説明

線香に文字を印刷する方法および印刷線香の包装ユニット

【課題】線香に文字を印刷する方法を提供する。
【解決手段】横断面が角型の線香2の一側面2aに文字を印刷する方法に関する。配列される線香2同士が互いに所定の間隔離間し、かつ、各線香2が周方向に転がるのを防止する複数の凸条11が互いに平行に形成されて線香2を配列する複数の溝12が形成された方形のトレー10を予め用意し、印刷前に、複数本の線香の一側面2aが上面となるように前記各線香2を前記トレー10の溝12に互いに平行に整列して配置する工程と、前記整列配置された線香2の前記一側面2aに印刷する工程と、前記印刷後に、前記トレー10に載せたままで前記線香2を箱詰めする工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は線香に文字を印刷する方法および印刷線香の包装ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
古来より、仏教では葬儀、初七日、四十九日、初盆および各周忌ごとに故人を偲ぶ法要が行われている。また、お盆には先祖を偲ぶ法要が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−133365号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、前記法要時において、線香を焚き、故人や先祖を懇ろに供養することは大変重要な儀式である。
そこで、線香に経文などを印刷すれば供養の気持ちがより一層高まる。
一方、当業者にとっては、線香に経文などを印字することにより線香の付加価値を高めることができる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、線香に文字を印刷する方法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、線香に印刷された一側面が上面になるような印刷線香の包装ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の線香に文字を印刷する方法は、横断面が角型の線香の一側面に文字を印刷する方法であって、配列される線香同士が互いに所定の間隔離間し、かつ、各線香が周方向に転がるのを防止する複数の凸条が互いに平行に形成されて線香を配列する複数の溝が形成された方形のトレーを予め用意し、印刷前に、複数本の線香の一側面が上面となるように前記各線香を前記トレーの溝に互いに平行に整列して配置する工程と、前記整列配置された線香の前記一側面に印刷する工程と、前記印刷後に、前記トレーに載せたままで前記線香を箱詰めする工程とを備えた線香に文字を印刷する方法を提供することである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、横断面が角型の線香の一側面に文字を印刷すると共に、トレーには、各線香が周方向に転がるのを防止する複数の凸条が互いに平行に形成されているので、文字が印刷された一側面が印刷後にも上面となった状態を保つことができるから、見栄えがよい。
また、線香の一側面に経文などを印刷することにより、故人や先祖を尊び供養する気持ちがより一層高まる。
一方、当業者にとっては、線香の一側面に経文などを印刷することにより高級感が生じ、商品である線香の付加価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例にかかる印刷線香の包装ユニットを示す概略斜視図である。
【図2】同包装ユニットの包装方法を示す概略斜視図である。
【図3】同包装ユニットの包装方法を示す概略斜視図である。
【図4】同包装ユニットの包装方法を示す概略斜視図である。
【図5】図5Aは印刷線香を示す概略平面図、図5Bは線香が配置されたトレーを示す図5CにおけるIB−IB線概略縦断面図、図5Cは線香が配置された図5BにおけるIC−IC線概略横断面図である。
【図6】線香とトレーを示す概略斜視図である。
【図7】図7Aは印刷前の線香が配置されたトレーを示す概略斜視図、図7Bは印刷線香が配置されたトレーを示す概略斜視図である。
【図8】線香の印刷方法を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の印刷線香の包装ユニットとしては、横断面が角型で一側面に印刷が施された線香の包装ユニットであって、配列される線香同士が互いに所定の間隔離間し、かつ、各線香が周方向に転がるのを防止する複数の凸条が互いに平行に形成されて線香を配列する複数の溝が形成された方形のトレーと、文字が印刷された前記一側面が上面となるように前記トレーの前記各溝に互いに平行に配列され配置された複数本の線香とを包含する。
【0010】
本発明によれば、各線香の文字が印刷された一側面がそれぞれ上面となるので見栄えがよい。
また、たとえば、経文を印刷する場合には、1本の線香に経文の一行分づつを印刷することで、複数の線香にわたり経文全文を印刷することができるので、付加価値が高くなる。
【0011】
本発明の印刷線香の包装ユニットにおいて、前記トレーにおける前記線香の長手方向の両端部には、前記線香を取り出すために前記溝よりも深さの深い凹部が形成されているのが好ましい。
かかる態様によれば、前記凹部の上に位置する線香の端部を下方に向って押すことで、線香の他端部が持ち上がり、簡単に線香を取り出すことができる。
また、経文を一行づつ線香に印刷した場合には、前記印刷行の順番が変わることなく線香を取り出すことができる。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。
全体構成:
図1に示すように、蓋6(図2)を取り外した線香の包装ユニット1には、外箱4の中に複数の線香2が互いに平行に収納されている。前記線香2は、方形のトレー10の中に互いに平行に配列されている。
図5Cに示すように、前記線香2は横断面が角型に形成されており、図5Aに示すように、前記各線香2の一側面(上面)2aには、経文が一行づつ印刷され、図7Bに示すように、多数の線香2が配列され配置されることにより、経文の全文が形成されている。
【0013】
図1に示すように、前記外箱4内には、該外箱4とトレー10との間には包紙3が収納されている。
前記トレー10は外箱4内に2段に積層されており、図2〜図4は、外箱4内の線香2およびトレー10の収納状態を示す。
図2は外箱4からトレー10を取り出した状態を示す。図2に示すように、トレー10は包紙3の上に載置されている。
図3は上段のトレー10を取り外した状態を示す。図2に示すように、下段のトレー10の上には中敷5が載置されている。
図4は中敷5を取り外した状態を示す。図4に示すように、下段のトレー10内の複数の線香2にも経文が印字されている。
【0014】
包装ユニット1:
図5Bおよび図5Cに示すように、前記トレー10には複数の凸条11が一体に形成されている。
図5Cに示すように、前記凸条11は、配列される線香2同士が所定の間隔離間し、かつ、各線香2が周方向Rに転がるのを防止できる間隔に互いに平行に形成されている。前記複数の凸条11により、各線香2が互いに平行に配列される複数の溝12が形成されている。
【0015】
図5Bおよび図6に示すように、前記トレー10における線香2の長手方向Yの両端部2sには、前記溝12よりも深さの深い凹部13が形成されている。
図5Bに示すように、線香2の両端部2sを下方Z1に向って押すと、線香2の他方の両端部2sが上方Z2に立上り、線香2を取り出し易くなる。
【0016】
印刷装置:
図8に示すように、前記複数の線香2が配置されたトレー10は、たとえば、インクジェットプリンタによって線香2の一側面2aに経文が印字される。
前記プリンタのヘッド7が線香2の上方を移動することで各線香2の上面2aに経文が印字される。
なお、前記プリンタには、トレー10を載置する図示しないテーブル上に、該トレー10の端部を固定して位置決めするためのストッパ(図示せず)が設けられている。
【0017】
線香に文字を印刷する方法:
配置工程;
線香に文字を印刷するには、まず、印刷前に、図7Aに示すように、複数本の線香2の一側面2aが上面となるように各線香2をトレー10の溝12に互いに平行に整列して配置する。
【0018】
印刷工程;
前記配置後、図8に示すように、プリンタにトレー10をセットする。その後、前記プリンタに所定の操作を行うと、図7Bに示すように、前記整列配置された線香2の一側面(上面)2aに経文が印刷される。すなわち、図5Aに示す線香2の一側面2aに経文が一行づつ印刷される。
【0019】
箱詰め工程;
前記印刷後、トレー10に載せたままで線香2を箱詰めする。
すなわち、まず、外箱4の中に図4に示す包紙3を敷き、包紙3の上に下段のトレー10を外箱4内に詰める。その後、下段のトレー10の上に図3に示す中敷5を載せ、前記中敷5の上に図2に示すように上段のトレー10を外箱4内に詰める。
その後、図1に示す包紙3を線香2の上面2aを覆うように折り返した後、上蓋6(図2)を外箱4に被せる。
【0020】
なお、前記凸条は長く連なっている必要はなく、短い凸条を多数配置して溝を形成してもよい。また、線香の横断面は必ずしも四角形である必要はなく、五角形、六角形や八角形など、一側面への印字が容易で、かつ、トレーの溝内で回転しにくい多角形であってもよい。
更に、長手方向に離間した多数の凸部で凸条を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、線香に文字を印刷する方法および印刷線香の包装ユニットに適用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1:包装ユニット
2:線香
10:トレー
11:凸条
12:溝
13:凹部
Y:長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面が角型の線香の一側面に文字を印刷する方法であって、
配列される線香同士が互いに所定の間隔離間し、かつ、各線香が周方向に転がるのを防止する複数の凸条が互いに平行に形成されて線香を配列する複数の溝が形成された方形のトレーを予め用意し、
印刷前に、複数本の線香の一側面が上面となるように前記各線香を前記トレーの溝に互いに平行に整列して配置する工程と、
前記整列配置された線香の前記一側面に印刷する工程と、
前記印刷後に、前記トレーに載せたままで前記線香を箱詰めする工程とを備えた線香に文字を印刷する方法。
【請求項2】
横断面が角型で一側面に印刷が施された線香の包装ユニットであって、
配列される線香同士が互いに所定の間隔離間し、かつ、各線香が周方向に転がるのを防止する複数の凸条が互いに平行に形成されて線香を配列する複数の溝が形成された方形のトレーと、
文字が印刷された前記一側面が上面となるように前記トレーの前記各溝に互いに平行に配列され配置された複数本の線香とを包含する印刷線香の包装ユニット。
【請求項3】
請求項2において、前記トレーにおける前記線香の長手方向の両端部には、前記線香を取り出すために前記溝よりも深さの深い凹部が形成されている印刷線香の包装ユニット。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−168301(P2011−168301A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33415(P2010−33415)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(508294321)サンケイデザイン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】