説明

結合または分離したデータおよび制御平面の割当て

異種が混合した構成可能な回路中の2重メッシュ状相互接続ネットワークは、データ通信と制御通信との間で割当てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に再構成可能な回路に関し、より詳細には、プログラミング再構成可能な回路に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの集積回路は、プログラム可能または構成可能(configurable)である。実施例には、マイクロプロセッサやフィールド・プログラム可能なゲート・アレイを含む。プログラム可能で構成可能な集積回路がより複雑になるにつれ、それらをプログラムしたり設定したりする作業はさらにより複雑になる。
【発明の開示】
【0003】
以下の詳細な説明では、本発明が実施される特定の実施例を示す添付図面が言及される。これらの実施例は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に説明される。本発明の様々な実施例は、異なっていても、必ずしも相互に排他的ではないことを理解すべきである。例えば、一実施例に関してここに説明される特定の特徴、構造または特性は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、他の実施例内で実施される。加えて、開示された各実施例内の個々の要素の位置または配置は、本発明の思想および範囲から逸脱せずに、修正されてもよいことが理解される。したがって、以下の詳細な説明は、制限する意味に捉えるべきではなく、本発明の範囲は、請求項が与える均等の全範囲と共に、添付の請求項によってのみ定義され、適切に解釈される。図面では、類似の数字は、図面全体に亘り、同一または類似の機能を参照する。
【0004】
図1は、再構成可能な(reconfigurable)回路のブロック図を示す。再構成可能回路100は、複数の処理要素(PE:processing elements)および相互に連結した複数のルータ(R:routers)を含む。いくつかの実施例では、各PEは単一のルータに結合され、そのルータは環状に配置され、結合される。例えば、図1に示されるように、PE102はルータ112に結合される。また、PE104はルータ114に結合される。さらに、例えば図1の中で示されるように、ルータ112,114は、ルータ116,118,120を通って共に結合されて、相互接続122(R112の左と、R114の右に示される)によって共に直接結合される。再構成可能回路100中の様々なルータ(およびPE)は、ルータの行がそれぞれ環状に相互に連結され、またルータの列がそれぞれ環状に相互に連結されるように、最も近い隣接相互接続で行および列に配置される。いくつかの実施例では、各ルータは単一のPEに結合されており、また、他の実施例では、各ルータは2以上のPEに結合されてもよい。
【0005】
本発明のいくつかの実施例では、構成可能回路100は、様々な異なったタイプのPEを含む「異種が混合したアーキテクチャ」を具備してもよい。例えば、PE102は、特定の論理機能を行なうために形成されるプログラム可能ロジック・アレイを含む一方、PE104は、機械語命令でプログラムされるプロセッサ・コアを含んでいてもよい。いくつかの実施例では、いくつかのPEは、様々なタイプの「マイクロ・コード化されたアクセラレータ」(MCA)を実行する。MCAは、特定の機能、例えばデータのフィルタ、デジタル信号処理(DSP)タスクの実行、または畳込み符号化または復号化を加速するために使用される。一般に、広範囲の種類のアーキテクチャを備えたあらゆる数のPEが構成可能回路100内に含まれる。
【0006】
図1中に示されるように、PEは2重のメッシュ状相互接続ネットワークによって接続される。2重メッシュ状相互接続ネットワークは、第1のメッシュ、あるいは「平面」(PE間の実線の矢印で示される)、および第2のメッシュあるいは「平面」(PE間の点線の矢印で示される)を含む。いくつかの実施例では、第1のメッシュはPE間でデータ通信のために利用され、また、第2のメッシュはPE間で制御通信のために利用される。他の実施例では、2重メッシュ状相互接続ネットワークにおける1つまたは両方の平面は、制御とデータとの間で共有される。例えば、いくつかの実施例では、ネットワーク上で通信されるデータのプロトコルが帯域内周波信号方式をサポートするので、制御とデータの平面は、一部同じメッシュ上で結合される。あるいは、制御平面はデータ平面から分離され、専用制御および構成メッシュ(CCM)として提供されてもよい。さらに以下に説明されるように、制御とデータ間で2重メッシュ状相互接続のダイナミックな(動的な)割当て(allocation)が行なわれてもよい。動的割当ては、構成可能回路100内の処理要素によって行なわれてもよく、または、動的割当ては構成可能回路100の外部のプロセッサによって行なわれてもよい。
【0007】
いくつかの実施例では、ルータは、情報のパケットを使用して、互いにまたPEと通信する。例えば、PE102がPE104へ送る情報を有する場合、PE102はデータのパケットをルータ112に送り、それからPE104へ配送するためのルータ114へそのパケットを送る。パケットは制御またはデータ情報を含み、任意のサイズである。いくつかの実施例では、データ・パケットは2重メッシュ状相互接続ネットワークの1つの平面を使用して、PE間で発送され、また、制御パケットは別の平面を使用して、PE間で発送される。他の実施例では、データ・パケットと制御パケットは、同じ平面上のPE間で発送される。いくつかの実施例では、PEは、データと制御との間のメッシュで動的割当てを許容する方法でプログラム可能である。PEをプログラムまたは構成することによって、メッシュは、データと制御との間で割当てられ、あるいは再割当てが行なわれてもよい。
【0008】
図1に示されるように、構成可能回路100は、入出力(IO)要素130,132を含む。入出力要素130,132は、他の回路と通信するために構成可能回路100によって使用されてもよい。例えば、IO要素130はホスト・プロセッサと通信するために使用され、また、IO要素132は、無線周波数(RF)受信機または送信機のようなアナログ・フロント・エンドと通信するために使用されてもよい。あらゆる数のIO要素が構成可能回路100に含められ、また、それらのアーキテクチャは広く変化する。PEのように、IOは構成可能で、またプログラム可能であり、それらの基本的なアーキテクチャに基づく異なったレベルの構成を有していてもよい。
【0009】
構成可能回路100は、IO要素を介して構成パケットを受け取ることにより形成される。例えば、IO要素130は、様々なPEおよびIOのための構成情報を含む構成パケットを受け取り、その構成パケットは適切な要素に発送される。構成可能回路100は、専用プログラミング・インターフェイスを通って構成情報を得ることにより形成されてもよい。例えば、構成可能回路100をプログラムするためにシリアル・スキャン・チェーンのようなシリアル・インターフェイスを利用することができる。
【0010】
構成可能回路100によって受け取られた構成パケットは、2重メッシュ状相互接続ネットワークのための割当て情報を含む。例えば、いくつかの実施例では、構成パケットは、2重メッシュ状相互接続ネットワークの1つの平面をデータ通信に、別の平面を通信の制御のために割当てるためのPEプログラミング情報を含む。他の実施例では、構成パケットは、データと制御通信との間で共有される1つまたは両方の平面を割当てるためのPEプログラミング情報を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施例では、構成可能回路100内のPEまたはIOは、構成パケットを受け取り、2重メッシュ状相互接続ネットワーク中の資源を割当てる処理要素として働く。例えば、IO130は、ホスト・インターフェイス・ノードとして働くプロセッサを含む。ホスト・インターフェイス・ノードは、構成パケットを受け取り、構成可能回路100内の様々な要素をプログラムすることにより2重メッシュ状相互接続ネットワーク内の資源を割当てる。
【0012】
本発明の様々な実施例は、構成可能回路100内の処理要素によって実行される。例えば、図4に関して以下に説明される様々な方法は、構成可能回路100内のプロセッサによって実行される。
【0013】
構成可能回路100は、多くの用途を有する。例えば、構成可能回路100は、通信システムにおける特定の物理層(PHY)の実現を示すため、または通信システムにおける特定のメディア・アクセス制御層(MAC)の実現を示すために形成することができる。例えば、構成可能回路100は、ANSI/IEEE Std.802.11,1999年版のようなワイヤレス・ネットワーク標準規格に従って動作するために形成されるが、これは本発明を制限するものではない。ここに使用されるように、用語「802.11」は、過去、現在、将来のあらゆるIEEE802.11標準規格に関するものであり、1999年版に制限されるものではない。
【0014】
様々なPHYおよびMAC構成は、データおよび制御の結合平面から恩恵を受ける。例えば、高帯域データ要求およびより柔軟なレイテンシ制限を備えるアプリケーションでは、全帯域幅を改善するためにデータおよび制御のために両方のメッシュ状ネットワークを使用する。データおよび制御の結合平面から恩恵を受けるPHYを実現する例は、広帯域符号分割多重接続(WCDMA)の基地局PHYを含み、比較的緩いレイテンシ制限を有してもよいが、複数のアンテナから入るデータを受信する。WCDMAは例として引用され、また、本発明はこの点に制限されるものではない。
【0015】
様々なPHYおよびMAC構成は、個別のデータおよび制御平面から恩恵を受ける。例えば、厳しいレイテンシ制限を有するアプリケーションでは、通常の決定性データ・フローを考慮に入れて、個別のデータおよび制御平面から恩恵を受ける。厳しいレイテンシ要求を有するPHYを実現する例は、IEEE802.11標準規格に従って動作する直交周波数分割多重化(OFDM)の実現を含む。さらに例えば、高い制御オーバーヘッドあるいは迅速な再構成のための能力を備えるアプリケーションは、制御とデータのための個別のメッシュ状構造から恩恵を受ける。個別の制御および構成メッシュ状(CCM)ネットワークによって、要素は通常のネットワークのデータ・トラフィックに影響を与えずに再構成されることを可能にする。加えて、タイム・クリティカルな(時間的制約のある)制御機能を各要素に直接送信することを可能にする。
【0016】
いくつかの実施例では、構成可能回路100のための複数の構成が存在し、ある構成から別の構成に変化することによって、通信システムはあるPHYから別のPHYへ、あるMACから別のMACへ、あるいは、複数の構成のあらゆる組合せの間で迅速に変更することができる。さらに、様々な構成は、2重メッシュ状相互接続ネットワークを違った風に利用することができる。いくつかの実施例では、ある構成から別の構成へ変化する場合、2重メッシュ状相互接続ネットワークは、データと制御との間で再割当てされる。さらに、いくつかの実施例では、2重メッシュ状相互接続ネットワークは、完全に構成を変更せずに、再割当てが行なわれる。
【0017】
いくつかの実施例では、構成可能回路100は集積回路の一部である。これらの実施例のいくつかでは、構成可能回路100は、構成可能回路100以外の回路を含む集積回路ダイに含められる。例えば、構成可能回路100は、プロセッサ、メモリまたは他の適切な回路を備える集積回路ダイ上に含められてもよい。いくつかの実施例では、通信装置の集積度を増加させるために、構成可能回路100は、同じ集積回路ダイ上の無線周波数(RF)回路と共存させることができる。さらに、いくつかの実施例では、構成可能回路100は、複数の集積回路ダイに跨ってもよい。
【0018】
図2は、電子システムのブロック図を示す。システム200は、プロセッサ210、メモリ220、構成可能回路100、RFインターフェイス240、およびアンテナ242を含む。いくつかの実施例では、システム200は、構成可能回路100で使用するための構成を展開するコンピュータ・システムである。例えば、システム200は、パーソナル・コンピュータ、ワークステーション、専用の開発用ステーション、または構成可能回路100のための構成を形成することのできるあらゆるコンピューティング装置である。他の実施例では、システム200は、特定の構成でプログラムされた後、構成可能回路100を利用する「最終用途」システムであってもよい。さらに、いくつかの実施例では、システム200は、構成を開発すると同様にその構成を使用することができるシステムであってもよい。
【0019】
いくつかの実施例では、プロセッサ210は、図3および図4に関して以下説明される方法を実行することができるプロセッサである。例えば、プロセッサ210は、設計記述(design description)を構成可能回路100のための構成に変換する方法を実行し、プロセッサ210は、また構成可能回路100を形成する方法を実行する。構成可能回路100のための構成は、メモリ220に格納され、構成可能回路100を形成するとき、プロセッサ210はメモリ220からその構成を読み出す。さらに、設計記述を構成可能回路100のための構成に変換するとき、プロセッサ210は、メモリ220に1またはそれ以上の構成を格納する。プロセッサ310は、あらゆるタイプのプロセッサを表わし、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセサ、パーソナル・コンピュータ、ワークステーションまたは同種のものを含むが、これらに限定されることはない。
【0020】
いくつかの実施例では、システム200は、通信システムであり、プロセッサ210は、通信システム内の様々なタスクを実行するコンピューティング装置である。例えば、システム200は、コンピュータにワイヤレス・ネットワーク能力を提供するシステムである。これらの実施例では、プロセッサ210は、デバイス・ドライバのすべてまたは一部を実行することができ、あるいはMACのすべてまたは一部を実行することができる。さらに、これらの実施例では、構成可能回路100は、ワイヤレス・ネットワーク接続のための1またはそれ以上のプロトコルを実行する。いくつかの実施例では、構成可能回路100は複数のプロトコルを同時に実行することができ、また、他の実施例では、プロセッサ210は、構成可能回路100の再構成により使用中のプロトコルを変更することができる。さらに、プロセッサ210は、構成可能回路100の一部を再構成することにより使用中のプロトコルの動きを変更することもできる。
【0021】
メモリ220は、機械読取り可能な媒体を含む物品を表わす。例えば、メモリ220は、ハードディスク、フロッピー・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、CDROM、または他のあらゆるタイプの物品を示し、プロセッサ210のようなマシンによって読取り可能な媒体を含む。いくつかの実施例では、メモリ220は、本発明の様々な実施例を実行するための命令を格納することができる。さらに、いくつかの実施例では、メモリ220は、構成可能回路100のために1またはそれ以上の構成を格納することができる。
【0022】
いくつかの実施例の動作では、プロセッサ210は、メモリ220から命令とデータを読取り、それに応答する動作を実行する。例えば、本発明の様々な実施例は、メモリ220から命令を読み出している間、プロセッサ210によって実行される。
【0023】
アンテナ242は、指向性アンテナまたは無指向性アンテナのいずれかである。例えば、いくつかの実施例では、アンテナ242は、ダイポール・アンテナのような無指向性アンテナ、または4分の1波長アンテナである。さらにいくつかの実施例では、例えば、アンテナ242は、パラボラ・ディッシュ・アンテナまたは八木アンテナのような指向性アンテナであってもよい。いくつかの実施例では、アンテナ242は省略されてもよく、また、他の実施例では、アンテナ242は複数のアンテナまたは複数のアンテナ素子を含む。
【0024】
いくつかの実施例では、アンテナ242によって送信され、または受信されたRF信号は、音声信号、データ信号またはそのあらゆる組合せに対応する。例えば、いくつかの実施例では、構成可能回路100は、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・インターフェイス、携帯電話インターフェイス、全地球測位システム(GPS)インターフェイス、または同種のインターフェイスのためのプロトコルを実行することができる。これらの様々な実施例では、RFインターフェイス240は、構成可能回路100によって実行されるプロトコルに対して適切な周波数で動作する。RFインターフェイス240は、増幅器、フィルタ、ミキサおよびその他同種のものを含むあらゆる適切なコンポーネントを含む。いくつかの実施例では、RFインターフェイス240は省略される。
【0025】
図3は、本発明の様々な実施例に従うフローチャートを示す。いくつかの実施例では、方法300あるいはその一部は、電子システム、または人の行為と協働する電子システムによって行なわれる。他の実施例では、方法300のすべてまたはその一部は、コントロール回路またはプロセッサによって行なわれ、その実施例はいくつかの図面中に示される。方法300は、特定のタイプの装置、ソフトウェア要素、またはその方法を行なう人によって制限されることはない。方法300の様々な動作は、示された順に行なわれてもよく、また異なる順に行なわれてもよい。さらに、いくつかの実施例では、図3にリストされたいくつかの動作が方法300から省略されることもある。
【0026】
方法300は、ブロック310から始まり、設計記述が、複数の異種が混合した処理要素(PE)のための構成に変換される。例えば、構成可能回路100(図1,図2)のような構成可能回路のための最終構成を表わす設計記述は、図1の中で示される構成のようなPEのための構成に変換訳される。いくつかの実施例では、設計記述の変換は、多くの動作を含む。例えば、設計記述は高位言語で表わされ、その設計記述の変換は分割、分解、グループ化、配置およびその他同種の処理を含む。他の実施例では、設計記述の変換はほとんどの動作を含まないこともある。例えば、設計記述は中間表現を使用して表わされることがあり、また、設計記述の変換は様々なPEのためにコードを生成することを含む。
【0027】
いくつかの実施例では、ブロック310中の設計記述によって指定された構成は、特定のPHY、MACまたはそれらの組合せを実行することになるアルゴリズムの形式をしている。そのアルゴリズムは、手続き形言語またはCまたはC++のような目的向き言語の形で書かれ、高位言語に特定化し、あるいは「様式化した」バージョンであってもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、設計記述の変換をガイドする制限が明示される。その制限は、レイテンシやスループットの制限のように、完成した構成が満たすべき最小の必要条件を含む。いくつかの実施例では、様々な制限がウェイトとして割当てられ、それ結果、設計記述の変換中に様々な量の遅延処理が与えられる。いくつかの実施例では、制限は要求または優先選択としてリストされることがあり、また、いくつかの実施例では、制限はパラメータ値の範囲としてリストされる。いくつかの実施例では、制限は絶対的なものではない。例えば、目標の再構成可能回路がパケットで通信するデータ経路を含む場合、その設計の一部を通した測定レイテンシは固定値ではなくてもよく、その代り、統計的変動を備えた値であってもよい。
【0029】
320で、複数のメッシュ状相互接続ネットワークは、データと制御との間で割当てられる。この状況において、「割当てる」は、構成可能回路内のメッシュ状相互接続ネットワークのどの部分が制御情報に使用されることになっているか、また、どの部分がデータ情報に使用されることになっているかを決めることを指す。上述されるように、個別のメッシュは、個別のデータおよび制御平面のために割当てられることがあり、または、1またはそれ以上のメッシュがデータおよび制御が結合した平面のために割当てられてもよい。
【0030】
いくつかの実施例中で、「割当てられる」ことによる1つの結果によって、PEのための構成情報が生成される。例えば、一般にPEは、図1に示されるメッシュ状相互接続のいずれかまたは両方にデータまたは制御情報を送りまたは受け取る。PEのための構成情報を生成することによって、方法300はメッシュ状相互接続の使用に関するPEの動きを決定する。
【0031】
方法300は、構成の「品質」を測定し、310または320にリストされた動作のすべてまたは一部を繰り返す。例えば、現在の構成品質は、ハードウェアまたはソフトウェアで実行される「プロファイラ」によって測定される。いくつかの実施例では、プロファイラは、現在の構成の品質を決定するために、制限に対して比較する情報を収集することができる。例えば、プロファイラは、レイテンシまたはスループットの要求が現在の構成で満たすことができるかどうかを決めるために利用される。制限を満たさない場合、あるいはそのマージンには適合するが望ましくない場合、ブロック310または320の一部が繰り返される。例えば、設計上は異なる配置または経路付けされ、または、メッシュ状相互接続は異なった風に割当てられることがあり、または、変更のあらゆる組合せは構成内に作成される。評価には、制限を含む多くの可能なパラメータを考慮に入れるコスト関数を評価することを含む。
【0032】
その制限に合致するとき、完成した構成は320から出力される。いくつかの実施例では、完成した構成は、構成可能回路100(図1)のような構成可能回路の構成を指定するファイル形式をしている。いくつかの実施例では、完成した構成は、構成可能回路100のような構成可能回路にロードされる構成パケットの形式をしている。完成した構成によって得られた形式は、本発明を制限するものではない。
【0033】
方法300の330で、構成ファイルが書き込まれる。いくつかの実施例では、そのファイルは、1またはそれ以上のメッシュ状相互接続ネットワークの割当てを管理する情報を含む、PEのための構成情報を含む。1を越える設計記述が変換されることになっている場合、ブロック340によって方法300は別の設計を変換する。そうでなければ、方法300は350で終了する。
【0034】
方法300の完了で、1またはそれ以上の構成ファイルが存在し、そこでは、各構成ファイルは、構成可能回路のための構成を指定する。各構成は、2重メッシュ状相互接続ネットワークを違った風に割当てる。例えば、ある構成ファイルは個別の制御およびデータ平面を有してもよく、また、別のプロトコル・ファイルは結合された制御とデータの平面を有していてもよい。
【0035】
図4は、本発明の様々な実施例に従うフローチャートを示す。いくつかの実施例では、方法400、またはその一部は、電子システム、制御回路、プロセッサ、構成可能回路、または処理要素(PE)によって実行され、それらの実施例は様々な図で示される。方法400は、特定のタイプの装置またはその方法を実行するソフトウェア要素によって制限されることはない。方法400の様々な動作は示された順序で実行されるが、異なる順序で実行されてもよい。さらに、いくつかの実施例では、図4にリストされたいくつかの動作が、方法400から省略されてもよい。
【0036】
方法400は、ブロック410から開始し、メモリから構成ファイルが読み込まれる。構成ファイルは、電子システムのプロセッサによって読み込まれてもよいが、構成可能回路内の要素によって読み込まれてもよい。例えば、プロセッサ210(図2)のようなプロセッサが構成ファイルを読み込んでもよく、あるいは、IO130(図1)のような処理要素または入出力要素が構成ファイルを読み込んでもよい。メモリは、システム200(図2)のような電子システム内のメモリであり、または構成可能回路内で専用されるメモリであってもよい。
【0037】
420で、異種が混合した再構成可能な装置中の複数の処理要素が形成される。いくつかの実施例では、これは、構成パケットを構成可能回路100(図1,図2)のような構成可能回路に送る電子システムのプロセッサに対応する。他の実施例では、これは、構成情報を受け取り、それを適切な処理要素を転送する構成可能回路内の要素に対応する。
【0038】
いくつかの実施例では、異種が混合した再構成可能な装置の一部のみが420で形成される。例えば、再構成可能な装置は、複数のワイヤレス・ネットワーク・プロトコルを同時に実行することができ、また複数のプロトコルの一部が変更される一方で、他の装置が存続してもよい。このような装置を形成する場合、構成情報は、データ・トラフィックを錯綜させないで、再構成可能な装置内の専用制御メッシュを介して送られる。個別のデータおよび制御平面を有することによって、ブロック420中の動作は、データの帯域幅上で有害なインパクトなく実行される。さらに、いくつかの実施例では、構成情報は、結合したデータおよび制御平面を使用して、異種が混合した再構成可能な装置の一部に送り込まれてもよい。これらの実施例では、制御情報は帯域幅を利用してもよく、そうでない場合それはデータ・トラフィックに利用可能である。
【0039】
430で、複数のメッシュ状ネットワークは、異種が混合した再構成可能な装置中でデータおよび制御のために割当てられる。この状況で、「割当てられる」は、メッシュ状相互接続の使用に関してPEの動きに影響を与えるために構成情報をPEへ送ることに関連する。例えば、構成ファイルが個別のデータおよび制御平面の形成のための構成情報を含む場合、様々な処理要素は、あるメッシュを制御通信に割当て、データ通信のために別のメッシュを割当てる方法で形成される。さらに、例えば、構成ファイルが共有したデータおよび制御の平面を形成するための構成情報を含む場合、様々な処理要素は、1またはそれ以上のメッシュをデータおよび制御の通信のために共有するために割当てる方法で形成される。
【0040】
本発明はある実施例と共に説明されたが、理解されることになっている‥‥修正と変更は、当業者が容易に理解できるように、本発明の思想および範囲から逸脱せずに、行なわれる。そのような修正および変更は、本発明および添付された請求項の範囲内であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】再構成可能回路のブロック図を示す。
【図2】本発明の様々な実施例に従う電子システムのダイヤグラムを示す。
【図3】本発明の様々な実施例に従うフローチャートを示す。
【図4】本発明の様々な実施例に従うフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種が混合した再構成可能な装置中にデータおよび制御のための複数のメッシュ状ネットワークを割当てる段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
メモリからプロトコル・ファイルを読み出す段階と、
異種が混合した複数の処理要素を形成する段階と、をさらに含む方法であって、
前記プロトコル・ファイルは、前記複数のメッシュ状ネットワークのための割当て情報を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記複数のメッシュ状ネットワークは、第1平面および第2平面を含み、割当てる段階は、前記第1平面を制御専用に、および、前記第2平面をデータ専用にする段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1平面をデータと制御との間で共有するために再割当てをする段階をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記複数のメッシュ状ネットワークは、第1平面および第2平面を含み、割当てる段階は、データと制御との間で共有される前記第1平面を割当てる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記複数のメッシュ状ネットワークは、第1平面および第2平面を含み、割当てる段階は、データと制御との間で共有される前記第1平面および前記第2平面の両方を割当てる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
設計記述を異種が混合した複数の処理要素のための構成に変換する段階と、
データと制御との間の複数のメッシュ状相互接続ネットワークを割当てる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
割当てる段階は、レイテンシ制限が共有されたデータおよび制御のメッシュ状ネットワークに合致しているかどうかを決定する段階を含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
変換および割当てる段階は、プロトコル・ファイルに帰する結果になり、前記方法は、前記プロトコル・ファイルをメモリに格納する段階をさらに含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項10】
第2の設計記述を変換して第2の割当てを行なう段階、第2のプロトコル・ファイルに帰する結果となる段階、および前記第2プロトコル・ファイルを前記メモリ中に格納する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
機械アクセス可能な命令を保持する媒体を含む装置において、アクセスされたとき、機械は、
異種が混合した再構成可能な装置中にデータおよび制御のための複数のメッシュ状ネットワークを割当てる段階を実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記複数のメッシュ状ネットワークは、第1平面および第2平面を含み、割当てる段階は、前記第1平面を制御専用に、および、前記第2平面をデータ専用にする段階を含むことを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
データと制御との間で共有される前記第1平面を再割当てする段階をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記複数のメッシュ状ネットワークは、第1平面および第2平面を含み、割当てる段階は、データと制御との間で共有される前記第1平面を割当てる段階を含むことを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項15】
異種が混合した処理要素のネットワークと、
前記異種が混合した処理要素のネットワークに結合された第1および第2メッシュ状ネットワークであって、前記装置は、データおよび制御のあらゆる組合せのために前記第1および第2メッシュ状ネットワークを利用するためにプログラム可能である、第1および第2メッシュ状ネットワークと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項16】
データと制御との間で前記第1および第2メッシュ状ネットワークをダイナミックに割当てるためのプロセッサをさらに含むことを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記異種が混合した処理要素のネットワークは、情報のパケットを使用して、前記第1および第2メッシュ状ネットワークを介して通信するために構成可能であることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記異種が混合した処理要素のネットワークは、データ通信のために前記第1メッシュ状ネットワークを、制御通信のために前記第2メッシュ状ネットワークを利用するために構成可能であることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項19】
前記異種が混合した処理要素のネットワークは、データ通信のために前記第1メッシュ状ネットワークを、データおよび制御通信の両方のために前記第2メッシュ状ネットワークを利用するために構成可能であることを特徴とする請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記異種が混合した処理要素のネットワークは、データおよび制御通信の両方のために前記第1および第2メッシュ状ネットワークの両方を利用するために構成可能であることを特徴とする請求項18記載の装置。
【請求項21】
2重のメッシュ状相互接続ネットワークと、
前記2重のメッシュ状相互接続ネットワークに結合された複数の処理要素であって、前記複数の処理要素は、データと制御のあらゆる組合せのために前記2重のメッシュ状相互接続ネットワークを利用するために構成可能である、複数の処理要素と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項22】
前記複数の処理要素を形成するためのプロセッサをさらに含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記2重のメッシュ状相互接続ネットワークと前記複数の処理要素との間に結合された複数のルータをさらに含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項24】
前記2重のメッシュ状相互接続ネットワークは、第1平面および第2平面を含み、前記複数の処理要素は、データ通信のために前記第1平面を、制御通信のために前記第2平面を利用するために構成可能であることを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項25】
前記複数の処理要素は、データ通信のために前記第1平面を、データおよび制御通信の両方のために前記第2平面を利用するために構成可能であることを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記複数の処理要素は、データおよび制御通信の両方のために前記第1および第2平面の両方を利用するために構成可能であることを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項27】
アンテナと、
前記アンテナから通信信号を受け取る無線周波数回路と、
前記無線周波数回路に結合された再構成可能な装置であって、前記再構成可能な装置は、2重のメッシュ状相互接続ネットワークを含む、再構成可能な装置、および、前記2重のメッシュ状相互接続ネットワークに結合された複数の処理要素であって、前記複数の処理要素は、データおよび制御のあらゆる組合せのために前記2重のメッシュ状相互接続ネットワークを利用するために構成可能である、複数の処理要素と、
を含むことを特徴とする電子システム。
【請求項28】
前記複数の処理要素を形成するためのプロセッサをさらに含むことを特徴とする請求項27記載の電子システム。
【請求項29】
前記2重のメッシュ状相互接続ネットワークは、第1平面および第2平面を含み、前記複数の処理要素は、データ通信のために前記第1平面を、制御通信のために前記第2平面を利用するために構成可能であることを特徴とする請求項27記載の電子システム。
【請求項30】
前記複数の処理要素は、データ通信のために前記第1平面を、データおよび制御通信の両方のために前記第2平面を利用するために構成可能であることを特徴とする請求項29記載の電子システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−527666(P2007−527666A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554116(P2006−554116)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/003590
【国際公開番号】WO2005/094016
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】