説明

綴じ込み用CDケース

【課題】
環境に与える負荷性を低減するとともに構造が簡素で、しかも経済性に富む綴じ込み用CDケースを提供する。
【解決手段】
CD装入用開口部23側にCDケース1の表紙7と裏紙8の綴じ込みしろ3,4を設けるとともに、綴じ込みしろ4を綴じ込みしろ3より短く形成し、かつこの綴じ込みしろ4にCD封止片5を設けることにより構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDを雑誌中に綴じ込む場合に使用する綴じ込み用CDケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の雑誌中にはCD−ROMが綴じ込まれるケースが増加しており、その綴じ込み用CDケースとしては、ビニールあるいはポリプロピレン等の合成樹脂製のケースが使用されている。
【0003】
又、この合成樹脂のケースに替えて図7,図8に示す通り、ケース30を紙製材料にて袋状に形成するとともにこのケース30内にCD31を装入し、ケース30の裏面32に両面テープ33を貼着することにより、この両面テープ32を介して雑誌の所要の綴じ込みページに貼着して綴じ込む構成のものが実施されている。
【0004】
さらに、これに対して、雑誌の綴じ込み部に綴じ込む為の綴じしろを設けた図9〜12に示す構成のCDケース34,40が使用されている。
【0005】
図9,図10のCDケース34の場合には、製紙系(封筒状)ケースの形状のもので、CD31を装入する開口部36側に綴じ込みしろ35を突設し、開口部36より、CD31を装入した後、開口部36を封止用シール37にて封止した後、開口部36を封止用シール37にて封止した状態にて綴じ込みしろ35を雑誌の綴じ込み部に綴じ込むことにより使用する。
【0006】
尚、図中38,39はケースのサイド片を示すものである。
又、この構成のCDケースは特許文献2に記載の構成のCDレーベル用窓付封筒が使用されている。
【0007】
次に図11,図12のCDケース40は製函系(段ボール紙の2カ所を貼着した箱状)ケースから成るものである。
CDケース40の開口部46側に綴じ込みしろ41を突設したもので、この開口部46よりCD31を装入した後、開口部46を封止用シール47にて封止した状態にて綴じ込みしろ41を雑誌の綴じ込み部に綴じ込むことにより使用する。
【0008】
又、CDケース40の函型部分は段ボール台紙42の折り込み部43を折り返して、開口部46を残して他の2カ所のサイド方部44,45をのり止めすることにより函型のCDケース部を形成したものである。
【特許文献1】特開200004−35113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記した合成樹脂系のCDケースを綴じ込んだ場合には、雑誌を古紙として再生する場合に問題となり不適当である。
又、同様にして図7,8の場合にも両面テープ33が古紙リサイクル協会の規定における禁忌品B類に当たり、使用は回避したいものになる。
【0010】
しかも両面テープ33の貼着自体の作業と工賃が必要となり、価格が高くなる欠点もある。
【0011】
さらに、図9〜12の製紙系と製函系のCDケース34、40の場合にもCDケース31の装入用の開口部36,46を封止する封止用シール37,47の貼着の作業と工賃が要求されるのと同時に、この封止用シール37,47が古紙の再生上の欠点となるもので、環境に与える負荷性、材料費、作業と工賃からの経済性の点において、欠点を有するものである。
【0012】
尚、図11,12の場合の製函系のものはCD31の装入部分となる箱状ケースを形成するのに2カ所のサイド片部44,45ののり止めに使用するのり自体にも環境上の問題点を有する。
【0013】
因って、本発明は前記従来の綴じ込み用CDケースにおける欠点に鑑みて開発されたもので、環境に与える負荷性を低減するとともに構造が簡素でしかも経済性に富む綴じ込み用CDケースの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的を達成するための請求項1は、雑誌中にCDを綴じ込む場合に使用する綴じ込み用CDケースにおいて、CD装入用開口部側に、雑誌との綴じ込みしろを設けるとともに、前記雑誌との綴じ込みしろのうちの一方の綴じ込みしろを他方の綴じ込みしろより短くして、これをCD封止片とすることにより構成したことを特徴とする綴じ込み用CDケースである。
【0015】
又、請求項2の発明は雑誌中にCDを綴じ込む場合に使用する綴じ込み用CDケースにおいて、CD装入用開口部側に、雑誌との綴じ込みしろを設けるとともに、前記雑誌との綴じ込みしろのうちの一方の綴じ込みしろを他方の綴じ込みしろより短くして、これをCD封止片とし、さらに前記CD封止片に、装入するCDの位置決め用の切片を設けることにより構成したことを特徴とする綴じ込み用CDケースである。
【0016】
そして、請求項3の発明は雑誌中にCDを綴じ込む場合に使用する綴じ込み用CDケースにおいて、CD装入用開口部側に、雑誌との綴じ込みしろを設けるとともに、前記雑誌との綴じ込みしろのうちの一方の綴じ込みしろを他方の綴じ込みしろより短くして、これをCD封止片とし、さらに、前記CD封止片の開放縁に切り込み凹部を設けるとともに装入するCDの位置決め用の切片を設けることにより構成したことを特徴とする綴じ込み用CDケースである。
【0017】
さらに請求項4の発明は前記綴じ込み用CDケースの表紙側にCD取り出し用ジッパーの切り込み線を刻設したことを特徴とする請求項1〜3記載の綴じ込み用CDケースである。
【0018】
そして請求項5の発明は前記CDケースはCD透視窓を設けるとともにこのCD透視窓はグラシン紙を貼着し、かつCDケース全体を再生可能な紙材にて形成したことを特徴とする請求項1〜4記載記載の綴じ込み用CDケースである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、綴じ込み用CDケースのCD装入用開口部側に、雑誌との綴じ込みしろを設けるとともにこの綴じ込みしろのうちの一方の綴じ込みしろを他方の綴じ込みしろより短くして、これをCD封止片とすることにより、環境に与える負荷性を低減するとともに構造が簡素で、しかも経済性に富む綴じ込み用CDケースを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面とともに説明する。
【実施例1】
【0021】
図1〜4は本発明の実施の形態1を示すもので、図1は綴じ込み用CDケースの展開図、図2は同ケースの裏面図、図3は表面図、図4は雑誌に対する綴じ込み状態を示す説明図である。
【0022】
さて、本発明の綴じ込み用CDケース1を制作する場合、図1に示す如く、図2、3の綴じ込み用CDケース1(以下単にCDケース1という)を展開した状態にて、環境に悪影響を与えることにない紙素材(リサイクル可能である紙素材)、例えばクラフト紙等をプレスにより片抜きして制作する。
【0023】
この型抜き体2は、この型抜きと同時に、CD31を位置決めするためのCDケース封止片5の切り込み6を刻設することができる。
【0024】
そして、図1において、7はCDケース1の表紙8は裏紙で、表紙7と裏紙8のCDケース1の開口部23側にはそれぞれ綴じ込みしろ3,4ょを設けるとともに綴じ込みしろ3に対して綴じ込みしろ4は短く形成し(図2参照)、かつ開放縁9側の中央には切り込み凹部10を設けるとともに前記表紙7の両サイドには裏紙8の貼付け片11,12を設けることにより形成されている。
【0025】
そこで、この型抜き体2の折り返し線13より裏紙8側を表紙7側に折り返して重ねた後、表紙7の両サイドの貼付片11、12を折り返し線14,15より折り返して、これを裏紙8に貼付けることによりCDケース1を制作することができる(図2,3参照)。
【0026】
又、図3に示すように、表紙7には綴じ込み後のCDケース1よりこれに装入されているCD31を取り出す際のCD取り出し用ジッパーとしての切り込み線16を刻設してある。
【0027】
さらに、表紙7には装入したCD31を透視する丸窓17を開口するとともにこれにグラシンフィルム18を貼着した構成を図示している。
【0028】
したがって、前記切り込み線16、丸窓17の形成に当たっては、前記図1には図示していないが、この型抜き体2の型抜きと同時に形成することが可能である。
【0029】
そして、丸窓17に貼着するグラシンフィルム18の貼着は、図2のCDケース1の形成作業に関連して作業することになる。使用する貼着のりはリサイクルに悪影響のないものを使用する。
【0030】
以上の構成から成るCDケース1を使用する場合には、親指と人差し指で、CD31を挟み持ち、綴じ込みしろ3,4間より装入しつつCD31をCDケース1内に装入する。
【0031】
しかる後、親指をCDケース1内より抜き出し、親指にてCD封止片5を内側に押し込みつつ、CDケース1内の人差し指を使って、CD封止片5をCDケース1内に装入したCD31の周縁に沿って折り返すことにより、CD封止片5にてCD31を係止しつつ位置決めしてセットする。
【0032】
これを雑誌の所要のページに綴じ込む場合には図4に示す如く、雑誌19の綴じ込みページの綴じ込み部20にCDケース1の綴じ込みしろ3,4を装入し、雑誌19の綴じ込み部20の綴じ込み作業と同時に綴じ込みしろ3,4を綴じ込むことにより、綴じ込みしろ3,4にてCDケース1内に装入したCD31を封止した状態にて雑誌19にCDを綴じ込むことができる。
【0033】
従って、CDケース1内に装入したCD31を封止する為の封止用シール等の作業および貼着シールを必要とせずに綴じ込むことができ、作業性、経済性を簡素、低減するとともに環境に与える負荷性をも低減することができる。
【0034】
さらに、綴じ込みしろ3,4間にCDを装入する際一方の綴じ込みしろ4を短く形成すこるとにより、CD31の装入をする際の押し開き作業をスムースに行うことができ、CD31の装入作業を容易にすることができる。
【0035】
又、この際、切り込み凹部10を介して、綴じ込みしろ3,4間の押し開き作業を助長すことができる。
【0036】
そして、CD封止片5を折り込みCD31を係止しつつ固定することによって、CD31をCDケース1内に位置決めすることができ、雑誌19の綴じ込み部20に綴じ込みしろ3,4を綴じ込む際にCDケース1内に装入したCD31がズレて綴じ込みしろ3,4に移動したりするのを防止することができる。
【実施例2】
【0037】
図5、6は本発明の実施の形態2を示すもので、図5は展開図、図6はCDケースの裏面図である。
【0038】
この実施の形態2のCDケース21は、実施の形態1のCDケース1の構成中のCD封止片5の形状を半月状のCD封止片22に変更して形成した場合を示すものである。
【0039】
これにより、CDケース21内に装入されるCD31を幅広なCD封止片22にてより適確に係止できるようにしたものである。
【0040】
その他の構成中、実施の形態1と同様の構成は同一番号を付してその説明を省略する。
【0041】
又、CDケース21内にCD31を装入する方法、これをセットしたCDケース21を雑誌の綴じ込み部に綴じ込んで使用する場合の方法も実施の形態1と同様に実施するものでその説明を省略する。
【0042】
さらに、実施の形態1の図3に図示される切り込み線16,丸窓17、グラシンフィルム18を備える実施をすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は実施の形態1の展開図
【図2】図2は実施の形態1のCDケースの裏面図
【図3】図3は実施の形態1のCDケースの表面図
【図4】図4は実施の形態1のCDケースの使用状態を示す説明図
【図5】図5は実施の形態2の展開図
【図6】図6は実施の形態2のCDケースの裏面図
【図7】図7は従来のCDケースの表面図
【図8】図8は従来のCDケースの裏面図
【図9】図9は従来のCDケースの表面図
【図10】図10は従来のCDケースの裏面図
【図11】図11は従来のCDケースの表面図
【図12】図12は従来のCDケースの裏面図
【符号の説明】
【0044】
1 綴じ込み用CDケース
2 型抜き体
3,4 綴じ込みしろ
5 CD封止片
6 切り込み
7 表紙
8 裏紙
9 開放縁
10 切り込み凹部
11,12 貼付片
13 折り返し線
14,15 折り返し線
16 切り込み線
17 丸窓
18 グラシンフィルム
19 雑誌
20 綴じ込み部
21 綴じ込み用CDケース
22 CD封止片
23 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雑誌中にCDを綴じ込む場合に使用する綴じ込み用CDケースにおいて、CD装入用開口部側に、雑誌との綴じ込みしろを設けるとともに、前記雑誌との綴じ込みしろのうちの一方の綴じ込みしろを他方の綴じ込みしろより短くして、これをCD封止片とすることにより構成したことを特徴とする綴じ込み用CDケース。
【請求項2】
雑誌中にCDを綴じ込む場合に使用する綴じ込み用CDケースにおいて、CD装入用開口部側に、雑誌との綴じ込みしろを設けるとともに、前記雑誌との綴じ込みしろのうちの一方の綴じ込みしろを他方の綴じ込みしろより短くして、これをCD封止片とし、さらに前記CD封止片に、装入するCDの位置決め用の切片を設けることにより構成したことを特徴とする綴じ込み用CDケース。
【請求項3】
雑誌中にCDを綴じ込む場合に使用する綴じ込み用CDケースにおいて、CD装入用開口部側に、雑誌との綴じ込みしろを設けるとともに、前記雑誌との綴じ込みしろのうちの一方の綴じ込みしろを他方の綴じ込みしろより短くして、これをCD封止片とし、さらに、前記CD封止片の開放縁に切り込み凹部を設けるとともに装入するCDの位置決め用の切片を設けることにより構成したことを特徴とする綴じ込み用CDケース。
【請求項4】
前記綴じ込み用CDケースの表紙側にCD取り出し用ジッパーの切り込み線を刻設したことを特徴とする請求項1〜3記載の綴じ込み用CDケース。
【請求項5】
前記CDケースはCD透視窓を設けるとともにこのCD透視窓はグラシン紙を貼着し、かつCDケース全体を再生可能な紙材にて形成したことを特徴とする請求項1〜4記載記載の綴じ込み用CDケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−111279(P2006−111279A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298103(P2004−298103)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(300054457)有限会社大日プリンティング (7)
【Fターム(参考)】