説明

緑色蛍光体の処理方法

【要 約】
【課題】緑色蛍光体の発光強度低下を防止する。
【解決手段】真空槽内11内に処理対象の基板10を配置し、プラズマ発生源12内に水素ガスを含有する処理ガスを導入し、マイクロ波によって処理ガスのプラズマを生成し、基板10上の緑色蛍光体35Gにプラズマを照射する。緑色蛍光体35Gの結晶性が高くなり、長時間発光しても発光強度が低下しない。プラズマを処理する際に300℃以上の温度に昇温させておくと効果的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PDPパネルの技術分野に係り、特に、PDPパネルに用いられる緑色蛍光体の輝度劣化の防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PDPはLCDに比べると、自発光である点や、また、カラーフィルタを必要としない点から高輝度であり、物理的なシャッターが不要なことから応答が高速である、という特徴がある。
【0003】
PDPに用いられるプラズマディスプレイパネル(PDP)の構造を簡単に説明すると、図6に示すように、プラズマディスプレイパネル(PDP)101は、二枚のパネル111、112の間に隔壁113が配置されており、隔壁113によって、複数のセルが形成されている。
【0004】
各セルの壁には、赤、緑又は青色に対応する蛍光体115(115R、115G、115B)のいずれかが塗布されている。
セルの中には希ガス(例えばネオンガスとキセノンガスの混合ガス)から成る発光ガスが封入されており、セル内の電極に高電圧を印加して放電させると、発光ガスがプラズマ化し、紫外線が放射され、蛍光体115に当たると、蛍光体115は赤、緑又は青の対応する光で発光し、これにより、カラー表示を行なうことができる。
【0005】
赤色蛍光体115Rには、Y(P,V)O4:Eu や、(Y,Gd)BO3:Eu 等の赤色蛍光物質が含有されており、緑色蛍光体115Gには、(Y,Gd)BO3:Tb や Zn2SiO4:Mn等の緑色蛍光物質が含有されており、また、青色蛍光体115Bには、Ba(1-x)MgAl1017:Eux等の青色蛍光物質が含有されている。
【0006】
しかし、蛍光体は長時間プラズマに曝されると劣化し、発光強度(輝度)が低下してしまうという問題がある。
劣化を生じさせる原因は色々あるが、例えば、酸素欠損が注目されており、下記文献に、酸素ガスやハロゲンガスのプラズマによって酸素欠損を修復する試みが記載されているが、発光強度低下の問題を解決するにはには至っていない。
【特許文献1】特開2005−144318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、長時間使用しても緑色蛍光体の発光強度が低下しない技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
母体結晶中では原子と原子が化学結合により互いに結びつくことにより、全体としての結晶格子が形成されている。母体結晶が理想的な結晶格子を形成するためには化学両論組成と定義される元素組成が必要であるが、結晶体中の各元素の組成が化学両論組成からずれると、結晶体には格子欠陥が発生することはよく知られている。また、結晶中の欠陥のその他の形態として、結晶粒界が知られている。
【0009】
蛍光体はイオン、電子、紫外線の環境下で常用されており、これらイオン、電子、紫外線が蛍光体に照射されると、蛍光体中含有されている蛍光物質の結晶体に結晶欠陥が形成される。結晶欠陥の生成機構には不明な点が多いが、同程度のイオン、電子、紫外線を受けたとしても、元々の結晶体の結晶性が低いほど、言い換えると、結晶欠陥密度が大きいほど、結晶欠陥の生成速度が大きいと合理的に推察できる。
【0010】
本発明の発明者は、蛍光体中に含有させる蛍光物質の結晶欠陥を何らかの方法によって修復した後、イオン、電子、紫外線の環境下で使用するようにすれば、結晶欠陥の生成速度が小さくなり、母体結晶体の欠陥形成を抑制することが可能であると考えた。
【0011】
水素原子はH+,H,H-などの形で結晶内部を拡散し、金属元素や酸素元素が欠損している欠損サイトに入ると、周囲の元素と化学結合することで結晶欠損サイトが修復されたのと同様の効果が発揮される。
その結果、結晶体の結晶としての強度が増すので、イオン、電子、紫外線による結晶損傷を受けにくくなると推測される。
【0012】
本発明では、水素原子を含む処理ガスをプラズマ状態にし、緑色蛍光物質、又は緑色蛍光物質を含有する緑色蛍光体をプラズマに接触させており、水素が緑色蛍光物質の結晶中に拡散、浸透し、緑色蛍光物質の結晶修復が行われる。
【0013】
プラズマを発生させずに、粉末状、又はペースト状の緑色蛍光体を焼成した後、加熱した状態で処理ガスに曝し、発光時間と発光強度の関係を測定したが、発光強度は、処理ガスに曝さない場合と同じであり、発光強度低下を防止する効果は得られなかった。
【0014】
このことは、結晶を単に水素ガスを含有する処理ガスの雰囲気内に置くだけでは、水素は緑色蛍光物質の結晶中に拡散、浸透しないことを示している。
即ち、処理ガスのプラズマ中の帯電した水素原子や、帯電した希ガスの存在が、水素の母体結晶中への拡散や浸透を促進していると考えられる。
【0015】
なお、緑色蛍光体には、組成中に二価のEu(Eu2+)を有する物質があるが、ユーロピウムは、二価と三価の状態を取りうる(Eu2+とEu3+)。
発光に寄与するのは、二価のEu2+であり、緑色蛍光体が発光ガスのプラズマに曝されることにより、二価のEu2+が三価のEu3+に変化することでも、輝度が低下する。
Euを含有する緑色蛍光体を水素プラズマに曝すとEu3+が還元されるので、輝度が低下しないという効果もある。
【0016】
図7は、PDPのパネルに塗布したペースト状のZSM(Zn2SiO4:Mn2+)を焼成した後、H2プラズマ処理を行なった場合と行なわなかった場合の発光強度と発光時間の関係を比較するためのグラフであり、横軸は発光時間、縦軸は発光時間がゼロである初期状態のときの発光強度I0に対する発光強度Iの比(発光強度比:I/I0)である。
【0017】
符号L2は、H2プラズマ処理を行なった場合の発光強度比と発光時間の関係を示す曲線であり、H2プラズマ処理は、アルゴンガスに5%の割合で水素ガスが添加された処理ガスのプラズマを発生させ、ZSMを接触させた。
符号L1はH2プラズマ処理を行なわない場合の発光強度比と発光時間の関係を示す曲線である。
2プラズマ処理を行なわないと、発光時間が長くなる程発光強度比は低下している。
【0018】
蛍光体に照射されたイオン、電子、光は、蛍光体結晶体中を電子、光の形態で伝播する。伝播してきた電子、光により発光原子は励起されて、所定の波長範囲の光を発光する。本発明の発明者は、蛍光体結晶体中の結晶欠陥を低減すれば、結晶体中を伝播する電子、光エネルギーが熱として散逸する過程が抑制されて、発光原子までの電子、光の伝播効率を高めることができると考えた。
【0019】
本発明は上記知見に基づいて創作された発明であり、真空雰囲気中に波長480nm以上550nm以下の範囲に最大発光強度を示す緑色蛍光物質を含有する緑色蛍光体を配置し、水素ガスを含有する処理ガスのプラズマを前記真空雰囲気中に形成し、前記緑色蛍光体を前記プラズマに曝す緑色蛍光体の処理方法である。
また、本発明は、前記緑色蛍光物質は化学構造中にMnを含有する緑色蛍光体の処理方法である。
また、本発明は、前記緑色蛍光物質は、Zn2SiO4:Mn2+、BaMgAl1017:Mn2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、又は、LaPO4:Ce3+,Tb3+のうちのいずれか一種以上の化合物である緑色蛍光体の処理方法である。
また、本発明は、プラズマ発生源内に前記処理ガスを導入し、前記プラズマ発生源内で前記処理ガスのプラズマを生成し、前記プラズマ発生源の開口に面する位置に配置された前記緑色蛍光体に前記プラズマを照射する緑色蛍光体の処理方法である。
また、本発明は、前記プラズマ発生源内にアンテナを配置し、前記アンテナに高周波電圧を印加してマイクロ波を発生させ、前記プラズマ発生源内に導入された前記処理ガスに前記マイクロ波を照射して、前記プラズマ発生源内の前記処理ガスをプラズマ化する緑色蛍光体の処理方法である。
また、本発明は、前記プラズマ発生源にマイクロ波を供給し 、前記マイクロ波によって、前記プラズマ発生源内の前記処理ガスをプラズマ化する緑色蛍光体の処理方法である。
また、本発明は、前記水素ガスは、前記処理ガス内に0.05体積%以上含有させる緑色蛍光体の処理方法である。
また、本発明は、前記緑色蛍光体を300℃以上に昇温させ、前記プラズマを照射する緑色蛍光体の処理方法である。
【発明の効果】
【0020】
蛍光体材料に、紫外線、電子線、イオンが照射されると、結晶体を経由して発光原子が励起され、発光原子内の電子軌道間の遷移で決まる波長の光が発生する。
結晶体の内部に欠陥があると、結晶体を経由して発光原子に伝達されるエネルギーの伝達過程を阻害し、結果として、蛍光の発光強度が低下してしまう。
【0021】
本発明では、水素ガスを含有する処理ガスのプラズマに緑色蛍光体を曝し、緑色蛍光体中に含まれている欠陥に水素を結合させることで欠陥修復し、欠陥密度が低減される。
その結果、紫外線、電子線、イオンが照射される際に、新たな欠陥が形成されるのが抑制され、緑色蛍光体の発光強度の低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1の符号1は、本発明に用いられる処理装置であり、真空槽11を有している。真空槽11の内部には、プラズマ発生源12と、台18が配置されている。
プラズマ発生源12は、導波管21と、容器22とを有している。
容器22は、真空槽11内で、その開口を台18側に向けて略水平に配置されている。容器22は石英製である。
【0023】
真空槽11の内部には、移動機構20が配置されている。容器22は細長であり、移動機構20は、容器22を、その長手方向とは垂直な方向に水平面内で移動させるように構成されている。
台18上には成膜対象の基板10が配置されている。基板10は正方形又は長方形であり、四辺のうちの二辺は容器22の長手方向に沿い、他の二辺は容器22の長手方向とは垂直な容器22の移動方向に沿って配置されている。
【0024】
基板10の、容器22の長手方向に沿う方向の長さは、容器22の長手方向の長さよりも長く形成されており、容器22の開口24を基板10の一端に置き、移動機構20によって容器22を移動させると、容器22の開口24は、基板10の一端から他端まで向き合いながら移動するように構成されている。
【0025】
図3は、容器22の開口24付近の内部構造を説明するための拡大斜視図である。容器22の開口24の縁部分には、長手方向に沿って細長のシャワーヘッド23が設けられている。
シャワーヘッド23の内部には、シャワーヘッド23の長手方向に沿って、ガス導入路31が設けられている。シャワーヘッド23の、開口24付近の面には、ガス導入路31と連通する細孔32が複数個形成されている。
【0026】
真空槽11の外部には、真空排気系19とガス導入系14が配置されている。
ガス導入系14は、シャワーヘッド23に接続されており、ガス導入系14からガス導入路31内に水素ガス又は水素ガスと希ガスの混合ガスから成る処理ガスを導入できるように構成されている。真空排気系19を起動し、真空槽11の内部を真空排気した後、ガス導入路31内に処理ガスを導入すると、処理ガスは、細孔32から真空槽11内の容器22の内部空間に向けて噴出される。
【0027】
導波管21は、容器22の少なくとも底面を覆うように取りつけられている。導波管21には、マイクロ波発生装置13が接続されており、導波管21内にマイクロ波を導入すると、マイクロ波は、主として容器22の底壁を透過して容器22の内部空間に導入され、シャワーヘッド23から容器22の内部空間に向けて噴出された処理ガスに照射される。
マイクロ波が照射された処理ガスはプラズマ化し、開口24から放出され、基板10に到達する。
【0028】
基板10は、図4(a)に示すように、ガラス板31上に細長の隔壁33が複数形成されており、隔壁の間には、赤色、緑色、青色に対応するいずれかの色に対応する蛍光体のペーストが塗布、焼成され、赤色蛍光体35R、緑色蛍光体35G、又は青色蛍光体35Bが形成されている。
【0029】
人間が赤色に感じる光は、波長580nm以上650nm以下の範囲に最大強度(ピーク)があり、緑色では480nm以上550nm以下の範囲、青色では400nm以上500nm以下の範囲であり、各蛍光体35R、G、Bの発光光は、対応する色の波長範囲内に最大発光強度の波長を有している。
【0030】
緑色蛍光体は、Zn2SiO4:Mn2+(ZSM)、BaMgAl1017:Mn2+(BAMM)、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+(BAMEM)、又は、LaPO4:Ce3+,Tb3+(LAP)等が用いられており、処理ガスのプラズマに曝して発光強度の低下を防止できる。それらの特性を下記表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
ここでは、ZSMを含有するペースト状の緑色蛍光体35Gを基板に塗布、焼成した。
基板10は、各蛍光体35R、G、Bが配置された面を容器22側に向けて台18上に配置されている。
【0033】
台18の内部には、ヒータ15が配置されており、ヒータ15に通電して発熱させ、300℃以上500℃以下の温度に加熱した状態でプラズマを照射すると、各蛍光体35R、G、Bは、処理ガスのプラズマに曝される。
【0034】
緑色蛍光体35Gが処理ガスのプラズマに接触すると、緑色蛍光体35Gの結晶性が、処理ガス中に含有される水素ガスのプラズマによって向上し、発光強度の低下が防止される。
【0035】
また、ここでは、青色蛍光体35Bには、Ba(1-x)MgAl1017:Eux(BAM)が含有されており、本発明者等は、先にBAMについても、水素を含有する処理ガスのプラズマに曝すと、三価のEu3+が二価のEu2+に変化し、発光強度の低下が防止されることを確認している。
【0036】
緑色蛍光体35Gと青色蛍光体35Bは一緒にプラズマに曝されるので、緑色蛍光体35Gと青色蛍光体35Bは、一緒に発光強度の低下が防止される。
処理ガスは、水素ガス100%のガス、又はアルゴンガス等の希ガスと水素ガスの混合ガスである。
【0037】
図2に示されているように、プラズマ発生源12から処理ガスのプラズマを放出させながら、プラズマ発生源12を移動させ、基板10の一端から他端まで処理ガスのプラズマを照射する。処理ガスのプラズマを照射するときの真空槽11内の圧力は1Torr〜大気圧であり、照射するプラズマ密度は1×1012〜1×1014cm-3、プラズマの電子温度は1eVから3eV程度である。
【0038】
プラズマを照射した基板10を真空槽11から取り出し、基板10上にフロントパネルを密着させ、内部にキセノンガスとネオンガスの混合ガス等の放電ガスを封入した状態で、低融点ガラス等の封止材料によって封止するとPDPパネルが得られる。
【0039】
図4(b)の符号5は、得られたPDPパネルの模式的な断面図であり、基板10とフロントパネル32とは、基板10及びフロントパネル32の周囲に配置された封着材料36によって封止されている。
このPDPパネルは、内部に放電ガスのプラズマを発生させ、発光させても発光強度の低下率は小さい。
【0040】
なお、上記処理ガス中の水素ガスの含有量は、0.05%にしたが、0.05%以上の含有率の処理ガスのプラズマを、粉末状、又はペースト状の緑色蛍光体に曝すと、緑色蛍光体の発光強度防止に効果的であることが確認されている。
【0041】
他方、プラズマを発生させずに、粉末状、又はペースト状の緑色蛍光体を焼成した後、加熱した状態で処理ガスに曝しても、水素は緑色蛍光物質の結晶中に拡散せず、発光強度の低下を防止する効果は得られないことは確認している。
【0042】
緑色蛍光体を処理ガスのプラズマで処理する際、緑色蛍光体を加熱せず、室温のままで処理ガスのプラズマに曝しても効果が認められるが、200℃以上に昇温させると、室温よりも効果が大きい。特に、300℃に加熱した場合に発光強度を維持する効果が大きかった。
【0043】
しかし、400℃以上の温度にしても、発光強度維持の効果は向上しない。従って、処理ガスのプラズマを照射する際には、300℃以上の温度に昇温させることが望ましいことが分かる。
上記実施例では、基板上に塗布、焼成した緑色蛍光体35Gに処理ガスのプラズマを照射したが、本発明は基板に塗布前の緑色蛍光体を処理することもできる。
【0044】
図5の符号2は、そのような処理に用いることができる処理装置であり、真空槽51を有している。真空槽51には、筒状の容器72を有するプラズマ発生源52が設けられている。容器72の外周は、接地電位のシールド79で覆われている。
【0045】
その容器72は、少なくとも開口74が真空槽51の内部に位置しており、開口74の近傍には、試料台58が配置されている。試料台58の開口74に面する位置には、ZSNを含有する緑色蛍光体60が配置されている。この緑色蛍光体60はパネルに塗布するペーストを形成する前の粉末状である。
【0046】
容器72にはアンテナ71が挿通されている。アンテナ71には高周波電源53が接続されており、高周波電源53を動作させ、アンテナ71に高周波電圧を印加すると、アンテナ71から容器72の内部にマイクロ波が放射されるように構成されている。
真空槽51には真空排気系19が接続されており、容器72には、その底面付近に処理ガス導入系54が接続されている。
【0047】
真空排気系19によって真空槽51の内部を真空排気し、アンテナ71によって容器72内にマイクロ波を放射し、その状態で容器72内に処理ガスを導入すると、容器72の内部で処理ガスのプラズマが生成される。生成されたプラズマは、容器72内に導入される処理ガスに押し出され、開口74から放出され、緑色蛍光体60に照射される。
【0048】
試料台58の内部にはヒータ75が配置されており、ヒータに通電し、緑色蛍光体60を300℃以上500℃以下の温度に予め昇温させておき、緑色蛍光体60にプラズマを照射すると、H+,H,H-などの状態の水素が緑色蛍光体60の結晶中に拡散し、結晶性が高くなる。
【0049】
ここで用いられる処理ガスにも、アルゴンガス等の希ガス中にH2ガスが0.05%以上の割合で含有されている。
所定時間のプラズマ照射が終了した緑色蛍光体60からペーストが作られ、PDPのパネルに塗布され、封止され、PDPパネルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に用いることができる処理装置の一例
【図2】その処理装置を用いた処理方法を説明するための図
【図3】その処理装置の開口付近を説明するための斜視図
【図4】(a):本発明によって処理する基板の一例 (b):本発明によって得られるPDPパネルの一例
【図5】本発明に用いることができる処理装置の他の例
【図6】一般的なPDPパネルの例
【図7】水素プラズマ処理の有無による発光強度低下の比較
【符号の説明】
【0051】
12、52……プラズマ発生源
71……アンテナ
35G、60……緑色蛍光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空雰囲気中に波長480nm以上550nm以下の範囲に最大発光強度を示す緑色蛍光物質を含有する緑色蛍光体を配置し、
水素ガスを含有する処理ガスのプラズマを前記真空雰囲気中に形成し、
前記緑色蛍光体を前記プラズマに曝す緑色蛍光体の処理方法。
【請求項2】
前記緑色蛍光物質は化学構造中にMnを含有する請求項1記載の緑色蛍光体の処理方法。
【請求項3】
前記緑色蛍光物質は、Zn2SiO4:Mn2+、BaMgAl1017:Mn2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、又は、LaPO4:Ce3+,Tb3+のうちのいずれか一種以上の化合物である請求項1記載の緑色蛍光体の処理方法。
【請求項4】
プラズマ発生源内に前記処理ガスを導入し、前記プラズマ発生源内で前記処理ガスのプラズマを生成し、前記プラズマ発生源の開口に面する位置に配置された前記緑色蛍光体に前記プラズマを照射する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の緑色蛍光体の処理方法。
【請求項5】
前記プラズマ発生源内にアンテナを配置し、前記アンテナに高周波電圧を印加してマイクロ波を発生させ、前記プラズマ発生源内に導入された前記処理ガスに前記マイクロ波を照射して、前記プラズマ発生源内の前記処理ガスをプラズマ化する請求項4記載の緑色蛍光体の処理方法。
【請求項6】
前記プラズマ発生源にマイクロ波を供給し 、前記マイクロ波によって、前記プラズマ発生源内の前記処理ガスをプラズマ化する請求項4記載の緑色蛍光体の処理方法。
【請求項7】
前記水素ガスは、前記処理ガス内に0.05体積%以上含有させる請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の緑色蛍光体の処理方法。
【請求項8】
前記緑色蛍光体を300℃以上に昇温させ、前記プラズマを照射する請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の緑色蛍光体の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−285598(P2008−285598A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132465(P2007−132465)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(392036326)株式会社アドテック プラズマ テクノロジー (24)
【Fターム(参考)】