説明

統合IPメッセージングサービスにおけるメッセージスレッドを管理する方法及びシステム

【課題】統合IPメッセージング(CPM)サービスと短文メッセージサービス(SMS)とのインターワーキングを行うCPMシステムと関連して複数のメッセージスレッド管理を可能にする。
【解決手段】CPMユーザーは、事前にセッションを明示的に確立せず、他のCPM又はSMSユーザーとメッセージに基づく対話を容易に開始することができる。上記対話が中止されるか又は後で再開されても、そして、CPMサービスで使用可能な(現在有効な又は格納されている)複数のメッセージスレッドが存在しても、所定の対話に属しているすべてのメッセージは、CPMユーザーサービス端末で対応する対話窓(すなわち、ウィンドウ)に表示される。メカニズムだけではなく、上記機能性を可能にするCPMシステム要素の作用及びメッセージ構成がCPMユーザーとSMSユーザー間でも提供されるように上記メッセージスレッド管理を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、統合IPメッセージングサービスのためのシステム及び方法に関し、特に、統合IPメッセージングサービスの際におけるメッセージスレッドを管理する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、短文メッセージサービス(Short Message Service:以下、“SMS”と称する。)、マルチメディアメッセージングサービス(Multimedia Messaging Service:以下、“MMS”と称する。)、電子メール、及びインスタントメッセージング(instant messaging:以下、“IM”と称する。)サービスなどのような多くの異なるメッセージングサービス(messaging services)が存在する。このようなサービスが相互に異なる技術に基づいているが、ユーザーは、一部共通点を有する。例えば、上述したすべてのサービスを用いてテキストメッセージを送信することができ、このすべてのサービスは、SMSを除いては、マルチメディアコンテンツの送信を支援することができる。
【0003】
最近では、上述したメッセージングサービスを統合する新たな形式の統合型メッセージングサービスの必要性が台頭されている。以下、このような統合型メッセージングサービスを“統合IPメッセージングサービス(Converged Internet Protocol(IP) Messaging service:以下、“CPMサービス”と称する。)”と呼ぶ。CPMサービスは、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol:以下、“SIP”と称する。)に基づくサービスであり、CPMサービスのユーザーだけでなく既存のメッセージングサービスのユーザーとメッセージ通信を自由に行うことができなければならない。したがって、CPMサービスは、既存のSMSサービス、IMサービス、MMS、及びPoCサービスなどとのインターワーキング(inter-working)が可能な必要がある。また、確立したセッションを介したメッセージングサービスとセッションの確立のないメッセージングサービスとの間のインターワーキングが可能でなければならず、したがって、このようなインターワーキングの標準化が進行している。
【0004】
一般的に、CPMシステムにおけるメッセージ送受信は、図1に示すような過程に従って行われ、SMSシステムにおけるメッセージ送受信は、図2に示すような過程に従って行われる。各システムにおけるメッセージ送受信過程の理解を助けるために、図1及び図2では、各システムが2人のユーザーを含むという仮定に基づいているが、各システムが複数のユーザー間のメッセージ送受信も可能にする。また、CPMシステムにおいて、ユーザーがメッセージを交換する前にセッションを明示的に確立しないと仮定する。すなわち、対話の開始を希望するユーザーは、セッションの生成をまず要請せず即座にメッセージを送信することができる。
【0005】
CPMサービスは、ユーザー間のセッションの開始、修正、及び終結を行うプロトコルを提供するSIPに基づいている。まず、セッションを開始することなくメッセージを送信するために、CPMは、SIPメッセージエクステンション(extension)に依存する。図1は、CPMサーバ2を介してそれぞれ第1のCPMクライアント1及び第2のCPMクライアント3で表現された第1のユーザーから第2のユーザーに送信されたメッセージの典型的なフローを示す。
【0006】
ステップ101で、第1のCPMクライアント1は、<表1>に示すような構成を有する典型的なSIPメッセージをCPMサーバ2に送信する。
【0007】
【表1】

【0008】
ステップ103で、CPMサーバ2は、SIPメッセージを受信し、第2のCPMクライアント3がCPMサーバ2に登録されているか否かを確認し、<表2>に示すような構成を有するSIPメッセージを第2のCPMクライアント3に送信する。
【0009】
【表2】

【0010】
第2のCPMクライアント3は、ステップ103で、メッセージを受信し、ステップ105で、<表3>に示すような構成を有する“200 OK”メッセージをCPMサーバ2に送信する。
【0011】
【表3】

【0012】
ステップ105で、第2のCPMクライアントから“200 OK”を受信すると、ステップ107で、CPMサーバ2は、<表4>に示すような構成を有する“200 OK”メッセージを第1のCPMクライアント1に送信する。
【0013】
【表4】

【0014】
一方、SMSは、3GPP[TS 23.040]で定義されたプロトコルに従う。図2は、第1の移動局(Mobile Station:以下、“MS”と称する。)4が短文メッセージ(Short Message:以下、“SM”と称する。)を短文メッセージサービスセンター(Short Message Service Center:以下、“SMSC”と称する。)5を介して第2のMS6に送信する際における典型的なメッセージ処理フローを示す。
【0015】
ステップ201で、第1のMS4は、SMS_提出(SMS_SUBMIT)プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit:以下、“PDU”と称する。)を用いてSMをSMSC5に提出する。この際に、第1のMS4は、SMS状態報告(SMS_STATUS_REPORT)を要請することもできる。
【0016】
SMS_SUBMIT PDUを受信すると、SMSC5は、ステップ203で、SMS_SUBMIT_REPORT PDUを第1のMS4に送信することにより、SMS_SUBMIT PDUの受信を確認する。
【0017】
ステップ205で、SMSC5は、SMS送信(SMS_DELIVER)PDUを介してSMを第2のMS6に送信する。その後に、ステップ207で、第2のMS6は、SMS送信通知(SMS_DELIVER_REPORT)PDUをSMSC5に送信することによりSMの受信を承認する。SMS_DELIVER_REPORT PDUを受信したSMSC5は、ステップ209で、SMが第2のMS6に成功裡に送信されたことを通知するためにSMS_STATUS_REPORT PDUを第1のMS4に送信する。
【0018】
SMS_SUBMIT PDUは、<表5>に示すような情報要素([TS23.040]の参照)を含む。
【0019】
【表5】

【0020】
SMS_DELIVER PDUは、<表6>に示すような情報要素([TS23.040]の参照)を含む。
【0021】
【表6】

【0022】
このTP-UD(ユーザーデータ)は、送信するメッセージを含む。TP-UD内のヘッダーがメッセージより先行することができる。ヘッダーの存在は、TP-UDHI(ユーザーデータヘッダー指標)情報要素により表示される。すなわち、TP-UDHIが“1”に設定されると、TP-UDがヘッダーであることを表示するものである。
【0023】
TP-UD内のヘッダーは、<表7>に示すように構成されることができる([TS23.040]の参照)。
【0024】
【表7】

【0025】
“情報-要素-識別子(Information-Element-Identifiers)”は、予め定義された値であり、この値のすべては、特定の意味と関連する。識別子のリスト及び各識別子の意味は、<表8>を示す([TS23.040]の参照)。
【0026】
【表8】

【0027】
上述した過程によるメッセージの送信は、2名のユーザー間で1回のみ行われるか、又は同一の2名のユーザー間で複数回反復して行われることもある。すなわち、ユーザーは、SMS又はCPMサービスを介して対話型でメッセージのやり取りを行い得る。このような過程において、2名のユーザーは、予めセッションを明白に確立せず、相互に一連のメッセージを交換するだけで対話を処理することができる。したがって、同一の相手との送受信を行うメッセージは、ユーザーの個別的なウィンドウにディスプレーされる。これは、セッションを確立した後にメッセージを送受信するCPMサービスにも適用可能である。すなわち、CPMクライアントがCPMサービスに従って同一の相手との送受信を行ったメッセージの集合を1つのウィンドウ、例えば、対話窓にディスプレーすることができない。また、メッセージが任意の特定のセッションに拘束されないため、後で対話を再開する場合に、前に交換されたメッセージを含む対話窓を提供することもできず、したがって、これらが相互にリンクされない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
したがって、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、2名の統合インターネットプロトコルメッセージ(CPM)クライアント間で送受信されたメッセージを含む1つのメッセージグループをユーザーに同時に提供するための方法及びシステムを提供することにある。
【0029】
本発明の他の目的は、異種サービスのユーザー、例えば、セッション確立を要請するCPMサービスのCPMクライアントとセッション確立を要請しないSMSの短文メッセージサービス(SMS)ユーザーとの間で送受信されたメッセージを含む1つのメッセージグループを同時に提供することができ、これにより、CPMクライアントが、対話型メッセージの相手がCPMサービスの支援を受けるユーザーであるか否かを区分せず、対話型メッセージを効率的に送受信することができる方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記のような目的を達成するために、本発明の実施形態の一態様によれば、セッション開始プロトコル(SIP)に基づく統合インターネットプロトコルメッセージングサービス(CPMS)に対応した、複数のメッセージスレッドを管理する統合インターネットプロトコルメッセージ(CPM)システムを提供する。上記CPMシステムは、上記CPMSに対応したCPMクライアントと、インターネットプロトコルメディアサブシステム(IMS)サービスに加入しないクライアントと、上記CPMクライアントの受信側クライアントがCPMサーバにより上記IMSサービスに加入しないクライアントとして指定され、上記対話型メッセージ通信のためのSIPメッセージを受信すると、上記SIPメッセージのメッセージフォーマットを上記受信側クライアントが受信可能なメッセージフォーマットに変換し、上記SIPメッセージに含まれているスレッド識別子(ID)を上記変換されたメッセージに挿入し、上記変換されたメッセージを、上記受信側クライアントを支援するサーバを介して上記受信側クライアントに送信するIWFと、を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の実施形態の他の態様によれば、セッション開始プロトコル(SIP)に基づく統合インターネットプロトコルメッセージングサービス(CPMS)に対応した、複数のメッセージスレッドを管理する統合インターネットプロトコルメッセージ(CPM)システムを提供する。上記CPMシステムは、上記CPMSに対応したCPMクライアントと、インターネットプロトコルメディアサブシステム(IMS)サービスに加入しないクライアントと、上記CPMクライアントの受信側クライアントがCPMサーバにより上記IMSサービスに加入しないクライアントとして指定され、対話型メッセージ通信のためのSIPメッセージを受信すると、スレッド識別子(ID)を上記SIPメッセージから検出して格納し、上記SIPメッセージのメッセージフォーマットを上記受信側クライアントが受信可能なメッセージフォーマットに変換し、上記変換されたメッセージを、上記受信側クライアントを支援するサーバを介して上記受信側クライアントに送信し、所定の有効受信応答期間内に上記受信側クライアントから受信されたメッセージをSIPメッセージに変換し、上記格納されているスレッドIDを上記変換されたSIPメッセージに挿入し、上記SIPメッセージを、上記CPMサーバを介して上記CPMクライアントに送信するIWFと、を含むことを特徴とする。
【0032】
本発明の実施形態のさらに他の態様によれば、セッション開始プロトコル(SIP)に基づく統合インターネットプロトコルメッセージングサービス(CPMS)に対応した、複数のメッセージスレッドを管理する統合インターネットプロトコルメッセージ(CPM)システムを提供する。上記CPMシステムは、上記CPMSに対応したCPMクライアントと、短文メッセージサービス(SMS)に対応した移動局(MS)と、上記CPMクライアントの受信側クライアントがCPMサーバにより上記MSとして指定され、対話型メッセージの通信のためのSIPメッセージを受信すると、上記SIPメッセージのメッセージフォーマットをSMS提出プロトコルデータユニット(SMS_SUBMIT PDU)に変換し、上記SMS_SUBMIT PDUのTP宛先アドレスのサブアドレスディジットを上記SIPメッセージから検出されたスレッド識別子(ID)に設定し、上記SMS_SUBMIT PDUを短文メッセージサービスセンター(SMSC)に送信するIWFと、上記SMS_SUBMIT PDUを受信し、上記SMS_SUBMIT PDUをSMS送信プロトコルデータユニット(SMS_DELIVER PDU)に変換し、上記SMS_DELIVER PDUのTP発信者アドレスのサブアドレスディジットを上記スレッドIDに設定し、上記SMS_DELIVER PDUを上記移動局(MS)に送信する上記SMSCと、を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の実施形態のさらなる他の態様によれば、セッション開始プロトコル(SIP)に基づく統合インターネットプロトコルメッセージングサービス(CPMS)に対応した統合インターネットプロトコルメッセージ(CPM)クライアントが、同一の相手と送受信した一連のメッセージを含むメッセージスレッドを管理する方法を提供する。上記方法は、対話型メッセージ通信のためのメッセージの送信の要請を任意の受信側から受信するステップと、上記メッセージが上記受信側と関連した新たなメッセージスレッドの1番目のメッセージである場合に、新たなスレッド識別子(ID)を上記新たなメッセージスレッドに割り当て、上記受信側に関連して上記新たなスレッドIDを格納し、上記新たなスレッドIDを上記メッセージに挿入し、上記メッセージを送信するステップと、上記メッセージが上記受信側と関連して既存のメッセージスレッド内の連続するメッセージであると、上記既存のメッセージスレッドに従って割り当てられたスレッドIDを検出し、上記割り当てられたスレッドIDを上記メッセージに挿入し、上記メッセージを送信するステップと、対話型メッセージ通信のためのメッセージを受信するステップと、上記受信されたメッセージがスレッドIDを含む場合に、上記受信されたメッセージを上記受信されたメッセージに含まれているスレッドIDに対応するメッセージスレッドに含まれているメッセージとともにユーザーに提供するステップと、を含むことを特徴とする。
【0034】
本発明の実施形態のさらに他の1つの態様によれば、セッション開始プロトコル(SIP)に基づく統合インターネットプロトコルメッセージングサービス(CPMS)に対応した統合インターネットプロトコルメッセージ(CPM)クライアントが、同一の相手と送受信した一連のメッセージを含むメッセージスレッドを管理する方法を提供する。上記方法は、対話型メッセージ通信のために、CPMクライアントがインターネットプロトコルメディアサブシステム(IMS)サービスに加入しないクライアントとして指定され、上記受信側と関連したメッセージスレッドに割り当てられたスレッド識別子(ID)を含むSIPメッセージを送信するステップと、インターワーキング機能(IWF)がCPMサーバを介して上記SIPメッセージを受信すると、上記IWFが上記SIPメッセージのメッセージフォーマットを上記受信側が受信可能なメッセージフォーマットに変換し、上記スレッドIDを上記変換されたメッセージに挿入し、上記変換されたメッセージを上記受信側に送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0035】
本発明の実施形態のさらにまた他の態様によれば、セッション開始プロトコル(SIP)に基づく統合インターネットプロトコルメッセージングサービス(CPMS)に対応した統合インターネットプロトコルメッセージ(CPM)システムにおいて、同一の相手と送受信した一連のメッセージを含むメッセージスレッドを管理する方法を提供する。上記方法は、対話型メッセージ通信のために、CPMクライアントがインターネットプロトコルメディアサブシステム(IMS)サービスに加入しないクライアントとして指定され、上記受信側と関連したメッセージスレッドに割り当てられたスレッド識別子(ID)を含むSIPメッセージを送信するステップと、インターワーキング機能(IWF)が上記SIPメッセージを、CPMサーバを介して受信すると、上記IWFが上記スレッドID、上記CPMクライアントのアドレス、及び上記受信側アドレスを格納し、上記スレッドIDに対応する所定の有効受信応答期間を設定し、上記SIPメッセージのメッセージフォーマットを上記受信側が受信可能なメッセージフォーマットに変換し、上記変換されたSIPメッセージを、上記受信側を支援するサーバを介して上記受信側に送信するステップと、上記IWFが上記所定の有効受信応答期間内にメッセージを上記受信側から受信すると、上記受信側から受信されたメッセージを上記SIPメッセージに変換し、上記格納されているスレッドIDを上記SIPメッセージに挿入し、上記SIPメッセージを、上記CPMサーバを介して上記CPMクライアントに送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
CPMユーザーが予めセッションを明確に開始する必要なしに、他のCPMユーザーとメッセージに基づく対話を行うことができるようにし、CPMユーザーが同一の対話窓で同一のスレッドに関連したすべてのメッセージを見ることができるようにする。また、CPMユーザーがSMSユーザーとメッセージに基づく対話を行うことができるようにし、同一のメッセージスレッドの長所及び対話窓の特徴を享有することができるようにする。CPMユーザーは、相手がCPMに対応しておらず、SMSのみに対応しているという事実を認識する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】CPMメッセージを処理する典型的なフローを示す図である。
【図2】SMを処理する典型的なフローを示す図である。
【図3】CPMシステムとSMシステムとがインターワーキングする際のシステム内のメッセージを処理する過程を示す図である。
【図4】本発明の実施形態による送信側CPMクライアントの動作を示す図である。
【図5】本発明の実施形態によるCPMクライアントの動作過程を示す図である。
【図6】本発明の実施形態により相互にインターワーキングするCPMシステムとSMシステムとのメッセージ処理過程を示す図である。
【図7】本発明の実施形態により送信されたSMのTP-UDのヘッダーがスレッドIDを含む場合におけるMSがSMを送信する過程を示す図である。
【図8】本発明の実施形態によるIWFの動作を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態により相互にインターワーキングするCPMシステム及びSMシステムのメッセージ処理手続きを示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態によるIWFの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。下記の説明において、同一の構成要素及び部分には、可能な限り同一の符号及び番号を共通使用するものとする。また、明瞭性と簡潔性の観点から、本発明に関連した公知の機能や構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0039】
本発明において、“統合インターネットプロトコルメッセージサービス(Converged Internet Protocol(IP) Messaging service:以下、“CPMサービス”と称する。)を用いたCPMクライアントと同一の相手との間で送受信した一連のメッセージを“メッセージスレッド(messages thread)”と呼ぶ。本発明は、CPMクライアントがこのメッセージスレッドをユーザーに提供する際に任意のメッセージスレッドに含まれている1つ又はそれ以上のメッセージを1つのウィンドウにグルーピングし表示することによりさらに友好的なユーザーインターフェースを提供する。本発明によれば、CPMクライアントが特定の相手とメッセージ通信を行う場合に、特定の相手に対応するメッセージスレッドに識別子を割り当てた後に、このメッセージをこの識別子とともに送信する。この際に、この特定の相手は、1人以上であり得る。また、本発明によると、同一の識別子は、CPMクライアントがこの特定の相手から受信するメッセージに含まれ、これにより、CPMクライアントがこの特定の相手に関連したメッセージスレッドを1つのウィンドウを介してユーザーに提供する。本発明において、この複数のメッセージがディスプレーされたウィンドウを“対話窓”と呼び、各メッセージスレッドに割り当てられた識別子又はメッセージ通信の相手に割り当てられた識別子を“スレッド識別子(thread Identifier(ID))”と呼ぶ。また、ここで、CPMクライアントは、CPMサービスを提供する通信網で直接的にメッセージをユーザーに提供し、ユーザーからの入力を受信するなどのユーザーとCPMシステムとの間のユーザーインターフェースを提供する端末装置(Mobile Station:以下、“MS”と称する。)を含む。また、メッセージ通信でのCPMクライアントの相手は、CPMクライアントであることもあり、CPMクライアントでないこともある。例えば、セッションを確立せず、メッセージを送受信するメッセージングサービスの端末であることもあり、インターネットプロトコルマルチメディアサービス(IMS)に対応していないクライアントであることもある。
【0040】
本発明は、CPMクライアント間のメッセージングサービスだけでなく、CPMシステムとインターワーキングする他のメッセージングシステムにも適用されることができ、この他のメッセージングシステムは、例えば、IMSを提供しないメッセージングシステム及びセッション確立なしにメッセージングサービスを提供するシステムを含む。したがって、下記で説明された実施形態において、CPMクライアント間のメッセージングサービスの際に、メッセージスレッドを提供する過程だけでなく、CPMシステムと他のメッセージングシステムとの間のメッセージングサービスに本発明を適用した例を説明するために、CPMシステムとSMSシステムとがインターワーキングするシステムの例を挙げて説明する。
【0041】
CPMサービスは、メッセージングサービスのためのセッション確立を要請するセッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol:以下、“SIP”と称する。)に基づくサービスであり、他方、SMSは、メッセージ送受信のためのセッション確立を必要としない。したがって、CPMシステム及びSMSシステムは、インターワーキング機能(Inter-Working Function:以下、“IWF”と称する。)を介してインターワーキングする。IWFは、様々な機能を含み、その中の代表的な1つは、CPMサービスメッセージ(以下、“CPMメッセージ”と称する。)及び短文メッセージ(short message:SM)のメッセージフォーマットを変換する。その結果、一方がCPMメッセージを送信する場合であっても、相手は、短文メッセージを受信し得る。また、一方が短文メッセージを送信する場合であっても、相手は、CPMメッセージを受信し得る。このようなメッセージ処理フローは、図3に示す。
【0042】
図3は、CPMシステムと短文メッセージシステムとがインターワークする際におけるシステム内のメッセージを処理する過程を示すもので、CPMクライアント10がCPMメッセージをSMSに対応したMS40に送信する場合を示す。
【0043】
図3を参照すると、CPMクライアント10は、ステップ301及びステップ303で、CPMサーバ20を介してSIPメッセージをIWF30に送信する。IWF30は、ステップ305で、CPMサービスに従うメッセージフォーマットからSMSに従うメッセージフォーマットに変換し、ステップ307で、SMS_SUBMITプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit:以下、“PDU”と称する。)を介してこのメッセージを短文メッセージサービスセンター(Short Message Service Center:以下、“SMSC”と称する。)50に送信する。その後に、SMSC50は、ステップ311で、SMS DELIVERYプロトコルデータユニット(SMS_DELIVER PDU)を介してこのメッセージをMS40に送信する。MS40は、ステップ313で、SMS_DELIVER_REPORT PDUをSMSC50に送信し、SMSC50は、ステップ315で、SMS_STATUS_REPORT PDUをIWF30に送信する。IWF30は、ステップ315で、SMS_STATUS_REPORT PDUを受信すると、ステップ317及びステップ319で、CPMサーバ20を介して“200 OK”をCPMクライアント10に送信する。
【0044】
上述したように、メッセージを送受信する場合に、CPMクライアント10は、MS40に関連したメッセージスレッドを他の通信対象に関連したメッセージスレッドと区分することができない。したがって、本発明によれば、CPMクライアント10は、SIPメッセージを送信する前に、スレッドIDをSIPメッセージに挿入する。例えば、本発明において、<thread-id>タグを含む新たなXML(eXtensible Markup Language)文書は、SIPメッセージに含まれる。<表9>は、このようなXML文書の一例を示す。
【0045】
【表9】

【0046】
また、<表9>に対応するXMLスキーマは、<表10>に示す。
【0047】
【表10】

【0048】
<表9>に示したスキーマにおいて、“ノート”は、メッセージグルーピングテキストを意味し、“Thread-id”は、メッセージ受信対象又はグルーピングのために使用される値を意味し、“other”は、将来の延長のための空間ホルダー(place holder)を意味する。上述した構成を有するXMLをSIPメッセージに挿入するための発信CPMクライアント10の動作を図4に示す。
【0049】
図4を参照すると、ステップ401で、CPMクライアント10は、ユーザーからメッセージの送信の要請を受信すると、ステップ403に進み、このメッセージが新たなスレッドの1番目のメッセージであるか、又は現存するスレッドのフォローアップメッセージであるかを検査する。本発明の一実施形態によると、スレッドデータベースは、CPMクライアント10が対話型メッセージング通信のために特定の対象とメッセージを送受信する場合に、この特定の対象に対応するメッセージスレッドに割り当てられたスレッドIDとこの特定の対象に対応するアドレスとを格納する。CPMクライアント10は、このスレッドデータベースを有する。また、このスレッドデータベースは、各スレッドIDに関連したメッセージを対応するスレッドIDに対応する方式で格納してもよく、または各スレッドIDに関連したメッセージを対応するスレッドIDに対応する位置で格納してもよい。このように格納されているメッセージは、対話窓の構成のために使用される。したがって、図4をさらに参照すると、CPMクライアント10がこのメッセージの受信側とメッセージを送受信した場合に、このメッセージの受信側は、スレッドIDの割当てを受け、割り当てられたスレッドIDは、このスレッドデータベースに格納されており、このメッセージは、既存のスレッドのフォローアップメッセージに対応する。また、CPMクライアント10がこのメッセージの受信側からメッセージを受信したことがなく、この送信されたメッセージが第1のメッセージである場合に、このメッセージは、新たなスレッドを開始する。したがって、CPMクライアント10は、新たなスレッドIDを新たなメッセージスレッドに割り当てた後に、この新たなスレッドID及びこの受信側のアドレスをこのスレッドデータベースに格納する。
【0050】
これに従って、CPMクライアント10は、ステップ403で送信の要請を受けたメッセージの受信側のアドレスに存在する場合に、CPMクライアント10は、ステップ405で、対応するスレッドIDを検出した後に、ステップ411に進む。他方、この受信側に割り当てられたスレッドIDが存在しない場合に、CPMクライアント10は、ステップ407で、新たなスレッドIDを生成し、ステップ409で、この生成されたスレッドIDをこのメッセージの受信側のアドレスに関連して格納した後に、ステップ411に進む。ステップ411で、CPMクライアント10は、この検出されたスレッドID又はこの生成されたスレッドIDを含むSIPメッセージを生成し送信する。
【0051】
一方、CPMクライアント10は、このメッセージを送信するか、又は関連するスレッドIDを確認した後に、このメッセージを含み、この受信側に対応する対話窓をディスプレーすることができる。言い換えれば、CPMクライアント10は、このメッセージに対応するスレッドIDに関連してこのスレッドデータベースに格納されているメッセージをロードするか、又はこのスレッドIDに関連してこのスレッドデータベースに格納されているメッセージの格納位置を参照することによりメッセージをロードし、これにより、このロードされたメッセージを1つの対話窓内に現在送信されるメッセージとともにディスプレーしてもよい。現在送信されるこのメッセージが新たなメッセージスレッドの開始に対応する場合に、現在送信されるこのメッセージだけを含む対話窓がディスプレーされる。
【0052】
ステップ411で送信されたSIPメッセージに含まれている受信側がCPMクライアントである場合に、CPMサーバ20は、従来の過程と同一の過程に従ってこのメッセージを対応するCPMクライアントに送信する。
【0053】
図5は、本発明の一実施形態によりスレッドIDを含むCPMメッセージを受信した場合におけるCPMクライアント10の動作過程を示す図である。
【0054】
図5を参照すると、ステップ501で、CPMクライアント10は、新たなSIPメッセージを受信すると、その内容を分析した後に、ステップ503に進む。ステップ503で、CPMクライアント10は、このSIPメッセージがスレッドIDを含んでいるか否かを検査する。このSIPメッセージが何のスレッドIDも含んでいない場合に、CPMクライアント10は、ステップ505に進み、CPMクライアントは、このメッセージを新たな対話窓に表示するだけで、手続きを終了する。このSIPメッセージがスレッドIDを含む場合に、CPMクライアント10は、ステップ507に進み、このスレッドIDとこのSIPメッセージに含まれている送信側のアドレス、すなわち、発信者アドレスとがスレッドデータベースに格納されているか否かを確認する。CPMクライアント10は、このスレッドデータベースに格納されている場合には、ステップ509に進み、このスレッドデータベースに格納されていない場合には、ステップ511に進む。
【0055】
受信スレッドID及び発信者アドレスがこのスレッドデータベースに格納されているという事実は、このメッセージが既存のメッセージスレッドに属していることを意味する。したがって、CPMクライアント10は、ステップ509で、このスレッドID及びこの発信者アドレスと関連した対話窓をロードした後に、ステップ513に進む。
【0056】
しかしながら、受信スレッドID及び発信者アドレスがこのスレッドデータベースに格納されていない場合には、このメッセージは、新たなメッセージスレッドを開始した後に、CPMクライアント10は、このスレッドデータベースに受信されたこのスレッドID及び発信者アドレスを格納し、これに関連した新たな対話窓を生成する。その後に、CPMクライアント10は、ステップ513に進む。ステップ513で、CPMクライアント10は、この新たなメッセージをこの対話窓に追加し、これを受信側ユーザーに表示する。これは、CPMクライアント10の手続きを終了する。
【0057】
上述したように、2人のCPMクライアント間の対話型メッセージ通信のために送受信された各メッセージは、このメッセージを2人のCPMクライアントでない他のCPMクライアントと送受信された他のメッセージと区別するための識別子を含み得る。したがって、この2人のCPMクライアントは、これら間にやり取りしたメッセージをグルーピングすることにより、このグルーピングされたメッセージを対話窓の形態で各ユーザーに提供することができる。
【0058】
このようなメッセージスレッドの管理及び提供は、CPMクライアントとSMSに対応したMS間の対話型通信のためのメッセージを送受信する場合にも適用されることができる。したがって、CPMクライアントのメッセージングインターワーキングをできるだけ連続して作ることができ、CPMユーザーは、受信者がどのメッセージングサービスに対応しているかを認識する必要がない。
【0059】
CPMクライアントとSMSに対応したMSとの間で対話型通信のためのメッセージの送受信の際に、一般的に、メッセージスレッドをCPMクライアントに提供する2種類の方法がある。第1の方法によると、スレッドIDは、送信側CPMクライアントにより送信されたSIPメッセージ及びこのSIPメッセージに応じて受信側に送信されたSMに含まれる。第2の方法によると、CPMシステムとSMSシステムとをインターワーキングするためのIWFは、送信側のCPMクライアント及び受信側のMSに割り当てられたスレッドIDの格納及び管理を行い、IWFは、このスレッドIDをMSに提供せず、スレッドIDに関連したサービスをCPMクライアントのみに提供する。
【0060】
第1の方法による実施形態は、スレッドID情報をSMS領域に延長させ得る。このような実施形態は、SMを受信し、これに対する応答を送信するMSからの適応された動作だけでなく、SMSユーザーに送信されたSMでの追加的な情報要素に影響を及ぼす。
【0061】
以下、第1の方法は、図6乃至図8を参照して説明する。
【0062】
図6は、本発明の実施形態により相互にインターワーキングするCPMシステムとSMシステムとのメッセージ処理過程を示す図である。
【0063】
図6を参照すると、CPMクライアント10は、ステップ601及びステップ603で、送信するメッセージ及びスレッドIDを含むSIPメッセージを、CPMサーバ20を介してIWF30に送信する。この際に、CPMクライアント10がSIPメッセージを構成する過程は、図4に示した過程と類似している。ステップ605で、IWF30がSIPメッセージを受信すると、ステップ607に進む。ステップ607で、IWF30は、SIPメッセージを適切な短文メッセージ(SM)に変換した後に、ステップ609に進む。このSMは、例えば、SMS_SUBMIT PDUとなり得る。
【0064】
ステップ609で、IWF30は、このSIPメッセージがスレッドIDを含んでいるか否かを検査する。スレッドIDが存在する場合に、IWF30は、ステップ611に進み、スレッドIDが存在しない場合に、IWF30は、ステップ619に進む。
【0065】
ステップ611で、IWF30は、このスレッドIDを抽出し、この抽出されたスレッドIDをこのSMに追加する。その後に、IWF30は、ステップ613に進む。
【0066】
ステップ613で、IWF30は、この変換されたSMをSMSC50に送信する。その後に、ステップ615で、IWF30は、SMS_SUBMIT PDUをSMSC50に送信する。ステップ617で、SMSC50は、このメッセージをSMS_DELIVER PDUを介してMS40に送信する。ステップ619で、MS40は、SMS_DELIVER_REPORT PDUをSMSC50に送信し、SMS_DELIVER_REPORT PDUに含まれているメッセージをユーザーに提供する。ステップ621で、SMSC50は、SMS_STATUS_REPORT PDUをIWF30に送信する。ステップ621で、SMS_STATUS_REPORT PDUを受信すると、IWF30は、ステップ623及びステップ625で、CPMサーバ20を介して“200 OK”をCPMクライアント10に送信する。
【0067】
ステップ609及びステップ611は、ステップ607を行う間に任意の時間で発生することもできる。
【0068】
ステップ611で、IWF30は、このスレッドIDを送信されるSMに含ませる。本発明の実施形態によると、スレッドIDは、SMのTP-UD(ユーザーデータ)のヘッダーに含まれるか、TP-UDのボディー部分に含まれるか、または、TP-DA(Destination-Address)に含まれ得る。スレッドIDがSMのTP-UDのヘッダーに含まれる場合に、新たなSMS情報要素が追加される。しかしながら、このスレッドIDがTP-UDのボディー部分又はTP-DAに含まれる場合に、新たな情報要素の追加なしにシステムを構成することができる。
【0069】
このスレッドIDがSMのTP-UDのヘッダーに含まれる場合に、このスレッドIDがこのヘッダー内にどのように正確に含まれるかについての多くの方法があり得る。本発明は、2種類の実施形態を提供し、これら中の1つは、<表8>を参照して、このスレッドIDをTP-UDに含まれているSMSC制御パラメータに含ませるのである。SMSC制御パラメータは、SMSC50を制御するために使用されることができるが、受信側MSに明確に渡されることもできる情報を含む。SMSC制御パラメータは、基本的に特定のメッセージのエラーコードに基づいて、状態通知の発生を制御するオクテット1として“選択的状態通知(Selective Status Report)”を含む。本発明は、<表11>に示すような第2のオクテットを追加する。
【0070】
【表11】

【0071】
TP-RP(応答経路)は、SMSCが送信側MSを認識し、この送信側に応答を送信することができることを保証し、送信側メッセージを送信したSMSCと同一のSMSCを介してこの送信側メッセージに対する応答が送信されることを保証するために、SMS_SUBMIT PDU及びSMS_DELIVER PDUの両方に含まれる。
【0072】
このスレッドIDをTP-UDのヘッダーに含ませる他の実施形態によると、新たな情報要素識別子は、TP-UDヘッダーに追加されてもよい。すなわち、“メッセージスレッド情報(Message Thread Information:以下、“MTI”と称する。)と名付けられた新たな情報要素識別子は、TP-UDヘッダーに追加されてもよい。本発明の実施形態によると、このメッセージスレッド情報は、SMS制御として分類され、反復可能性を有しないように設定されることができる。
【0073】
図7は、本発明の実施形態により送信されたSMのTP-UDのヘッダーがスレッドIDを含む場合におけるMS40が短文メッセージを送信する過程を示す図である。
【0074】
図7を参照すると、ステップ701で、MS40がSMの送信の要請を受信する場合に、MS40は、ステップ703に進む。ステップ703で、MS40は、このSMが新たなメッセージであるか、又は前に受信したメッセージに対する応答であるかを確認する。このSMが応答である場合に、MS40は、ステップ705に進む。このSMが新たなメッセージである場合に、このメッセージは、即座に送信されることができ、これに従って、MS40は、ステップ709に進む。
【0075】
ステップ705で、MS40は、このSMが応答する短文メッセージのTP-UD情報要素のヘッダー内にスレッドIDが含まれているか否かを確認する。このSMが応答している最初のメッセージがTP-UD情報要素のヘッダー内にスレッドIDが含まれている場合には、ステップ707に進む。このSMが応答している最初のメッセージがTP-UD情報要素のヘッダー内にスレッドIDが含まれていない場合には、ステップ709に進む。
【0076】
ステップ707で、MS40は、このスレッドIDを抽出し、この抽出されたスレッドIDを送信するSMのTP-UDのヘッダーに含ませる。その後に、ステップ709で、MS40は、このSMをSMSC50に送信する。
【0077】
SMSC50は、受信したSMをIWF30に送信し、このSMを受信したIWF30は、図8に示すような過程に従って動作する。
【0078】
図8を参照すると、ステップ801で、IWF30がCPMクライアント10に送信されるSMを受信すると、ステップ803で、IWF30は、このSMを適合したSIPメッセージに変換した後に、ステップ805に進む。
【0079】
ステップ805で、IWF30は、このSMがTP-UD情報要素のヘッダー内にスレッドID情報を含んでいるか否かを確認する。スレッドIDが存在する場合に、IWF30は、ステップ807に進む。他方、スレッドIDが存在しない場合に、IWF30は、ステップ809に進み、ステップ803で変換されたSIPメッセージを送信する。
【0080】
ステップ807で、IWF30は、このスレッドIDをSMのTP-UDから抽出し、<表9>に示すように、この抽出されたスレッドIDをXML文書フォーマットとしてSIPメッセージに追加した後に、ステップ809に進み、このSIPメッセージをCPMサーバ20に送信する。ステップ805及びステップ807は、ステップ803で、このSMをSIPメッセージに変換する間に行われてもよい。
【0081】
一方、本発明の他の実施形態によると、このスレッドID情報は、既存のサブアドレッシング及び応答経路メカニズムを使用して、既存のSMSのTP-DA(Destination Address)に追加されてもよい。
【0082】
この既存のSMSでのサブアドレッシング規則は、次のようである。
【0083】
発信MSは、TP-DAフィールドに含まれている‘*’又は‘#’を有するSMを送信することができる。TP-DAで遭遇する第1の‘#’は、SMSC経路設定目的のためのアドレスが終了されるところを示す。付加的な‘*’又は‘#’は、次のディジットで存在することができ、第1の‘#’を含むこのようなすべてのディジットは、サブアドレスディジットである。
【0084】
SMSCは、このようなサブアドレス情報とともに送信するSMを受信すると、このSMをTP-OAフィールドにコピーされた同一のサブアドレスディジットを有する受信MSに送信しなければならない。
【0085】
例えば、987654321のアドレスを有するMS Aが1234#56#789*のTP-DAを有するSMをMS Bに送信する場合に、1234のアドレスを有するMS Bは、987654321#56#789*のTP-DAを有するSMを受信する。
【0086】
また、応答経路メカニズムのための普遍的な手続きは、次のようである。
【0087】
・この応答経路が発信SMのSMS_SUBMIT PDUを使用してTP-RPパラメータを設定することにより発信MSにより要請される。発信SMSCが発信MSのために要請する応答経路を支援する場合に、この発信SMSCは、SMS_SUBMIT PDUでのTP-RPパラメータに注目し、この発信MSに応答する受信MSに向けたSMS_DELIVER PDUのTP-RPパラメータを設定する。したがって、応答経路は、発信MSに対して応答するMSのために存在する。
【0088】
・応答するMSが発信SMを受信すると、発信MSのアドレス及び応答経路メカニズムを有する。
発信MSアドレスは、SMS_DELIVER PDU内のTP-OAで検出され、この応答経路の存在は、TP-RPがSMS_DELIVER PDUに設定されたか否かに基づいて決定される。
【0089】
・この応答SMを提出し、この応答経路が設定される場合に、この応答するMSは、この発信MSアドレス(TP-OAの内容)をSMS_SUBMIT PDU内のTP-DAとして使用しなければならず、この発信MSアドレスを、発信SMを送信したSMSCに提出する。
【0090】
・発信SM及び応答SMは、同一のSMSCにより送信される。この原理は、例えば、このSCがこの発信MSに到達するための適切なデータネットワークに対してこの応答SMの経路を定めることができる可能性を最大にする。
【0091】
以下、このサブアドレッシング、応答経路メカニズム、及びTP-DAを使用して従来のSMSシステムに大きく影響を与えずスレッドID情報を送信する方法について説明する。
【0092】
IWF30は、スレッドIDを含む受信側がMS40であるSIPメッセージを受信すると、受信したSIPメッセージをSMに変換し、このスレッドIDがサブアドレス、すなわち、<dest_address>#<<thread_id>のように、このスレッドIDをこのSMを含むSMS_SUBMIT PDUのTP-DA情報要素内に追加する。最初のスレッドIDがディジットで構成されない場合に、IWF30は、このスレッドIDを特定のディジットシーケンスに変換する必要があり、この最初のスレッドIDと対応するシーケンス間のマッピングテーブルをTP-DAに含ませる。また、IWF30は、TP-RP(応答経路)ビットを“1”に設定し、応答MSがこのSMを送信したSMSCと同一のSMSCにこの応答MSが任意のSMを提出することを要請する。
【0093】
この後に、IWF30は、SMS_SUBMIT PDUをSMSC50に送信する。SMSC50は、SMS_SUBMIT PDUをSMS_DELIVER PDUに変換し、この変換されたPDUをMS40に送信する。MS40は、このSMをSMS_DELIVER PDUを介してSMSC50から受信し、SMS_DELIVER PDUは、サブアドレスとしてのスレッドID情報とTP-OA情報要素とを含む。
【0094】
MS40がこの受信したSMに対する応答SMを送信する場合に、MS40は、応答経路手続きに従って、この応答SMを含むSMS_SUBMIT PDUのTP-DA内に、受信した最初のSMのSMS_DELIVER PDUのTP-OAのすべての内容、すなわち、このスレッドIDを含む内容を含ませる。
【0095】
また、MS40は、この応答SMを、SMSC50を介してIWF30に送信し、SMSC50は、IWF30に送信されたSMS_DELIVER PDUのTP-OA内のスレッドIDをコピーする。
【0096】
IWF30は、SMS_DELIVER PDUを受信すると、このスレッドIDをTP-OA情報要素から抽出し、このSMを適合したSIPメッセージに変換する。また、このスレッドIDは、上述したXMLフォーマットを用いてこのSIPメッセージに含まれる。この際に、このスレッドIDは、上述したマッピングテーブルを使用して元来の英数字スレッドIDに戻って変換される必要があり得る。
【0097】
この後に、IWF30は、SIPメッセージをCPMサーバ20に送信する。
【0098】
このスレッドIDをSMに挿入する他の実施形態は、このスレッドIDをこのSMのボディー部分に挿入する方法を含み、これは、電子メールとインターワーキングするSMSの機能を活用したものである。
【0099】
電子メールとSMSとのインターワーキングの際における基本的なシンタックスは、次のようである。
【0100】
・SMを受信する場合:[<from-address><space>]<message>
・SMを送信する場合:[<to-address><space>]<message>
【0101】
ここで、[]は、選択的なフィールドである。“from-address”及び“to-address”は、“user@domain1.domain2”又は“UserName<user@domain1.domain2>”の中の1つであることができる(ここで、<>は、送信されることもできる。)。
【0102】
選択的に、次のようにメッセージのために選択的なサブジェクト(subject)を含むこともできる。
【0103】
・[<to-address>](<subject>)<message>;又は
・[<to-address>]##<subject>#<message>
【0104】
この内容に基づいて、このメッセージの“サブジェクト”として代わりにこのスレッドIDを挿入する。
【0105】
すなわち、IWF30は、スレッドIDを含むSIPメッセージを受信すると、このSIPメッセージをSMに変換し、SMS_SUBMIT PDUのTP-UDのボディー部分にサブジェクトとしてスレッドIDを含む。例えば、“##<threadID>#<message>”で表現することができる。この<to-address>は、このSIPメッセージの“To:”フィールドからアドレス(user@domain1.domain2)を抽出することにより追加することもできる。
【0106】
IWF30は、このSMを含むSMS_SUBMIT PDUをSMSC50に送信する。その後に、MS40は、このSMをSMS_DELIVER PDU内のSMSC50から受信し、このスレッドID情報をTP-UDのボディー部に含ませる。MS40は、この受信したSMに対する応答メッセージを送信した場合に、同一のシンタックスに従うために、TP-UD内に最初のメッセージに含まれていたサブジェクトと同一のサブジェクト、すなわち、スレッドIDを含む。MS40は、この応答SMを含むSMS_SUBMIT PDUをSMSC50に送信し、SMSC50は、SMS_SUBMIT PDUに対応するSMS_DELIVER PDUをIWF30に送信する。
【0107】
IWF30は、SMS_DELIVER PDUを受信すると、このスレッドIDを受信したSM、すなわち、SMS_DELIVER PDUのサブジェクトから抽出する。また、IWF30は、このSMを適切なSIPメッセージに変換し、上述したXMLフォーマットを用いてスレッドIDをSIPメッセージに含ませた後に、SIPメッセージをCPMサーバ20に送信する。
【0108】
上述した実施形態のすべては、送信側CPMクライアントにより送信されたSIPメッセージ及びこのSIPメッセージに応じて受信側に送信されたSMがスレッドIDを含む場合に対応する。次の実施形態によると、CPMシステムとSMSシステムとをインターワーキングするIWFは、送信側CPMクライアント及び受信側MSに従って割り当てられたスレッドIDの格納及び管理を行い、このスレッドIDをMSに提供しない。本実施形態は、従来のSMSシステムを変化させることなく実現可能である。
【0109】
本発明の実施形態によると、一定の時間間隔の間に、“スレッドID、送信側アドレス、及び受信側アドレスをIWFに格納することにより、IWFは、SMSドメインでのスレッドの存在をシミュレーションする。
【0110】
図9は、本発明の他の実施形態により相互にインターワーキングするCPMシステム及びSMシステムのメッセージ処理手続きを示す図である。
【0111】
ステップ901及びステップ903で、CPMクライアント10は、送信するメッセージ及びスレッドIDを含むSIPメッセージを、CPMサーバ20を介してIWF30に送信する。この際に、CPMクライアント10がSIPメッセージを構成する過程は、図4に示した過程と類似している。IWF30は、ステップ905で、スレッドID、発信者アドレス、及び受信者アドレスを検出し、この検出された情報をデータベースに格納した後に、SIPメッセージを適切なSMに変換する。その後に、ステップ907で、IWF30は、この変換されたSMを含むSMS_SUBMIT PDUをSMSC50に送信する。ステップ909で、SMSC50は、このメッセージをSMS_DELIVER PDUを介してMS40に送信する。MS40は、SMS_DELIVER PDUを受信すると、図示していないが、SMS_DELIVER_REPORT PDUをSMSC50に送信し、SMS_DELIVER PDUに含まれているメッセージをユーザーに提供する。また、SMSC50は、SMS_STATUS_REPORT PDUをIWF30に送信する。IWF30は、SMS_STATUS_REPORT PDUを受信すると、“200 OK”を、CPMサーバ20を介してCPMクライアント10に送信する。
【0112】
ステップ911で、MS40がステップ909で受信したメッセージに対する応答メッセージを含むSMS_SUBMIT PDUをSMSC50に送信する。ステップ913で、SMSC50は、応答メッセージをSMS_DELIVER PDUを介してIWF30に送信する。ステップ915で、IWF30は、SMS_DELIVER PDUに含まれている発信者アドレス及び受信者アドレスを検出した後に、発信者アドレス及び受信者アドレスに対応するスレッドIDをこのデータベースから検索する。その後に、ステップ917で、IWF30は、この応答メッセージをSIPメッセージに変換し、この得られたスレッドIDをSIPメッセージに挿入した後に、このSIPメッセージをCPMサーバ20に送信する。ステップ919で、CPMサーバ20は、SIPメッセージをCPMクライアント10に送信する。
【0113】
IWF30の詳細な動作手続きを図10に示す。図10を参照すると、ステップ1000で、IWF30は、イベントの発生を待機する。この際に、このイベントは、SIPメッセージ又はSMの受信及び有効受信応答期間の満了の中の1つを意味する。
【0114】
SIPメッセージがCPMサーバ20から受信されると、IWF30は、ステップ1001に進む。SMがCPMサーバ20から受信されると、IWF30は、ステップ1101に進む。また、任意のスレッドIDに関連した有効受信応答期間が満了すると、IWF30は、ステップ1201に進む。
【0115】
まず、IWF30がSIPメッセージを受信した場合を説明する。SIPメッセージを受信すると、IWF30は、ステップ1001で、このSIPメッセージがスレッドIDを含むか否かを確認する。このSIPメッセージがスレッドIDを含む場合に、IWF30は、ステップ1003に進み、他方、このSIPメッセージがスレッドIDを含まない場合に、IWF30は、ステップ1011に進む。ステップ1003で、IWF30は、スレッドID、発信者アドレス、及び受信者アドレスをSIPメッセージから抽出した後に、ステップ1005に進む。ステップ1005で、IWF30は、この抽出された3つの情報が自身のデータベースに存在するか否かを確認する。このような情報が自身のデータベースに存在しない場合に、IWF30は、ステップ1007に進む。他方、この抽出された3つの情報が自身のデータベースに存在する場合に、IWF30は、ステップ1009に進む。このような情報がデータベースに存在しないという事実は、このSIPメッセージが新たなメッセージスレッドの1番目のメッセージであることを意味するか、又はメッセージスレッドが存在したが、消滅したことを意味する。IWF30は、スレッドID、発信者アドレス、及び受信者アドレスを自身のデータベースに格納し、このスレッドIDに対する予め定義された有効受信応答期間でタイマーを開始した後に、ステップ1011に進む。このタイマー及び有効受信応答期間は、IWF30によるスレッド管理のライフタイムを与える。すなわち、対応するスレッドIDと関連したメッセージがこの有効受信応答期間内に受信されないと、この対応するスレッドID及び関連アドレス情報は、削除される。また、スレッドID、発信者アドレス、及び受信者アドレスがこのデータベースに存在すると、これは、SIPメッセージが現存するメッセージスレッドのフォローアップメッセージであることを意味する。したがって、ステップ1009で、スレッドID、発信者アドレス、及び受信者アドレスがこのデータベースに存在する場合に、IWF30は、このスレッドがまだ有効であることを認識し、このスレッドのライフタイム処理を延長するために、このスレッドと関連したタイマーをゼロにリセットする。その後に、IWF30は、ステップ1011に進む。ステップ1011で、IWF30は、SIPメッセージを適合したSMに変換し、このSMをSMSC50に送信する。この際に、SMは、スレッドIDを含まない。この後に、IWF30は、任意の新たなイベントを待機するために、ステップ1000に戻る。
【0116】
IWF30は、イベントの発生を待機する間にSMを受信すると、ステップ1101に進み、SMをSIPメッセージに変換する。この後に、ステップ1103で、IWF30は、このSIPメッセージの“送信者アドレス−発信者アドレス”のペアが自身のデータベースに存在するか否かを確認する。このSIPメッセージの“送信者アドレス−発信者アドレス”のペアが自身のデータベースに存在する場合に、IWF30は、ステップ1105に進む。このSIPメッセージの“送信者アドレス−発信者アドレス”のペアが自身のデータベースに存在しない場合に、IWF30は、SIPメッセージが新たなスレッドの1番目のメッセージであるか、又はスレッドと関連しないメッセージであると認識し、ステップ1111に進む。ステップ1105で、IWF30は、1対のアドレスに対応するスレッドIDを抽出した後に、ステップ1107で、この抽出したスレッドIDをSIPメッセージに含ませた後に、ステップ1109に進む。ステップ1109で、IWF30は、このスレッドIDと関連したタイマーをゼロにリセットする。現存するスレッドに属しているメッセージが到達した以降、このスレッドIDのライフタイムは、継続して処理されることができるようにデータベースで延長される。その後に、IWF30は、ステップ1111に進み、SIPメッセージをCPMサーバ20に送信する。この後に、IWF30は、新たなイベントを待機するためにステップ1000に戻る。
【0117】
一方、任意のスレッドIDに対応して有効受信応答期間の満了イベントが発生すると、IWF30は、ステップ1201で、対応するスレッドID、発信者アドレス、及び受信者アドレスをこのデータベースから除去する。その後に、IWF30は、新たなイベントを待機するためにステップ1000に戻る。
【0118】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0119】
10 統合IPメッセージングサービス(CPM)クライアント
20 CPMサーバ
30 インターワーキング機能(IWF)
40 移動局(MS)
50 短文メッセージサービスセンター(SMSC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相異なるメッセージングサービスをインターワーキングするIWF(Interworking Function)が同じ相手と送受信した一連のメッセージでなされるメッセージスレッド(messages thread)を管理する方法であって、
SIP(Session Initiation Protocol)基盤のCPMS(Converged Internet Protocol Messaging Service)を支援する第1のクライアントから対話型メッセージ通信のためのSIPメッセージを受信するステップと、ここで、前記SIPメッセージに対する受信端末は、他のメッセージングサービスを支援する第2のクライアント端末であり、
前記SIPメッセージから、スレッドIDと、前記第1のクライアント端末のアドレスと、前記第2のクライアント端末のアドレスを検出してデータベースに格納するステップと、
前記SIPメッセージフォーマットを前記他のメッセージングサービスで支援するメッセージフォーマットに変更して第1の変更メッセージを生成し、前記第1の変更メッセージを前記第2のクライアント端末に伝送するステップと、
前記第2のクライアントからメッセージを受信するステップと、
前記メッセージの受信端末が前記第1のクライアント端末であると、前記メッセージのメッセージフォーマットを前記CPMSで支援するメッセージフォーマットに変更して第2の変更メッセージを生成するステップと、
前記第2の変更メッセージに前記データベースで前記第1のクライアント端末及び前記第2のクライアント端末に対応して検出された前記スレッドIDを含めて前記第1のクライアントに伝送するステップと、を含むことを特徴とするメッセージスレッド管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−256330(P2012−256330A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157572(P2012−157572)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2009−536172(P2009−536172)の分割
【原出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】