説明

給紙機構及び画像形成装置

【課題】円滑、確実な給紙を行えるとともに給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動に起因する振動音の発生を抑制できる給紙機構を提供する。
【解決手段】給紙機構12Aは、捌き部材122と、これに当接される給紙ローラ121とを含み、積み重ねられた用紙Sを両者の間で捌きつつ給紙ローラで供給する。給紙機構は給紙ローラを支持する給紙ローラ支持体124に保持されて給紙ローラ121による用紙搬送方向に延びる用紙ガイド板126と、ガイド板126を給紙ローラ支持体124による保持部分以外の少なくとも一部で給紙ローラ支持体124に連結する連結機構SAを含んでいる。連結機構SAは用紙ガイド板126を給紙ローラ支持体124に対して可動に連結する連結機構であり、用紙ガイド板126の給紙ローラ支持体124に連結される部分128と給紙ローラ支持体124との間に介装されるクッション部材Ksを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み重ねられた紙シート等(以下、「用紙」と総称する。)から用紙を供給する給紙機構、特に捌き部材と、該捌き部材に当接される給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を該給紙ローラと該捌き部材との間で捌きつつ該給紙ローラで供給する給紙機構に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の給紙機構は様々な分野で採用されており、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ機、これらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置において、用紙供給カセット等に積載収容された用紙群から給紙する場合に用いられている。
【0003】
この種の給紙機構については、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴って所謂スティックスリップが発生し、それにより微振動が発生し、これが給紙ローラ支持体等に伝わって振動音が発生することがある。
【0004】
この点、特開2003−155129号公報には、スプリングで押し上げられる底板上に積載収容された用紙をピックアップローラ(給紙ローラ)で拾って給紙する際にスティックスリップにより発生する振動音を防止する方法として、ピックアロプローラの回転軸に対して該回転軸の振動を吸収、抑制する規制手段を設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−155129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
捌き部材と、捌き部材に当接される給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を給紙ローラと捌き部材との間で捌きつつ給紙ローラで供給する給紙機構については上記の如き振動音発生の問題があるが、そのほか、積み重ねられた用紙群における用紙の反り等により給紙動作に支障がでることがある。
【0007】
本発明者等はこの問題解決のために、給紙ローラを支持する給紙ローラ支持体に保持されて該給紙ローラによる用紙搬送方向に延びる用紙ガイド板を設けることを試みている。
【0008】
しかしながら、このような用紙ガイド板を給紙ローラ支持体に保持させると、前記用紙サバキ動作に伴うスティックスリップによる振動が給紙ローラ支持体だけでなく用紙ガイド板にも伝わり、全体として大きい振動音が発生するようになる。この騒音は、前記特開2003−155129号公報記載の振動抑制方法だけでは抑制困難である。
【0009】
そこで本発明は、捌き部材と、該捌き部材に臨む給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を該給紙ローラと該捌き部材との間で捌きつつ該給紙ローラで供給する給紙機構であって、用紙に少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができるとともに、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動に起因する騒音発生を抑制できる給紙機構を提供することを第1の課題とする。
【0010】
また本発明は、重ねられた用紙群から給紙機構により用紙を供給して画像形成部を通る画像形成パスに通過させることで該用紙に画像形成することができ、該給紙機構が捌き部材と、該捌き部材に臨む給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を該給紙ローラと該捌き部材との間で捌きつつ該給紙ローラで供給する給紙機構である画像形成装置であって、該給紙機構からの給紙の際、用紙に少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができるとともに、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動に起因する騒音発生を抑制でき、それだけ円滑に給紙しつつ騒音少なく画像形成できる画像形成装置を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は前記第1の課題を解決するため、
捌き部材と、該捌き部材に当接される給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を該給紙ローラと該捌き部材との間で捌きつつ該給紙ローラで供給する給紙機構であり、前記給紙ローラを支持する給紙ローラ支持体に保持されて該給紙ローラによる用紙搬送方向に延びる用紙ガイド板と、該用紙ガイド板を前記給紙ローラ支持体による保持部分以外の少なくとも一部で該給紙ローラ支持体に連結する連結機構を含んでおり、該連結機構は前記用紙ガイド板を前記給紙ローラ支持体に対して可動に連結する連結機構であり、前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体に連結される部分と該給紙ローラ支持体との間に介装されるクッション部材を含んでいる給紙機構を提供する。
【0012】
本発明に係る用紙搬送機構によると、給紙ローラ支持体に給紙ローラによる用紙搬送方向に延びる用紙ガイド板を保持させてあるから、用紙に少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができる。
【0013】
また、用紙ガイド板を前記給紙ローラ支持体による保持部分以外の少なくとも一部で該給紙ローラ支持体に連結する連結機構を設けてあり、該連結機構は前記用紙ガイド板を前記給紙ローラ支持体に対して可動に連結しているので、用紙ガイド板が徒に自由に動くことなく、また、用紙ガイド板に少しぐらいの反りや捩じれが生じることがあっても、これを可動範囲で逃がして給紙を行える。
【0014】
さらに、該連結機構は、前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体に連結される部分と該給紙ローラ支持体との間に介装されるクッション部材を含んでいるので、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動の少なくとも一部を該クッション部材で吸収して振動に起因する騒音発生を抑制できる。
なお、連結機構は、用紙ガイド板が給紙ローラ支持体に対して徒に動かないように予め定めた範囲内での動きを許容するものでもよい。
【0015】
前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体による保持部分は、用紙ガイド板に求められる機能を実現させ得るのであれば特に制限はないが、用紙ガイド板の動きを拘束し過ぎずに円滑に用紙ガイドを行える例として、用紙ガイド板は前記給紙ローラによる用紙搬送方向における上流側端部で前記給紙ローラ支持体に片持ち支持されて該給紙ローラの方へ延在する場合を挙げることができる。
【0016】
前記クッション部材は前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体に連結される部分の該給紙ローラ支持体に対する接近離隔動作方向における初期位置(未だ給紙に供していないときの位置)を規制するものでもよい。
【0017】
この場合、用紙ガイド板が給紙ローラ支持体に保持されている状態で、用紙ガイド板自身の弾性復元力等により給紙ローラ支持体へ接近するように付勢される用紙ガイド板部分があるときには、該部分と給紙ローラ支持体との間に予め圧縮させたクッション部材を介装しておくことで、用紙ガイド板が給紙ローラ支持体に対して位置規制される例を挙げることができる。
【0018】
このほか、クッション部材が用紙ガイド板の給紙ローラ支持体に連結される部分に接着材等で接続されるとともに給紙ローラ支持体にも接着材等で接続されることで、用紙ガイド板が給紙ローラ支持体に対して位置規制されるなどしてもよい。
【0019】
前記連結機構は、例えば、前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体による支持部分と前記給紙ローラとの間に設けることができる。
【0020】
前記連結機構は、簡単な例として、前記給紙ローラ支持体に形成された孔に遊嵌、貫通して該孔に臨む前記用紙ガイド板の給紙ローラ支持体に連結される部分に螺合された段ねじを含んでおり、前記クッション部材は該給紙ローラ支持体と該用紙ガイド板部分との間に介装されているものを挙げることができる。
【0021】
本発明は前記第2の課題を解決するため、重ねられた用紙群から給紙機構により用紙を供給して画像形成部を通る画像形成パスに通過させることで該用紙に画像形成することができる画像形成装置であり、該給紙機構として本発明に係る給紙機構が採用されている画像形成装置も提供する。
【0022】
この画像形成装置によると、給紙機構として本発明に係る給紙機構が採用されているから、該給紙機構からの給紙の際、用紙に少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができるとともに、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動に起因する騒音発生を抑制でき、それだけ円滑に給紙しつつ騒音少なく画像形成できる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によると、捌き部材と、該捌き部材に臨む給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を該給紙ローラと該捌き部材との間で捌きつつ該給紙ローラで供給する給紙機構であって、用紙に少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができるとともに、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動に起因する騒音発生を抑制できる給紙機構を提供することができる。
【0024】
また本発明によると、重ねられた用紙群から給紙機構により用紙を供給して画像形成部を通る画像形成パスに通過させることで該用紙に画像形成することができ、該給紙機構が捌き部材と、該捌き部材に臨む給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を該給紙ローラと該捌き部材との間で捌きつつ該給紙ローラで供給する給紙機構である画像形成装置であって、該給紙機構からの給紙の際、用紙に少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができるとともに、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動に起因する騒音発生を抑制でき、それだけ円滑に給紙しつつ騒音少なく画像形成できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る画像形成装置の1例の構成の概略を示す図である。
【図2】本発明に係る給紙機構例を示す図である。
【図3】図2の給紙機構を上方からみて、各部の位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に本発明に係る画像形成装置の1例であるタンデム型カラープンタを示す。
なお、本発明に係る画像形成装置はタンデム型カラープリンタに限定されるものではなく、所謂サイクル型(例えば4サイクル型)カラー画像形成装置、モノクロ画像形成装置にも適用でき、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ機、これらのうち2以上を組み合わせた複合機等にも適用できる。
【0027】
図1に示すプリンタ10は、画像形成部11、画像形成部下方の用紙供給部12、画像形成パス13を有している。画像形成部11は図示省略のベルト駆動部により回転駆動され駆動ローラd1と対向ローラd2に巻き掛けられて図中反時計方向αに回転駆動可能の中間転写ベルト111を含んでおり、該ベルトに沿ってベルト走行方向にイエロー画像形成ユニットY、マゼンタ画像形成ユニットM、シアン画像形成ユニットC及びブラック画像形成ユニットKがこの順序で配置されている。
【0028】
各色担当の画像形成ユニットは、図示省略の画像読み取り装置からの画像情報や、図示省略の外部コンピュータや外部ファクシミリ機等から送信されてくる画像情報に基づいて、電子写真方式により感光体PC上に担当色画像に対応する静電潜像を形成し、該潜像を担当色トナーで現像してトナー像を形成し、これを図示省略の電源から1次転写バイアスが印加される1次転写ローラtrでベルト111上に1次転写することができる。
【0029】
画像形成ユニットを用いて画像形成するにあたっては、四つの画像形成ユニットのうちいずれか一つを用いてモノクロトナー像を形成することもできるし、二つ以上の画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成することもできる。二つ以上の画像形成ユニットを用いる場合には、それら画像形成ユニットで形成される各色トナー像はベルト111上で重ねられるタイミングでベルト111に1次転写される。
【0030】
画像形成部11はさらに、中間転写ベルト111の回転方向においてブラック画像形成ユニットKの下流側で該ベルトに臨む2次転写ローラTR及びその上方に配置された定着装置113も含んでいる。
【0031】
前記のようにベルト111上に1次転写されるトナー像は、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加される2次転写ローラTRにより、画像形成パス13に沿って搬送されてくる用紙Sに2次転写される。
【0032】
画像形成すべき用紙は次に説明する用紙供給部12から供給される。用紙供給部12から供給されてくる用紙は画像形成パス13の入口に位置するレジストローラ131に突き当てられて一旦停止され、画像形成部13において用紙の所定位置に画像形成が可能になるタイミングでレジストローラ131により画像形成パス13へ送り込まれる。
【0033】
このようにして用紙に2次転写されたトナー像は、定着装置113により加熱加圧下に定着され、用紙とともに排出トレイTへ排出される。
【0034】
用紙供給部12についてさらに説明する。
用紙供給部12は、この例では、プリンタ本体側に設けられた給紙機構12Aを含んでおり、この給紙機構12Aに臨むカセット受入れ部に給紙カセット120を取り出し可能に装着して給紙するものである。
【0035】
給紙カセット120に予め積載収容された用紙Sはカセット120をプリンタ本体に装着することで上方から後述するスプリングSp(図3参照)の作用で下りてきて用紙Sに接触するピックアップローラ123により拾われ、給紙ローラ121の方へ送られる。このとき、給紙ローラ支持体124に保持された用紙ガイド板126により案内される。
【0036】
給紙ローラ121は、ピックアップローラ123により拾われ送られてくる、通常複数枚が重なった状態の用紙を捌きローラ122との間で捌きつつ1枚ずつ給紙する。捌きローラ122はプリンタ本体側のフレーム122fに回転可能に支持されている。
ここでは捌き部材として給紙ローラとは反対方向に回転駆動される、表面層が摩擦部材で形成された捌きローラが採用されているが、給紙ローラに臨む板状の捌き板等でもよい。
【0037】
給紙機構12Aについて、図2及び図3も参照してさらに説明する。
給紙ローラ121は板体を加工して形成された給紙ローラ支持体124に軸121aで支持されている。軸121aは支持体124に回転可能に支持されている。給紙ローラ支持体124は、上方から見ると図3に示すように一部に開口124hを有している。給紙ローラ121はここから一部が見える位置に配置されている。
【0038】
給紙ローラ軸121aは支持体124の外側まで延び、プリンタ本体のフレームFに回転可能に支持されている。給紙ローラ121は軸121aが駆動モータMで駆動されることで、図2において反時計方向に回転駆動される。
捌きローラ122は図示省略の伝動機構を介してモータMにて図2中反時計方向に回転駆動される。
【0039】
ピックアップローラ123は、給紙ローラ121による用紙搬送方向においてローラ121の上流側でピックアップローラ支持体125に回転可能に支持されている。支持体125は給紙ローラ支持体124に支持されている。
ピックアップローラ123は伝動機構130により給紙ローラ121の回転に連動して給紙ローラ121と同方向に回される。
【0040】
用紙ガイド板126は給紙ローラ支持体124の下側に配置されており、その後端部126eが上方へ曲げられて、給紙ローラ支持体124に螺子124aで固定されている。 このようにして用紙ガイド板126はその後端部126eで給紙ローラ支持体124に保持されている。なお、用紙ガイド板126はヒンジで回動可能に支持体124に連結されてもよい。
【0041】
用紙ガイド板126はその後端部から給紙ローラ121の方へ延び、給紙ローラ121を若干こえる位置まで延在している。用紙ガイド板126には、図3に示すように開口126hが形成されており、ピックアップローラ123及び給紙ローラ121はこの開口126hから給紙カセット120に積載収容された用紙Sに接触することができる。
【0042】
用紙ガイド板126はその後端部126eと給紙ローラ121との間で連結機構SAにより給紙ローラ支持体124に連結されている。連結機構SAは、用紙ガイド板126を給紙ローラ支持体124に対して予め定めた範囲内で可動に連結する機構である。
用紙ガイド板126はそれに立設された板状柱127を有しており、板状柱127はその頂部に螺子孔を形成した棚部128を有している。
【0043】
連結機構SAは、棚部128を有する板状柱127と、棚部128に臨む給紙ローラ支持体124の部分に形成された孔1241に遊嵌貫通された頭付きの段ねじScと、給紙ローラ支持体124と棚部128の間にやや圧縮状態で介装されたクッション部材Ksとを含んでいる。
【0044】
段ねじScは、頭下の大径部Su及びその下の細径の雄ねじ部Sdを含んでおり、頭部は給紙ローラ支持体124の上方に位置し、大径部Suは給紙ローラ支持体124の孔1241に遊間貫通しており、雄ねじ部Sdは前記用紙ガイド板側の棚部128に螺着している。この状態で棚部128と給紙ローラ支持体124との間に隙間があるが、ここにクッション部材Ksがやや圧縮状態で介装されている。クッション部材Ksは、棚部128の給紙ローラ支持体124に対する接近離隔方向の初期位置、すなわち給紙機構12Aが給紙に供されていないときの当初位置を規制している。
【0045】
図3に示すように、前記給紙ローラ軸121aの給紙ローラ支持体124の外へ突出した端部に巻きスプリングSpが嵌められている。スプリングSpは、ピックアップローラ123をプリンタ本体に装着された給紙カセット120の用紙Sに接触させるために、給紙ローラ支持体124を軸121aを中心に下方へ付勢するものである。図2を参照して言えば、α方向に下方へ付勢するものである。
【0046】
しかし、図3に概略的に示してあるように、給紙カセット120がプリンタ本体に未だ装着されていな状態では、プリンタ本体側に設けられて図示省略のバネで付勢されたレバーLが給紙ローラ支持体124を軸121aを中心に上方へ持ち上げている。給紙カセット120をプリンタ本体に装着すると、カセット120がこのレバーLに触れ、該レバーによる支持体124の持ち上げを解除し、ピックアップローラ123がスプリングSp力で用紙Sに接触する。
【0047】
以上説明した給紙機構12Aによると、給紙ローラ支持体124に給紙ローラ121による用紙搬送方向に延びる用紙ガイド板126を保持させてあるから、用紙Sに少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができる。
【0048】
また、用紙ガイド板126を給紙ローラ支持体124に連結する連結機構SAを設けてあり、連結機構SAは用紙ガイド板126を給紙ローラ支持体124に対して予め定めた範囲内で可動に連結しているので、用紙ガイド板126が徒に自由に動くことなく、また、用紙ガイド板126に少しぐらいの反りや捩じれが生じることがあっても、これを可動範囲で逃がして給紙を行える。
【0049】
さらに、連結機構SAは、用紙ガイド板126の給紙ローラ支持体124に連結される棚部128と給紙ローラ支持体124との間に介装されるクッション部材Ksを含んでいるので、給紙ローラ121と捌きローラ122とによる用紙捌き動作に伴う振動の少なくとも一部をクッション部材Ksで吸収して振動に起因する騒音発生を抑制できる。
【0050】
用紙ガイド板126はその後端部126eで給紙ローラ支持体124に保持されて給紙ローラ121の方へ延在しているので、用紙ガイド板126の動きを拘束し過ぎずに円滑に用紙ガイドを行える。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、用紙に少しぐらいの反り、波うち等の変形等があっても、それに拘らず円滑、確実な給紙を行うことができるとともに、給紙ローラと捌き部材とによる用紙捌き動作に伴う振動に起因する騒音発生を抑制できる給紙機構及びそれを利用した画像形成装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0052】
10 プリンタ
11 画像形成部
12 用紙供給部
13 画像形成パス
131 レジストローラ
113 定着装置
T 排出トレイ
12A 給紙機構
121 給紙ローラ
121a 給紙ローラ軸
122 捌きローラ
122f 捌きローラ支持フレーム
123 ピックアップローラ
124 給紙ローラ支持体
1241 段ねじ通し孔
125 ピックアップローラ支持体
126 用紙ガイド板
127 板状柱
128 棚部
120 給紙カセット
SA 連結機構
Sp スプリング
L レバー
Sc 段ねじ
Su 大径部
Sd 雄ねじ部
Ks クッション部材
M モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捌き部材と、該捌き部材に当接される給紙ローラとを含み、積み重ねられた用紙を該給紙ローラと該捌き部材との間で捌きつつ該給紙ローラで供給する給紙機構であり、前記給紙ローラを支持する給紙ローラ支持体に保持されて該給紙ローラによる用紙搬送方向に延びる用紙ガイド板と、該用紙ガイド板を前記給紙ローラ支持体による保持部分以外の少なくとも一部で該給紙ローラ支持体に連結する連結機構を含んでおり、該連結機構は前記用紙ガイド板を前記給紙ローラ支持体に対して可動に連結する連結機構であり、前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体に連結される部分と該給紙ローラ支持体との間に介装されるクッション部材を含んでいることを特徴とする給紙機構。
【請求項2】
前記用紙ガイド板は前記給紙ローラによる用紙搬送方向における上流側端部で前記給紙ローラ支持体に片持ち支持されて該給紙ローラの方へ延在しており、前記連結機構は該用紙ガイド板の該片持ち支持部分以外の自由部分の少なくとも一部を前記給紙ローラ支持体に連結している請求項1記載の給紙機構。
【請求項3】
前記クッション部材は前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体に連結される部分の該給紙ローラ支持体に対する接近離隔動作方向における初期位置を規制している請求項1又は2記載の給紙機構。
【請求項4】
前記連結機構は前記用紙ガイド板の前記給紙ローラ支持体による支持部分と前記給紙ローラとの間に設けられている請求項1、2又は3記載の給紙機構。
【請求項5】
前記連結機構は、前記給紙ローラ支持体に形成された孔に遊嵌、貫通して該孔に臨む前記用紙ガイド板の給紙ローラ支持体に連結される部分に螺合された段ねじを含んでおり、前記クッション材は該給紙ローラ支持体と該用紙ガイド板部分との間に介装されている請求項1から4のいずれか1項に記載の給紙機構。
【請求項6】
重ねられた用紙群から給紙機構により用紙を供給して画像形成部を通る画像形成パスに通過させることで該用紙に画像形成することができる画像形成装置であり、該給紙機構として請求項1から5のいずれか1項に記載の給紙機構が採用されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−230893(P2011−230893A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102909(P2010−102909)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】