説明

給湯装置

【課題】スケール成分の付着による配管の閉塞を防止して、貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の円滑な循環を保つ。
【解決手段】貯湯タンク11と、圧縮機31、ガスクーラー34、減圧装置33及び蒸発器32を有したヒートポンプユニット30と、を備えた給湯装置100において、ガスクーラー34と貯湯タンク11との間の水循環回路20Aに設けられ、ガスクーラー34に流入する水に磁気的処理又は電気的処理を施して水を活性化する活水器26と、貯湯タンク11内の水を水循環回路20Aに取り出して、活水器26により活性化された水を、ガスクーラー34に流通させて排水する排水手段27、80とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクと、圧縮機、ガスクーラー、減圧装置及び蒸発器を有したヒートポンプユニットとを備えた給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯湯タンクと、圧縮機、ガスクーラー、減圧装置及び蒸発器を有したヒートポンプユニットとを備えた給湯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の給湯装置では、貯湯タンク内の低温の水を循環ポンプを介してガスクーラーに循環し、ガスクーラーで熱交換して昇温された高温の水を貯湯タンクに戻すことにより、お湯を沸かして貯湯タンク内に温水を貯湯する貯湯運転が行われている。
【特許文献1】特開2002−22389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、水循環回路においてガスクーラー内で、当該水に含まれるシリカ、マグネシウム、カルシウムといったスケール成分が析出する場合がある。析出したスケール成分が水循環回路の配管の内壁に付着すると、スケール成分の付着量によっては、配管が閉塞し、貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の循環が妨げられる場合があった。特に、ガスクーラーにおいて水が昇温するため、ガスクーラー内部の水流通経路においてスケール成分の析出が起こり易い。貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の循環が妨げられると、当該給湯装置の本質的な機能である貯湯運転を行えないという不具合が生じる。
本発明の課題は、スケール成分の付着による配管の閉塞を防止して、貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の円滑な循環を保つことのできる給湯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様は、貯湯タンクと、圧縮機、ガスクーラー、減圧装置及び蒸発器を有したヒートポンプユニットと、を備え、前記貯湯タンク内の低温の水を循環ポンプを介して前記ガスクーラーに循環し、ガスクーラーで熱交換して昇温された高温の水を前記貯湯タンクに貯湯する貯湯運転を行う給湯装置において、前記ガスクーラーと前記貯湯タンクとの間の水循環回路に設けられ、前記ガスクーラーに流入する水に磁気的処理又は電気的処理を施して水を活性化する活水器と、前記貯湯タンク内の水を前記水循環回路に取り出して、前記活水器により活性化された水を、前記ガスクーラーに流通させて排水する排水手段と、を備えたことを特徴とする給湯装置を提供する。
上記構成によれば、活水器により水に磁気的処理又は電気的処理を施して水を活性化させて、当該水に含まれるシリカ、マグネシウム、カルシウムといったスケール成分が析出した場合でも、析出したスケール成分を水循環回路を構成する配管の内壁に付着しにくくすることができる。排水手段により、貯湯タンク内の水を前記水循環回路に取り出して、活水器により活性化された水をガスクーラーに流通させて、ガスクーラー内部の水が流通する配管部分を洗浄して、当該部分に滞留したスケール成分を水と共に排出させて、活性化された水と置き換えることができる。以上の様に、上記構成では、活水器によりスケール成分の付着をし難くすると共に、排水手段によりスケール成分を水と共に排出させて、スケール成分の付着による配管の閉塞を防止して、貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の円滑な循環を保ち、給湯装置の本質的な機能である貯湯運転を円滑に行わせることができる。
但し、活水器を設ける位置は、ガスクーラーに流入する水が活水器により活性化された水となる位置であれば、特に限定はなく、貯湯タンクとガスクーラーの流入側とを接続する水循環配管部分は勿論、貯湯タンクに給水管を接続して給水管により市水等を供給する構成とする場合にこの給水管部分に活水器を設けてもよい。
【0005】
本発明の第二態様は、上記第一態様において、前記貯湯運転の終了後に、前記排水手段により排水されること、を特徴とする。
上記構成によれば、貯湯運転の終了後に、ガスクーラーにより熱交換されて昇温した水が水循環回路内で冷めてスケール成分が析出する前に、スケール成分を含む水を排水手段により排水させることができ、当該給湯装置において、スケール成分の付着による配管の閉塞をより未然に防止して、貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の円滑な循環を保つことができる。
【0006】
本発明の第三態様は、上記第一態様又は第二態様において、前記貯湯タンクには、給水管が接続され、前記排水手段により排水する際には、前記循環ポンプを停止して、前記給水管からの給水圧により前記貯湯タンク内から流出した水を前記ガスクーラーに流通させること、を特徴とする。
上記構成によれば、排水手段により排水する際には、循環ポンプを停止させて、給水管からの給水圧により貯湯タンク内から流出した水をガスクーラーに流通させるので、ガスクーラーに貯湯タンク内の水を流通させるための消費電力の削減を図ることができる。また、貯湯運転時に循環ポンプによってガスクーラー内に流通される水の流速に比して、給水圧によってガスクーラー内に流通させる水の流速を格段に速くすることができる。このため、ガスクーラー内部の水が流通する配管の内壁にスケール成分が付着した場合でも、給水圧による流速の速い水によりこのスケール成分を配管の内壁から剥離させて、排出することができる。また、この様な速い流通速度を循環ポンプにより実現する場合の様に、能力の高い循環ポンプを用意する必要がなく、給水圧を利用することでコストの増加を抑えることができる。
【0007】
本発明の第四態様は、上記第一態様〜第三態様のいずれか一の態様において、前記活水器は、前記貯湯タンクと前記ガスクーラーの流入側とを接続する水循環配管に設けられること、を特徴とする。
上記構成によれば、貯湯タンクとガスクーラーの流入側とを接続する水循環配管に活水器を設けることにより、活水器により活性化された水を時間を経ることなく、ガスクーラーに流入させることができる。
【0008】
本発明の第五態様は、上記第一態様〜第四態様のいずれか一の態様において、前記排水手段は、前記貯湯タンクと前記ガスクーラーの水流通経路の出口側とを接続する水循環配管に設けられた排水三方弁を有し、当該排水三方弁を切り替えることにより、当該排水三方弁に接続された排水管を介して前記ガスクーラーの水流通経路から流出した水を排水すること、を特徴とする。
上記構成によれば、貯湯タンクとガスクーラーの水流通経路の出口側とを接続する水循環配管に排水三方弁を設け、この排水三方弁を切り換えることで、ガスクーラーにおいて高温に昇温された水を貯湯タンクに戻すか、排水三方弁に接続された排水管を介して排水させるかを簡易に切り換えることができる。
【0009】
本発明の第六態様は、上記第一態様〜第五態様のいずれか一の態様において、前記排水手段により、所定の時間間隔で排水されること、を特徴とする。
上記構成によれば、排水手段により、所定の時間間隔で貯湯タンクの水を取り出して、活水器により活性化された水をガスクーラーに流通させた後、排水することにより、時間の経過と共にスケール成分が析出した場合でも、所定の時間間隔毎に析出したスケール成分を水と共に排出させて、スケール成分の堆積、スケール成分の付着を防止して、スケール成分の付着による配管の閉塞を防止して、貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の円滑な循環を保つことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スケール成分が析出した場合でも、活水器によりスケール成分の付着をし難くすると共に、排水手段によりスケール成分を水と共に排出させて、スケール成分の付着による配管の閉塞を防止して、貯湯タンクとガスクーラーとの間の水の円滑な循環を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の実施の形態の給湯装置100の構成を示す。本実施の形態の給湯装置100は、家庭用の貯湯式の給湯装置として構成されている。図1に示す様に、給湯装置100は、温水を貯留する貯湯タンク11を収容するタンクユニット10と、貯湯タンク11と水循環配管20により接続されて、貯湯タンク11内の低温の水を昇温するヒートポンプユニット30を備えている。貯湯タンク11の下部12に貯留する低温の水は、水循環配管20によりヒートポンプユニット30に流入される。ヒートポンプユニット30において、後述するガスクーラー34で冷媒と熱交換を行うことにより昇温されて高温となった温水は、水循環配管20を介して貯湯タンク11の上部13から貯湯タンク11内に戻される。給湯装置100では、この様に水循環配管20により接続された貯湯タンク11とヒートポンプユニット30との間の水循環回路20Aにおいて、水を循環させながら水を昇温し、貯湯タンク11内に高温の水(温水)を貯湯する貯湯運転を行う。そして、貯湯タンク11内の温水は、貯湯タンク11の上部13に接続された給湯配管40を介して風呂101や図示しないシャワー及び蛇口等に給湯される。なお、水循環回路20Aの構成については後述する。
【0012】
ここで、図2を参照して、ヒートポンプユニット30の構成を説明する。
ヒートポンプユニット30は、図2に示す様に、圧縮機31、蒸発器32、減圧装置としての膨張弁33及びガスクーラー34を備え、これらは冷媒配管35により接続されてヒートポンプ回路36を構成している。本実施の形態のヒートポンプ回路36は、冷媒として二酸化炭素を用いた超臨界ヒートポンプ回路である。また、ヒートポンプユニット30には、ヒートポンプユニット30が備える圧縮機31、膨張弁33等の動作を制御して、ヒートポンプユニット30の運転を制御するための制御部37が設けられている。
【0013】
ガスクーラー34は、冷媒配管35と接続され、冷媒が流通する冷媒流通配管38と、水循環配管20が接続され、水が流通する水流通配管39とを備えている。
冷媒流通配管38の入口38Aには、圧縮機31の冷媒吐出管35A(35)が接続されており、圧縮機31において圧縮された高温高圧の冷媒がガスクーラー34内に流入する様に構成されている。また、冷媒流通配管38の出口38Bには冷媒配管35B(35)を介して膨張弁33が接続されており、ガスクーラー34の内部を冷媒流通配管38を介して流通した冷媒は膨張弁33に流入するように構成されている。
一方、水流通配管39の入口39Aは貯湯タンク11の下部12と、第一の水循環配管21(水循環配管20)を介して接続され、水流通配管39の出口39Bは貯湯タンク11の上部13と第二の水循環配管22(水循環配管20)を介して接続される。貯湯運転が行われる際に、ガスクーラー34では、冷媒流通配管38を流れる冷媒と、水流通配管39を流れる水との熱交換が行われるが、この際、冷媒と水とが対向流となる様になっている。すなわち、水流通配管39において水が流通する方向は、冷媒流通配管38において冷媒が流通する方向と対向するようになっている。
従って、ガスクーラー34で、水と熱交換を行うことにより放熱した冷媒は、膨張弁33を通過する過程で減圧された後、蒸発器32に流入する。冷媒はこの蒸発器32において周囲の空気から熱を汲み上げて、すなわち、周囲の熱を奪って蒸発する。その後、冷媒は蒸発器32から出て圧縮機31に吸込まれるサイクルを繰り返す。
【0014】
貯湯タンク11と、ガスクーラー34とは、第一の水循環配管21と、第二の水循環配管22とにより接続されて、第一の水循環配管21に設けられた循環ポンプ23により貯湯タンク11内の水が、第一の水循環配管21を介してガスクーラー34の水流通配管39に流入し、ガスクーラー34で熱交換されて昇温した水が第二の水循環配管22を介して貯湯タンク11の上部13に戻される水循環回路20Aを構成している。
【0015】
次に、前掲の図1を参照して、タンクユニット10の構成を説明する。
タンクユニット10は、上述の貯湯タンク11の他、上記給湯配管40を含む給湯回路40Aと、追焚用水循環回路70Aと、凍結防止回路20Bと、洗浄運転回路20Cとを備えている。また、貯湯タンク11の下部12には、給水管14と、排水管15とが接続されている。更に、タンクユニット10は、水循環回路20A、給湯回路40A及び追焚用水循環回路70Aにそれぞれ設けられる循環ポンプ23、53、73や後述する三方弁24、排水三方弁27(排水手段、排水弁)等の動作を制御する制御部80を備えている。
以下、タンクユニット10の構成を、給水管14、排水管15、給湯回路40A、追焚用水循環回路70A、凍結防止回路20Bと、洗浄運転回路20Cと、制御部80の順に説明する。なお、凍結防止回路20Bと、洗浄運転回路20Cとは、水循環回路20Aの一部として構成される。
【0016】
給水管14は減圧弁14Aを備え、給湯等により貯湯タンク11内の温水が使用されて水位が低下した場合に、常温の市水を減圧弁14Aにより給水圧力を所定の圧力、例えば、170kPa(約1.7kgf/cm)に下げた状態で貯湯タンク11に貯湯タンク11の下部12から供給する。また、貯湯タンク11と給水管14との接続口には逆止弁14Bが設けられ、減圧弁14Aの上流側にも逆止弁14Cが設けられている。これらの逆止弁14B、14Cは、給水管14に接続される給水源(図示略)から貯湯タンク11に向かう方向を順方向とする逆止弁である。給水管14から貯湯タンク11には、常時、給水源からの給水が可能に構成されており、貯湯タンク11には常に給水圧が印加されている。但し、本実施の形態の場合、減圧弁14Aにより所定の圧力に減圧された後の給水圧が印加されている。貯湯タンク11内の水量は常に満量とされている。給湯等により貯湯タンク11内の水が使用された場合、給水圧により当該給水管14を介して常温の市水が供給される。なお、貯湯タンク11の容量は、370リットル程度〜460リットル程度である。本実施の形態では、370リットル程度の容量を有するものとする。
【0017】
排水管15は排水弁15Aを介して貯湯タンク11の下部12に接続された第一の水循環配管21(水循環配管20)に接続されており、排水弁15Aを開くことにより、貯湯タンク11内の温水を外部に排水することができる。但し、貯湯運転時、この排水弁15Aの弁開方向は、第一の水循環配管21により、貯湯タンク11の下部12に貯留された水がガスクーラー34の水流通配管39の入口30Aに流入するように、手動、若しくは制御部80により制御されている。
【0018】
給湯回路40Aは、貯湯タンク11の上部13に接続された給湯配管40を介して貯湯タンク11から出湯された温水と、給水管14により供給される常温の市水とを混合して所望の温度に調整して、風呂101、シャワー、蛇口等に給湯するものである。
給湯配管40は、分岐点41において、風呂101に給湯するための風呂給湯側配管50と、シャワーや蛇口等に給湯するための蛇口給湯側配管60とに分岐している。
【0019】
風呂給湯側配管50は風呂101の給湯口101Aに接続されている。風呂給湯側配管50には、上記の分岐点41と、風呂101の給湯口101Aとの間に、注湯混合弁51、注湯弁52、風呂ポンプ53が設けられている。これらは、図示しない制御線等を介して制御部80に接続されている。風呂給湯側配管50には、注湯混合弁51を介して給水管14において、逆止弁14Bと、減圧弁14Aとの間で分岐した第一給水分岐管141が接続されている。注湯混合弁51は、制御部80の制御の下、風呂リモコン82を介してユーザーにより設定された風呂給湯温度となるように、給湯配管40を介して貯湯タンク11の上部13から出湯された温水と、第一給水分岐管141から給水される常温の市水とを混合する。注湯弁52は、大気開放弁となっており、風呂101側から逆流した温水を大気に逃がすことができる。風呂ポンプ53は、風呂101の追焚きを行う際に、風呂101内の風呂水を汲み上げる際に用いられるものである。なお、この風呂ポンプ53については後述する。
【0020】
一方、蛇口給湯側配管60は、図示しないシャワーや蛇口等に接続される。蛇口給湯側配管60には、上述の分岐点41と、シャワーや蛇口等との間に、給湯混合弁61が設けられている。蛇口給湯側配管60には、給湯混合弁61を介して、第一給水分岐管141から更に分岐した第二給水分岐管142が接続されている。給湯混合弁61は、制御部80の制御の下、台所リモコン81を介してユーザーにより設定された蛇口給湯温度となる様に、給湯配管40を介して出湯された温水と、第二給水分岐管142から給水される常温の市水とを混合する。
なお、以上説明した給湯回路40Aにおいて、給湯配管40には、分岐点41の上流側に逃し弁42が接続されており、貯湯タンク11内の圧力が一定圧力以上になった場合、この逃し弁42を介して一定圧力以上の圧を逃がすことができる。
【0021】
次に、追焚用水循環回路70Aの構成を説明する。追焚用水循環回路70Aにおいて、貯湯タンク11内の高温の温水と、風呂101から汲み上げられた風呂水とが熱交換を行うことにより、風呂水が昇温されて、風呂101の追焚きが行われる。
追焚用水循環回路70Aは、貯湯タンク11の上部13と中央部16とを接続する追焚用水循環配管71と、追焚用水循環配管71に設けられる追焚用熱交換器72と、追焚加熱ポンプ73とを備えている。追焚加熱ポンプ73により、追焚用水循環配管71を介して貯湯タンク11の上部13から出湯された温水が、貯湯タンク11の中央部16から貯湯タンク11内に戻される。なお、追焚用水循環配管71は逆止弁71Aを介して貯湯タンク11の中央部16に接続されている。
【0022】
また、追焚用熱交換器72には、風呂水循環回路74が接続されている。風呂水循環回路74は、風呂給湯側配管50に接続される風呂水往管75と、風呂101に設けられた他の給湯口101Bに接続される風呂水戻管76とが接続されている。制御部80の制御の下、風呂101の追焚きが開始されると、風呂ポンプ53が動作を開始し、風呂101内の風呂水が風呂水往管75を介して追焚用熱交換器72に流入される。一方、制御部80の制御の下、追焚加熱ポンプ73も動作を開始し、追焚用水循環配管71を介して貯湯タンク11内の温水が追焚用熱交換器72に流入する。追焚用熱交換器72において、貯湯タンク11の上部13から流入した高温の水と、風呂101から汲み出された風呂水とが熱交換される。そして、熱交換により昇温された風呂水は風呂水戻管76および給湯口101Bを介して風呂101に戻される。一方、追焚用熱交換器72において風呂水と熱交換されて中温となった貯湯タンク11内の温水は、追焚用水循環配管71を通じて貯湯タンク11の中央部16から貯湯タンク11に戻される。
【0023】
また、本実施の形態の給湯装置100は、冬季等、ヒートポンプユニット30の運転停止時に、水循環配管20の凍結を防止するために、水循環回路20Aには温水をヒートポンプユニット30側で循環させる凍結防止回路20Bが設けられている。凍結防止回路20Bは、図1に示す様に、第一の水循環配管21において、排水弁15Aと循環ポンプ23との間に設けられた三方弁24と、この三方弁24と、第二の水循環配管22とに接続される凍結防止配管25とによって構成される。貯湯運転時、この三方弁24の弁開方向は貯湯タンク11の下部12に貯留された水がガスクーラー34の水流通配管39の入口39Aに流入するように、制御部80により制御されている。凍結防止運転時には、制御部80により、凍結防止配管25と、第一の水循環配管21のガスクーラー34の水流通配管39の入口39Aとが連通するように、弁開方向が切り換えられる。制御部80の制御の下、凍結防止運転時は、ヒートポンプユニット30を運転し、循環ポンプ23により、三方弁24、循環ポンプ23、ガスクーラー34、第二の水循環配管22、凍結防止配管25、三方弁24の順に温水が循環される。これにより、水循環配管20の凍結が防止される。
【0024】
また、水循環回路20Aには、洗浄運転回路20Cが設けられている。給湯装置100において給湯運転を行うと、ガスクーラー34の水流通配管39と貯湯タンク11の上部13とを接続する第二の水循環配管22との内部を、高温に昇温された水が流れる。この高温に昇温された水の温度は、貯湯運転の終了後、水流通配管39および第二の水循環配管22の内部で徐々に低下する。特に、80℃〜60℃の温度範囲に水の温度が昇温されたときにCaやMgといったスケール成分の析出が起こりやすく、シリカは水温が低下する過程で析出しやすい。これは、シリカ(SiO)等の一般の結晶物は水温の低下と共に溶解度も低下するのに対し、CaやMg等のスケール成分は、水温の上昇と共に溶解度が低下する傾向にあるためである。貯湯運転時には、ガスクーラー34の水流通配管39の銅管壁面が85℃以上に昇温されるために、この水流通配管39内部でCaやMgといったスケール成分が析出しやすい。これらの析出したスケール成分により、水流通配管39の内壁等が閉塞されると、貯湯タンク11とガスクーラー34との間の水の循環が妨げられ、給湯装置100において貯湯運転を行うことができないという不具合が生じる。そこで、本実施の形態の給湯装置100は、洗浄運転回路20Cを備え、貯湯運転の終了後等に洗浄運転を行うことにより、水流通配管39を含む水循環回路20Aを構成する水循環配管20内で析出したスケール成分を水循環回路20Aから水とともに排出させて、スケール成分の付着による水流通配管39や水循環配管20の閉塞を防止している。
【0025】
洗浄運転回路20Cは、図1に示す様に、第一の水循環配管21において、循環ポンプ23と、ガスクーラー34の水流通配管39の入口39Aとの間に設けられた活水器26と、第二の水循環配管22において、ガスクーラー34の水流通配管39の出口39Bと、貯湯タンク11との間に設けられた排水三方弁27とを備えている。
【0026】
活水器26は、ガスクーラー34に流入する水に磁気的処理又は電気的処理を施して、水を活性化するものである。ここで、ガスクーラー34に流入する水に磁気的処理又は電気的処理を施して、水を活性化するとは、例えば、ガスクーラー34に流入する水に磁界又は電界を与えて導体としての水分子の帯電状態や水素イオン指数を変化させ、水分子の巨大クラスターを微細分化して、水のエネルギー運動を活発化させることを指す。この様に、水を活性化させることで、スケール成分が析出した場合でも、析出したスケール成分を水循環回路20Aを構成する配管の内壁に付着し難くすることができる。
排水三方弁27には、排水管28が接続されている。図1に示す様に、排水三方弁27及び排水管28は、タンクユニット10に収容されている。貯湯運転時、排水三方弁27は、ガスクーラー34の水流通配管39の出口39Bから流出した高温の水を貯湯タンク11の上部13に向かって流れる様に、制御部80により弁開方向が制御されている。そして、洗浄運転を行う際に、制御部80により、この排水三方弁27の弁開方向が切り換えられ、ガスクーラー34の水流通配管39の出口39Bから流出した水が排水三方弁27に接続された排水管28を介して、水循環回路20Aから排水されるように制御される。
【0027】
次に、制御部80について説明する。
制御部80は、図示しないCPU、RAM、ROM等を備えている。制御部80はROMに予め記憶されている貯湯運転プログラムや洗浄運転プログラム等の制御プログラムおよび制御用データに基づいて、RAMの一部を作業領域として、貯湯運転や洗浄運転時、CPUにより給湯装置100に設けられた上記各種弁の切り替えや循環ポンプ23等をコンピューター制御により制御する。また、制御部80は、ヒートポンプユニット30の制御手段に制御信号を送信して、ヒートポンプユニット30の運転を制御する。制御部80には上述の台所リモコン81及び風呂リモコン82が接続されている。ユーザーは台所リモコン81を介して、台所における給湯温度の設定等の各種の操作を行うことができる。また、ユーザーは風呂リモコン82を介して風呂101の自動給湯、給湯温度の設定、追焚きの指示等の各種の操作を行うことができる。また、ユーザーは、この台所リモコン81又は風呂リモコン82を介して、次に説明する洗浄運転機能のオン/オフを設定することができる。
【0028】
次に、図3を参照して、洗浄運転プログラム等に従って制御部80により実行される給湯装置100の洗浄運転を含む動作を説明する。
制御部80は、まず、現在、貯湯運転の開始タイミングであるか否かを判別する(ステップS1)。
ここで、当該給湯装置100では、ユーザーが電力会社と所定の時間帯別電灯契約を結ぶことなどにより、電力料金の安い深夜時間帯等に給湯運転を行う様に設定されている。また、深夜時間帯以外の時間帯においても、貯湯タンク11の残湯量が予め設定された第一の所定量より低下すると貯湯運転を開始し、残湯量が第二の所定量以上になると当該貯湯運転を停止するように制御される。なお、本実施の形態において、貯湯タンク11のタンク容量は370リットル程度とされており、貯湯タンク11の残湯量が100リットルを第一の所定量とし、150リットルを第二の所定量としている。すなわち、貯湯タンク11の上部13に貯留された高温の水(温水)の量が給湯により減少して、第一の所定量以下となった場合には、深夜時間帯以外であっても、第二の所定量以上の温水が貯湯されるまで貯湯運転が行われる。
【0029】
ステップS1において、現在、貯湯運転の開始タイミングであると判別した場合(ステップS1;Y)、制御部80はヒートポンプユニット30の制御部37に制御信号を送り、圧縮機31の駆動を開始させる(ステップS2)。これと共に、制御部80は循環ポンプ23の駆動を開始させて、貯湯タンク11内の水を水循環回路20Aに取り出して、ガスクーラー34と貯湯タンク11との間の水の循環を開始させて、貯湯運転を開始する(ステップS2)。
次に、制御部80は、予め設定された所定量の温水が貯湯タンク11内に貯湯されたか否か判別することにより、現在、貯湯運転の終了タイミングであるか否かを判別する(ステップS3)。ここで、貯湯運転の終了タイミングでない(ステップS3;N)と判別された場合は、貯湯運転の終了タイミングとなるまで(ステップS3;Y)、貯湯運転が継続して行われる(ステップS2)。
【0030】
一方、貯湯運転の終了タイミングであると判別された場合(ステップS3;Y)、制御部80は、ヒートポンプユニット30の制御部37に制御信号を送り、圧縮機31の駆動を停止させると共に、循環ポンプ23の駆動を停止させて、貯湯運転を終了させる(ステップS4)。
【0031】
次に、制御部80は、排水三方弁27を排水側に切り換える(ステップS5)。具体的には、ガスクーラー34の水流通配管39の出口39Bから流出した水が排水管28を介して排水されるように、排水三方弁27の弁開方向を切り換える。これにより、貯湯タンク11の下部12に接続された給水管14を介して、貯湯タンク11に印加されている給水圧によって、貯湯タンク11の下部12に貯留している低温の水が第一の水循環配管21を介して、ガスクーラー34の水流通配管39の入口39Aに流入する。このとき、活水器26を通過して、活水器26により活性化された水がガスクーラー34の水流通配管39に流入する。そして、水流通配管39内を給水圧により流通して、出口39Bから流出した水は、排水三方弁27に接続された排水管28を介して水循環回路20Aから排水される。
【0032】
そして、予め設定された所定時間(例えば、10秒)が経過すると(ステップS6;Y)、制御部80は、排水三方弁27を、通常側に切り換える。すなわち、制御部80は、排水三方弁27の弁開方向を貯湯運転を行う際の弁開方向に切り替え、ガスクーラー34の水流通配管39から流出する水が貯湯タンク11の上部13に向かって流れるようにする(ステップS7)。但し、洗浄運転を10秒間行うことで、本実施の給湯装置100において、貯湯タンク11内の水が2リットル程度排水される。なお、排水された量に相当する水が給水管14を介して給水される。
以上のステップS5〜S7による洗浄運転により、貯湯運転後に水流通配管39や第二の水循環配管22内に滞留する高温の水は、排水三方弁27に接続された排水管28を介して水循環回路20Aから排水され、スケール成分の析出が起こりやすい水流通配管39内の水は活水器26により活性化された低温の水に置き換えられる。
【0033】
以上説明した上記実施の形態によれば、活水器26により水に磁気的処理又は電気的処理を施して水を活性化させて、当該水に含まれるシリカ、マグネシウム、カルシウムといったスケール成分が析出した場合でも、析出したスケール成分を水循環回路20Aを構成する水流通配管39や水循環配管20の内壁に付着しにくくすることができる。また、第一の水循環配管21と、活水器26と、ガスクーラー34の水流通配管39と、第二の水循環配管22の一部と、排水三方弁27と、排水管28とによって構成される洗浄運転回路20Cにおいて、制御部80の制御の下、洗浄運転を行い、貯湯タンク11内の水を取り出して、活水器26により活性化された水をガスクーラー34に流通させて、ガスクーラー34内部の水が流通する水流通配管39を洗浄して、当該水流通配管39に滞留したスケール成分を水と共に排水三方弁27および排水管28を介して水循環回路20Aから排出させて、活水器26により活性化された水と置き換えることができる。この様に、上記実施の形態の構成によれば、活水器26によりスケール成分の付着をし難くすると共に、制御部80において洗浄運転を実行することによりスケール成分を水と共に排出させて、スケール成分の付着による水流通配管39や水循環配管20の閉塞を防止して、貯湯タンク11とガスクーラー34との間の水の円滑な循環を保ち、給湯装置100の本質的な機能である貯湯運転を円滑に行わせることができる。
また、従来であれば、水に含まれるスケール成分の多い硬水地域では、軟水機等と共に給湯装置を設置して、ガスクーラー34の水流通配管39や水循環配管20の閉塞を防止する必要があったが、上記の給湯装置100によれば、軟水機等の特別な設備を別途設ける必要なく、硬水地域等にも当該給湯装置100を設置することができる。
【0034】
また、上記実施の形態によれば、貯湯運転の終了後に、洗浄運転を行う構成としているので、ガスクーラー34により熱交換されて昇温した水が水循環回路20A内で冷めてスケール成分が析出する前に、スケール成分を含む水を排水三方弁27に接続された排水管28を介して水循環回路20Aから排水させることができ、当該給湯装置100において、スケール成分の付着による水流通配管39や水循環配管20の閉塞をより未然に防止して、貯湯タンク11とガスクーラー34との間の水の円滑な循環を保つことができる。
【0035】
また、上記実施の形態によれば、制御部80は洗浄運転時に循環ポンプ23を停止させて、貯湯タンク11の下部12に接続された給水管14からの給水圧により貯湯タンク11内から流出した水をガスクーラー34の水流通配管39に流通させるので、ガスクーラー34に貯湯タンク11内の水を流通させるための消費電力の削減を図ることができる。また、貯湯運転時に水循環回路20Aに設けられた循環ポンプ23によってガスクーラー34の水流通配管39に流通させる水の流速に比して、貯湯タンク11に印加された給水圧によってガスクーラー34の水流通配管39に流通させる水の流速を格段に速くすることができる。このため、ガスクーラー34の水流通配管39の内壁にスケール成分が付着した場合でも、給水圧による流速の速い水によりこのスケール成分を水流通配管39や水循環配管20の内壁から剥離させて、排出することができる。また、この様な速い流通速度を循環ポンプ23により実現する場合の様に、能力の高い循環ポンプ23を用意する必要がなく、給水圧を利用することでコストの増加を抑えることができる。
【0036】
また、上記実施の形態によれば、貯湯タンク11とガスクーラー34の水流通配管39の入口39Aとを接続する第一の水循環配管21に活水器26を設けることにより、活水器26により活性化された水を時間を経ることなく、ガスクーラー34に流入させることができる。また、貯湯タンク11とガスクーラー34の水流通配管39の入口39Aとを接続する第一の水循環配管21に活水器26を設けることにより、ガスクーラー34に、常に、活水器26により活性化された水を流通させることができる。
【0037】
また、上記実施の形態によれば、貯湯タンク11とガスクーラー34の水流通配管39の出口39Bとを接続する第二の水循環配管22の途中部に排水三方弁27を設け、この排水三方弁27を切り換えることで、ガスクーラー34において高温に昇温された水を貯湯タンク11に戻すか、排水三方弁27に接続された排水管28を介して排水させるかを簡易に切り換えることができる。
【0038】
また、上記実施の形態によれば、貯湯運転の終了後、常に、洗浄運転を行うことにより、スケール成分の堆積、スケール成分の付着を防止して、スケール成分の付着による水流通配管39や水循環配管20の閉塞を防止して、貯湯タンク11とガスクーラー34との間の水の円滑な循環を保つことができる。
【0039】
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、貯湯運転の終了後、常に、洗浄運転が行われるものとして説明したが、図4に示す様に、所定の時間間隔で洗浄運転を行うようにしてもよい。上記の給湯装置100では、ガスクーラー34に流入する水は、常に、活水器26により活性化された水としている。このため、貯湯運転後に、高温に昇温された水が冷める過程で、スケール成分が析出した場合でも、水流通配管39や水循環配管20の内壁に対するスケール成分が付着し難くなっている。従って、図3に示した様に貯湯運転の終了毎ではなく、図4に示す様に予め設定された所定の時間間隔で行ったとしても、スケール成分の付着等による水流通配管39や水循環配管20の閉塞を十分に防止することができる。但し、所定の時間間隔として、例えば、100時間、300時間、600時間等の様に、予め設定しておくことができる。また、ユーザー等が台所リモコン81や風呂リモコン82を介して適宜この所定時間を設定することができる。この場合も、所定の時間が経過した後であって、貯湯運転の終了後に洗浄運転を行うことが好ましい。上述の通り、貯湯運転により昇温された水が冷める過程でスケール成分の析出が起こるためであり、析出したスケール成分が水流通配管39や水循環配管20の内壁に付着する前に、スケール成分を排出するためである。
【0040】
以下、図4を参照して、洗浄運転を予め設定された所定の時間間隔で行う場合の給湯装置100の動作を説明する。
制御部80は、予め設定された所定時間が経過するまで待機する(ステップS11)。ステップS11において、この所定時間が経過したと判別した場合(ステップS11;Y)、次に、制御部80は、所定時間経過後の初めての貯湯運転開始タイミングに至るまで待機する(ステップS12)。
ステップS12において、貯湯運転開始タイミングに至ったと判別した場合(ステップS12;Y)、制御部80はヒートポンプユニット30の制御部37に制御信号を送り、圧縮機31の駆動を開始させる(ステップS13)。これと共に、制御部80は循環ポンプ23の駆動を開始させて、貯湯タンク11内の水を水循環回路20Aに取り出して、ガスクーラー34と貯湯タンク11との間の水の循環を開始させて、貯湯運転を開始する(ステップS13)。
ここで、貯湯運転の開始タイミングは、上記実施の形態と同様に、電力料金の安い深夜時間帯等や、貯湯タンク11内の残湯量が第一の所定量以下となった場合等である。
【0041】
次に、制御部80は、予め設定された所定量の温水が貯湯タンク11内に貯湯されたか否か判別することにより、現在、貯湯運転の終了タイミングであるか否かを判別する(ステップS14)。ここで、貯湯運転の終了タイミングでない(ステップS14;N)と判別された場合は、貯湯運転の終了タイミングとなるまで(ステップS14;Y)、貯湯運転が継続して行われる(ステップS13)。
【0042】
一方、貯湯運転の終了タイミングであると判別された場合(ステップS14;Y)、制御部80は、ヒートポンプユニット30の制御部37に制御信号を送り、圧縮機31の駆動を停止させると共に、循環ポンプ23の駆動を停止させて、貯湯運転を終了させる(ステップS15)。
【0043】
次に、制御部80は、図3のステップS5と同様に、排水三方弁27を排水側に切り換える(ステップS16)。そして、予め設定された所定時間(例えば、10秒)が経過すると(ステップS17;Y)、制御部80は、図3のステップS7と同様に、排水三方弁27を、通常側に切り換える。そして、所定時間を計時するための、制御部80に設けられた図示しない計時手段のカウントをゼロに戻し、再び所定時間が経過するまで待機する。
以上の様に、貯湯運転の終了後に、常に、洗浄運転をするのではなく、予め設定された所定時間毎に洗浄運転を実施する構成としてもよい。
また、貯湯運転終了後に常に洗浄運転を行うか、所定の時間間隔で洗浄運転を行うかを、台所リモコン81や風呂リモコン82等により、ユーザーが適宜設定可能に構成してもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、活水器26を第一の水循環配管21において、循環ポンプ23とガスクーラー34の間に設けるものとして説明したが、活水器26を設ける位置は、ガスクーラー34に流入する水が活水器26により活性化された水となる位置であれば、特に限定はない。例えば、貯湯タンク11の下部12に接続された給水管14に設けても良い。但し、上記実施の形態の様に、第一の水循環配管21において、貯湯タンク11から流出した水がガスクーラー34に流入する直前で活性化することにより、活性化された水を時間を経ることなく、ガスクーラー34に流入させることができる。
【0045】
また、排水三方弁27および排水管28を設ける位置は、タンクユニット10に限定されるものではない。しかしながら、排水三方弁27および排水管28を貯湯タンク11が設けられたタンクユニット10に設けることにより、上述した洗浄運転においてガスクーラー34の水流通配管39に加えて、タンクユニット10とヒートポンプユニット30間を結ぶ水循環配管20のスケール成分も効果的に排出することができる。
さらに、上記実施の形態では、第二の水循環配管22に排水三方弁27を設け、この排水三方弁27に排水管28を接続する構成としたが、当該構成に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、排水三方弁27に代えて、第二の水循環配管22に排水管28を直接接続し、この排水管28に第一開閉弁(電磁弁)90を設けるとともに、第二の水循環配管22に第二開閉弁(電磁弁)91を設け、この二つの開閉弁90、91を上記排水三方弁27と同様な動作となるように、相互に開閉動作を行うようにしてもよい。具体的には、貯湯運転時には第二の水循環配管22に設けられた第二開閉弁91を開き、排水管28に設けられた第一開閉弁90を閉じて、循環ポンプ23によりガスクーラー34において昇温された高温の水を貯湯タンク11に導くようにする。そして、洗浄運転時には、第二の水循環配管22に設けられた第二開閉弁91を閉じ、排水管28に設けられた第一開閉弁90を開き、循環ポンプ23を停止させて、給水圧により、ガスクーラー34の水流通配管39に活水器26により活性化された水を流通させた後に、排水管28を介して排水するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施の形態の給湯装置の構成を示す回路図である。
【図2】本実施形態のヒートポンプユニットのヒートポンプ回路を示す図である。
【図3】本実施の形態の給湯装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態の給湯装置の他の動作を示すフローチャートである。
【図5】排水手段の他の態様を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 タンクユニット
11 貯湯タンク
14 給水管
20 水循環配管
20A 水循環回路
20C 洗浄運転回路
21 第一の水循環配管
22 第二の水循環配管
23 循環ポンプ
26 活水器
27 排水三方弁(排水手段)
28 排水管
30 ヒートポンプユニット
31 圧縮機
32 蒸発器
33 膨張弁(減圧装置)
34 ガスクーラー
39 水流通配管
80 制御部
100 給湯装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクと、圧縮機、ガスクーラー、減圧装置及び蒸発器を有したヒートポンプユニットと、を備え、前記貯湯タンク内の低温の水を循環ポンプを介して前記ガスクーラーに循環し、ガスクーラーで熱交換して昇温された高温の水を前記貯湯タンクに貯湯する貯湯運転を行う給湯装置において、
前記ガスクーラーと前記貯湯タンクとの間の水循環回路に設けられ、前記ガスクーラーに流入する水に磁気的処理又は電気的処理を施して水を活性化する活水器と、
前記貯湯タンク内の水を前記水循環回路に取り出して、前記活水器により活性化された水を、前記ガスクーラーに流通させて排水する排水手段と、
を備えたことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記貯湯運転の終了後に、前記排水手段により排水されること、
を特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記貯湯タンクには、給水管が接続され、
前記排水手段により排水する際には、前記循環ポンプを停止して、前記給水管からの給水圧により前記貯湯タンク内から流出した水を前記ガスクーラーに流通させること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記活水器は、前記貯湯タンクと前記ガスクーラーの水流通経路の入口側とを接続する水循環配管に設けられること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記排水手段は、前記貯湯タンクと前記ガスクーラーの水流通経路の出口側とを接続する水循環配管に設けられた排水弁を有し、当該排水弁を切り替えることにより、当該排水弁に接続された排水管を介して前記ガスクーラーの水流通経路から流出した水を排水すること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項6】
前記排水手段により、所定の時間間隔で排水されること、
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−33250(P2011−33250A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178668(P2009−178668)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】