説明

給湯装置

【課題】水に溶解していた硬度成分が析出したスケールによる水回路の閉塞やポンプの損傷等、スケールによる悪影響を低減することを目的とする。
【解決手段】水を加熱するヒートポンプ装置と、ヒートポンプ装置が加熱した水を内部に蓄える貯湯タンク7と、ヒートポンプ装置と貯湯タンク7とを接続し、端部が貯湯タンク7内部に挿入され、貯湯タンク7内部に挿入された挿入部分12に複数の孔が開けられた流入配管9aと、流入配管9aの挿入部分を覆うように設けられ、挿入部分12に開けられた複数の孔から流出した水が通る流路が設けられたスケールトラップ13とを備える。スケールトラップ13は、スケールが付着する所定の材質で形成され、挿入部分12に開けられた複数の孔から水とともに流出したスケールを捕捉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置において、水を加熱することにより発生する炭酸カルシウムスケールによる悪影響を低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
硬度成分(カルシウム、マグネシウムなど)が溶解している水をある温度以上に加熱すると、水に溶解していた硬度成分が炭酸カルシウムスケール(以下、スケールと呼ぶ)として析出する。
例えば、冷媒と水とを熱交換させて水を加熱するヒートポンプ式の給湯装置において、冷媒と水とを熱交換させる熱交換器の伝熱面にスケールが固着することがある。その結果、熱交換器の熱伝達効率が低下する場合や、熱交換器内の流路の閉塞が起こる場合がある。また、伝熱面から剥離したスケールが水回路へ流れ出ることにより、水回路が閉塞する場合や、水を流すポンプを損傷させる場合がある。その結果、給湯装置の運転が困難になる場合がある。
【0003】
剥離したスケールが貯湯タンクから水回路に戻ることの対策としては、貯湯タンク内部に穴の開いた仕切り板を設置して、貯湯タンクからスケールが流出しないようにする技術がある(特許文献1)。
また、冷媒と水とを熱交換させる熱交換器の伝熱面に付いたスケールを積極的に剥がす技術もある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−275445号公報
【特許文献2】特開2006−266514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術では、冷媒と水とを熱交換させる熱交換器の伝熱面でのスケール発生を抑制する効果はない。また、流路などの閉塞防止という意味では、スケールを水回路に流入させないことによる再付着防止という限定的な効果しかない。
また、特許文献2は、スケールを機械的に剥ぎ落とす技術であるため、スケールを剥がす機構で熱交換器を傷つける恐れや機構そのものが動かなくなってスケールによる閉塞を助長する虞がある。
本発明は、スケールによる水回路の閉塞やポンプの損傷等、スケールによる悪影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る給湯装置は、
水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置が加熱した水を内部に蓄える貯湯タンクと、
前記加熱装置と前記貯湯タンクとを接続し、前記貯湯タンク側の端部が前記貯湯タンク内部に挿入され、前記貯湯タンク内部に挿入された挿入部分に複数の孔が開けられた流入配管であって、前記加熱装置で加熱された水を前記挿入部分に開けられた複数の孔から前記貯湯タンク内部へ流入させる流入配管と、
前記流入配管の前記挿入部分を覆うように設けられ、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から流出した水が通る流路が設けられたスケールトラップであって、水の硬度成分が析出したスケールが付着する所定の材質で形成され、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から前記水とともに流出した前記スケールを捕捉するスケールトラップと
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る給湯装置では、貯湯タンクの流入口付近に設けられたスケールトラップによりスケールを捕捉し、貯湯タンク内に入ったスケールを水回路に流出させない。そのため、スケールによる水回路の閉塞やポンプの損傷等、スケールによる悪影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係るヒートポンプ式の給湯装置30の回路構成図。
【図2】実施の形態1に係るスケールトラップ13の説明図。
【図3】実施の形態2に係るスケールトラップ13の説明図。
【図4】実施の形態3に係るスケールトラップ13の説明図。
【図5】実施の形態4に係るスケールトラップ13の説明図。
【図6】実施の形態5に係る支柱16の説明図。
【図7】実施の形態6に係るスケール蓄積部17の説明図。
【図8】実施の形態7に係るヒートポンプ式の給湯装置30の回路構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、この発明の実施の形態について説明する。
なお、図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るヒートポンプ式の給湯装置30の回路構成図である。
給湯装置30は、圧縮機1と、熱交換器2と、膨張機構3と、熱交換器4とが順次配管によって接続され、冷媒が循環する冷媒回路5を備える。なお、熱交換器4の近傍には、ファン6が設けられる。
また、給湯装置30は、熱交換器2と、貯湯タンク7と、ポンプ8とが順次配管によって接続され、水が循環する水回路9を備える。
【0011】
冷媒回路5では、圧縮機1で高温高圧となったガス冷媒が、熱交換器2で水回路9を循環する水と熱交換され、液冷媒になる。液冷媒は、膨張機構3で膨張され、気液二相冷媒になる。気液二相冷媒は、熱交換器4でファン6により送られた外気と熱交換され、ガス冷媒になり、再び圧縮機1に吸入される。
一方、水回路9では、熱交換器2でガス冷媒と熱交換されることにより、加熱された水(温水)が貯湯タンク7の上部に接続された配管(流入配管9a)から貯湯タンク7内に流入して、貯湯タンク7内に蓄えられる。貯湯タンク7内に蓄えられた水(温水)は、貯湯タンク7の上部に接続された送水配管10からサニタリー設備等へ送水される。送水配管10から送水されることにより不足した分、水(冷水)が貯湯タンク7の下部に接続された給水配管11から貯湯タンク7内に供給される。また、ポンプ8により、貯湯タンク7の下部に接続された配管(流出配管9b)から貯湯タンク7内の水が流出して、熱交換器2へ流入する。
【0012】
給湯装置30において、貯湯タンク7と流入配管9aとの接続部分には、スケールトラップ13が設けられている。スケールトラップ13は、流入配管9aから貯湯タンク7へ流入するスケールを捕捉して、貯湯タンク7へ流入したスケールが流出配管9bから再び水回路9へ流出することを防止するものである。
【0013】
図2は、実施の形態1に係るスケールトラップ13の説明図である。
流入配管9aの先端部分(挿入部分12)は、貯湯タンク7の上部から貯湯タンク7内に挿入されている。なお、ここでは、挿入部分12は、熱交換器2と接続された配管とフランジ式継ぎ手14により接続されている。挿入部分12には、配管の終端部12aも含め、多数の孔が開けられている。
スケールトラップ13は、挿入部分12の周囲を覆うように設けられた網状体13aと、網状体13aと挿入部分12との間に充填されたシリコンゴムチップ13bとにより構成される。
【0014】
シリコンゴムチップ13bは、球体状、楕円球体状、円柱状、歪な形状など、隣接するチップ間で必ず隙間が生じる曲面や凸部を多く持つ形状である。隙間を確実に確保することで、流入配管9aから流入した水の流れを邪魔することがない。シリコンゴムチップ13bは、シリコンゴムチップ13b間で形成される隙間が1〜10mm程度になることと、表面積を多くすることとを考慮して、球体状であれば粒径5〜10mm程度が望ましい。楕円球体状であれば短軸長が5〜10mm程度で長軸長が短軸長の3倍以下程度が望ましい。円柱状であれば、胴径が5〜10mm程度で高さが胴径と同一長さから3倍以下程度が望ましい。歪な形状の場合もチップの最短幅が5〜10mm程度で最長幅が最短幅と同一長さから3倍以下程度とすることが望ましい。
【0015】
網状体13aの網目の大きさは、シリコンゴムチップ13bが漏れることなく、水の流れを邪魔しないようにするため、シリコンゴムチップ13bの最短径や幅の90%程度がよい。網状体13aの材質は、挿入部分12と同質の金属か、100℃の熱水に耐える樹脂材料のネット等を適用して、異種金属が接触することによる腐食(異種金属接触腐食)を起こさないようにする。
【0016】
流入配管9aから流入する水は、挿入部分12に開けられた多数の孔を通り、シリコンゴムチップ13bの間に形成された隙間(流路)を通り、網状体13aの網目を通って、貯湯タンク7内に蓄えられる。シリコンゴムチップ13bの間に形成された隙間を通る際、水とともに貯湯タンク7内に流入したスケールは、シリコンゴムチップ13bの表面にスケールが付着する。したがって、貯湯タンク7内にスケール微粒子が拡散することを防止できる。また、貯湯タンク7へ流入したスケールが再び、流出配管9bから水回路9へ流出することも防止できる。さらに、シリコンゴムチップ13bの表面は、水に溶解しているカルシウム成分が析出し成長する箇所にもなる。
【0017】
なお、多くのスケールを捕捉するため、挿入部分12に開けられた孔から出た水がシリコンゴムチップ13bの間に形成された隙間を通過する距離は長い方が望ましい。しかし、スケールトラップ13が大きすぎると、フランジ式継ぎ手14によって脱着できなくなることが予測される。そのため、シリコンゴムチップ13bの挿入部分12からの厚みは50mm程度とするのがよい。
【0018】
また、シリコンゴムは、スケールが付着しやすい性質を持っているため、スケールトラップの構成材料として有効である。スケールが付着しやすい材料としては、この他に、ガラス、ポリプロピレン、ゼオライト等があり、シリコンゴムの代わりにこれらの材質のチップを用いてもよい。
【0019】
また、挿入部分12には、配管の終端部12aの部分も含め、多数の孔が開けられている。そのため、シリコンゴムチップ13bを通過する流路が挿入部分12を中心に全方向に存在する。したがって、ある部分のパスが閉塞しても、それまで流れていなかったパスが流路となり、詰まりが起こりにくい。
【0020】
また、挿入部分12は、フランジ式継ぎ手14で貯湯タンク7に取り付けられているため、スケールトラップ13の交換も容易である。
【0021】
また、貯湯タンク7の下に位置する流出配管9bの入口近傍に防御板15を取り付け、スケールトラップからスケールが零れ出た場合でも、そのスケールが水回路に入ることを防止する。防御板15の材質は異種金属接触腐食を避けるため、貯湯タンク7と同質が望ましい。
【0022】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1とは異なる構成のスケールトラップ13について説明する。
【0023】
図3は、実施の形態2に係るスケールトラップ13の説明図である。
実施の形態2に係るスケールトラップ13は、シリコンゴムで形成された網状体であるシリコンゴムメッシュ13cを、挿入部分12を覆うように、挿入部分12の周りに複数重ねて巻きつけて構成される。
【0024】
シリコンゴムメッシュ13cは、メッシュの目の大きさが5〜10mm程度であり、メッシュを構成するシリコンゴムの太さは1〜3mm程度である。この程度のメッシュ口径と太さであれば、1〜10mm程度の隙間がスケールトラップ内に流路として形成される。シリコンゴムメッシュ13cを重ねて巻く巻き数は、厚みが50mm程度となるようにするのが、フランジ式継ぎ手14の脱着とトラップスケール量の観点から望ましい。
【0025】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1,2とは異なる構成のスケールトラップ13について説明する。
【0026】
図4は、実施の形態3に係るスケールトラップ13の説明図である。
実施の形態3に係るスケールトラップ13は、シリコンゴムで形成された紐状体であるシリコンゴム紐13dを、挿入部分12を覆うように、挿入部分12の周りに複数吊るして構成される。
【0027】
シリコンゴム紐13dの太さは、シリコンゴム紐13d間に流路を形成する観点から1〜3mm程度が望ましい。シリコンゴム紐13dは、フランジ式継ぎ手14の脱着を可能とすることと、捕捉するスケールの量とを考慮して、挿入部分12からの厚みが50mm程度となるように吊るすのが望ましい。
【0028】
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態1−3とは異なる構成のスケールトラップ13について説明する。
【0029】
図5は、実施の形態4に係るスケールトラップ13の説明図である。
実施の形態4に係るスケールトラップ13は、シリコンゴムチップを数珠状に連ねた数珠紐13eを、挿入部分12を覆うように、挿入部分12の周りに複数吊るして構成される。
【0030】
数珠の粒径は、数珠紐13e間に流路を形成する観点から5〜10mm程度が望ましい。数珠紐13eは、フランジ式継ぎ手14の脱着を可能とすることと、捕捉するスケールの量とを考慮して、挿入部分12からの厚みが50mm程度となるのが望ましい。
数珠を繋ぐ糸は、ナイロンなど耐熱性が高いものが望ましい。
【0031】
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態1−4で説明したスケールトラップ13の破損、落下を防止する支柱16について説明する。
【0032】
図6は、実施の形態5に係る支柱16の説明図である。なお、図6では、スケールトラップ13の一例として、実施の形態1に係るスケールトラップ13を示している。
スケールトラップ13によって捕捉されるスケールの量が多く、重量が重くなると、スケールトラップ13が破損して、落下してしまう虞がある。そこで、このようなことが想定される場合に、スケールトラップ13を支えるための支柱16を設ける。
【0033】
支柱16は、貯湯タンク7の内壁に固定されるとともに、挿入部分12又はスケールトラップ13に固定される。支柱16と挿入部分12やスケールトラップ13とは、取り外しが可能な締結方法、例えばスクリューネジによる締結や、凸凹の継ぎ合わせによる締結とする。
支柱16の材質は、異種金属接触腐食を避けるため貯湯タンク7と同質が望ましい。
【0034】
なお、図6では、支柱16は貯湯タンク7の底部に固定されていたが、支柱16は貯湯タンク7の側部等に固定されていてもよい。また、支柱16は、スケールトラップ13の下側全体を支えるように設けられてもよい。
【0035】
実施の形態6.
実施の形態6では、貯湯タンク7内に流入したスケールを蓄積するスケール蓄積部17について説明する。
【0036】
図7は、実施の形態6に係るスケール蓄積部17の説明図である。
スケール蓄積部17は、挿入部分12の下に設けられ、貯湯タンク7の底から挿入部分12側へ向かって徐々に内周が大きくなる逆円錐状の筒型に形成される。特に、スケール蓄積部17は、挿入部分12の下側の周囲を囲うように、挿入部分12の終端部12aよりも高い位置まで形成される。また、スケール蓄積部17の底には、排出口18が設けられる。
なお、挿入部分12は、実施の形態1−5とは異なり、配管の終端部12aにのみ孔(流入口)が開けられている。
【0037】
流入配管9aから流入する水は、挿入部分12の終端部12aから貯湯タンク7内へ流入する。なお、貯湯タンク7内には、通常一定量以上(例えば、図7の破線aより上まで)の水が溜まっている。終端部12aから貯湯タンク7内へ流入した水は、流入する勢いにより一旦スケール蓄積部17内へ入る(図7(1))。なお、スケール蓄積部17が終端部12aよりも高い位置まで形成されているため、スケール蓄積部17内へ入ることなくスケール蓄積部17の外部へ流れることはない。しかし、終端部12aから貯湯タンク7内へ流入した水は、温度が高いため、貯湯タンク7に溜まった水との温度差により徐々に上側へ移動して、スケール蓄積部17の外部へ出る(図7(2))。このとき、水とともにスケール蓄積部17へ入ったスケールは、重みによりスケール蓄積部17の底に溜まる(図7(3))。したがって、スケール蓄積部17の外部へスケールが出ることを防止できる。
スケール蓄積部17の底に溜まったスケールは、排出口18の蓋を開けることにより、取り除くことができる。
スケール蓄積部17の材質は、異種金属接触腐食を避けるため貯湯タンク7と同質が望ましい。
【0038】
なお、図7では、スケールトラップ13が設けられていない例を示したが、実施の形態1−4で説明したスケールトラップ13が設けられていてもよい。特に、実施の形態3,4で説明したスケールトラップ13では、シリコンゴム紐13dや数珠紐13eの先端からスケールが落下することも考えられるので、実施の形態3,4で説明したスケールトラップ13とともにスケール蓄積部17を設けると効果的である。
【0039】
実施の形態7.
実施の形態7では、熱交換器2にスケールが付着しにくくする方法について説明する。
【0040】
図8は、実施の形態7に係るヒートポンプ式の給湯装置30の回路構成図である。
実施の形態7に係る給湯装置30は、図1に示す実施の形態1に係る給湯装置30の構成に加え、ポンプ8と熱交換器2との間に開閉弁19が設けられている。また、ポンプ8と開閉弁19の間から、開閉弁19と熱交換器2の間までを繋ぐバイパス配管20が設けられている。さらに、開閉弁19を所定の時間毎に開閉する制御装置31が設けられている。
なお、バイパス配管20が設けられているため、開閉弁19が閉じている場合であっても、ポンプ8から熱交換器2への水の流れは完全には止まらない。
【0041】
制御装置31により開閉弁19の開閉が行われると、水回路9を流れる水流に脈動が生じる。特に、熱交換器2へ流入する水流に脈動が生じる。そのため、熱交換器2を流れる水の流速に大きな変化が付く。流速の大きな変化より、熱交換器2の伝熱面と流体界面との剪断応力が変化し、伝熱面に析出したスケールを剥がす力が生じる。そのため、析出したスケールが伝熱面に付着しづらくなる。
その結果、貯湯タンク7へ流入するスケールの量は増える。しかし、貯湯タンク7には、実施の形態1−4で説明したスケールトラップ13(又は実施の形態6で説明したスケール蓄積部17)が設けられており、貯湯タンク7へ流入したスケールはスケールトラップ13(又はスケール蓄積部17)に捕捉される。
【0042】
なお、実施の形態2に係るシリコンゴムメッシュ13cや、実施の形態3に係るシリコンゴム紐13dや、実施の形態4に係る数珠紐13eのシリコンゴムチップは、シリコンの代わりに、ガラス、ポリプロピレン、ゼオライト等で形成されてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 圧縮機、2 熱交換器、3 膨張機構、4 熱交換器、5 冷媒回路、6 ファン、7 貯湯タンク、8 ポンプ、9 水回路、9a 流入配管、9b 流出配管、10 送水配管、11 給水配管、12 挿入部分、12a 終端部、13 スケールトラップ、13a 網状体、13b シリコンゴムチップ、13c シリコンゴムメッシュ、13d シリコンゴム紐、13e 数珠紐、14 フランジ式継ぎ手、15 防御板、16 支柱、17 スケール蓄積部、18 排出口、19 開閉弁、20 バイパス配管、30 給湯装置、31 制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置が加熱した水を内部に蓄える貯湯タンクと、
前記加熱装置と前記貯湯タンクとを接続し、前記貯湯タンク側の端部が前記貯湯タンク内部に挿入され、前記貯湯タンク内部に挿入された挿入部分に複数の孔が開けられた流入配管であって、前記加熱装置で加熱された水を前記挿入部分に開けられた複数の孔から前記貯湯タンク内部へ流入させる流入配管と、
前記流入配管の前記挿入部分を覆うように設けられ、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から流出した水が通る流路が設けられたスケールトラップであって、水の硬度成分が析出したスケールが付着する所定の材質で形成され、前記挿入部分に開けられた前記複数の孔から前記水とともに流出した前記スケールを捕捉するスケールトラップと
を備えることを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記スケールトラップは、前記挿入部分を覆うように設けられた網状体と、前記網状体と前記挿入部分との間に充填されたチップであって前記所定の材質で形成されたチップとによって構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記スケールトラップは、前記所定の材質で形成された網状体を、前記挿入部分を覆うように前記挿入部分の周りに複数重ねて巻きつけて構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記スケールトラップは、前記所定の材質で形成された紐状体を、前記挿入部分を覆うように前記挿入部分の周りに複数吊るして構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記スケールトラップは、前記所定の材質で形成されたチップを数珠状に連ねた数珠紐を、前記挿入部分を覆うように前記挿入部分の周りに複数吊るして構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項6】
前記流入配管は、前記貯湯タンクの上部に挿入され、
前記給湯装置は、さらに、
前記貯湯タンクの内部に固定され、前記スケールトラップの下部を支える支持部材
を備えることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項7】
前記給湯装置は、さらに、
前記貯湯タンクの内部における前記スケールトラップの下に設けられ、前記スケールトラップから落下したスケールが蓄積される蓄積部
を備えることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項8】
前記給湯装置は、さらに、
前記貯湯タンクと前記加熱装置とを接続し、前記貯湯タンクから流出した水を前記加熱装置へ流入させる流出配管であって、途中に開閉機構が設けられた流出配管と、
前記貯湯タンクから前記流出配管へ流出した水を、前記開閉機構をバイパスして前記加熱装置へ流入させるバイパス配管と、
前記開閉機構を所定の間隔で開閉制御する制御部と
を備えることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項9】
前記所定の材質は、シリコン、ガラス、ポリプロピレン、ゼオライトのいずれかである
ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−207846(P2012−207846A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73504(P2011−73504)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】