説明

給湯機

【課題】水改質手段からの水改質物質の供給の異常検出ができる使用性の高い給湯機を提供すること。
【解決手段】湯水を注湯する注湯経路1と、前記注湯経路1の給湯流量を検出する流量検出手段2と、前記注湯経路1からの湯水を分流させるように形成した水改質回路3と、前記水改質回路3を開閉する開閉手段4と、前記水改質回路3に配設され、湯水の機能改質成分を添加する水改質手段5と、制御部6とを備え、前記開閉手段4の開閉のそれぞれの状態における湯水の流量を、前記流量検出手段2にて検出する構成としたことを特徴とする給湯機で、前記開閉手段4の故障や配線間違いで、前記開閉手段4が動作しない場合には、異常を検出し故障と判断することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水改質を目的とした成分を所定量、給湯水に添加する機能を備えた給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水改質手段から、銀イオンやミネラル水を、カラン、シャワー、浴槽に供給する、給湯機が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−138587号公報
【特許文献2】特開2007−205593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、水改質手段から、銀イオンやミネラル水を、カラン、シャワー、浴槽に正常に供給されているか否かを正確に確認する構成は、開示されていない。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水改質手段からの水改質物質の供給の異常検出ができる使用性の高い給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯機は、湯水を注湯する注湯経路と、前記注湯経路の給湯流量を検出する流量検出手段と、前記注湯経路からの湯水を分流させるように形成した水改質回路と、前記水改質回路を開閉する開閉手段と、前記水改質回路に配設され、湯水の機能改質成分を添加する水改質手段と、制御部とを備え、前記開閉手段の開閉のそれぞれの状態における湯水の流量を、前記流量検出手段にて検出する構成としたことを特徴とするもので、前記開閉手段の故障や配線間違いで、前記開閉手段が動作しない場合には、異常を検出し故障と判断することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、水改質手段からの水改質物質の供給の異常検出ができる使用性の高い給湯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯機の構成図
【図2】本発明の実施の形態1における給湯機の動作タイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、湯水を注湯する注湯経路と、前記注湯経路の給湯流量を検出する流量検出手段と、前記注湯経路からの湯水を分流させるように形成した水改質回路と、前記水改質回路を開閉する開閉手段と、前記水改質回路に配設され、湯水の機能改質成分を添加する水改質手段と、制御部とを備え、前記開閉手段の開閉のそれぞれの状態における湯水の流量を、前記流量検出手段にて検出する構成としたことを特徴とする給湯機で、前記開閉手段の故障や配線間違いで、前記開閉手段が動作しない場合には、異常を検出し故障と判断することができる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明の給湯機において、前記開閉手段の開閉のそれぞれの状態における検出流量の変化量が、所定値以下であれば異常と判定することを特徴とするもので、前記開閉手段の故障や配線間違いで、前記開閉手段が動作しない場合には、異常を検出し故障と判断することができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明の給湯機において、前記開閉手段の開閉のそれぞれの状態における流量検出を、複数回実施することを特徴とするもので、水改質回路側に流れる流量が微小であっても量変化を精度良く検知し、誤検知を防止することができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における給湯機の制御装置の構成図である。
【0014】
図1において、注湯経路1と、注湯経路1の給湯流量を検出する流量センサーである流量検出手段2と、流量検出手段2の下流で分岐された水改質回路3と、水改質回路3を開閉する電磁弁である開閉手段4と、水改質回路に設けられたイオン又はミネラルを供給する水改質手段5と、開閉手段4の駆動と流量検出手段2の流量を検出する制御部6とから給湯機を構成している。
【0015】
以上のように構成された給湯機について、以下その動作、作用を説明する。
【0016】
まず、水改質手段5を動作させない場合には、制御部6は開閉手段4を閉じたままで、給湯は水改質手段5を通らず、注湯経路1のA→B→Cのみの経路となり、水改質手段5を動作させる場合には、制御部6は開閉手段4を開けるため、給湯は注湯経路1のA→B→Cと水改質回路3のD→Eの経路の2系統に流れ、一部は水改質回路3に接続された水改質手段5を通じて給湯される。
【0017】
次に、異常判定時の制御部6の動作を説明する。図2は本発明の実施の形態1における給湯機の制御装置のタイミングチャートである。
【0018】
開閉手段4が正常の場合は、図2(a)の動作となる。給湯が始まると流量検出手段2から制御部6に流量に応じた信号が入力される。制御部6は、流量の安定を確認し1回目の閉時の値を記録する、次に開閉手段4を開状態にし、流量の安定を確認し1回目の開時の値を記録する。
【0019】
この時、水改質回路3側にも注湯経路ができるため、流量検出手段2での流量は増加する。流量の確認は同様に3回行い、開時と閉時の差分の平均値を計算し所定値以上であるので正常と判断し運転を継続する。
【0020】
開閉手段4が異常の場合は、図2(b)となり、制御部6の信号が正常でも開閉手段4は動作しないため、図2(a)同様に3回の差分の平均値を計算しても所定値以下となり異常と判断し開閉手段4を閉じる。
【0021】
以上のように、開閉手段の異常や配線間違いでイオン又はミネラルを供給する水改質手段が動作しない場合には、異常を検出し故障であることを知らせることができる。
【0022】
上記では、3回の平均値を所定値と比較したが、1回で安定時間を確保する方法や、給
湯負荷の突然の変動等で本来の差分以上の大きな値となる場合に対応するため、複数回の内最大、最小を除外する方法や、所定の差分以上の測定値は除外する等の判定方法でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明にかかる給湯機は、電気、ガス、石油等の給湯機、燃料電池など様々な給湯方式の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0024】
1 注湯経路
2 流量検出手段(流量センサー)
3 水改質回路
4 開閉手段
5 水改質手段
6 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を注湯する注湯経路と、前記注湯経路の給湯流量を検出する流量検出手段と、前記注湯経路からの湯水を分流させるように形成した水改質回路と、前記水改質回路を開閉する開閉手段と、前記水改質回路に配設され、湯水の機能改質成分を添加する水改質手段と、制御部とを備え、前記開閉手段の開閉のそれぞれの状態における湯水の流量を、前記流量検出手段にて検出する構成としたことを特徴とする給湯機。
【請求項2】
前記開閉手段の開閉のそれぞれの状態における検出流量の変化量が、所定値以下であれば異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の給湯機。
【請求項3】
前記開閉手段の開閉のそれぞれの状態における流量検出を、複数回実施することを特徴とする請求項1または2に記載の給湯機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−83061(P2012−83061A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231241(P2010−231241)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】