説明

給紙装置、および画像形成装置

【課題】エンドフェンスを交換することなく複数種類のタブ付き用紙を搬送する
【解決手段】用紙束から最上位紙を繰り出す繰り出しローラ106aと、繰り出された最上位紙とともに繰り出し方向けに移動された2枚目以降の用紙を繰り出し反対方向に搬送する戻しローラ106bとを備える給紙装置において、最上位の用紙の上面に載せられて設置される設置板部120A、用紙の幅方向全域において前記用紙の後端に接触して停止させる規制板部120Bとを備えて構成され、かつ、設置板部と規制板部とが、用紙の幅方向にその寸法を変更可能に構成されるとともに、用紙束の最上位用紙の上側に設置できるエンドフェンス120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機やファクシミリ装置、あるいはプリンター、印刷装置などの画像形成装置においては、画像を転写される用紙の給紙装置に、用紙の多重送り防止機構を備えることがある。
【0003】
多重送り防止機構として、重なり合っている用紙同士の摩擦係数と、この用紙に接触する搬送部材と用紙との間の摩擦係数との違いを利用し、重なり合っている用紙のうちで最上位のもののみを繰り出せるようにしたものが使用される。
【0004】
図9(a)、(b)、(c)は従来の給紙装置を示す断面図である。この給紙装置において、多重送り防止機構は、矢印Fで示す給紙方向前方で互いに当接して連動可能に設けられている一対の給紙ローラ201、202と、給紙ローラの後方に位置して給紙台(図示されず)に積載された用紙Sのうち最上位のものと間欠的に当接して回転可能な繰り出しローラ203とを備えている。
【0005】
給紙ローラ201、202のうち、最上位の用紙に当接する給紙ローラ201は給紙が可能な方向に回転駆動され、給紙ローラ202は給紙方向と逆方向に用紙を戻すことができる方向に回転駆動される。一対のローラ201、202および用紙Sとの間の摩擦係数は、次の関係とされる。
【0006】
すなわち、用紙S同士の摩擦係数よりも最上位以外の用紙に接触する給紙ローラ202と用紙との間の摩擦係数を大きくし、この摩擦係数よりも最上位の用紙とこれに接触する給紙ローラ201と用紙との間の摩擦係数を大きくしてある。これにより、最上位以外に複数枚の用紙Sが重ねて送られた場合には、最上位の用紙Sが給紙ローラ201により繰り出される一方、最上位以外の他の用紙(図中符号S1で示す)は給紙ローラ202の回転力によって給紙方向とは逆方向に戻されるようになる。
【0007】
給紙ローラ201、202で挟まれた搬送位置から給紙台側に戻される用紙は、図9(c)に示すように、給紙方向後端が給紙台上に積載されている他の用紙の後端から外れることがある。
【0008】
用紙後端位置が他の用紙の後端よりも給紙方向後方に位置した場合には、その位置によっては繰り出しローラ203による繰り出し位置を外れてしまうことがあり、これによって、次回の繰り出しが行えなくなることとなる。
【0009】
このため、給紙ローラ201、202で挟まれる位置から給紙方向後方に向けて戻された用紙の後端位置を設定するため、図9(a)、(b)に示すように、フェンス部材205を所定位置に配置し、戻された用紙の後端位置を規定して次回の繰り出しが行えるようにする。
【0010】
近年、1台の機械で、ユーザーが求める種々の用紙サイズや用紙紙種に対応することが求められている。このような画像形成装置には、1台で製本作業を行うことができるシステムを備えるものもある。このような一貫した製本作業においては、インデックスに使われるタブ付き用紙を用いて、仕分け、区切り、見出し付けを行うことがある。
【0011】
図10はタブ付きの用紙の配置状態を示すものであり、(a)はタブ付きの用紙の平面図、(b)は給紙台上にタブ付き用紙が積載された状態を示す模式的な側面図である。
【0012】
ここで、給紙装置でタブ付き用紙TSを搬送する場合、タブ付き用紙TSの一部を抑えただけでは、搬送不具合が発生する可能性がある。すなわち、図10に示すように、タブ付き用紙TSにおけるタブTの後端の位置を規制する必要があるため、フェンス部材205は、用紙TSの後端位置からそのタブTの突出量に相当する寸法(図中符号Rで示す)分だけ後方にずらして位置させる必要がある。
【0013】
しかし、次回の繰り出しを可能にするには、給紙方向前端側に位置する用紙端部突き当て部材206から繰り出しローラ203と当接する位置までの距離(図中符号Qで示す)以内にタブ付き用紙TSの前端が位置しなければならない。
【0014】
ここで、Q>Rの場合に次回の繰り出しが可能である。一方、Q<Rの場合には繰り出しローラ203に用紙TSの前端が達しないため次回の繰り出しが行えなくなる。
【0015】
しかし、タブ付き用紙TSにはその後端にタブTが形成され、このタブTは、用紙端部の同位置に配置されないよう各タブ付き用紙で異なる位置に配置されることがある。タブ付き用紙のように用紙後端部のタブを異なる位置に配置することを想定して多くの技術が提案されている。
【0016】
特許文献1には、戻された用紙Sの後端位置を規定するエンドフェンスを備え、エンドフェンスは、前記用紙Sの幅方向全域において前記後端を停止可能な規制面を備え、前記用紙の最上位のものの上面に配置可能であるものが記載されている。
【0017】
図11は従来の給紙装置の一例を示すものであり、(a)はエンドフェンスの斜視図、(b)は給紙装置の斜視図、(c)は給紙装置の断面図である。
【0018】
この給紙装置では、給紙台上に積載されたタブ付き用紙TSのうち、最上位のものの上面にはエンドフェンス215が配置される。エンドフェンス215は、図11(a)、(c)に示すように、最上位の用紙上面に設置される設置面215Aとこれに連続して直角に折り曲げられた規制片215Bとで構成されている。設置面215Aは、その平面視形状がU字状をなし、図11(b)に示すように、用紙の後端および用紙Sの幅方向両端近傍のみにおいて用紙Sに接触する形状とされている。
【0019】
規制片215Bは、図11(b)に示すように、用紙Sの後端において幅方向全域に接触できる規制面を有しており、用紙Sの後端をその幅方向全域にわたってその位置を規制することができるようになっている。設置面215Aおよび規制片215Bは、用紙Sの幅方向中心を基準として左右対称形状とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、近年ユーザーの求める用紙サイズは、多様化してきており、一つの装置で、多くの用紙サイズに対応したものが求められている。
【0021】
しかし、従来技術で示された給紙装置のエンドフェンスは、使用できる用紙サイズが1種類に限定される。このため、多種の用紙サイズのタブ付き用紙を使用する際には、複数個のエンドフェンスを準備する必要がある。
【0022】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、エンドフェンスを交換することなく複数種類のタブ付き用紙を搬送することができる給紙装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の給紙装置は、積載された用紙束から最上位紙を繰り出す繰り出しローラと、繰り出された最上位紙とともに繰り出し方向に移動された2枚目以降の用紙を繰り出し反対方向に搬送する戻しローラとを備える給紙装置であって、前記戻された用紙の後端位置を規制するエンドフェンスを備え、前記エンドフェンスは、前記最上位の用紙の上面に載せられて設置される設置板部と、前記設置板部から前記積載された用紙束の後端面に沿って延長して配置され、前記用紙の幅方向全域において前記用紙の後端に接触して停止させる規制板部とを備えて構成され、かつ、前記設置板部と規制板部とが、用紙の幅方向にその寸法を変更可能に構成されるとともに、前記用紙束の最上位用紙の上側に設置できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、エンドフェンスの幅寸法を変更できるので、エンドフェンスを交換することなく1台の装置で、複数種類のタブ付き用紙に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】同画像形成装置の主な制御ユニットを示すブロック図である。
【図3】同画像形成装置の給紙装置を示す斜視図である。
【図4】同画像形成装置の給紙装置の特徴部分を示す斜視図である
【図5】同給紙装置の要部を示す斜視図である。
【図6】同給紙装置のエンドフェンスを示すものであり、(a)はエンドフェンスを広げた状態を示す斜視図、(b)はエンドフェンスを狭めた状態を示す斜視図である。
【図7】同給紙装置を狭めた状態の寸法を示す斜視図である。
【図8】実施形態2に係る給紙装置のエンドフェンスを示す斜視図である。
【図9】従来の給紙装置を示す断面図である。
【図10】タブ付きの用紙の配置状態を示すものであり、(a)はタブ付きの用紙の平面図、(b)は給紙台上にタブ付き用紙が積載された状態を示す模式的な側面図である。
【図11】タブ付き用紙に対応する従来の給紙装置を示すものであり、(a)はエンドフェンスの斜視図、(b)は給紙装置の斜視図、(c)は給紙装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための形態(以下では単に実施形態と記載する)に係るについて説明する。
【0027】
<実施形態1>
【0028】
以下、実施形態1に係る画像形成装置を図面に基づいて説明する。図1は実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。この画像形成装置は、原稿を走査して読み取り、デジタル化して用紙に複写する、いわゆるデジタルカラー複写機としての機能を備える。
【0029】
図1において、この画像形成装置は、画像形成部1、読取部2、定着部3、排紙部4等の構成を備えている。さらに、画像形成装置の下方には、多段状の給紙部5が設けられている。この給紙部5の各段には、記録媒体である普通紙や、コート紙等の塗工紙、OHP用紙等々を積載した給紙装置としての給紙トレイ6が設置されている。
【0030】
また、この給紙部5は、必要に応じて別の大容量給紙装置7を増設することができるように構成されている。このような画像形成装置において、画像形成が行われる際には、給紙部5の選択された給紙トレイ6あるいは大容量給紙装置7から用紙が1枚ずつ順次分離供給される。すなわち、例えば給紙トレイ6の最上位の用紙が繰り出しローラ8の回転により供給されて、戻しローラ10により1枚ずつに分離される。そして、分離された用紙は、フィードローラ9の回転により、給紙トレイ6から送り出されて、その搬送方向下流側に配置されているレジストローラ11へと搬送される。
【0031】
上述のようにして分離搬送された用紙は、レジストローラ11のニップに突き当たることにより、搬送が一時止められて待機される。その後、画像形成のために、画像形成部1へと送られる。
【0032】
なお、図中、21は中間転写ベルト、22は作像部、23は露光装置、24は両面装置、25は給紙トレイの底板、26は給紙ローラ、27は排紙ローラ、28は反転排紙ローラ、29は分岐爪、30は中間転写クリーニング装置を示している。また、図中、31はコンタクトガラス、32、33はそれぞれ走行体、34はレンズ、35はCCD、36は自動原稿搬送装置、37は転写装置、38は感光体、39は帯電装置、40は現像装置、41はクリーニング装置を示している。これらは実施形態1に係る画像形成装置の特徴に直接的には関係しない部分のため、その説明は省略する。
【0033】
次に実施形態1に係る画像形成装置の制御ユニットについて説明する。図2は画像形成装置の主な制御ユニットを示すブロック図である。実施形態1に係る画像形成装置には、エンジン制御部51と、制御部52とを備える。エンジン制御部51は、画像形成部1、給紙部5、定着部3等の動作制御を行う。
【0034】
制御部52には、外部のホストコンピューター53、表示部54、入力部55等が接続され、動作に必要な外部情報を入手および管理するとともに、エンジン制御部51に必要な情報を提供し、システム全体の動作を管理している。また、少なくとも一つ以上の給紙部(1〜n)を備えた給紙部56と、用紙の供給および搬送制御を行う給紙制御部57を備えた、給紙装置100を備えている。
【0035】
この給紙装置100は、前述した大容量給紙装置7に相当する。なおこの例では、給紙装置100を画像形成装置本体とは別体(オプション)の装置として示しているが、前述した給紙部5と併せて画像形成装置本体内に備えていてもかまわない。
【0036】
次に実施形態1に係る給紙装置100について説明する。図3は同画像形成装置の給紙装置を示す斜視図、図4は同画像形成装置の給紙装置の特徴部分を示す斜視図である。この例では上述したオプション装置としての大容量給紙装置7に適用することを想定しているが、もちろん給紙トレイ6を同様の構成としてもよい。
【0037】
給紙装置100は、用紙を積載する底板101を備えた用紙収納部102と、最上位の用紙を一枚ずつ取り出して画像形成装置本体へ供給する用紙供給ユニット(給紙手段)103とを備えている。用紙供給ユニット103には、給紙ローラ104と、繰り出しローラ106aと、戻しローラ106bが配置されている。これらのローラ104、106a、106bは、あらかじめ設定されたそれぞれのタイミングで回転駆動される。また、用紙収納部102内には、底板101上に積載された用紙の幅方向(給紙方向と直交する方向)側面をガイドするサイドフェンス108を両側に設け、用紙の後方には後端面を押さえる後端規制部材110を後端に備えている。なお、サイドフェンス108および後端規制部材110は、用紙のサイズに合わせて位置調整できるよう配置される。
【0038】
用紙束の上限はフォトインタラプタからなるセンサー112で検知される。センサー112によって用紙の供給位置を検知し、用紙の残量が少なくなっても供給位置がばらつかないように、底板101を上昇モータMで上下動させ、用紙の供給位置の制御を行う。このように給紙分離条件を一定に保つために、用紙の積載量が増減しても常に給紙位置が一定となるように上限位置の最適化を行っている。
【0039】
なお、センサー112を動作させるアクチュエータ105が、給紙ローラ104および繰り出しローラ106aと連結された構成となっている。アクチュエータ105の端部に配置したフィラーがセンサー112を遮光することにより、常に用紙の上限を検知し、給紙ローラ104の位置を一定に保つようになっている。また、用紙の積載量の減少と合わせて底板101が上昇しても、この位置検知をこのアクチュエータ105によって行う。用紙収納部102は、給紙装置本体から抜き差し可能な構成で、使用者が用紙を用紙収納部102にセットするときには、用紙収納部102を引き出して行う。
【0040】
実施形態1に係る給紙装置は、この給紙装置100にタブ付き用紙を使用するときエンドフェンス120を配置するものである。図5は同給紙装置の要部を示す斜視図、図6は同給紙装置のエンドフェンスを示すものであり、(a)はエンドフェンスを広げた状態を示す斜視図、(b)はエンドフェンスを狭めた状態を示す斜視図、図7は同給紙装置を狭めた状態の寸法を示す斜視図である。
【0041】
実施例1に係る給紙装置100におけるエンドフェンス120は、その幅寸法を変更できるものであり、用紙収納部102に配置された用紙束のうちの最上位紙の上側に配置される。
【0042】
このエンドフェンス120は、前記最上位の用紙上面に設置される設置板部120Aと、この設置板部120Aから前記用紙束の後端に沿って下方に向けて折り曲げ形成された規制板部120Bとを備えている。
【0043】
また、エンドフェンス120は、異なる用紙サイズに対応できるように該当エンドフェンスは、ヒンジ部124で基部121の両側に2枚の可動部122を開閉可能に配置している。実施例に係るエンドフェンス120は、可動部122を開閉操作することにより、使用する用紙の用紙幅方向にその幅寸法L1、L2に変更できる。ここで、ヒンジ部124は、基部121と可動部122とを切り欠いて折り曲げることにより、両部が回動できるように構成する。このようにすると、軸部材などが必要なくなり、部品点数が増加することなく、安価なものとできる。
【0044】
エンドフェンス120は、基部121の両端に配置した可動部122をヒンジ部124で広げ、その幅寸法を広げた状態(図6(a):寸法L1)から、可動部122をヒンジ部124で内側に折り畳みその幅寸法を小さくすることができる(図6(b):寸法L2)。この可動部122は、エンドフェンス120の幅方向の中心軸Oに対して線対称に配置される。
【0045】
また、基部121と可動部122との間には、停止機構を備える。この停止機構は、エンドフェンス120の基部121の両端に形成された突起部125と、可動部122の基部121側端部に形成された突起部125とで形成される。また、突起部125と突起片126とは弾性的にはまり合う。突起部125と、突起片126とは、可動部122が基部121から広げられ、エンドフェンス120の幅方向の寸法が最大(寸法L1:図6(a))となったとき、可動部122の移動を停止させ、この停止状態を保持する。基部121を最大幅に広げると、突起部125と突起片126とがはまり合って、クリック感(節度感)が生じる。
【0046】
クリック感は、可動部122を広げるのに必要な操作力が可動部122を最大に広げるにつれ増加して操作力のピークが形成され、その後、所定の終了位置まで操作力が急激に減少することにより、操作者に与えられる手ごたえである。
【0047】
実施形態1では、可動部122を広げたときクリック感があるので、操作が実行されたことを操作者に実感させ、エンドフェンスが折り畳まれたか否かを容易に確認できる。また、突起部125、突起片126が基部121と可動部122とが固定されるので、不用意な力でエンドフェンス120の幅寸法が変更されるのを防止できる。
【0048】
また、エンドフェンス120は、後端規制部材110に取り付けるための弾力性を備え板部材で構成された取付板部123を備える。この取付板部123は、図5に示すように、基部121に2個設置され、後端規制部材110の2本の脚部111の内側に弾性的にはめ込まれる。この構成によりエンドフェンス120の取り付け取り外しが容易にできる。また、このようにエンドフェンス120を設置すると、エンドフェンス120の幅方向の中心線Oが用紙中心C(図3参照)と一致するので、用紙を安定して停止させることができる。
【0049】
また、エンドフェンス120の可動部122を折り畳んだ状態においても、線対称であるので、このエンドフェンス120を配置して通紙した場合においては、エンドフェンス120が用紙の後端に及ぼす力も均一にすることができ、荷重バランスが均一となり、用紙の斜行送り等の搬送不良を防ぐことができる。
【0050】
さらに、エンドフェンス120は、折り畳んでその幅寸法を小さくできるので、エンドフェンス120を使用しない場合には、機外に小さなスペースで収納できる。
【0051】
実施形態1では、図7に示すように、エンドフェンス120の最小寸法(L2)を2台のサイドフェンス108の最小間隔寸法(L)より小さくしておく(L≧Le)と、最小間隔寸法に配置されサイドフェンス108の間にエンドフェンス120を問題なく配置できる。
【0052】
また、エンドフェンス120は、用紙収納部102と異なる色とされている。これにより、エンドフェンス120を視認しやすくなり、エンドフェンス120の有無を確認しやすくなる。
【0053】
さらに、実施形態1では、エンドフェンス120の基部121と、可動部122とは、異なる色彩としている。これにより、エンドフェンス120が折り畳まれているか否かが確実に確認できる。
【0054】
<実施形態2>
次に実施形態2に係る給紙装置に使用するエンドフェンス130について説明する。図8は実施形態2に係る給紙装置のエンドフェンスを示す斜視図である。図8中(a)はエンドフェンス130の幅を広げた状態、(b)はエンドフェンス130の幅を狭めた状態を示している。
【0055】
実施形態2に係るエンドフェンス130は、用紙収納部102に収納された用紙束の上に積載される用紙束の上に配置される配置板部130Aと、この配置板部130Aから用紙束の後端面に沿って下方に向け延長して配置される規制板部130Bとを備える。また、エンドフェンス130は、2枚の可動部132を、エンドフェンス130の幅方向にスライドして基部131内に収納できる。さらに、エンドフェンス130には、エンドフェンス130を後端規制部材110に取り付ける取付板部133が形成される。
【0056】
可動部132には、スライド方向に沿って溝部134が形成され、基部131には、この溝部134にはまり、可動部132を案内する案内突起135が形成されている。
【0057】
エンドフェンス130によれば、可動部132の基部131への収納状態を調整することで、その幅寸法を最大LM(図8(a))から最小Lm(図8(b))までの任意の寸法とすることができる。
【0058】
実施形態2に係るエンドフェンス120では、溝部134、案内突起135との間に板バネを用いたラッチ構成や、突起および摩擦部材を配置することができる。このような機構を設けることで、可動部132を任意の箇所で固定することができる。また、操作者は可動部132を広げたしたことや、縮めたことを、節度感や抵抗感を伴って確認できる。
【0059】
実施形態2に係るエンドフェンス130は、基部131の中に可動部132を収納できるので、概観上凹凸がなく平滑に構成できる。このため、可動部132の上面を利用してエンドフェンスの操作説明を示す表示を貼り付けることができ、操作者に装置の操作情報を提供できる。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成部
2 読取部
3 定着部
4 排紙部
5 後端係止部材
6 給紙トレイ
7 大容量給紙装置
8 繰り出しローラ
9 フィードローラ
10 戻しローラ
11 レジストローラ
51 エンジン制御部
52 制御部
53 ホストコンピューター
54 表示部
55 入力部
56 給紙部
57 給紙制御部
100 給紙装置
101 底板
102 用紙収納部
103 用紙供給ユニット
104 給紙ローラ
105 アクチュエータ
106a 繰り出しローラ
106b 戻しローラ
108 サイドフェンス
110 後端規制部材
111 脚部
112 センサー
120 エンドフェンス
120A 設置板部
120B 規制板部
121 基部
122 可動部
123 取付板部
124 ヒンジ部
125 突起部
126 突起片
130 エンドフェンス
130A 配置板部
130B 規制板部
131 基部
132 可動部
133 取付板部
134 溝部
135 案内突起
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特許3773724号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載された用紙束から最上位紙を繰り出す繰り出しローラと、繰り出された最上位紙とともに繰り出し方向に移動された2枚目以降の用紙を繰り出し反対方向に搬送する戻しローラとを備える給紙装置であって、
前記戻された用紙の後端位置を規制するエンドフェンスを備え、
前記エンドフェンスは、前記最上位の用紙の上面に載せられて設置される設置板部と、前記設置板部から前記積載された用紙束の後端面に沿って延長して配置され、前記用紙の幅方向全域において前記用紙の後端に接触して停止させる規制板部とを備えて構成され、
かつ、
前記設置板部と規制板部とが、用紙の幅方向にその寸法を変更可能に構成されるとともに、前記用紙束の最上位用紙の上側に設置できることを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
用紙収納部に配置されるとともに積載された用紙束の後端に接触して前記用紙束の位置を規制する後端規制部材を備え、
前記エンドフェンスが、前記後端規制部材に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
【請求項3】
前記エンドフェンスが、その幅方向での形状が幅方向の中心線に対して、線対称に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記エンドフェンスの幅寸法変更後の寸法をL2とし、給紙装置において用紙束の両側部を規制するサイドフェンス間の最小寸法をLとしたとき、
L≧L2であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の給紙装置。
【請求項5】
前記エンドフェンスが、基部と、この基部の両端に配置されたヒンジ部と、このヒンジ部に回転可能に配置された可動部とを備え、前記可動部を前記ヒンジ部で折り畳み、前記幅寸法を変更することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の給紙装置。
【請求項6】
前記エンドフェンスが、基部とこの基部に設定位置自在にスライドして収納される可動部とを備え、前記可動部を前記基部に収納して前記幅寸法を変更することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の給紙装置。
【請求項7】
前記基部と前記可動部との間には、前記可動部を基部から移動させて幅寸法があらかじめ定めた大きさとなったとき、弾力的にはまり合って前記可動部の移動を停止させるとともに、前記可動部の停止状態を保持する停止機構を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の給紙装置。
【請求項8】
前記エンドフェンスが、前記用紙収納部と異なる色彩が付されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の給紙装置。
【請求項9】
前記基部と、前記可動部とに異なる色彩が付されていることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の給紙装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9でのいずれかに記載の給紙装置と、前記給紙装置で搬送された用紙に画像を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−254853(P2012−254853A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128594(P2011−128594)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】