説明

緑化舗装ユニット

【課題】ブロックと同じ大きさの植生部を設ける緑化デザインが可能であり、ブロック舗装部の端縁のブロック止めにも有効な、緑化舗装ユニットを提供する。
【解決手段】舗装ブロックGと共に緑化舗装に使用される舗装ユニットAであって、中空四角形を形作る4板の外壁1と、対向する外壁1同士を連結する連結板2、3と、外壁1の下端に結合されたリブ状底板4と、リブ状底板4の下面に接合され、外壁1より外側に突出した突出片5と、リブ状底板4の下面から垂下する係合ピン6とからなる。舗装ブロックGと同じ幅と奥行きを構成できるようにモジュール化されているので、舗装ブロックGと交互に敷き詰めて舗装ブロックGと同じ大きさの植生部を有する緑化舗装部を形成できる。また、隣接した舗装ユニットAの突出片5と係合ピン6を互いに係合することによって、互いに連接していけるので、ブロック舗装部分の端縁でのブロック止めにも利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化舗装ユニットに関する。さらに詳しくは、ブロック舗装と植物を育成する植生部とを組合せた緑化舗装を施工した際に、植生部を構成すると共に、ブロックの移動を拘束してブロックと植生部の境界を固定するために用いる緑化舗装ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように緑化舗装を施した部分では、ブロック舗装部と土を入れ芝生等を育成させる植生部とが混在し、それが様々な模様にデザインされ、美しく環境に良い舗装面となるが、そのデザインを綺麗なままに維持するには、ブロック舗装部と植生部の境界となるブロックの端部を移動不能に拘束しなくてはならない。そのため従来は、図11に示すように、ブロック101の横に縁石または仕切り板を設置したり、あるいはモルタル102でブロックを固定するようにしていた。なお、103は敷き砂、104は路盤、105は植生土である。
【0003】
ところで、緑化舗装部において、ブロックの端縁が一直線状に延びている場合は、縁石または仕切り板が有効である。しかし、飛び石的にブロックを配置した場合やブロックと植生の境界をジグザグ状にデザインする場合はモルタル止めでないと施工が難しい。しかし、モルタル止めには施工に手間がかかるうえ、植生部の土壌容積を占有しアルカリ成分により植生に悪影響を及ぼすという欠点がある。
【0004】
一方、図12に示すように多数のブロックを飛び石状に隙間をあけて並べた列を多数列設け、かつ隣の列との間にも隙間をあけておき、前後左右の隙間部分を植生部とする緑化デザインも行われている(特許文献1参照)。この緑化デザインでは、多数のブロックを密集して敷き詰めるより景観が良くなり、雨期の排水性も高まるからである。ところが、このような隙間部分の緑化デザインで問題となるのが、個々のブロックの移動防止であるが、特許文献1の従来技術では目地スペーサを使っている。
【0005】
図12に示す目地スペーサ110は、隣接するブロック111の前後の隙間および左右の隙間に挿入されるもので、ベース板の上面に複数の支持片を立設したものである。複数の支持片同士はリブや隔壁で互いに接合されており、ベース板の端縁は各支持片の下端から外へ突出している。この従来技術では、ベース板端縁の上にブロックが置かれるので、車や人が通過するときに重量がかかってもブロックの沈下が防止でき、また支持片によってブロックの横移動を防止できる。また、目地スペーサ110自体に空所があるので植生部を兼ねることができる。
【0006】
しかるに、上記従来技術1の目地スペーサ110は、大きさが目地サイズであり、ブロックのサイズとは異なっている。このため、図11に例示するようなブロックと同じ大きさの植生部をブロックと交互に設ける舗装デザインを形成することはできない。
また、目地スペーサ110同士を互いに接合することはできないので、この点からもブロック舗装部分の端縁でのブロック止めには利用できない。
さらに、上記従来技術1では、目地スペーサ110を地面に固定することはできない。このため、多数のブロックを敷き詰めたブロック舗装部分の端縁でブロックの移動止めには使用できない等の欠点もある。
【0007】
【特許文献1】特開2006−9480号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、ブロックと同じ大きさの植生部を緑化デザインに組入れる緑化舗装が可能であり、ブロック舗装部の端縁のブロック止めにも有効な、緑化舗装ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の緑化舗装ユニットは、舗装ブロックと共に緑化舗装に使用される舗装ユニットであって、中空の多角形枠を形成する外壁を備え、単独または複数個を組合せることによって前記舗装ブロックと同じ幅と奥行きを有する構造体となるユニット本体と、複数の舗装ユニット同士を連結する係合手段とを備えていることを特徴とする。
第2発明の緑化舗装ユニットは、第1発明において、前記係合手段は、前記外壁の下面から外側に突出する舌片状の突出片と、前記外壁の下面から垂下するように形成された係合ピンとからなり、前記突出片には、前記係合ピンが挿入される係合孔が形成されていることを特徴とする。
第3発明の緑化舗装ユニットは、第2発明において、前記突出片は、前記係合孔から外側に向けてガイド用切欠きが形成されており、該ガイド用切欠きは、平面視において外側に至るほど幅が広くなる三角形に形成されていることを特徴とする。
第4発明の緑化舗装ユニットは、第1発明において、前記外壁の下端にはリブ状底板が結合されており、前記リブ状底板は、前記外壁の内周側に張り出すように形成されていることを特徴とする。
第5発明の緑化舗装ユニットは、第1発明において、前記舗装ユニットに、固定ピン挿入用のピン孔を有する筒部が設けられていることを特徴とする。
第6発明の緑化舗装ユニットは、第1発明において、前記舗装ユニットに、前記舗装ブロックと同じ高さの支持柱が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、ユニット本体は外壁で囲まれた中空四角形であるから内部に植生土を入れて植生部とすることができ、緑化舗装に使用することができる。そして、舗装ブロックと同じ幅と奥行きを構成できるようにモジュール化されているので、舗装ブロックと交互に敷き詰めてブロックと同じ大きさの植生部を有する緑化舗装を構成して、デザイン性の豊かな緑化舗装を実現することができる。また、隣接した舗装ユニット同士を係合手段で互いに連接していけるので、ブロック舗装部分の端縁でのブロック止めにも利用でき、さらに、予め複数の舗装ユニットを連結しておくことで施工性が向上する。また、施工後に舗装ユニットが浮き上ることも防止できる。
第2発明によれば、突出片と係合ピンが緑化ユニットの最下部に設けられているので、自動車の走行等による横方向の外力が加わっても位置ズレが生じにくく、施工後に係合の外れが起こりにくい。また、突出片は、荷重を支える支持面積を増やすので、舗装ユニットの下地への食い込みや沈下を防ぎやすくなる。
第3発明によれば、複数の緑化ユニットを係合手段を使って結合するとき、突出片の三角形のガイド用切欠きが相手部材である係合ピンを誘導する働きをするので、突出片と係合ピンを互いに押し付け合うことで、容易に突出片の係合孔に係合ピンを嵌め合わせることができる。よって、緑化ユニットの結合作業が容易に行える。
第4発明によれば、リブ状底板によって舗装ユニットを補強できると共に、荷重を支えて舗装ユニットの沈下を防ぐ。また、リブ状底板は外壁の内周側に張り出され外側には張り出していないので、複数個の緑化ユニットを連接するときにリブ状底板同士が干渉することなく、互いに外壁同士を密接させて設置できる。このため、人や自動車の荷重を一つ一つの舗装ユニットが支えるのでなく、隣接する複数の舗装ユニットが分散して荷重を支えるので、施工後の舗装ユニットの位置ズレが生じにくい。
第5発明によれば、筒部のピン孔に固定ピンを挿入して、この固定ピンを地中に打ち込むと、舗装ユニットを地面に固定することができる。このため、舗装ブロック自体が地盤に固定されるので舗装ブロックの拘束力が高い。
第6発明によれば、支持柱の頂面が緑化舗装部分のブロックの頂面と同じ高さになるので、自動車の重量を舗装ブロックと共に荷重を分散しながら支えることができる。このため個々の緑化ユニット内の土を車の重量で圧下しないので、自動車が通過する所でも植生部を保護して緑化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
まず、図5に基づき、本発明の舗装ユニットの全体像を説明する。同図において、Aは舗装ユニット、Gは舗装ブロックである。舗装ユニットAと舗装ブロックGは任意に組み合わせて配置して緑化デザインを構成することができ、舗装ユニットAは単独または複数個の組合せで1個の舗装ブロックGと同じ大きさとなるようモジュール化されている。このため、飛び石状の緑化デザインあるいはジグザグ状の緑化デザインが可能である。また、舗装ユニットAを一直線上に並べて舗装ブロックGの端部止めとしても利用することができる。
【0012】
本実施形態の舗装ユニットAは、上記のごとく舗装ブロックGに対してモジュール化された寸法と形状に特徴がある。すなわち、舗装ユニットAは、1個または2個以上を組合わせると舗装ブロックGと同じ幅W、奥行きDとなり、舗装ブロックGと詰め合わせて舗装デザインを構成できる寸法となっている。ただし、緑化に必要な植生を可能とするため、高さHのみ低くなっている。図示の例では、2個で舗装ブロックGと同じ、幅と奥行きをもつようになっている。
【0013】
つぎに、舗装ユニットAを説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る緑化舗装ユニットAの斜視図である。図2の(A)は緑化舗装ユニットAの平面図、(B)は同正面図、(C)は同底面図である。
図1および図2において、1は外壁であり、一対の長辺外壁1a、1bと他の一対の短辺外壁1c、1dとからなり、4枚の外壁で平面視において長方形の中空四角形枠に形成されている。
また、対向する外壁同士を連結する連結板2,3が設けられている。連結板2は、長辺外壁1a、1bを連結するものであり、連結板3は短辺外壁1c、1dを連結するものである。
図示の連結板2は3枚であり、連結板3は1枚であるが、これらの枚数は任意であり、必要とされる強度に応じて選択すればよい。
【0014】
図2に示すように、前記外壁1と前記連結板2,3のそれぞれの下端面にはリブ状底板4が形成されている。このリブ状底板4は幅の細い板で、外壁1や連結板2,3に対し直角に設けられ、地面に対しては水平となっている。このリブ状底板4は、舗装ユニットAの補強材となる外、ある程度の幅をもつことによって舗装ユニットAの部分的な底面板となり、舗装ユニットAの沈下を防ぐように機能する。
上記した外壁1、連結板2,3およびリブ状底板4によって、長方形の箱形となるユニット本体の基本構成が形作られている。
【0015】
さらに、ユニット本体の詳細を説明する。
前記外壁1には、上縁部の一部を切り欠いた凹所11が形成され、下縁部にも一部を切り欠いた凹所12が形成されている。これらの凹所11、12は、周囲の土中の栄養素の移動や植物の根張りを可能とし、植生土中の排水を良好にして根腐れを防ぐため設けられている。また、複数の舗装ユニットAを連接したときに、各舗装ユニットAの凹所11,12は互いに同じ位置となるので、植生土の連続性をもたせることもできる。
上記の凹所11、12は、長辺外壁1a、1bおよび短辺外壁において連結板2、3で区切られた部分毎に設けられているが、どのような部位に幾つ設けるかは任意であって、ユニット本体の大きさにあわせて選択すればよい。
【0016】
図3の(A)は図2のIIIA―IIIA線断面図、(B)は同IIIB−IIIB線断面図である。
前記連結板2,3にも、下縁部の一部を切り欠いた凹所22,32が形成されている。これらの凹所22,32は、同じ舗装ユニットA内で連結板2,3で区切られた隣接する区画同士の間で植生土の栄養素の移動や植物の根張りを可能とし、植生土中の排水を良好にして根腐れを防ぐため設けられたものである。
【0017】
図1および図2に示すように、前記長辺外壁1a、1bには、壁体自体が少し湾曲した湾曲部13が2ヶ所設けられており、前記短辺外壁1c、1dには湾曲部13が1箇所設けられている。この湾曲部13は、舗装ユニットA同士または舗装ブロックGと隣接した場合に隙間を保ち、この隙間に植生土や砂を入れることで互いの連結を高めるために設けられており、その形成部位や大きさは任意に選択してよい。
【0018】
図2および図3に示す前記リブ状底板4は、既述のごとく細幅の板状部材である。このリブ状底板4は、外壁1の下端に結合されたリブ状底板41と連結板2、3の下端に結合されたリブ状底板42、43とからなる。外壁1下端のリブ状底板41は、外壁1より内周側にのみ張り出し、外壁1の外側には張り出さないように形成された細幅の部材である。外側に張り出していないのは、複数の舗装ブロックAの外壁1を密接して配置できるようにするためである。
【0019】
この場合、人や自動車の荷重を一つ一つの舗装ユニットが支えるのでなく、隣接する複数の舗装ユニットAが分散して荷重を支えるので、施工後の舗装ユニットの位置ズレが生じにくい。
前記連結板2、3下面のリブ状底板42、43は左右両側に均等に張り出した広幅の部材である。広幅にしたのは、できるだけ面圧を下げ、人や自動車の重量による下地への食い込みや沈下を避けるためである。
【0020】
前記リブ状底板41と前記リブ状底板42、43で囲まれた部分は四角形となっており、その内部には、四角形の開口44があくようになっている。この四角形の開口44は、地盤からの栄養素の移動や植物の根張りが可能なように設けられたものである。
【0021】
前記連結板2、3の下縁部に形成した凹所22、32の下方に位置するリブ状底板42、43には、小さな開孔45が形成されている。これらの開孔45も地盤からの栄養素の移動や植物の根張りが可能なように設けられたものである。
【0022】
さらに、図1〜図3に基づき係合手段を説明する。
前記リブ状底板4の底面には突出片5が形成されている。この突出片5は外壁1から外向きに突出した舌片状の板材である。長辺側外壁1a、1b下端の長辺側リブ状底板41には4枚の突出片5が設けられ、短辺側外壁1c、1d下端の短辺側リブ状底板41には2枚の突出片5が設けられている。
また、前記リブ状底板4の底面には、係合ピン6が形成されている。この係合ピン6はリブ状底板4の底面に対し鉛直に垂直するように形成されている。そして、各長辺側リブ状底板41には4本の係合ピン6が設けられ、各短辺側リブ状底板41には2本の係合ピンが設けられている。
【0023】
前記突出片5と係合ピン6は互いに対となって係合しあう部材であって、対向する長辺側リブ状底板41において、一方のリブ状底板41に形成された4個の突出片5は他方のリブ状底板4に形成された4本の係合ピン6とそれぞれ対となる位置に形成されている。同様に対向する短辺側リブ状底板41において一方のリブ状底板41に形成された2個の突出片5は他方のリブ状底板41に形成された2本の係合ピン6とそれぞれ対となる位置に形成されている。
【0024】
図4の(A)は突出片5の平面図、(B)は突出片5と係合ピン6の断面図である。
前記突出片5は、略四角形の舌片状板材であって、その中央に係合孔5aが形成されている。また、係合孔5aから先方に向けて幅の広がった三角形状のガイド用切欠き5bが形成されている。係合孔5aとガイド用切欠き5bの接続点5cでは、開口寸法が係合孔5aの直径より、やや小さくなっている。
【0025】
前記ガイド用切欠き5bは平面視において外側に至るほど幅が広くなる三角形に形成されている。また、ガイド用切欠き5bは、側面視において、外壁に至るほど厚さが薄くなるのテーパ状に形成されている。テーパ状に形成するための斜面5dは、図1に示すように下面でもよく、図2に示すように上面でもよい。また、表裏両面であってもよい。
前記係合ピン6の直径は、前記接続点5cの開口寸法を力を加えれば通過するが、自然には抜け出ないものとなっている。
【0026】
前記突出片5には、前記ガイド用切欠き5bがあることによって、2個の舗装ユニットAを互いに押し付けたとき、ガイド用切欠き5bが係合ピン6のガイドとなって、係合孔5aへの挿入を導くので、係合が容易に行える。
また、ガイド用切欠き5bの先端部は厚さが薄いので、相手部材である係合ピン6に対し、互いに傾斜していても嵌め込みやすい。しかも、係合孔5aまで係合ピン6を嵌め込んだ状態では、突出片5の厚さは厚いので、係合ピン6を保持する力は充分高く、外れにくい。このように、結合時には嵌め易すく、その後は外れにくいので、予め複数の舗装ユニットAを連結して施工する際に扱いやすい。また、舗装ブロックGの端部止めとして使用する際の固定ピンの数を減らすことができる。さらに、施工後の緑化デザインを長く維持できる。
【0027】
図4(B)は上記のようにして係合させた状態を示しており、このように係合する突出片5と係合ピン6は、いずれも舗装ユニットAの最下部に設けられているので、舗装ユニットA同士または舗装ブロックGとの連結が行いやすい。また、自動車の走行等による横方向の外力が加わっても位置ズレが生じにくく、施工後に係合の外れが起こりにくい。
また、突出片5と係合ピン6の対が、各片のリブ状底板4に複数対づつ設けられているので、2個の舗装ユニットAを結合した状態で、2ヵ所以上で結合でき、相互の結合保持が確実となる。さらに、四辺のリブ状底板4の全てに突出片5と係合ピン6が設けられているので緑化ユニットAを4方向のうちどの方向にも、換言すれば長手方向にも短手方向にも連接していくことが可能となる。そして、このように連接した状態では、舗装ブロックAは互いに自由な動きができないので離脱しにくくなる。このため、ブロック止めの効果が高くなる。
【0028】
図1および図2(A)に示すように、舗装ユニットAの中央部、すなわち、連結板2と連結板3の交差する部分には、筒部7が形成されている。そして、この筒部7には垂直なピン孔7aが形成されている。図5に示すように、このピン孔7aに固定ピン8を挿入し、かつ固定ピン8を土中に打ち込むと、舗装ユニットAを地面に固定することができる。
固定ピン8には特別の制限はないが、ピン孔7aに挿入でき、かつ土中に打ち込める長さと形状を有していればよい。
【0029】
図5は緑化舗装ユニットAをデザイン舗装に使用した状態の説明図である。
この緑化デザインの例では舗装ユニットAを2個組合わせると1個の舗装ブロックGの大きさとなっている。この2個1組の舗装ユニットAと舗装ブロックGとをデザイン計画に沿って敷いていくと、飛び石状のデザインもジグサグのデザインも可能である。
【0030】
そして、2個の舗装ユニットAの結合は、既述のごとく突出片5と係合ピン6を嵌め合わせることで行える。
この舗装ユニットAの周囲には舗装ブロックGを置いていくが、舗装ブロックGの端縁は、舗装ユニットAの突出片5の上面に置いていくので、互いの位置ズレが生じにくくなる。また、舗装ブロックGの重量は複数枚の突出片5で支えるので舗装ユニットAの下地への食い込みや沈下、あるいは舗装ユニットAの部分的な浮き上りも生じにくい。
【0031】
さらに、舗装ブロックGや舗装ユニットAを敷き詰めた舗装部分の端縁Lには、一直線状に舗装ユニットAが置かれる。この場合、多数の舗装ユニットAを長手方向に連結していく。この連結が、一直線状に揃うことは、突出片5と係合ピン6の対が2対づつあることで可能である。そして、各舗装ユニットAには固定ピン8を打ち込み地中に固定する。こうすることによって、舗装ブロックGのズレを拘束して地面に固定することができる。なお、舗装ユニットAは互いに連結しているので、固定ピン8は必ずしも全ての舗装ユニットAに打ち込む必要はないので、施工性が良い。
【0032】
図6は緑化舗装ユニットAを舗装ブロックGと併用した部分の施工状態説明図である。同図に示すように、ブロックGの列が直角に交わる部分でのブロック止めにも、舗装ユニットAは有効である。コーナー部に同じブロックを置くと、列中のブロックも列端のブロックも止めが効かないので、しだいに位置ズレが生ずる。しかし、図示のように、舗装ユニットAの突出片5を直角に交わるブロックG,Gの端縁で敷くと、ブロックGの底面と突出片5の摩擦で舗装ユニットAが動きにくくなるし、さらに2個の舗装ユニットAのそれぞれを固定ピン8で土中に固定すると、拘束力は格段に強くなるので、直角に交わる2列のブロックG,Gは、地面にしっかりと固定されることになる。
【0033】
図7は、本発明の第2実施形態に係る緑化舗装ユニットBの斜視図である。
本実施形態の舗装ユニットBは、前記実施形態の舗装ユニットAから連結板3を除いたものに相当する。その余の構成は舗装ユニットAと実質同一なので、同一部材には同一符号を付して説明を省略する。この舗装ユニットBは、舗装ユニットAの利点を基本的にはすべて承継するが、舗装ユニットAと比べて全体に小型であるか、あるいは同じ大きさであっても耐荷重状態が低くてよい場合に好適である。
【0034】
図8は本発明の第3実施形態に係る緑化舗装ユニットCの斜視図、図9の(A)は緑化舗装ユニットCの平面図、(B)は同正面図、(C)は底面図、図10の(A)は図9のXA―XA線断面図、(B)は同XB−XB線断面図である。
本実施形態の舗装ユニットCは、内部に支持柱9を設けたものである。その余の構成は、第1実施形態の舗装ユニットAと実質同一であるため、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。そして、舗装ユニットAの利点を基本的には全て承継する。
【0035】
図8および図9に示す本実施形態の支持柱9は同じ緑化舗装部に使用する舗装ブロックGと同じ高さの支持柱である。図10に示す支持柱9は底のない中空状のものであるが、底の付いたものであってもよい。また、中実でも差支えないが重量軽減のためには中空が好ましい。
図8〜図10に示す前記支持柱9は4本設けられているが、いずれも連結板2、3を介して外壁1に連結されている。この連結板2、3の下端にはリブ状底板は形成されていないが、これを形成したものであってもよい。
【0036】
本実施形態の舗装ユニットCによれば、支持柱9の頂面が緑化舗装部分のブロックの頂面と同じ高さにあるので、自動車の重量を舗装ブロックと共に荷重を分散しながら支えることができる。このため個々の緑化ユニットC内の土を車の重量で圧下しないので、自動車が通過する所でも植生土の固化を防ぎ植物の育成を阻害しないようにすることができる。
【0037】
つぎに、他の実施形態を説明する。
前記各実施形態では、外壁1の剛性を高めるため、外壁同士を連結する連結板2,3を用いているが、外壁1の強度が充分高い場合は設けなくてもよい。たとえば、外壁1の肉厚を厚くしたり、適宜のリブを付加することで必要な剛性を確保することができる。
【0038】
また、前記各実施形態では、外壁1と連結板2,3の下面に、補強の目的もあってリブ状底板を設けているが、これも必須ではない。したがって、外壁1や連結板2,3の強度が充分であれば、外壁1にのみリブ状底板を付けたり、あるいは連結板2,3にのみリブ状底板を付けたり、さらには全くリブ状底板を設けないことも可能である。
【0039】
前記各実施形態では、突出片5と係合ピン6で複数の舗装ユニットA同士を連結したが、このような係合手段としては、他の方法を任意に採用することができる。たとえば、外壁1の外表面に雄型の嵌合部を有するリブと雌型嵌合部を有するリブを形成しておき、連結時にリブ同士を嵌合させてもよい。さらに、互いに連結することが可能であるなら、どのような係合手段を用いてもよい。
【0040】
前記各実施形態では、外壁1の高さHは、緑化舗装に使用する舗装ブロックGよりも全体的に低くなっているが、外壁1の一部が高くなっており、たとえば舗装ブロックGと略同じ高さの部分があってもよい。この場合でも、舗装ユニットとして舗装ブロックGと併用することは可能である。
【0041】
前記各実施形態の舗装ユニットAはいずれも四角形であったが、三角形や六角形、あるいはそれら以外の多角形であってもよい。舗装ブロックGとして、三角形や六角形、その他の多角形を用いたときは、それに合わせて同じ多角形の舗装ユニットを用いると、様々な緑化デザインが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係る緑化舗装ユニットAの斜視図である。
【図2】(A)は緑化舗装ユニットAの平面図、(B)は同正面図、(C)は同底面図である。
【図3】(A)は図2のIIIA―IIIA線断面図、(B)は同IIIB−IIIB線断面図である。
【図4】(A)は突出片の平面図、(B)は突出片と係合ピンの断面図である。
【図5】緑化舗装ユニットAをデザイン舗装に使用した状態の説明図である。
【図6】緑化舗装ユニットAを舗装ブロックGと併用した部分の施工状態説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る緑化舗装ユニットBの斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る緑化舗装ユニットCの斜視図である。
【図9】(A)は緑化舗装ユニットCの平面図、(B)は同正面図、(C)は底面図である。
【図10】(A)は図9のXA―XA線断面図、(B)は同XB−XB線断面図である。
【図11】従来の緑化舗装デザインの問題点の説明図である。
【図12】(A)は従来技術の平面図、(B)は同斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 外壁
2 連結板
3 連結板
4 リブ状底板
5 突出片
6 係合ピン
7 筒部
8 固定ピン
9 支持柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装ブロックと共に緑化舗装に使用される舗装ユニットであって、
中空の多角形枠を形成する外壁を備え、単独または複数個を組合せることによって前記舗装ブロックと同じ幅と奥行きを有する構造体となるユニット本体と、
複数の舗装ユニット同士を連結する係合手段とを備えている
ことを特徴とする緑化舗装ユニット。
【請求項2】
前記係合手段は、前記外壁の下面から外側に突出する舌片状の突出片と、
前記外壁の下面から垂下するように形成された係合ピンとからなり、
前記突出片には、前記係合ピンが挿入される係合孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の緑化舗装ユニット。
【請求項3】
前記突出片は、前記係合孔から外側に向けてガイド用切欠きが形成されており、該ガイド用切欠きは、平面視において外側に至るほど幅が広くなる三角形に形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の緑化舗装ユニット。
【請求項4】
前記外壁の下端にはリブ状底板が結合されており、
前記リブ状底板は、前記外壁の内周側に張り出すように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の緑化舗装ユニット。
【請求項5】
前記舗装ユニットに、固定ピン挿入用のピン孔を有する筒部が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の緑化舗装ユニット。
【請求項6】
前記舗装ユニットに、前記舗装ブロックと同じ高さの支持柱が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の緑化舗装ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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