説明

給茶機

【課題】扉体のデザインを変えることができる給茶機を提供する。
【解決手段】扉体13の注出口部18より上部側の大部分の領域に開口部19を設ける。開口部19を覆う透明パネル24と透明パネル24の背面側で扉体13に取り付けられる固定板26との間に、シート25を着脱可能に配置する。デザインの施されたシート25の交換によって、扉体13の上部側の大部分の領域のデザインを変更できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を注出する給茶機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にお茶など飲料を注出する給茶機は、注出部に飲料を注出する給茶装置を収納した給茶機本体、およびこの給茶機本体の前面に開閉可能に取り付けられた扉体を備えている。
【0003】
扉体には、下部側に給茶装置の注出部に臨む注出口部が形成され、この注出口より上部側に飲料を選択するための複数の選択ボタン、およびこれら選択ボタンに対応して飲料種類を表示するラベルが着脱可能に配置されている。この扉体のデザインは、給茶機の機種毎に固定であった。
【0004】
また、自動販売機においては、扉体に商品見本展示部、選択ボタン、取出口が設けられ、さらにポスターを配置する広告部が設けられたものがある。広告部には、透明なカバーが開閉可能に設けられ、このカバーを開いてポスターを交換可能としている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−171670号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動販売機では広告部のポスターを交換可能としたものもあるが、給茶機は、事務所内に設置されることが多いこと、および自動販売機に比べて小形で扉体の面積が小さいことなどにより、自動販売機のような広告部が設けられていない。
【0006】
給茶機は、給茶機の機種毎にデザインが固定であったため、設置場所に応じたデザインの要求があるが、そのようなデザイン要求には対応できなかった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、扉体のデザインを変えることができる給茶機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の給茶機は、注出部に飲料を注出する給茶装置を収納する給茶機本体と、この給茶機本体に開閉可能に取り付けられ、下部側には前記給茶装置の注出部に臨む注出口部が設けられているとともに、この注出口部より上部側の大部分の領域に開口部が設けられた扉体と、この扉体の開口部を覆う透明パネルと、この透明パネルの背面側で前記扉体に取り付けられる固定板と、前記透明パネルと前記固定板との間に着脱可能に配置されるシートと、前記固定板に取り付けられ、前記シートおよび前記透明パネルを貫通して前記透明パネルの前面側から操作可能に配置される飲料選択用の複数の選択ボタンと、前記固定板の各選択ボタンの近傍位置に着脱可能に取り付けられ、飲料種類を表示する複数のラベルとを具備しているものである。
【0009】
請求項2記載の給茶機は、注出部に飲料を注出する給茶装置を収納する給茶機本体と、この給茶機本体に開閉可能に取り付けられ、下部側には前記給茶装置の注出部に臨む注出口部が設けられているとともに、この注出口部より上部側の大部分の領域に開口部が設けられた扉体と、この扉体の開口部を覆って前記扉体に取り付けられたディスプレイパネルと、このディスプレイパネルの前面に設けられたタッチパネルとを具備しているものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の給茶機によれば、扉体の注出口部より上部側の大部分の領域に開口部を設け、この開口部を覆う透明パネルと透明パネルの背面側で扉体に取り付けられる固定板との間にシートを着脱可能に配置することにより、デザインの施されたシートの交換によって扉体の上部側の大部分の領域のデザインを変更することができ、また、選択ボタンやラベルがデザイン表示の内側領域に配置され、今までに無いデザイン効果を期待できる。
【0011】
請求項2記載の給茶機によれば、扉体の注出口部より上部側の大部分の領域に開口部を設け、この開口部を覆ってディスプレイパネルを扉体に取り付けたため、ディスプレイパネルへのデータ入力によって扉体の上部側の大部分の領域のデザインに自由に変えることができ、また、タッチパネルを用いることにより、デザイン表示の内側領域で飲料種類の選択が可能となり、今までに無いデザイン効果を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
図1ないし図3に第1の実施の形態を示す。
【0014】
図3に示すように、給茶機11は、給茶機本体12と、この給茶機本体12の前面に開閉可能に取り付けられた扉体13を備え、給茶機本体12内に主にお茶などの飲料を注出する給茶装置14が収納されている。この給茶装置14は、湯を供給する湯供給部、冷水を供給する冷水供給部、原料を収納供給する原料供給部、湯または冷水と原料とを混合する混合部、この混合部で混合された飲料を注出する注出部15などを備えている。
【0015】
図1ないし図3に示すように、扉体13は、下部側には給茶装置14の注出部15に臨んで開口する横長の注出口部18が形成され、この注出口部18より上部側の大部分の領域(扉体13の注出口部18より上部側の表面積の半分以上の領域)に開口部19が形成された枠形状に形成されている。扉体13の背面側の一側にはこの扉体13を給茶機本体12に回動可能に取り付けるヒンジ20が取り付けられている。
【0016】
扉体13の背面には、開口部19の周縁部に沿って配置されるパッキング23を介して例えばアクリル板などの透明パネル24が配置され、さらにこの透明パネル24の背面側にシート25を介して固定板26が配置され、扉体13と固定板26との間にパッキング23、透明パネル24およびシート25が挟持された状態となる。この状態で、固定板26の周縁部が複数のねじ27によって扉体13の背面に締め付け固定されている。
【0017】
固定板26には、複数の選択ボタンユニット30、商品種類を表示する複数のラベル31、これらラベル31を固定板26に取り付ける複数のラベル押さえ32、電源や断水状態を表示する表示灯ユニット33が取り付けられている。固定板26に取り付けられる選択ボタンユニット30には、飲料種類毎に温飲料用と冷飲料用とで縦方向に並べて配置した飲料選択用の選択ボタンユニット30、および飲料の濃さ調整用の選択ボタンユニット30がある。各ラベル31は、飲料種類毎の選択ボタンユニット30の上側近傍位置に配置されている。
【0018】
固定板26には、各選択ボタンユニット30が取り付けられる複数の取付孔34、ラベル31が配置されるとともに縁部にラベル押え32が着脱可能に取り付けられる複数の窓孔35、表示灯ユニット33が取り付けられる取付部36が形成されている。
【0019】
選択ボタンユニット30は、前面側に押下操作する選択ボタン30aを備え、この選択ボタン30aが、シート25に設けられた孔部25a、および透明パネル24に設けられた孔部24aを貫通して透明パネル24の前面側に突出し、透明パネル24の前面側からの操作が可能となっている。
【0020】
ラベル31は、例えば、紙やフィルムを素材とし、前面に飲料種類を表示する文字や絵柄が表示されている。ラベル押さえ32は、窓孔35に臨んで配置されたラベル31を押えた状態で窓孔35の縁部に着脱可能に取り付けられている。
【0021】
固定板26の背面側において、複数の選択ボタンユニット30および表示灯ユニット33の電気的な配線が施されている。
【0022】
また、扉体13の前面には、湯および冷水をそれぞれ注出させる選択ボタンユニット30が取り付けられ、これら選択ボタンユニット30についても固定板26の背面側において一緒に電気的な配線が施されている。
【0023】
また、扉体13の背面側には、固定板26や配線などを覆ってカバー39が配置され、このカバー39が化粧ねじ40によって固定板26に取り付けられている。
【0024】
そして、シート25は、例えば、紙やフィルムを素材とし、前面に絵柄や写真などのデザインが施されている。このデザインは、版を用いた大ロッド印刷、インクジェットプリンタなどによる小ロッド印刷などによって施されている。このシート25には、各選択ボタン30aの位置に対応して各選択ボタン30aが貫通する孔部25aが設けられ、さらに、各ラベル31の位置、および表示灯ユニット33の位置に対応して、これら各ラベル31および表示灯ユニット33を前面側から視認可能とする孔部あるいは透明部が形成されている。
【0025】
扉体13からカバー39および固定板26を外すことにより、シート25を交換することができる。
【0026】
そのため、給茶機11の設置場所、季節などに応じて、扉体13のデザインを変えることができる。例えば、同ビル内に複数の給茶機11が設置されている場合、それぞれ違うデザインのシート25を使用していれば、それらをローテーションさせることにより、デザインのバリエーションを広げることができる。
【0027】
シート25のデザインとしては、例えば、社名、写真、スポーツチームのロゴなどでもよく、また、掲示板として用いるための文章でもよい、
このように、扉体13の注出口部18より上部側の大部分の領域に開口部19を設け、この開口部19を覆う透明パネル24と透明パネル24の背面側で扉体13に取り付けられる固定板26との間にシート25を着脱可能に配置することにより、デザインの施されたシート25の交換によって扉体13の上部側の大部分の領域のデザインを変更することができる。
【0028】
また、選択ボタン30aやラベル31がデザイン表示の内側領域に配置され、今までに無いデザイン効果を期待できる。
【0029】
また、図4に示す第2の実施の形態のように、扉体13の背面側に、開口部19を覆ってディスプレイパネル51を取り付けてもよい。このディスプレイパネル51は、例えば、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、および有機ELディスプレイパネルなどを用い、データの入力によって画像表示あるいは映像表示を可能とする。
【0030】
ディスプレイパネル51の前面側にはタッチパネル52が設けられている。これにより、ディスプレイパネル51で飲料種類毎の選択ボタン表示域を表示し、タッチパネル52で選択可能とする。
【0031】
このように、扉体13の注出口部18より上部側の大部分の領域に開口部19を設け、この開口部19を覆ってディスプレイパネル51を扉体13に取り付けたため、ディスプレイパネル51へのデータ入力によって扉体13の上部側の大部分の領域のデザインに自由に変えることができる。
【0032】
また、タッチパネル52を用いることにより、デザイン表示の内側領域で飲料種類の選択が可能となり、今までに無いデザイン効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す給茶機の扉体の分解状態の斜視図である。
【図2】同上扉体の背面図である。
【図3】同上給茶機の斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す給茶機の扉体の分解状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
11 給茶機
12 給茶機本体
13 扉体
14 給茶装置
15 注出部
18 注出口部
19 開口部
24 透明パネル
25 シート
26 固定板
30a 選択ボタン
31 ラベル
51 ディスプレイパネル
52 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出部に飲料を注出する給茶装置を収納する給茶機本体と、
この給茶機本体に開閉可能に取り付けられ、下部側には前記給茶装置の注出部に臨む注出口部が設けられているとともに、この注出口部より上部側の大部分の領域に開口部が設けられた扉体と、
この扉体の開口部を覆う透明パネルと、
この透明パネルの背面側で前記扉体に取り付けられる固定板と、
前記透明パネルと前記固定板との間に着脱可能に配置されるシートと、
前記固定板に取り付けられ、前記シートおよび前記透明パネルを貫通して前記透明パネルの前面側から操作可能に配置される飲料選択用の複数の選択ボタンと、
前記固定板の各選択ボタンの近傍位置に着脱可能に取り付けられ、飲料種類を表示する複数のラベルと
を具備していることを特徴とする給茶機。
【請求項2】
注出部に飲料を注出する給茶装置を収納する給茶機本体と、
この給茶機本体に開閉可能に取り付けられ、下部側には前記給茶装置の注出部に臨む注出口部が設けられているとともに、この注出口部より上部側の大部分の領域に開口部が設けられた扉体と、
この扉体の開口部を覆って前記扉体に取り付けられたディスプレイパネルと、
このディスプレイパネルの前面に設けられたタッチパネルと
を具備していることを特徴とする給茶機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−189716(P2009−189716A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35991(P2008−35991)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000221269)東芝機器株式会社 (125)
【Fターム(参考)】