説明

絶縁管継手

【課題】 ライニング鋼管を施工の良否に関係なく、漏水と共に赤水の発生を防止して接続することができ、またネジ切り加工等を必要とせず短時間に接続できるにも拘わらず、異種金属の接触による腐食の問題も解決された絶縁管継手を提供する。
【解決手段】金属製のソケット(2)本体と、金属製の袋ナット(10)と、金属製のロックリング(40)と、ガラス繊維入りの合成樹脂製のリングカバー(50)と、合成樹脂製の一体型パッキン(20)とから構成する。ソケット本体(2)とライニング鋼管(RP)との間に一体型パッキン(20)を介在させてライニング鋼管(RP)とソケット本体(2)との間をシールすると共に電気的に絶縁する。袋ナット(10)とライニング鋼管(RP)に装着されるロックリング(40)との間にリングカバー(50)を介在さ、このリングカバーを介して袋ナットの締付力をロックリング(40)に伝えると共に袋ナット(10)とロックリング(40)との間を電気的に絶縁する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予め第1の管に取り付けられている金属製のソケット本体と、このソケット本体に螺合される同様に金属製の袋ナットとからなり、前記ソケット本体および袋ナットと、接続される第2のライニング鋼管との間に合成樹脂製の絶縁兼シール部材、金属製のロックリング等を装着して、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けると、第1の管に第2のライニング鋼管が電気的に絶縁状態で接続されるようになっている絶縁管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】給水用の管として鋼管の内外両面を合成樹脂で被覆したライニング鋼管と共に亜鉛メッキしたライニング鋼管も採用されている。このライニング鋼管は、従来の水道管と同様に適当な長さに切断され、そして管継手で接続されて配管されている。このようなライニング鋼管の接続には色々な方法が採用されているが、一般にはライニング鋼管の外周にネジ切り加工を加え、継手にシール材を塗布あるいは充填して水との接触を断つ方法が採用されている。この方法によると、シール材が適用されているので、一応錆の問題は解決されているが、現場においてライニング鋼管の外周にネジ切り加工をしなければならず、施工時間が長くなる欠点がある。また、シール材を塗布する施工法によるとシール材の乾燥に時間がかかり、施工時間が一層長くなる。また、ネジ切り加工後、シール材を適用しても、施工の良否によっては錆の問題が残る欠点もある。
【0003】そこで、ネジ切り加工を必要としない、防食管継手が例えば特開平7ー110084号、実開平7ー28298号等で提案されている。特開平7ー110084号に記載されているメカニカル式管継手は、継手本体と、ナットと、パッキンと、突条ゴムパッキンとを備えている。したがって、パッキンと突条ゴムパッキンとを装着して継手本体にナットを螺合すると、樹脂被覆管すなわちライニング鋼管が接続される。接続すると、パッキンにより漏水が防止されると共に、突条ゴムパッキンにより、ライニング鋼管の切断端部の錆から生じる赤水の発生も抑制される。また、実開平7ー28298号の防食キャップは、防食キャップの他にパッキンも備えている。したがって、漏水と共に赤水の発生も防止される。
【0004】このように、従来の防食管継手によっても突条ゴムパッキンあるいは防食キャップを備えているので、ライニング鋼管の切断端面が水により腐食し、そして錆による赤水が水道水に混入することが一応防止される。また、継手本体にナットを螺合するようになっているので、施工現場において接続するライニング鋼管の外周にネジ切り加工を施す必要はない等の効果は認められる。しかしながら、従来の防食管継手は、漏水防止用のパッキンと、赤水防止用のパッキンの2個のパッキンを必要としているので、すなわち部品数が多いので、現場における接続施工に時間がかかる恐れがある。また、部品数が多いので管理上も問題がある。さらには、これらのパッキンは、一般に金型により成形されるが、高価な金型が2面必要となり、コストアップにもなる。また、従来の防食キャップは、ライニング鋼管の切断端面が気密に当接して初めて漏水が防止される構造になっているので、施工によりライニング鋼管の切断端面が防食キャップに当接しないこともあり、防食効果が施工の条件に左右されるという問題もある。
【0005】そこで、本出願人は、特開平10−78181号により、略筒状を呈する継手本体と、該継手本体の端部にネジ結合される袋ナットと、前記継手本体と接続されるライニング鋼管との間に装着されるシール部材と、該シール部材をライニング鋼管側へ押圧するコア部材とからなる防食管継手であって、前記シール部材は、ライニング鋼管に装着して前記袋ナットを前記継手本体の端部に形成されているネジに螺合すると、前記継手本体の内周面とライニング鋼管の外周面とに圧接される第1の膨出部と、前記継手本体の内周面とライニング鋼管の外周面との間に位置する第1の筒部と、ライニング鋼管の切断先端面が対向する底部と、ライニング鋼管の内周面側に位置し、これに接してシールする第2の筒部とからなり、前記第2の筒部には、第2の膨出部が形成されていると共に、前記第1の膨出部と、第1の筒部と、底部と、第2の筒部と、第2の膨出部はゴム、合成樹脂等の弾性材料から一体的に成形されている防食継手を提供した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本出願人が提案している上記防食管継手によると、シール部材をライニング鋼管に装着してコア部材を挿入し、そして袋ナットを継手本体のネジに螺合するだけでライニング鋼管を接続することができる。したがって、ライニング鋼管を施工の良否に関係なく、漏水と共に赤水の発生を防止して接続することができるという、効果が得られる。しかも、ネジ切り加工等を必要とせず、短時間に接続でき、またシール部材を構成している第1の膨出部と、第1の筒部と、底部と、第2の筒部と、第2の膨出部は、ゴム、合成樹脂等の弾性材料から一体的に成形されているので、部品数が少なくて、例えばシール部材を成形する金型も1面で済むという効果も得られる。しかしながら、異種金属の接触による腐食の問題は、解決されていないので、管本体と、継手を構成しているソケット本体あるいは袋ナットが金属接触すると、管本体とソケット本体は一般に互いに異なる金属から構成されているので、イオン化傾向の小さい方が腐食する。その結果、漏水が生じ、また腐食した金属が水道水中に溶けだし水質の汚染の原因にもなる。したがって、本発明は、ライニング鋼管を施工の良否に関係なく、漏水と共に赤水の発生を防止して接続することができ、またネジ切り加工等を必要とせず短時間に接続でき、さらには部品数が少なく安価であるにも拘わらず、異種金属の接触による腐食の問題も解決された絶縁管継手を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、 予め第1の管に取り付けられている金属製のソケット本体と、このソケット本体に螺合される同様に金属製の袋ナットとからなり、前記ソケット本体および袋ナットと、接続される第2のライニング鋼管との間に合成樹脂製の絶縁兼シール部材、金属製のロックリング等を装着して、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けると、第1の管に第2のライニング鋼管が電気的に絶縁状態で接続されるようになっている絶縁管継手であって、前記絶縁兼シール部材は、合成樹脂製の、リングカバーと、一体型パッキンとからなり、前記一体型パッキンは、第2のライニング鋼管の先端部に装着され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるとき、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面の両面に圧接される膨出部と、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面との間に位置する第1の筒部と、ライニング鋼管の先端面が当接する当接部と、ライニング鋼管の内周面側に位置し、これに接してシールする第2の筒部とから、連続して一体的に形成され、これにより前記ソケット本体と第2のライニング鋼管との間は、シールされると共に電気的に絶縁され、前記リングカバーは、略テーパ管状を呈し、第2のライニング鋼管に装着される前記ロックリングと前記袋ナットとの間に介在され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるときの締付力を前記ロックリングに伝達すると共に、これらの間を電気的に絶縁状態で所定の間隔に保つように構成される。請求項2に記載の発明は、予め第1の管に取り付けられている金属製のソケット本体と、このソケット本体に螺合される同様に金属製の袋ナットとからなり、前記ソケット本体および袋ナットと、接続される第2のライニング鋼管との間に合成樹脂製の絶縁兼シール部材、金属製のロックリング等を装着して、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けると、第1の管に第2のライニング鋼管が電気的に絶縁状態で接続されるようになっている絶縁管継手であって、前記絶縁兼シール部材は、合成樹脂製の、リングカバーと、コアと、一体型パッキンとからなり、前記一体型パッキンは、第2のライニング鋼管の先端部に装着され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるとき、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面の両面に圧接される膨出部と、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面との間に位置する第1の筒部と、ライニング鋼管の先端面が当接する当接部と、ライニング鋼管の内周面側に位置し、これに接してシールする第2の筒部とから、連続して一体的に形成され、これにより前記ソケット本体と第2のライニング鋼管との間は、シールされると共に電気的に絶縁され、前記コアは、第2のライニング鋼管に装着される前記一体型パッキンの第2の筒部を半径外方へ押し広げる作用を奏する筒状部と、装着時に前記一体型パッキンの当接部に当接するフランジ状のストッパ部とから一体的に形成され、前記リングカバーは、略テーパ管状を呈し、第2のライニング鋼管に装着される前記ロックリングと前記袋ナットとの間に介在され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるときの締付力を前記ロックリングに伝達すると共に、これらの間を電気的に絶縁状態で所定の間隔に保つように構成されている。請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のリングカバーが、ガラス繊維入りの合成樹脂から形成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1,2により本発明の実施の形態を説明する。図1に示されているように、本実施の形態に係わる絶縁管継手1は、概略的には、一方の管Kの接合端部近傍に固定されている金属製のソケット本体2、このソケット本体2の外周部に螺合される同様に金属製の袋ナット10、他方のライニング鋼管RPの先端部に装着される合成樹脂製の一体型パッキン20およびコアー30、接続時にライニング鋼管RPに圧接される金属製のロックリング40,袋ナット10の内周面とロックリング40の外周面との間に装着される合成樹脂製のリングカバー50,ロックリング40とリングカバー50の後端部とソケット本体2の先端部との間に装着される合成樹脂製のカバー60等から構成されている。
【0009】ソケット本体2は、直管部3と、この直管部3よりも大径の拡径直管部4と、拡径直管部4から先端部に向かってテーパ状に拡径しているテーパ管部5と、テーパ管部3の最大径と同じ径の最大径直管部6とから一体的に構成されている。そして、最大径直管部6の外周面には、袋ナット10の雌ネジが螺合する雄ネジ7が形成されている。このように構成されているソケット本体2は、その直管部3において、本出願人が提案した、例えば特開平8−261371号公報にも示されている流動膨出法により管Kに液密的に固定されている。
【0010】袋ナット10は、外周部がナットの形状をしたナット部11と、内周面の後方部分すなわち図1において左方がテーパ状になっているテーパ部12とから従来周知の形状に構成されている。そして、ナット部11の内周面にソケット本体2の雄ネジ7に螺合する雌ネジが形成されている。したがって、詳しくは後述するように、ソケット本体2の最大径直管部6の内側に一体型パッキン50等を装着して袋ナット10をソケット本体2の雄ネジ7にねじ込むと、袋ナット10のテーパ部12により一体型パッキン50がカバー60を介して軸方向に押圧され、シールされることになる。また、袋ナット10はロックリング40を介してライニング鋼管RPと一体化される。
【0011】袋ナット10の内側に配置されるリングカバー50は、図2の(イ)に拡大して示されているように、全体としては軸方向に短いテーパ管状を呈している。すなわち、装着時に袋ナット10のテーパ部12の内周面により圧接されるテーパ状の外周面部51と、ロックリング40の外周面に圧接されるテーパ状の内周面52とから所定厚さに、全体としてテーパ管状に形成されている。このリングカバー50は、電気的に絶縁性の硬度の大きい合成樹脂、例えば本実施の形態ではガラス繊維入りの合成樹脂から構成されている。
【0012】金属製のロックリング40は、図2の(ロ)に同様に拡大して示されているように、リングカバー50の内周面部52から半径中心方向に押されるテーパ状の外周面部41と、ライニング鋼管RPに固着される直管状の内周面部42とかなっている。この金属製のロックリング40は、図2の(ロ)には示されていないが、一部で切れている。したがって、ライニング鋼管RPに挿入して袋ナット10で締め付けると、ロックリング40は縮径されライニング鋼管RPに固着される。
【0013】一体型パッキン20は、図2の(ハ)に拡大して示されているように、装着時に、ソケット本体2の主として最大径直管部6の内側に位置する膨出部21と、ソケット本体2の拡径直管部4の内周面とライニング鋼管RPの外周面との間に位置する第1の筒部22と、ライニング鋼管RPの端面が当接する当接部23と、この当接部23で折り返され、ライニング鋼管RPの内周面側に位置する第2の筒部24とから、ゴム、合成樹脂等の弾性材料により一体的に成形されている。
【0014】コア30は、図2の(ニ)に示されているように、筒状部31と、この筒状部31の一端から半径外方へフランジ状に延びているストッパ部32とから、樹脂あるいは金属材料のような弾性材料から一体的に形成されている。ストッパ部32は、装着時に一体型パッキン20の当接部23の外側面に接する部分でり、筒状部32は、その外周面が一体型パッキン20の第2の筒部24の内周面を押し広げるように作用し、第2の筒部24をライニング鋼管RPの内周面に押圧するようになっている。なお、カバー60は、袋ナット10のナット部11の内側と、ライニング鋼管RPの外周部との間に配置される大きさに、合成樹脂からドーナツ状あるいはリング状に構成されている。
【0015】次に、上記実施の形態の使用方法について説明する。ライニング鋼管RPの端部に袋ナット10と、リングカバー50と、ロックリング40と、カバー60とをこの順序で挿入する。また、図1に示されているように、ライニング鋼管RPの接続端部に一体型パッキン20を当接部23がライニング鋼管RPの接続端部に当接するように装着する。次に、コア30を筒状部31を先にして、ストッパ部32が一体型パッキン20の当接部23の外側面に接するまで挿入する。そうすると、コア30の筒状部31により、一体型パッキン20の第2の筒部24がライニング鋼管RPの内周面側に押圧される。その結果、第2の筒部24の内側周面がライニング鋼管RPの内周面に密着する。これによりシールされ、ライニング鋼管RPの切断面が防食される。なお、シール効果が多少落ちることもあるが、コア30がなくても実施できることは明らかである。このように実施するときは一体型パッキン20の第2の筒部24に弾性を持たせるのが望ましい。
【0016】上記のように、一体型パッキン20とコア30とを装着したライニング鋼管RPをソケット本体2に挿入し、袋ナット10の雌ネジをソケット本体2の雄ネジ7にネジ込む。そうすると、袋ナット10がソケット本体2と一体化される。ネジ込むときに、袋ナット10のテーパ部12によりリングカバー50が軸方向に押される。その結果、リングカバー50がロックリング40を縮径させる。これにより、ロックリング40はライニング鋼管RPに固着される。すなわち、ライニング鋼管RPは管Kに接続される。ところで、本実施の形態によると、リングカバー50はガラス繊維入りの合成樹脂から形成されているので、潰れることなく所定の厚さを保って電気的絶縁状態を保持する。また、ネジ込むと、リングカバー50とロックリング40の後端部が、カバー60を介して一体型パッキン20の膨出部21を後方すなわち図1において右方へ押す。そうすると、ソケット本体2のテーパ管部5は右方に向かって縮径されているので、膨出部21はソケット本体2のテーパ管部5の内周面とライニング鋼管RPの外周面との両面に密着する。これにより、シールされ外部からの水の侵入が防止される。このようにシールされるが、図1にも示されているように、ソケット本体2とライニング鋼管RPとの間は、一体型パッキン20が、また袋ナット10とロックリングとの間はリングカバー50が介在されているので、ソケット本体2および袋ナット10はライニング鋼管RPと金属接触はしない。したがって、イオン化傾向の差による金属の腐食が防止される。
【0017】
【発明の効果】以上のように、請求項1または2に記載の発明によると、予め第1の管に取り付けられている金属製のソケット本体と、このソケット本体に螺合される同様に金属製の袋ナットとからなり、前記ソケット本体および袋ナットと、接続される第2のライニング鋼管との間に合成樹脂製の絶縁兼シール部材、金属製のロックリング等を装着して、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けると、第1の管に第2のライニング鋼管が電気的に絶縁状態で接続されるようになっている絶縁管継手であって、前記絶縁兼シール部材は、合成樹脂製のリングカバーと、合成樹脂製の一体型パッキンとからなり、前記一体型パッキンは、第2のライニング鋼管の先端部に装着され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるとき、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面の両面に圧接される膨出部と、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面との間に位置する第1の筒部と、ライニング鋼管の先端面が当接する当接部と、ライニング鋼管の内周面側に位置し、これに接してシールする第2の筒部とから、連続して一体的に形成され、これにより前記ソケット本体と第2のライニング鋼管は、シールされていると共に電気的に絶縁され、請求項2に記載のようにコアを発明の構成要件の一部としていると、このコアは、第2のライニング鋼管に装着される前記一体型パッキンの第2の筒部を半径外方へ押し広げる作用を奏する筒状部と、装着時に前記一体型パッキンの当接部に当接するフランジ状のストッパ部とから一体的に形成されているので、また前記リングカバーは、略テーパ管状を呈し、第2のライニング鋼管に装着される前記ロックリングと前記袋ナットとの間に介在され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるときの締付力を前記ロックリングに伝達すると共に、これらの間を電気的に絶縁状態で所定の間隔に保つように構成されているので、袋ナットをソケット本体に締め付けるだけでライニング鋼管を接続することができる。したがって、本発明によると、ライニング鋼管を施工の良否に関係なく、漏水と共に赤水の発生を防止して接続することができる。しかも、ネジ切り加工等を必要とせず、短時間に接続でき、また一体型パッキンは膨出部と、第1の筒部と、当接部と、第2の筒部とから一体的に成形されているので、部品数が少なくて、例えばシール部材を成形する金型も1面で済み安価に提供できる。上記のように数々の効果が得られると共に、本発明によると、一体型パッキンによりソケット本体とライニング鋼管との間は電気的に絶縁され、そして袋ナットとロックリングしたがってライニング鋼管との間はリングカバーにより絶縁されているので、異種金属の電気的な接触による腐食が防止されるという、本発明に特有の効果が、さらに得られる。請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のリングカバーがガラス繊維入りの合成樹脂製であるので、硬度が大きく袋ナットによりロックリングを締め付けるときに、リングカバーが圧壊することなく、袋ナットの締付力をロックリングに伝達し、また絶縁状態を確実に保持する効果がさらに得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を、ライニング鋼管を接続した状態で一部断面にして模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態を拡大して示す図で、その(イ)はリングカバーの、その(ロ)はロックリングの、その(ハ)は一体型パッキンの、そしてその(ロ)はコアの、それぞれの実施の形態の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁管継手 2 ソケット本体
10 袋ナット 20 一体型パッキン
21 膨出部 22 第1の筒部
23 当接部 24 第2の筒部
30 コア 40 ロックリング
50 リングカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 予め第1の管に取り付けられている金属製のソケット本体と、このソケット本体に螺合される同様に金属製の袋ナットとからなり、前記ソケット本体および袋ナットと、接続される第2のライニング鋼管との間に合成樹脂製の絶縁兼シール部材、金属製のロックリング等を装着して、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けると、第1の管に第2のライニング鋼管が電気的に絶縁状態で接続されるようになっている絶縁管継手であって、前記絶縁兼シール部材は、合成樹脂製の、リングカバーと、一体型パッキンとからなり、前記一体型パッキンは、第2のライニング鋼管の先端部に装着され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるとき、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面の両面に圧接される膨出部と、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面との間に位置する第1の筒部と、ライニング鋼管の先端面が当接する当接部と、ライニング鋼管の内周面側に位置し、これに接してシールする第2の筒部とから、連続して一体的に形成され、これにより前記ソケット本体と第2のライニング鋼管との間は、シールされると共に電気的に絶縁され、前記リングカバーは、略テーパ管状を呈し、第2のライニング鋼管に装着される前記ロックリングと前記袋ナットとの間に介在され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるときの締付力を前記ロックリングに伝達すると共に、これらの間を電気的に絶縁状態で所定の間隔に保つことを特徴とする絶縁管継手。
【請求項2】 予め第1の管に取り付けられている金属製のソケット本体と、このソケット本体に螺合される同様に金属製の袋ナットとからなり、前記ソケット本体および袋ナットと、接続される第2のライニング鋼管との間に合成樹脂製の絶縁兼シール部材、金属製のロックリング等を装着して、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けると、第1の管に第2のライニング鋼管が電気的に絶縁状態で接続されるようになっている絶縁管継手であって、前記絶縁兼シール部材は、合成樹脂製の、リングカバーと、コアと、一体型パッキンとからなり、前記一体型パッキンは、第2のライニング鋼管の先端部に装着され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるとき、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面の両面に圧接される膨出部と、前記ソケット本体の内周面とライニング鋼管の外周面との間に位置する第1の筒部と、ライニング鋼管の先端面が当接する当接部と、ライニング鋼管の内周面側に位置し、これに接してシールする第2の筒部とから、連続して一体的に形成され、これにより前記ソケット本体と第2のライニング鋼管との間は、シールされると共に電気的に絶縁され、前記コアは、第2のライニング鋼管に装着される前記一体型パッキンの第2の筒部を半径外方へ押し広げる作用を奏する筒状部と、装着時に前記一体型パッキンの当接部に当接するフランジ状のストッパ部とから一体的に形成され、前記リングカバーは、略テーパ管状を呈し、第2のライニング鋼管に装着される前記ロックリングと前記袋ナットとの間に介在され、前記袋ナットを前記ソケット本体に締め付けるときの締付力を前記ロックリングに伝達すると共に、これらの間を電気的に絶縁状態で所定の間隔に保つことを特徴とする絶縁管継手。
【請求項2】 請求項1または2に記載のリングカバーが、ガラス繊維入りの合成樹脂製である絶縁管継手。

【図1】
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【図2】
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