説明

結束機

【課題】複数本の被結束物を輪ゴムで良好に結束することができるようにすること。
【解決手段】複数本の長尺状の被結束物の端部に輪ゴム3を巻回する巻回装置9を有し、巻回装置9で複数本の被結束物の端部を輪ゴム3で結束する結束機において、巻回装置9の内部に複数本の被結束物の端部を挿通させるための結束空間28を形成するとともに、結束空間28に輪ゴム3を開くための複数本の輪ゴム保持爪29を開閉可能に配設し、複数本の輪ゴム保持爪29を閉じた状態で輪ゴム3を受取った後に、複数本の輪ゴム保持爪29を開くことで輪ゴム3を結束空間28よりも大きく開いた状態で輪ゴム3を保持し、その状態で結束空間28の内部に複数本の被結束物を挿通させ、その後、輪ゴム保持爪29による輪ゴム3の保持を解除することで、複数本の被結束物の端部を輪ゴム3で結束するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の長尺状の被結束物の端部を輪ゴムで結束するための結束機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネギ等の長尺物は、端部に輪ゴムを巻回することで複数本まとめて結束して商品として提供されている。
【0003】
このように複数本の長尺状の被結束物の端部を輪ゴムで結束する作業は、主に人手により行われており、多大な労力や時間を要していた。
【0004】
そのため、機械的に複数本の長尺状の被結束物の端部に輪ゴムを巻回して結束することができる結束機(たとえば、特許文献1参照。)の開発が要請されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−128019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機械的に複数本の長尺状の被結束物の端部に輪ゴムを巻回して結束する結束機においては、人手による作業と同様に、輪ゴムを開いた状態とし、その内側に複数本の被結束物の端部をまとめて挿通し、その後、輪ゴムを閉じることで、複数本の被結束物の端部を輪ゴムで結束することができる。
【0007】
しかしながら、複数本の被結束物の端部を開いた輪ゴムの内側にまとめて挿通する際に、被結束物の端部が輪ゴムに引っ掛かってしまった場合、全ての被結束物を輪ゴムの内側に挿通させることができずに良好に結束することができなくなるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、複数本の長尺状の被結束物の端部に輪ゴムを巻回する巻回装置を有し、巻回装置で複数本の被結束物の端部を輪ゴムで結束する結束機において、巻回装置の内部に複数本の被結束物の端部を挿通させるための結束空間を形成するとともに、結束空間に輪ゴムを開くための複数本の輪ゴム保持爪を開閉可能に配設し、複数本の輪ゴム保持爪を閉じた状態で輪ゴムを受取った後に、複数本の輪ゴム保持爪を開くことで輪ゴムを結束空間よりも大きく開いた状態で保持し、その状態で結束空間の内部に複数本の被結束物を挿通させ、その後、輪ゴム保持爪による輪ゴムの保持を解除することで、複数本の被結束物の端部を輪ゴムで結束するように構成することにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記巻回装置は、結束空間の外周部でシート状のラベルを保持し、複数本の被結束物の端部にラベルを介して輪ゴムで結束するように構成することにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記巻回装置は、結束空間の内部で閉じた状態の複数本の輪ゴム保持爪の外方に輪ゴム供給装置から輪ゴムを1本ずつ供給し、その状態で複数本の輪ゴム保持爪を開くことで輪ゴムを受取るように構成することにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、結束空間よりも大きく開いた状態で輪ゴムを保持し、その状態で結束空間の内部に複数本の被結束物を挿通させ、その後、輪ゴム保持爪による輪ゴムの保持を解除することで、複数本の被結束物の端部を輪ゴムで結束するようにしているために、被結束物の端部を開いた輪ゴムの内側に挿通する際に、被結束物の端部が輪ゴムに引っ掛かってしまうことがなく、複数本の被結束物を輪ゴムで良好に結束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る結束機を示す正面図。
【図2】同平面図。
【図3】同側面図。
【図4】同ブロック図。
【図5】巻回装置を示す正面図(a)、側面図(b)、側面断面図(c)、正面断面図(d)〜(f)。
【図6】輪ゴム供給装置を示す平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)、側面断面図(d)、動作説明図(e)。
【図7】ラベル供給装置を示す側面図(a)、正面断面図(b)、動作説明図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る結束機の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1〜図4に示すように、結束機1は、複数本のネギ等の長尺状の被結束物2の端部に輪ゴム3をラベル4を介して巻回することで複数本の被結束物2を結束するために使用される装置である。
【0015】
この結束機1は、ケーシング5の内部に複数本の被結束物2を搬送するための搬送装置6を収容し、ケーシング5の右側上部に複数本の被結束物2を搬送装置6に供給するための計量供給装置7を設け、ケーシング5の中央前端部に複数本の被結束物2の端部を揃えるための端面揃え装置8を設け、ケーシング5の左側上部に複数本の被結束物2の端部に輪ゴム3やラベル4を巻回するための巻回装置9と巻回装置9に輪ゴム3を供給するための輪ゴム供給装置10と巻回装置9にラベル4を供給するためのラベル供給装置11とを設け、さらに、これらの搬送装置6、計量供給装置7、端面揃え装置8、巻回装置9、輪ゴム供給装置10、ラベル供給装置11を制御するための制御装置12をケーシング5の内部に収容している。
【0016】
搬送装置6は、計量供給装置7から供給された複数本の被結束物2を計量供給装置7の真下で受取り、計量供給装置7から受取った複数本の被結束物2を一束毎にケーシング5の右側端部から左側端部へ向けて搬送し、ケーシング5の左側端部から排出するようにしている。
【0017】
この搬送装置6は、搬送機構13によって、計量供給装置7の真下で複数本の被結束物2を受取る受取位置と、受取位置から左側に移動して端面揃え装置8で複数本の被結束物2の端部を揃える端面揃え位置と、端面揃え位置からさらに左側に移動して巻回装置9で輪ゴム3やラベル4を巻回する巻回位置と、巻回位置からさらに左側に移動してケーシング5の左側端部から排出する排出位置との間を間欠的に移動するように構成している。
【0018】
また、搬送装置6は、巻回位置において複数本の被結束物2の中途部と端部とを中間クランプ機構14と端部クランプ機構15で保持するように構成している。
【0019】
計量供給装置7は、予め設定した重量の被結束物2が投入されたことを計量機構16で検出し、所定重量毎に供給機構17から受取位置で停止する搬送装置6へと供給するように構成している。
【0020】
端面揃え装置8は、進退機構18の進退ロッド19をケーシング5の前後方向に向けて伸延し、進退ロッド19の先端部に円板状の押圧板20を取付けている。
【0021】
そして、端面揃え装置8は、進退機構18を駆動して押圧板20を被結束物2の端面に向けて前後に進退させながら徐々に前進させることで、複数本の被結束物2の端面を押圧板20で繰り返し押圧していき、端面揃え位置で停止する複数本の被結束物2の端面を揃えるようにしている。
【0022】
巻回装置9は、移動機構21によって上下及び前後に移動可能となっており、移動機構21によって、ケーシング5の前側上部の初期位置と、初期位置から前進(ケーシング5の後方側へ移動)して輪ゴム3やラベル4を受取る受取位置と、初期位置から降下して待機する待機位置と、待機位置から前進(ケーシング5の後方側へ移動)して被結束物2に輪ゴム3やラベル4を巻回する巻回位置との間を移動するように構成している。
【0023】
この巻回装置9は、図5に示すように、矩形箱型状の基体22の前側に3本の支持体23を120度間隔で取付け、支持体23に円環状の輪ゴム巻回機24と同じく円環状の前後側ラベル巻回機25,26を取付け、前側ラベル巻回機25の前端部に円環状のガイド体27を取付けている。
【0024】
これにより、巻回装置9は、内部に略円筒状の内部空間を形成している。この内部空間は、後述するように、複数本の被結束物2の端部を挿通させて輪ゴム3やラベル4を結束するために利用する結束空間28となる。
【0025】
輪ゴム巻回機24は、輪ゴム3を3本の輪ゴム保持爪29で保持するためのものであり、円環体30に3個の輪ゴム保持爪開閉機構31を円周方向に120度間隔で取付け、各輪ゴム保持爪開閉機構31に輪ゴム保持爪進退機構32を介して輪ゴム保持爪29を取付けている。ここで、輪ゴム保持爪29の先端部は、前後側ラベル巻回機25,26の間の間隙33に位置させている。
【0026】
そして、輪ゴム巻回機24は、輪ゴム保持爪開閉機構31で3本の輪ゴム保持爪29を結束空間28の中心部で閉じた状態としておき、この閉じた状態で3本の輪ゴム保持爪29の外方に輪ゴム供給装置10から1本の輪ゴム3が供給され、輪ゴム保持爪開閉機構31で3本の輪ゴム保持爪29を結束空間28の外周よりも外側に向けて開くことによって、前後側ラベル巻回機25,26の間の間隙33において輪ゴム保持爪29で輪ゴム3を結束空間28よりも大きく開いた状態で保持することができる。
【0027】
また、輪ゴム巻回機24は、前後側ラベル巻回機25,26の間の間隙33において輪ゴム保持爪29で輪ゴム3を結束空間28よりも大きく開いた状態で保持した後に、輪ゴム保持爪進退機構32によって輪ゴム保持爪29の先端部を間隙33よりも後方に後退させると、後側ラベル巻回機26の前端面において輪ゴム3だけが後退を阻止されることになり、輪ゴム保持爪29の先端部から輪ゴム3が外れ、これにより、輪ゴム保持爪29による輪ゴム3の保持を解除することができる。
【0028】
前側ラベル巻回機25及び後側ラベル巻回機26は、円環体34,35にそれぞれ3個の進退シリンダー36,37を進退ロッド38,39を結束空間28の中心に向けた状態で円周方向に120度間隔で取付けるとともに、各進退ロッド38,39に押圧体40,41を取付け、さらに、各押圧体40,41に吸引ノズル42,43を形成し、吸引ノズル42,43に吸引ポンプを接続している。
【0029】
ここで、前側ラベル巻回機25及び後側ラベル巻回機26は、吸引ノズル42,43と吸引ポンプとによって結束空間28の外周部でラベル4を吸引保持するためのラベル吸引機構44を形成し、また、進退シリンダー36,37と進退ロッド38,39と押圧体40,41とによって結束空間28の外周部で保持したラベル4を被結束物2に向けて押し出すためのラベル押出機構45を形成している。
【0030】
なお、後側ラベル巻回機26は、円環体35に輪ゴム保持爪29を開閉させるためのスリット46を円周方向に120度間隔で形成している。
【0031】
ガイド体27は、内周面を後方に向けて縮径したテーパー面として、複数本の被結束物2を結束空間28の中心に集めるようにしている。
【0032】
輪ゴム供給装置10は、図6に示すように、傾斜する基体47の上部に輪ゴム3を収容するための輪ゴム収容機48を取付けるとともに、基体47の右側部に輪ゴム3を排出するための輪ゴム排出機49を取付け、輪ゴム排出機49の前方に輪ゴム3を1本ずつ搬送するための輪ゴム搬送機50を配置している。
【0033】
輪ゴム収容機48は、基体47に円筒状のドラム51を回転機構52を介して取付けるとともに、ドラム51の底部に回転板53を取付け、回転板53の外周部に1本の輪ゴム3を収容できる8個の切欠54を円周方向に45度間隔で形成している。
【0034】
また、輪ゴム収容機48は、ドラム51の底部右側に輪ゴム排出機49に連通する排出口55を形成するとともに、切欠54に収容された1本の輪ゴム3を風圧によって排出口55から輪ゴム排出機49へと吹き出すためのノズル56を設けている。
【0035】
輪ゴム排出機49は、輪ゴム収容機48の排出口55から下端部に傾斜する排出通路57を形成するとともに、排出通路57の下端部に輪ゴム3を係止するためのストッパー58とスリット59を形成する一方、排出通路57の上端部に輪ゴム3を風圧によって下端部へ向けて吹き出す排出機構60のノズル61を形成している。
【0036】
輪ゴム搬送機50は、輪ゴム3を係止するフック62を前後及び上下への移動を可能とする移動機構63に取付けて、移動機構63によってフック62を輪ゴム排出機49の排出通路57の下端部で輪ゴム3を受取る受取位置と巻回装置9の結束空間28の内部で輪ゴム巻回機24に輪ゴム3を受渡す受渡位置との間を移動できるようにしている。
【0037】
そして、輪ゴム供給装置10は、輪ゴム収容機48の回転機構52によってドラム51を回転させることでドラム51の内部に収容した複数本の輪ゴム3を1本ずつ回転板53の切欠54に収容していき、ノズル56から吹き出す風圧で排出口55から輪ゴム排出機49に渡し、輪ゴム排出機49においてノズル61から吹き出す風圧で輪ゴム3を排出通路57の下端部へ送るとともにストッパー58で係止し(図6(b)参照。)、その状態で輪ゴム搬送機50の移動機構63によってフック62を受取位置まで移動させるとともにフック62の先端部を輪ゴム3の後側から前側に向けてスリット59を通過させることでフック62の先端部で1本の輪ゴム3を受取り、その後、移動機構63によってフック62を巻回装置9の結束空間28の内部の受渡位置まで移動させ、結束空間28の内部で閉じられた3本の輪ゴム保持爪29の先端部外方に供給する(図6(e)参照。)。
【0038】
ラベル供給装置11は、図7に示すように、左右への移動を可能とする移動機構64に吸引ドラム65を回転機構66を介して取付け、吸引ドラム65に2列の吸引口67,68を円周方向に間隔をあけて形成し、吸引口67,68に吸引機構69を接続している。また、吸引ドラム65の上方に複数枚のラベル4を傾斜状に収容したホルダー70を配置している。ラベル供給装置11は、移動機構64によって吸引ドラム65をホルダー70からラベル4を受取る受取位置と巻回装置9の結束空間28の内部で前後側ラベル巻回機25,26にラベル4を受渡す受渡位置との間を移動できるようにしている。
【0039】
そして、ラベル供給装置11は、移動機構64によって吸引ドラム65を受取位置まで移動させ、ホルダー70の下端面においてラベル4に吸引ドラム65を当接させ、その状態で吸引機構69で吸引口67から吸引することで吸引ドラム65の外周部にラベル4の端部を吸着し、その後、回転機構66で吸引ドラム65を回転させることで吸引ドラム65の外周にラベル4を巻回するとともに吸引機構69で吸引口68から吸引することで吸引ドラム65の外周でラベル4を保持し、その後、移動機構64によって吸引ドラム65を巻回装置9の結束空間28の内部の受渡位置まで移動させ、結束空間28の外周にラベル4を供給する(図7(c)参照。)。
【0040】
制御装置12は、内蔵されたプログラムに従って搬送装置6、計量供給装置7、端面揃え装置8、巻回装置9、輪ゴム供給装置10、ラベル供給装置11を適宜制御するように構成している。
【0041】
結束機1は、以上に説明したように構成しており、制御装置12で搬送装置6、計量供給装置7、端面揃え装置8、巻回装置9、輪ゴム供給装置10、ラベル供給装置11を以下に説明するように制御することで、複数本の被結束物2の端部に輪ゴム3をラベル4を介して結束する。
【0042】
すなわち、結束機1は、まず、計量供給装置7によって、予め設定した重量となった複数本の被結束物2を搬送装置6に供給する。
【0043】
次に、結束機1は、搬送装置6によって、受取位置で計量供給装置7から複数本の被結束物2を受取ると、その複数本の被結束物2を端面揃え位置まで搬送する。
【0044】
次に、結束機1は、端面揃え装置8によって、端面揃え位置で停止する複数本の被結束物2の端面を揃える。
【0045】
次に、結束機1は、搬送装置6によって、端面が揃った複数本の被結束物2を端面揃え位置から巻回位置まで搬送し、中間クランプ機構14で被結束物2の中途部を保持する。
【0046】
また、結束機1は、巻回装置9を初期位置から受取位置まで移動させるとともに、ラベル供給装置11の吸引ドラム65を受取位置から受渡位置まで移動させ、ラベル供給装置11から巻回装置9にラベル4を供給する。
【0047】
このラベル4の供給は、ラベル供給装置11の吸引機構69の駆動を停止して吸引ドラム65でのラベル4の保持を停止するとともに、巻回装置9の前後側ラベル巻回機25,26のラベル吸引機構44の駆動を開始して前後側ラベル巻回機25,26でのラベル4の保持を開始することによって行われる。
【0048】
これにより、結束機1は、巻回装置9の結束空間28の外周部で1枚のラベル4を保持することができる。
【0049】
さらに、結束機1は、ラベル供給装置11の吸引ドラム65を受渡位置から受取位置まで移動させるとともに、輪ゴム供給装置10のフック62を受取位置から受渡位置まで移動させ、輪ゴム供給装置10から巻回装置9に輪ゴム3を供給する。
【0050】
この輪ゴム3の供給は、結束空間28の内部で閉じた状態の3本の輪ゴム保持爪29の直上方にフック62を位置させることで3本の輪ゴム保持爪29の先端部外方に1本の輪ゴム3が提供され、その後、3本の輪ゴム保持爪29を結束空間28の外周よりも外側に向けて開くことによって、前後側ラベル巻回機25,26の間の間隙33において輪ゴム保持爪29で輪ゴム3を結束空間28よりも大きく開いた状態で保持することによって行われる。
【0051】
その後、結束機1は、輪ゴム供給装置10のフック62を受渡位置から受取位置まで移動させるとともに、巻回装置9を受取位置から待機位置まで移動し、端部クランプ機構15で被結束物2の端部を保持するとともに、巻回装置9を待機位置から巻回位置まで移動させ、巻回位置で停止する複数本の被結束物2の端部を巻回装置9の結束空間28の内部に挿通させる。
【0052】
その際に、輪ゴム3が結束空間28よりも外側で開いているために、被結束物2の端部が輪ゴム3に引っ掛かることがなく、また、ラベル4が結束空間28の外周面で保持されているために、被結束物2の端部がラベル4に引っ掛かることもなく、結束空間28に被結束物2の端部を円滑に挿通させることができる。
【0053】
その後、結束機1は、巻回装置9の前後側ラベル巻回機25,26で被結束物2の端部にラベル4を巻回する。
【0054】
このラベル4の巻回は、前後側ラベル巻回機25,26のラベル吸引機構44の駆動を停止してラベル4の保持を解除するとともに、ラベル押出機構45の駆動を開始して押圧体40,41でラベル4を被結束物2へ向けて押し出すことによって行われる。ここで、ラベル押出機構45は、円周方向に並ぶ順番で押圧体40,41を駆動してラベル4を押圧体40,41で円周方向に沿って順に押し出すようにして、ラベル4にしわが形成されてしまうのを防止している。
【0055】
その後、結束機1は、巻回装置9の輪ゴム巻回機24で被結束物2の端部にラベル4の上方から輪ゴム3を巻回する。
【0056】
この輪ゴム3の巻回は、輪ゴム巻回機24の輪ゴム保持爪29を後退させて輪ゴム3の保持を解除することによって行われる。
【0057】
次に、結束機1は、搬送装置6によって、中間クランプ機構14及び端部クランプ機構15での保持を解除するとともに巻回位置から排出位置まで搬送し、輪ゴム3及びラベル4が巻回された複数本の被結束物2を排出する。
【0058】
以上に説明したように、上記結束機1は、複数本の長尺状の被結束物2の端部に輪ゴム3を巻回する巻回装置9を有し、巻回装置9で複数本の被結束物2の端部を輪ゴム3で結束する構成となっており、巻回装置9の内部に複数本の被結束物2の端部を挿通させるための結束空間28を形成するとともに、結束空間28に輪ゴム3を開くための複数本の輪ゴム保持爪29を開閉可能に配設し、複数本の輪ゴム保持爪29を閉じた状態で輪ゴム3を受取った後に、複数本の輪ゴム保持爪29を開くことで輪ゴム3を結束空間28よりも大きく開いた状態で保持し、その状態で結束空間28の内部に複数本の被結束物2を挿通させ、その後、輪ゴム保持爪29による輪ゴム3の保持を解除することで、複数本の被結束物2の端部を輪ゴム3で結束するように構成している。
【0059】
そのため、上記構成の結束機1では、被結束物2の端部を開いた輪ゴム3の内側に挿通する際に、被結束物2の端部が輪ゴム3に引っ掛かってしまうことがなく、複数本の被結束物2を輪ゴム3で良好に結束することができる。
【0060】
また、上記結束機1では、結束空間28の外周部でシート状のラベル4を保持し、複数本の被結束物2の端部にラベル4を介して輪ゴム3で結束するように構成している。
【0061】
そのため、上記構成の結束機1では、複数本の被結束物2の端部をラベル4とともに輪ゴム3で良好に結束することができる。
【0062】
また、上記結束機1では、結束空間28の内部で閉じた状態の複数本の輪ゴム保持爪29の外方に輪ゴム供給装置10から輪ゴム3を1本ずつ供給し、その状態で複数本の輪ゴム保持爪29を開くことで輪ゴム3を受取るように構成している。
【0063】
そのため、上記構成の結束機1では、輪ゴム3を巻回装置9に1本ずつ円滑に供給することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 結束機 2 被結束物
3 輪ゴム 4 ラベル
5 ケーシング 6 搬送装置
7 計量供給装置 8 端面揃え装置
9 巻回装置 10 輪ゴム供給装置
11 ラベル供給装置 12 制御装置
13 搬送機構 14 中間クランプ機構
15 端部クランプ機構 16 計量機構
17 供給機構 18 進退機構
19 進退ロッド 20 押圧板
21 移動機構 22 基体
23 支持体 24 輪ゴム巻回機
25 前側ラベル巻回機 26 後側ラベル巻回機
27 ガイド体 28 結束空間
29 輪ゴム保持爪 30 円環体
31 輪ゴム保持爪開閉機構 32 輪ゴム保持爪進退機構
33 間隙 34,35 円環体
36,37 進退シリンダー 38,39 進退ロッド
40,41 押圧体 42,43 吸引ノズル
44 ラベル吸引機構 45 ラベル押出機構
46 スリット 47 基体
48 輪ゴム収容機 49 輪ゴム排出機
50 輪ゴム搬送機 51 ドラム
52 回転機構 53 回転板
54 切欠 55 排出口
56 ノズル 57 排出通路
58 ストッパー 59 スリット
60 排出機構 61 ノズル
62 フック 63 移動機構
64 移動機構 65 吸引ドラム
66 回転機構 67,68 吸引口
69 吸引機構 70 ホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の長尺状の被結束物の端部に輪ゴムを巻回する巻回装置を有し、巻回装置で複数本の被結束物の端部を輪ゴムで結束する結束機において、
巻回装置の内部に複数本の被結束物の端部を挿通させるための結束空間を形成するとともに、結束空間に輪ゴムを開くための複数本の輪ゴム保持爪を開閉可能に配設し、
複数本の輪ゴム保持爪を閉じた状態で輪ゴムを受取った後に、複数本の輪ゴム保持爪を開くことで輪ゴムを結束空間よりも大きく開いた状態で保持し、その状態で結束空間の内部に複数本の被結束物を挿通させ、その後、輪ゴム保持爪による輪ゴムの保持を解除することで、複数本の被結束物の端部を輪ゴムで結束するように構成したことを特徴とする結束機。
【請求項2】
前記巻回装置は、結束空間の外周部でシート状のラベルを保持し、複数本の被結束物の端部にラベルを介して輪ゴムで結束するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の結束機。
【請求項3】
前記巻回装置は、結束空間の内部で閉じた状態の複数本の輪ゴム保持爪の外方に輪ゴム供給装置から輪ゴムを1本ずつ供給し、その状態で複数本の輪ゴム保持爪を開くことで輪ゴムを受取るように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の結束機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−81979(P2012−81979A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229224(P2010−229224)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(510095237)
【出願人】(710002864)
【Fターム(参考)】