説明

緩和または治療剤を供給する組成物及び方法

【課題】治療用の化合物において、従来の固体、クリーム、ゲル、または液体組成物の塗布による不都合を被ることなく、銅、亜鉛、またはその両方の治療上の利点を付与した治療用の化合物を用い、罹患した生体組織へ投薬及び処置する手段を提供する。
【解決手段】本発明は、7.0から8.0のpHをもち、クエン酸モノ銅(II)二ナトリウム二水和物またはクエン酸モノ亜鉛(II)二ナトリウム二水和物のような水和したジアルカリモノ金属錯体と、10%以下の濃度のラウリル硫酸トリエタノールアミンとを含む、罹患した生体組織の投薬または処置のための緩和または治療用発泡体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な典型的実施形態は、一般的に、哺乳類の罹患した生体組織を緩和または処置するための組成物及び該組成物の使用方法に関する。特に、本発明の様々な典型的実施形態は、一つ以上の治療剤と、生理学的pH範囲の発泡剤とを含む、損傷または罹患した生体組織を処置するための方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症は、組織傷害や細胞の破壊に対する局所的且つ保護的な反応である。炎症反応をなす厳密な要素は損傷部位、身体の状態、及び細菌や外傷といった傷害要因によって異なる。しかしながら、炎症反応が正常に機能しなくなる、ないしは損なわれると、対応する組織が、さらなる傷害及び細胞破壊を促す退行変性過程へ進んでしまうことがある。それゆえ、炎症反応が、正常な組織機能を促進および回復させるために必要とされる多面的な過程を具現していることは明らかである。炎症反応は一般的に様々な刺激と類似しているため、比較的非特異な反応としてみなされ、扱われることがある。
【0003】
現在、通常の抗炎症療法には、加熱、運動、耐性に対するサリチル酸、インドメタシンまたはフェニルブタゾン、並びに経口及び関節内ステロイドの適用が含まれる。しかしながら、前記の抗炎症プロトコルは、大抵一時的な方法で炎症過程の一部の要素を抑制する手段でしかないため、決して最善であるとはいえない。言い換えれば、それは組織修復を促進する、または変性の原因を軽減するというよりも、症状を処置するものである。
【0004】
現在のところ、銅のような金属を用いて組織の炎症を処置する方法が知られている。例えば、古代エジプト以来、銅が肉芽腫性の炎症の治療に適用されてきたことが確認されている。例えば、ブレスレットのような皮膚と接触して着用された銅製の宝飾品類からの銅の溶出が、治療的な抗炎症効果を有していた形跡が明らかになっている。他の調査では、ラットの皮下へ埋め込まれた銅が、抗炎症作用を示したことが明らかにされている。さらなる事例として、中性ビス(グリシン)銅(II)錯体を浸み込ませたネコの皮膚により、溶解銅が皮膚を透過することが立証されている。さらに、いくつかの経口及び非経口銅錯体が、炎症または関節炎の処置において多少なりとも成功裏に使用されている。そして、経皮的に適用する銅錯体が、薬学的な活性をもつ抗炎症剤として承認されている。
【0005】
いかにも、銅は、様々な従来技術の取り組みにおいて、炎症の要因を軽減し、組織修復を促進する直接的な手段として使用されてきた。そのことにより、炎症領域への銅の送達を最大限にするために改良された銅組成物及び剤形がいくつかもたらされている。このような銅の送達システムの例として、非経口(皮下、血管内、あるいは筋肉注射)、経口、外用、または挿入が挙げられる。銅の非経口送達は苦痛を伴い、不便であり、医師の存在を必要とし、また注射箇所にさらなる炎症を引き起こすことがある。一方、経口送達では、胃上皮によって銅が吸収されにくいため、抗炎症作用が低減してしまうことが度々ある。そして、銅の外用送達は、例えば、関節炎のような炎症の投薬治療において、投薬法を選択する場合によく用いられる。このような外用の剤形での投与は、それらのもつ独特且つ有利な特性から、明らかに好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外用の剤形についての知名度にかかわらず、過去現在における多くの外用の銅錯体は、銅を用いて炎症または関節炎を効果的且つ簡便に処置する手段としての期待を果たしていない。例えば、皮膚のようなタンパク質性の膜へ金属塩を塗布すると、膜成分への銅イオンの付着が起こり、銅タンパクまたは塩が形成される。すなわち、可溶化、イオン化状態の銅が、例えば関節炎領域といった標的となる炎症に導入されることはほとんどない。さらに、銅塩は皮膚に対して腐食性を有し、場合によって患者へ様々なタイプの溶解作用を負わせることがある。この好ましくない特性を克服するため、銅イオンを配位子またはキラント(chelant)と錯化させて、金属錯体を形成させる。すなわち、銅を膜成分との結合から遮蔽する。このような外用の錯体の例として、銅−アミン錯体および銅−EDTAが挙げられる。残念なことに、これらの錯体には、その実用を妨げる好ましくない特性がある。
【0007】
本発明と同じ発明者による米国特許第4,680,309号において、組織の炎症は、アルファまたはベータ−ヒドロキシポリカルボン酸のジアルカリ金属モノ重金属キレートからなる金属錯体の運搬により軽減されるものと考えられた。投与された金属錯体の例は、クエン酸モノ銅(II)ジアルカリ金属塩である。
【0008】
亜鉛イオンは抗ウイルス作用を有することがよく知られている。例えば、酢酸亜鉛として知られる塩は、ウイルスに対して非常に高い毒性を示すため、抗ウイルス組成物を評価する際の対照物質として用いられる。しかしながら、このような亜鉛塩には、自身を治療薬として使用できなくさせる特有の不利点が二つある。特に、亜鉛塩は正常細胞に対して非常に毒性が高く、また非常に酸性度が高い。このことが亜鉛塩を皮膚、ましてや粘膜へ塗布することを不適にしている。さらに、非常に酸性寄りであるため、約5周辺のpHで、酢酸亜鉛の亜鉛は抗ウイルス作用をほとんど有さない不溶性の酸化亜鉛に変換されてしまう。
【0009】
そこで、従来の化合物の固体、クリーム、ゲル、または液体塗布による不都合を被ることなく、銅、亜鉛、またはその両方の治療上の利点を備えた治療用化合物を用いて、罹患した生体組織へ投薬及び処置する手段が求められている。また、治療用化合物中の銅、亜鉛、またはその両方の濃度を減少させることも求められるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の様々な典型的実施形態は、罹患した生体組織の処置または投薬のための、緩和または治療用発泡体を含むものである。前記発泡体は、一つ以上の治療剤と、生理学的なpH範囲の気泡剤とから構成される。
【0011】
さらに、本発明の様々な典型的実施形態は、発泡体ディスペンサーから緩和または治療用発泡体を供給する段階と、罹患した生体組織に対して緩和または治療用発泡体を適用する段階とを含む、罹患した生体組織の治療または投薬のための方法を含むものである。前記緩和または治療用発泡体は、約7.0から約8.0未満のpHである。前記発泡体は、水和したポリカルボン酸ジアルカリモノ金属錯体と、約10%以下の濃度のラウリル硫酸トリエタノールアミン(TEA−LS)とからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の様々な典型的実施形態は、問題のある組織条件によって罹患した生体組織に対して緩和または治療剤を適用するための組成物及び方法を含むものである。本発明の様々な典型的実施形態は、一部の問題のある組織条件の処置において未実現の効用を示した。特に、緩和剤、治療剤、またはその組み合わせを液系中に分散し、その後に罹患した生体組織域へ発泡体の形で供給することにより、同じ薬剤が液体形態において必要とされる量よりも少量の薬剤の適用で、望ましい緩和または治療効果が得られることが非常に思いがけず見出された。
【0013】
さらに付加的な利点として、本発明の典型的な実施形態に基づく組成物及び方法の使用時に、不快感、痛み、またはその両方を伴う罹患した生体組織の炎症が驚くほど軽減されることが見出された。
【0014】
本発明の典型的な実施形態に基づく組成物及び方法には、さらなる利点がある。特に、発泡体自体が高いエネルギー準位にある、本発明の典型的な実施形態による薬剤の物理的形状においては、罹患した生体組織に対する同じ薬剤の固体状または液状塗布と対照的に、薬剤が微粉化された極小形態で放出されることが見出された。
【0015】
本発明の典型的な実施形態による組成物及び方法の新規的、予想外且つ実用的な利点は、特に口腔内での使用に適用できること、及び、火傷被害者の皮膚、またはある種のがん治療に関係する放射線治療による粘膜炎のような化学作用、熱、またはその他放射線によるタイプの損傷組織に適用できることにある。
【0016】
本発明の様々な典型的実施形態は、罹患した生体組織の処置または投薬のための、緩和または治療用発泡体を含むものである。この発泡体は、一つ以上の治療剤と、生理学的pH範囲にある発泡剤とを含む。
【0017】
好適な典型的実施形態において、前記発泡剤はラウリル硫酸トリエタノールアミン(TEA−LS)である。TEA−LSは、緩和または治療用発泡体において、約10%の濃度であることが好ましい。
【0018】
様々な典型的実施形態において、前記治療剤は、金属−錯化剤のモル比が1:1である、水和したポリカルボン酸ジアルカリモノ金属塩を含むことが好ましい。
【0019】
金属−錯化剤は、金属と配位子の比が1:1である多価金属及び多官能性有機配位子であり、pM−pH図上にS字曲線で表されるような解離特性をもつ。金属錯体の具体例としては、クエン酸モノ銅(II)二ナトリウム、〜二カリウム、または〜二リチウムで表されるようなクエン酸モノ銅(II)のジアルカリ金属塩がある。これらのクエン酸モノ銅(II)ジアルカリ金属塩は、2方向の曲線がpH約7から約9の範囲内で交わるS字曲線で表されるような解離特性を有する。これらのモノ銅(II)錯体は、pHが約9から約12程度の塩基性媒体中において非常に安定する、すなわち、有効安定度定数であるKeffを、おおよそ約1012から約1013の範囲で有することが確認されている。しかしながら、これらのクエン酸モノ銅(II)錯体のpH約7〜9におけるKeffは、約10から約1012程度である。したがって、pH約7におけるクエン酸モノ銅(II)錯体の有効安定度定数はかなり低く(1000倍から数10万倍低い)、顕著な遊離Cu++濃度は抗炎症に有効である。例えば、pH9または約9では錯体中の銅の0.1%がイオン化状態となるが、pH7または約7では約10%の銅がイオン化状態となる。
【0020】
つまり、本発明の抗炎症錯体はpHに対する感受性が高いと考えられ、pHが約7に低下するかもしくは7より低くなるにつれて、銅イオンがより多量に得られるようになる。組織が無傷、すなわち外傷のない健康な状態である場合、銅イオンの解離を誘発する内因性の反応成分の遊離はほとんどない。炎症による外傷がある場合、銅イオンの解離および前記の外傷に関連する内因性の反応成分との錯体化が誘導され、それによって炎症は軽減ないし緩和される。一般に、前記錯体は約3から約12のpH範囲で解離する傾向がある。pHが約12を超えると、前記錯体はアルカリ性媒質によって損なわれやすくなり、水和金属酸化物として媒質から沈殿する。pHが約7より低いと、金属錯体の不安定性が、必要に応じ、抗炎症作用を示すことを説明した遊離Cu++の高濃度化をもたらす。約7という病理的pH値において、皮膚の下へ制御放出することが最も効果的である。前記錯体は、典型的な投与の際、組織の通過に適した約6.5から約9のpHをもつ組成物とし、炎症活性に関連する内因性の反応成分の存在状態で金属イオンの制御放出をもたらすように媒体中へ分散させることが好ましい。
【0021】
この記載及び現下での好適な実施形態において、多官能性有機配位子のその他の金属錯体が、標準的なpM−pH図上におけるS字曲線で特徴付けられる解離特性を示す場合、それらが本発明のモデルに相当することは明らかであろう。例えば、本発明のモノ金属−多官能性有機配位子錯体に基づき、一価または多価性の他の金属イオン、特に亜鉛、ニッケル、クロム、ビスマス、水銀、銀、コバルト及びその他の類似する金属または重金属カチオンを含む二価及び多価カチオンが使用され得る。本発明の好適な実施形態によって特に例示されるクエン酸に代え、他の多官能性有機配位子を用いることができる。他の多官能性有機配位子としては、幅広い種類のアルファまたはベータ−ヒドロキシポリカルボン酸が含まれ、クエン酸もここに分類される。また、本発明の金属錯体の分子モデルにおいて、アルファまたはベータアミノ、スルフヒドロ、ホスフィノール等のような他の官能基で置換された酸を代用し、同様の結果を達成することもできる。
【0022】
1:1ジアルカリモノ金属多官能性有機配位子キレート類において、特に望ましい金属錯体の一つは、CAS登録番号65330−59−8のクエン酸モノ銅(II)二ナトリウム二水和物(disodium monocopper(II) citrate dihydrate)である。この物質はMCCTMの商品名で、オハイオ州シンシナティのナショナル リサーチ ラボラトリーズ社によって販売されている。
【0023】
上記及び従来技術に記載のように、MCC及び類似化合物といった化合物の単独での使用が、抗菌剤を含む多種多様な用途に及び得ることが知られている。
【0024】
別の典型的な金属錯体としては、オハイオ州シンシナティのナショナル リサーチ ラボラトリーズ社によってMZCTMの商品名で販売されている、クエン酸モノ亜鉛(II)二ナトリウム二水和物(disodium monozinc(II) citrate dihydrate)がある。特に、MZCは劇的な抗炎症能を有することが示されている。
【0025】
従来技術は、生体組織の傷害を処置するために発泡体を用いることを教示しているが、そのような発泡体処置に関する最適な生理学的特性については全く考慮していない。さらに、従来技術は、ラウリル硫酸ナトリウム及びその他の既知界面活性剤のナトリウム塩を利用した発泡体の状態で、溶液を使用することを教示している。従来技術に教示される前記溶液は、pHを8〜9の範囲で有しており、場合によってはさらに高いpHをもつ。口腔衛生は、特に約6から約8のpHに対して感受性が高く、また、生体組織へ通常の生理学的pHレベルよりも高いpHレベルを導入することは、生体組織の健康にとって有害となり得る。
【0026】
さらに、クエン酸モノ銅(II)二ナトリウム二水和物(MCC)またはクエン酸モノ亜鉛(II)二ナトリウム(MZC)によって例示される、錯化剤に対する金属のモル比が1:1である水和したポリカルボン酸ジアルカリモノ金属は、約7.5またはそれより低いpH、つまり処置される組織により約6から約8の生理学的pH範囲で最適に反応する。あらゆる治療上の処方において、MCCの供給に従来技術を利用することは不可能であり、実施することはできない。
【0027】
驚くべきことに、ラウリル硫酸トリエタノールアミン(TEA−LS)を約5%の濃度で使用すると、pHがわずか約7.3から約7.4になる。このTEA−LSのpHは、多くの治療用混合物における活性成分であるMCC、MZC、またはその両方との使用に最適な範囲である。TEA−LSは、ほぼ苛性である従来技術の組成物とは対照的に、敏感な口腔組織に対して低刺激である。
【0028】
従来技術の界面活性剤は、風味の配慮から、約5%の濃度でのみ口腔に適用可能である。
本発明の典型的実施形態において、組成物に対して約10%の濃度であるTEA−LSは実質的に無味であるため、より高い濃度で配合することが可能となる。したがって、より長い持続性と高い安定性をもつ発泡体が生成及び適用され得る。
【0029】
本発明におけるような、より長い持続性と高い安定性を有する発泡体は、表面積が増大した状態がより長く持続することから、罹患部の表面への薬剤等の運搬に極めて有利である。したがって、微細分散した薬剤を、罹患した生体組織と、より密に接触させることが可能となる。
【0030】
本発明の様々な典型的実施形態は、発泡体ディスペンサーから緩和緩和または治療用発泡体を供給する段階、及び、罹患した生体組織に対して緩和または治療用発泡体を適用する段階を含む、罹患した生体組織の処置または投薬のための方法を包含するものである。典型的な実施形態は、緩和または治療用発泡体が、約10%以下の濃度のラウリル硫酸トリエタノールアミン(TEA−LS)に加え、MCC、MZC、またはその両方を含むことを教示する。様々な典型的実施形態において、発泡体は、pHが約7.0から約8.0未満である。
【0031】
本発明は上記した具体的実施形態とともに説明されるものであるが、多くの代替、変形及び変種が当業者にとって明白であることは明らかである。したがって、上記した本発明の好適な実施形態は実例を意図するものであって、制限を意図するものではない。本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
罹患した生体組織の処置または投薬のための、緩和または治療用発泡体であって、
一つ以上の治療剤と、
生理学的pH範囲の発泡剤と、
を含むことを特徴とする発泡体。
【請求項2】
発泡剤が、約10%以下の濃度のラウリル硫酸トリエタノールアミン(TEA−LS)であることを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
TEA−LSが約5%の濃度であることを特徴とする請求項2に記載の発泡体。
【請求項4】
発泡剤が、約7.3から約7.4のpHにあることを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項5】
治療剤が、多価金属と、少なくとも一つの多官能性有機配位子とを含むジポリカルボン酸ジアルカリモノ金属水和錯体であって、
前記配位子がアルカリ土類塩の形であり、
金属の配位子に対するモル比が1:1であることを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項6】
多価金属が、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、ビスマス、水銀、銀、及びコバルトからなる群より選択されることを特徴とする請求項5に記載の発泡体。
【請求項7】
モノ金属錯体が、クエン酸モノ銅(II)二ナトリウム二水和物(MCC)であることを特徴とする請求項5に記載の発泡体。
【請求項8】
モノ金属錯体が、クエン酸モノ亜鉛(II)二ナトリウム二水和物(MZC)であることを特徴とする請求項5に記載の発泡体。
【請求項9】
発泡体が、約7.0から8.0未満のpHを有することを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項10】
発泡体ディスペンサーから緩和または治療用発泡体を供給する段階と、
罹患した生体組織に対して緩和または治療用発泡体を適用する段階と、を含む、
罹患した生体組織の治療または投薬の方法であって、
緩和または治療用発泡体が、約7.0から約8.0未満のpHであり、
水和したジポリカルボン酸ジアルカリモノ金属錯体と、
約10%以下の濃度のラウリル硫酸トリエタノールアミン(TEA−LS)と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
TEA−LSが約5%の濃度であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
TEA−LSのpHが、約7.3から約7.4であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
錯体が多価金属と、少なくとも一つの多官能性有機配位子とからなり、
前記配位子がアルカリ土類塩の形であり、
金属の配位子に対するモル比が1:1であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
多価金属が、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、ビスマス、水銀、銀、及びコバルトからなる群より選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
モノ金属錯体が、クエン酸モノ銅(II)二ナトリウム二水和物(MCC)であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
モノ金属錯体が、クエン酸モノ亜鉛(II)二ナトリウム二水和物(MZC)であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
罹患した組織が、口腔であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
罹患した組織が、化学作用、熱、放射物、またはその組み合わせによって損傷した組織であることを特徴とする請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2008−518018(P2008−518018A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539059(P2007−539059)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/038481
【国際公開番号】WO2006/047557
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(507137047)ナショナル リサーチ ラボラトリーズ リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL RESEARCH LABORATORIES,LTD.
【住所又は居所原語表記】3567 Blue Rock Road,Cincinnati,OH 45247
【Fターム(参考)】