説明

総型ホイールを収容する収容ケース

【課題】円柱基台の外周に形成された総型砥石を損傷させることなく総型ホイールを収容して安全に搬送可能な収容ケースを提供する。
【解決手段】円柱基台4の外周に総型砥石6を有し、円柱基台の中央部に開口8を有する総型ホイールを収容する収容ケース10であって、総型ホイールの外周を囲繞する円筒側壁と14、円筒側壁の下部を閉塞する底壁16と、底壁の中央部から立設し円柱基台の中央部の開口に嵌合する凸部18とを有し、上部が開放された箱体12と、箱体の開放された上部に着脱可能に装着される蓋体22と、凸部を覆うように底壁に敷設された第1の緩衝シート20と、蓋体に敷設された第2の緩衝シート24と、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリーカードの成形に使用する総型ホイールを収容する収容ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器のカードスロットに挿入して使用されるSDカード(登録商標)等のメモリーカードは、配線基板に複数のメモリー素子が実装され、モールド樹脂によって被覆されて形成されている。
【0003】
かかるメモリーカードは、一枚の配線基板にメモリー素子が格子状に実装され、全体がモールド樹脂によって被覆されてパッケージ基板が形成された後に、パッケージ基板のメモリー素子間の領域を切削して分離することにより形成される。
【0004】
ところで、メモリーカードの形状は規格化されており、メモリーカードがカードスロットに挿入された際にカードスロットの側壁と対面する側部には、挿入の際の表裏及び前後方向の認識を可能とするための異形部が形成されている。異形部が形成されない角部には面取り加工が施されている。
【0005】
このように、カードスロットへの間違った挿入を回避するために比較的複雑な外形を有しているメモリーカードの外形の加工を容易にするために、本発明出願人は先に総型ホイールを装着したメモリーカード加工装置を開発し、特許出願した(特開2008−112253号公報参照)。
【特許文献1】特開2008−112253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、総型ホイールを収容する収容ケースが存在せず、総型ホイールの搬送において総型ホイールの外周に形成された総型砥石を損傷させる恐れがあるという問題がある。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、総型ホイールを収容して搬送するのに適した総型ホイール収容ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、円柱基台の外周に総型砥石を有し、該円柱基台の中央部に開口を有する総型ホイールを収容する収容ケースであって、該総型ホイールの外周を囲繞する円筒側壁と、該円筒側壁の下部を閉塞する底壁と、該底壁の中央部から立設し該円柱基台の中央部の開口に嵌合する凸部とを有し、上部が開放された箱体と、該箱体の開放された上部に着脱可能に装着される蓋体と、前記凸部を覆うように該底壁に敷設された第1の緩衝シートと、該蓋体に敷設された第2の緩衝シートと、から構成されることを特徴とする総型ホイールを収容する収容ケースが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、収容ケース内に総型ホイールを収容して搬送することにより、円柱基台の外周に形成された総型砥石を損傷させることなく搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係る総型ホイールを収容する収容ケースの分解斜視図が示されている。
【0011】
総型ホイール(総型ブレード)2は、例えばアルミニウム合金等から形成された円柱基台4の外周に総型砥石6を電着して構成されている。総型砥石6は、例えばダイアモンド砥粒等の超砥粒をニッケルメッキ等で電着固定して構成される。
【0012】
総型砥石6は例えば特許文献1に開示されたような複雑な外周形状を有しており、メモリーカードの外形を所望の形状に成形するのに適した形状を有している。円柱基台4の中央部には加工装置のスピンドルに装着される円形開口(装着穴)8が形成されている。
【0013】
総型ホイール2を収容する収容ケース10は、総型ホイール2の外周を囲繞する円筒側壁14と、円筒側壁14の下部を閉塞する底壁16と、底壁16の中央部から立設し総型ホイール2の円柱基台4の中央部の円形開口に嵌合する凸部18とを有し、上部が開放された箱体12と、箱体12の開放された上部を着脱可能に閉鎖する蓋体22とから構成される。
【0014】
図2に最もよく示されるように、箱体12の底壁16には凸部18を覆うように第1の緩衝シート20が敷設されており、蓋体22内には第2の緩衝シート24が敷設されている。第1及び第2の緩衝シート20,24は、例えばゴム、多孔性物質、柔らかな合成樹脂等から形成される。
【0015】
総型ホイール2を収容ケース10内に収納するには、総型ホイール2の円形開口8を収容ケース10の箱体12の凸部18に嵌合して箱体12内に収容し、更に図3に示すように蓋体22を箱体12に装着する。
【0016】
必要に応じて、箱体12と蓋体22の接合部の全周又は周方向の複数個所をテープで止めることにより、総型ホイール2を収容ケース10内に収容して搬送したり保管したりすることができる。
【0017】
総型ホイール2は第1及び第2の緩衝シート20,24で保護されて収容ケース10内に収容されているため、総型ホイール2の搬送時に総型砥石6が損傷を受けることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明実施形態に係る総型ホイールを収容する収容ケースの分解斜視図である。
【図2】収容ケースの縦断面図である。
【図3】蓋体を箱体に装着した状態の収容ケースの斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
2 総型ホイール(総型ブレード)
4 円柱基台
6 総型砥石
8 円形開口(装着穴)
10 収容ケース
12 箱体
14 円筒側壁
18 凸部
20 第1の緩衝シート
22 蓋体
24 第2の緩衝シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱基台の外周に総型砥石を有し、該円柱基台の中央部に開口を有する総型ホイールを収容する収容ケースであって、
該総型ホイールの外周を囲繞する円筒側壁と、該円筒側壁の下部を閉塞する底壁と、該底壁の中央部から立設し該円柱基台の中央部の開口に嵌合する凸部とを有し、上部が開放された箱体と、
該箱体の開放された上部に着脱可能に装着される蓋体と、
前記凸部を覆うように該底壁に敷設された第1の緩衝シートと、
該蓋体に敷設された第2の緩衝シートと、
から構成されることを特徴とする総型ホイールを収容する収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−42848(P2010−42848A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208928(P2008−208928)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】