説明

給排水機能付歯ブラシ

【課題】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、給水は歯面・粘液部だけを濡らして歯面の汚れを除去しやすくし、かつ、給水した水を迅速に排出して使用者に不快感を与えないようにするとともに、誤飲等の危険性をなくした給排水機能付歯ブラシを提供する。
【解決手段】10は、植毛面に給水口12aと排水口13aを有し、前記給水口12aより水を放出しながら歯面をブラッシングし、前記給水口12aより放出された水を前記排水口13aにより吸引排出するようにした給排水機能付歯ブラシである。前記給水口12aと排水口13aとは、歯ブラシの長手方向に前後(13a1,13a2)、或いは、左右(13a,13a4)に近接して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給排水機能付歯ブラシに関し、詳しくは、給水口と排水口を近接して設け、給水口より放出された水が口腔内に広がる前に排水口より吸引して排水するようにし、もって、給水が歯面・粘液部だけを濡らして歯面の汚れを除去しやすくし、更には、給水が咽頭部へ垂れて誤飲しないようにした歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
給排水機能を備えた歯ブラシは、現在までに、種々提案されており、例えば、図2(A),(B)に示すように、歯ブラシ10は、柄11の長手方向に沿って給水路12と排水路13を有し、これら給水路12及び排水路13とそれぞれ連通する給水口12a及び排水口13aを、ブラシ15の植毛面に設けている。なお、図2において、給水路12、排水路13は、柄11内に設けられているが、必ずしも、柄11内に設ける必要はなく、柄11沿ったチューブを配設し、該チューブを通して給排水するようにしてもよい。
【0003】
給水路12の図示しない端部は、柄11の端部において、給水ポンプに連通するホースに着脱自在に連結され、排水路13の図示しない端部は、柄11の端部において、排水ポンプに連通するホースに着脱自在に連結され、歯磨き時、給水口12aより水を放出して歯面を濡らしながらブラッシングし、磨きカスを排水口13aより吸い込んで洗い流す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−323228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、給排水機能付歯ブラシにおいては、歯ブラシの植毛面より水を放出して、歯面を濡らしながらブラッシングし、ブラッシングした磨きカスを排水口より吸引して排出するようにしているが、排水が適切に行われないと、給水した水が口腔内に溜り、使用者に不快感を与えるばかりでなく、咽頭部へ垂れて誤飲してしまうなど、危険ですらあった。
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、給水は歯面・粘液部だけを濡らして歯面の汚れを除去しやすくし、かつ、給水した水を迅速に排出して誤飲等をなくして危険性をなくすとともに、使用者に不快感を与えないようにした給排水機能付歯ブラシを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、植毛面に給水口と排水口を有し、前記給水口より水を放出しながら歯面をブラッシングし、前記給水口より放出された水を前記排水口より吸引排出するようにした給排水機能付歯ブラシにおいて、前記給水口と排水口とは、歯ブラシの長手方向に前後して近接して配置されていることを特徴としたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記排水口は、前記給水口の左右にも近接して設けられていることを特徴としたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記排水口は、前記給水口の前後に近接して設けられていることを特徴としたものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記排水口は、歯ブラシの幅方向に、前記給水口の径を超えて細長に延長していることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、給排水機能付歯ブラシにおいて、給水口に近接して排水口を設けたので、歯面・粘液部のみを濡らしてブラッシングした水を迅速に排出することができ、口腔内に放出された水が口腔内に溜るようなことはなく、従って、喉を詰らせるようなこともなく、また、誤飲するようなこともなく、安心して、気持ちよく歯を磨くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による給排水機能付歯ブラシの要部(給排水口面)を示す図である。
【図2】従来の給排水機能付歯ブラシの一例を説明するための要部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明による給排水機能付歯ブラシの実施例を説明するための図で、各図とも、歯ブラシ10の植毛面から見た図を示し、図中、12aは給水口、13aは排水口を示す。本発明においては、給水口12aと排水口13aとが近接して(好ましくは、接して)設けられており、給水口12aから放水された水が歯面を濡らした後、直ちに排水口13aより排水されるようにしたもので、図1(A)は、給水口12aの前方又は後方(矢印にて示す方向)に単一の排水口13aを設けた例、図1(B)は、給水口12aの前方及び後方に排水口13a,13aを設けた例、図1(C)は、前後左右に排水口13a,13a,13a,13aを設けた例、図1(D)は、前後の排水口13a,13aを長手方向に対して直角の幅方向に長くして(D<D)、図1(C)に示した排水口13a,13aの機能をも兼ねるようにした例を示す。
【0014】
なお、図1では省略したが、給水口12aには、図2にて説明したように、給水路を通して水が供給され、排水口13a,13a−13aは、共通の排水路を通して排水されるようになっている。
また、給水口、排水口の配置、形状等について代表的な例を数例示したが、本発明は、図示例に限定されるものではなく、歯ブラシの形状、大きさ等によって、給水口と排水口が近接して配設されているという本発明の技術的思想の範囲内において、任意に変形可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0015】
10…給排水機能付歯ブラシ、11…柄部、12…給水路、12a…給水口、13a〜13a…排水口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植毛面に給水口と排水口を有し、前記給水口より水を放出しながら歯面をブラッシングし、前記給水口より放出された水を前記排水口より吸引排出するようにした給排水機能付歯ブラシにおいて、前記給水口と排水口とは、歯ブラシの長手方向に前後して近接して配置されていることを特徴とする給排水機能付歯ブラシ。
【請求項2】
前記排水口は、前記給水口の左右にも近接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の給排水機能付歯ブラシ。
【請求項3】
前記排水口は、前記給水口の前後に近接して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の給排水機能付歯ブラシ。
【請求項4】
前記排水口は、歯ブラシの幅方向に、前記給水口の径を超えて細長に延長していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給排水機能付歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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