説明

給水装置

【課題】冷却又は加熱された液体を貯留する貯水タンクを備えた給水装置において、貯水タンク内の液体と出水管の液体との温度差拡大を抑制する。
【解決手段】冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁からケース11の前面側に向かって延びる部分では、外周面が冷水タンク20の底壁外面に接するように配置されている。また、冷水出水管23は、高さ方向上側に延びる部分では、冷水タンク20の周壁外面に接するように配置されている。冷却管25は、冷水タンク20の周壁内面に沿うように設けられているので、冷却管25と冷水出水管23の高さ方向に延びる部分(冷水タンク20の周壁外面に接する部分)の下方側とは、冷水タンク20の周壁を挟んで間接するように対向している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却又は加熱された液体を貯留する貯水タンクを備えた給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却又は加熱された液体を貯水タンク内に貯留し、この液体を供給することのできる給水装置が知られている。この種の給水装置としては、特許文献1に開示されているものが知られている。特許文献1の給水装置は、図4に示すように、内部が中空の筐体41の内部に円筒状の貯水タンク42が設けられている。この貯水タンク42の外周には、冷却パイプ43が螺旋状に巻回されており、この冷却パイプ43によって貯水タンク42及び貯水タンク42内の水が所定の温度にまで冷却される。また、貯水タンク42及び冷却パイプ43を覆うように断熱材44が設けられている。そして、貯水タンク42の最下部には、出水孔45が穿設されるとともにこの出水孔45には、出水パイプ46が接続されている。出水パイプ46は、断熱材44及び筐体41を貫通して筐体41の外側にまで延設されている。そして、出水パイプ46には図示しない出水電磁弁が取り付けられており、出水電磁弁が開状態となることで貯水タンク42内の冷水が出水パイプ46を介して供給される。なお、図4では、特許文献1における図1を略式図示している。
【特許文献1】特開平07−047375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の給水装置においては、出水パイプ46が貯水タンク42から延びて断熱材44の外側に至っているため、出水パイプ46は外気温の影響を受けて温度が上昇しやすい。さらに、出水パイプ46の流路断面積は貯水タンク42に比べて小さいため、出水電磁弁が閉じた状態では、出水パイプ46内の冷水と貯水タンク42内の冷水とが混ざり合いにくい。そのため、出水電磁弁が閉じたままであると、出水パイプ46の温度が上昇して出水パイプ46内の冷水の温度が上昇してしまう。この状態で出水電磁弁が開かれると、仮に貯水タンク42内の冷水が所定の冷却温度に保たれていたとしても、先ず出水パイプ46内の温められた水が出水されることになる。したがって、たとえば、数時間〜数日の間、出水しなかった後の最初の出水では、出水パイプ46の容積に応じた量の温められた水が出水されることになり、好ましくない。
【0004】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、冷却又は加熱された液体を貯留する貯水タンクを備えた給水装置において、貯水タンク内の液体と出水管の液体との温度差拡大を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、冷却又は加熱された液体を貯留する貯水タンクを備えるとともに該貯水タンク内の液体を外部に出水するための出水管を設けた給水装置であって、前記出水管は、その外周面が前記貯水タンクの外壁面に接するように配置されていることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、冷却又は加熱された液体の熱が貯水タンクの外壁を介して出水管の外周面に伝わるので、出水管の温度が貯水タンク内の液体の温度と等しくなりやすい。そのため、出水管内部における液体の温度が貯水タンク内の温度から変化しにくく、貯水タンク内の液体と出水管内部の液体との温度差拡大が抑制される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の給水装置において、前記貯水タンク内には、その内壁面に沿って水温調節部材が設けられ、前記水温調節部材と前記出水管の一部とが前記貯水タンクの壁を挟んで対向していることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、水温調節部材と出水管の一部とが貯水タンクの壁を挟んで対向していることから、水温調節部材の熱が出水管により伝わりやすく、出水管内部の液体の温度が変化することをより効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の給水装置によれば、冷却又は加熱された液体の温度が出水管内部において変化することを抑制して、貯水タンク内の液体と出水管内部の液体との温度差拡大を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の給水装置に関する実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。図1に示すように、略四角柱状で上面に開口11aを有するケース11の内部には、該ケース11の高さ(図1において上下方向の長さ)と略同じ高さの支持体12が設けられている。支持体12には、冷却された液体を貯留する冷水タンク20と加熱された液体を貯留する温水タンク30とが固定されている。
【0011】
図1及び図2に示すように、略円筒形状に形成された冷水タンク20は、支持体12の上方(ケース11内部において上方)に固定され、冷水タンク20の上壁20aがケース11の上面に形成された開口11aを介して露出するようになっている。冷水タンク20の上壁20aには、ボトルBを装着するためのボトル装着部21が設けられている。ボトル装着部21は、冷水タンク20の上壁20aが内側に窪むようにして形成されており、ボトル装着部21の底部分には取水口22が形成されている。取水口22にはボトルBの口具が密着するように嵌め合わせられ、この取水口22を介してボトルB内の液体が冷水タンク20内に供給できるようになっている。また、冷水タンク20の底壁には冷水タンク20内の液体を外部に出水するための冷水出水管23が接続されている。
【0012】
冷水タンク20の底壁に接続された冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁からケース11の前面側(図1において右側)に向かって延び、次いで冷水タンク20の高さ方向上側に延び、さらにケース11の前面側に向かって延びてケース11を貫通している。そして、冷水出水管23の先端には止水及び出水を切り替えるための冷水コック24が取り付けられている。
【0013】
図1及び図2に示すように、冷水タンク20の内部には、冷水タンク20内の液体を冷却するための冷却管25が設けられている。冷却管25は、冷水タンク20の内壁面のうち周壁内面に沿うように螺旋状(コイル状)に形成され、冷水タンク20の底壁内面上に載置されている。なお、冷却管25は、図示しないコンプレッサから内部に冷媒が送られることで冷却される。
【0014】
図1及び図2に示すように、略円筒形状に形成された温水タンク30は、冷水タンク20の下方に位置するように支持体12に固定されている。温水タンク30の上壁には、温水タンク30内に液体を供給するための供給管31が形成されている。供給管31は、温水タンク30の上壁から上方に向かって延びるとともに、冷水タンク20の底壁を貫通して冷水タンク20の内部にまで至っている。
【0015】
供給管31の先端には、円板状の対流防止板32が形成されている。対流防止板32は、水平に配置されているとともに冷水タンク20の底壁内面に対して所定の高さ位置となるように配置されている。なお、対流防止板32の冷水タンク20の底壁内面に対する高さ位置は、冷水タンク20の容量や冷却管25の冷却能力等を勘案して決定され、本実施形態では、冷却管25の上端の高さと等しくなるように設定されている。そして、温水タンク30の底壁には温水タンク30内の液体を外部に出水するための温水出水管33が接続されている。
【0016】
温水タンク30の底壁に接続された温水出水管33は、温水タンク30の底壁からケース11の前面側(図1において右側)に向かって延び、次いで温水タンク30の高さ方向上側に延び、さらにケース11の前面側に向かって延びてケース11を貫通している。そして、温水出水管33の先端には止水及び出水を切り替えるための温水コック34が取り付けられている。
【0017】
図1及び図2に示すように、温水タンク30の内部には、温水タンク30内の液体を加熱するための加熱管35が設けられている。加熱管35は、温水タンク30の内壁面のうち周壁内面に沿うように螺旋状(コイル状)に形成され、温水タンク30の底壁内面上に載置されている。なお、加熱管35は、図示しない給電装置から電流が供給されることによって発熱する。
【0018】
図2に示すように、冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁からケース11の前面側に向かって延びる部分では、外周面が冷水タンク20の底壁外面に接するように配置されている。また、冷水出水管23は、高さ方向上側に延びる部分では、冷水タンク20の周壁外面に接するように配置されている。冷却管25は、冷水タンク20の周壁内面に沿うように設けられているので、冷却管25と冷水出水管23の高さ方向に延びる部分(冷水タンク20の周壁外面に接する部分)とは、冷水タンク20の周壁を挟んで間接するように対向している。なお、図2では、ケース11及び支持体12の図示を省略している。
【0019】
冷水出水管23は、その延設方向において冷水タンク20の外壁面に接する部分の長さXが冷水タンク20の外壁面に接していない部分の長さYよりも長くなるように形成されている。なお、本実施形態では、冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁外面及び周壁外面に接しているので、外壁面に接する部分の長さXは、底壁外面に接する部分の長さX1と周壁外面に接する部分の長さX2を加算したものである(X1+X2=X)。
【0020】
図2に示すように、温水出水管33は、温水タンク30の底壁からケース11の前面側に向かって延びる部分では、外周面が温水タンク30の底壁外面に接するように配置されている。また、温水出水管33は、高さ方向上側に延びる部分では、温水タンク30の周壁外面に接するように配置されている。加熱管35は、温水タンク30の周壁内面に沿うように設けられているので、加熱管35と温水出水管33の高さ方向に延びる部分(温水タンク30の周壁外面に接する部分)の下方側とは、温水タンク30の周壁を挟んで間接するように対向している。
【0021】
温水出水管33は、その延設方向において温水タンク30の外壁面に接する部分の長さMが温水タンク30の外壁面に接していない部分の長さNよりも長くなるように形成されている。なお、本実施形態では、温水出水管33は、温水タンク30の底壁外面及び周壁外面に接しているので、外壁面に接する部分の長さMは、底壁外面に接する部分の長さM1と周壁外面に接する部分の長さM2を加算したものである(M1+M2=M)。
【0022】
次に、上記のように構成された給水装置の作用について説明する。
冷水タンク20のボトル装着部21にボトルBを装着すると、ボトルB内の液体が冷水タンク20内に供給される。また、冷水タンク20内の水位が対流防止板32(供給管31の先端)よりも上方になると、冷水タンク20内の液体が供給管31を介して温水タンク30に供給される。そして、冷水タンク20及び温水タンク30の内部は液体によって満たされる。
【0023】
冷水タンク20内の液体は冷却管25によって冷却される。このとき、冷却管25は冷水タンク20の底壁内面上に載置されているので、冷水タンク20内において下方側の液体が冷やされる。また、対流防止板32によって液体の対流を抑制しているので、冷却された下方側の液体が上方に対流しにくい。したがって、冷水タンク20内では、対流防止板32の高さ位置を基準とすると、上側の液体の方が温度が高く下側の液体の方がより冷却された状態にある。なお、対流防止板32は、供給管31の先端に設けられているので、温水タンク30には、主として対流防止板32よりも上方の液体が供給される。
【0024】
冷水タンク20内の液体が冷却されると、それに伴って冷水タンク20も冷却される。本実施形態では、冷水出水管23の外周面は冷水タンク20の底壁外面及び周壁外面に接しているので、冷水タンク20内の液体の熱(冷却温度)が冷水タンク20の底壁外面及び周壁外面を介して伝わって冷水出水管23が冷却される。そのため、冷水タンク20内の液体と冷水出水管23内の液体との温度差が小さくなる。
【0025】
とくに、冷水出水管23は、その延設方向において冷水タンク20の外壁面(底壁外面及び周壁外面)に接する部分の長さXが接していない部分の長さYよりも長く形成されており、接触面積が大きくなっている。そのため、冷水タンク20内の液体の熱が効率よく冷水出水管23に伝わる。また、冷水出水管23の高さ方向上方に延びる部分と冷却管25とは、冷水タンク20の周壁を挟んで間接するように対向しているので、冷却管25の熱が冷水タンク20の周壁を介して冷水出水管23に伝わりやすい。
【0026】
冷水タンク20内の液体は、冷水コック24を出水状態に切り替えることで出水される。上で説明したように、冷水出水管23は冷却されて冷水出水管23内の液体の温度と冷水タンク20内の液体の温度との差が小さくなっているので、冷水コック24が長時間止水状態あった後に出水しても、温度上昇が抑制された冷却液体が出水される。冷水タンク20内の液体が出水されると冷水タンク20内の水位が下がるので、その出水された分の液体が取水口22を介してボトルBから供給される。
【0027】
一方、温水タンク30内の液体は加熱管35によって加熱され、それに伴って温水タンク30も加熱される。本実施形態では、温水出水管33の外周面は温水タンク30の底壁外面及び周壁外面に接しているので、温水タンク30内の液体の熱(加熱温度)が温水タンク30の底壁外面及び周壁外面を介して伝わって温水出水管33が加熱される。そのため、温水タンク30内の液体と温水出水管33内の液体との温度差が小さくなる。
【0028】
とくに、温水出水管33は、その延設方向において温水タンク30の外壁面(底壁外面及び周壁外面)に接する部分の長さMが接していない部分の長さNよりも長く形成されており、接触面積が大きくなっている。そのため、温水タンク30内の液体の熱が効率よく温水出水管33に伝わる。また、温水出水管33の高さ方向上方に延びる部分と加熱管35とは、温水タンク30の周壁を挟んで間接するように対向しているので、加熱管35の熱が温水タンク30の周壁を介して温水出水管33に伝わりやすい。
【0029】
温水タンク30内の液体は、温水コック34を出水状態に切り替えることで出水される。上で説明したように、温水出水管33は加熱されて温水出水管33内の液体の温度と温水タンク30内の液体の温度との差が小さくなっているので、温水コック34が長時間止水状態あった後に出水しても、温度低下が抑制された加熱液体が出水される。温水タンク30内の液体が出水されると温水タンク30内の水位が下がるので、その出水された分の液体が供給管31を介して温水タンク30内に供給される。温水タンク30内に液体が供給されると、冷水タンク20内の水位が下がるので、冷水タンク20には温水タンク30内に供給した分の液体が取水口22を介してボトルBから供給される。
【0030】
上記の実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、冷水出水管23の外周面が冷水タンク20の外壁面(底壁外面及び周壁外面)に接するように配置されている。そのため、冷却された液体の熱が冷水タンク20の外壁面を介して冷水出水管23の外周面に伝わるので、冷水出水管23の温度が冷水タンク20内の液体の温度と等しくなりやすい。同様に、温水出水管33の外周面が冷水タンク20の外壁面(底壁外面及び周壁外面)に接するように配置されている。そのため、加熱された液体の熱が温水タンク30の外壁面を介して温水出水管33の外周面に伝わるので、温水出水管33の温度が温水タンク30内の液体の温度と等しくなりやすい。したがって、両出水管23、33内部における液体の温度が両タンク20、30の温度から変化しにくく、両タンク20、30内の液体と両出水管23、33の液体との温度差拡大が抑制される。
【0031】
(2)上記実施形態では、冷却管25と冷水出水管23の高さ方向上側に延びる部分の下方側が冷水タンク20の周壁を挟んで間接するように対向している。また、加熱管35と温水出水管33の高さ方向上側に延びる部分の下方側が温水タンク30の周壁を挟んで間接するように対向している。したがって、冷却管25及び加熱管35の熱がそれぞれ冷水出水管23及び温水出水管33に伝わりやすく、両出水管23、33内部の液体の温度が変化することをより効果的に抑制することができる。
【0032】
(3)上記実施形態では、冷水出水管23は、その延設方向において冷水タンク20の外壁面(底壁外面及び周壁外面)に接する部分の長さXが接していない部分の長さYよりも長く形成されている。また、温水出水管33は、その延設方向において温水タンク30の外壁面(底壁外面及び周壁外面)に接する部分の長さMが接していない部分の長さNよりも長く形成されている。そのため、両タンク20、30内の液体の熱が両出水管23、33に伝わりやすい。
【0033】
(4)上記実施形態では、供給管31の先端に設けられた対流防止板32によって冷水タンク20内の液体の対流を抑制するようにした。そのため、対流防止板32を基準として下側の液体の温度の方が比較的に低くなり、上側の液体の温度の方が比較的に高くなりやすい。温水タンク30内には、冷水タンク20内の液体のうち主として対流防止板32よりも上側の温度の比較的に高い液体が供給されるので、加熱に必要なエネルギーが少なくて済む。
【0034】
なお、上記の実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の各変更例を互いに組み合わせて実施することも可能である。
・ 上記実施形態では、冷水出水管23と冷却管25とが冷水タンク20の周壁を挟んで間接するように対向していた。この構成に代えて、冷水出水管23と冷却管25とが冷水タンク20の底壁を挟んで対向するようにしてもよい。たとえば、図3に記載の給水装置では、冷却管25は、冷水タンク20の底壁内面に沿うように渦巻状に形成され、冷水タンク20の底壁内面上に載置されている。冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁に接続され、前側(図3において右側)に向かって水平に延びている。冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁外面に接触するように配置され、渦巻状の冷却管25と冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁を挟んで間接するように対向している。
【0035】
給水装置においては、出水操作を容易にするため、あるいはケース11の外側に冷水コック24を配置するため、冷水出水管23は、冷水タンク20から所定長さ分前側(図3において右側)に延びている必要がある。上記の変更例では、冷水出水管23が前側に向かって水平に延びているため、前記所定の長さを確保するための冷水出水管23の長さが最短となっている。そのため、冷水出水管23の温度が外気温の影響で上昇することが抑制される。
【0036】
・ 冷水出水管23の冷水タンク20と接している部分の長さXと接していない部分の長さYとの関係は上記実施形態のものに限らず、接していない部分の長さYを接している部分の長さXよりも大きくしてもよい。ただし、冷水タンク20と接している部分の長さXの割合が大きいほど、冷水出水管23を冷却する効果が高くなり、冷水タンク20内の液体と冷水出水管23内の液体の温度差が拡大することを効果的に抑制できる。そのため、冷水出水管23の冷水タンク20と接している部分の長さXが接していない部分の長さYよりも大きい方が好ましい。
【0037】
・ 上記実施形態では、冷水出水管23は、冷水タンク20の底壁外面及び周壁外面に接するように配置されていたが、底壁外面及び周壁外面の何れか一方の外壁面と離間するように配置してもよい。
【0038】
・ 冷水出水管23の延設方向は、上記実施形態のものに限らない。たとえば、上記実施形態において、冷水出水管23の高さ方向上側に延びる部分を冷水タンク20の周方向沿って巻き付くように形成し、この部分が冷水タンク20と接するように配置してもよい。また、冷水出水管23の冷水タンク20への接続位置は底壁に限らず、周壁に接続してもよい。
【0039】
・ 冷水出水管23の構成に拘わらず、冷却管25の形状や配置を自由に変更してもよい。たとえば、冷却管25を冷水タンク20の底壁内面に載置するのではなく、冷水タンク20の周壁内面に固定するなどして、冷水タンク20内の上方に設けてもよい。さらに、冷却管25の形状は螺旋状に限らず、たとえば棒状に形成して冷水タンク20の中心軸上に設けてもよい。また、上記実施形態では冷却管25を冷水タンク20内に設け、冷水タンク20内にて液体を冷却するようにしていた。このような構成に代えて、冷却管25を省略して、給水装置とは別の冷却手段にて冷却された液体を冷水タンク20内に貯留するようにしてもよい。これらの構成では、冷却管25と冷水出水管23とが間接するように対向していないが、冷水タンク20が冷水タンク20内の液体によって冷却され、この冷水タンク20によって冷水出水管23が冷却されるので、冷水タンク20内の液体と冷水出水管23内の液体の温度差拡大を抑制することができる。
【0040】
・ 冷水タンク20の外壁面に冷水出水管23を配置するための収容溝部を設けてもよい。具体的には、たとえば、冷水出水管23が断面円形状に形成されている場合、冷水タンク20の外壁面に冷水出水管23の形状に沿って断面半円状の収容溝部を凹設する。そして、この収容溝部に冷水出水管23を配置する。この構成によれば、冷水タンク20の外壁面と冷水出水管23との接触面積を大きくすることができる。したがって、冷水出水管23が冷水タンク20によって冷却されやすく、冷水出水管23内の液体の温度と冷水タンク20内の液体の温度との差が大きくなることを効果的に抑制することができる。また、収容溝部は凹設されるものに限らず、たとえば、冷水タンク20の外壁面に凸部を形成し、冷水タンク20の外壁面と凸部の外面とで囲われる部分を収容溝部としてもよい。
【0041】
以上のように、冷水出水管23及び冷却管25の配置構成等は、液体の冷却温度、冷水タンク20の容量、及び冷却管25の冷却性能等の給水装置の全体構成を勘案して変更することができる。なお、上記の変更例では、冷水タンク20、冷水出水管23及び冷却管25について説明したが、温水タンク30、温水出水管33及び加熱管35についても同様で、上記の冷水出水管23及び冷却管25と同じように変更することができる。
【0042】
・ 対流防止板32と冷却管25との高さ位置の関係は、上記実施形態のものに限らない。対流防止板32の高さ位置を冷却管25の上端よりも上方に設定してもよいし、下方に設定してもよい。さらに、対流防止板32を省略することも可能である。
【0043】
・ 上記実施形態では、冷水タンク20の下方に温水タンク30を配置したが、温水タンク30の下方に冷水タンク20を配置してもよい。また、冷水タンク20と温水タンク30とを同じ高さ位置に配置してもよい。さらに、上記実施形態では、冷水タンク20内の液体を温水タンク30内に供給するようにしたが、温水タンク30内の液体を冷水タンク20内に供給するようにしてもよい。また、上記実施形態では、冷水タンク20及び温水タンク30は、共通のボトルBを液体の供給源としていたが、冷水タンク20の液体の供給源となるボトルBと温水タンク30の液体の供給源となるボトルBとを別にしてもよい。
【0044】
・ 上記実施形態では、冷水タンク20及び温水タンク30の底壁外面及び周壁外面にはそれぞれ冷水出水管23及び温水出水管33の外周面が接していた。このようなタンクに出水管を接するように配置する構成は、必ずしも両タンク20、30に適用する必要はなく、何れか一方のみでもよい。
【0045】
・ 上記実施形態では、冷水タンク20及び温水タンク30は、略円筒形状に形成されていたが、これを変更して四角柱状や球状にしてもよい。
・ 上記実施形態では、冷水タンク20及び温水タンク30の二つの貯水タンクを設けていたが、冷水タンク20のみを設けたり、温水タンク30のみを設けたりしてもよい。また、三つ以上のタンクを設けるようにしてもよい。
【0046】
次に、上記の実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
・ 前記出水管はその延設方向において前記貯水タンクと接する部分の長さが前記貯水タンクと接していない部分の長さよりも長く形成されていることを特徴とする給水装置。
【0047】
・ 前記水温調節部材は前記貯水タンクの底壁面に沿って設けられ、前記出水管は前記貯水タンクの底壁から水平に延びるように形成されていることを特徴とする給水装置。
・ 前記貯水タンクの外壁面には収容溝部が形成され、前記出水管は前記収容溝部に配置されていることを特徴とする給水装置。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施形態における給水装置の断面図。
【図2】実施形態における給水装置の拡大断面図。
【図3】変更例における給水装置の拡大断面図。
【図4】従来の給水装置の断面図。
【符号の説明】
【0049】
20…貯水タンクとしての冷水タンク、23…冷水出水管、25…水温調節部材としての冷却管、30…貯水タンクとしての温水タンク、33…温水出水管、35…水温調節部材としての加熱管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却又は加熱された液体を貯留する貯水タンクを備えるとともに該貯水タンク内の液体を外部に出水するための出水管を設けた給水装置であって、
前記出水管は、その外周面が前記貯水タンクの外壁面に接するように配置されていることを特徴とする給水装置。
【請求項2】
前記貯水タンク内には、その内壁面に沿って水温調節部材が設けられ、前記水温調節部材と前記出水管の一部とが前記貯水タンクの壁を挟んで対向していることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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