説明

線状体集束保持装置

【課題】複数の引込線を電柱等から家屋に引き込むにあたり良好な景観や引込線の所定の地上高の確保を図りつつかかる引込線についてその条数が変化してもその条数に対応して無駄なく引込線の集束保持を可能にする。
【解決手段】引込線となる複数条の線状体1に対しそのうちの1条の線状体1の周面を囲むことが可能な覆用部材2と、覆用部材2が装着される2つの係合溝部7を有する第1の連結用部材3と、覆用部材2が装着される3つの係合溝部7を有し、これらの係合溝部7が全て直線的に配置された第2の連結用部材4と、覆用部材2が係合される3つの係合溝部7を有し、これらの係合溝部7が非直線的に配置された第3の連結用部材5とから構成され、連結用部材3、4、5に対して、各々単独で用いる場合と、同じ形態の連結用部材3、4、5を複数用いる場合と、異なる形態の連結用部材3、4、5を用いる場合との組合せ条件が、線状体1の条数及び地上高に対応して選択可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電柱等から家屋側に引き込まれる電力用低圧引込線等の電力線、電話線、通信ケーブル等の複数の線状体を集束して保持するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、例えば特許文献1の図7に示されるように、電力用低圧引込線等の電力線、電話線、通信ケーブル等の引込線は、個別に電柱から家屋側に引き込まれる態様が採られていた。
【0003】
もっとも、このように複数の引込線が電柱から家屋に向けて延びていたのでは、景観が悪く、引込線のうち最も低い位置の引込線(通常は電話線である。)は、例えば道路を横断する場合に地上から5m以上の地上高を確保することが困難となって、その引込線の下を通過する車両との関係で接触等の危険が生ずることも考えられた。
【0004】
この点、例えば特許文献1の、複数の引込線を集束して筒状体で囲う構造の光複合引込線や、例えば特許文献2の、長手方向の両端において開口すると共にその長手方向に沿って延びるスリット状の溝部が形成された収納部を複数有した配線具のように、複数の種類から成る線状体を、ある部材を用いて集束するという発明については既に公知となっている。
【特許文献1】特開2002−140942号公報
【特許文献2】特開2004−96802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対し、電柱から家屋に引き込まれる引込線の条数は諸条件により不特定的に変動するところ、特許文献1に記載の光複合引込線や特許文献2に記載の配線具では、この引込線の条数の変動に的確に対処することができず、特に、特許文献2の配線具では、収納部の数の方が引込線の条数よりも多いために遊んでしまう収納部が出て配線具に無駄が生じ、或いは、逆に引込線の条数の方が収納部の数よりも多いために配線具を用いることができないという不都合が考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、複数の線状体を電柱等から家屋に引き込むにあたり、良好な景観や線状体の所定の地上高の確保を図りつつ、かかる線状体についてその条数が変化してもその条数に対応して無駄なく線状体の集束保持が可能な線状体集束保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る線状体集束保持装置は、複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能な覆用部材と、この覆用部材が装着される2つの溝部を有する第1の連結用部材と、前記覆用部材が装着される3つ以上の溝部を有し、これらの溝部が全て直線的に配置された第2の連結用部材と、前記覆用部材が係合される3つ以上の溝部を有し、これらの溝部が非直線的に配置された第3の連結用部材とから構成され、これらの第1から第3の連結用部材に対して、それぞれ単独で用いる場合と、同じ形態の連結用部材を複数用いる場合と、異なる形態の連結用部材を用いる場合との組合せ条件が、前記線状体の条数及び配置の変化に対応して選択可能となっていることを特徴としている(請求項1)。ここで、線状体は、例えば複数の種類の引込線、すなわち、電力線、通信ケーブル、TVアンテナから延びるケーブル、電話線等であり、このことは以下に記述する線状体においても同様である。また、覆用部材は、線状体をその径方向にて着脱可能とするために線状体の長手方向に沿って延びる開口用の切れ目が線状体の周面を囲む部位に形成されている。更に覆用部材の溝部は、線状体の軸方向側から見て円状をなすと共に線状体の径方向側においてその一部が切り欠かれた構成となっている。
【0008】
この構成に係る線状体集束保持装置にあっては、線状体の数が2条の場合には、2つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、この線状体の周面を囲んだ2つの覆用部材を、第1の連結用部材の2つの溝部で係合することで、2条の線状体は第1の連結用部材により溝部間の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【0009】
また、線状体の数が3条の場合には、第一例としては、3つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、この線状体の周面を囲んだ3つの覆用部材を、3つの溝部を直列的に有した第2の連結用部材を1つ用いて、この第2の連結用部材の3つの溝部で係合することで、3条の線状体は第2の連結用部材により溝部間の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って3列並ぶかたちで集束的に保持される。第二例としては、3つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、この線状体の周面を囲んだ3つの覆用部材を、2つの第1の連結用部材を用いて、各第1の連結用部材の2つの溝部で係合し、この際中央の線状体は各第1の連結用部材の溝部で重複して係合することで、3条の線状体は2つの第1の連結用部材により溝部間の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って3列並ぶかたちで集束的に保持される。第三例としては、3つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、この線状体の周面を囲んだ3つの覆用部材を、3つの溝部を例えば三角形状に非直列的に有した第3の連結用部材を1つ用いて、この第3の連結用部材の3つの溝部で係合することで、3条の線状体は第3の連結用部材により溝部間の間隔を有しつつ1条の線状体と他の2条の線状体とでは鉛直方向に沿って並び、他の2条の線状体同士では略水平方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。第四例としては、3つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、この線状体の周面を囲んだ3つの覆用部材を、3つの第1の連結用部材を用いて、各第1の連結用部材の2つの溝部で係合し、しかも線状体は2つの第1の連結用部材の溝部で重複して係合することで、3条の線状体は3つの第1の連結用部材により溝部間の間隔を有しつつ1条の線状体と他の2条の線状体とでは鉛直方向に沿って並び、他の2条の線状体同士では略水平方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【0010】
そして、線状体の数が4条の場合には、第五例としては、4つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、第1の連結用部材の2つの溝部でこのうちの2条の線状体を外嵌し、第3の連結用部材の3つの溝部で第1の連結用部材の溝部に外嵌された線状体のうちの1条の線状体とその他の2条の線状体とを外嵌することで、4条の線状体は一番上の線状体、上から2番目の線状体、上から3番目の2条の線状体とでは略鉛直方向に沿って並び、上から3番目の2つの線状体同士では略水平方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。第六例としては、4つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、この線状体の周面を囲んだ4つの覆用部材を、4つの第1の連結用部材を用いて、2条の線状体を1つの第1の連結用部材の2つの溝部で連結し、これら線状体のうちの1条と他の2条の線状体とを2つの第1の連結用部材の2つの溝部で略3角形的に配置されるように係合することで、4条の線状体は一番上の線状体、上から2番目の線状体及び上から3番目の2条の線状体間では略鉛直方向に沿って並び、上から3番目の2条の線状体同士では略水平方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【0011】
また、この発明に係る線状体集束保持装置は、複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能な覆用部材と、貫通孔が形成され、この貫通孔は、前記覆用部材の外径寸法と略同じ内径である1つの挿入用孔部及び前記覆用部材の外径寸法より小さな内径である2つの係合用孔部から成っている第4の連結用部材と、貫通孔が形成され、この貫通孔は、前記覆用部材の外径寸法と略同じ内径寸法である複数の挿入用孔部と、前記覆用部材の外径寸法より小さな内径寸法であると共に前記挿入用孔部の数より1つ多い数の係合用孔部とより成っている第5の連結用部材とから構成され、前記第4の連結用部材を用いる場合と前記第5の連結用部材を用いる場合との条件が、前記線状体の条数の変化に対応して選択可能となっていることを特徴としている(請求項2)。覆用部材のうち線状体の長手方向の開口端部位はその径方向外側に向けて拡がっている。また、覆用部材の所定部位の外径寸法が他の部位の外径寸法よりも小さくなっている。
【0012】
この構成に係る線状体集束保持装置にあっては、線状体の数が2条の場合には、2つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、第4の連結用部材の挿入用孔部に2つの覆用部材のうちの1つを挿通させて、この挿入用孔部に挿入された覆用部材を線状体の径方向に沿って2つの係合用孔部のうちの一方側に移動させ、次に、第4の連結用部材の挿入用孔部に2つの覆用部材のうちの他の1つを挿通させて、この挿入用孔部に挿入された覆用部材を線状体の径方向に沿って2つの係合用孔部のうちの他方側に移動させることで、2条の線状体は第4の連結用部材により所定の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【0013】
また、線状体の数が3条の場合には、3つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、第5の連結用部材の2つの挿入用孔部のうちの1つに3つの覆用部材のうちの1つを挿通させて、この挿入用孔部に挿入された覆用部材を線状体の径方向に沿って前記挿入用孔部の両側に位置する2つの係合用孔部のうちの一方側に移動させ、次に、第5の連結用部材の先の挿入用孔部と同じ挿入用孔部に3つの覆用部材のうちの他の1つを挿通させて、この挿入用孔部に挿入された覆用部材を線状体の径方向に沿って先程の2つの係合用孔部のうちの他方側に移動させ、更に、第5の連結用部材の2つの挿入用孔部のうちの他の1つに3つの覆用部材のうちの残りの1つを挿通させて、この挿入用孔部に挿入された覆用部材を線状体の径方向に沿ってこの挿入用孔の部両側に位置する2つの係合用孔部のうち線状体が存しない側に移動させることで、3条の線状体は第5の連結用部材により所定の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って3列並ぶかたちで集束的に保持される。
【0014】
更に、この発明に係る線状体集束保持装置は、複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能であると共に、前記線状体の長手方向に沿って延びる切スリットを有する覆用部材と、前記覆用部材のスリットの幅より大きな外形状の2つの係合部材及びこの係合部材を結ぶと共に前記覆用部材のスリットに挿入可能な線状部材から成る第6の連結用部材とから構成され、複前記第6の連結用部材及びこの第6の連結用部材を用いて連結する前記覆用部材の数が、前記線状体の条数の変化に対応して選択可能となっていることを特徴としている(請求項3)。
【0015】
この構成に係る線状体集束保持装置にあっては、線状体の数が2条の場合には、2つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、1つの第6の連結用部材を用い、この2つの覆用部材のスリットに対し開口端側から第6の連結用部材の線状部材を差し込んで、線状体の長手方向に沿って移動させることで、2条の線状体は第6の連結用部材により所定の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【0016】
また、線状体の数が3条の場合には、2つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、3つの第6の連結用部材を用い、3つの覆用部材のそれぞれのスリットに対し開口端側から第6の連結用部材の線状部材を差し込んで、線状体の長手方向に沿って移動させることで、3条の線状体は第6の連結用部材により所定の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【0017】
更に、この発明に係る線状体集束保持装置は、複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能であると共に、その側面において前記線状体の長手方向に沿って延びるフランジ部を有し、このフランジ部にはその突出方向の先端側から前記線状体の径方向に沿って基部側まで延びた溝部が形成された覆用部材と、前記覆用部材のフランジ部の溝部に挿入し係合可能な外形状の2つの係合部材及びこの係合部材同士を結ぶ可撓性を有する線状部材から成る第7の連結用部材とから構成され、前記第7の連結用部材及びこの第7の連結用部材を用いて連結する前記覆用部材の数が、前記線状体の条数の変化に対応して選択可能となっていることを特徴としている(請求項4)。
【0018】
この構成に係る線状体集束保持装置にあっては、線状体の数が2条の場合には、2つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、1つの第7の連結用部材を用い、この2つの覆用部材のフランジ部に形成された溝部に第7の連結用部材の係合部材を挿入し係合することで、2条の線状体は第7の連結用部材により所定の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【0019】
また、線状体の数が3条の場合には、3つの覆用部材でそれぞれの線状体を覆った後、2つの第7の連結用部材を用い、3つの覆用部材のそれぞれ対峙するフランジ部の溝部に2つの第7の連結部用部材の係合部材をそれぞれ挿入し係合することで、3条の線状体は第7の連結用部材により所定の間隔を有しつつ鉛直方向に沿って並ぶかたちで集束的に保持される。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、覆用部材、第1の連結部用部材、第2の連結用部材、及び第3の連結用部材について予め所定の数を用意し、線状体の条数及び最も下側に位置する線状体に必要な地上高の確認の下で、覆用部材の数、第1の連結部用部材、第2の連結部用部材、及び第3の連結部用部材について、それぞれ単独で使用するか、これらの連結部用部材を組合せて使用するかを決めることができるので、使用する覆用部材、連結部用部材について無駄が生ずることなく、良好な景観や線状体の所定の地上高の確保を図りつつ、線状体の集束保持が可能である。しかも、覆用部材への各連結部用部材の装着作業も簡易であり、現場での作業性の迅速化を図ることができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、覆用部材、第4の連結部用部材、及び第5の連結用部材について予め所定の数を用意し、線状体の条数の確認の下で、覆用部材の数、第4の連結部用部材、及び第5の連結部用部材について、いずれを使用するかについて決めることができるので、使用する覆用部材、第4及び第5の連結部用部材について無駄が生ずることなく、良好な景観や線状体の所定の地上高の確保を図りつつ、線状体の集束保持が可能である。しかも、覆用部材への各連結部用部材の装着作業も簡易であり、現場での作業性の迅速化を図ることができる。
【0022】
更に、請求項3に記載の発明によれば、覆用部材及び第6の連結部用部材について予め所定の数を用意し、線状体の条数の確認の下で、覆用部材及び第6の連結部用部材について、その数を決めることができるので、使用する覆用部材、第6の連結部用部材について無駄が生ずることなく、良好な景観や線状体の所定の地上高の確保を図りつつ、線状体の集束保持が可能である。しかも、覆用部材への各連結部用部材の装着作業も簡易であり、現場での作業性の迅速化を図ることができる。
【0023】
そして、請求項4に記載の発明においても、覆用部材及び第7の連結部用部材について予め所定の数を用意し、線状体の条数の確認の下で、覆用部材及び第7の連結部用部材について、その数を決めることができるので、使用する覆用部材、第7の連結部用部材について無駄が生ずることなく、良好な景観や線状体の所定の地上高の確保を図りつつ、線状体の集束保持が可能である。しかも、この請求項4でも、覆用部材への各連結部用部材の装着作業も簡易であり、現場での作業性の迅速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0025】
図1から図11において、例えば電力線、通信ケーブル、TVアンテナから延びるケーブル、電話線等の、電柱から家屋に引き込まれる引込線である線状体1と、この発明に係る線状体集束保持装置の実施例1を構成する覆用部材2、第1の連結用部材3、第2の連結用部材4、及び第3の連結用部材5とが示されている。
【0026】
このうち、図5から図11に示される線状体1は、例えば電線にあっては導電性を有する中心部と、その周囲を覆う絶縁性の被覆部とで構成されている等のように、その種類に対応した構成となっている。
【0027】
また、図1に示される覆用部材2は、複数条の線状体1に対しそのうちの1条の線状体1の周面の一部を線状体1に対しその軸方向の途中でも取り付けることが可能な構成となっているもので、より具体的には図1に示されるように、線状体1の外径寸法と略同じ内径寸法の貫通孔2aを有する筒状体2bで主に構成されて、且つ前記貫通孔2aの軸方向に沿って延びて筒状体2bを一枚の湾曲したプレート状に展開可能とするスリット2cが形成されている。これにより、筒状体2bをスリット2cの部位から開いた後、これにより形成された開口を線状体1に対しその径方向から近接し包み込むことで線状体1の側面に取り付けられるようになっている。
【0028】
図2に示される第1の連結用部材3は、厚みの薄い略長方形状のプレート6に対し、その長手方向に沿った側の両端側近傍部位に、線状体1に取り付けられた状態の覆用部材2が係合可能な係合溝部7を2つ形成することで形成されている。この係合溝部7は、図2に示されるように、覆用部材2の外径寸法と略同じか若干小さな内径寸法の略円状の溝部7aと覆用部材2の外径寸法よりも小さく前記溝部7aと連通すると共にプレート6の周縁から外部にまで達している略四角形状の溝部7bとから形成されて、その一辺が開放されたものとなっている。また、プレート6のうち係合溝部7よりも長手方向に沿った側の端部側の略円弧状の部位6aは、その先端が係合溝部7の溝部7bに対しその幅が拡がる方向に可変することができる。これにより、第1の連結用部材3の係合溝部7のうち溝部7bの開放された側を線状体1に取り付けられた状態の覆用部材2の側面に対しある程度強く押し付けることで、第1の連結用部材3は、2つの覆用部材2と係合させることができる。
【0029】
図3に示される第2の連結用部材4は、第1の連結用部材3のプレート6よりも長手方向寸法が相対的に大きく、厚みの薄い略長方形状プレート8に対し、その長手方向に沿った側の両端側近傍部位と略中央部位とで、線状体1に取り付けられた状態の覆用部材2が係合可能な係合溝部7を3つ形成することで形成されている。この係合溝部7の構造は、上記第1の連結用部材3で説明した係合溝部7と同様である。これにより、第2の連結用部材4の係合溝部7のうち溝部7bの開放された側を線状体1に取り付けられた状態の覆用部材2の側面に対しある程度強く押し付けることで、第2の連結用部材4は、3つの覆用部材2と係合させることができる。
【0030】
図4示される第3の連結用部材5は、肉厚の薄い略三角形状のプレート9に対し、3つの角の頂部の近傍部位に、線状体1に取り付けられた状態の覆用部材2が係合可能な係合溝部7を3つ形成することで形成されている。この係合溝部7の構造も、上記連結用部材3、4で説明した係合溝部7と同様である。ここで、第3の連結用部材5の図上において上側の係合溝部7と下側の係合溝部7との距離は、第2の連結用部材4の図上において最上側の係合溝部7と最下側の係合溝部7との距離よりも短くなっている。これにより、第3の連結用部材5の係合溝部7のうち溝部7bの開放された側を線状体1に取り付けられた状態の覆用部材2の側面に対しある程度強く押し付けることで、第3の連結用部材5は、3つの覆用部材2と係合させることができる。
【0031】
線状体集束保持装置の構成部品として、多数の覆用部材2及び連結用部材3、4、5を現場に持って行き、且つ連結用部材3、4、5を単体で又は適宜に組み合わせることによって、予め集束保持する線状体の条数が不明でも、作業現場での作業員による判断で、線状体1の数が2条の場合から4条の場合までの範囲において、最下側の線状体1の地上高も考慮しつつ、適切に線状体1を集束保持することができる。
【0032】
すなわち、集束保持する線状体1の数が2条であると確認された場合には、図5に示されるように、1つの第1の連結用部材3と2つの覆用部材2とを準備し、2条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、第1の連結用部材3の2つの係合溝部7と2つの覆用部材2とを係合させることにより、2条の線状体1は係合溝部7間の間隔を有しつつ略鉛直方向に沿って集束保持される。
【0033】
これに対し、集束保持する線状体1の数が3条であると確認された場合には、現場での判断で第一例から第三例のいずれかが臨機応変に採択される。このうち、第一例としては、図6に示されるように、1つの第2の連結用部材4と3つの覆用部材2とを準備し、3条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、この第2の連結用部材4の直線的に並んだ3つの係合溝部7と3つの覆用部材2とを係合させることにより、3条の線状体1は係合溝部7同士の間隔を開けて略鉛直方向に沿って3列並ぶかたちで集束的に保持される。この例は、3条の線状体1が直線的に並ぶ関係上、最上側の線状体1と最下側の線状体1との間の距離があるので、例えば、最下側の線状体1についてその地上高に余裕がある場合に採択される。
【0034】
第二例としては、図7に示されるように、2つの第1の連結用部材3と3つの覆用部材2とを準備し、3条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、各第1の連結用部材3の2つの係合溝部7と3つの覆用部材2とを係合させる。この際に、2つの第1の連結用部材3は上方側及び下方側の係合溝部7が一致するように直線状に重ね、3条の線状体1のうち中央に位置する線状体1はこの2つの第1の連結用部材3の一致した係合溝部7で係合させることで、3条の線状体1は係合溝部7同士の間隔を開けて略鉛直方向に沿って3列並ぶかたちで集束的に保持される。この例も、3条の線状体1が直線的に並ぶ関係上、最上側の線状体1と最下側の線状体1との間の距離があるので、例えば、最下側の線状体1についてその地上高に余裕がある場合に採択される。
【0035】
第三例としては、図8に示されるように、1つの第4の連結用部材5と3つの覆用部材2とを準備し、3条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、この第4の連結用部材5の非直線的に並んだ3つの係合溝部7と3つの覆用部材2とを係合させることにより、3条の線状体1は係合溝部7同士の鉛直方向に沿った間隔方向及び水平方向に沿った間隔を開けて集束保持される。この例は、3条の線状体1が非直線的、すなわち、三角形的な配置となる関係上、最上側の線状体1と最下側の線状体1との間の距離が第一例や第二例に比し小さくなるので、例えば、最下側の線状体1についてその地上高に余裕がない場合に採択される。
【0036】
第四例としては、図9に示されるように、3つの第1の連結用部材3と3つの覆用部材2とを準備し、3条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、各第1の連結用部材3の2つの係合溝部7と3つの覆用部材2とを係合させる。この際に、3つの第1の連結用部材3は、それぞれ係合溝部7が他の1つの第1の連結用部材3の係合溝部7と一致するように三角形的に重ね、隣り合う第1の連結用部材3で係合溝部7を有する部位同士が接しないところでは、係合溝部7を有する円盤状のスペーサ10を介在させて、3条の線状体1は2つの第1の連結用部材3の一致した係合溝部7又は2つの第1の連結用部材3及びスペーサ10の一致した係合溝部7で係合させることで、3条の線状体1は係合溝部7同士の鉛直方向に沿った間隔方向及び水平方向に沿った間隔を開けて集束保持される。この例も、3条の線状体1が非直線的、すなわち、三角形的な配置となる関係上、最上側の線状体1と最下側の線状体1との間の距離が第一例や第二例に比し小さくなるので、例えば、最下側の線状体1についてその地上高に余裕がない場合に採択される。
【0037】
さらに、集束保持する線状体1の数が4条であると確認された場合には、現場での判断で第五例から第六例のいずれかが臨機応変に採択される。このうち、第五例としては、図10に示されるように、1つの第1の連結用部材3と、1つの第3の連結用部材5と、4つの覆用部材2とを準備し、4条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、各第1の連結用部材3の2つの係合溝部7及び第3の連結用部材5の3つの係合溝部7と3つの覆用部材2とを係合させる。この際に、第1の連結用部材3と第3の連結用部材5とは、第1の連結用部材3の下側の係合溝部7と第3の連結用部材5の最上側の係合溝部7とが一致するように鉛直方向に沿って重ね、4条の線状体1のうち中央に位置する線状体1はこの第1の連結用部材3と第3の連結用部材5との一致した係合溝部7で係合させることで、4条の線状体1は係合溝部7同士の間隔を開けて集束保持される。
【0038】
第六例としては、図11に示されるように、4つの第1の連結用部材3と4つの覆用部材2とを準備し、4条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、各第1の連結用部材3の2つの係合溝部7と4つの覆用部材2とを係合させる。この際に、4つの第1の連結用部材3は、3つの第1の連結用部材3について、それぞれ係合溝部7が他の1つの第1の連結用部材3の係合溝部7と一致するように三角形的に重ねると共に、1つの第1の連結用部材3について、その係合溝部7が三角形的に組まれた第1の連結用部材3のうち当該三角形の頂部側の係合溝部7と一致するように重ね、4条の線状体1のうち中央に位置する線状体1は3つの第1の連結用部材3の一致した係合溝部7で係合させ、他の線状体1は2つの第1の連結用部材3の一致した係合溝部7で係合させることで、4条の線状体1は係合溝部7同士の間隔を開けて集束保持される。
【実施例2】
【0039】
図12から図16において、例えば電力線、通信ケーブル、TVアンテナから延びるケーブル、電話線等の、電柱から家屋に引き込まれる引込線である線状体1と、この発明に係る線状体集束保持装置の実施例2を構成する覆用部材2、第4の連結用部材12、第5の連結用部材15とが示されている。このうち、線状体1は、実施例1と同様であるので、その説明は省略する。
【0040】
覆用部材2は、図12に示されるように、貫通孔2aを有する筒状体2bで主に構成されると共に、貫通孔2aの軸方向に沿って延びて筒状体2bを一枚の湾曲したプレート状に展開可能とするスリット2cを有する点では先の実施例1と同様である一方、筒状体2bのうち貫通孔2aの軸方向の略中央部位が当該貫通孔2aの径方向に沿って窪んだ凹部2dが形成されている。ここで、凹部2dの貫通孔2aの軸方向両側となる部位は、この実施例2では傾斜面となっている。また、筒状体2bのうち貫通孔2aの開口端部位2eは、テーパー状に拡径されている。
【0041】
第4の連結用部材12は、図13に示されるように、覆用部材2の凹部2dの貫通孔2aの軸方向に沿った幅と略同じ厚みを有する直方体状のプレート14と、このプレート14を貫通する貫通孔13とにより構成されている。貫通孔13は、図13(B)で特に示されるように、プレート14の長手方向の略中央に形成されて、覆用部材2の外径寸法と略同じ内幅寸法を有する1つの挿入用孔部13aと、その挿入用孔部13aからプレート14の長手方向に沿って延び、その内幅寸法は覆用部材2の外径寸法よりも小さな2つの係合用孔部13bとを有して形成されている。
【0042】
第5の連結用部材15は、図14に示されるように、覆用部材2の凹部2dの貫通孔2aの軸方向に沿った幅と略同じ厚みを有すると共にプレート14よりも長手寸法の大きな直方体状のプレート16と、このプレート16を貫通する貫通孔17とにより構成されている。貫通孔17は、図14(B)で特に示されるように、プレート16の長手方向の略中央部位から若干ずれた位置に形成されて、覆用部材2の外径寸法と略同じ内幅寸法を有する2つ挿入用孔部17aと、その挿入用孔部17aからプレート14の長手方向に沿って延び、その内幅寸法は覆用部材2の外径寸法よりも小さな3つの係合用孔部17bとを有して形成されている。
【0043】
このような構成とすることで、線状体集束保持装置の構成部品として、多数の覆用部材2及び連結用部材12、15を現場に持って行くことによって、予め集束保持する線状体の条数が不明でも、作業現場での作業員による判断で、線状体1の数が2条の場合から3条の場合までの範囲において、適切に線状体1を集束保持することができる。
【0044】
すなわち、集束保持する線状体1の数が2条であると確認された場合には、図15に示される状態となるように、例えば、1つの第4の連結用部材12と2つの覆用部材2とを準備し、2条の線状体1に各々覆用部材2を装着させる作業と、第4の連結用部材12の挿入用孔部13aを2つの覆用部材2のうちの1つに外挿させて、この挿入用孔部13aに挿入された状態の覆用部材2を線状体1の径方向に沿って2つの係合用孔部13bのうちの一方側にずれるように第4の連結用部材12を動かし、次に、第4の連結用部材12の挿入用孔部13aを2つの覆用部材2のうちの他の1つに外挿させて、この挿入用孔部13aに挿入された状態の覆用部材2を線状体1の径方向に沿って2つの係合用孔部13bのうちの他方側にずれるように第4の連結用部材12を動かす作業とを適宜に行う。これにより、覆用部材2の凹部2dが当該係合用孔部13bの内側面で挟持・押圧されて第4の連結用部材12と係合されると同時にこの第4の連結用部材12に対し貫通孔13の軸方向への抜けが防止されるので、2条の線状体1は2つの係合用孔部13b同士の間隔を有しつつ略鉛直方向に沿って集束保持される。
【0045】
これに対し、集束保持する線状体1の数が3条であると確認された場合には、図16に示される状態となるように、例えば、1つの第5の連結用部材15と3つの覆用部材2とを準備し、3条の線状体1に各々覆用部材2を装着させる作業と、第5の連結用部材15の2つの挿入用孔部17aのうちの1つを3つの覆用部材2のうちの1つに外挿させて、この挿入用孔部17aに挿入された状態の覆用部材2が線状体1の径方向に沿って前記挿入用孔部17aの両側に位置する2つの係合用孔部17bのうちの一方側にずれるように第5の連結用部材15を動かし、次に、第5の連結用部材15の先の挿入用孔部17aと同じ挿入用孔部17aに3つの覆用部材2のうちの他の1つを挿通させて、この挿入用孔部17aに挿入された状態の覆用部材2が線状体1の径方向に沿って先程の2つの係合用孔部17bのうちの他方側にずれるように第5の連結用部材15を動かし、更に、第5の連結用部材15の2つの挿入用孔部17aのうちの他の1つを3つの覆用部材2のうちの残りの1つに外挿させて、この挿入用孔部17aに挿入された状態の覆用部材2が線状体1の径方向に沿ってこの挿入用孔の部両側に位置する2つの係合用孔部のうち線状体1が存しない側にずれるように、第5の連結用部材15を動かす。これにより、覆用部材2の凹部2dが当該係合用孔部17bの内側面で挟持・押圧されて第5の連結用部材15と係合されると同時にこの第5の連結用部材15に対し貫通孔17の軸方向への抜けが防止されるので、3条の線状体1は3つの係合用孔部17b同士の間隔を有しつつ略鉛直方向に沿って集束保持される。
【実施例3】
【0046】
図17から図19において、例えば電力線、通信ケーブル、TVアンテナから延びるケーブル、電話線等の、電柱から家屋に引き込まれる引込線である線状体1と、この発明に係る線状体集束保持装置の実施例3を構成する覆用部材2、第6の連結用部材20とが示されている。このうち、線状体1は、実施例1及び実施例2と同様であるので、その説明は省略する。
【0047】
覆用部材2は、図17に示されるように、貫通孔2aを有する筒状体2bで主に構成されると共に、貫通孔2aの軸方向に沿って延びて筒状体2bを一枚の湾曲したプレート状に展開可能とするスリット2cを有する点ではこれまでの実施例と同様である一方、筒状体2bに貫通孔2aの軸方向に沿って筒状体2bの中央部位まで延びるスリット2fが貫通孔2aの双方の開口端から互い違いとなるように形成されている。
【0048】
これに対し、第6の連結用部材20は、図18に示されるように、スリット2fの短手方向の幅よりも大きな外形状の2つの係合部材22と、これらの係合部材22を結ぶと共に強度が高く切れ難い素材で形成されて可撓性を有し、更にその外径寸法がスリット2fの短手方向の幅よりも小さい線状部材21とで構成されている。尚、係合部材22の外形状は、例えば覆用部材2のスリット2fに差し込んだ際に、この覆用部材2内の線状体1と干渉しないような形状、例えば平盤形状をなしている。
【0049】
このような構成とすることで、線状体集束保持装置の構成部品として、多数の覆用部材2及び第6の連結用部材20を現場に持って行くことによって、予め集束保持する線状体1の条数が不明でも、作業現場での作業員による判断で、線状体1の数が2条の場合から地上高との関係で許される限りの条数の範囲において、適切に線状体1を集束保持することができる。
【0050】
すなわち、集束保持する線状体1の数が2条であると確認された場合には、図示しないが、1つの第6の連結用部材20と2つの覆用部材2とを準備し、2条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、この2つの覆用部材2のスリット2fに対し貫通孔2aの開口端側から第6の連結用部材20の線状部材21をその径方向に沿って差し込んで、貫通孔2aの軸方向に沿って移動させることで、下側の覆用部材2等の自重により覆用部材2間の第6の連結用部材20の線状部材21が張った状態となり、これに伴い双方の係合部材22がスリット2fの内側の周縁面に当接するので、2条の線状体は線状部材21の略長手方向寸法の間隔を有しつつ略鉛直方向に沿って集束保持される。
【0051】
これに対し、集束保持する線状体1の数が3条であると確認された場合には、図19に示されるように、2つの第6の連結用部材20と3つの覆用部材2とを準備し、3条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、この3つの覆用部材2のスリット2fに対し貫通孔2aの開口端側から第6の連結用部材20の線状部材21をその径方向に沿って差し込んで、貫通孔2aの軸方向に沿って移動させることで、下側の覆用部材2等の自重によりそれぞれの覆用部材2間において第6の連結用部材20の線状部材21が張った状態となり、これに伴い双方の係合部材22がスリット2fの内側の周縁面に当接するので、3条の線状体は線状部材21の略長手方向寸法の間隔を有しつつ略鉛直方向に沿って集束保持される。
【実施例4】
【0052】
図20から図21において、例えば電力線、通信ケーブル、TVアンテナから延びるケーブル、電話線等の、電柱から家屋に引き込まれる引込線である線状体1と、この発明に係る線状体集束保持装置の実施例4を構成する覆用部材2、第7の連結用部材26とが示されている。このうち、線状体1は、これまでの実施例と同様であるので、その説明は省略する。
【0053】
覆用部材2は、図20に示されるように、貫通孔2aを有する筒状体2bで主に構成されると共に、貫通孔2aの軸方向に沿って延びて筒状体2bを一枚の湾曲したプレート状に展開可能とするスリット2cを有する点ではこれまでの実施例と同様である一方、筒状体2bの図20上の上側側面と下側側面とで、フランジ部24が各々2列ずつ突出形成されており、このフランジ部24は、この実施例では筒状体2bの長手方向に沿ってその端部から端部まで延びている。そして、各フランジ部24には、溝部25が形成されており、この溝部25は、フランジ部24のその突出方向の先端側から筒状体2bの径方向に沿って当該フランジ部24の基部側まで延び、且つ、フランジ部24の先端側では開口し、筒状体2bの径方向の基部側では前記開口した幅に対し筒状体2bの長手方向に沿って拡がった形状となっている。
【0054】
これに対し、第7の連結用部材26は、図21に示されるように、溝部25のフランジ部24先端側開口の幅よりも大きな外形状の2つの係合部材28と、これらの係合部材28を結ぶと共に強度が高く切れ難い素材で形成されて可撓性を有し、更にその外径寸法が溝部25のフランジ部24先端側開口の幅よりも小さい線状部材27とで構成されている。さらに、係合部材28は、この実施例では、球状体をなし、筒状体2bに対し並設されたフランジ部24の幅よりも大きな外径寸法をなしている。
【0055】
このような構成とすることで、線状体集束保持装置の構成部品として、多数の覆用部材2及び第7の連結用部材26を現場に持って行くことによって、予め集束保持する線状体1の条数が不明でも、作業現場での作業員による判断で、線状体1の数が2条の場合から地上高との関係で許される限りの条数の範囲において、適切に線状体1を集束保持することができる。
【0056】
すなわち、集束保持する線状体1の数が2条であると確認された場合には、図示しないが、1つの第7の連結用部材26と2つの覆用部材2とを準備し、2条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、第7の連結用部材26の係合部材28を溝部25に対しその開口された部位から係合することで、下側の覆用部材2等の自重により覆用部材2間において第7の連結用部材26の線状部材27が張った状態となり、これに伴い係合部材28が溝部25の開口部近傍部位の面に当接し、且つ2つのフランジ部24で係合部材28が挟まれた状態となるので、2条の線状体は線状部材27の略長手方向寸法の間隔を有しつつ略鉛直方向に沿って集束保持される。
【0057】
これに対し、集束保持する線状体1の数が3条であると確認された場合には、図22に示されるように、2つの第7の連結用部材26と3つの覆用部材2とを準備し、3条の線状体1に各々覆用部材2を装着した後、第7の連結用部材26の係合部材28を溝部25に対しその開口された部位から係合することで、下側の覆用部材2等の自重によりそれぞれの覆用部材2間において第7の連結用部材26の線状部材27が各々張った状態となり、これに伴い係合部材28が溝部25の開口部近傍部位の面に当接し、且つ2つのフランジ部24で係合部材28が挟まれた状態となるので、3条の線状体は線状部材27の略長手方向寸法の間隔を有しつつ略鉛直方向に沿って集束保持される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、実施例1で用いられる覆用部材の構成を示した説明図である。
【図2】図2は、同上の実施例1で用いられる連結用部材のうち2つの覆用部材が連結可能な第1の連結用部材の構成を説明した説明図である。
【図3】図3は、同上の実施例1で用いられる連結用部材のうち3つの覆用部材が直線的に連結可能な第2の連結用部材の構成を説明した説明図である。
【図4】図4は、同上の実施例1で用いられる連結用部材のうち3つの覆用部材が非直線的に連結可能な第3の連結用部材の構成を説明した説明図である。
【図5】図5は、実施例1で用いられる覆用部材で覆われた2条の線状体を第1の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図6】図6は、実施例1で用いられる覆用部材で覆われた3条の線状体を第2の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図7】図7は、実施例1で用いられる覆用部材で覆われた3条の線状体を2つの第1の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図8】図8は、実施例1で用いられる覆用部材で覆われた3条の線状体を第3の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図9】図9は、実施例1で用いられる覆用部材で覆われた3条の線状体を3つの第1の連結用部材でスペーサを利用しつつ集束保持した状態を説明した説明図である。
【図10】図10は、実施例1で用いられる覆用部材で覆われた4条の線状体を1つの第1の連結用部材と第3の連結用部材とで集束保持した状態を説明した説明図である。
【図11】図11は、実施例1で用いられる覆用部材で覆われた4条の線状体を4つの第1の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図12】図12は、実施例2で用いられる覆用部材の構成を示した説明図である。
【図13】図13は、同上の実施例2で用いられる第4の連結用部材の構成を示した説明図である。
【図14】図14は、同上の実施例2で用いられる第5の連結用部材の構成を示した説明図である。
【図15】図15は、実施例2で用いられる覆用部材で覆われた2条の線状体を第4の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図16】図16は、実施例2で用いられる覆用部材で覆われた3条の線状体を第5の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図17】図17は、実施例3で用いられる覆用部材の構成を示した説明図である。
【図18】図18は、同上の実施例3で用いられる第6の連結用部材の構成を示した説明図である。
【図19】図19は、実施例3で用いられる覆用部材で覆われた3条の線状体を第6の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【図20】図20は、実施例4で用いられる覆用部材の構成を示した説明図である。
【図21】図21は、同上の実施例4で用いられる第7の連結用部材の構成を示した説明図である。
【図22】図22は、同上の実施例4で用いられる覆用部材で覆われた3条の線状体を第7の連結用部材で集束保持した状態を説明した説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 線状体
2 覆用部材
2f スリット
3 第1の連結用部材
4 第2の連結用部材
5 第3の連結用部材
7 係合溝部(溝部)
12 第4の連結用部材
13 貫通孔
13a 挿入用孔部
13b 係合用孔部
15 第5の連結用部材
17 貫通孔
17a 挿入用孔部
17b 係合用孔部
21 第6の連結用部材
22 線状部材
23 係合部材
24 フランジ部
25 溝部
26 第7の連結用部材
27 線状部材
28 係合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能な覆用部材と、
この覆用部材が装着される2つの溝部を有する第1の連結用部材と、
前記覆用部材が装着される3つ以上の溝部を有し、これらの溝部が全て直線的に配置された第2の連結用部材と、
前記覆用部材が係合される3つ以上の溝部を有し、これらの溝部が非直線的に配置された第3の連結用部材とから構成され、
これらの第1から第3の連結用部材に対して、それぞれ単独で用いる場合と、同じ形態の連結用部材を複数用いる場合と、異なる形態の連結用部材を用いる場合との組合せ条件が、前記線状体の条数及び配置の変化に対応して選択可能となっていることを特徴とする線状体集束保持装置。
【請求項2】
複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能な覆用部材と、
貫通孔が形成され、この貫通孔は、前記覆用部材の外径寸法と略同じ内径である1つの挿入用孔部及び前記覆用部材の外径寸法より小さな内径である2つの係合用孔部から成っている第4の連結用部材と、
貫通孔が形成され、この貫通孔は、前記覆用部材の外径寸法と略同じ内径寸法である複数の挿入用孔部と、前記覆用部材の外径寸法より小さな内径寸法であると共に前記挿入用孔部の数より1つ多い数の係合用孔部とより成っている第5の連結用部材とから構成され、
前記第4の連結用部材を用いる場合と前記第5の連結用部材を用いる場合との条件が、前記線状体の条数の変化に対応して選択可能となっていることを特徴とする線状体集束保持装置。
【請求項3】
複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能であると共に、前記線状体の長手方向に沿って延びる切スリットを有する覆用部材と、
前記覆用部材のスリットの幅より大きな外形状の2つの係合部材及びこの係合部材を結ぶと共に前記覆用部材のスリットに挿入可能な線状部材から成る第6の連結用部材とから構成され、
前記第6の連結用部材及びこの第6の連結用部材を用いて連結する前記覆用部材の数が、前記線状体の条数の変化に対応して選択可能となっていることを特徴とする線状体集束保持装置。
【請求項4】
複数条の線状体に対しそのうちの1条の線状体の周面を囲むことが可能であると共に、その側面において前記線状体の長手方向に沿って延びるフランジ部を有し、このフランジ部にはその突出方向の先端側から前記線状体の径方向に沿って基部側まで延びた溝部が形成された覆用部材と、
前記覆用部材のフランジ部の溝部に挿入し係合可能な外形状の2つの係合部材及びこの係合部材同士を結ぶ可撓性を有する線状部材から成る第7の連結用部材とから構成され、
前記第7の連結用部材及びこの第7の連結用部材を用いて連結する前記覆用部材の数が、前記線状体の条数の変化に対応して選択可能となっていることを特徴とする線状体集束保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−89565(P2009−89565A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259451(P2007−259451)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】