説明

経肺薬物送達用装置

経肺薬物送達の有効性を評価する方法であって、a)放射線源と放射線検出器を備えたセンサを通り過ぎる空気流中に薬物を供給する工程と、b)測定分布として、ある時間にわたって入射放射線を放射線検出器で検出する工程と、c)測定分布の形状の少なくとも一つの特性を定量化する工程と、d)前記少なくとも一つの定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出す工程とを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の具現は、(経)肺薬物送達(ドラッグデリバリー)に関し、特に経肺薬物送達の有効性を評価するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経肺送達用の薬物の有効性の支援は、現在、ツイン・ステージ・インピンジャー(twin stage impinger:TSI)装置を用いて研究室内で行われている。この装置は、真空ポンプを使用して入り組んだ(回旋状の)通路を通じ、高流量で適度に長い時間、例えば60リットル/分を5秒間、薬物を吸い込む。入り組んだ通路は、液状の大きな薬粒子を捕らえるための、第1急カーブ部における第1ステージと、液状の細かい薬粒子を捕らえるための第2ステージとを有する。第1ステージにおける上記液体は、ここで取り込まれた薬の(複数の)大きい粒子の質量を求めるために分析される。第2ステージにおける上記液体は、ここで取り込まれた薬の(複数の)微(細かい)粒子の質量を求めるために分析される。
【0003】
経肺薬物の有効性は、その微(細)粒子質量に依存する。これは、肺内に深く達し、かつユーザに望ましい生理的効果をもたらす正確な大きさ(径)(0.5〜6μm)の薬物量を表す。微粒子よりも径が大きい薬粒子は、ユーザの消化系内に吸収される傾向にあり、これは、副作用をもたらし得る。送達された薬物の総質量は、上記微粒子質量と比較した場合、肺に対する薬物送達の効率を示す。該効率が、微粒子質量対総質量の比率で表される場合、これは微粒子比(微粒子(分)率)と呼ばれる。
【0004】
上記TSI法に関連するいくつかの欠点がある。
【0005】
TSIは、難しく時間がかかる方法であり、また、一回の評価を終了するのに一日かかり得る。従って、TSIは、薬物送達法の統計的分散を求めるため、十分なデータを取得するのに数週間から数ヶ月かかり得る。
【0006】
別の欠点は、該装置が、生体内の実際の薬物送達を表す効果を必ずしも与えないという点である。該装置は、空気流量(60リットル/分)を用いる。該空気流量は、特定の人間の呼吸吸気(息吸い込み)量を必ずしも表さず、通常の呼吸吸気よりも長い時間(5秒)である。
【0007】
別の欠点は、該装置は、薬物が向けられるユーザとは無関係に薬物の送達特性を検査することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
改良した評価方法を提供することが望まれるであろう。
【0009】
本発明の第一側面によれば、経肺薬物送達の有効性を評価する次の方法が提供される。すなわち、該方法は、a)放射線源と放射線検出器を備えたセンサを通り過ぎる空気流中に薬物を供給する工程と、b)測定分布として、ある時間にわたって入射放射線を放射線検出器で検出する工程と、c)測定分布の形状の少なくとも一つの特性を定量化する工程と、d)前記少なくとも一つの定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示(示度)を作り出す工程とを含む。
【0010】
上記表示は、薬物送達が行われたか又は行われなかったかではなく、薬物送達がどの程度成功したか、すなわち成功の程度を表す。これは、一般に、薬物送達の有効性の量的な基準(尺度)である。
【0011】
経肺薬物送達の有効性を評価するための次の測定装置も提供される。すなわち、該装置は、薬物送達中に薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、導管内に放射線を供給するための放射線源と、測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための放射線検出器と、測定分布の形状の一又は複数の特性を定量化し、該定量化した(一又は複数の)特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能なプロセッサとを備えている。
【0012】
本発明の第二側面によれば、経肺薬物送達の有効性を評価する次の方法が提供される。すなわち、該方法は、第1測定分布として、薬物送達中、第1放射線検出器の出力を時間に対して記録する工程と、第2測定分布として、同じ薬物送達中、第2放射線検出器の出力を時間に対して記録する工程と、経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すため、第1及び第2測定分布を処理する工程とを含む。
【0013】
経肺薬物送達の有効性を評価するための次の測定装置も提供される。すなわち、該測定装置は、薬物送達中に薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、導管内に放射線を供給するための放射線源と、第1測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第1放射線検出器と、第2測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第2放射線検出器と、第1及び第2測定分布に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能なプロセッサとを備えている。
【0014】
従って、本発明の上記側面の実施形態は、より迅速な評価手順を提供する。これは、経肺薬物送達の有効性の統計的分散における情報が作り出されることを許容する。
【0015】
空気流は、人又は呼吸シミュレータによって作り出され得る。従って、本発明の実施形態は、生体内薬物送達を表す評価手順であって該薬物が向けられる人を考慮に入れることができる評価手順を提供する。
【0016】
該測定装置は、実際の薬物送達装置に取り付けられるか又は該薬物送達装置内に組み込まれ得る。従って、本発明の実施形態は、薬物送達のためにその場で使用される該装置を考慮に入れた評価手順を提供する。
【0017】
本発明の第三側面によれば、複数の別個の薬物送達でユーザに薬物投与量を供給するための次の薬物送達装置が提供される。すなわち、該薬物送達装置は、各薬物送達に対し管理された量の薬物を放出するための薬物計量手段と、薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、導管内に放射線を供給するための放射線源と、第1測定分布として、進行中の薬物送達中に導管からの放射線を検出するための第1放射線検出器と、少なくとも第1測定分布に基づいて、次の薬物送達のため、薬物計量手段を制御するように動作可能な制御手段とを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、生体内経肺薬物送達の迅速な評価のための評価システム10を例示する。システム10は、経肺送達用の薬物14を収容する薬物送達(ドラッグデリバリー)装置12と、測定装置20と、生理的アクチュエータ16とを軸流に連続して備えている。空気の流れFは、生理的アクチュエータ16により、薬物送達装置12から測定装置20を通じて引き込まれる。薬物送達装置12と測定装置20との間の境界面にシールが必要とされ得、また、生理的アクチュエータ16と測定装置20との間にシールが必要とされ得る。
【0019】
生理的アクチュエータ16が作り出す空気流Fは、空気流F中に薬物凝集塊をエアゾール(煙霧質)化して、薬物粒子の雲(クラウド)を作り出し得る。又は、空気流Fは、既に存在するエアゾール雲を肺内に引き込み得る、雲中の粒子径及び粒子分布は、雲が空気流F中で移動するにつれて変化する。
【0020】
経肺薬物の有効性は、その微粒子質量に依存する。これは、肺内に深く達して、ユーザに望ましい生理的効果をもたらす、適正な大きさ(例えば0.5〜6μm)の薬物の量を表す。微粒子よりも大きい薬物粒子は、ユーザの消化系内に吸収される傾向にあり、これは、副作用をもたらし得る。投与された薬物の総質量は、微粒子質量と比較した場合、肺に対する薬物送達の効率を表す。該効率が、微粒子質量対総投与質量として表される場合、これは微粒子比と呼ばれる。
【0021】
エアゾール化された粒子雲は、雲構成、特に該雲中の粒子密度(濃度)及び粒子径分布に従って散乱して放射線を吸収する。システム10は、薬物雲が放射線源と放射線検出器との間を通過する際、検出放射線がどのように変化するかを表す測定分布から経肺薬物送達の有効性を量的に評価するように構成される。
【0022】
経肺送達用の薬物は、乾燥形式又は液体形式を含むどのような処方(調合)でもあり得、また、溶剤を用いた溶液/懸濁液として処方され得る。
【0023】
薬物送達装置12は、実際の経肺薬物送達装置である。これは、現在販売されている装置、又は市場向けの新設計の装置であり得る。適切な経肺薬物送達装置の可能性がある形式の例は、定量吸入器、乾燥粉末吸入器、噴霧器、一回呼吸液体システム、及び定量溶液吸入器を含む。
【0024】
生理的アクチュエータは、ある人の呼吸吸気又は呼吸シミュレータの操作によって与えられ得る。
【0025】
測定装置20は、薬物送達装置12の出力部と生理的アクチュエータ16との間に接続されたまっすぐな光学的半透明管22を含む。管22は、この例において、21mmの内径と60mmの固定長とを有する。他の実施形態において、管22は、30mmまでの内径と5〜200mmの固定長とを有し得る。
【0026】
測定装置はまた、管22の外側面であるセンサ24と、センサ24に接続されたプロセッサと、メモリ27と、出力部29とを備える。
【0027】
センサ24は、管22の軸線及び流れ方向Fに垂直な面にある放射線源25及び放射線検出器26を含む。この例において、センサ24は光の不明瞭化によって作動し、また、光源25及び光検出器26は、互いに直径方向反対側に配置される。他の実施形態において、センサ24は光散乱によって作動し、また、光源及び光検出器は、同じ平面に配置されるが、検出器は、所定の散乱角度にある光を検出するため、光源の「視線」内には配置されない。
【0028】
プロセッサ28は、生理的アクチュエータ16によって薬物送達装置12から薬物取入れ中、センサ24からのリアルタイムデータをメモリ27に記録するようにプログラムされる。該リアルタイムデータは、検出放射線が時間と共にどのように変化するかの測定分布である。
【0029】
プロセッサ28は、ユーザの入力に応答してデータを記録し始め得る。例えば、測定装置20のユーザインタフェースのボタンが、記録開始のために押され得る。あるいは、プロセッサ28は、吸気(取入れ)工程の開始の検出に応じて自動的に記録を開始し得る。例えば、流れ検出器が、センサ24の上流に配置され得、プロセッサ28は、検出流量が所定の閾値を何時超えたかを検出し得る。
【0030】
一般的な測定分布は、図2に例示される。これは、雲が源25と検出器26との間を通過する際、検出器26の出力Mが時間と共にどのように変化するかを記録する。本発明者は、測定分布の形状が薬物雲中の粒子密度及び粒子径の分布にどの程度反応するか(影響を受けるか)を突き止めた。
【0031】
プロセッサ28は、薬物取入れから経肺薬物送達をリアルタイムで評価するため、記録された測定分布をその位置(現場)で自動的に処理するようにプログラムされる。プロセッサ28は、測定分布の形状の特性を定量化し、該定量化特性に基づく、例えば投与量、投与微粒子量及び投与微粒子比の定量化された指度(指示)を作り出す。該処理の結果は、例えば表示器であり得る出力部29に供給される。
【0032】
測定分布の処理は、数学関数Pを測定分布に適合させることで始まる。関数Pは、二つの部分、すなわち、投与量関数Pdoseとレベル移行

残留関数Presidualの総計である。
【0033】
測定分布の形状を特徴付けるパラメータの定量値は、適合投与量関数Pdoseと適合残留関数Presidualから得られる。
【0034】
特徴的パラメータは、次のものを含み得る。
a)投与量関数Pdoseの幅W、例えば半値全幅 これは時間である。
b)投与量関数Pdoseの最大振幅A
c)投与量関数Pdoseの長さL
d)投与量関数Pdoseの非対称性
e)適合数学関数Pからの実際の測定分布の偏差
f)適合残留関数Presidualの高さH
【0035】
投与量関数Pdoseの最大振幅Aの値は、測定した経肺薬物雲の微粒子質量と相関性があることが本発明者によって突き止められた。そのため、最大振幅Aの定量値は、非SI単位系で微粒子を表す量的な表示(示度)を与える。メモリ27は、プロセッサ28が上記量的表示をSI単位系の質量値に変換することを可能にする較正データを保管し得る。
【0036】
幅Wにわたって積分された投与量関数Pdoseの値は、測定した経肺薬物雲の総投与質量と相関性があることが本発明者によって突き止められた。そのため、上記積分の定量値は、非SI単位系で投与質量の量的な表示を与える。メモリ27は、プロセッサ28が上記量的表示をSI単位系の質量値に変換することを可能にする較正データを保管し得る。
【0037】
幅Wにわたって積分された投与量関数Pdoseの値で割った投与量関数Pdoseの最大振幅Aの値は、測定した経肺薬物雲の微粒子比と相関性があることが本発明者によって突き止められた。そのため、上記微粒子比の定量値は、非SI単位系で微粒子比の量的な表示を与える。メモリ27は、プロセッサ28が上記量的表示を標準単位系に変換することを可能にする較正データを保管し得る。
【0038】
本発明者はまた、次の点を突き止めた。すなわち、上記長さLが経肺薬物雲の体積(量)及び長さと相関性があり、投与量関数Pdoseの非対称性が薬物送達雲の非対称性と相関性があり、適合関数Pからの測定分布の偏差が雲の均質性と相関性があり、更に、適合残留関数Presidualの高さHが、薬物が供給される通路の側壁に付着することによって喪失した薬物投与量と相関性がある点である。
【0039】
従って、適合曲線P、すなわち、適合投与量関数Pdose及び適合残留関数Presidualから得られた測定分布の形状を特徴付けるパラメータの定量値は、薬物送達処理の効率及び/又は薬物送達雲の量的な表示を提供するためにプロセッサ28で用いられ得る。
【0040】
システム10は、評価手順を容易に繰り返し、次いで、該繰り返した手順の結果間の統計学的変動値(偏差)を求めるために使用され得る。この簡易で信頼できかつ頑強な技術は、評価が迅速に終了することを可能にし、また、統計学的に有意な数の評価が短期間(時間)で終了することを可能にする。
【0041】
プロセッサ28は、薬物送達処理の効率及び/又は薬物送達雲の量的表示における変動を定量化するようにプログラムされ得る。例えば、プロセッサ28は、各薬物送達評価に対し測定微粒子比をメモリ27に保管し得る。多くの評価後、プロセッサ28は、保管された微粒子比のサンプルについて統計学的分析を行い得る。例えば、これは、平均微粒子比及び該平均からの標準偏差を与え得る。あるいは、プロセッサ28は、各評価に対し別個の測定分布又は特徴的パラメータを保管し得、また、それらの平均を、薬物送達処理の効率及び/又は薬物送達雲の表示を与えるために用いる前に、それらを平均し得る。
【0042】
システム10は、薬物送達処理に非常に重要な三つの別個の構成要素を備えている。すなわち、薬物送達装置12と経肺製剤(経肺薬物調合(処方)物)14と生理的アクチュエータ16である。
【0043】
システム10は、呼吸シミュレータを使用すると共に製剤14として既知の特性を有する物質のサンプルを用いることによって生理的作動を制御することにより、新規な薬物送達装置の効率が評価されることを可能にする。
【0044】
システム10は、呼吸シミュレータを使用すると共に標準的薬物送達装置12を用いることによって生理的作動を制御することにより、新規な製剤の効率が評価されることを可能にする。
【0045】
システム10は、薬物送達装置12を用いて人による経肺薬物14の自己投与の評価を可能にする。該装置は、ユーザが吸入をより激しく又は穏やかに行う必要があるかどうかを表示し得る。該システムは、経肺薬物送達装置をどのように使用するかを人に訓練するため、偽薬で使用され得る。
【0046】
図3は、評価システムの別の実施形態を例示する。該図において、図2と同じ構成要素は参照番号が図2と共用される。システム10は、異なる測定装置20を有する。
【0047】
測定装置20は、複数のセンサ241、242...を有する。この例において、二つのセンサが例示されるが、三つ以上のセンサも使用され得る。
【0048】
第1センサ241は、管22の軸線及び流れ方向Fに垂直な第1面にある第1放射線源251と第1放射線検出器261とを含む。第1面は、管22の軸線に沿う位置x1に配置される。
【0049】
第2センサ242は、管22の軸線及び流れ方向Fに垂直な第2面にある第2放射線源252と第2放射線検出器262とを含む。第2面は、管22の軸線に沿う位置x2に配置される。
【0050】
この例において、センサ24nは光の不明瞭化によって作動し、また、光源25n及び光検出器26nは、互いに直径方向反対側に配置される。他の実施形態において、センサ24nは光散乱によって作動し、また、光源及び光検出器は、依然として同じ平面に配置されるが、検出器は、所定の散乱角度にある光を検出するため、光源の「視線」内には配置されない。
【0051】
プロセッサ28は、薬物送達中、第1センサ241からの第1測定分布及び第2センサ242からの第2測定分布をメモリ27に記録する。例示的な第1測定分布M1及び第2測定分布M2が図4に示される。プロセッサ28は、第1測定分布M1と第2測定分布M2を独立に上述したように処理し、第1測定分布からの特徴的パラメータに対する定量値の第1セットと、第2測定分布からの特徴的パラメータに対する定量値の第2セットを作り出す。
【0052】
第1測定分布の形状を特徴付けるパラメータの第1セットの定量値は、位置x1における薬物送達処理の効率及び/又は薬物送達雲の状態の量的な表示を与える。
【0053】
第2測定分布の形状を特徴付けるパラメータの第2セットの定量値は、
位置x2における薬物送達処理の効率及び/又は薬物送達雲の状態の量的な表示を与える。
【0054】
第1測定分布、すなわち第1測定分布から得た結果と、第2測定分布、すなわち第2測定分布から得た結果との比較は、薬物雲の変遷(のパターン)に関する情報を与える。例えば、液体送達・システムにおける推進薬の蒸発は、第1測定から第2測定応答までの最大振幅の増長をもたらし得る。
【0055】
プロセッサ28は、第1測定分布と第2測定分布時間との間の時間オフセットTを得るため、第1測定分布と第2測定分布を相互に関連付けるように構成される。測定分布の代わりに投与量関数Pdoseが相互に関連付けられ得る。管22を通る薬物雲の平均速度の表示を得るため、x1とx2との距離がメモリ27に保管され、プロセッサ28によって上記時間オフセットTで割られる。薬物雲の速度は、のどの背部に堆積(付着)させられる薬物雲の割合の表示を与える。プロセッサ28は、出力部29を介して平均速度の表示を与えるように構成される。
【0056】
評価システム10の更に別の実施形態は、異なる周波数で光を検出する一又は複数のセンサを使用する。送達用の経肺薬物14は、第1の色で着色された薬理学的に不活性な大きいキャリア粒子(例えばラクトース)を含み、該キャリア粒子は、第2の色で着色された薬理学的に活性の薬物で覆われる。該薬物は、移動中にキャリアから離れるように企図される。薬物がキャリアから離れるにつれ、検出される第2の色の割合が増し、第2の色に対する微粒子比が増加する。従って、キャリアからの薬物開放の有効度が特定される。
【0057】
測定装置20は、薬物送達装置12に対する別個の付加構成要素として記述されたが、他の実施形態において、測定装置20の機能性は、薬物送達装置12内に組み込まれ得る。
【0058】
図5は、マルチ・ドーズ(多容量型/多数回使用)薬物送達装置12を例示する。該装置のユーザは、該装置を用いて、複数回の吸入を行うことにより、正確な投与量を自己投与する。各吸入は、ユーザに対する薬物送達を引き起こす。該装置は、各薬物送達で供給される薬物量及び/又は必要とされる薬物送達の回数を自動的に変える。これは、ユーザの呼吸が小さいか又は変わりやく、力強く又はばらつきなく吸入することができない場合に特に有益である。
【0059】
測定装置20の機能性は、薬物送達装置12内へと組み込まれる。
【0060】
装置12は、吸入における薬物送達に使用可能である薬物量を計測する計量ユニット40を有する。計量ユニット40は、プロセッサ28から入力を受信する。
【0061】
最初の吸入において、計量ユニット40によって所定量の薬物が放出される。センサ24は、吸い込まれた薬物雲が射線源25と放射線検出器26との間を通る際、放射線検出器26によって検出される放射線の変動を検出する。プロセッサ28は、測定分布をメモリ27に記録し、次いで、該測定分布を上述したように処理して、微粒子比及び/又は吸い込まれた最初の薬用量の投与量を求める。
【0062】
次いで、プロセッサは、次の吸入において引き続いて起こる薬物送達に対し、計量ユニット40が放出する薬物量を制御する。あるいは、もしくはそれに加えて、プロセッサは、追加薬物送達吸入が必要であるか否か、及び、どの程度の回数の追加薬物送達吸入が必要であるかを決定し得る。従って、次の一回又は複数回の吸入において放出される薬物量を、先行する吸入における薬物送達の有効性に基づいて制御する適応フィードバックシステムが作り出される。先行する吸入における薬物送達の有効性は、単一の検出器が使用される場合は、検出した測定分布の特性から特定され得、又は、二以上の検出器が使用される場合は、別々の検出器からの複数の測定分布の比較から特定され得る。
【0063】
本発明の実施形態が種々の例を参照して上述されたが、与えられたこれらの例に対する変更が、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、なされ得ることが理解されるであろう。
【0064】
上記詳細な説明において特に重要であると考えられる本発明の特徴に注意を引き付けるように努めたが、出願人は、上述したか及び/又は図面に示したいかなる特許性のある特徴もしくは特徴の組合せについても、それが特に強調されているか否かにかかわらず、保護を請求することが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】経肺薬物送達の迅速な評価のための評価システムを例示する。
【図2】一般的な測定分布を例示する。
【図3】評価システムの別の実施形態を例示する。
【図4】単一の薬物送達に対する第1測定分布M1及び第2測定分布M2を例示する。
【図5】適応マルチドーズ薬物送達装置を例示する。
【符号の説明】
【0066】
10 評価システム
12 薬物送達装置
14 薬物
16 生理的アクチュエータ
22 半透明管
24 センサ
25 放射線源
26 放射線検出器
27 メモリ
28 プロセッサ
29 出力部
F 空気流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経肺薬物送達の有効性を評価する方法であって、
a)放射線源と放射線検出器を備えたセンサを通り過ぎる空気流中に薬物を供給する工程と、
b)測定分布として、ある時間にわたって入射放射線を放射線検出器で検出する工程と、
c)測定分布の形状の少なくとも一つの特性を定量化する工程と、
d)前記少なくとも一つの定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出す工程とを含む方法。
【請求項2】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、送達された経肺薬物における微粒子の量を定量化する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、経肺薬物送達の有効性の定量的測度である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬物を供給する工程は、薬物送達装置からの薬物の放出を含み、呼吸シミュレータが前記空気流を与える、経肺薬物送達の有効性のその場評価のための請求項1、2又は3のいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
前記薬物を供給する工程は、薬物送達装置からの薬物の放出を含み、
前記空気流は、人の呼吸吸気によって与えられる、経肺薬物送達の有効性のその場評価のための請求項1、2又は3のいずれか一に記載の方法。
【請求項6】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、単一の測定分布に基づく請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
【請求項7】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、複数の測定分布に基づく請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
放射線源と放射線検出器を備えたセンサを通り過ぎる空気流中に薬物を供給する工程と、測定分布として、ある時間にわたって入射放射線を放射線検出器で検出する工程とを繰り返す工程と、
複数の検出した測定分布各々の形状の少なくとも一つの特性を定量化する工程と、
複数の前記少なくとも一つの定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出す工程とを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は平均を含む請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、経肺薬物送達の有効性における分散の程度を含む請求項7、8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記測定分布の形状の第1の定量化した特性から、送達された微粒子投与量を評価する工程と、
測定分布の形状の異なる第2の定量化した特性から、送達された総投与量を評価する工程と、
前記送達された微粒子投与量の評価と送達された総投与量の評価とを用いて、経肺薬物送達の有効性の表示を与える工程とを更に含む請求項1〜10のいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、送達された投与量の微粒子比である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の特性は、測定分布の高さ、すなわち、測定分布に適合された曲線の高さである請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の特性は、測定分布の幅にわたる測定分布の正規化積分、すなわち、測定分布に適合された曲線の幅にわたる該曲線の正規化積分を含む請求項11、12又は13のいずれか一に記載の方法。
【請求項15】
前記測定分布に適合された曲線は投与量関数であり、該投与量関数は、レベル移行残留関数と総計された場合、測定分布を実質上再度作り出す請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記定量化及び評価工程は、その場で自動的に行われる請求項11〜15のいずれか一に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも一つの定量化した特性に基づく経肺薬物送達の有効性の表示を、較正データを用いて、経肺薬物送達の有効性の測定値に変換する工程を更に含む請求項1〜16のいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
前記工程b)、c)及びd)は、測定装置内で行われる請求項1〜17のいずれか一に記載の方法。
【請求項19】
前記工程a)、b)、c)及びd)は、薬物送達装置内で行われる請求項1〜17のいずれか一に記載の方法。
【請求項20】
経肺薬物送達の有効性を評価するための測定装置であって、
薬物送達中に薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、
導管内に放射線を供給するための放射線源と、
測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための放射線検出器と、
測定分布の形状の一又は複数の特性を定量化し、該定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能なプロセッサとを備えた測定装置。
【請求項21】
薬物投与装置に放出可能に取り付けられるように配置される請求項20に記載の測定装置。
【請求項22】
薬物送達装置内に組み込まれる請求項20に記載の測定装置。
【請求項23】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、送達された経肺薬物の微粒子成分を表す請求項20、21又は22のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項24】
少なくとも一つの測定分布を保管するためのメモリを更に備えた請求項20〜23のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項25】
前記プロセッサは、複数の測定分布から得られた定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能である請求項20〜24のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項26】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は平均を含む請求項25に記載の測定装置。
【請求項27】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、分散の程度を含む請求項25又は26に記載の測定装置。
【請求項28】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、量的な表示である請求項20〜27のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、測定分布の形状の第1の定量化した特性から、送達された微粒子投与量を決定すると共に、同じ測定分布の形状の第2の定量化した特定から、送達された総投与量を決定するように動作可能である請求項20〜28のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項30】
前記プロセッサは、経肺薬物送達の有効性の表示を計算するため、前記決定した送達された微粒子投与量及び決定した送達された総投与量を用いるように動作可能である請求項29に記載の測定装置。
【請求項31】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、送達された投与量の微粒子比である請求項30に記載の測定装置。
【請求項32】
前記第1の特定は、測定分布の高さ、すなわち、測定分布に適合された曲線の高さである請求項29又は31に記載の測定装置。
【請求項33】
前記第2の特性は、測定分布の幅にわたる測定分布の正規化積分、すなわち、測定分布に適合された曲線の幅にわたる該曲線の正規化積分を含む請求項29〜32のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項34】
前記プロセッサは、測定分布に投与量関数曲線を適合するように動作可能であり、投与量関数曲線とレベル移行残留関数の総計は、測定分布を実質上再度作り出す請求項32又は33に記載の測定装置。
【請求項35】
前記プロセッサの動作は自動的なものである請求項20〜34のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項36】
前記プロセッサの動作はリアルタイムで行われる請求項20〜34のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項37】
第2測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第2放射線検出器を備え、プロセッサは、単一の薬物送達に対する複数の測定分布に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能である請求項20〜34のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項38】
第2放射線源を更に備えた請求項37に記載の測定装置。
【請求項39】
経肺薬物送達の有効性を評価する方法であって、
第1測定分布として、薬物送達中、第1放射線検出器の出力を時間に対して記録する工程と、
第2測定分布として、同じ薬物送達中、第2放射線検出器の出力を時間に対して記録する工程と、
経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すため、第1及び第2測定分布を処理する工程とを含む方法。
【請求項40】
前記処理工程は、前記二つの測定分布の量的な比較を含む請求項39に記載の
方法。
【請求項41】
前記処理工程は、前記二つの測定分布の相互相関を含む請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、薬物送達中の薬物雲の測度である請求項39〜41のいずれか一に記載の方法。
【請求項43】
前記第1及び第2放射線検出器は、薬物流路に沿う異なる位置に配置される請求項39〜42のいずれか一に記載の方法。
【請求項44】
前記第1及び第2放射線検出器は、異なるエネルギーで放射線を検出するように構成される請求項39〜42のいずれか一に記載の方法。
【請求項45】
経肺薬物送達の有効性を評価するための測定装置であって、
薬物送達中に薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、
導管内に放射線を供給するための放射線源と、
第1測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第1放射線検出器と、
第2測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第2放射線検出器と、
第1及び第2測定分布に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能なプロセッサとを備えた測定装置。
【請求項46】
複数の別個の薬物送達でユーザに薬物投与量を供給するための薬物送達装置であって、
各薬物送達に対し管理された量の薬物を放出するための薬物計量手段と、
薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、
導管内に放射線を供給するための放射線源と、
第1測定分布として、進行中の薬物送達中に導管からの放射線を検出するための第1放射線検出器と、
少なくとも第1測定分布に基づいて、次の薬物送達のため、薬物計量手段を制御するように動作可能な制御手段とを備えた薬物送達装置。
【請求項47】
前記制御手段は、進行中の薬物送達の有効性の表示に基づいて、次の薬物送達のため、薬物計量手段を制御するように動作可能である請求項46に記載の薬物送達装置。
【請求項48】
前記進行流の薬物送達の有効性の表示は、測定分布の形状の一又は複数の定量化した特性に基づく請求項47に記載の薬物送達装置。
【請求項49】
第2測定分布として、前記進行中の薬物送達中に導管からの放射線を検出するための第2放射線検出器を更に備え、該進行中の薬物送達の有効性の表示は、第1及び第2測定分布に基づく請求項47に記載の薬物送達装置。
【請求項50】
前記薬物計量手段は、少なくとも第1測定分布に基づいて、次の薬物送達において放出される薬物の量を変えるように構成される請求項46〜49のいずれか一に記載の薬物送達装置。
【請求項51】
前記薬物計量手段は、少なくとも第1測定分布に基づいて、必要な薬物送達の数を変えるように構成される請求項46〜50のいずれか一に記載の薬物送達装置。
【請求項52】
微粒子送達の有効性を評価する方法であって、
a)放射線源と放射線検出器を備えたセンサを通り過ぎる、粒子を含む空気流を供給する工程と、
b)測定分布として、ある時間にわたって入射放射線を放射線検出器で検出する工程と、
c)測定分布の形状の少なくとも一つの特性を定量化する工程と、
d)前記少なくとも一つの定量化した特性に基づいて微粒子送達の有効性の表示を作り出す工程とを含む方法。
【請求項53】
付随図面に関連するか及び/又は示される実質上上述した方法、装置又はシステム。
【請求項54】
請求項1〜53と同一の発明の範囲内にあるか否か又は該発明に関連するか否かとはかかわらない、開示された新規な主題又は新規な主題を含む組合せ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経肺薬物送達の有効性を評価する方法であって、
a)放射線源と放射線検出器を備えたセンサを通り過ぎる空気流中に薬物を供給する工程と、
b)測定分布として、ある時間にわたって入射放射線を放射線検出器で検出する工程と、
c)測定分布の形状の少なくとも一つの特性を定量化する工程と、
d)前記少なくとも一つの定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出す工程とを含む方法。
【請求項2】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、送達された経肺薬物における微粒子の量を定量化する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つの特性は、測定分布の高さ、すなわち、測定分布に適合された曲線の高さである請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つの特性は、測定分布の幅にわたる測定分布の積分、すなわち、測定分布に適合された曲線の幅にわたる該曲線の積分を含む請求項1、2又は3のいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
前記測定分布に適合された曲線は投与量関数であり、該投与量関数は、レベル移行残留関数と総計された場合、測定分布を実質上再度作り出す請求項3又4に記載の方法。
【請求項6】
経肺薬物送達の有効性を評価するための測定装置であって、
薬物送達中に薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、
導管内に放射線を供給するための放射線源と、
測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための放射線検出器と、
測定分布の形状の一又は複数の特性を定量化し、該定量化した特性に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能なプロセッサとを備えた測定装置。
【請求項7】
薬物投与装置に放出可能に取り付けられるように配置されるか、又は薬物送達装置内に組み込まれる請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記経肺薬物送達の有効性の表示は、送達された経肺薬物の微粒子成分を表す請求項6又は7に記載の測定装置。
【請求項9】
前記定量化した特性は、測定分布の高さ、すなわち、測定分布に適合された曲線の高さである請求項6、7又は8のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項10】
前記定量化した特性は、測定分布の幅にわたる測定分布の積分、すなわち、測定分布に適合された曲線の幅にわたる該曲線の積分を含む請求項6〜9のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項11】
第2測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第2放射線検出器を備え、プロセッサは、単一の薬物送達に対する複数の測定分布に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能である請求項6〜10のいずれか一に記載の測定装置。
【請求項12】
第2放射線源を更に備えた請求項11に記載の測定装置。
【請求項13】
経肺薬物送達の有効性を評価する方法であって、
第1測定分布として、薬物送達中、第1放射線検出器の出力を時間に対して記録する工程と、
第2測定分布として、同じ薬物送達中、第2放射線検出器の出力を時間に対して記録する工程と、
経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すため、第1及び第2測定分布を処理する工程とを含む方法。
【請求項14】
経肺薬物送達の有効性を評価するための測定装置であって、
薬物送達中に薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、
導管内に放射線を供給するための放射線源と、
第1測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第1放射線検出器と、
第2測定分布として、ある時間にわたって導管からの放射線を検出するための第2放射線検出器と、
第1及び第2測定分布に基づいて経肺薬物送達の有効性の表示を作り出すように動作可能なプロセッサとを備えた測定装置。
【請求項15】
複数の別個の薬物送達でユーザに薬物投与量を供給するための薬物送達装置であって、
各薬物送達に対し管理された量の薬物を放出するための薬物計量手段と、
薬物粒子の雲を運ぶ空気が流れ得る導管と、
導管内に放射線を供給するための放射線源と、
第1測定分布として、進行中の薬物送達中に導管からの放射線を検出するための第1放射線検出器と、
少なくとも第1測定分布に基づいて、次の薬物送達のため、薬物計量手段を制御するように動作可能な制御手段とを備えた薬物送達装置。
【請求項16】
前記薬物計量手段は、少なくとも第1測定分布に基づいて、次の薬物送達において放出される薬物の量を変えるように構成されるか、又は少なくとも第1測定分布に基づいて、必要な薬物送達の数を変えるように構成される請求項15に記載の薬物送達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−523666(P2006−523666A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506156(P2006−506156)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001714
【国際公開番号】WO2004/093951
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505385446)ラフバラ ユニバーシティ エンタープライジズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】