である。
【0012】
また、前記空間部は、所定幅の前記基本編地を挟んで平行に2列設けられ、前記空間部は前記基本編地の1針分を空けて形成され、一連の前記連組織が前記2列の空間部を往復して横切り前記開口部を形成したものである。前記連結組織は、1コース毎に、コード編で1往復し、反対方向にアトラス編により横に移行し開き目を形成してさらに同方向に移動し、閉じ目を形成して再びコード編で往復し、反対方向に向かってアトラス編を行い、これを繰り返したものである。
【0013】
また、前記連結組織は、第三・第四の筬により編成された一対の連結組織を有するものでも良い。前記一対の連結組織は、互いに経糸の進行方向が反対で、対称な経糸編成の編み組織である。
【0014】
前記空間部は前記基本編地の1針分を空けて形成され、前記開口部が連なって開口列が形成され、一連の前記連結組織が前記空間部を往復して横切り、前記開口列を形成したものである。前記空間部は、所定幅の前記基本編地を挟んで平行に2列設けられ、一連の前記連結組織が前記2列の空間部を往復して横切り、2列の前記開口列を形成したものである。
【0015】
前記連結組織は、1コース毎に、コード編で1往復し、反対方向にアトラス編により横に移行し開き目を形成してさらに同方向に移動し、閉じ目を形成して再びコード編で往復し、反対方向に向かってアトラス編を行い、これを繰り返して成るものである。
【0016】
またこの発明は、前記経編地を用いて、着用者の身体の屈曲部の長手方向等に沿って前記開口列が形成された運動用衣服である。前記開口列は、着用者の腋の上方から肘を通過して形成されたものである。また、前記開口列は、着用者の腋の下方の体側部に形成されたものでも良い。
【発明の効果】
【0017】
この発明の経編地は、簡単な構造で引っ張り強度が高く、耐久性も高いものである。しかも、適宜の位置に開口部によるメッシュ部分が形成され、通気性があり、アンダーウェア等の運動用衣服として用いた場合には、空気の流れを感じることが出来る。さらに、伸縮性が高く、開口部による開口列で伸縮方向が分断され、つっぱり感がなく着用感の良い衣服を形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の第一実施形態の経編地の基本組織等を示す正面図である。
【図2】この実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図3】この発明の第二実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図4】この発明の第三実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図5】この発明の第四実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図6】この発明の第五実施形態の経編地の基本組織等を示す正面図である。
【図7】この発明の第五実施形態の経編地の編組織を示す正面図である。
【図8】この発明の第六実施形態の経編地の基本組織等を示す正面図である。
【図9】この発明の第七実施形態の経編地の連結組織を示す正面図である。
【図10】この発明による運動用衣服の実施形態を示す部分正面図である。
【図11】この発明による運動用衣服の実施形態を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の一実施形態の経編地について、図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態の経編地を示す。この実施形態の経編地10は、トリコットの経編地を形成するもので、第一の筬L1により形成され、筬L1の糸位置番号(1−0/1−2)で経糸11により編成されたデンビー編の第一基本組織14と、第二の筬L2により形成され第一基本組織14とともに編成され、筬L2の糸位置番号(1−0/2−3)で経糸12により編成されたコード編による第二基本組織15とから成る。第一基本組織14と第二基本組織15は、互いに経糸11,12の進行方向が反対であり、経編地の大部分を占める基本編地16を形成している。
【0020】
基本編地16には、ウェールの編成方向に沿って、第一・第二基本組織14,15が編成されていない空間部17が、1針分空けて形成されている。空間部17は、3本の経糸11による第一基本組織14と2本の経糸12による第二基本組織15による帯状の基本編地16を挟んで、2列に形成されている。そして、2列の空間部17を横切るように、第三の筬による経糸13が編成され、アトラス編を組み合わせた連結組織18を備えている。
【0021】
連結組織18は、4本の経糸13により形成され、1コース毎に、コード編で1往復して、反対方向にアトラス編により、3針位置だけ横に移行し開き目を形成してさらに3針位置同方向に移動し、閉じ目を形成して、再びコード編で往復し、反対方向へ上記と同様にアトラス編を行い、これを繰り返す。これにより、2列の空間部17の両側の基本編地16に経糸13が掛かるように往復して編成され、図2に示すように、空間部17により交互に開口部20を形成している。連結組織18の組織構成は、各筬L3の糸位置番号が0から7の間で往復し、上記のように編み進むもので、各筬の糸位置番号は、(1−0/2−3/1−0/3−4/6−7/5−4/6−7/4−3)の繰り返しで表される。
【0022】
ここで、第一基本組織14の経糸11はポリウレタン弾性繊維のスパンデックスが用いられている。また、第二基本組織15の経糸12及び連結組織18の経糸13は、ポリエステルやナイロンから成る引っ張り強度の高い糸が用いられている。
【0023】
さらに、空間部17に沿った経糸11のうちの一方の経糸11aである、図2で空間部17の左側に位置する第一基本組織14の経糸11aを、2本で一つの筬L1の糸位置に通して強度を高めている。
【0024】
この実施形態の経編地10によれば、簡単な編み組織構造で生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高いものである。しかも、適宜の位置に開口部20によるメッシュ部分が形成され、通気性があり、運動着等のアンダーウェアとして用いた場合にも、通気性が良く、空気の流れを感じることが出来、着用感の良いウェアを形成することが出来る。
【0025】
次に、この発明の経編地の第二実施形態について、図3を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地10は、連結組織18の経糸13を6本用いて形成したものである。経糸13の編組織は、上記実施形態と同様である。
【0026】
この実施形態の経編地10によれば、空間部17が形成された部分の生地の引っ張り強度がより高められ、耐久性も高いものとなっている。
【0027】
次に、この発明の経編地の第三実施形態について、図4を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、上記第一実施形態の編み組織で、空間部17の両側に沿った基本組織14の経糸11aを、2本で一つの筬L1の糸位置に通している。これにより、空間部17に沿った組織の強度をより高めたものである。
【0028】
次に、この発明の経編地の第四実施形態について、図5を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、連結組織18の経糸13を6本により形成したものである。さらに、上記第三実施形態の編み組織と同様に、空間部17の両側に沿った基本組織14の経糸11を、2本で一つの筬L1の糸位置に通している。この構成によっても、空間部17に沿った組織の強度をさらにより高めたものである。
【0029】
次に、この発明の経編地の第五実施形態について、図6、図7を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、連結組織18の経糸13の振り方を変えたもので、連結組織18は、5本の経糸13により形成され、2列の空間部17が形成された基本編地16は上記実施形態と同様であり、図6、図7に示すように、空間部17により二つの開口部20が互いに並んで、列を形成している。
【0030】
連結組織18の組織構成は、各筬L3の糸位置番号が0から5の間で往復し、上記のように編み進むもので、各筬の糸位置番号は、(1−0/2−3/1−0/2−3/4−5/3−2/4−5/3−2)の繰り返しで表される。そして、筬L3による経糸13の筬位置が4−5のときに筬L2による経糸12の筬位置1−0で経糸12,13絡み合い、確実に連結組織18と基本編地16が連結される。
【0031】
さらに、空間部17の両側に沿った第一基本組織14の経糸11aを、2本で一つの筬L1の糸位置に通している。この構成によっても、空間部17に沿った組織の強度をより高めることができる。
【0032】
この実施形態の経編地10によっても、簡単な編み組織構造で生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高いものである。
【0033】
次に、この発明の経編地の第六実施形態について、図8を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、前記第5実施形態の連結組織18同様の組織であって、さらに、対称に形成される連結組織22を、第4の筬L4により形成したものである。連結組織22は、経糸15によるアトラス編により構成されている。
【0034】
この経編地は、例えば第3の筬L3による連結組織18においては、3本の針に経糸13が通され、そのうち両側の2本の針には2本ずつの経糸13が挿通される。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。さらに、連結組織22が連結組織18と対称な経糸編成で互いに重なる位置に設けられる。第4の筬L4による連結組織22は、8本の針に経糸15が通され、そのうち、1本おきの針には2本の経糸15が挿通され、合計12本の経糸15が用いられている。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。そして、上述の実施形態と同様に、2列の空間部の両側の基本編地に経糸13,15が掛かるように往復して編成され、さらに連結組織18,22の経糸13,15が、互いに反対方向に交差するように編成される。
【0035】
この実施形態の経編地によっても、簡単な編み組織構造でさらに生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高い生地を形成することができるものである。
【0036】
次に、この発明の経編地の第七実施形態について、図9を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の経編地は、連結組織18,22の経糸13,15の振り方を前述の実施形態とは変えたもので、図9に示すように、連結組織18,22が互いに対称に設けられ、この実施形態では1コース毎にコード編で3往復して、反対方向に向かってアトラス編により、2針位置だけ横に移行し開き目を形成して、さらに2針位置同方向に移動し、閉じ目を形成して、再びコード編で3往復し、反対方向へ上記と同様にアトラス編を行い、これを繰り返すものである。この対称に形成される連結組織22も、第4の筬L4により形成される。
【0037】
この経編地は、例えば第3の筬L3による連結組織18においては、3本の針に経糸13が通され、そのうち両側の2本の針には2本ずつの経糸13が挿通されている。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。さらに、連結組織22が連結組織18と対称な経糸編成で設けられ、第4の筬L4による連結組織22は、8本の針に経糸15が通され、そのうち、1本おきの針には2本の経糸15が挿通され、合計12本の経糸15が用いられている。なお、2本の経糸を挿通する代わりに太い経糸を用いても良い。そして、上述の実施形態と同様に、2列の空間部の両側の基本編地に経糸13,15が掛かるように往復して編成され、さらに連結組織18,22の経糸13,15が、互いに反対方向に交差するように編成される。
連結組織22が連結組織18と対称な経糸編成で、上述の実施形態と同様に、2列の空間部の両側の基本編地に経糸13,15が掛かるように往復して編成される。
【0038】
この実施形態の経編地10によっても、簡単な編み組織構造で生地の引っ張り強度が高く、耐久性も高い生地を形成することができるものである。
【0039】
次に、この発明の経編地10を用いた運動用衣服の実施形態について、図10、図11を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の運動用衣服は、上述の実施形態の経編地を用いて、アンダーシャツ30を形成したもので、伸縮の大きい部位である腋から肘を通る部分に開口部20による開口列24が形成されたものである。
【0040】
具体的には、図10に示すように、開口列24が着用者の腋の上方から肘を通過して袖口まで形成されている。さらに、図11に示すように、開口列24が着用者の腋の下方の体側部に形成されていても良い。
【0041】
この開口列24により、例えば肘を曲げた場合、従来は、肘の頂点から放射状に張力が発生し、腋の下にも突っ張り感が生じるものであったが、この発明による経編地10を用いて、開口列24を腕に沿って形成することにより、開口列24で張力が分断され、突っ張りが開口列24により分散し、突っ張り感が緩和される。また、体側部に形成されている場合も、上体のひねりに対してアンダーシャツ30の追従がよく、通気性も良い。また、タイツ等に利用する場合は、膝部や臀部、体側部から足首まで等に開口列を適宜形成しても良く、開口列の形成位置は適宜設定し得るものである。
【0042】
なお、この発明の経編地は前記実施形態に限定されるものではなく、トリコット編やラッセル編等を利用して、各基本組織のパターンや経糸の本数は適宜設定可能である。また、その他、適宜本願発明の範囲内で変更可能なものである。
【符号の説明】
【0043】
10 経編地
11,12,13,15 経糸
14 第一基本組織
15 第二基本組織
16 基本編地
17 空間部
18,22 連結組織
20 開口部
24 開口列
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の筬により形成された第一基本組織と、第二の筬により形成され前記第一基本組織とともに編成された第二基本組織とから成る基本編地を有し、ウェールの編成方向に沿って前記第一・第二基本組織が編成されていない空間部を備え、前記空間部を横切るように、第三の筬により編成された連結組織を備え、前記空間部の両側の前記基本編地に前記連結組織の経糸が掛かるように往復して編成され、前記空間部により所定間隔で開口部が形成されたことを特徴とする経編地。
【請求項2】
前記第一基本組織はデンビー編により形成され、前記第二基本組織はコード編により形成され、前記連結組織はアトラス編を組み合わせて形成されたことを特徴とする請求項1記載の経編地。
【請求項3】
前記連結組織は、前記第二基本組織と前記空間部の側方で絡み合い、前空間部を横切り、これを繰り返す請求項2記載の経編地。
【請求項4】
前記空間部の少なくとも一方の側に接する前記第一基本組織の前記経糸は、複数本を一つの筬位置番号に挿通されて編成されている請求項1、2または3記載の経編地。
【請求項5】
前記第一基本組織と前記第二基本組織は、互いに経糸の進行方向が反対である請求項2記載の経編地。
【請求項6】
前記連結組織は、第三・第四の筬により編成された一対の連結組織を有する請求項1記載の経編地。
【請求項7】
前記一対の連結組織は、互いに経糸の進行方向が反対で、対称な経糸編成の編み組織である請求項6記載の経編地。
【請求項8】
前記空間部は前記基本編地の1針分を空けて形成され、前記開口部が連なって開口列が形成され、一連の前記連結組織が前記空間部を往復して横切り、前記開口列を形成して成る請求項1乃至7のいずれか記載の経編地。
【請求項9】
前記空間部は、所定幅の前記基本編地を挟んで平行に2列設けられ、一連の前記連結組織が前記2列の空間部を往復して横切り、2列の前記開口列を形成した請求項1ないし8のいずれか記載の経編地。
【請求項10】
前記連結組織は、1コース毎に、コード編で1往復し、反対方向にアトラス編により横に移行し開き目を形成してさらに同方向に移動し、閉じ目を形成して再びコード編で往復し、反対方向に向かってアトラス編を行い、これを繰り返して成る請求項8記載の経編地。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか記載の経編地を用いて、着用者の身体の屈曲部に沿って前記開口列が形成されたことを特徴とする運動用衣服。
【請求項12】
前記開口列は、着用者の腋の上方から肘を通過して形成された請求項11記載の運動用衣服。
【請求項13】
前記開口列は、着用者の腋の下方の体側部に形成された請求項11記載の運動用衣服。
【請求項1】
第一の筬により形成された第一基本組織と、第二の筬により形成され前記第一基本組織とともに編成された第二基本組織とから成る基本編地を有し、ウェールの編成方向に沿って前記第一・第二基本組織が編成されていない空間部を備え、前記空間部を横切るように、第三の筬により編成された連結組織を備え、前記空間部の両側の前記基本編地に前記連結組織の経糸が掛かるように往復して編成され、前記空間部により所定間隔で開口部が形成されたことを特徴とする経編地。
【請求項2】
前記第一基本組織はデンビー編により形成され、前記第二基本組織はコード編により形成され、前記連結組織はアトラス編を組み合わせて形成されたことを特徴とする請求項1記載の経編地。
【請求項3】
前記連結組織は、前記第二基本組織と前記空間部の側方で絡み合い、前空間部を横切り、これを繰り返す請求項2記載の経編地。
【請求項4】
前記空間部の少なくとも一方の側に接する前記第一基本組織の前記経糸は、複数本を一つの筬位置番号に挿通されて編成されている請求項1、2または3記載の経編地。
【請求項5】
前記第一基本組織と前記第二基本組織は、互いに経糸の進行方向が反対である請求項2記載の経編地。
【請求項6】
前記連結組織は、第三・第四の筬により編成された一対の連結組織を有する請求項1記載の経編地。
【請求項7】
前記一対の連結組織は、互いに経糸の進行方向が反対で、対称な経糸編成の編み組織である請求項6記載の経編地。
【請求項8】
前記空間部は前記基本編地の1針分を空けて形成され、前記開口部が連なって開口列が形成され、一連の前記連結組織が前記空間部を往復して横切り、前記開口列を形成して成る請求項1乃至7のいずれか記載の経編地。
【請求項9】
前記空間部は、所定幅の前記基本編地を挟んで平行に2列設けられ、一連の前記連結組織が前記2列の空間部を往復して横切り、2列の前記開口列を形成した請求項1ないし8のいずれか記載の経編地。
【請求項10】
前記連結組織は、1コース毎に、コード編で1往復し、反対方向にアトラス編により横に移行し開き目を形成してさらに同方向に移動し、閉じ目を形成して再びコード編で往復し、反対方向に向かってアトラス編を行い、これを繰り返して成る請求項8記載の経編地。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか記載の経編地を用いて、着用者の身体の屈曲部に沿って前記開口列が形成されたことを特徴とする運動用衣服。
【請求項12】
前記開口列は、着用者の腋の上方から肘を通過して形成された請求項11記載の運動用衣服。
【請求項13】
前記開口列は、着用者の腋の下方の体側部に形成された請求項11記載の運動用衣服。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−156090(P2010−156090A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129383(P2009−129383)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(508357659)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(508357659)
【Fターム(参考)】
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