説明

締付ボルト

【課題】レンチの入りにくいような狭隘な場所にも適用でき、しかも繰り返し使用をすることのできる締付ボルトを提供する。
【解決手段】この締付ボルト1は、例えば土台に植え込むとともに、機械をはめ込み、ナット2でその機械を締め付けるものであって、ボルト本体10の先端側の螺子12に対して、基端側の螺子11を逆螺子とした構成である。これにより、レンチの入りにくいような狭隘な場所には適用できるようになる。また、ボルト本体10をそのピッチの大きさが異なるナットに無理にねじ込むものでないことから、螺子山が潰されることがなくなり、繰り返し使用ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端側から基端側にかけて雄螺子が不連続的に形成されたボルト本体を備えた締付ボルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば機械を土台に固定するために、植え込みボルトなどの締付ボルトが使用されている。植え込みボルトは、先端側を土台に植え込み、基端側に機械をはめ込んでナットで締め付けるものであり、ナットの座面の圧力だけで機械を土台に固定している。
【0003】
したがって、機械が振動等するものであるとすると、ナットの座面が浮いてしまうことから、緩み止めを施工する必要がある。その最も一般的な緩み防止方法として、いわゆるダブルナットがある。
【0004】
ここでは、2つのナットを二重に締めることによりその緩みを防止することができる。また、2つのナットが噛み合うだけでなく、片側が偏心しているので軸に対して直角方向の力も働き、緩み防止が行えるようにしたものも知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1,2の技術では、上下側のナットを同時にかつ逆向きに締め付け、或いは、緩める必要がある。その際に、上側のナットを締め付け、或いは緩めるときに使用するレンチが邪魔になって、下側のナットを締め付け、或いは、緩めるレンチを使用しにくいことがある。このため、いずれもレンチの入りにくいような狭隘な場所には適用しにくい。また、ダブルナットの分だけボルトが高くなり、これによっても、狭隘な場所にさらに適用しにくいものとなる。
【0006】
そこで、例えば特許文献3では、被締付部材の挿通孔を挿通して雌ねじ部材のねじ孔に螺合する一方のねじ部と、被締付部材からの突出端部にナットを螺合する他方のねじ部が同一方向のねじ方向とされ、上記ナットを回り止め手段にて回り止めした植込みボルトの回り止め装置であって、ねじ孔に螺合する上記一方のねじ部のねじピッチを、ナットを螺合する上記他方のねじ部のねじピッチよりも小とした植込みボルトの回り止め装置が開示されている。この場合、ボルト両側でのねじピッチ差だけで回り止めを達成している、と記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献3では、ボルトをそのピッチの大きさが異なるナットに無理にねじ込むことから、螺子山が潰されてしまい、繰り返し使用ができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みたものであり、その目的とするところは、レンチの入りにくいような狭隘な場所にも適用でき、しかも繰り返し使用をすることのできる締付ボルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、先端側から基端側にかけて雄螺子が不連続的に形成されたボルト本体を備えた締付ボルトであって、ボルト本体の先端側に対して、基端側を逆螺子としたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、ボルト本体の先端側に対して、基端側を逆螺子としたので、例えば植え込みボルトとしては、先端側を土台に植え込むとともに機械をはめ込んでから、基端側に螺合させたナットで機械を締め付ける。すると、機械が振動等しても、ダブルナットの場合と同様に、螺子面間の圧力でその機械を土台に固定するので、ナットの座面が浮いてしまうことがなくなり、有効な緩み止めを施工することができる。
【0011】
しかも、ダブルナットとは異なり、上下側のナットを同時にかつ逆向きに締め付け、或いは、緩める必要がなくなる。したがって、レンチの入りにくいような狭隘な場所にも適用しやすい。また、ダブルナットと異なり、ボルト本体があまり高くならず、これによっても、狭隘な場所にさらに適用しやすいものとなる。また、ボルトをそのピッチの大きさが異なるナットに無理にねじ込むものでないことから、螺子山が潰されることがなくなり、繰り返し使用ができる。
【0012】
また、ボルト本体の先端側に対して、基端側を大径とすることが好ましい。
【0013】
この場合、ボルト本体の先端側に対して、基端側を大径としたので、ボルト本体の先端側をねじ込むときには、それにより形成される段部で、ボルト本体の基端側と先端側との雄螺子の不連続部が受け止められる。これにより、ボルト本体を無理にねじ込むおそれがなくなる。
【0014】
また、ボルト本体の先端側に対して、基端側を偏心させることが好ましい。
【0015】
この場合、ボルト本体の先端側に対して、基端側を偏心させたので、ボルト本体の先端側をねじ込むときには、それにより形成される段部で、ボルト本体の基端側と先端側との雄螺子の不連続部が受け止められる。これにより、ボルト本体を無理にねじ込むおそれがなくなる。そして、緩むときには、ボルト本体の先端側と基端側との回転方向、すべり面が別であるので、緩み止めとして働くようになる。
【0016】
また、ボルト本体の基端に該基端よりも小径の六角穴を形成することが好ましい。
【0017】
この場合、ボルト本体の基端に該基端よりも小径の六角穴を形成したので、この六角穴に六角レンチをはめ込んで、ボルト本体を容易にねじ込むことができる。
【0018】
或いは、ボルト本体の基端に該基端よりも大径の頭部を設けるとともに、該頭部に六角頭又は六角穴を形成することが好ましい。
【0019】
この場合、ボルト本体の基端に該基端よりも大径の頭部を設けるとともに、該頭部に六角頭又は六角穴を形成したので、この頭部に通常のレンチ又は六角レンチをはめ込んで、ボルト本体をねじ込み、該頭部の底面でナット上面を押さえつけることができる。これにより、ねじ込むときに、螺子開始部分、螺子山の満たない部分がある不完全な端が、螺子面間の摩擦や座面摩擦が影響しにくくなり、上面・座面の摩擦と、螺子面間の摩擦とがそれぞれ独立に働くようになる。
【0020】
また、前記頭部を縦断面が逆山字状となるようにその周縁付近を実質的に折り返して前記ボルト本体の基端側と平行に延びる受圧部を形成することが好ましい。
【0021】
この場合、前記頭部を縦断面が逆山字状となるようにその周縁付近を実質的に折り返して前記ボルト本体の基端側と平行に延びる受圧部を形成したので、ボルト本体の基端側にナット又はワッシャを螺合することにより、該ボルト本体の基端側に予圧を与えておき、ボルト締結後に、ナット又はワッシャを緩めることにより、前記予圧をボルト本体の先端側に開放することができる。これにより、ボルト軸力が管理できて便利である。
【0022】
また、ボルト本体の基端側に螺合可能な雌螺子を、一端側から他端側にかけて連続的に形成したナットを備えることが好ましい。
【0023】
この場合、ボルト本体の基端側に螺合可能な雌螺子を、一端側から他端側にかけて連続的に形成したナットを備えたので、このナットとボルト本体とだけで、ダブルナットと同様の作用効果を奏するものとなる。
【0024】
また、ナットは、ボルト本体の基端側と先端側との雄螺子の不連続部を受け止め可能な段部を、前記一端側又は前記他端側に形成することが好ましい。
【0025】
この場合、ナットは、ボルト本体の基端側と先端側との雄螺子の不連続部を受け止め可能な段部を、前記一端側又は前記他端側に形成したので、この段部で、ボルト本体の基端側と先端側との雄螺子の不連続部が受け止められる。これにより、ボルト本体を無理にねじ込むおそれがなくなる。
【0026】
或いは、ボルト本体の基端側に螺合可能な雌螺子を、一端側から他端側にかけて連続的に形成したワッシャを備えることが好ましい。
【0027】
この場合、ボルト本体の基端側に螺合可能な雌螺子を、一端側から他端側にかけて連続的に形成したワッシャを備えたので、このワッシャとボルト本体だけで、ダブルナットと同様の作用効果を奏するものとなる。
【0028】
また、ワッシャは、凹部を前記一端側又は前記他端側に形成することが好ましい。
【0029】
この場合、ワッシャは、凹部を前記一端側又は前記他端側に形成したので、不完全螺子山による影響を受けることなくなり、左螺子面、右螺子面、座面摩擦が独立に働くようになるから、座面摩擦による圧力を有効利用できるものとなる。
【0030】
また、前記ボルト本体は、先端側に雄螺子と雌螺子穴とが同軸に形成された第一ボルト本体と、基端側に前記雌螺子穴に螺合可能な雄螺子が形成された第二ボルト本体とを備えており、前記第一ボルト本体の先端側の雄螺子に対して、第二ボルト本体の基端側の雄螺子を逆螺子とすることが好ましい。
【0031】
この場合、前記ボルト本体は、先端側に雄螺子と雌螺子穴とが同軸に形成された第一ボルト本体と、基端側に前記雌螺子穴に螺合可能な雄螺子が形成された第二ボルト本体とを備えており、前記第一ボルト本体の先端側の雄螺子に対して、第二ボルト本体の基端側の雄螺子を逆螺子としたので、ワンタッチで有効な緩み止めを施工することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、ボルト本体の先端側に対して、基端側を逆螺子としたので、例えば植え込みボルトとしては、先端側を土台に植え込みむとともに機械をはめ込み、基端側にはめ込んだナットで機械を締め付ける。すると、機械が振動等しても、ダブルナットの場合と同様に、螺子面間の圧力でその機械を土台に固定するので、ナットの座面が浮いてしまうことがなくなり、有効な緩み止めを施工することができる。
【0033】
しかも、ダブルナットとは異なり、上下側のナットを同時にかつ逆向きに締め付け、或いは、緩める必要がなくなる。したがって、レンチの入りにくいような狭隘な場所にも適用しやすい。また、ダブルナットと異なり、ボルトがあまり高くならず、これによっても、狭隘な場所にさらに適用しやすいものとなる。また、ボルトをそのピッチの大きさが異なるナットに無理にねじ込むものでないことから、螺子山が潰されることがなくなり、繰り返し使用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態1に係る締付ボルトの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る締付ボルトの要素説明図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る締付ボルトの組立説明図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る締付ボルトによる据付説明図(ステップS1)である。
【図5】本発明の実施形態1に係る締付ボルトによる据付説明図(ステップS2)である。
【図6】本発明の実施形態2に係る締付ボルトの分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る締付ボルトの要素説明図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る締付ボルトの組立説明図である。
【図9】本発明の実施形態3に係る締付ボルトの説明図である。
【図10】本発明の実施形態4に係る締付ボルトの説明図である。
【図11】本発明の実施形態5に係る締付ボルトの説明図である。
【図12】本発明の実施形態6に係る締付ボルトの説明図である。
【図13】本発明の実施形態7に係る締付ボルトの説明図である。
【図14】本発明の実施形態8に係る締付ボルトの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る締付ボルト1の分解斜視図、図2は締付ボルト1の要素説明図であって、(a)はナット2の平面図、(b)はナット2の側面図、(c)は(b)のB−B線断面図、(d)はボルト本体10の側面図である。また、図3は締付ボルト1の組立説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(c)のA−A線断面図である。
【0036】
図1〜図3に示すように、本実施形態1に係る締付ボルト1は、例えば高張力鋼製のボルト本体10を有しており、このボルト本体10の先端側を土台に植え込むとともに機械をはめ込み、基端側からはめ込んだナット2でこの機械を締め付ける植え込みボルトである。そして、ボルト本体10の先端側の螺子12に対して、基端側の螺子11を逆螺子としている。例えばボルト本体の先端側はM6の右螺子、その基端側はM8の細め左螺子であり、両螺子のピッチは、いずれも1mmであるものとする。
【0037】
また、ボルト本体10の基端には、図示しない六角レンチを挿入可能な六角穴13が形成されている。ナット2の貫通孔20には、一端側から他端側にかけてボルト本体10の雄螺子11を螺合可能な雌螺子21をきっている。このナット2は、例えば合成樹脂製のものである。
【0038】
図4は本発明の実施形態1に係る締付ボルト1による据付説明図(ステップS1)、図5は本発明の実施形態1に係る締付ボルト1による据付説明図(ステップS2)である。以下、図4及び図5を参照して、この締付ボルト1の使用方法について説明する。
【0039】
いま、ナット2がボルト本体10の基端側にゆるく螺合された締付ボルト1を用意する。図4のステップS1に示すように、その締付ボルト1のボルト本体10の基端に形成された六角穴13に六角レンチ5を挿入し、この六角レンチ5を時計回り(図4中のCW方向)に回転させることで、締付ボルト1のボルト本体10の先端側を土台4の螺子穴41にねじ込むとともに機械3の貫通孔31にはめ込む。そして、図5のステップS2に示すように、ナット2の底面が機械3に触れると、ナット2を通常のレンチ6で反時計回り(図5中のCCW方向)に回転させる。すると、ナット2の雌螺子21とボルト本体10の基端側の雄螺子11とがしっかりと螺合する。このときの螺子面間の摩擦力で機械3を土台4にしっかりと固定することができる。この場合、単なる座面摩擦により機械3を土台4に固定したときよりも、強固に固定することができる。
【0040】
締付ボルト1を緩めるときは、図5において、ナット2を図示しない通常のレンチ6で時計回り(図5中のCCWと反対向き)に回転させる。すると、螺子面間の摩擦力がなくなるので、ナット2を取り外した上で機械3を取り外すことができる。そして、図4において、締付ボルト1のボルト本体10の基端に形成された六角穴13に六角レンチ5を挿入し、この六角レンチ5を反時計回り(図5中のCWと反対向き)に回転させることで、締付ボルト1のボルト本体10を土台4から簡単に取り外すことができる。
【0041】
この締付ボルト1によれば、ボルト本体10の先端側の螺子12に対して、基端側の螺子11を逆螺子としたので、例えば植え込みボルトとしては、先端側を土台4の螺子穴41に植え込むとともに機械3の貫通孔31にはめ込み、基端側からはめ込んだナット2でこの機械3を締め付けたときに、この機械3が振動等しても、ダブルナットの場合と同様に、螺子面間の圧力でその機械3を土台4にしっかりと固定できるので、ナット2の座面が浮いてしまうことがなくなり、有効な緩み止めを施工することができる。
【0042】
しかも、ダブルナットとは異なり、上下側のナットを同時にかつ逆向きに締め付け、或いは、緩める必要がなくなる。したがって、通常のレンチの入りにくいような狭隘な場所にも適用しやすい。また、ダブルナットと異なり、ボルト本体10の高さがあまり高くならず、これによっても、狭隘な場所にさらに適用しやすいものとなる。また、ボルト本体10を無理にねじ込むものでないことから、螺子山が潰されることがなくなり、繰り返し使用ができる。
【0043】
(実施形態2)
図6は本発明の実施形態2に係る締付ボルト1aの分解斜視図、図7は締付ボルト1aの要素説明図であって、(a)はナット2aの平面図、(b)はナット2aの側面図、(c)は(b)のC−C線断面図、(d)はボルト本体10aの側面図である。また、図8は締付ボルト1aの組立説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(c)のD−D線断面図である。なお、上記実施形態1と共通する要素については詳細説明を省略する。
【0044】
図6〜図8に示すように、本実施形態2に係る締付ボルト1aでは、ボルト本体10aの先端側の螺子12aの外径に対して、基端側の螺子11aの外径を大きく設定したものである。例えばボルト本体10aの先端側はM6の右螺子、その基端側はM8の細め左螺子であり、両螺子のピッチは、いずれも1mmであるものとする。かかる点では、上記実施形態1と同様である。
【0045】
ただし、本実施形態2に係る締付ボルト1aでは、上記実施形態1と異なり、ボルト本体10aの基端には、六角穴を形成しておらず、ナット2aは、その貫通孔20aの下端側(他端側)に段部22aを有している。そして、この段部22aよりも上方に、ボルト本体10aの雄螺子11aを螺合可能な雌螺子21aをきっている。
【0046】
以下、この締付ボルト1aの使用方法について説明する。
【0047】
いま、ナット2aがボルト本体10aの基端側にゆるく螺合された締付ボルト1aを用意する。その締付ボルト1aのボルト本体10aの基端側に螺合されたナット2aを図外のレンチで時計回りに回転させる。この間に、締付ボルト1aのボルト本体10aの基端側がナット2aの段部22aに引っかかるので、その基端側はナット2aから外れないようになっている。そして、ナット2aの底面が機械に触れると、ボルト本体10aの先端側の螺子12aが緩む方向への回転は、その基端側の螺子11aが緩み止めとして働くようになる。
【0048】
この実施形態2の締付ボルト1aは、原則として、緩めることが必要とされない場合に使用されるが、もし締付ボルト1aを緩めることも要求されるときには、上記実施形態1と同様に、ボルト本体10aの基端に、図示しない六角穴13aを設けておけばよい。その場合には、締付ボルト1aのボルト本体10aの基端に形成された六角穴13aに図示しない六角レンチを挿入し、この六角レンチを反時計回りに回転させ、ナット2aを図示しない通常のレンチで右側に回転させる。すると、螺子面間の摩擦力がなくなるので、ナット2aを取り外した上で、機械を取り外すことができる。そして、締付ボルト1aのボルト本体10aの基端に形成された六角穴13aに図示しない六角レンチを挿入し、この六角レンチを反時計回りに回転させることで、締付ボルト1aのボルト本体10aを土台から簡単に取り外すことができる。
【0049】
(実施形態3)
図9は本発明の実施形態3に係る締付ボルト1bの説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(c)のE−E線断面図である。なお、上記実施形態1,2と共通する要素については詳細説明を省略する。
【0050】
図9に示すように、本実施形態3に係る締付ボルト1bでは、ボルト本体10bの先端側の螺子12bに対して、基端側の螺子11bを若干偏心(オフセット)させたものである。例えばボルト本体10bは、M6の右螺子、その基端はM8の細め左螺子であり、両螺子のピッチは、いずれも1mmであるものとする。ここでは、両螺子の径差を利用して0.5mmだけ中心をオフセットさせている。
【0051】
また、上記実施形態2と同様、ボルト本体10bの基端には、六角穴を形成しておらず、ナット2bは、その貫通孔20bに段部22bを有している。そして、この段部22bよりも上方に、ボルト本体10bの基端側の雄螺子11bを螺合可能な雌螺子21bをきっている。
【0052】
以下、この締付ボルト1bの使用方法について説明する。
【0053】
まず、ナット2bがボルト本体10bの基端側にゆるく螺合された締付ボルト1bを用意する。その締付ボルト1bのボルト本体10bの基端側に螺合されたナット2bを図示しない通常のレンチで時計回りに回転させる。この間に、締付ボルト1bのボルト本体10bの基端側がナット2bの段部22bに引っかかるので、その基端側はナット2bから外れないようになっている。そして、ナット2bの底面が機械に触れると、ボルト本体10bの先端側の左螺子12bが緩む方向への回転は、その基端側の右螺子11bが緩み止めとして働くようになる。
【0054】
この実施形態3の締付ボルト1bは、上記実施形態2と同様に、緩めることが必要とされない場合に使用されるが、もし締付ボルト1bを緩めることも要求されるときには、上記実施形態1と同様に、ボルト本体10bの基端に図示しない六角穴13bを形成しておけばよい。その場合には、締付ボルト1bのボルト本体10bの基端に形成された六角穴13bに図示しない六角レンチを挿入し、この六角レンチを反時計回りに回転させ、ナット2bを図示しない通常のレンチで時計回りに回転させる。すると、螺子面間の摩擦力がなくなるので、ナット2bを取り外した上で、機械を取り外すことができる。そして、締付ボルト1bのボルト本体10bの基端に形成された六角穴13bに図示しない六角レンチを挿入し、この六角レンチを反時計回りに回転させることで、締付ボルト1bのボルト本体10bを土台から簡単に取り外すことができる。
【0055】
(実施形態4)
図10は本発明の実施形態4に係る締付ボルト1cの説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(c)のF−F線断面図である。なお、上記実施形態1〜3と共通する要素については詳細説明を省略する。
【0056】
図10に示すように、本実施形態4に係る締付ボルト1cでは、上記実施形態1と同様に、ボルト本体10cの先端側の螺子12cに対して、基端側の螺子11cを逆螺子としている。例えばボルト本体10cの先端側はM6の右螺子、その基端側はM8の細め左螺子であり、両螺子のピッチは、いずれも1mmであるものとする。ただし、逆螺子であればよいので、例えばボルト本体の先端側をM6の右螺子、基端側をM6の細め左螺子であってもよく、その場合は、基端側を通常の左螺子で構成できるので、便利である。
【0057】
後述する実施形態5〜7等のようにボルト本体の基端側が大きい場合には、先端側からしか逆螺子ナットを組みつけられないので、左螺子は先端側と螺子の山谷以上径差が無いと組み立てられない。その場合には、ナットを分割構造とか、焼き嵌めのように熱膨張させるとか、雄螺子に焼きいれておいて、目無しナット(ただの筒状)を入れておき、それに雄螺子を利用してナットのねじ山を転造して熱処理するなどすればよい。
【0058】
これに対して、本実施形態4及び上記実施形態1〜3であれば、ボルト本体の基端側が同径であっても、また小径であっても基端側から逆螺子ナットを挿入できる。この場合、強度は不安になるが、ローレットのクロスハッチの様に左右螺子を刻めば、同径同M寸のピッチ違いでも製造、組み立て可能となる。
【0059】
ところで、本実施形態4の締付ボルト1cのボルト本体10cの基端には、上記実施形態1の六角穴13に代えて、頭部としての六角頭13cを形成している。そして、本実施形態4に係る締付ボルト1cでは、この六角頭13cでナット2cの上面に与圧をかけるようになっている。すなわち、この締付ボルト1cは、押えボルトとして機能するものである。なお、頭部を六角頭13cで形成する代わりに、該頭部に六角穴等を形成してもよい。すなわち、Dカットや二面カット、プラス溝、マイナス溝などボルト頭として利用できる形状であれば凹凸問わず利用できる。以下、同じである。
【0060】
以下、この締付ボルト1cの使用方法について説明する。
【0061】
いま、ナット2cがボルト本体10cの基端側にゆるく螺合された締付ボルト1cを用意する。その締付ボルト1cのボルト本体10cの基端に形成された六角頭13cに図示しない通常のレンチを挿入し、このレンチを時計回りに回転させることで、締付ボルト1cのボルト本体10cの先端側を土台にねじ込むとともに、機械をはめ込む。そして、ナット2cの底面が機械に触れると、ナット2cをさらに通常のレンチで反時計回りに回転させる。すると、螺子面間の摩擦力で機械を土台にしっかりと固定することができる。この場合、単なる座面摩擦により機械を土台に固定したときよりも強固に固定することができる。
【0062】
締付ボルト1cを緩めるときは、ナット2cを図示しない通常のレンチで時計回りに回転させる。すると、螺子面間の摩擦力がなくなる。そして、締付ボルト1cのボルト本体10cの基端に形成された六角頭13cにさらに図示しない六角レンチを挿入し、この六角レンチを反時計回りに回転させることで、締付ボルト1cのボルト本体10cを機械とともに土台とから簡単に取り外すことができる。
【0063】
この締付ボルト1cによれば、上記実施形態1と同様の効果に加えて、六角頭13cでナット2cの上面に与圧をかける。これにより、ねじ込むときに、螺子開始部分、螺子山の満たない部分がある不完全な端が、螺子面間の摩擦や座面摩擦が影響しにくくなり、上面・座面の摩擦と、螺子面間の摩擦とがそれぞれ独立に働くようになる。そして、機械を土台に強固に固定することができる。
【0064】
(実施形態5)
図11は本発明の実施形態5に係る締付ボルト1dの説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(c)のG−G線断面図である。なお、上記実施形態1〜4と共通する要素については詳細説明を省略する。
【0065】
図11に示すように、本実施形態5の締付ボルト1dでは、上記実施形態4のナット2cに代えて、ワッシャ2dを備えている。そして、この締付ボルト1dでは、六角頭13dでワッシャ2dの上面に与圧をかけるようになっている。
【0066】
以下、この締付ボルト1dの使用方法について説明する。
【0067】
いま、ワッシャ2dがボルト本体10dの基端側にゆるく螺合された締付ボルト1dを用意する。その締付ボルト1dの基端に形成された六角頭13dに図示しない通常のレンチを挿入し、このレンチを時計回りに回転させることで、締付ボルト1dのボルト本体10dの先端側を土台にねじ込むとともに機械をはめ込む。そして、ワッシャ2dの底面がその機械に触れると、六角頭13dをさらに図示しない通常のレンチで時計回りに回転させる。すると、ワッシャ2dとボルト本体10dの基端側の螺子面間の摩擦力で機械を土台に固定することができる。この場合、ボルト本体10dの基端に形成された六角頭13dでワッシャ2dの上面に与圧をかけることにより、機械を土台に強固に固定することができる。
【0068】
緩めるときは、締付ボルト1dのボルト本体10dの基端に形成された六角頭13dに図示しない通常のレンチを挿入し、このレンチを反時計回りに回転させることで、締付ボルト1dのボルト本体10dを機械とともに土台から簡単に取り外すことができる。
【0069】
この締付ボルト1dによれば、上記実施形態1と同様の効果に加えて、ボルト本体10dの基端に形成された六角頭13dでワッシャ2dの上面に与圧をかける。これにより、ねじ込むときに、螺子開始部分、螺子山の満たない部分がある不完全な端が、螺子面間の摩擦や座面摩擦が影響しにくくなり、上面・座面の摩擦と、螺子面間の摩擦とがそれぞれ独立に働くようになる。そして、機械を土台に強固に固定することができる。
【0070】
(実施形態6)
図12は本発明の実施形態6に係る締付ボルト1eの説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(c)のH−H線断面図である。なお、上記実施形態1〜5と共通する要素については詳細説明を省略する。
【0071】
図12に示すように、実施形態6の締付ボルト1eでは、上記実施形態5のワッシャ2dに代えて、凹部22e付きのワッシャ2eを設けている。そして、本実施形態6に係る締付ボルト1eでは、六角頭13eでワッシャ2eの上面に与圧をかけるようになっている。
【0072】
以下、この締付ボルト1eの使用方法について説明する。
【0073】
まず、ワッシャ2eがボルト本体10eの基端側にゆるく螺合された締付ボルト1eを用意する。その締付ボルト1eのボルト本体10eの基端に形成された六角頭13eに図示しない通常のレンチを挿入し、このレンチを時計回りに回転させることで、締付ボルト1eのボルト本体10eの先端側を土台にねじ込むとともに、機械をはめ込む。そして、ワッシャ2eの底面がその機械に触れると、六角頭13eをさらにレンチで時計回りに回転させることにより、六角頭13eでワッシャ2eの上面に与圧をかける。これにより、ねじ込むときに、螺子開始部分、螺子山の満たない部分がある不完全な端が、螺子面間の摩擦や座面摩擦が影響しにくくなり、上面・座面の摩擦と、螺子面間の摩擦とがそれぞれ独立に働くようになる。そして、機械を土台に強固に固定することができる。
【0074】
緩めるときは、締付ボルト1eのボルト本体10eの基端に形成された六角頭13eに図示しない通常のレンチを挿入し、このレンチを反時計回りに回転させることで、締付ボルト1eのボルト本体10eの先端側を機械とともに土台とから簡単に取り外すことができる。
【0075】
この締付ボルト1eによれば、上記実施形態1と同様の効果に加えて、ボルト本体10eの基端に形成された六角頭13eでワッシャ2eの上面に与圧をかける。これにより、ねじ込むときに、螺子開始部分、螺子山の満たない部分がある不完全な端が、螺子面間の摩擦や座面摩擦が影響しにくくなり、上面・座面の摩擦と、螺子面間の摩擦とがそれぞれ独立に働くようになる。そして、機械を土台に強固に固定することができる。
【0076】
(実施形態7)
図13は本発明の実施形態7に係る締付ボルト1fの説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(c)のI−I線断面図である。なお、上記実施形態1〜6と共通する要素については詳細説明を省略する。
【0077】
図13に示すように、実施形態7の締付ボルト1fでは、六角頭13fを縦断面が逆山字状となるようにその周縁付近を実質的に折り返してボルト本体10fの基端側11fと平行に延びる受圧部14fを形成している。そして、本実施形態7に係る締付ボルト1fでは、ボルト本体10fの基端側11fにワッシャ2fを螺合することにより、該ボルト本体10fの基端側11fに予圧を与えておき、ボルト締結後に、ワッシャ2fを若干緩めることにより、前記予圧をボルト本体10fの先端側12fに開放することができるようになっている。なお、ワッシャ2fに代えて、ナットを螺合することとしてもよい。
【0078】
ところで、従来のボルトは締めると座面摩擦が増加するが、この座面摩擦の増加とともに、ボルトを締め込み続けることが困難となる。締結力の内訳は座面摩擦50%、螺子面摩擦40%、軸力10%くらいである。そして、ボルト本体10fの先端側の雄螺子12fに対して基端側の雄螺子11fが逆螺子(以下、まとめて左右螺子ということがある。)であれば、先にボルトに取り付けた逆螺子のワッシャに対し、締結相手と触れた面を動かすことなく締め込みが可能である(座面に緩み止め加工、食い込むほどの摩擦を増す凹凸形状にしても座面が擦れないので締付抵抗にはならない)。ワッシャやボルトの頭と、締結相手と座面が擦れながら締め込む従来のボルトに対し、本実施形態7の締付ボルト1fでは、螺子面が擦れるだけで座面は触れたまま螺子面摩擦で締結することができるようにしたものである。
【0079】
また、座面摩擦は緩み始めると締結力に寄与しなくなるので、軸力を主眼としたボルトのほうが締結力が大きい。また、座面摩擦によらない安定した締結、主に軸力で締結するように螺子山や座面に塗る潤滑油脂類がある。しかし、潤滑油脂類を塗って、摩擦のバラつきを減らせたとしても、効果的に過不足なく潤滑油脂類を塗ることは困難である。
【0080】
この点、本実施形態7の締付ボルト1fの左右螺子であれば、ボルト本体10fの基端側の雄螺子11fと逆螺子のワッシャ2fの製造時の組み付けによって適当な軸力を与えておくことができる。これにより、圧力面、ボルト頭座面、に応力を発生させておく。その状態で、締結相手に締め込み、座面が触れた時点でボルトを固定し、ボルトと離れるまで逆螺子のワッシャ2fを回せば、内包されていた軸力分の応力を、逆螺子のワッシャ2f、締結相手内のボルト本体10fの先端側12fにかけることができる。
【0081】
すなわち、製造段階で、ボルト本体10fと逆螺子のワッシャ2fとの組み付け精度を管理し、軸力、予圧を一定にしておけば、締結相手に触れるまで締め込み、ボルトを固定し、逆螺子のワッシャが離れるまで回せば、予圧相当分だけ締結相手に逆螺子のワッシャ2fがめり込む状態にある。
【0082】
細かくは、逆螺子のワッシャ2fの強度やボルト本体10fの頭形状、締結相手の強度によって軸力は変化する。しかし、製造時の予圧相当分を現場は目視で軸力として与えることができるので管理しやすい。このように、本実施形態7の締付ボルト1fでは、目視で確認しにくい軸力でのボルト締結を可能にする。従来のいわゆるトルク法や角度法では、ゴミや表面粗さで摩擦力が変化し、軸力が不透明になりがちである。これに対して、本実施形態7の締付ボルト1fでは、製造時の精度に左右されるものの、軸力を一定に締結することができるので便利である。
【0083】
(実施形態8)
図14は本発明の実施形態8に係る締付ボルト1gの説明図であって、(a)は斜視図、(b)はボルト本体15gとワッシャ2gとの斜視図、(c)は側面図、(d)は(c)のJ−J線断面図である。なお、上記実施形態1〜7と共通する要素については詳細説明を省略する。
【0084】
図14に示すように、実施形態8の締付ボルト1gでは、そのボルト本体は、先端側に雄螺子16gと雌螺子穴17gとが同軸に形成された袋ナット状のボルト本体(第一ボルト本体に相当する。)15gと、基端側に前記雌螺子穴17gに螺合可能な雄螺子11gが形成された寸切りボルト状のボルト本体(第二ボルト本体に相当する。)10gとを備えており、ボルト本体15gの先端側の雄螺子16gに対して、ボルト本体10gの基端側の雄螺子11gを逆螺子としている。
【0085】
すなわち、本実施形態8の締付ボルト1gは、構成部品の1つを回すだけで簡単にロック効果が得られる左右螺子の効果を生かすものであって、ボルト本体15gとボルト本体10gとの外側に左螺子を設けるとともに、左螺子のワッシャ(左螺子のナットでもよい。)2gを設けた構成であって、ボルト本体15gを締めると、ロックできるようになっている。
【0086】
また、本実施形態8の締付ボルト1gでは、その製造時に、ボルト本体15gとボルト本体10gとが一体化しないように、ボルト本体15gの雌螺子穴17g内にナイロン樹脂やバネなどで変形するものを充填しておき、ロック時にそれを潰すようになっている。なお、ボルト本体15gの雌螺子穴17g内にナイロン樹脂やバネなどを充填しなくても、ボルト本体10gの基端側の雄螺子のピッチを細かくしておくなどしてもよく、或いは、ボルト本体15gの雌螺子穴17g内を変形しやすい形状、例えばテーパーにしておくこととしてもよい。
【0087】
本実施形態8の締付ボルト1gでは、締めるボルト本体15gが締結相手に触れないので、座面摩擦の影響が少なく、その締結後には緩みにくいものとなる。また、ボルト本体10gと左螺子のワッシャ2gとは市販品を使用できるので、安価となる。また、ボルト本体15gは袋ナットに左螺子を切るだけで製造可能である。また、ボルト本体15gに螺合させるボルト本体10gも、突き当たりスタッドボルト相当の効果が得られるので緩みにくいものとなる。また、ボルト本体15gの中で、ボルト本体10gが突き当たるようにしておくか、或いは、ボルト本体10gをテーパーにしておけば、締め込むときの変形でもって、その螺子面摩擦を増やす効果がある。なお、ボルト本体15gの六角頭19gを小さくして左螺子部をテーパーにするか、或いは、ボルト本体10gの基端側をテーパーにするか、或いは、その両方をテーパーにするかいずれでもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施形態8の締付ボルト1gでは、そのボルト本体は、先端側に雄螺子16gと雌螺子穴17gとが同軸に形成されたボルト本体15gと、基端側に前記雌螺子穴17gに螺合可能な雄螺子11gが形成されたボルト本体10gとを備えており、ボルト本体15gの先端側の雄螺子16gに対して、ボルト本体10gの基端側の雄螺子11gを逆螺子としているので、両ボルトを一体化した状態では、先端側から基端側にかけて雄螺子が不連続的に形成されたボルト本体を備えた締付ボルトであるといえる。また、ボルト本体10gは、寸切りボルトに限定されず、通常のボルトの相手としてのワッシャ(又はナット)に、基端は六角のまま基端は六角のまま先端外側に左螺子山を切って、左螺子のワッシャ等を重ねれば、ロック可能なワッシャ等ができる(本実施形態8の締付ボルト1gのボルト本体15gでは、右螺子をロック可能な穴あき左螺子ボルトとしている)。
【0089】
なお、上記実施形態1では、ボルト本体10の先端側は、M6の右螺子、その基端側はM8の細め左螺子であり、両螺子のピッチは、いずれも1mmであるものとしているが、逆螺子であればよいので、例えばボルト本体の先端側をM6の右螺子、その基端側をM6の細め左螺子であってもよく、その場合は、基端側を通常の左螺子で構成できるので、便利である。
【0090】
また、上記実施形態6では、通常のワッシャに螺子をきったものを使用しているが、螺子の緩み方向の回転で座面摩擦を高める効果がでれば、逆螺子相当のリードのテーパー螺子、リード付きワッシャであってもよい。
【符号の説明】
【0091】
1,1a〜1g 締付ボルト
10,10a〜10f ボルト本体
10g ボルト本体(第二ボルト本体に相当する。)
15g ボルト本体(第一ボルト本体に相当する。)
11,11a〜11g 基端側の雄螺子
12,12a〜12g 先端側の雄螺子
13 六角孔
13c〜13g 六角頭(頭部に相当する。)
14f 受圧部
16g 雄螺子
17g 穴
18g 雌螺子
19g 六角頭(頭部に相当する。)
2,2a〜2c ナット
2d,2e〜2g ワッシャ
20,20a〜20g 貫通孔
21,21a〜21g 雌螺子
22a,22b 段部
22e,22f 凹部
3 機械
31 貫通孔
4 土台
41 螺子穴
5 六角レンチ
6 通常のレンチ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開平9−280239号公報
【特許文献2】特開2002−89533号公報
【特許文献3】実開平6−80018号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側から基端側にかけて雄螺子が不連続的に形成されたボルト本体を備えた締付ボルトであって、ボルト本体の先端側に対して、基端側を逆螺子としたことを特徴とする締付ボルト。
【請求項2】
ボルト本体の先端側に対して、基端側を大径としたことを特徴とする請求項1記載の締付ボルト。
【請求項3】
ボルト本体の先端側に対して、基端側を偏心させたことを特徴とする請求項1又は2記載の締付ボルト
【請求項4】
ボルト本体の基端に該基端よりも小径の六角穴を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の締付ボルト。
【請求項5】
ボルト本体の基端に該基端よりも大径の頭部を設けるとともに、該頭部に六角頭又は六角穴を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の締付ボルト。
【請求項6】
前記頭部を縦断面が逆山字状となるようにその周縁付近を実質的に折り返して前記ボルト本体の基端側と平行に延びる受圧部を形成したことを特徴とする請求項5記載の締付ボルト。
【請求項7】
ボルト本体の基端側に螺合可能な雌螺子を、一端側から他端側にかけて連続的に形成したナットを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の締付ボルト。
【請求項8】
ナットは、ボルト本体の基端側と先端側との雄螺子の不連続部を受け止め可能な段部を、前記一端側又は前記他端側に形成したことを特徴とする請求項7記載の締付ボルト。
【請求項9】
ボルト本体の基端側に螺合可能な雌螺子を、一端側から他端側にかけて連続的に形成したワッシャを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の締付ボルト。
【請求項10】
ワッシャは、凹部を前記一端側又は前記他端側に形成したことを特徴とする請求項9記載の締付ボルト。
【請求項11】
前記ボルト本体は、先端側に雄螺子と雌螺子穴とが同軸に形成された第一ボルト本体と、基端側に前記雌螺子穴に螺合可能な雄螺子が形成された第二ボルト本体とを備えており、前記第一ボルト本体の先端側の雄螺子に対して、第二ボルト本体の基端側の雄螺子を逆螺子としたことを特徴とする請求項1記載の締付ボルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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