説明

給紙トレイおよびこの給紙トレイが適用された画像形成装置

【課題】車椅子の着座者および健常者の双方にとって使い勝手のよい取手を備えた給紙トレイを提供する。
【解決手段】 画像形成装置10に対し挿脱可能に設けられる、転写用の用紙Pの束を貯留し、必要に応じて転写処理のために給紙し得るように構成された給紙トレイ20であって、当該給紙トレイ20の装置本体11への装着状態をロックするロック機構部40と、当該給紙トレイ20が装置本体11にロックされた状態で当該ロックを解除するべく操作される、給紙トレイ20の前面から前方へ向かって突設された取手50とを有し、ロック機構部40は、取手50を中立位置から上方および下方のいずれの方向に操作してもロックを解除し得るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に対し挿脱可能に設けられる、転写用の用紙の束を貯留し、必要に応じて転写処理のために給紙し得るように構成された給紙トレイに関するものであり、特に車椅子の着座者が容易に引き出し操作することができる給紙トレイおよびこの給紙トレイが適用された画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において画像を転写するべく使用される用紙の束を貯留する給紙トレイが知られている。この給紙トレイは、通常、画像形成装置の装置本体の正面下部位置に当該装置本体に対し挿脱可能に設けられている。
【0003】
かかる給紙トレイを装置本体から引き出し操作するために、給紙トレイの正面側には取手が設けられている。ところで、車椅子に着座した人がこの取手を操作しよとすれば、車椅子を給紙トレイの正面側に位置させて取手と対面しなければならず、そうすると車椅子が邪魔になって給紙トレイを引き出すことができなくなる。
【0004】
そこで、このような不都合を解消するべく、特許文献1に記載の給紙トレイには、その側面に第2の取手が設けられている。こうすることにより、車椅子の着座者は、車椅子を装置本体の側面に位置させて第2の取手を操作することが可能になり、これによって給紙トレイを車椅子に干渉することなく引き出すことができる。
【0005】
因みに、特許文献1の給紙トレイにおいては、ただ単に取手に手を入れて引き出し方向に向けて力を加えるだけで給紙トレイが装置本体から引き出されるようになされている。これに対し、給紙トレイを引き出すに際し当該取手を所定の方向に操作することでロックが解除されて給紙トレイが引き出し可能になるように構成されたものも多い。
【特許文献1】特開2006−76695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような取手の場合には、当該取手は、一方向(通常、操作者に向かう方向)に向けて操作し得るようにのみなされているため、車椅子の着座者にとっては必ずしも操作が容易であるとは言い難い。
【0007】
そこで、車椅子の着座者が操作し易くするべく、例えば取手を上から押圧操作し得るようにすることが考えられる。しかしながらこのようにすると、立位の健常者が低い位置にある取手をさらに下方に向かって操作しなければならなくなり、操作性が悪いという不都合が生じる。
【0008】
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、車椅子の着座者および健常者の双方にとって使い勝手のよい取手を備えた給紙トレイおよびこの給紙トレイが適用された画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、画像形成装置に対し挿脱可能に設けられた、転写処理のために給紙し得るように用紙の束が貯留される用紙貯留ボックスを備えた給紙トレイであって、用紙貯留ボックスの装置本体への装着状態をロックするロック機構部と、前記給紙トレイが前記ロック機構部により装置本体にロックされた状態で当該ロックを解除するべく操作される、用紙貯留ボックスの前面から前方へ向かって突設された取手とを有し、ロック機構部は、取手を水平方向に延びた中立位置から上方および下方のいずれの方向に操作してもロックを解除し得るように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
かかる構成によれば、ユーザーは、状況に応じて取手を上方および下方のいずれの方向に操作しても、用紙貯留ボックスの装置本体に対するロック機構部によるロック状態を解除することができるため、取手の操作の汎用性が向上し、これによって給紙トレイが使い勝手のよいものになる。
【0011】
そして、特に画像形成装置のユーザーが車椅子の着座者である場合、車椅子上からのロック解除操作において、当該取手を上方に引き上げるのは困難であるが、下方へ押し下げるのは容易であり、これによって、たとえ車椅子の着座者であっても給紙トレイ20の装置本体11からの引き出し操作が簡単になる。
【0012】
また、ユーザーが立位の健常者である場合、取手を上方に引き上げる操作により給紙トレイの装置本体に対するロックを解除することができ、健常者にとってもロック解除操作が容易になる。
【0013】
また、給紙トレイが装置本体の最下部に設けられているものである場合、取手を手で操作するのは困難であるが、このような場合、取手を足で踏むことによりロックが解除されるため、ロック解除のためにユーザーが前屈みになる必要がなく、取手は、操作性が優れたものになる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記取手は、所定の回動軸回りに回動自在に用紙貯留ボックスの前面の化粧板に当該化粧板を貫通して設けられ、前記ロック機構部は、用紙貯留ボックスが装置本体内に押し込まれた状態で引き出し方向と直交する方向に移動することにより先端が装置本体に設けられた係止孔に係合してロックするロックロッドを有し、前記取手と前記ロックロッドとの間には、取手の前記回動軸回りの回動を前記ロックロッドの移動に変換するリンク機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
かかる構成によれば、取手を回動軸回りにいずれの方向に向けて回動させても、当該取手の回動操作は、リンク機構を介してロックロッドの水平移動に変換されて当該ロックロッドの装置本体に対する係止孔を介したロック状態が解消される。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記リンク機構は、前記取手の前記回動軸回りの回動に第1リンク軸を介して前端部がリンクされた第1リンクアームと、この第1リンクアームの後端部に第2リンク軸を介してリンクされた前後方向に向かって水平移動する第2リンクアームと、前記第2リンクアームと前記ロックロッドとの間に介設され、かつ、第2リンクアームの前後方向に向かう水平移動を前記ロックロッドの第2リンクアームに対する直交方向に向かう移動に変換する第3リンクアームとを備えていることを特徴とするものである。
【0017】
かかる構成によれば、第2リンクアームの前後方向に向かう水平移動は、第3リンクアームを介してロックロッドの、第3リンクアームと直交する方向へ向かう移動に変換され、これによってロックロッドによる装置本体に対するロック状態が解除される。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記第3リンクアームは、前端部が前記第2リンクアームの後端部に設けられた第3リンク軸回りに回動自在に軸支されているとともに、後端部がロックロッドの基端部に設けられた第4リンク軸に回動自在に軸支され、前記装置本体には、第3リンクアームの第3リンク軸回りの回動を、第4リンク軸を介してロックロッドの、第2リンクアームの移動方向に対する直交方向への移動に変換させるように規制する規制部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
かかる構成によれば、簡単な構造でありながら、第2リンクアームの前後方向に向かう移動を第3リンクアームを介してロックロッドの直交方向へ向かう移動に変換することができ、リンク機構のコストの低減化に貢献する。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記ロック機構部には、前記取手の水平姿勢を維持させるための付勢部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
かかる構成によれば、取手は、操作された後に付勢部材の付勢力により自動的に基の水平姿勢に戻るため、給紙トレイが装置本体内に押し込まれた状態で取手を一々水平姿勢に姿勢設定することでロックロッドを装置本体に係止させる操作を行う必要がなくなり、取手の操作性が向上する。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記取手の操作する部分には、滑り止めが形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
かかる構成によれば、取手に設けられた滑り止めにより当該取手の操作時に手が滑って操作がし難くなるような不都合の発生が防止される。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6に記載の給紙トレイが適用されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0025】
かかる構成によれば、画像形成装置は、請求項1乃至6に記載の給紙トレイが有する作用効果を享受し得るものになる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る給紙トレイによれば、取手を上方および下方のいずれに向けて操作しても、給紙トレイの装置本体に対するロック状態が解除されるため、下方へ押圧することの方が操作が容易な車椅子の搭乗者および上方へ引き上げることの方が操作が容易な立位の健常者の双方にとって給紙トレイはロック解除操作が行い易いものになり、総じて当該給紙トレイを使い勝手のよいものにすることができる。
【0027】
本発明に係る画像形成装置によれば、当該画像形成装置は、本発明に係る給紙トレイが適用されていることで、当該給紙トレイが有する作用効果を享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明に係る画像形成装置10の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、画像形成装置10の内部構造を説明するための正面断面視の説明図である。なお、図1および図2においてX−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
【0029】
まず、図1に示す画像形成装置10は、いわゆる胴内排紙型と称される複写機であり、装置本体11に画像形成部12と、定着部13と、用紙貯留部14と、排紙部15と、画像読取部16と、操作部17とが形成されている。そして、画像読取部16の下部で装置本体11の一部が凹没されることによって前記排紙部15が形成され、これにより当該画像形成装置10が胴内排紙型と称されている。
【0030】
前記装置本体11は、外観視で直方体状を呈した下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された扁平な直方体状を呈する上部本体112と、この上部本体112と前記下部本体111との間に介設された連結体113とを備えている。前記連結体113は、下部本体111と上部本体112との間に排紙部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、下部本体111の左部から立設されている。前記上部本体112は、その左部がかかる連結体113の上端部に支持されている。
【0031】
そして、前記下部本体111には、画像形成部12、定着部13および用紙貯留部14が内装されているとともに、前記上部本体112には画像読取部16が装着されている。前記操作部17は、本実施形態においては、上部本体112の前縁部から前方に向かって突設されている。
【0032】
前記排紙部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。かかる排紙部15は、下部本体111の上面に形成された胴内排紙トレイ151を有し、画像形成部12からのトナー画像が転写された用紙Pは、連結体113の下部からこの胴内排紙トレイ151へ向けて排出される。
【0033】
以下、画像形成部12について図2を基に説明する。前記画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙Pにトナー像を形成させるものであり、図2に示すように、上流側(右側)から下流側へ向けて順次配設されたマゼンタ用ユニット12M、シアン用ユニット12C、イエロー用ユニット12Yおよびブラック用ユニット12Kとを備えている。
【0034】
各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム121および現像装置122がそれぞれ備えられている。各感光体ドラム121は、図2において反時計方向へ向けて回転しつつ対応した現像装置122からトナーが供給される。各現像装置122には、装置本体11の前面側(図2の紙面の表側)に配設された図略のトナーカートリッジからトナーが補給される。
【0035】
各感光体ドラム121の直下位置には帯電器123がそれぞれ設けられているとともに、各帯電器123のさらに下方位置には露光装置124が設けられている。そして、各感光体ドラム121は、前記帯電器123によって周面が一様に帯電され、画像読取部16で読み取られた画像データに基づく各色に対応したレーザー光が前記各露光装置124から帯電後の感光体ドラム121の周面に照射されることにより、各感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置122からトナーが供給されることにより、感光体ドラム121の周面にトナー像が形成される。
【0036】
前記感光体ドラム121の上方位置には、当該各感光体ドラム121に当接するように駆動ローラ125aおよび従動ローラ125b間に張設された転写ベルト125が設けられている。
【0037】
この転写ベルト125は、各感光体ドラム121に対応して設けられた転写ローラ125cによって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を周回する。
【0038】
従って、転写ベルト125が周回することによりその表面に対しマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタのトナー像の転写が行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にシアン用ユニット12Cの感光体ドラム121によるシアンのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にイエロー用ユニット12Yの感光体ドラム121によるイエローのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、最後のブラック用ユニット12Kの感光体ドラム121によるブラックのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれる。
【0039】
これらによって転写ベルト125の表面にカラー画像形成される。この転写ベルト125の表面に形成されたカラー画像が用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写されることになる。
【0040】
そして、各感光体ドラム121の図2における右方位置には当該感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去して清浄化するドラムクリーニング装置126が設けられている。ドラムクリーニング装置126によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電器123へ向かうことになる。
【0041】
前記ドラムクリーニング装置126で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収される。
【0042】
かかる画像形成部12の左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路127が設けられている。この用紙搬送路127には、適所に搬送ローラ対127aが設けられ、用紙貯留部14からの用紙Pがこの搬送ローラ対127aの駆動で駆動ローラ125aに掛け回されている転写ベルト125へ向けて搬送される。
【0043】
かかる用紙搬送路127には、駆動ローラ125aと対向した位置に転写ベルト125の表面と当接した第2転写ローラ128が設けられ、用紙搬送路127を通して搬送されつつある用紙Pが転写ベルト125と第2転写ローラ128とに押圧挟持されることによって転写ベルト125上のトナー像が当該用紙Pに転写される。
【0044】
そして、転写ベルト125の右方には、当該転写ベルト125の表面に残留した残留トナーを除去する図略のベルトクリーニング装置125dが設けられ、用紙Pへの転写処理が完了した転写ベルト125は、表面の残留トナーがこのベルトクリーニング装置125dによって取り除かれ清浄化された状態で次の転写処理へ向けて周回される。
【0045】
前記定着部13は、画像形成部12で転写された用紙P上のトナー像に対し定着処理を施すものであり、内部に加熱源であるハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた定着ローラ131と、左方でこの定着ローラ131と対向配置された加圧ローラ132とを備えている。そして、第2転写ローラ128を介して画像形成部12から導出された転写処理済の用紙Pは、これら定着ローラ131および加圧ローラ132間に押圧挟持されつつ定着ローラ131による加熱処理でトナー像が定着され、用紙P上に安定した状態のカラー画像が形成される。
【0046】
定着処理の完了したカラー印刷済みの用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路129を通り、排出ローラ対152を介して胴内排紙トレイ151へ向けて排出される。
【0047】
前記用紙貯留部14は、装置本体11における露光装置124の下方位置に挿脱自在に装着された、本発明に係る給紙トレイ20(図1では2段で示しているが、図示の都合上、図2では1段で示している)を有している。給紙トレイ20には用紙束が貯留される。そして、給紙トレイ20に貯留された用紙束からピックアップローラ141の駆動で用紙Pが1枚ずつ繰り出され、用紙搬送路127を通って画像形成部12へ導入される。
【0048】
前記画像読取部16は、前記上部本体112の上面開口に装着された、原稿P1が原稿面を下にして載置されるコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161上に載置された原稿を押さえるための当該コンタクトガラス161に対し開閉自在とされた原稿マット162と、コンタクトガラス161上に載置された原稿P1の原稿画像を読み取るための上部本体112に内装された光学系ユニット163とを備えている。
【0049】
前記光学系ユニット163は、コンタクトガラス161上に載置された原稿が原稿マット162によって押さえられた状態で、下方からコンタクトガラス161を介して原稿画像を光源164の移動による走査で原稿面からの反射光によりCCD(charge coupled device)165により読み取るようになっている。CCD165により読み取られた原稿の画像情報は、ディジタル化処理が施された上で画像形成部12の露光装置124へ向けて出力される。
【0050】
前記操作部17は、画像形成処理に関する各種の項目(用紙サイズや処理部数等)を入力操作するためのものである。かかる操作部17には、図1に示すようにスタートキー171や数値情報を入力するためのテンキー172、さらには現に行われたテンキー172による入力情報やエラーメッセージ等を表示するLCD(Liquid crystal display)173等が設けられている。
【0051】
図3は、給紙トレイ20の一実施形態を示す斜視図であり、装置本体11から引き出された状態を示している。なお、図3におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。図3に示すように、給紙トレイ20は、用紙Pの束を貯留するための平面視で矩形状を呈し、かつ、上面が開口された用紙貯留ボックス30と、この用紙貯留ボックス30の前方の側板(後述の前側板32)に付設されたロック機構部40とを備えている。
【0052】
前記用紙貯留ボックス30は、平面視で矩形状を呈する底板31と、この底板31の前縁部から立設された前側板32と、底板31の左縁部から立設された左側板33と、底板31の右縁部から立設された右側板34と、底板31の後縁部から立設された後側板35とを備えている。これら各側板32,33,34,35により囲繞された空間に用紙Pの束を貯留するための用紙貯留空間が形成されている。
【0053】
かかる用紙貯留ボックス30には、底板31上に前後動可能に構成された前後一対の前後位置設定カーソル36が設けられているとともに、右方位置に右端位置設定カーソル37が設けられている。そして、用紙Pの束が前後位置規制カーソル36上における一対の前後位置設定カーソル36間および右端位置設定カーソル37の左方位置に装填された状態で、一対の前後位置設定カーソル36を互いに対向方向に向けて移動させるとともに、右端位置設定カーソル37を左方へ移動させることにより、用紙Pの束を用紙貯留ボックス30内で位置決めされる。
【0054】
前記ロック機構部40は、給紙トレイ20を装置本体11に押し込んだ状態で、当該装着状態をロックしたり、このロックを解除したりするものである。かかるロック機構部40は、用紙貯留ボックス30の前方に形成された支持枠体41に支持されている。
【0055】
前記支持枠体41は、前記前側板32の左端部から前方に向かって突設された左枠体42と、前記右側板34の前端部から前側板32を越えて前方に向けて延設された右枠体43と、これら左枠体42および右枠体43の前端部間に架設された化粧板44とを備えている。これら前側板32、左枠体42、右枠体43および化粧板44に囲まれた平面視で矩形状の枠内にロック機構部40の主要部が形成されている。
【0056】
以下、図4および図5を基に、必要に応じて図1〜図3を参照しながらロック機構部40について説明する。図4および図5は、ロック機構部40の一実施形態を示す斜視図であり、図4は、分解斜視図、図5は、一部切り欠き組み立て斜視図である。なお、図4および図5におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
【0057】
まず、図4に示すように、ロック機構部40は、給紙トレイ20を引き出すときに把持されたり、給紙トレイ20の装置本体11に対するロックおよびロック解除を行うときに操作されたりする取手50と、この取手50の操作により装置本体11に対して係脱する左右一対のロックロッド60と、これら一対のロックロッド60と前記取手50間に介設されるリンク機構70と、前記リンク機構70を支持する支持部材80と、前記リンク機構70に付勢力を付与するコイルスプリング(付勢部材)90とを備えている。前記支持部材80は、前側板32の前面側における左右方向の中央部に固定されている。
【0058】
前記取手50は、図1および図3に示すように、前記化粧板44の中央部に設けられている。かかる取手50は、U字状に形成され、ユーザーが操作する操作杆51と、この操作杆51の両端部から後方に向けて突設された左右方向一対の回動杆52と、各回動杆52の略中央部から互いに反対方向に向けて突設された支持軸53と、右側の支持軸53の後端部から突設された前記コイルスプリング90の一方の端部を係止するための取手側係止片54とを備えている。
【0059】
前記操作杆51の表面(少なくとも上面)には、一方向に延びる複数本の細溝と他方向に延びる複数本の細溝とが互いにクロス状態で凹設されることにより形成されたローレット(滑り止め)511が設けられている。ユーザーは、かかるローレット511の存在で操作杆51を滑り止め状態で安定して操作することができる。
【0060】
一方、化粧板44には、取手50を取り付けるための取付開口441(図3および図5参照)が貫設されている。この取付開口441の左右の側壁442には、互いに対向した支持孔443(図5)が穿設されている。そして、前記取手50は、前記各支持軸53を対応した各支持孔443にそれぞれ嵌め込むことにより、支持軸53回りに正逆回動可能(すなわち揺動可能)に化粧板44に装着される。
【0061】
前記一対のロックロッド60は、図3に示すように、それぞれ前記前側板32の中央部(支持部材80が設けられている位置の左右方向の若干外側)を起点として当該前側板32に沿った状態で互いに反対方向に向けて左右方向に延びるように設けられている。かかる各ロックロッド60は、図4に示すように、円柱状のロッド本体61と、各ロッド本体61の先端側のそれぞれ設けられた係止爪片62と、各ロッド本体61の基端側にそれぞれ設けられた扁平な連結片63とを備えている。前記連結片63は、当該ロックロッド60をリンク機構70に連結するためのものである。
【0062】
前記ロッド本体61は、図3に示すように、左側のものについては、その係止爪片62が左枠体42から左方に向けて突出するとともに、右方のものについては、その係止爪片62が右枠体43から右方に向けて突出するように長さ寸法が設定されている。
【0063】
一方、装置本体11における給紙トレイ20を装着する部分の左右の側壁114(図5)には、各係止爪片62が嵌め込まれる係止孔115がそれぞれ穿設されている。これらの係止孔115に各係止爪片62がそれぞれ嵌め込まれることにより、図5に示すように、給紙トレイ20の装置本体11への装着状態がロックされる。
【0064】
かかる係止爪片62は、平面視で台形状に形成されており、前縁部に形成された左右方向に延びる係止縁部621と、各係止縁部621の先端側から後方に向かって互いに接近するように傾斜した傾斜縁部622とを有している。そして、給紙トレイ20が装置本体11にロックされた状態では、図5に示すように、係止爪片62の係止縁部621が側壁114の係止孔115の前縁部に当止し、これによって給紙トレイ20の装置本体11からの引き出しが阻止される。
【0065】
また、用紙貯留ボックス30の前側板32には、前面側にロッド本体61が摺接状態で貫通される左右一対の支持突片321がそれぞれ支持部材80を挟んで突設されている。各ロッド本体61は、対応した支持突片321にそれぞれ貫通支持されることにより位置決めされている。
【0066】
前記リンク機構70は、取手50の一方の回動杆52(図4に示す例では左方の回動杆52)の先端(後端)に連結された第1リンクアーム71と、この第1リンクアーム71の先端に連結された第2リンクアーム72と、この第2リンクアーム72の先端に連結された左右一対の第3リンクアーム73とを備えている。
【0067】
回動杆52と第1リンクアーム71とは、これらに貫通された左右方向へ延びる第1リンク軸701回りに互いに回動自在に軸支されている。また、第1リンクアーム71と第2リンクアーム72とは、これらに貫通された左右方向へ延びる第2リンク軸702回りに互いに回動自在に軸支されている。
【0068】
前記第2リンクアーム72の後端部には、後方へ向かって突設された上下方向で扁平な軸座721が設けられている。この軸座721には、その上面から上方に向かって突設された第3リンク軸703が設けられている。そして、前記一対の第3リンクアーム73は、それらの前端が前記第3リンク軸703にそれぞれ貫通されることにより、第3リンク軸703回りに回動自在に第2リンクアーム72に連結されている。
【0069】
また、各第3リンクアーム73の後端は、それぞれ左右のロックロッド60の連結片63に設けられた上下方向に延びる第4リンク軸704回りに回動自在に軸支されている。かかる各第3リンクアーム73には、長手方向に延びるガイド長孔731がそれぞれ穿設されている。これらのガイド長孔731には、後述の規制シャフト(規制部材)85が貫通される。
【0070】
このようなリンク機構70を構成する第1〜第3リンクアーム71,72,73は、支持部材80に所定の状態で装着されることにより所期の適正なリンク運動(図6参照)を行うようになっている。
【0071】
前記支持部材80は、図3に示すように、用紙貯留ボックス30の前側板32の前面における左右方向の中央部に固定されている。かかる支持部材80は、側面視で横向きのU字状に形成されており、底板81と、この底板81の上方に対向配置された天板82と、これら底板81および天板82の前縁部間に架設された架設板83と、底板81および天板82の後縁部から互いに反対方向に向けて突設された上下一対の連結板84とを備えている。このような支持部材80は、一対の連結板84が前側板32の左右方向中央部の上部にネジ止めされることにより、当該前側板32に固定されている。
【0072】
前記天板82には、前後方向の中央部より若干後方へ寄った位置に、左右方向一対の貫通孔821がそれぞれ穿設されているとともに、前記底板81には、各貫通孔821と対向した位置に同一径寸法の有底孔811が凹設されている。これらの貫通孔821および有底孔811は、各第3リンクアーム73が底板81と天板82との間に差し入れられた状態で、第3リンクアーム73が所定の動きになるように規制する規制シャフト85をガイド長孔731に差し通すためのものである。
【0073】
また、前記架設板83には、前記第2リンクアーム72を摺接状態で挿通させるためのガイド角孔831が穿設されている。
【0074】
そして、第2リンクアーム72の第3リンク軸703に一対の第3リンクアーム73の前端部がそれぞれ外嵌された状態で、当該第2リンクアーム72が後方からガイド角孔831に挿通され、引き続き規制シャフト85が貫通孔821を介して各第3リンクアーム73のガイド長孔731に差し込まれて有底孔811に受けられることにより、リンク機構70は、図5に示すように、支持部材80に装着された状態になる。
【0075】
前記コイルスプリング90は、取手50を水平姿勢に維持するべく当該取手50に付勢力を付与するものである。そのために用紙貯留ボックス30の前側板32には、取手50が水平姿勢に姿勢設定された状態における取手側係止片54と対向した位置に側板側係止片322(図5)が突設されている。
【0076】
従って、前記コイルスプリング90が伸長状態でこれら取手側係止片54および側板側係止片322間に架設されることにより、取手50は、普段、中立状態に設定されたコイルスプリング90の付勢力で水平姿勢が維持される。
【0077】
そして、操作杆51を操作することにより取手50を支持軸53回りにいずれの方向に回動させても、コイルスプリング90は、中立状態より伸長するため、付勢力が大きくなり、これによって取手50は、水平姿勢に戻ることになる。
【0078】
図6は、ロック機構部40の作用を説明するための説明図であり、図6(A)〜図6(C)は平面視の断面図、図6(D)〜図6(F)は側面視の断面図である。そして、図6(A)および図6(D)は、取手50が水平姿勢に姿勢設定された状態、図6(B)および図6(E)は、取手50の操作杆51が下方へ向けて操作された状態、図6(C)および図6(F)は、取手50の操作杆51が上方へ向けて操作された状態をそれぞれ示している。なお、図6におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
【0079】
まず、図6(A)および図6(D)に示すように、取手50がコイルスプリング90の付勢力によって水平姿勢に姿勢設定された状態では、取手50の左側の回動杆52、第1リンクアーム71および第2リンクアーム72は、前後方向に向けて真っ直ぐに延びた状態(図6(D))になっている。
【0080】
そして、この状態においては、左右の各ロックロッド60の係止爪片62が装置本体11の各側壁114の係止孔115にそれぞれ嵌り込み、これによって給紙トレイ20(図3)は、装置本体11から引き出し得ないロック状態に設定されている。
【0081】
このロック状態を解除するためには、操作杆51の操作により取手50が支持軸53回りに回動される。そして、図6(B)および図6(E)に示すように、操作杆51がコイルスプリング90の付勢力に抗して下方へ向けて操作されたときには、回動杆52が支持軸53回りに反時計方向に向けて回動し、これによって第1リンク軸701を介して回動杆52と連結されている第1リンクアーム71が第2リンク軸702回りに時計方向に回動するとともに、第2リンクアーム72は、当該第1リンクアーム71により第2リンク軸702を介して支持部材80から前方へ向かって引き出される。
【0082】
そして、第2リンクアーム72が支持部材80から引き出されると、一対の第3リンクアーム73は、第3リンク軸703に引っ張られて前方へ移動する。このとき一対の第3リンクアーム73は、それぞれガイド長孔731に挿通されている規制シャフト85による規制を受け、これによって第3リンク軸703回りに互いに接近する方向に向けて回動する。
【0083】
この回動により一対のロックロッド60は、各第4リンク軸704を介して互いに接近する方向に向けて引き寄せられるため、各係止爪片62が係止孔115から外れ、これによって給紙トレイ20の装置本体11に対するロック状態が解消される。従って、この状態で操作杆51を把持して前方へ引くことにより、給紙トレイ20は装置本体11から引き出される。
【0084】
ついで、図6(C)および図6(F)に示すように、コイルスプリング90の付勢力に抗して操作杆51を上方へ引き上げたときには、回動杆52および第1リンクアーム71の回動方向が操作杆51を押し下げたとき(図6(B)および図6(E))と逆になるだけで、第2リンクアーム72、第3リンクアーム73およびロックロッド60の動作は操作杆51を押し下げたときと同様であり、この場合も係止爪片62が係止孔115から外れることになる。
【0085】
そして、給紙トレイ20を装置本体11から引き出したときには、コイルスプリング90の付勢力により係止爪片62の先端が側壁114に押圧当接している。従って、給紙トレイ20を装置本体11内へ押し込んでいくことにより、係止爪片62が係止孔115と対向した時点で係止爪片62が係止孔115に嵌り込み、これによって給紙トレイ20は装置本体11に対してロック状態になる。
【0086】
以上詳述したように、本発明に係る給紙トレイ20は、画像形成装置10に対し挿脱可能に設けられる、転写用の用紙Pの束を貯留し、必要に応じて転写処理のために給紙し得るように構成されたものであり、特に車椅子の着座者が容易に引き出し操作することができるものである。
【0087】
そして、かかる給紙トレイ20は、当該給紙トレイ20の装置本体11への装着状態をロックするロック機構部40と、当該給紙トレイ20が装置本体11にロックされた状態で当該ロックを解除するべく操作される、給紙トレイ20の前面から前方へ向かって突設された取手50とを有し、ロック機構部40は、取手50を中立位置から上方および下方のいずれの方向に操作してもロックを解除し得るように構成されている。
【0088】
給紙トレイ20をこのように構成することにより、ユーザーは、状況に応じて取手50を上方および下方のいずれの方向に操作しても、給紙トレイ20の装置本体11に対するロック機構部40によるロック状態を解除することができるため、取手50の操作の汎用性が向上し、これによって給紙トレイ20が使い勝手のよいものになる。
【0089】
そして、給紙トレイ20が装置本体11の最下部に設けられているものである場合、取手50を手で操作するのは困難であるが、このような場合、取手50を足で踏むことによりロックが解除されるため、ロック解除のためにユーザーが前屈みになる必要がなく、非常に便利である。
【0090】
また、画像形成装置10のユーザーが車椅子の着座者である場合、車椅子上からのロック解除操作において、当該取手50を上方に引き上げるのは困難であるが、下方へ押し下げるのは容易であり、これによって、たとえ車椅子の着座者であっても給紙トレイ20の装置本体11からの引き出し操作を簡単に行うことができる。
【0091】
そして、前記取手50は、支持軸53回りに回動自在に給紙トレイ20の化粧板44に当該化粧板44を貫通して設けられ、ロック機構部40は、用紙貯留ボックス30が装置本体11内に押し込まれた状態で引き出し方向と直交する方向に移動することにより先端が装置本体11の係止孔115に係合してロックするロックロッド60を有し、取手50とロックロッド60との間には、取手50の支持軸53回りの回動をロックロッド60の移動に変換するリンク機構70が設けられている。
【0092】
かかる構成によれば、取手50を支持軸53回りにいずれの方向に向けて回動させても、当該取手50の回動操作は、リンク機構70を介してロックロッド60の水平移動に変換されて当該ロックロッド60の装置本体11に対する係止孔115を介したロック状態が解消される。
【0093】
そして、前記リンク機構70は、取手50の支持軸53回りの回動に第1リンク軸701を介して前端部がリンクされた第1リンクアーム71と、この第1リンクアーム71の後端部に第2リンク軸702を介してリンクされた前後方向に向かって水平移動する第2リンクアーム72と、この第2リンクアーム72とロックロッド60との間に介設され、かつ、第2リンクアーム72の前後方向に向かう水平移動をロックロッド60の第2リンクアーム72に対する直交方向に向かう移動に変換する第3リンクアーム73とを備えている。
【0094】
かかる構成によれば、第2リンクアーム72の前後方向に向かう水平移動は、第3リンクアーム73を介してロックロッド60の第3リンクアーム73と直交する方向へ向かう移動に変換され、これによってロックロッド60による装置本体11に対するロック状態が解除される。
【0095】
そして、前記第3リンクアーム73は、その前端部が第2リンクアーム72の後端部に設けられた第3リンク軸703回りに回動自在に軸支されているとともに、その後端部がロックロッド60の基端部に設けられた第4リンク軸704に回動自在に軸支され、装置本体11側(本実施形態では支持部材80側)には、第3リンクアーム73の第3リンク軸703回りの回動を、第4リンク軸704を介してロックロッド60の第2リンクアーム72の移動方向に対する直交方向の移動に変換させるように規制する規制シャフト85が設けられている。
【0096】
かかる構成によれば、簡単な構造でありながら、第2リンクアーム72の前後方向に向かう移動を第3リンクアーム73を介してロックロッド60の直交方向へ向かう移動に変換することができ、リンク機構70のコストの低減化に貢献することができる。
【0097】
さらに、ロック機構部40には、取手50の水平姿勢を維持させるための付勢部材としてのコイルスプリング90が設けられ、取手50は、操作された後に当該コイルスプリング90の付勢力により自動的に基の水平姿勢に戻るため、給紙トレイ20が装置本体11内に押し込まれた状態で取手50を一々水平姿勢に姿勢設定することでロックロッド60を装置本体11の側壁114の係止孔115に嵌め込む操作を行う必要がなくなり、取手50の操作性を向上させることができる。
【0098】
加えて、取手50の操作杆51の表面には、滑り止めのローレット511が設けられているため、取手50の操作が容易になる。
【0099】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0100】
(1)上記の実施形態においては、本発明に係る給紙トレイ20が適用される画像形成装置10として複写機を例に挙げて説明したが、画像形成装置10が複写機であることに限定されるものではなく、プリンタやファクシミリ装置であってもよい。
【0101】
(2)上記の実施形態においては、ロックロッド60が一対で設けられているが、一対であることに限定されるものではなく、いずれか一方側のみを設けるようにしてもよい。
【0102】
(3)上記の実施形態においては、ロックロッド60を水平方向に移動させるようにしているが、こうする代わりにロックロッド60を上下方向へ向けて移動させるようにしてもよい。この場合、装置本体11側において上下方向に移動するロックロッド60の係止爪片62が嵌合される孔を備えた板体を一対の側壁114間に架設する必要がある。
【0103】
(4)上記の実施形態においては、1本のコイルスプリング90で取手50に付勢力を付与しているが、こうする代わりに2本のコイルスプリングで上下から取手50や第1リンクアーム71の適所を挟持させるようにしてもよい。
【0104】
(5)上記の実施形態においては、取手50の操作杆51にローレット511が形成されているが、これに代えて操作杆51に滑り止め用のシート等の滑り止め部材を貼着してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明に係る給紙トレイが適用された画像形成装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置の内部構造を説明するための正面断面視の説明図である。
【図3】給紙トレイの一実施形態を示す斜視図であり、装置本体から引き出された状態を示している。
【図4】ロック機構部の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図5】図4に示すロック機構部一部切り欠き組み立て斜視図である。
【図6】ロック機構部の作用を説明するための説明図であり、(A)〜(C)は平面視の断面図、(D)〜(F)は側面視の断面図である。
【符号の説明】
【0106】
10 画像形成装置 11 装置本体
111 下部本体 112 上部本体
113 連結体 114 側壁
115 係止孔 12 画像形成部
12C シアン用ユニット 12K ブラック用ユニット
12M マゼンタ用ユニット 12Y イエロー用ユニット
121 感光体ドラム 122 現像装置
123 帯電器 124 露光装置
125 転写ベルト 125a 駆動ローラ
125b 従動ローラ 125c 転写ローラ
125d ベルトクリーニング装置
126 ドラムクリーニング装置
127 用紙搬送路 127a 搬送ローラ対
128 転写ローラ 129 排紙搬送路
13 定着部 131 定着ローラ
132 加圧ローラ 14 用紙貯留部
141 ピックアップローラ 15 排紙部
151 胴内排紙トレイ 152 排出ローラ対
16 画像読取部 161 コンタクトガラス
162 原稿マット 163 光学系ユニット
164 光源 17 操作部
171 スタートキー 172 テンキー
20 給紙トレイ 30 用紙貯留ボックス
31 底板 32 前側板
321 支持突片 322 側板側係止片
33 左側板 34 右側板
35 後側板 36 前後位置規制カーソル
37 右端位置設定カーソル
40 ロック機構部 41 支持枠体
42 左枠体 43 右枠体
44 化粧板 441 取付開口
442 側壁 443 支持孔
50 取手 51 操作杆
511 ローレット(滑り止め)
52 回動杆 53 支持軸
54 取手側係止片
60 ロックロッド 61 ロッド本体
62 係止爪片 621 係止縁部
622 傾斜縁部 63 連結片
70 リンク機構 701 第1リンク軸
702 第2リンク軸 703 第3リンク軸
704 第4リンク軸 71 リンクアーム
72 リンクアーム 721 軸座
73 リンクアーム 731 ガイド長孔
80 支持部材 81 底板
811 有底孔 82 天板
821 貫通孔 83 架設板
831 ガイド角孔 84 連結板
85 規制シャフト(規制部材)
90 コイルスプリング(付勢部材)
P 用紙 P1 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対し挿脱可能に設けられた、転写処理のために給紙し得るように用紙の束が貯留される用紙貯留ボックスを備えた給紙トレイであって、用紙貯留ボックスの装置本体への装着状態をロックするロック機構部と、前記給紙トレイが前記ロック機構部により装置本体にロックされた状態で当該ロックを解除するべく操作される、用紙貯留ボックスの前面から前方へ向かって突設された取手とを有し、ロック機構部は、取手を水平方向に延びた中立位置から上方および下方のいずれの方向に操作してもロックを解除し得るように構成されていることを特徴とする給紙トレイ。
【請求項2】
前記取手は、所定の回動軸回りに回動自在に用紙貯留ボックスの前面の化粧板に当該化粧板を貫通して設けられ、前記ロック機構部は、用紙貯留ボックスが装置本体内に押し込まれた状態で引き出し方向と直交する方向に移動することにより先端が装置本体に設けられた係止孔に係合してロックするロックロッドを有し、前記取手と前記ロックロッドとの間には、取手の前記回動軸回りの回動を前記ロックロッドの移動に変換するリンク機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載の給紙トレイ。
【請求項3】
前記リンク機構は、前記取手の前記回動軸回りの回動に第1リンク軸を介して前端部がリンクされた第1リンクアームと、この第1リンクアームの後端部に第2リンク軸を介してリンクされた前後方向に向かって水平移動する第2リンクアームと、前記第2リンクアームと前記ロックロッドとの間に介設され、かつ、第2リンクアームの前後方向に向かう水平移動を前記ロックロッドの第2リンクアームに対する直交方向に向かう移動に変換する第3リンクアームとを備えていることを特徴とする請求項2記載の給紙トレイ。
【請求項4】
前記第3リンクアームは、前端部が前記第2リンクアームの後端部に設けられた第3リンク軸回りに回動自在に軸支されているとともに、後端部がロックロッドの基端部に設けられた第4リンク軸に回動自在に軸支され、前記装置本体には、第3リンクアームの第3リンク軸回りの回動を、第4リンク軸を介してロックロッドの、第2リンクアームの移動方向に対する直交方向への移動に変換させるように規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載の給紙トレイ。
【請求項5】
前記ロック機構部には、前記取手の水平姿勢を維持させるための付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙トレイ。
【請求項6】
前記取手の操作する部分には、滑り止めが形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の給紙トレイ。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の給紙トレイが適用されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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