説明

線状光源装置およびフレキシブル基板

【課題】導光板の一側面に配置したときに、配置するスペースを少なくすることが可能な線状光源装置およびフレキシブル基板を提供する。
【解決手段】長尺状の配線基板1110および配線基板1110の長手方向に沿って配列された複数の発光素子を有する線状光源部110と、発光素子に電源を供給する配線が絶縁フィルム内に形成された基板本体1410を有するフレキシブル基板140とを備えた線状光源装置100であって、配線基板1110には、発光素子と導通する配線パターンが搭載面に設けられると共に、配線パターンと接続する電源端子1114が搭載面の反対側である背面に設けられ、フレキシブル基板140には、配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッド1443が設けられ、配線基板1110の背面側と基板本体1410の一面側とを対面させて、電源端子1114に、接続パッド1443が接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線パターンが形成された長尺状の基板と、この基板に導通搭載された発光素子とを有する線状光源装置および発光素子に電源を供給するフレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルを背面から照射するバックライトの光源として、導光板の一側面に配置される線状光源装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の線状光源装置は、長尺状の配線基板に、複数の発光素子が、配線基板の長手方向に沿って配列され、発光素子と導通する電源端子が、基板の両端部にそれぞれ設けられている。
【0003】
ところで、特許文献1に記載の線状光源装置では、電源端子が配線基板の両端部の発光素子が搭載されている搭載面側に設けられているが、その電源端子と電源とを接続するためには、電源端子が配線基板の背面側に設けられている方が、配線が容易である。
【0004】
特に、図8に示すような配線基板に発光素子を搭載した複数の線状光源部510が、断面コ字状に形成された保持枠520に、直線状に配列された従来の線状光源装置500であれば、細長い従来のフレキシブル基板530による個々の電源ピン511への接続を、配線基板512の背面側で行っているので、発光素子からの光を阻害することなく配線することができる。また、配線基板512の配列に沿って直線状に配線しているので、個々の電源ピン511へタコ足状にそれぞれ枝分かれしたフレキシブル基板を接続するよりも、配線のための占有スペースを少なくすることができる。
【特許文献1】特開2004−235139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図8に示す従来の線状光源装置500を、図9に示す導光板540の側面に配置してバックライトを構成するときには、配線基板512の背面に電源ピン511が突出しているので、配線基板512の背面側のスペースを広く確保する必要がある。この電源ピン511は、従来のフレキシブル基板530から発光素子へ電源を供給するためのものであるので、バックライトを収納するケースが金属製であれば電源ピンと金属ケースとで短絡を回避するためには、更に広く設置スペースを確保する必要がある。
【0006】
また、図10のように他の従来のフレキシブル基板560の端面を、背面側に電源端子が設けられた配線基板570の背面に突き当てるようにして、半田付けする方法では、他の従来のフレキシブル基板560がたこ足状ではないが、基板の背面側に、他の従来のフレキシブル基板560の幅ほどのスペースを確保する必要がある。
【0007】
そこで本発明は、導光板の一側面に配置したときに、配置するスペースを少なくすることが可能な線状光源装置およびフレキシブル基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の線状光源装置は、長尺状の配線基板と、前記配線基板の長手方向に沿って配列された複数の発光素子と、前記発光素子に電源を供給する配線が絶縁フィルム内に形成された基板本体を有するフレキシブル基板とを備えた線状光源装置であって、前記配線基板には、前記発光素子と導通する配線パターンが搭載面に設けられると共に、前記配線パターンと接続する電源端子が前記搭載面の反対側である背面に設けられ、前記フレキシブル基板には、前記配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが設けられ、前記配線基板の背面側と前記基板本体の一面側とを対面させて、前記電源端子に、前記接続パッドが接続されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のフレキシブル基板は、配線が絶縁フィルム内に形成された基板本体を有するフレキシブル基板において、前記基板本体から基部を残して帯状に切り離され、配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが先端部に位置した帯状部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の線状光源装置は、配線基板の背面側に、フレキシブル基板の幅ほどの配線基板のスペースを確保したり、フレキシブル配線基板に接続ピンを設けたりする必要がないので、線状光源装置の背面側にスペースを確保する必要がない。よって、導光板の一側面に配置したときに、配置するスペースを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本願の第1の発明は、長尺状の配線基板と、配線基板の長手方向に沿って配列された複数の発光素子と、発光素子に電源を供給する配線が絶縁フィルム内に形成された基板本体を有するフレキシブル基板とを備えた線状光源装置であって、配線基板には、発光素子と導通する配線パターンが搭載面に設けられると共に、配線パターンと接続する電源端子が搭載面の反対側である背面に設けられ、フレキシブル基板には、配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが設けられ、配線基板の背面側と基板本体の一面側とを対面させて、電源端子に、接続パッドが接続されていることを特徴としたものである。
【0012】
フレキシブル基板には、電源端子へ電源を供給する配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが形成されている。そして、このフレキシブル基板の基板本体の一面と、配線基板の背面とを対面させて、配線基板の電源端子に、フレキシブル基板の接続パッドを接続させることで、配線基板の背面側にフレキシブル基板の幅ほどのスペースを確保したり、フレキシブル配線基板に接続ピンを設けたりする必要がない。従って、本発明の線状光源装置の背面側に広いスペースを確保する必要がない。
【0013】
本願の第2の発明は、配線基板は、断面コ字状に形成された保持枠に保持され、保持枠には、電源端子を露出させる開口部が設けられ、フレキシブル基板には、基板本体に接続し、接続パッドが先端部に設けられた帯状部が設けられ、帯状部は、開口部を通過して配線基板の電源端子に接続されていることを特徴としたものである。
【0014】
帯状部の接続バッドが、保持枠の開口を通過して配線基板の電源端子と接続するので、配線基板を保持する保持枠を設けたとしても、背面側のスペースを広く確保することなく、フレキシブル基板を配線基板に接続することができる。
【0015】
本願の第3の発明は、帯状部は、基板本体から基部を残して帯状に切り離して形成されていることを特徴したものである。
【0016】
帯状部が、基板本体から基部を残して帯状に切り離して形成されていることで、1枚のフレキシブル基板から容易に作製することができる。
【0017】
本願の第4の発明は、配線が絶縁フィルム内に形成された基板本体を有するフレキシブル基板において、基板本体から基部を残して帯状に切り離され、配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが先端部に位置した帯状部が設けられていることを特徴としたものである。
【0018】
本発明のフレキシブル基板は、基板本体から基部を残して帯状に切り離され、先端部に配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが位置した帯状部が設けられていることで、背面側に電源端子が設けられている配線基板に確実に接続させることができる。従って、線状光源装置を導光板の一側面に配置したときに、配置するスペースを少なくすることができる。
【0019】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る線状光源装置の構成を、図1から図6に基づいて説明する。図1は線状光源装置をフレキシブル基板側から見た分解斜視図である。図2は、図1に示す線状光源装置の要部拡大図である。図3は、線状光源部を示す断面図である。図4は、図1に示すA部拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図である。図5は、図1に示すB部拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図である。図6は、図1に示すC部拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図である。
【0020】
図1に示すように、線状光源装置100は、導光板の一側面に線状光を照射する光源であり、カーナビゲーション装置や車搭載テレビに用いられる9インチ(228.6mm)用の液晶表示パネルのバックライトの光源に使用されるものである。線状光源装置100は、複数の線状光源部110と、複数の線状光源部110を収納する保持枠120と、線状光源部110と保持枠120との間に配置された伝熱シート130と、線状光源部110に電源を供給するフレキシブル基板140とを備えている。
【0021】
図2および図3に示すように、線状光源部110は、長尺状の配線基板1110に複数の発光素子1120が搭載され、発光素子1120からの光を反射する反射部1130が、発光素子1120の両側に配置されている。そして、発光素子1120を封止する樹脂封止部1140が形成されている。
【0022】
配線基板1110には、それぞれの発光素子1120が搭載されている搭載面S1に、発光素子1120がダイボンドされる配線パターン1111と、ワイヤボンドされる配線パターン1112が形成されている。この配線パターン1111,1112に、スルーホール電極1113を介して電源を供給する電源端子1114が搭載面S1とは反対側である背面S2に設けられている。
【0023】
発光素子1120は、例えば、GaN系化合物半導体を利用した青色発光のものが使用できる。本実施の形態では、発光素子1120を1個ごとに反射部1130を設けているが、2個以上ごとに反射部1130を設けるようにしてもよい。
【0024】
反射部1130は、PPA(Polyphthalamide)樹脂で形成され、発光素子1120から長手方向へ出射された光を、線状光源部110の主光出射方向Fへ反射するように傾斜面1131が形成されている。
【0025】
樹脂封止部1140は、配線基板1110を底面とし、両側に位置する反射部1130を壁面とした凹部にエポキシ系樹脂が充填されて発光素子1120を封止している。この樹脂封止部1140には、蛍光体(図示せず)が含有されている。蛍光体は、発光素子1120からの光を波長変換して補色となる色を発光するものである。本実施の形態では、発光素子1120として青色に発光するものを採用しているので、蛍光体としては黄色に波長変換するものを採用している。従って、樹脂封止部1140の表面は、発光素子1120からの青色と波長変換された黄色とが混色して白色となる。
【0026】
図1から図2、および図4から図6に示すように、保持枠120は、断面コ字状に形成され、複数の線状光源部110をそれぞれ収納して導光板200の側面に沿って直線状に配列するもので、ステンレスやアルミニウムで形成することができる。保持枠120の内側面全体には、銀メッキや白色塗料により形成した反射層1201が設けられている。保持枠120には、線状光源部110の電源端子1114を覗かせる開口1202が設けられている。この開口1202は、保持枠120の両端部では、略コ字状に形成され、それ以外では略矩形状に形成されている。
【0027】
図1に示すように伝熱シート130は、保持枠120に線状光源部110を収納するときに、その間に配置される細長いシート状部材である。伝熱シート130としては、熱伝導性シリコンシート、グラファイトシート、熱伝導ゲルシートなどを使用することができるが、グラファイトシートが600〜800W/(m・K)と、銅の2倍、アルミの3倍の高い熱伝導率を有しているので望ましい。本実施の形態では、伝熱シート130として、グラファイトシートを基材としてその表裏両面に微粘着性を有する弾性層であるシリコーンゴム層が形成されたものを採用している。
【0028】
図1に示すように、フレキシブル基板140は、外部から供給される電源とそれぞれの線状光源部110とを接続する基板である。フレキシブル基板140は、配線が絶縁フィルムであるベースフィルムとカバーフィルムとで挟むようにして形成されている。フレキシブル基板140は、保持枠120の外側面に沿って配置される基板本体1410と、電源コネクタ(図示せず)と接続するために配線1401が露出した接続部1420と、この接続部1420と基板本体1410とを接続するために、接続部1420に向かって徐々に拡幅に形成された配線部1430とが設けられている。
【0029】
図4から図6に示すように、基板本体1410には、線状光源部110に設けられた電源端子1114に導通接続するための帯状部1440が形成されている。帯状部1440は、基板本体1410から基部1441を残して帯状に切り離すことで形成されている。この帯状部1440の先端部1442には、配線1401を露出させた接続パッド1443が形成されている。接続パッド1443は、略半円状の切欠部1444が形成されていることで、略コ字状に形成されている。保持枠120の端部に位置する帯状部1440は、先端部1442が外側を向くように形成され、それ以外では互いが向き合うように形成されている。帯状部1440は、保持枠120の開口1202を通過して、配線基板1110の電源端子1114に半田付けされている。
【0030】
次に、本発明の実施の形態に係る線状光源装置が、導光板の一側面に配置されている状態を、更に図7を参照しながら説明する。図7は、図1に示す線状光源装置を用いた面発光装置を示す断面図である。
【0031】
図4から図7に示すように、線状光源装置100と導光板200とを備えた面発光装置300は、線状光源装置100が導光板200の側面S3に主光出射方向Fを向けて、金属製の下側ケース301上に配置されている。この導光板200には、下面に反射シート201が、上面に拡散シート、第1プリズムシートおよび第2プリズムシートなどの調光シート202が配置されている。調光シート202上には、液晶表示パネル220が配置されている。線状光源装置100は、導光板200の側面S3の高さに位置を合わせる台部302に搭載されている。そして、液晶表示パネル220と樹脂ホルダ303とを押さえるように上側ケース304によって収納されている。
【0032】
このようにフレキシブル基板140の基板本体1410の一面と、配線基板1110の背面と対面させて、配線基板1110の電源端子1114に、フレキシブル基板140の接続パッド1443が接続することで、配線基板1110の背面側にフレキシブル基板140の幅ほどのスペースを確保したり、フレキシブル基板140に接続ピンを設けたりする必要がない。従って、線状光源装置100の背面側にスペースを確保する必要がないので、導光板200の側面S3に配置したときに、配置するスペースを少なくすることができる。
【0033】
また、帯状部1440の接続パッド1443が、保持枠120の開口1202を通過して配線基板1110の電源端子1114と接続するので、配線基板1110を保持する保持枠120を設けたとしても、背面側のスペースを広く確保しなくても、フレキシブル基板140を配線基板1110に接続することができる。
【0034】
また、帯状部1440を、基板本体1410から基部1441を残して帯状に切り離して形成することで、1枚のフレキシブル基板から容易に作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、導光板の一側面に配置したときに、配置するスペースを少なくすることが可能なので、配線パターンが形成された長尺状の基板と、この基板に導通搭載された発光素子とを有する線状光源装置および発光素子に電源を供給するフレキシブル基板に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】線状光源装置をフレキシブル基板側から見た分解斜視図
【図2】図1に示す線状光源装置の要部拡大図
【図3】線状光源部を示す断面図
【図4】図1に示すA部拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図
【図5】図1に示すB部拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図
【図6】図1に示すC部拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図
【図7】図1に示す線状光源装置を用いた面発光装置を示す断面図
【図8】従来の線状光源装置を示す分解斜視図
【図9】従来の線状光源装置を導光板の一側面に配置した状態を示す断面図
【図10】他の従来の線状光源装置を示す図
【符号の説明】
【0037】
100 線状光源装置
110 線状光源部
120 保持枠
130 伝熱シート
140 フレキシブル基板
200 導光板
201 反射シート
202 調光シート
300 面発光装置
301 下側ケース
302 台部
303 樹脂ホルダ
304 上側ケース
500 従来の線状光源装置
510 線状光源部
511 電源ピン
512 配線基板
520 保持枠
530 従来のフレキシブル基板
540 導光板
560 他の従来のフレキシブル基板
570 配線基板
1110 配線基板
1111,1112 配線パターン
1113 スルーホール電極
1114 電源端子
1120 発光素子
1130 反射部
1131 傾斜面
1140 樹脂封止部
1201 反射層
1202 開口
1401 配線
1410 基板本体
1420 接続部
1430 配線部
1440 帯状部
1441 基部
1442 先端部
1443 接続パッド
1444 切欠部
S1 搭載面
S2 背面
S3 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の配線基板と、
前記配線基板の長手方向に沿って配列された複数の発光素子と、
前記発光素子に電源を供給する配線が絶縁フィルム内に形成された基板本体を有するフレキシブル基板とを備えた線状光源装置であって、
前記配線基板には、前記発光素子と導通する配線パターンが搭載面に設けられると共に、前記配線パターンと接続する電源端子が前記搭載面の反対側である背面に設けられ、
前記フレキシブル基板には、前記配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが設けられ、
前記配線基板の背面側と前記基板本体の一面側とを対面させて、前記電源端子に、前記接続パッドが接続されていることを特徴とする線状光源装置。
【請求項2】
前記配線基板は、断面コ字状に形成された保持枠に保持され、
前記保持枠には、前記電源端子を露出させる開口部が設けられ、
前記フレキシブル基板には、前記基板本体に接続し、前記接続パッドが先端部に設けられた帯状部が設けられ、
前記帯状部は、前記開口部を通過して前記配線基板の電源端子に接続されていることを特徴とする請求項1記載の線状光源装置。
【請求項3】
前記帯状部は、前記基板本体から基部を残して帯状に切り離して形成されていることを特徴とする請求項2記載の線状光源装置。
【請求項4】
配線が絶縁フィルム内に形成された基板本体を有するフレキシブル基板において、
前記基板本体から基部を残して帯状に切り離され、配線を絶縁フィルムから露出させた接続パッドが先端部に位置した帯状部が設けられていることを特徴とするフレキシブル基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−32479(P2009−32479A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194186(P2007−194186)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】