説明

給電方法及び装置

【課題】外部から新たに電気エネルギーを取り入れることなく、当初より有する電気エネルギーを基に所要量の電気エネルギーの電気負荷への供給を長期間にわたり維持することができる給電装置を提供する。
【解決手段】給電装置(A)は、直列に接続された直流モータ(1)、電源部(3)、直流発電機(2)を有し、電源部(3)は並列に設けられた複数系統の電池(30,31)を有し、直流発電機(2)と直流モータ(1)の端子間に配されており、各電池(30,31)のうち通電する電池を所要時間ごとに切り替える切替スイッチ(5)を有し、各電池(30,31)は充電が可能で放電が止まると性能が回復する特性を有し、直流発電機(2)は直流モータ(1)を駆動源として駆動され、直流発電機(2)で発生する電気エネルギーは電源部(3)の充電、直流モータ(1)の駆動及び電気負荷(8)への給電に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電方法及び装置に関するものである。更に詳しくは、外部から新たに電気エネルギーを取り入れることなく、当初より有する電気エネルギーを基に所要量の電気エネルギーの電気負荷への供給を長時間または長期間にわたり維持することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
充電可能な直流電源は、例えば非常用電源や各種携帯用機器などを商用電源に依存せずに利用できるようにするための電源として利用されている。
上記直流電源は、使用前には充電をしなければならない。また、電気容量も決まっているので電気負荷に接続して使用することにより消耗して電源としての機能を果たせなくなる。つまり、直流電源はそれを充電する間は電源としての使用ができず、充電のための手間も煩わしく非効率的である。
【0003】
さらには、直流電源に充電する場合、所定の電気エネルギーを蓄電するためには、その数倍あるいはそれ以上の電気エネルギーが必要とされ、この点でもきわめて非効率的である。このような無駄を改善するために、例えば特許文献1記載の電気エネルギーを供給する装置が提案されている。
【0004】
特許文献1記載の装置は、複数の直流電源と電気負荷との間を接続したり切ったりする放電切換手段と、充電デバイスを介して複数の直流電源同士を接続したり切ったりする充電切換手段と、これらを制御する制御手段とを備えており、電気エネルギーを電気負荷に供給するために任意の直流電源を電気負荷に接続し、同時に一部放電し、所定時間後、直流電源と負荷との間の接続を切り、接続されていなかった直流電源を充電デバイスを介して充電するという動作を繰り返すようにした装置である。
上記電気エネルギーを供給する装置によれば、直流電源の容量及びそれに伴う直流電源の容積や質量を増大させることなく直流電源の有効寿命を長くすることができる。
【0005】
【特許文献1】特表平11−510679
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1記載の装置には、次のような課題があった。
つまり、直流電源は他の直流電源から充電されることにより蓄電量がいくらか回復するために、結果的には単純に直流電源を使用する場合に比べれば寿命は多少延びる。しかしながら、回路内において新たに電気エネルギーを発生させる手段は有しておらず、回路内において蓄電されている電気エネルギーは、つまるところ減少する一方である。したがって、上記特許文献1記載の装置は、様々な条件下で十分に長い期間にわたり電気エネルギーを供給できるとはいえない。
【0007】
そこで本発明の目的は、外部から新たに電気エネルギーを取り入れることなく、当初より有する電気エネルギーを基に所要量の電気エネルギーの電気負荷への供給を、従来よりさらに長期間にわたり維持することができる給電方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
【0009】
本発明は、給電を行う直流発電機、直流モータ、並列に設けた複数系統の電池を有する電源部を電気的に直列に接続し、上記各電池は充電が可能で放電が止まると性能が回復する特性を有しており、上記直流モータにより上記直流発電機を駆動し、上記直流発電機で発生する電気エネルギーを上記電源部の電池の充電または電気エネルギーの補充、上記直流モータの駆動及び電気負荷への給電に使用し、上記電源部のうち通電する電池を所要時間ごとに切り替える、給電方法である。
【0010】
本発明は、給電を行う直流発電機と、該直流発電機を駆動する直流モータと、並列に設けられた複数系統の電池を有し、上記直流モータに給電する電源部と、該電源部のうち通電する電池を所要時間ごとに切り替える切替手段と、を備え、上記直流発電機、上記直流モータ及び上記電源部は電気的に直列に接続され、上記電池は充電が可能で放電が止まると性能が回復する特性を有しており、上記直流発電機で発生する電気エネルギーは、上記電源部の電池の充電または電気エネルギーの補充、上記直流モータの駆動及び電気負荷への給電に使用される、給電装置である。
【0011】
本発明に係る給電装置は、直流モータには直流発電機と比較してより低電圧、高回転型のものを採用するのがより好ましい。
【0012】
本発明に係る給電装置は、直流モータの回転軸または直流発電機の回転軸に設けられた弾み車と、該弾み車の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する手段を備えており、得られた電気エネルギーは電源部の電池の充電または電気エネルギーの補充、直流モータの駆動または電気負荷への給電に使用されるのがより好ましい。
【0013】
本明細書及び特許請求の範囲にいう、「電池の性能が回復する」とは、完全に元の性能まで回復する意味に限定するものではなく、例えば若干またはやや性能がよくなるなど回復傾向にある意味をも含む。なお、電池の性能が回復する、またはよくなるとは、電池の蓄電容量が増えると言い換えることもできる。
【0014】
直流モータは、一般には整流子モータであるがこれに限定するものではない。
電池は、充電が可能で放電が止まると性能が回復する特性を有していれば特に限定するものではないが、例えばアルカリ電池、オキシライド電池などの一次電池、あるいはニッケルカドミウム充電池、ニッケル水素充電池などの二次電池が採用できる。
なお、電池として一次電池を使用した場合の充電に際しては、運転中の一次電池の電圧を監視し過充電をしないようにして安全を図るのが好ましい。また、これを実現するために電圧検出回路などを使用した保護装置を採用することもできる。
【0015】
直流発電機は、一般には整流子発電機であるがこれに限定するものではない。
切替手段は、例えばスイッチを所要時間ごとに自動で切り替えることができるものがあげられるが限定するものではない。スイッチの種類としては、例えばリレーなどの機械的動作部分を有するスイッチの他、サイリスタ、トランジスタなどの半導体スイッチがあげられるがこれらに限定はされない。
【0016】
(作用)
本発明に係る給電装置の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
【0017】
本発明に係る給電装置(A)は、切替手段(5)により通電されている電源部(3)の電池(30)が有する電気エネルギーが放電されることにより直流モータ(1)が作動する。直流モータ(1)により直流発電機(2)は駆動され、直流発電機(2)によって新たな電気エネルギーがつくられる。さらに、直流モータ(1)を通った電気は直流発電機(2)を作動させ、直流モータ(1)による駆動を助ける。
直流発電機(2)によってつくられた電気エネルギーは、その一部が各種電気機器などの電気負荷(8)に対する給電に使用される。また、上記電気エネルギーの他の一部は電源部(3)の電池(30)の充電または電池(30)への電気エネルギーの補充に使用される。さらに残りの電気エネルギーは直流モータ(1)の駆動に使用される。
【0018】
通電されている電源部(3)の電池(30)においては、放電と、充電または電気エネルギーの補充が同時に行われている。この場合の充電量または電気エネルギーの補充量は放電量より小さい。上記運転を所要時間行ったところで、通電される電源部(3)の電池が切替手段(5)によって上記電池(30)から他系統の電池(31)に切り替わる。この切り替えは、所要時間ごとに繰り返し行われる。この時間は適宜設定されるもので限定されるものではない。なお、給電装置(A)においては、切り替わって放電が始まった電池(31)の電気エネルギーにより上記と同様の運転が行われる。
【0019】
また、一方で、上記通電されていた電池(30)への通電が止まり、放電も同時に止まる。電池(30)の放電が止まることにより、性能が回復する。つまり、放電が止まった電池部(30)においては、内部での化学反応によって蓄電量が自然に回復する。これは、本発明で使用する電池(30,31)の特性によるもので、この性能の回復には装置外部の他の電気エネルギーをまったく必要としない。
【0020】
この電池(30)に通電されていないとき、つまり放電をしていないときに自然に回復することによる蓄電量の増加と、通電されていたときの直流発電機(2)からの充電または電気エネルギーの補充によって、電源部(3)の電池(30)の蓄電量が大きく減ってしまうことを防止することができる。そして、通電する電池の切替を繰り返すことにより、各電池(30,31)の蓄電量を維持することも可能になる。
【0021】
すなわち、上記充電量または電気エネルギーの補充量の和が放電量と同じか、わずかでも多いように調節すれば、電源部(3)の電池(30)の蓄電量を一定量から減らないように維持することができ、永続的な給電が可能になる。また、上記充電量または電気エネルギーの補充量の和が放電量より少なくても、その差がわずかであるように調節すれば電池(30)の蓄電量の減少も少なく抑えることができ、給電を長期間にわたり維持できる。
【0022】
なお、上記電源部(3)の電池(30,31)の放電量は、主に電気負荷(8)の大きさに依存するので、電気負荷(8)の大きさを調節または選択するか、またはそれとは逆に電気負荷(8)の大きさを想定して電源部(3)の電池(30,31)の容量、直流モータ(1)や直流発電機(2)の仕様など給電装置(A)の規模を調節することによって、上記給電を維持できる期間を調節することが可能である。
【0023】
給電装置(A)の直流モータ(1)に直流発電機(2)と比較してより低電圧、高回転型のものを採用することにより、逆に高電圧、低回転型のものを採用する場合と比べて、直流発電機(2)における発電効率が向上する。
【0024】
また、直流モータ(1)の回転軸(10)または直流発電機(2)の回転軸(20)に設けられた弾み車(60)と、該弾み車(60)の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する手段(6)を備えており、得られた電気エネルギーは電源部(3)の電池(30,31)の充電または電気エネルギーの補充、直流モータ(1)の駆動または電気負荷(8)への給電に使用されるようにしたものは、まず、直流モータ(1)の回転軸(10)と直流発電機(2)の回転軸(20)の回転が滑らかになり、かつ安定する。これにより、直流発電機(2)による発電が安定して行われる。また、弾み車の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する手段(6)により直流発電機(2)とは別に電気エネルギーをつくり、それを利用することができる。
【発明の効果】
【0025】
(a)本発明によれば、電源部の電池の放電が止まると自然に性能が回復することによる蓄電量の増加と、通電されているときの直流発電機からの充電または電気エネルギーの補充によって、電源部の電池の蓄電量が大きく減ってしまうことを防止できる。したがって、本発明は、外部から新たに電気エネルギーを取り入れることなく、電源部に蓄えられている当初より有する電気エネルギーを基に、各種電気機器などの電気負荷に対する所要量の電気エネルギーの供給を長期にわたり維持することが可能である。
【0026】
(b)給電装置の直流モータに直流発電機と比較してより低電圧、高回転型のものを採用することにより、逆に高電圧、低回転型のものを採用する場合と比べて、直流発電機における発電効率が向上し、給電量や運転維持期間の向上など給電装置の性能の向上を図ることができる。
【0027】
(c)直流モータの回転軸または直流発電機の回転軸に設けられた弾み車と、該弾み車の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する手段を備えており、得られた電気エネルギーは電源部の電池の充電または電気エネルギーの補充、直流モータの駆動または電気負荷への給電に使用されるようにしたものは、まず、直流モータの回転軸と直流発電機の回転軸の回転が滑らかになり、かつ安定する。これにより、直流発電機による発電が安定して行われる。また、弾み車の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する手段によって直流発電機とは別に電気エネルギーをつくることができ、それを利用することができるので、さらなる給電装置の性能の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0029】
図1は本発明に係る給電装置の一実施の形態を示す配線図である。
図1を参照して給電装置の構造を説明する。
【0030】
本実施の形態に係る給電装置Aは、電気機器などの電気負荷8に給電する直流発電機2を有する主回路Cを備えている。主回路Cにおいては、直流発電機2と直流モータ1及び電源部3が電気的に直列になるように接続されている。本実施の形態では、直流モータ1と直流発電機2は本質的に同じ構造の整流子モータを採用しているが、これに限定するものではない。
【0031】
直流モータ1と直流発電機2の各仕様は、直流モータ1が3Vで8000rpm、直流発電機2が6Vで5000rpmである。つまり、直流モータ1に直流発電機2より低電圧、高回転型のものを採用しているので、直流発電機2において良好な発電効率が得られる。なお、直流モータ1に直流発電機2より高電圧、低回転型のものを採用してもよく、双方に全く同じ仕様のものを採用してもよい。
【0032】
直流モータ1の回転軸10と直流発電機2の回転軸20は直結されており、両回転軸10、20は連動する。これにより、直流モータ1は直流発電機2を駆動する駆動源となり、直流モータ1の作動により直流発電機2において直流の電気エネルギーをつくることができる。直流発電機2の両極は、電気負荷8につながっている。
【0033】
なお、符号6は補助発電機である。補助発電機6は、直流モータ1の回転軸10に設けられた弾み車(フライホイール)60と、弾み車60の円形の回転面と非接触位置に設けられているコイル62により構成されている。弾み車60の円形の回転面には永久磁石61が設けられており、弾み車60の回転によってコイル62で直流の電気エネルギーをつくることができる。
【0034】
コイル62の両極は、上記直流モータ1の両極にそれぞれ接続されており、上記コイル62でつくられた電気エネルギーは直流モータ1の駆動に使用される。なお、この電気エネルギーは、電気負荷8への給電や電源部3の電池30、31の充電または電気エネルギーの補充に利用することもできる。補助発電機6の構造は上記構造に限定されるものではなく、エネルギーの損失が十分に小さい構造であれば他の構造を採用することもできる。
【0035】
また、上記電源部3は、上記直流発電機2の一方側の端子と直流モータ1の一方側の端子との間に設けられており、並列に設けられている2系統の電池30、31を有している。電池30、31としては、直流電源であるアルカリ電池が採用されている。アルカリ電池は、充電が可能であり、放電が止まると性能が回復する特性を有している。また、電源部3の電池30、31のそれぞれにはコンデンサ(キャパシタ)4が並列に設けられている。
【0036】
電源部3のプラス極と直流モータ1の一方側の端子との間には、切替手段である切替スイッチ5と主スイッチ7が設けられている。切替スイッチ5としては、本実施の形態では半導体スイッチを採用しており、電源部3の2系統の電池30、31のうちいずれか一方に選択的に通電させることができるものである。
【0037】
なお、上記給電装置Aにおいては、発電機として直流発電機2と補助発電機6を設けたが、これに限定するものではなく直流発電機2と補助発電機6のいずれか一方のみを単独で設けるようにしてもよい。直流発電機2を単独で設ける場合は、図1に示した構造から弾み車60とコイル62をそのまま取り外した構造となる。また、補助発電機6を単独で設ける場合は、図1に示した構造から直流発電機2を取り外し、コイル62の両極を直流発電機2を設けた場合の接続と同様に電気負荷8へ接続した構造となる。
【0038】
(作用)
図1を参照して本実施の形態に係る給電装置Aの作用を説明する。
給電装置Aの主スイッチ7を入れると、切替スイッチ5によって通電される側となっている電源部3の電池30の電気エネルギーにより直流モータ1が作動する。同時に、直流モータ1の回転軸10の回転により直流発電機2の回転軸20は駆動され、直流発電機2によって新たな電気エネルギーがつくられる。さらに、直流モータ1を通った電気は直流発電機2を作動させ、直流モータ1による駆動を助ける。また、補助発電機6によっても新たな電気エネルギーがつくられる。なお、直流モータ1の回転軸10に弾み車60が設けられていることによって直流発電機2の回転軸20の回転がきわめて安定し、上記各発電も安定的に行われる。
【0039】
直流発電機2によってつくられた電気エネルギーは、その一部が電気負荷8に対する給電に使用される。これにより、電気機器などの電気負荷8は所定の作動、運転を行うことができる。また、上記電気エネルギーの他の一部は、上記通電されている電源部3の電池30の充電または電気エネルギーの補充に使用される。さらに残りの電気エネルギーは直流モータ1の駆動に使用される。また、補助発電機6によってつくられた電気エネルギーは、上記したように直流モータ1の駆動に使用される。なお、補助発電機6によってつくられた電気エネルギーを電気負荷8に対する給電または電源部3の電池30(または31)の充電または電気エネルギーの補充に使用してもよい。
【0040】
通電されている電源部3の電池30では、主に直流モータ1で消費される電気エネルギーが放電されている。また、同時に直流発電機2からの通電によって充電または電気エネルギーの補充が行われている。この場合の充電量または電気エネルギーの補充量は放電量より小さいので、蓄電量はしだいに減少している。
上記運転を所要時間行ったところで、通電される電池が切替スイッチ5によって上記電池30から他方の電池31に切り替わる。この切り替えは一定時間ごと(例えば1時間ごと)に繰り返し行われる。なお、給電装置Aにおいては、切り替わって放電が始まった電池31にある電気エネルギーにより上記と同様の運転が行われる。
【0041】
また、一方で、上記通電されていた電池30への通電が止まり、放電も止まる。電池30の放電が止まることにより、電池30の内部で所定の化学反応が進み、蓄電量が自然に増加し回復する。つまり、電池30(または31)に採用されているアルカリ電池が有しているこのような特性により、電池30の蓄電量は、装置外部の他の電気エネルギーを必要とすることなく増える。そして、切替スイッチ5によって電源部3の電池30、31の切替を行うことにより上記作用が繰り返される。
【0042】
すなわち、上記運転中は、電源部3の電池30、31に対して、電池30、31が放電していないときには電池30、31の蓄電量を自然に増加させて性能を回復させ、通電されているときには直流発電機2からの充電または電気エネルギーの補充が行われる。これによって、電源部3の電池30、31の蓄電量が大きく減ってしまうことを防止できる。
【0043】
つまり、例えば上記充電量または電気エネルギーの補充量の和が放電量と少なくとも同じか、放電量より多くなるように電気負荷8の大きさを調節または選択するか、または電気負荷8の大きさを想定して電源部3の電池30、31の容量、直流モータ1や直流発電機2の仕様など給電装置の規模を調節することによって、電池30、31の蓄電量を一定量から減らないように維持することができ、永続的な給電が可能になる。また、上記充電量または電気エネルギーの補充量の和が放電量より少なくても、その差がわずかであるように調節すれば、電池30、31の蓄電量の減少も少なく抑えることができ、給電を長期間にわたり維持することができる。
【0044】
本実施の形態に係る給電装置Aによれば、このようにきわめて効率的な給電が可能であるので、例えばキャンプなど屋外での照明用の電源として、あるいは露店などの調理、照明用の電源として、さらには携帯電話など電気機器の充電用としての利用が可能である。なお、給電装置Aは、例えばエンジン式の発電機と相違して騒音がほとんど発生しない点においても優れており、有用である。
【0045】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る給電装置の一実施の形態を示す配線図。
【符号の説明】
【0047】
A 給電装置
C 主回路
1 直流モータ
10 回転軸
2 直流発電機
20 回転軸
3 電源部
30、31 電池
4 コンデンサ
5 切替スイッチ
6 補助発電機
60 弾み車
61 永久磁石
62 コイル
7 主スイッチ
8 電気負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電を行う直流発電機(2)、直流モータ(1)、並列に設けた複数系統の電池(30,31)を有する電源部(3)を電気的に直列に接続し、上記各電池(30,31)は充電が可能で放電が止まると性能が回復する特性を有しており、上記直流モータ(1)により上記直流発電機(2)を駆動し、上記直流発電機(2)で発生する電気エネルギーを上記電源部(3)の電池(30,31)の充電または電気エネルギーの補充、上記直流モータ(1)の駆動及び電気負荷(8)への給電に使用し、上記電源部(3)のうち通電する電池(30,31)を所要時間ごとに切り替える、給電方法。
【請求項2】
給電を行う直流発電機(2)と、
該直流発電機(2)を駆動する直流モータ(1)と、
並列に設けられた複数系統の電池(30,31)を有し、上記直流モータ(1)に給電する電源部(3)と、
該電源部(3)のうち通電する電池(30,31)を所要時間ごとに切り替える切替手段(5)と、
を備え、
上記直流発電機(2)、上記直流モータ(1)及び上記電源部(3)は電気的に直列に接続され、上記電池(30,31)は充電が可能で放電が止まると性能が回復する特性を有しており、
上記直流発電機(2)で発生する電気エネルギーは、上記電源部(3)の電池(30,31)の充電または電気エネルギーの補充、上記直流モータ(1)の駆動及び電気負荷(8)への給電に使用される、
給電装置。
【請求項3】
直流モータ(1)には直流発電機(2)と比較してより低電圧、高回転型のものを採用した、
請求項2記載の給電装置。
【請求項4】
直流モータ(1)の回転軸(10)または直流発電機(2)の回転軸(20)に設けられた弾み車(60)と、該弾み車(60)の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する手段(6)を備えており、得られた電気エネルギーは電源部(3)の電池(30,31)の充電または電気エネルギーの補充、直流モータ(1)の駆動または電気負荷(8)への給電に使用される、
請求項2または3記載の給電装置。

【図1】
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【公開番号】特開2008−35589(P2008−35589A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203517(P2006−203517)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000216427)
【Fターム(参考)】