説明

給電システム及び方法

【課題】デジタルインタフェースを具備しない電源装置においても電源の制御を容易に、且つ、小型で実現可能な給電システムを提供する。
【解決手段】電源部101、102、120に対応するデジタルインタフェースを具備する制御部103、104、121と、制御部103、104、121との間で通信を行う中央処理部105とを具備する。制御部102、104、121は、中央処理部105から送信された電源部101、102、121を制御するための命令に従い、電源部101、102、120の投入タイミング、停止タイミング、出力電圧監視、出力電圧調整を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷に電源を供給する給電システム及び方法、特に、回路基板上に搭載されたIC、LSI等の電子部品に電源を供給するのに好適な給電システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来例の回路基板内の給電システムを図10に示す。図10において、電源部1、2は回路基板上に搭載されたIC、LSI等の電子部品に電源を供給する電源部である。出力on/off制御部3は電源部1、2のon/offを制御し、出力電圧調整部4、5はそれぞれ電源部1、2の出力電圧を調整する。出力電圧監視部6、7はそれぞれ電源部1、2の出力電圧を監視する。
【0003】
図10に示す給電システムでは、電源の出力on/off制御、出力電圧調整、出力電圧監視を行うには、それぞれ別々のデバイスが使用され、例えば、電源の出力on/off制御はFPGA、出力電圧調整は外付け抵抗、出力電圧監視は電圧監視ICが使用されている。
【0004】
そのため、出力電圧調整を行うtrim信号として外付け抵抗により固定した電位を電源部に与える方法が一般的であり、一度、出力電圧値を決定してしまうと、後から電圧値の調整を行うのは大変である。つまり、外付け抵抗の抵抗値によって電源部の出力電圧が決まり、一度、電源電圧を調整した後、電源電圧を再調整するには外付け抵抗を交換する必要がある。また、出力on/off制御部3、出力電圧調整部4、5、出力電圧監視部6、7には、それぞれ別々のデバイスが用いられ、回路基板内の実装面積を小さくすることが難しい。
【0005】
一方、特許文献1にはROM内に予め格納した制御プログラムに従って電源を制御すること等が記載され、特許文献2には出力電圧が目標電圧となるようにPWM(パルス幅変調)を制御する1チップマイクロコンピュータを有することが記載されている。特許文献3には入力電圧や出力電流等を検出するセンサの検出値とスイッチングトランジスタのオン時間との関係をテーブルに格納し、各センサの検出値に基づいて中央制御装置がテーブルからスッチングトランジスタのオン時間を選択してスイッチングトランジタをオン、オフ制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−020142号公報
【特許文献2】特開2000−032753号公報
【特許文献3】特開平11−113252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図10に示す給電システムでは、電源部の起動順序制御、出力電圧監視、出力電圧調整制御は、それぞれ別々のデバイスで行っているため、回路基板上の給電システムの実装面積を小さくすることが難しい。また、出力電圧調整を行うtrim信号として外付け抵抗により固定した電位を電源部に与えているため、一度、電源部の出力電圧値を決定した後、電源部の出力電圧を別の電圧値に調整するには、外付け抵抗を交換しなければならず、煩雑な作業が必要である。
【0008】
一方、特許文献1〜3には、ROM内に予め格納した制御プログラムに従って電源を制御したり、1チップマイクロコンピュータを用いて電源の制御を行うこと等が記載されているが、デジタルインタフェースを具備しない複数の電源装置を制御する方法に関しては記載されていない。
【0009】
本発明の目的は、デジタルインタフェースを具備しない電源装置においても、電源の制御を容易に、且つ、小型で実現することが可能な給電システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、電源部と、前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備し、前記制御部は、前記中央処理部から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする給電システムが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、電源部と、前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備する給電システムの給電方法であって、前記制御部は、前記中央処理部から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする給電方法が提供される。
【0012】
更に、本発明によれば、電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御装置であって、バスを介して中央制御装置と接続され、前記中央処理部との間で通信を行ない、前記中央処理装置から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする制御装置が提供される。
【0013】
更に、本発明によれば、電源部と、前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理装置とを具備する給電システムに含まれる中央処理装置であって、当該中央処理装置は、前記電源部を制御するための命令を前記制御部に送信し、前記制御部は、当該中央処理装置から送信された前記命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする中央処理装置が提供される。
【0014】
更に、本発明によれば、電源装置と、前記電源装置に対応して設けられ、対応する電源装置を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備する給電システムに含まれる電源装置であって、前記中央処理部から送信された当該電源装置を制御するための命令に従って動作する制御部に従って、制御されることを特徴とする電源装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、デジタルインタフェースを具備しない電源装置においても、電源の制御を容易に、且つ、小型で実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る給電システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の制御部の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【図4】電源部と制御部を3個備えた給電システムの実施形態を示すブロック図である。
【図5】制御部の構成例を示すブロック図である。
【図6】中央処理部の構成例を示すブロック図である。
【図7】電源起動シーケンスの一例を示すタイミング図である。
【図8】電源停止シーケンスの一例を示すタイミング図である。
【図9】電源部の出力電圧をセンスする位置を工夫した実施形態を示すブロック図である。
【図10】従来例の給電システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る給電システムの一実施形態を示すブロック図である。本実施形態では、回路基板上に搭載されたIC、LSI等の電子部品に直流電源を供給する給電システムの例を説明する。
【0018】
電源部101は回路基板上の負荷に直流電源を供給する電源装置であり、出力のon/offを制御するためのon/off信号を入力するon/off1端子、出力電圧を調整するためのtrim信号を入力するtrim1端子、出力電圧をセンスするためのsens1端子、入力電圧が供給されるVin1端子、出力電圧を取り出すためのVout1端子を備えている。
【0019】
電源部102も回路基板上の負荷に直流電源を供給する電源装置であり、出力のon/offを制御するためのon/off信号を入力するon/off2端子、出力電圧を調整するためのtrim信号を入力するtrim2端子、出力電圧をセンスするためのsens2端子、入力電圧が供給されるVin2端子、出力電圧を取り出すためのVout2端子を備えている。電源部101、102はデジタルインタフェースを具備しない電源装置である。103、104は電源部101、102に対応して設けられた制御部である。
【0020】
制御部103は電源部101に対し、出力のon/off制御を行うためのon/off信号を出力するon/off1端子、電源部101の出力電圧の調整を行うためのtrim信号を出力するtrim1端子、電源部101の出力電圧をセンスするためのVmon1端子、中央処理部105との通信を行うバスインタフェースであるbus1端子を備えている。制御部103のon/off1端子、trim1端子、Vmon1端子は、それぞれ電源部101のon/off1端子、trim1端子、Vout1端子と接続されている。
【0021】
制御部104は電源部102に対し、出力のon/off制御を行うためのon/off信号を出力するon/off2端子、電源部102の出力電圧の調整を行うためのtrim信号を出力するtrim2端子、電源部102の出力電圧をモニタするためのVmon2端子、中央処理部105との通信を行うバスインタフェースであるbus2端子を備えている。制御部104のon/off2端子、trim2端子、Vmon2端子は、それぞれ電源部102のon/off2端子、trim2端子、Vout2端子と接続されている。中央処理部はプログラム制御により動作するCPU等の制御回路である。
【0022】
制御部103、104のbus1端子、bus2端子は、それぞれバス106を介して中央処理部105と接続されている。図1では電源部と制御部は、それぞれ2個示しているが、1個でも3個以上でも構わない。
【0023】
図2は制御部103の構成例を示す。図2は制御部103の構成例を示しているが、制御部104の構成や動作も同様である。制御部103は上述のように電源部101に対し、出力のon/off制御を行うためのon/off信号、電源部101の出力電圧の調整を行うためのtrim信号を出力する。また、制御部103は電源部101の出力電圧をVmon1端子でモニタする。更に、制御部103はバスインタフェースであるbus1端子からバス106を介して中央処理部105との通信を行う。111はバスインタフェースを示す。
【0024】
制御部103の内部には、デジタル/アナログ変換を行うD/A変換部107と108、アナログ/デジタル変換を行うA/D変換部109を含む。D/A変換部107、108は、それぞれon/off1端子、trim1端子に接続され、A/D変換部109はVmon1端子と接続されている。制御部103の内部には、メモリ部110を含んでいる。
【0025】
メモリ部110は、Vmon1端子でモニタした電源部101の出力電圧値の保存や、trim1端子に接続する外付け抵抗の抵抗値(電源部のtrim端子に与える電位)と出力電圧設定値との対応関係を記憶する役割を担う。実際には、電源部101のtrim1端子に外付け抵抗は接続せず、電源部101のtrim1端子に出力するtrim信号の値と出力電圧設定値との対応関係を記憶する。通常の電源部では、trim端子に接続する外付け抵抗の値と出力設定電圧値との対応関係が公開(製造元等が公開)され、この対応関係を制御部のメモリ部に記憶しておく。
【0026】
本実施形態では、図1に示すように電源部101のtrim端子には外付け抵抗は接続せずに、外付け抵抗の抵抗値(実際には電源部のtrim端子に与える電位)と電源部101の出力電圧設定値との対応関係を保持しておく。例えば、電源部101の出力電圧設定値として5V、10V、12V、…、とし、各出力電圧設定値と電源部101のtrim端子に与える電位(trim信号の値)との関係を保持しておく。電源部101を、例えば、出力電圧5Vの電源として使用する場合には、電源部101のtrim端子に出力電圧が5Vとなるように電圧が調整されたtrim信号を出力することで電源部101の出力電圧値を5Vに調整する。
【0027】
そのため、一度、電源部101の出力電圧値をある電圧値に設定した後、電源部101の出力電圧値を別の出力電圧値に変更する場合には、外付け抵抗を交換する必要がなく、容易に別の出力電圧値に調整可能となる。即ち、制御部103が中央処理部105からの命令に基づいてメモリ部110に記憶している別の出力電圧設定値となるように調整されたtrim信号を出力することで、電源部101の出力電圧値を別の出力電圧値に調整可能となる。
【0028】
以上は制御部103で電源部101を制御する場合の動作の説明であるが、制御部104で電源部102を制御する場合の動作も全く同様である。また、電源部101、102の出力電圧値としては、例えば、電源部101の出力電圧値を5Vとし、電源部102の出力電圧値を12Vとするというように複数の電源部の出力電圧値の設定は任意である。なお、メモリ部110に所定出力電圧設定値とtrim信号との対応関係を記憶させ、別の所定電圧値に変更する場合にはその所定電圧値とtrim信号との対応関係を更新しても良い。
【0029】
中央処理部105はバス106を介して制御部103や制御部104に対し、電源部の起動命令や電源部の出力電圧調整命令を発行する。制御部103や制御部104は、中央処理部105から電源部の起動命令や出力電圧調整命令を受信すると、電源部101や電源部102に対し、on/off信号や出力電圧調整のためのtrim信号をアナログ信号で送出する。
【0030】
制御部103、104は、中央処理部105から命令に従い、電源部101、102の出力電圧値を一定周期毎にVmon1端子やVmon2端子で監視し、アナログ量の出力電圧値をデジタル値に変換してメモリ部110に書き込む。制御部103、104は中央処理部105からの命令に応じて電源部101、102の出力電圧値をバス106を介して中央処理部105に送出する。
【0031】
次に、図1に示す給電システムの具体的な動作を説明する。まず、中央処理部105や制御部103、104に電源が投入されると、中央処理部105、制御部103、104が動作を開始する。電源部101、102の起動時には、中央処理部105から制御部103、104に対し、起動命令や出力電圧調整命令を発行する。起動命令には電源部101と電源部102の投入順序が含まれ、中央処理部105は複数の電源部の投入順序制御を行う。
【0032】
制御部103、104は、中央処理部105から起動命令や出力電圧調整命令を受信すると、電源部101や電源部102に対し、on/off1信号やon/off2信号を出力して電源部101と電源部102を起動させる。例えば、いずれか一方の電源部を先に起動し、その後、他方の電源部を起動するというようにon/off信号を用いて投入順序制御を行う。もちろん、必要に応じて2つの電源部を同時に起動することもある。
【0033】
また、制御部103や制御部104は、中央処理部105からの出力電圧調整命令に従い、電源部101や電源部102にtrim1信号やtrim2信号を送出する。その際、制御部103や制御部104では、Vmon1端子やVmon2端子で電源部101や電源部102の出力電圧を監視し、Vmon1端子やVmon2端子でモニタしたアナログ電圧値を図2に示すA/D変換部109でデジタル電圧値に変換してメモリ部110に書き込む。
【0034】
制御部103や制御部104は、中央処理部105からの命令に従い、電源部101や電源部102の出力電圧を一定周期毎に監視しており、この周期は設定により変更可能である。制御部103や制御部104は、Vmon1端子やVmon2端子でモニタした電源部101や電源102の出力電圧値と、メモリ部110に記憶している電源部101や電源部102の出力電圧設定値をそれぞれ比較する。メモリ部110に記憶している出力電圧設定値とは中央処理部105から指示された電源部の目標とする出力電圧値である。制御部のメモリ部110には、電源部の出力電圧設定値とtrim信号との対応関係が保持されている。
【0035】
制御部103や制御部104は、電源部101や電源部102のモニタした出力電圧値が出力電圧設定値よりも低い場合には、出力電圧値を高くする方向にtrim信号の値を変化させて出力する。また、電源部101や電源部102の出力電圧が出力電圧設定値よりも高い場合には、出力電圧値を低くする方向にtrim信号の値を変化させて出力する。
【0036】
制御部103、104では、図2に示すD/A変換部108で電源部101や電源部102に対してtrim1信号やtrim2信号をアナログ信号に変換して出力する。このように一定周期毎に各電源部の出力電圧値をモニタし、出力電圧設定値との差分に応じてtrim信号を入力することで各電源部の出力電圧値を所定設定値に一定に調整することが可能となる。
【0037】
電源部101や電源部102の停止時には、中央処理部105から制御部103や制御部104に対し、電源部101や電源部102を停止させる停止命令を発行する。制御部103や制御部104は、中央処理部105から電源部101や電源部102の停止命令を受信すると、電源部101や電源部102に対し、on/off1信号やon/off2信号を送出して動作を停止させる。その際、例えば、電源部101を最初に停止させ、その後、電源部102を停止させる等必要に応じて停止順序制御を行っても良い。
【0038】
本実施形態では、上述のようにデジタルインタフェースを具備しない2個の電源部101、102を、デジタルインタフェースを具備する制御部103、104を用いて制御する。制御部103、104はバスインターフェースであるbus端子からバス106を介して中央処理部105との間で通信を行い、中央処理部105からの命令に従って1個以上の電源部101、102の投入順序制御、出力電圧監視、出力電圧調整の制御を行う。
【0039】
このようにデジタルインタフェースを具備しない複数の電源部をデジタルインタフェースを具備する制御部を用いて制御することにより、電源投入順序制御、出力電圧監視、出力電圧調整制御を容易に行えると共に、別々のデバイスを用いて電源投入順序、出力電圧監視、出力電圧調整を制御する必要がないため、デジタルインタフェースを具備しない電源部を用いた場合であっても、回路基板上の給電システムの実装面積を小さくすることが可能となる。
【0040】
図3は本発明の給電システムの他の実施形態を示すブロック図である。図3では図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図3は電源部の出力電圧をセンスする位置を工夫した例を示す。図3に示すように電源部101のsens1端子とVout1端子との間にA/D変換部112とD/A変換部113を直列に接続し、制御部103のVmon1端子と電源部101のVout1端子との間にA/D変換部114とD/A変換部115を直列に接続している。
【0041】
また、電源部102のsens2端子とVout2端子との間にA/D変換部118とD/A変換部119を直列に接続し、制御部104のVmon2端子と電源部102のVout2端子との間にA/D変換部116とD/A変換部117を直列に接続している。それ以外は図1と同様である。
【0042】
本実施形態では、電源部のVout端子とsens端子との間、或いは制御部のVmon端子と電源部のVout端子との間にA/D変換部とD/A変換部を直列に接続することにより、電源部の出力電圧をセンスした信号を、一旦、A/D変換し、更にD/A変換する。従って、電源部から離れた場所のセンスを行う必要がある場合にもセンス信号をデジタル信号で伝送するため、外来ノイズが加わることなくセンス信号を伝送させることが可能となる。
【0043】
なお、電源部101、102は、図示する端子以外の端子を含んでいてもよく、それらのうちの少なくとも一部の端子が、デジタルインタフェースの端末であってもよい。
【0044】
図4は更に本発明の給電システムの他の実施形態を示すブロック図である。本実施形態では、電源部と制御部をそれぞれ3個備えた給電システムの例を示す。図4では図1と同一部分には同一符号を付している。
【0045】
電源部101は回路基板上の負荷に直流電源を供給する電源装置であり、出力のon/offを制御するためのon/off信号を入力するon/off1端子、出力電圧を調整するためのtrim信号を入力するtrim1端子、出力電圧をセンスするためのsens1端子、入力電圧が供給されるVin1端子、出力電圧を取り出すためのVout1端子を備えている。
【0046】
電源部102も回路基板上の負荷に直流電源を供給する電源装置であり、出力のon/offを制御するためのon/off信号を入力するon/off2端子、出力電圧を調整するためのtrim信号を入力するtrim2端子、出力電圧をセンスするためのsens2端子、入力電圧が供給されるVin2端子、出力電圧を取り出すためのVout2端子を備えている。
【0047】
電源部120も回路基板上の負荷に直流電源を供給する電源装置であり、出力のon/offを制御するためのon/off信号を入力するon/off3端子、出力電圧を調整するためのtrim信号を入力するtrim3端子、出力電圧をセンスするためのsens3端子、入力電圧が供給されるVin3端子、出力電圧を取り出すためのVout3端子を備えている。電源部101、102、120はデジタルインタフェースを具備しない電源装置である。103、104、121は、それぞれ電源部101、102、120に対応して設けられた制御部である。
【0048】
制御部103は電源部101に対し、出力のon/off制御を行うためのon/off信号を出力するon/off1端子、電源部101の出力電圧の調整を行うためのtrim信号を出力するtrim1端子、電源部101の出力電圧をセンスするためのVmon1端子、中央処理部105との通信を行うバスインタフェースであるbus1端子を備えている。制御部103のon/off1端子、trim1端子、Vmon1端子は、それぞれ電源部101のon/off1端子、trim1端子、Vout1端子と接続されている。
【0049】
制御部104は電源部102に対し、出力のon/off制御を行うためのon/off信号を出力するon/off2端子、電源部102の出力電圧の調整を行うためのtrim信号を出力するtrim2端子、電源部102の出力電圧をモニタするためのVmon2端子、中央処理部105との通信を行うバスインタフェースであるbus2端子を備えている。制御部104のon/off2端子、trim2端子、Vmon2端子は、それぞれ電源部102のon/off2端子、trim2端子、Vout2端子と接続されている。
【0050】
制御部121は電源部120に対し、出力のon/off制御を行うためのon/off信号を出力するon/off3端子、電源部121の出力電圧の調整を行うためのtrim信号を出力するtrim3端子、電源部120の出力電圧をモニタするためのVmon3端子、中央処理部105との通信を行うバスインタフェースであるbus3端子を備えている。制御部121のon/off3端子、trim3端子、Vmon3端子は、それぞれ電源部120のon/off3端子、trim3端子、Vout3端子と接続されている。中央処理部105は、プログラム制御により動作するCPU等の制御回路である。
【0051】
制御部103、104、121のbus1端子、bus2端子、bus3端子は、それぞれバス106を介して中央処理部105と接続されている。図4では電源部と制御部は、それぞれ3個示しているが、1、2個でも4個以上でも構わない。
【0052】
図5は制御部の構成例を示す。図5では図2と同一部分には同一符号を付している。基本的には図5の制御部は図2と同様である。各制御部は対応する電源部に対し出力のon/off制御を行うon/off端子、出力電圧の制御を行うtrim端子、出力電圧をモニタするVmon端子、中央処理部105との通信を行うバスインタフェースであるbus端子を具備する。各制御部の内部には、デジタル/アナログ変換を行うD/A変換部107、108、アナログ/デジタル変換を行うA/D変換部109を具備する。D/A変換部107、108は、on/off端子、trim端子に、A/D変換部109はVmon端子に接続されている。
【0053】
各制御部の内部にはメモリ部110を具備する。メモリ部110は、Vmon端子でモニタした電源部の出力電圧値の保存やtrim端子に接続する外付け抵抗の抵抗値(電源部のtrim端子に与える電位)と出力電圧設定値との対応関係を記憶する役割を担う。電源部のtrim端子に外付け抵抗は接続せず、電源部のtrim端子に出力するtrim信号の値と出力電圧設定値との対応関係を記憶する。
【0054】
図1では電源部の出力電圧値を変更する場合、制御部が中央処理部105からの命令に基づいてメモリ部110に記憶している別の出力電圧設定値となるように調整されたtrim信号を出力することで、電源部101の出力電圧値を別の出力電圧値に調整可能となる。また、メモリ部110に所定出力電圧設定値とtrim信号との対応関係を記憶させ、別の所定電圧値に変更する場合には、その所定電圧値とtrim信号との対応関係を更新しても良いと説明したが、図5に示すように制御部の内部にメモリ制御部123を設け、メモリ制御部123が電源部の出力電圧値とtrim信号との関係を示すテーブルを変更することで電源部の出力電圧を変更することができる。
【0055】
図6は中央処理部105の構成例を示す。中央処理部105の内部には、複数の制御部に対して命令を送る順序を制御するための送信順序制御部124、制御部との通信を行うバスインターフェースであるbus端子を備えている。125はメモリ部、126はバスインターフェースを示す。図1、図3の中央処理部でも図6の構成と同じであっても良い。
【0056】
本実施形態では、上述のように電源部のtrim端子には外付け抵抗は接続せずに、外付け抵抗の抵抗値(実際には電源部のtrim端子に与える電位)と電源部の出力電圧設定値との対応関係を保持しておく。例えば、電源部の出力電圧設定値として5V、10V、12V、…、とし、各出力電圧設定値と電源部のtrim端子に与える電位(trim信号の値)との関係を保持しておく。電源部を、例えば、出力電圧5Vの電源として使用する場合には、電源部のtrim端子に出力電圧が5Vとなるように電圧が調整されたtrim信号を出力し、電源部の出力電圧値を5Vに調整する。その際、メモリ制御部123でテーブルを書き換えることにより電源部の出力電圧を変更できる。そのため、一度、電源部の出力電圧値をある電圧値に設定した後、電源部の出力電圧値を別の出力電圧値に変更する場合には、外付け抵抗を交換する必要がなく、容易に別の出力電圧値に調整可能となる。
【0057】
以上は制御部103で電源部101を制御する場合の動作の説明であるが、制御部104で電源部102を制御する場合や制御部121で電源部120を制御する場合の動作も全く同様である。
【0058】
中央処理部105はバス106を介して制御部103、104、121に対し、電源部の起動命令や停止命令や電源部の出力電圧調整命令等を発行する。制御部103、104、121は、中央処理部105から電源部の起動命令や停止命令や出力電圧調整命令を受信すると、一対一に接続されている電源部101、102、120に対し、on/off信号や出力電圧調整のためのtrim信号をアナログ信号で送出する。
【0059】
また、制御部103、104、121は、中央処理部105からの命令に従い、電源部101、102、120の出力電圧値を一定周期毎にVmon1端子やVmon2端子やVmon3端子で監視し、監視したアナログ量の出力電圧値をA/D変換部109でデジタル電圧値に変換してメモリ部110に書き込む。制御部103、104、121は、それぞれ中央処理部105からの命令に応じて電源部101、102、120の出力電圧値をバス106を介して中央処理部105に送出する。
【0060】
次に、図4に示す給電システムの具体的な動作について説明する。中央処理部105や制御部103、104、121に電源が投入されると、中央処理部105、制御部103、104、121が動作を開始する。
【0061】
まず、起動シーケンスが不要な場合の電源部の起動時には、中央処理部105から全ての制御部に対し、on/off信号、trim信号を送出する。中央処理部105からon/off信号やtrim信号を受けた制御部は、それぞれ対応する電源部に対しon/off信号、trim信号を送出する。各電源部はon/off信号を受け取ると、Vout端子から出力電圧を出力する。
【0062】
次に、起動シーケンスが必要な場合の電源部の起動方法について説明する。起動シーケンスの情報(どの電源部を一番初めに起動させ、その次に遅延時間をどれだけ確保し、どの電源部を起動させるかという情報)は、予め中央処理部105の内部に具備する命令送信順序制御部124に格納しておく。中央処理部105はbus端子にバス106上の各制御部へ向けて電源起動要求信号を送出する。電源起動要求信号には、電源の番号(電源部を識別する番号)、及び電源を起動させるまでの遅延時間に関する情報が含まれている。
【0063】
図7は電源起動シーケンスの一例を示す。図7に示す電源起動シーケンスは、一番初めに電源部101が起動し、電源部101が起動し始めてからt1−2時間後に電源部102が起動し、電源部102が起動し始めてからt2−3時間後に電源部120が起動する例を示す。中央処理部105は、電源部101を起動させる電源起動要求信号をbus端子に出力する。電源部101と接続されている制御部103は、中央処理部105から電源起動要求信号を受け取ると、電源部101に対しon/off信号を送出する。電源部101はon/off信号を受け取ると、Vout端子から出力電圧を出力する。
【0064】
中央処理部105は、図7に示すように電源部101を起動させる電源起動要求信号をbus端子に出力してからt1−2時間後に、電源部102を起動させる電源起動要求信号をbus端子に出力する。電源部102と接続されている制御部104は、中央処理部105から電源起動要求信号を受け取ると、電源部102に対しon/off信号を送出する。電源部102はon/off信号を受け取ると、同様にVout端子から出力電圧を出力する。
【0065】
次いで、中央処理部105は電源部102を起動させる電源起動要求信号をbus端子に出力してからt2−3時間後に、電源部120を起動させる電源起動要求信号をbus端子に出力する。電源部120と接続されている制御部121は、中央処理部105から電源起動要求信号を受け取ると、電源部120に対しon/off信号を送出する。電源部120はon/off信号を受け取ると、Vout端子から出力電圧を出力する。
【0066】
各電源部が起動した後は、それぞれ対応する制御部ではVmon端子で電源部の出力電圧を監視し、アナログ量の電圧値をデジタル量に変換して監視電圧値をメモリ部110に書き込む。各制御部は、電源部の出力電圧を一定周期毎(設定により変更可能)に監視する動作を継続して行う。
【0067】
また、各制御部では、Vmon端子に入力された電源部の出力電圧値とメモリ部110に格納された出力電圧設定値を比較し、電源部の出力電圧が出力電圧設定値よりも低い場合には出力電圧を高くする方向にtrim信号を出力する。一方、電源部の出力電圧値が出力電圧設定値よりも高い場合には、出力電圧を低くする方向にtrim信号を出力する。Vmon端子に入力された電源部の出力電圧値はメモリ部110に格納される。
【0068】
各制御部から対応する電源部に出力されるtrim信号は、電源部毎に値が異なる。通常の電源では、trim端子に接続する外付け抵抗の値と、出力電圧の値の対応関係が公開されているため、この対応関係を制御部内のメモリ部110に格納し、電源部が異なる場合は対応関係を更新することで、異なる電源に対しtrim信号を出力することが可能となる。電源部の出力電圧を変更する場合の、trim信号の更新方法について説明する。中央処理部105のbus端子からバス106上の各制御部へ向けて電源電圧設定信号を送出する。制御部は、電源電圧設定信号を受け取ると、送出された電源電圧設定信号に対応するtrim信号を、対応する電源部に対して送出する。電源部は電源電圧設定信号で設定された電圧値の出力電圧を出力する。この更新は上述のようにメモリ制御部123がテーブルを更新して行う。電源電圧設定信号とtrim信号との対応関係は上述のようにメモリ部に保持している。
【0069】
中央処理部105は、内部の命令送信順序制御部124に記憶させたプログラムにより各制御部で電源部の出力電圧を一定周期毎に監視した値を、一定周期毎に収集する役割を持つ。中央処理部105は、bus端子からバス106上の各制御部へ向けて電圧確認要求信号を送出する。各制御部は中央処理部105から電圧確認要求信号を受け取ると、中央処理部105に対し電圧値を含んだ電圧確認回答信号を送信する。
【0070】
次に、電源部を停止させる場合の動作について説明する。まず、停止シーケンスが不要な場合の電源部の停止時には、中央処理部105から全ての制御部に対しon/off信号(停止命令)を送出する。中央処理部105からon/off信号を受けた制御部は、対応する電源部に対しon/off信号を送出する。電源部はon/off信号を受け取ると電圧出力を停止する。
【0071】
また、複数の電源部の停止シーケンスが必要な場合の電源停止方法について説明する。電源停止シーケンスの情報(どの電源部を一番初めに停止させ、その次にどの電源部を停止させるか、という情報)は、予め中央処理部105の内部に設けられた命令送信順序制御部124に格納しておく。中央処理部105は、bus端子からバス106上の各制御部へ向けて電源停止要求信号を送出する。電源停止要求信号には、電源部の番号(電源部を識別する番号)及び電源部を停止させるまでの遅延時間に関する情報が含まれている。
【0072】
図8は電源停止シーケンスの一例を示す。図8に示す電源停止シーケンスは、一番初めに電源部101が停止し、電源部101が停止し始めてからt1−2時間後に電源部102が停止し、電源部102が停止し始めてからt2−3時間後に電源部120が停止する例を示す。各制御部は電源停止要求信号を受け取ると、対応する電源部に対し、on/off信号を送出する。電源部はon/off信号を受け取ると、電圧出力を停止する。
【0073】
具体的に説明すると、中央処理部105は電源部101を停止させる電源停止要求信号をbus端子に出力する。電源部101と接続されている制御部103は、中央処理部105から電源停止要求信号を受け取ると、電源部101に対しon/off信号を送出する。電源部101はon/off信号を受け取ると、Vout端子からの電圧出力を停止する。
【0074】
次いで、中央処理部105は図8に示すように電源部101を停止させる電源起動要求信号をbus端子に出力してからt1−2時間後に電源部102を停止させる電源停止要求信号をbus端子に出力する。電源部102と接続されている制御部104は中央処理部105から電源停止要求信号を受け取ると、電源部102に対しon/off信号を送出する。電源部102はon/off信号を受け取ると、Vout端子からの電圧出力を停止する。
【0075】
次に、中央処理部105は、電源部102を停止させる電源停止要求信号をbus端子に出力してからt2−3時間後に、電源部120を停止させる電源停止要求信号をbus端子に出力する。電源部120と接続されている制御部121は中央処理部105から電源停止要求信号を受け取ると、電源部120に対しon/off信号を送出する。電源部120はon/off信号を受け取ると、同様にVout端子からの電圧出力を停止する。
【0076】
本実施形態では、同様にデジタルインタフェースを具備しない3個の電源部101、102、120を、デジタルインタフェースを具備する制御部103、104、121を用いて制御する。制御部103、104、121はバスインタフェースであるbus端子からバス106を介して中央処理部105との間で通信を行い、中央処理部105からの命令に従って1個以上の電源部101、102、120の投入順序制御、停止順序制御、出力電圧監視、出力電圧調整の制御を行う。
【0077】
このようにデジタルインタフェースを具備しない複数の電源部をデジタルインタフェースを具備する制御部を用いて制御することにより、電源投入順序制御、停止順序制御、出力電圧監視、出力電圧調整制御を容易に行えると共に、別々のデバイスを用いて電源投入順序、停止順序制御、出力電圧監視、出力電圧調整を制御する必要がないため、デジタルインタフェースを具備しない電源部を用いた場合であっても、回路基板上の給電システムの実装面積を小さくすることが可能となる。
【0078】
図9は図4の実施形態に対して電源部の出力電圧をセンスする位置を工夫した実施形態を示すブロック図である。図9では図3や図4と同一部分には同一符号を付している。図9に示すように電源部101のsens1端子とVout1端子との間にA/D変換部112とD/A変換部113を直列に接続し、制御部103のVmon1端子と電源部101のVout1端子との間にA/D変換部114とD/A変換部115を直列に接続している。
【0079】
また、電源部102のsens2端子とVout2端子との間にA/D変換部118とD/A変換部119を直列に接続し、制御部104のVmon2端子と電源部102のVout2端子との間にA/D変換部116とD/A変換部117を直列に接続している。更に、電源部120のsens3端子とVout3端子との間にA/D変換部130とD/A変換部131を直列に接続し、制御部121のVmon3端子と電源部120のVout3端子との間にA/D変換部132とD/A変換部133を直列に接続している。
【0080】
ここで、電源部101のsens1端子とVout1端子との間にA/D変換部112とD/A変換部113を直列に接続しているが、電源部101のVout1端子にA/D変換部112の入力端子を接続する場合には、双方の端子間距離は所定距離以内とし、D/A変換部113の出力端子を電源部101のsens1端子に接続する場合も双方の端子間距離は所定距離以内とする。
【0081】
また、制御部103のVmon1端子と電源部101のVout1端子との間にA/D変換部114とD/A変換部115を直列に接続しているが、電源部101のVout1端子にA/D変換部114の入力端子を接続する場合も双方の端子間距離は所定距離以内とし、制御部103のVmon1端子にD/A変換部115の入力端子を接続する場合も双方の端子間距離は所定距離以内とする。
【0082】
なお、電源部102のsens2端子とVout2端子との間にA/D変換部118とD/A変換部119を接続する場合や制御部104のVmon2端子と電源部102のVout2端子との間にA/D変換部116とD/A変換部117を接続する場合も全く同様である。
【0083】
また、電源部120のsens3端子とVout3端子との間にA/D変換部130とD/A変換部131を接続する場合や制御部121のVmon3端子と電源部120のVout3端子との間にA/D変換部132とD/A変換部133を接続する場合も全く同様である。
【0084】
ここで、所定距離以内とは、部品配置上、他の部品を含む部品間の配置の制限を考慮した上で、できる限り各電源部のVout端子と各A/D変換部の入力端子との距離を近くし、各電源部のsens端子と各D/A変換部の出力端子との距離を近くすることをいう。また、できる限り各制御部のVmon端子と各D/A変換部の出力端子との距離を近くすることをいう。
【0085】
本実施形態では、図3と同様に電源部のVout端子とsens端子との間、或いは制御部のVmon端子と電源部のVout端子との間にA/D変換部とD/A変換部を直列に接続することにより、電源部の出力電圧をセンスした信号を、一旦、A/D変換し、更にD/A変換する。従って、電源部から離れた場所のセンスを行う必要がある場合にもセンス信号をデジタル信号で伝送するため、外来ノイズが加わることなくセンス信号を伝送させることが可能となる。なお、電源部101、102、120は、図示する端子以外の端子を含んでいてもよく、それらのうちの少なくとも一部の端子が、デジタルインタフェースの端末であってもよい。
【0086】
以上の実施形態では、中央処理部と複数の制御部が一本のバスで接続され、制御部の数が増加すると、バス上で制御信号が衝突する確率が高くなることが考えられるが、上述のように中央処理部105から複数の制御部に対して起動順序(停止順序)に従い起動命令(停止命令)を送信するため、バス上で起動命令(停止命令)の順序がずれ、制御部の数が増加しても、制御信号が衝突する確率を低減できる。そのため、制御部と中央処理部との間の制御信号の遅延を小さくできる。
【0087】
なお、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0088】
(付記1)
電源部と、
前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備し、
前記制御部は、前記中央処理部から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする給電システム。
【0089】
(付記2)
前記制御部は、前記中央処理部からの命令に従い、対応する電源部の電源投入タイミングの制御、対応する電源部の電源停止タイミングの制御、対応する電源部の出力電圧監視、又は、対応する電源部の出力電圧調整を行なうことを特徴とする付記1に記載の給電システム。
【0090】
(付記3)
前記電源部の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続されたA/D変換器と、前記制御部のモニタ端子に該モニタ端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続されたD/A変換器とを更に備え、
前記電源部の出力電圧監視において、前記電源部の出力端子から出力された出力電圧は、前記A/D変換器でA/D変換され、前記A/D変換器の出力デジタル信号は、前記D/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が前記モニタ端子に入力されることを特徴とする付記2に記載の給電システム。
【0091】
(付記4)
前記電源部と前記制御部との組が複数備わり、
前記中央処理部は、複数の制御部に対して、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源投入を指示する信号を出力し、又は、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源停止タイミングを指示する信号を出力し、
前記複数の制御部の各々は、前記中央処理部から入力した電源部の電源投入を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を投入し、又は、前記制御部から入力した電源部の電源停止を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を停止することを特徴とする付記2又は3に記載の給電システム。
【0092】
(付記5)
前記制御部は、対応する電源部の所定の出力電圧設定値毎に前記電源部に出力する出力電圧調整のための制御信号との対応関係をメモリ部に記憶し、前記対応する電源部の出力電圧値を調整する場合には、前記メモリ部に記憶している調整後の出力電圧設定値に対応した前記制御信号を前記対応する電源部に出力することを特徴とする付記2乃至4の何れか1に記載の給電システム。
【0093】
(付記6)
前記電源部と前記制御部との組が複数備わり、
前記中央処理部は、複数の制御部に対して、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源投入を指示する信号を出力し、又は、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源停止タイミングを指示する信号を出力し、
前記複数の制御部の各々は、前記中央処理部から入力した電源部の電源投入を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を投入し、又は、前記制御部から入力した電源部の電源停止を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を停止することを特徴とする付記2乃至5の何れか1に記載の給電システム。
【0094】
(付記7)
電源部と、
前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備する給電システムの給電方法であって、
前記制御部は、前記中央処理部から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする給電方法。
【0095】
(付記8)
前記制御部は、前記中央処理部からの命令に従い、対応する電源部の電源投入タイミングの制御、対応する電源部の電源停止タイミングの制御、対応する電源部の出力電圧監視、又は、対応する電源部の出力電圧調整を行なうことを特徴とする付記7に記載の給電方法。
【0096】
(付記9)
前記給電システムは、前記電源部の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続されたA/D変換器と、前記制御部のモニタ端子に該モニタ端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続されたD/A変換器とを更に備え、
前記電源部の出力電圧監視において、前記電源部の出力端子から出力された出力電圧は、前記A/D変換器でA/D変換され、前記A/D変換器の出力デジタル信号は、前記D/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が前記モニタ端子に入力されることを特徴とする付記8に記載の給電方法。
【0097】
(付記10)
前記給電システムは、前記電源部の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続された第2のA/D変換器と、前記電源部のセンス端子に該センス端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続された第2のD/A変換器とを更に備え、
前記電源部の出力端子から出力された出力電圧は、前記第2のA/D変換器でA/D変換され、前記第2のA/D変換器の出力デジタル信号は、前記第2のD/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が前記センス端子に入力されることを特徴とする付記8又は9に記載の給電方法。
【0098】
(付記11)
前記制御部は、対応する電源部の所定の出力電圧設定値毎に前記電源部に出力する出力電圧調整のための制御信号との対応関係をメモリ部に記憶し、前記対応する電源部の出力電圧値を調整する場合には、前記メモリ部に記憶している調整後の出力電圧設定値に対応した前記制御信号を前記対応する電源部に出力することを特徴とする付記8乃至10の何れか1に記載の給電方法。
【0099】
(付記12)
前記給電システムは、前記電源部と前記制御部との組を複数備え、
前記中央処理部は、複数の制御部に対して、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源投入を指示する信号を出力し、又は、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源停止タイミングを指示する信号を出力し、
前記複数の制御部の各々は、前記中央処理部から入力した電源部の電源投入を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を投入し、又は、前記制御部から入力した電源部の電源停止を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を停止することを特徴とする付記8乃至11の何れか1に記載の給電方法。
【0100】
(付記13)
電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御装置であって、
バスを介して中央制御装置と接続され、前記中央処理部との間で通信を行ない、
前記中央処理装置から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする制御装置。
【0101】
(付記14)
前記中央処理装置からの命令に従い、電源部の電源投入タイミングの制御、電源部の電源停止タイミングの制御、電源部の出力電圧監視、又は、電源部の出力電圧調整を行なうことを特徴とする付記13に記載の制御装置。
【0102】
(付記15)
前記電源部の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続されたA/D変換器と、当該制御装置のモニタ端子に該モニタ端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続されたD/A変換器とを利用し、
前記電源部の出力電圧監視において、前記電源部の出力端子から出力された出力電圧は、前記A/D変換器でA/D変換され、前記A/D変換器の出力デジタル信号は、前記D/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が当該制御装置の前記モニタ端子に入力されることを特徴とする付記14に記載の制御装置。
【0103】
(付記16)
電源部の所定の出力電圧設定値毎に前記電源部に出力する出力電圧調整のための制御信号との対応関係をメモリ部に記憶し、前記電源部の出力電圧値を調整する場合には、前記メモリ部に記憶している調整後の出力電圧設定値に対応した前記制御信号を前記電源部に出力することを特徴とする付記14又は15に記載の制御装置。
【0104】
(付記17)
当該制御装置は、前記電源部と制御装置との組が複数備わる給電システムに含まれる制御装置であり、
前記中央処理装置は、複数の制御装置に対して、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源投入を指示する信号又は電源停止タイミングを指示する信号を出力し、
前記当該制御装置は、前記中央処理部から入力した電源部の電源投入を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を投入し、又は、前記制御装置から入力した電源部の電源停止を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を停止することを特徴とする付記14乃至16の何れか1に記載の制御装置。
【0105】
(付記18)
電源部と、
前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理装置とを具備する給電システムに含まれる中央処理装置であって、
当該中央処理装置は、前記電源部を制御するための命令を前記制御部に送信し、
前記制御部は、当該中央処理装置から送信された前記命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする中央処理装置。
【0106】
(付記19)
前記制御部は、当該中央処理装置からの命令に従い、対応する電源部の電源投入タイミングの制御、対応する電源部の電源停止タイミングの制御、対応する電源部の出力電圧監視、又は、対応する電源部の出力電圧調整を行なうことを特徴とする付記18に記載の中央処理装置。
【0107】
(付記20)
前記制御部は、対応する電源部の所定の出力電圧設定値毎に前記電源部に出力する出力電圧調整のための制御信号との対応関係をメモリ部に記憶し、
前記制御部が、対応する電源部の出力電圧値を調整する場合には、当該中央処理装置は、前記制御部にその調整のための命令を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記メモリ部に記憶している調整後の出力電圧設定値に対応した前記制御信号を前記対応する電源部に出力することを特徴とする付記19に記載の中央処理装置。
【0108】
(付記21)
前記給電システムには、前記電源部と前記制御部との組が複数備わり、
当該中央処理装置は、複数の制御部に対して、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源投入を指示する信号を出力し、又は、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源停止タイミングを指示する信号を出力し、
前記複数の制御部の各々は、当該中央処理装置から入力した電源部の電源投入を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を投入し、又は、前記制御部から入力した電源部の電源停止を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を停止することを特徴とする付記19又は20に記載の中央処理装置。
【0109】
(付記22)
電源装置と、
前記電源装置に対応して設けられ、対応する電源装置を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備する給電システムに含まれる電源装置であって、
前記中央処理部から送信された当該電源装置を制御するための命令に従って動作する制御部に従って、制御されることを特徴とする電源装置。
【0110】
(付記23)
前記中央処理部からの命令に従って動作する制御部により、電源投入タイミングの制御、電源停止タイミングの制御、又は、出力電圧調整が行われることを特徴とする付記22に記載の電源装置。
【0111】
(付記24)
前記電源装置の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続されたA/D変換器と、前記制御部のモニタ端子に該モニタ端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続されたD/A変換器とを更に備え、
当該電源装置の出力電圧監視において、当該電源装置の出力端子から出力された出力電圧は、前記A/D変換器でA/D変換され、前記A/D変換器の出力デジタル信号は、前記D/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が前記モニタ端子に入力されることを特徴とする付記23に記載の電源装置。
【0112】
(付記25)
前記電源部の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続された第2のA/D変換器と、前記電源部のセンス端子に該センス端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続された第2のD/A変換器とを更に備え、
前記電源部の出力端子から出力された出力電圧は、前記第2のA/D変換器でA/D変換され、前記第2のA/D変換器の出力デジタル信号は、前記第2のD/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が前記センス端子に入力されることを特徴とする付記23又は24記載の電源装置。
【0113】
(付記26)
前記制御部は、当該電源装置の所定の出力電圧設定値毎に前記電源装置に出力する出力電圧調整のための制御信号との対応関係をメモリ部に記憶し、
当該電源装置の出力電圧値が調整される場合には、前記メモリ部に記憶している調整後の出力電圧設定値に対応した前記制御信号を、前記制御部から入力することを特徴とする付記22乃至25の何れか1に記載の電源装置。
【0114】
(付記27)
前記電源装置と前記制御部との組を複数備え、
当該電源装置は、複数の電源装置のうちの何れかの電源装置であり、
前記中央処理部は、複数の制御部に対して、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源投入を指示する信号を出力し、又は、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源停止タイミングを指示する信号を出力し、
前記複数の制御部の各々は、前記中央処理部から入力した電源装置の電源投入を指示する信号に従って、対応する電源装置の電源を投入し、又は、前記制御部から入力した電源装置の電源停止を指示する信号に従って、対応する電源装置の電源を停止することを特徴とする付記23乃至26の何れか1に記載の電源装置。
【符号の説明】
【0115】
101、102、120 電源部
103、104、121 制御部
105 中央処理部
106 バス
107、108 D/A変換部
109 A/D変換部
110、125 メモリ部
111 バスインタフェース
112、114、116、118、130、132 A/D変換部
113、115、117、119、131、133 D/A変換部
123 メモリ制御部
124 命令送信順序制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部と、
前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備し、
前記制御部は、前記中央処理部から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする給電システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記中央処理部からの命令に従い、対応する電源部の電源投入タイミングの制御、対応する電源部の電源停止タイミングの制御、対応する電源部の出力電圧監視、又は、対応する電源部の出力電圧調整を行なうことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記電源部の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続されたA/D変換器と、前記制御部のモニタ端子に該モニタ端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続されたD/A変換器とを更に備え、
前記電源部の出力電圧監視において、前記電源部の出力端子から出力された出力電圧は、前記A/D変換器でA/D変換され、前記A/D変換器の出力デジタル信号は、前記D/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が前記モニタ端子に入力されることを特徴とする請求項2に記載の給電システム。
【請求項4】
前記電源部の出力端子に該出力端子から所定距離以内の場所でその入力端子が接続された第2のA/D変換器と、前記電源部のセンス端子に該センス端子から所定距離以内の場所でその出力端子が接続された第2のD/A変換器とを更に備え、
前記電源部の出力端子から出力された出力電圧は、前記第2のA/D変換器でA/D変換され、前記第2のA/D変換器の出力デジタル信号は、前記第2のD/A変換器でアナログ信号に変換され、該アナログ信号が前記センス端子に入力されることを特徴とする請求項2又は3に記載の給電システム。
【請求項5】
前記制御部は、対応する電源部の所定の出力電圧設定値毎に前記電源部に出力する出力電圧調整のための制御信号との対応関係をメモリ部に記憶し、前記対応する電源部の出力電圧値を調整する場合には、前記メモリ部に記憶している調整後の出力電圧設定値に対応した前記制御信号を前記対応する電源部に出力することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の給電システム。
【請求項6】
前記電源部と前記制御部との組が複数備わり、
前記中央処理部は、複数の制御部に対して、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源投入を指示する信号を出力し、又は、所定のシーケンスに従って、それぞれに対応する電源部の電源停止タイミングを指示する信号を出力し、
前記複数の制御部の各々は、前記中央処理部から入力した電源部の電源投入を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を投入し、又は、前記制御部から入力した電源部の電源停止を指示する信号に従って、対応する電源部の電源を停止することを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の給電システム。
【請求項7】
電源部と、
前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備する給電システムの給電方法であって、
前記制御部は、前記中央処理部から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする給電方法。
【請求項8】
電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御装置であって、
バスを介して中央制御装置と接続され、前記中央処理部との間で通信を行ない、
前記中央処理装置から送信された前記電源部を制御するための命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
電源部と、
前記電源部に対応して設けられ、対応する電源部を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理装置とを具備する給電システムに含まれる中央処理装置であって、
当該中央処理装置は、前記電源部を制御するための命令を前記制御部に送信し、
前記制御部は、当該中央処理装置から送信された前記命令に従い、前記電源部を制御することを特徴とする中央処理装置。
【請求項10】
電源装置と、
前記電源装置に対応して設けられ、対応する電源装置を制御するためのデジタルインタフェースを具備する制御部と、
前記制御部とバスを介して接続され、前記制御部との間で通信を行う中央処理部とを具備する給電システムに含まれる電源装置であって、
前記中央処理部から送信された当該電源装置を制御するための命令に従って動作する制御部に従って、制御されることを特徴とする電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−235678(P2012−235678A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−96556(P2012−96556)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】