説明

統合印刷用通知プログラム、統合印刷用通知装置、統合印刷用通知方法

【課題】統合印刷ジョブに関して設定された情報を確認する際のユーザの利便性を向上できる技術を提供する。
【解決手段】複数の印刷ジョブを一つの統合印刷ジョブとしてまとめて扱うための設定がなされた後に、当該統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおいて、当該統合印刷ジョブに関して設定されている統合印刷情報を通知するトリガを検知し、前記トリガが検知されると、前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を取得し、前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を、前記アプリケーションプログラムを使用するユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ジョブを一つのジョブにまとめて印刷を実行する統合印刷に関し、特にユーザの利便性を向上させるための統合印刷用通知プログラム、統合印刷用通知装置、統合印刷用通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワードプロセッサソフトや表計算ソフト、画像編集ソフト、プレゼンテーションソフト等の様々なアプリケーションプログラムのファイルにかかる印刷ジョブを一つのジョブにまとめて印刷を実行する技術(以降、統合印刷という)が知られている(例えば、特許文献1,2,3)。
【特許文献1】特許第3679660号公報
【特許文献2】特許第3673684号公報
【特許文献3】特許第3634695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術では、統合印刷ジョブとして設定されている情報をユーザが確認するために、当該情報を管理しているプリンタドライバプログラムや統合印刷用のその他のプログラムが提供するジョブ設定ユーザインタフェースを操作して確認する必要があった。しかし例えば、ユーザが複数ファイルにかかる統合印刷の設定を一旦行った後、再度アプリケーションプログラムを使用して統合印刷の対象ファイルを編集するとき、設定情報を確認するためだけにわざわざジョブ設定ユーザインタフェースを操作しなければならないのは、ユーザにとって使い勝手が悪い。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、統合印刷ジョブに関して設定された情報を確認する際のユーザの利便性を向上できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明においては、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおいて統合印刷情報を通知するトリガを検知したとき、印刷対象ファイルに対応する統合印刷情報を、アプリケーションプログラムを使用するユーザに通知する。
【0005】
ここで、統合印刷情報を通知するトリガとしては、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いている状態のアプリケーションプログラム上で発生する、当該印刷対象ファイルに対する様々なユーザ操作を想定してよい。印刷対象ファイル全体に対するユーザ操作も、印刷対象ファイルのさらに印刷対象ページに対するユーザ操作も本発明のトリガとして採用してよい。また、上記のような直接的なユーザの操作をトリガとする以外にも、例えば、当該印刷対象ページのアプリケーション内におけるページ番号と、当該印刷対象ページに対応する統合印刷ジョブにおける統合ページ番号とが異なるという条件を満たしたことをトリガとしてもよい。
【0006】
したがって本発明によると、ユーザは、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いている状態のアプリケーションプログラムを操作中に、統合印刷ジョブに関する設定や編集を行うためのUIをわざわざ起動したり操作しなくても、当該印刷対象ファイルに対して設定済みの統合印刷情報を認知することができる。そのためユーザにとって便利である。なお、従来のように、統合印刷ジョブを設定あるいは編集するためのUIを起動し操作することによって、ユーザは統合印刷情報を確認することができてよい。本発明の統合印刷情報通知機能は、そのような確認方法とは別に設けられる機能である。
【0007】
本発明のトリガ検知機能において、統合印刷情報の通知のトリガには、上述したように、統合印刷ジョブに印刷対象として含まれるファイル(印刷対象ファイル)を編集するためのアプリケーションプログラム上で発生するユーザ操作や、印刷対象ファイルを開くアプリケーションプログラムにおいて所定の条件を満たすと判断されたこと等が該当する。詳細は後述する。
【0008】
統合印刷情報取得機能においては、統合印刷ジョブに関して既に設定されている統合印刷情報のうち、印刷対象ファイルに対応する情報を取得することができればよい。印刷対象ファイルに含まれる印刷対象ページ全てと対応する情報を取得してもよいし、印刷対象ファイル中の印刷対象ページのうちの一部と対応する情報を取得してもよい。
【0009】
統合印刷情報通知機能においては、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムを操作しているユーザに統合印刷情報を通知することができればよい。例えば、トリガが検知されると、統合印刷情報を案内するための文字列やアイコン等をポップアップ表示するようにしてもよい。また、音声によって統合印刷情報がユーザに通知されてもよい。なお、印刷対象ファイルに含まれる印刷対象ページ全てと対応する情報をまとめて通知するようにしてもよいし、印刷対象ファイル中の印刷対象ページのうちの特定のページ(例えばカレントページ)と対応する情報を選択して通知してもよい。
【0010】
さらに、トリガ検知機能においては、前記アプリケーションプログラムにおいて前記印刷対象ファイルのカレントページが切り替わったことを検知する機能を有していてもよい。その場合、統合印刷情報通知機能においては、切り替わった後のカレントページに対応する前記統合印刷情報を通知する機能を有していてよい。ここで、カレントページとは、アプリケーションプログラムが印刷対象ファイルを開いている状態のときに選択されているページを指す。例えば、マウスポインタが指す位置を含むページをカレントページとして扱ってもよいし、カーソルが存在する位置を含むページをカレントページとしてもよい。これらの機能により、ユーザはページをスクロールしたり、マウスポインタの位置を移動させて、カレントページを切り替えたときに当該カレントページに対応する統合印刷情報を認知することができる。
【0011】
なお、統合印刷情報を通知するトリガとしては、上記の他にも例えば次のようなユーザ操作をトリガにしてもよい。例えば、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムのウィンドウをアクティブにする(マルチウィンドウ環境において最上面に表示させる)操作、アプリケーションプログラムで開いている印刷対象ファイルの表示属性を変更する操作などである。ここでいう表示属性の変更とは、例えば、編集作業中の表示から、アプリケーションプログラムが提供する印刷プレビュー表示への変更やその逆の変更などを想定してもよい。その他、アプリケーションプログラムに予め備えられている種々の表示属性の切り替えを想定してよい。
【0012】
さらに、統合印刷情報通知機能においては、前記アプリケーションプログラムで開かれている前記印刷対象ファイルのカレントページに対応する、前記統合印刷ジョブにおける統合ページ番号を通知する機能を有していてもよい。統合印刷ジョブには、異なるアプリケーションプログラムのファイル内のページや、同一のアプリケーションプログラムで開かれる異なるファイルのページ、あるいは同一のファイル内の異なるページあるいは同一ページなど、様々なページの印刷ジョブが含まれうる。統合印刷情報通知機能が備える上記の機能により、ユーザは、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおけるカレントページが、統合印刷ジョブにおいて何ページ目に相当するかを示す統合ページ番号を認知することができる。
【0013】
なお、統合印刷ジョブにおける統合ページ番号は、統合印刷情報に含まれる一部の情報であり、このときカレントページに対応するその他の統合印刷情報が通知されてもよい。その他の統合印刷情報とは例えば、統合印刷ジョブにおけるカレントページの割付設定を示す情報や、カレントページの拡大縮小倍率設定を示す情報、カレントページのカラー/白黒設定を示す情報、部数設定、用紙トレイ設定など様々な情報が含まれていてよい。
【0014】
さらに、統合印刷情報取得機能においては、アプリケーションプログラムが開いている前記印刷対象ファイルを表示するウィンドウの識別情報と、当該印刷対象ファイルにおけるカレントページのページ番号とに基づいて、当該カレントページに対応する前記統合印刷情報を取得してもよい。この構成によれば、アプリケーションプログラムで編集中の印刷対象ファイルのデータを保存していない状態(データがRAMに記録されている状態)であっても編集中の印刷対象ファイルのカレントページを容易に特定することが可能である。また、単一の印刷対象ファイルを複数のウィンドウで処理する場合であってもカレントページを容易に特定することが可能である。
【0015】
さらに、本発明のように、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおいて統合印刷情報を通知するトリガを検知したとき、印刷対象ファイルに対応する統合印刷情報を、アプリケーションプログラムを使用するユーザに通知する手法は、このプログラムを実行する装置や方法の発明としても適用可能である。また、以上のようなプログラムや装置や方法は、単独の装置によって実現される場合もあれば、複数の装置を組み合わせることによって実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、以上のようなプログラムを記録する記録媒体としても発明は成立する。むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)統合印刷用通知装置の構成:
(2)統合印刷用通知処理:
(3)他の実施形態:
【0017】
(1)統合印刷用通知装置の構成:
図1は、本発明にかかる統合印刷用通知装置としてのコンピュータ10の概略構成を示すブロック図である。コンピュータ10は、RAM,ROM,CPU等を備える制御部20と図示しないHDD(Hard Disk Device)とを備えており、ROMやHDDなどに記録されたプログラムを制御部20で実行することができる。コンピュータ10には、ディスプレイ41とマウスやキーボード等の入力装置40が接続されている。また、コンピュータ10には図示しないUSBなどのインタフェースを介してプリンタ42が接続されており、プリンタ42はコンピュータ10から出力される印刷指示に従って印刷を実行することができる。
【0018】
プリンタ42はコンピュータ10から出力された印刷指示および印刷データに基づいて印刷媒体に印刷を実行することが可能であり、インクジェット方式やレーザー方式などの種々の印刷方式を適用することができる。なお、コンピュータ10とプリンタ42はUSB以外のインタフェースで接続されていてもよいし、直接接続される場合に限らずネットワークを介して接続されていてもよい。
【0019】
コンピュータ10のHDDには、オペレーティングシステム(OS)21やアプリケーションプログラム22、アドインプログラム23、プリンタドライバプログラム24等(以降、「プログラム」を省略して単にアプリケーション、アドイン、プリンタドライバ等という)の各種のプログラムが記憶されており、制御部20は、これらのプログラムをHDDからロードして実行する。なお、ディスプレイ41や入力装置40のデバイスドライバらは図示を省略している。
【0020】
OS21はアプリケーション22やプリンタドライバ24、アドイン23などのプログラムが使用するプログラムインタフェース(API)を提供しており、これらのプログラムが連携して処理を行うことが可能となっている。アプリケーション22としては、印刷機能を有しているものであればよく、例えばワープロソフトや表計算ソフト、画像編集ソフト、プレゼンテーションソフト、WEBブラウザ等が想定可能である。
【0021】
プリンタドライバ24は、アプリケーション22からの印刷指示に応じてプリンタ42に印刷を実行させるための各種の機能を有している。本実施形態ではさらに、複数の印刷ジョブを一つにまとめて統合印刷ジョブとして扱いプリンタ42に印刷を実行させる統合印刷機能を有している。そのためプリンタドライバ24は、統合印刷ジョブに関する各種の設定をユーザに入力させるためのUIを提示し、ユーザが設定した情報(統合印刷情報)を統合印刷管理テーブル24aに管理している。
【0022】
例えば統合印刷管理テーブル24aでは、図2に示すように、統合印刷ジョブに印刷対象として含まれる印刷対象ファイルの印刷対象ページと、当該印刷対象ページに対応する統合印刷情報(統合ページ番号、割付情報、拡大縮小情報等)とがひも付けされている。プリンタドライバ24では、統合印刷管理テーブル24aを参照して所望の統合印刷情報を取得することができる(統合印刷情報取得部23b)。統合印刷ジョブには、異なるアプリケーションのファイル内のページや、同一のアプリケーションで開かれる異なるファイルのページ、あるいは同一のファイル内の異なるページあるいは同一ページなど、様々なページの印刷ジョブが含まれうる。
【0023】
アドイン23は、アプリケーション22に対して拡張機能を追加するプログラムであり、本実施形態においては、ユーザによって既に統合印刷ジョブが設定されている状態で、アプリケーション22においてカレントページが切り替わったことを検知し(トリガ検知部23a)、カレントページに対応する、統合印刷ジョブにおける統合ページ番号等をディスプレイ41に表示する(統合印刷情報通知部23c)。
統合印刷用通知プログラムは、以上説明したトリガ検知部23a、統合印刷情報取得部23b、統合印刷情報通知部23cを含んで構成される。
【0024】
(2)統合印刷用通知処理
次に、上述の構成における統合印刷用通知処理の流れを、図3のシーケンス図を用いて説明する。ユーザによって図2に示すような統合印刷情報が既に設定されている状態で、印刷対象ファイルを開いているアプリケーションにおいて、ユーザがマウスポインタやカーソルの位置を移動させたことによって、カレントページが切り替わったとき、アドイン23のトリガ検知部23aによりトリガ検知処理が実行される(ステップS10)。
【0025】
図4はトリガ検知処理を示すフローチャートである。制御部20はカレントページが切り替わったか否かを判定し(ステップS100)、切り替わったと判定された場合は統合印刷情報取得キーを設定し(ステップS105)、プリンタドライバ24へ統合印刷情報取得要求を送信する(ステップS110)。統合印刷情報取得キーには図7Aに示すように、アプリケーションに開かれている状態の印刷対象ファイルを表示するウィンドウの識別情報であるウィンドウハンドルと、アプリケーションに開かれている状態の印刷対象ファイルにおけるカレントページ番号が含まれる。
【0026】
プリンタドライバ24がアドイン23から統合印刷情報取得要求を受けると、プリンタドライバ24の統合印刷情報取得部23bにより統合印刷情報取得処理が実行される(ステップS20)。図5は統合印刷情報取得処理を示すフローチャートである。制御部20は、統合印刷情報取得用キーを取得すると(ステップS200)、当該統合印刷情報取得用キーに設定されているウィンドウハンドルおよびカレントページ番号と一致するデータを統合印刷管理テーブル24aから検索する(ステップS205)。
【0027】
制御部20は、検索の結果一致するデータが存在するか判定し(ステップS210)、存在する場合は、一致するウィンドウハンドルおよびカレントページにひも付けされている統合印刷情報を取得し(ステップS215)、取得した統合印刷情報をアドイン23へ送信する(ステップS220)。例えば図7Aのような統合印刷情報取得用キーを取得した場合、ステップS215では、図7Bに示す形式で統合印刷情報が設定される。
【0028】
なお、ウィンドウハンドルは、起動しているウィンドウを一意に識別する情報である。そのため例えば同一のアプリケーションで異なる複数の印刷対象ファイルが異なるウィンドウで開かれているとき、ウィンドウハンドルの違いによって異なる印刷対象ファイルを区別することができる。また、アプリケーションプログラムで編集中の印刷対象ファイルのデータを保存していない状態であっても編集中の印刷対象ファイルのカレントページを容易に特定することが可能である。また、単一の印刷対象ファイルを複数のウィンドウで処理する場合であってもカレントページを容易に特定することが可能である。
【0029】
続いて、アドイン23がプリンタドライバ24から統合印刷情報を受けると、統合印刷情報通知部23cにより統合印刷情報通知処理が実行される(ステップS30)。図6は、統合印刷情報通知処理のフローチャートであり、制御部20はプリンタドライバ24から統合印刷情報を受信すると、当該情報をディスプレイ41に例えば図8Aに示すようにしてポップアップ表示する(ステップS300)。具体的には例えば、アプリケーションから提供されているヘルプ表示や操作アシスタント表示のためのAPIを利用してもよいし、その他アドイン23独自の表示を行ってもよい。図8Aでは、カレントページと対応する統合ページ番号がユーザに通知されることを示している。なお、例えば図8Bに示すように、統合ページ番号に加えて他の統合印刷情報(割付、縮小倍率等)を通知してもよい。
【0030】
なお、図5の統合印刷情報取得処理のステップS210にて、一致するデータが存在しないと判定された場合、統合印刷情報はアドイン23に送信されないため、図6の統合印刷情報通知処理は実行されない。すなわち、カレントページが統合印刷ジョブにおける印刷対象ページでない場合は、ステップS300で説明したような統合印刷情報の通知は行われない。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によると、ユーザは、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いている状態のアプリケーションを操作中に、統合印刷ジョブに関する設定や編集を行うためのUIをわざわざ起動したり操作することなく、アプリケーション上でページ切り替えなどの操作を行ったときに、当該印刷対象ファイルに対して設定済みの統合印刷情報を認知することができる。
【0032】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおいて統合印刷情報を通知するトリガを検知したとき、印刷対象ファイルに対応する統合印刷情報を、アプリケーションプログラムを使用するユーザに通知する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。
【0033】
例えば、統合印刷情報を通知するトリガとなるユーザ操作として、統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムのウィンドウをアクティブにする(マルチウィンドウ環境において最上面に表示させる)操作、アプリケーションプログラムで開いている印刷対象ファイルの表示属性を変更する操作などである。また例えば、当該印刷対象ページのアプリケーション内におけるページ番号と、当該印刷対象ページに対応する統合印刷ジョブにおける統合ページ番号とが異なるという条件を満たしたことを、統合印刷情報を通知するトリガとしてもよく、当該トリガを検知したとき、当該印刷対象ページに対応する統合ページ番号やその他の統合印刷情報を通知するようにしてもよい。
【0034】
さらに、本発明はアドイン23のみに適用されてもよい。すなわち、トリガの検知と、統合印刷情報の取得と統合印刷情報の通知はアドイン23により実現されてもよい。
さらに、上記実施形態では、統合印刷管理テーブル24aにおいてウィンドウハンドルにて印刷対象ファイルを識別する構成を説明したが、例えば印刷対象ファイルのファイル名やパスを印刷対象ファイルの識別情報として用いてもよい。また、統合印刷管理テーブル24aの具体的実施態様として、例えばWindowsOS(登録商標)から提供されるデータ構造体(拡張DEVMODE)が利用されてもよい。
【0035】
また、統合印刷情報の通知は、アプリケーションによって開かれている印刷対象ファイルを表示するウィンドウとは別にポップアップ表示される例を上記実施形態では説明した。このポップアップ表示は所定時間だけ表示された後自動的に消去されてもよいし、ユーザが消去操作をするまで表示し続けられてもよい。また、統合印刷情報の通知は例えば二段階に分けて実施されてもよい。例えば、統合印刷情報を通知するトリガを検知すると、まずカレントページが統合印刷ジョブにおける印刷対象ページである場合にカレントページに対応する統合ページ番号を通知する。そして、ユーザがさらに詳細な統合印刷情報を知るための操作(例えば詳細表示ボタンをクリックする等)をすると、統合ページ番号と共にその他の統合印刷情報が表示されるようにしてもよい。
【0036】
またポップアップ表示に限らず、アプリケーションによって開かれている印刷対象ファイルを表示するウィンドウ内の所定の位置(例えば統合印刷情報通知用に設けられた領域)に表示されるようにしてもよい。表示させる統合印刷情報をユーザが予め設定できてもよい。さらに、ディスプレイ41に情報が表示されるだけでなく、例えば音声によって情報が通知されてもよい。
【0037】
さらに、統合印刷情報は、アプリケーションに開かれている状態の印刷対象ファイルのカレントページが統合印刷ジョブにおける印刷対象ページである場合に通知される態様に限定されない。例えば、印刷対象ファイルがアプリケーションに開かれているとき、カレントページが統合印刷ジョブにおける印刷対象ページであるか否かに関わらず、当該印刷対象ファイルに含まれる印刷対象ページ全てに対応する統合印刷情報を通知してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】統合印刷用通知装置の構成を示すブロック図。
【図2】統合印刷管理テーブルを示す図。
【図3】統合印刷用通知処理を示すシーケンス図。
【図4】トリガ検知処理を示すフローチャート。
【図5】統合印刷情報取得処理を示すフローチャート。
【図6】統合印刷情報通知処理を示すフローチャート。
【図7】(7A)は統合印刷情報取得用キーを説明するための図、(7B)は統合印刷情報を説明するための図。
【図8】(8A)および(8B)は統合印刷情報の表示態様を例示する図。
【符号の説明】
【0039】
10:コンピュータ、20:制御部、21:OS、22:アプリケーションプログラム、23:アドインプログラム、23a:トリガ検知部、23b:統合印刷情報取得部、23c:統合印刷情報通知部、24:プリンタドライバプログラム、24a:統合印刷管理テーブル、40:入力装置、41:ディスプレイ、42:プリンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷ジョブを一つの統合印刷ジョブとしてまとめて扱うための設定がなされた後に、当該統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおいて、当該統合印刷ジョブに関して設定されている統合印刷情報を通知するトリガを検知するトリガ検知機能と、
前記トリガが検知されると、前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を取得する統合印刷情報取得機能と、
前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を、前記アプリケーションプログラムを使用するユーザに通知する統合印刷情報通知機能と、
をコンピュータに実現させる統合印刷用通知プログラム。
【請求項2】
前記トリガ検知機能においては、前記アプリケーションプログラムにおいて前記印刷対象ファイルのカレントページが切り替わったことを検知し、
前記統合印刷情報通知機能においては、切り替わった後のカレントページに対応する前記統合印刷情報を通知する、
請求項1に記載の統合印刷用通知プログラム。
【請求項3】
前記統合印刷情報通知機能においては、前記アプリケーションプログラムで開かれている前記印刷対象ファイルのカレントページに対応する、前記統合印刷ジョブにおける統合ページ番号を通知する、
請求項1または請求項2に記載の統合印刷用通知プログラム。
【請求項4】
前記統合印刷情報取得機能は、前記アプリケーションプログラムが開いている前記印刷対象ファイルを表示するウィンドウの識別情報と、当該印刷対象ファイルにおけるカレントページのページ番号とに基づいて、当該カレントページに対応する前記統合印刷情報を取得する、
請求項2または請求項3に記載の統合印刷用通知プログラム。
【請求項5】
複数の印刷ジョブを一つの統合印刷ジョブとしてまとめて扱うための設定がなされた後に、当該統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおいて、当該統合印刷ジョブに関して設定されている統合印刷情報を通知するトリガを検知するトリガ検知手段と、
前記トリガが検知されると、前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を取得する統合印刷情報取得手段と、
前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を、前記アプリケーションプログラムを使用するユーザに通知する統合印刷情報通知手段と、
を備える統合印刷用通知装置。
【請求項6】
複数の印刷ジョブを一つの統合印刷ジョブとしてまとめて扱うための設定がなされた後に、当該統合印刷ジョブの印刷対象ファイルを開いているアプリケーションプログラムにおいて、当該統合印刷ジョブに関して設定されている統合印刷情報を通知するトリガを検知するトリガ検知工程と、
前記トリガが検知されると、前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を取得する統合印刷情報取得工程と、
前記印刷対象ファイルに対応する前記統合印刷情報を、前記アプリケーションプログラムを使用するユーザに通知する統合印刷情報通知工程と、
を含む統合印刷用通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−117883(P2010−117883A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290670(P2008−290670)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】