説明

給湯機の室外ユニット

【課題】 電気部品の交換時の作業性が良く、電気部品の故障診断等のサービス性が良い給湯機の室外ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】 この発明に係る給湯機の室外ユニットは、圧縮機等で構成される冷媒回路と、この冷媒回路の冷媒と熱交換して温水を生成する水回路と、電気部品を収納する電気品箱2と、この電気品箱に設けられ、冷媒回路の制御を行う冷媒回路制御基板と、電気品箱に設けられ、水回路の制御を行う水回路制御基板とを備え、冷媒回路制御基板と、水回路制御基板とを上下に配置し、下側に位置するものを引出自在に構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯機の室外ユニットの電気品箱の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の室外ユニットは、電気品箱に複数の基板を設ける場合、下側の基板に上側の基板の取り付け足を設置し重ねることで複数枚の基板を収納していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−123449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の室外ユニットの電気品箱は、下側の基板に上側の基板の取り付け足を設ける構成なので、基板の交換時に全ての基板は一旦外さなければならずサービス性が悪い等の課題があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、電気部品の交換時の作業性が良く、電気部品の故障診断等のサービス性が良い給湯機の室外ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る給湯機の室外ユニットは、圧縮機等で構成される冷媒回路と、この冷媒回路の冷媒と熱交換して温水を生成する水回路と、電気部品を収納する電気品箱と、この電気品箱に設けられ、冷媒回路の制御を行う冷媒回路制御基板と、電気品箱に設けられ、水回路の制御を行う水回路制御基板とを備え、冷媒回路制御基板と、水回路制御基板とを上下に配置し、下側に位置するものを引出自在に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明に係る給湯機の室外ユニットは、上記構成により、上側の基板は上からサービスし、下側の基板は引出してサービスするので、上下の基板を独立して交換等ができ基板のサービス性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1乃至8は実施の形態1を示す図で、図1は給湯機の室外ユニットの内部正面図、図2は給湯機の室外ユニットの分解斜視図、図3は冷媒及び水回路図、図4は電気品箱の正面図、図5は電気品箱の部品展開図、図6は水回路制御基板ホルダーを引出した状態の電気品箱の斜視図、図7は水回路制御基板ホルダーと基板レールを示す斜視図、図8はフロン系冷媒と自然冷媒の特性を比較した図である。
【0008】
給湯機の室外ユニット1は、図1、2に示す構成であり、圧縮機4よりも下にガスクーラ3が配置されている。圧縮機4の横には仕切りを介して送風機6があり、送風機6を囲む蒸発器5を冷却する。ガスクーラ3の横には、水循環ポンプ15が置かれる。圧縮機4の上に、電気部品を収納する電気品箱2が配置されている。
【0009】
図3に示すように、冷媒回路14は、冷媒を圧縮する圧縮機4、ガスクーラ3、絞り13、蒸発器5を順次接続して構成される。冷媒回路14の冷媒には、臨界温度の低いCO(二酸化炭素)冷媒(臨界温度は31℃)を使用している。図8に示すように、CO冷媒はフロン系冷媒よりも地球温暖化係数(GWP)、オゾン層破壊係数(ODP)が小さい。このようなCOを冷媒として使用するので、効率良く高温(90℃以上)沸き上げが可能となると同時に、地球温暖化防止に貢献できる効果がある。ガスクーラ3は、圧縮機4より吐出された高圧のガス冷媒と給湯用水とを熱交換する。
【0010】
水回路16は、水循環ポンプ15、ガスクーラ3、空気抜き回路17を備え、これに図示しない貯湯タンクが接続される。
【0011】
図4に示すように、電気部品を収納する電気品箱2は、電気品箱本体7に冷媒回路制御基板ホルダー8が設けられている。電気品箱本体7の底部裏面には、基板レール(左)10と基板レール(右)11が取り付けられていて、ここに水回路制御基板ホルダー9が前面から挿入される。但し、前面以外の、側面、背面から挿入するようにしてもよい。基板レール(左)10と基板レール(右)11の底部には保護板21が取り付けられ、圧縮機4交換時等に水回路制御基板19(図5参照)に圧縮機4が当たらないように保護する。端子台20に冷媒回路制御基板18や水回路制御基板19(図5参照)の配線が集まり、外部と接続される。
【0012】
図5の展開図に示すように、電気品箱本体7には、上から冷媒回路制御基板18が取り付けられた冷媒回路制御基板ホルダー8が取り付けられ、さらにその上を蓋12で塞がれる。冷媒回路制御基板18のサービス(メンテナンス・保守)を行う場合は、先ず蓋12を開けて電気品箱2の上から作業を行う。冷媒回路制御基板18は、例えば、圧縮機4や送風機6の制御を行う。
【0013】
電気品箱本体7の底部裏面には、基板レール(左)10、基板レール(右)11が、各々に設けられた溝が向き合うように取り付けられ、基板レール(左)10、基板レール(右)11に水回路制御基板19が取り付けられた水回路制御基板ホルダー9が挿入される。水回路制御基板19は、貯湯タンクの湯温に関する制御を行うもので、例えば、水循環ポンプ15、冷媒回路14の絞り13の制御を行う。
【0014】
図6、7に示すように、水回路制御基板ホルダー9は、基板レール(左)10及び基板レール(右)11に引出自在に取り付けられているので、自由に引出すことができる。従って、水回路制御基板19のサービス時の作業性が良い。
【0015】
上記のように、冷媒回路制御基板18を電気品箱本体7に収納し、水回路制御基板19を電気品箱本体7の下に取り付けるようにすれば、電気品箱本体7は既存の空調用室外ユニットのものを流用できる。
【0016】
但し、水回路制御基板19を電気品箱本体7内に収納し、冷媒回路制御基板18を電気品箱本体7の下に取り付けるようにしてもよい。
【0017】
以上のように、本実施の形態によれば、上側の基板は上からサービスし、下側の基板は引出してサービスするので、上下の基板を独立して交換等ができ基板のサービス性が良い。下側の基板は、前面または側面または背面から引出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1を示す図で、給湯機の室外ユニットの内部正面図である。
【図2】実施の形態1を示す図で、給湯機の室外ユニットの分解斜視図である。
【図3】実施の形態1を示す図で、冷媒及び水回路図である。
【図4】実施の形態1を示す図で、電気品箱の正面図である。
【図5】実施の形態1を示す図で、電気品箱の部品展開図である。
【図6】実施の形態1を示す図で、水回路制御基板ホルダーを引出した状態の電気品箱の斜視図である。
【図7】実施の形態1を示す図で、水回路制御基板ホルダーと基板レールを示す斜視図である。
【図8】実施の形態1を示す図で、フロン系冷媒と自然冷媒の特性を比較した図である。
【符号の説明】
【0019】
1 給湯機の室外ユニット、2 電気品箱、3 ガスクーラ、4 圧縮機、5 蒸発器、6 送風機、7 電気品箱本体、8 冷媒回路制御基板ホルダー、9 水回路制御基板ホルダー、10 基板レール(左)、11 基板レール(右)、12 蓋、13 絞り、14 冷媒回路、15 水循環ポンプ、16 水回路、17 空気抜き回路、18 冷媒回路制御基板、19 水回路制御基板、20 端子台、21 保護板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機等で構成される冷媒回路と、
この冷媒回路の冷媒と熱交換して温水を生成する水回路と、
電気部品を収納する電気品箱と、
この電気品箱に設けられ、前記冷媒回路の制御を行う冷媒回路制御基板と、
前記電気品箱に設けられ、前記水回路の制御を行う水回路制御基板とを備え、前記冷媒回路制御基板と、前記水回路制御基板とを上下に配置し、下側に位置するものを引出自在に構成したことを特徴とする給湯機の室外ユニット。
【請求項2】
前記冷媒回路制御基板を前記電気品箱の電気品箱本体に収納し、前記水回路制御基板を前記電気品箱本体の底部裏面に配置したことを特徴とする請求項1記載の給湯機の室外ユニット。
【請求項3】
前記水回路制御基板を引出自在とする基板レールを前記電気品箱本体の底部裏面に設けたことを特徴とする請求項2記載の給湯機の室外ユニット。
【請求項4】
前記冷媒回路の冷媒に、二酸化炭素を使用することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の給湯機の室外ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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