説明

給湯ユニット

【課題】比較的簡単な構成で、パワーコンディショナを効率良く冷却できるようにする。
【解決手段】給湯ユニット(20)は、給湯タンク(40)と、給湯タンク(40)の水を加熱する加熱動作を行うための熱源ユニット(30)と、太陽電池(11)で発生した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ(12)とを備えている。そして、給湯タンク(40)の底部には、伝熱部材(13)を介してパワーコンディショナ(12)が取り付けられる。このことにより、パワーコンディショナ(12)で発生した熱が給湯タンク(40)内の水へ付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯タンク内に温水を貯留する給湯ユニットに関し、特に太陽電池のパワーコンディショナを冷却する給湯ユニットに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、加熱した水を給湯タンク内に貯留し、貯留した水を所定の利用対象へ供給する給湯ユニットが知られている。また、太陽光によって電力を生成する太陽光発電ユニットも知られている。
【0003】
特許文献1には、この種の給湯ユニット、及び太陽光発電ユニットを備えた給湯システムが開示されている。この給湯システムは、ヒートポンプ式の加熱装置と、この加熱装置によって加熱された水が貯留される給湯タンクと、太陽電池から出力された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとを備えている。
【0004】
ここで、パワーコンディショナは、電力変換時に電子部品が発熱するため、その温度上昇によって製品の劣化や故障を引き起こすおそれがある。そのため、パワーコンディショナを適切に冷却する必要がある。
【0005】
そこで、給湯タンク内に貯留された1次側流体(給湯用水)と、パワーコンディショナを通過するように強制循環される2次側流体(ブライン)とを熱交換器で熱交換させることにより、2次側流体を介してパワーコンディショナの吸熱及び放熱を制御するようにしている。
【0006】
また、特許文献2には、外気を筐体内に吸い込む送風機を備え、その冷却風によって電子部品を冷却するようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−014391号公報
【特許文献2】特開平11−122949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1の給湯ユニットでは、パワーコンディショナが所定の制御機能を発揮できる適正な温度帯域に調整することを目的として、専用の熱交換器を別途設けているため、コストアップになるという問題がある。
【0009】
また、特許文献2の電源装置の冷却構造では、電子部品を冷却するために送風機を増設する必要があるため、同様にコストアップになるととともに、送風機を駆動させる電力が必要となり電力ロスが生じるという問題がある。
【0010】
なお、パワーコンディショナの内部温度を検出し、著しく温度上昇した場合には発電を抑制することも考えられるが、この場合には、太陽電池の発電量が低下してしまうため好ましくない。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単な構成で、パワーコンディショナを効率良く冷却できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、給湯タンク(40)と、該給湯タンク(40)の水を加熱する加熱動作を行うための加熱部(30)と、太陽電池(11)で発生した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ(12)とを備えた給湯ユニットを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0013】
すなわち、第1の発明は、前記パワーコンディショナ(12)は、前記給湯タンク(40)内の水へ熱を付与するために、該給湯タンク(40)の底部に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0014】
第1の発明では、給湯タンク(40)の底部には、パワーコンディショナ(12)が取り付けられる。このことにより、パワーコンディショナ(12)で発生した熱が給湯タンク(40)内の水へ付与される。
【0015】
このような構成とすれば、パワーコンディショナ(12)を効率良く冷却することができる。具体的に、給湯タンク(40)内には、加熱部(30)で加熱された温水が貯留される。そして、給湯タンク(40)内で熱が対流することによって、給湯タンク(40)の底部側の水の温度が頂部側の水の温度よりも低温となる。そのため、パワーコンディショナ(12)と給湯タンク(40)の底部側の水との温度差が大きくなり、パワーコンディショナ(12)の冷却効率を高めることができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、
前記給湯タンク(40)の底部の形状に対応した当接面(13a)と、該当接面(13a)の反対側に形成された平坦面(13b)とを有する伝熱部材(13)を備え、
前記伝熱部材(13)は、前記給湯タンク(40)の底部に前記当接面(13a)が当接されて取り付けられ、
前記パワーコンディショナ(12)は、前記伝熱部材(13)の平坦面(13b)に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0017】
第2の発明によれば、伝熱部材(13)は、給湯タンク(40)の底部の形状に対応した当接面(13a)と、当接面(13a)の反対側に形成された平坦面(13b)とを有する。パワーコンディショナ(12)は、伝熱部材(13)を介して給湯タンク(40)の底部に取り付けられている。つまり、給湯タンク(40)の底部に伝熱部材(13)の当接面(13a)が当接されて取り付けられ、パワーコンディショナ(12)が伝熱部材(13)の平坦面(13b)に取り付けられる。
【0018】
このような構成とすれば、給湯タンク(40)の底部の形状が、例えば椀状等の曲面形状であっても、パワーコンディショナ(12)を伝熱部材(13)を介して密着させて取り付けることができる。
【0019】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記給湯タンク(40)内の底部を第1領域(44a)と第2領域(44b)とに仕切る仕切部材(45)を備え、
前記給湯タンク(40)の第1領域(44a)側の底部には、前記パワーコンディショナ(12)が取り付けられ、
前記給湯タンク(40)の第2領域(44b)側の底部には、該給湯タンク(40)内の水を前記加熱部(30)に流出させる流出管(63)が接続されていることを特徴とするものである。
【0020】
第3の発明では、給湯タンク(40)内の底部は、仕切部材(45)によって第1領域(44a)と第2領域(44b)とに仕切られる。給湯タンク(40)の第1領域(44a)側の底部には、パワーコンディショナ(12)が取り付けられる。給湯タンク(40)の第2領域(44b)側の底部には、給湯タンク(40)内の水を加熱部(30)に流出させる流出管(63)が接続される。
【0021】
このような構成とすれば、加熱部(30)における加熱効率を低下させることなく、パワーコンディショナ(12)を冷却することができる。具体的に、パワーコンディショナ(12)を給湯タンク(40)の底部に取り付け、給湯タンク(40)内の水へ熱を付与すると、給湯タンク(40)内の底部全体の水温が上昇し、給湯タンク(40)内の温度成層が崩れてしまう。その結果、流出管(63)から加熱部(30)に流出させる前の水の温度が上昇し、熱交換効率が低下してしまうおそれがある。
【0022】
これに対し、本発明では、給湯タンク(40)内の底部を、パワーコンディショナ(12)で発生した熱が給湯タンク(40)内の水へ付与される第1領域(44a)と、給湯タンク(40)内の水を加熱部(30)へ流出させる流出管(63)が接続された第2領域(44b)とに仕切部材(45)で仕切るようにしたから、流出管(63)から流出する水にパワーコンディショナ(12)で発生した熱が付与されるのを抑制することができる。
【0023】
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
一端部が前記パワーコンディショナ(12)に熱的に接続し、他端部が前記給湯タンク(40)の底部を貫通して該給湯タンク(40)内に延びるヒートパイプ(48)を備えたことを特徴とするものである。
【0024】
第4の発明では、ヒートパイプ(48)の一端部がパワーコンディショナ(12)に熱的に接続している。また、他端部が給湯タンク(40)の底部を貫通して給湯タンク(40)内に延びている。
【0025】
このような構成とすれば、パワーコンディショナ(12)で発生した熱が、ヒートパイプ(48)を介して給湯タンク(40)内の水へ付与されることとなり、パワーコンディショナ(12)を確実に冷却することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、給湯タンク(40)内で熱が対流することによって、給湯タンク(40)の底部側の水の温度が頂部側の水の温度よりも低温となっているため、パワーコンディショナ(12)と給湯タンク(40)の底部側の水との温度差が大きくなり、パワーコンディショナ(12)の冷却効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1に係る給湯システムの概略構成を示す全体図である。
【図2】本実施形態2に係る給湯システムの概略構成を示す全体図である。
【図3】本実施形態3に係る給湯システムの概略構成を示す全体図である。
【図4】本変形例に係る給湯システムの概略構成を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0029】
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る給湯システムの概略構成を示す全体図である。図1に示すように、給湯ユニット(20)は、太陽光発電ユニット(10)を有する給湯システム(1)に適用されている。太陽光発電ユニット(10)は、太陽電池(11)と、パワーコンディショナ(12)とを有している。太陽電池(11)は、一般家屋等の屋根に取り付けられている。太陽電池(11)では、その表面に太陽光が照射されることで直流電力が発生する。パワーコンディショナ(12)は、太陽電池(11)で発生した直流電力を交流電力に変換する。パワーコンディショナ(12)で変換された交流電力は、所定の負荷や、熱源ユニット(30)等へ供給される。
【0030】
〈給湯ユニットの全体構成〉
給湯ユニット(20)は、加熱した水(温水)を貯留し、この温水を所定の利用対象へ供給する給湯器である。本実施形態の給湯ユニット(20)は、ヒートポンプ式の給湯器である。給湯ユニット(20)は、熱源ユニット(30)と給湯タンク(40)とを有している。
【0031】
熱源ユニット(30)は、圧縮機(31)、加熱熱交換器(32)、膨張弁(33)、及び室外熱交換器(34)を有している。熱源ユニット(30)では、これらの各機器が冷媒配管を介して接続され、これにより閉回路となる冷媒回路(30a)が構成されている。冷媒回路(30a)には、二酸化炭素が充填されている。冷媒回路(30a)では、冷媒が臨界圧力以上まで圧縮される冷凍サイクル(いわゆる超臨界サイクル)が行われる。
【0032】
加熱熱交換器(32)は、圧縮機(31)の吐出側と膨張弁(33)との間の高圧ラインに接続されている。加熱熱交換器(32)は、熱源側流路(32a)と給湯側流路(32b)とを有している。加熱熱交換器(32)では、熱源側流路(32a)を流れる冷媒と、給湯側流路(32b)を流れる水とが熱交換する。その結果、給湯タンク(40)側の水が加熱される。つまり、熱源ユニット(30)は、給湯タンク(40)に貯留される水を加熱する加熱部を構成している。
【0033】
室外熱交換器(34)は、膨張弁(33)と圧縮機(31)の吸入側との間の低圧ラインに接続されている。室外熱交換器(34)の近傍には、室外ファン(35)が設けられている。室外熱交換器(34)では、冷媒が室外ファン(35)の送風空気から吸熱し、この冷媒が蒸発する。つまり、室外熱交換器(34)は、蒸発器を構成している。
【0034】
給湯タンク(40)は、縦長で中空状の密閉容器で構成されている。給湯タンク(40)は、円筒状の胴部(41)と、胴部(41)の軸方向上端部を閉塞する上側鏡板部(42)と、胴部(41)の軸方向下端部を閉塞する下側鏡板部(43)とを有している。給湯タンク(40)の内部には、加熱された水を貯留するための貯留空間(44)が形成されている。
【0035】
給湯ユニット(20)は、給水流路(50)と循環流路(60)とを有している。給水流路(50)は、給水管(51)と、供給管(52)と、分岐管(53)とを有している。
【0036】
給水管(51)の流入端は、上水道管に接続されている。給水管(51)の流出端は、給湯タンク(40)の内部に接続されている。給水管(51)の流出端の開口の高さは、給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)寄りに位置している。供給管(52)の流入端は、給湯タンク(40)の内部に接続されている。供給管(52)の流出管は、温水が供給される利用対象(例えば蛇口(5)、浴槽、シャワー等)に接続されている。供給管(52)の流入管は、給湯タンク(40)の上側鏡板部(42)寄りに位置している。分岐管(53)の流入端は、給水管(51)に接続されている。分岐管(53)の流出端は、供給管(52)に接続されている。
【0037】
給水管(51)には、分岐管(53)の接続部よりも上流側に開閉弁(54)が設けられている。供給管(52)には、分岐管(53)の接続部に三方弁(55)が設けられている。三方弁(55)では、給湯タンク(40)から蛇口(5)へ送られる水と、分岐管(53)から蛇口(5)へ送られる水とが混合する。三方弁(55)では、両者の水を混合する割合が調整される。
【0038】
循環流路(60)は、流入管(62)と流出管(63)とを有している。流入管(62)と流出管(63)とは、各々、給湯タンク(40)の内部に接続されている。循環流路(60)の流入管(62)は、給湯タンク(40)の上側鏡板部(42)寄りに位置している。循環流路(60)の流出管(63)は、給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)寄りに位置している。
【0039】
循環流路(60)の途中、つまり流入管(62)と流出管(63)との間には、加熱熱交換器(32)の給湯側流路(32b)が接続されている。流出管(63)には、循環ポンプ(61)が設けられている。循環ポンプ(61)は、循環流路(60)の水を給湯タンク(40)を介して循環させる循環機構を構成している。
【0040】
給湯ユニット(20)では、給湯タンク(40)の底部(下側鏡板部(43))にパワーコンディショナ(12)が熱的に接続されている。具体的に、パワーコンディショナ(12)は、伝熱部材(13)を介して給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)に取り付けられている。
【0041】
伝熱部材(13)は、例えばアルミや銅等の熱伝導率の高い材料で構成されている。また、伝熱部材(13)は、給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)の形状に対応した当接面(13a)と、当接面(13a)の反対側に形成された平坦面(13b)とを有する。つまり、給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)に伝熱部材(13)の当接面(13a)が当接されて取り付けられ、パワーコンディショナ(12)が伝熱部材(13)の平坦面(13b)に取り付けられる。
【0042】
このような構成とすれば、給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)の形状が、例えば椀状等の曲面形状であっても、パワーコンディショナ(12)を伝熱部材(13)を介して密着させて取り付けることができる。これにより、パワーコンディショナ(12)から放出された熱は、伝熱部材(13)、及び給湯タンク(40)の底部壁面を介して、給湯タンク(40)内の水へ付与される。
【0043】
−基本動作−
次に、給湯システム(1)の基本運転動作について説明する。
【0044】
〈太陽光発電ユニットの基本動作〉
図1に示す太陽光発電ユニット(10)では、日中において、太陽光が太陽電池(11)の表面に照射されることで、太陽電池(11)から直流電力が発生する。この直流電力は、パワーコンディショナ(12)に入力される。
【0045】
パワーコンディショナ(12)では、コンバータ部(図示省略)のスイッチング素子が制御されることで、直流電圧が昇圧される。昇圧された直流電力は、インバータ部のスイッチング素子(図示省略)が制御されることで、所定の周波数の交流電力に変換される。パワーコンディショナ(12)のインバータ部から出力された交流電力は、熱源ユニット(30)や他の負荷に供給される。
【0046】
また、パワーコンディショナ(12)では、各スイッチング素子のON/OFFの切換等によって、熱が生じる。この熱は、伝熱部材(13)、及び給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)を介して、給湯タンク(40)内の水へ付与される。
【0047】
〈給湯ユニットの基本動作〉
次に、給湯ユニット(20)の基本的な運転動作について説明する。給湯ユニット(20)では、給湯タンク(40)内の水を加熱して温水を生成する蓄熱運転が、一日於きに実行される。この蓄熱運転は、基本的に、電力が廉価となる夜間に自動的に実行される。蓄熱運転では、圧縮機(31)、室外ファン(35)、及び循環ポンプ(61)が運転される。
【0048】
熱源ユニット(30)で圧縮機(31)が起動すると、圧縮機(31)で圧縮された冷媒が、加熱熱交換器(32)を流れて放熱し、その後、膨張弁(33)で減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器(34)で蒸発し、圧縮機(31)に吸入されて圧縮される。
【0049】
一方、循環ポンプ(61)が起動すると、給湯タンク(40)の底部寄りの水が、流出管(63)から流出して循環流路(60)に流入する。循環流路(60)を流れた水は、加熱熱交換器(32)の給湯側流路(32b)を流れる。加熱熱交換器(32)では、熱源側流路(32a)を流れる冷媒の熱が、給湯側流路(32b)を流れる水に付与される。その結果、この水が所定の温度まで加熱される。加熱された水は、流入管(62)を流れて給湯タンク(40)内に返送される。このような蓄熱運転が所定の期間継続して行われることで、給湯タンク(40)内に温水が貯留される。給湯タンク(40)に貯留される温水は、この蓄熱運転後の次の昼夜に利用されることになる。
【0050】
以上のように、本実施形態1に係る給湯ユニット(20)によれば、パワーコンディショナ(12)を効率良く冷却することができる。具体的に、給湯タンク(40)内には、熱源ユニット(30)で加熱された温水が貯留される。そして、給湯タンク(40)内で熱が対流することによって、給湯タンク(40)の底部側の水の温度が頂部側の水の温度よりも低温となる。そのため、パワーコンディショナ(12)と給湯タンク(40)の底部側の水との温度差が大きくなり、パワーコンディショナ(12)の冷却効率を高めることができる。
【0051】
《実施形態2》
図2は、本実施形態2に係る給湯システムの概略構成を示す全体図である。前記実施形態1との違いは、給湯タンク(40)内に仕切部材(45)を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0052】
図2に示すように、給湯タンク(40)の内部には、加熱された水を貯留するための貯留空間(44)が形成されている。そして、給湯タンク(40)内の底部には、貯留空間(44)を第1領域(44a)と第2領域(44b)とに仕切る板状の仕切部材(45)が立設している。
【0053】
給湯タンク(40)の第1領域(44a)側の底部には、伝熱部材(13)を介してパワーコンディショナ(12)が取り付けられている。また、給湯タンク(40)の第2領域(44b)側の底部には、給水管(51)及び流出管(63)が接続されている。
【0054】
パワーコンディショナ(12)から放出された熱は、伝熱部材(13)、及び給湯タンク(40)の底部壁面を介して、給湯タンク(40)の第1領域(44a)内の水へ付与される。そして、第1領域(44a)の水に付与された熱は、給湯タンク(40)内で対流することによって、給湯タンク(40)の頂部側に移動する。
【0055】
また、給湯タンク(40)の第2領域(44b)には、給水管(51)を介して上水道管から水が給水される。給湯タンク(40)の第2領域(44b)内の水は、流出管(63)を介して熱源ユニット(30)に流出される。つまり、第2領域(44b)内の水は、パワーコンディショナ(12)から放出された熱が付与されることなく、熱源ユニット(30)に供給されるようになっている。
【0056】
このような構成とすれば、熱源ユニット(30)における加熱効率を低下させることなく、パワーコンディショナ(12)を冷却することができる。具体的に、パワーコンディショナ(12)を給湯タンク(40)の底部に取り付け、給湯タンク(40)内の水へ熱を付与すると、給湯タンク(40)内の底部全体の水温が上昇し、給湯タンク(40)内の温度成層が崩れてしまう。その結果、流出管(63)から熱源ユニット(30)に流出させる前の水の温度が上昇し、熱交換効率が低下してしまうおそれがある。
【0057】
これに対し、本実施形態2では、給湯タンク(40)内の底部を、パワーコンディショナ(12)で発生した熱が給湯タンク(40)内の水へ付与される第1領域(44a)と、給湯タンク(40)内の水を熱源ユニット(30)へ流出させる流出管(63)が接続された第2領域(44b)とに仕切部材(45)で仕切るようにしたから、流出管(63)から流出する水にパワーコンディショナ(12)で発生した熱が付与されるのを抑制することができる。
【0058】
《実施形態3》
図3は、本実施形態3に係る給湯システムの概略構成を示す全体図である。前記実施形態との違いは、ヒートパイプ(48)を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0059】
図3に示すように、給湯タンク(40)の底部には、伝熱部材(13)を介してパワーコンディショナ(12)が熱的に接続されている。さらに、給湯タンク(40)の底部には、伝熱部材(13)を貫通してヒートパイプ(48)が設けられている。
【0060】
ヒートパイプ(48)は、パワーコンディショナ(12)と給湯タンク(40)内の水との間で熱交換させるためのものである。具体的に、ヒートパイプ(48)の一端部は、パワーコンディショナ(12)に熱的に接続されている。また、ヒートパイプ(48)の他端部は、伝熱部材(13)及び給湯タンク(40)の底部を貫通して給湯タンク(40)内に延びている。
【0061】
このような構成とすれば、パワーコンディショナ(12)で発生した熱が、ヒートパイプ(48)を介して給湯タンク(40)内の水へ付与されることとなり、パワーコンディショナ(12)を確実に冷却することができる。
【0062】
《変形例》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0063】
図4に示すように、給湯タンク(40)は、縦長で中空状の密閉容器で構成されている。給湯タンク(40)は、円筒状の胴部(41)と、胴部(41)の軸方向上端部を閉塞する上側鏡板部(42)と、胴部(41)の軸方向下端部を閉塞する下側鏡板部(43)とを有している。
【0064】
伝熱部材(13)は、給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)の形状に対応した当接面(13a)と、当接面(13a)の反対側に形成された平坦面(13b)とを有する。そして、給湯タンク(40)の下側鏡板部(43)の全面を覆うように、伝熱部材(13)の当接面(13a)が当接されて取り付けられ、パワーコンディショナ(12)が伝熱部材(13)の平坦面(13b)に取り付けられる。
【0065】
このような構成とすれば、給湯タンク(40)の底部と伝熱部材(13)との接触面積を増やして伝熱効率を向上させることができる。
【0066】
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0067】
前記実施形態では、給湯タンク(40)内の水を加熱するための加熱部として、ヒートポンプ式の熱源ユニット(30)を用いているが、電気ヒータ等の他の加熱部を採用することもできる。
【0068】
また、各実施形態を組み合わせた構成としてもよい。例えば、給湯タンク(40)内の底部に仕切部材(45)が設けられた実施形態2の構成に対して、実施形態3のヒートパイプ(48)を設けた構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上説明したように、本発明は、比較的簡単な構成で、パワーコンディショナを効率良く冷却できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0070】
11 太陽電池
12 パワーコンディショナ
13 伝熱部材
13a 当接面
13b 平坦面
20 給湯ユニット
30 熱源ユニット(加熱部)
40 給湯タンク
44a 第1領域
44b 第2領域
45 仕切部材
48 ヒートパイプ
63 流出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯タンク(40)と、該給湯タンク(40)の水を加熱する加熱動作を行うための加熱部(30)と、太陽電池(11)で発生した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ(12)とを備えた給湯ユニットであって、
前記パワーコンディショナ(12)は、前記給湯タンク(40)内の水へ熱を付与するために、該給湯タンク(40)の底部に取り付けられていることを特徴とする給湯ユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記給湯タンク(40)の底部の形状に対応した当接面(13a)と、該当接面(13a)の反対側に形成された平坦面(13b)とを有する伝熱部材(13)を備え、
前記伝熱部材(13)は、前記給湯タンク(40)の底部に前記当接面(13a)が当接されて取り付けられ、
前記パワーコンディショナ(12)は、前記伝熱部材(13)の平坦面(13b)に取り付けられていることを特徴とする給湯ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記給湯タンク(40)内の底部を第1領域(44a)と第2領域(44b)とに仕切る仕切部材(45)を備え、
前記給湯タンク(40)の第1領域(44a)側の底部には、前記パワーコンディショナ(12)が取り付けられ、
前記給湯タンク(40)の第2領域(44b)側の底部には、該給湯タンク(40)内の水を前記加熱部(30)に流出させる流出管(63)が接続されていることを特徴とする給湯ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
一端部が前記パワーコンディショナ(12)に熱的に接続し、他端部が前記給湯タンク(40)の底部を貫通して該給湯タンク(40)内に延びるヒートパイプ(48)を備えたことを特徴とする給湯ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−211725(P2012−211725A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77435(P2011−77435)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】