練習用ゴルフクラブパター
【課題】特に、初心者や独習者が練習をする際、ゴルフのパターを用いてボールを目標方向へ正確にパッティングすることができるように、フェイス面が向いている方向を目視で確認するようにして、正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することができるようにした練習用ゴルフクラブパターを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられたクラブヘッドに、該クラブヘッドのフェイス面がボールの目標に対して直角の面を向くようにレーザー光を発射するレーザー光源が設けられた練習用ゴルフクラブパターにおいて、該レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられ、且つレーザー光源から発射されたレーザー光の方向に対してクラブヘッドのフェイス面が直角の面を形成するように構成した。
【解決手段】ゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられたクラブヘッドに、該クラブヘッドのフェイス面がボールの目標に対して直角の面を向くようにレーザー光を発射するレーザー光源が設けられた練習用ゴルフクラブパターにおいて、該レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられ、且つレーザー光源から発射されたレーザー光の方向に対してクラブヘッドのフェイス面が直角の面を形成するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ゴルフのパター等を練習するのに使用する練習用ゴルフクラブパターに関するものであり、クラブヘッドのフェイス面を目標方向に対して正確に位置決めする技術（以下、「アドレス」という）を習得するための練習用ゴルフクラブパターに関する。
【背景技術】
【０００２】
ゴルフクラブパターを用いてボールを目標方向に正確にパッティングするには、カップ等の目標方向に対して直角にクラブヘッドのフェイス面をアドレスしてから、ヘッドを振り出す必要がある。
【０００３】
従来から、上記のようなゴルフのアドレスを習得するには、練習する者（以下、「練習者」と云う）の視覚や身体の感覚等に依存するしかなかった。
【０００４】
また、アドレスを容易にする方法としては、ゴルフクラブに直線のガイドラインを設ける方法も案出されていた。ところが、そのような方法でアドレスをしても、いったんクラブヘッドを振り上げた後に、クラブヘッドのフェイス面を所定角度に維持することは困難であり、やはり本人の感覚に頼るしかなかった。
【０００５】
ところで、このようなクラブヘッドのフェイス面を目標方向に対して直角にアドレスすることや、その角度を維持するという技能は、いずれも相当の熟練を必要とするものである。従って、そのような技能を習得することは、初心者にとって極めて困難であり、また中級レベルの者や熟練者にとっても容易なことではなかった。
【０００６】
さらに、このような技能を独学で習得するには、よりいっそうの困難が伴うものである。さらに、視力の弱い者が行う場合、その習得はいっそう困難なものとなる。
【０００７】
そこで、上記のように、クラブヘッドのフェイス面を目標方向に対して正確に位置決めするために開発された従来技術として、特許文献１を参照する。この文献の練習用ゴルフクラブは、ゴルフクラブの先端側の球打部の前面側に、ボールが当たった部位を検出する圧力部位検出手段が設けられ、基部側のグリップの表面側に圧力部位検出手段の検出に基づいて振動する振動手段が設けられているものである。
【０００８】
この練習用ゴルフクラブは、上記の構成によって、ボールが球打部のどの部位に当ったのかをグリップに設けられた振動手段の振動により手で感じ、これによってゴルフの上達を図るようにしたものである。
【０００９】
このような特許文献１の練習用ゴルフクラブは、クラブヘッドでボールを打った後に、グリップを握った手に感じる振動によって、ボールが球打面に当った位置を知るようにしたものである。ところが、グリップを介して手に受ける振動は感覚的であって解り難いものであり、振動を吸収する手袋を嵌めている場合は、その振動は極めて感じ取り難いものとなる。また、ボールを打つ前に、クラブヘッドのフェイス面の向きを知ることができる構造ではないため、クラブヘッドの方向を目視で確認しながらアドレスの練習を行うことができるというものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】実開平５-４１５７６号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、特に、初心者や独習者が練習をする際、ゴルフのパターを用いてボールを目標方向へ正確にパッティングすることができるように、フェイス面が向いている方向を目視で確認するようにして、正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することができるようにした練習用ゴルフクラブパターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記の課題を解決するために、本発明における請求項１の練習用ゴルフクラブパターは、ゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられたクラブヘッドに、該クラブヘッドのフェイス面がボールの目標に対して直角の面を向くようにレーザー光を発射するレーザー光源が設けられた練習用ゴルフクラブパターにおいて、該レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられ、且つレーザー光源から発射されたレーザー光の方向に対してクラブヘッドのフェイス面が直角の面を形成するように構成したことを特徴とする。
【００１３】
また、本発明における請求項２の練習用ゴルフクラブパターは、請求項１において、レーザー光源は、クラブヘッドに対して着脱自在に装着できるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
上記の本発明によれば、ゴルフクラブパターを用いたアドレスを練習する際、練習者は、クラブヘッドに設けられたレーザー光源から発射されるレーザー光を目視で確認することにより、クラブヘッドのフェイス面がどの方向を向いているかを知ることができる。即ち、本発明の構造によれば、クラブヘッドに設けられたレーザー光源から発射されるレーザー光が当った方向が、そのクラブヘッドのフェイス面が直角を保つ方向であると知ることができる。
【００１５】
従って、練習者は、目標物に対するレーザー光の当り具合を目視で確認することにより、アドレスを繰り返したり、そのときの姿勢等を調整したりすることにより、目標方向に対する正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することが可能となる。
【００１６】
また、本発明の構造において、クラブヘッドはゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられているため、レーザー光源が設けられたクラブヘッドを取り外して通常のクラブヘッドに交換することも可能である。
【００１７】
さらに、本発明においては、レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられているため、地面に設置されたボールにフェイス面を当てたとき、レーザー光源のレーザー光がボールに邪魔されることなく前方に発射される。このため、クラブヘッドのフェイス面をボールに当てる瞬間においても、フェイス面の向きをレーザー光によって目視で確認することが可能となる。
【００１８】
また、レーザー光源をクラブヘッドに対して着脱自在に装着できるため、クラブヘッドからレーザー光源を取り外し、通常のクラブヘッドとして使用することも可能である。従って、レーザー光源をクラブヘッドに後付けで着脱自在に取付けることができる構成とすることができ、所有のパターを利用してレーザー光源を取付ける構成とし、これによってより安価に製造及び購入することが可能となる。
【００１９】
また、本発明のように、クラブヘッドにレーザー光源を取り付けたパターで本コースに出ることはできないが、クラブヘッドにレーザー光源を取り付けた状態でアドレスを習得し、本コースに出る際に、クラブヘッドからレーザー光源を取り外すことにより、本コースに持ち込み可能なゴルフクラブとする。これによって、練習の際に使い慣れたゴルフクラブパターを本コースでそのまま使用することができ、練習で習得した技能を本コースでも発揮することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明による練習用ゴルフクラブパターの全体斜視図である。
【図２】本発明による練習用ゴルフクラブパターのクラブヘッドの上面図である。
【図３】本発明による練習用ゴルフクラブパターの使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【００２２】
本発明の練習用ゴルフクラブパター１は、図１乃至図３に示すように、シャフト部２に着脱自在に設けられたクラブヘッド３に、該クラブヘッド３のフェイス面４がボールＢ（図３参照）の目標に対して直角の面を向くようにレーザー光Ｒを発射するレーザー光源５が設けられた練習用ゴルフクラブパター１において、該レーザー光源５が、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部に設けられ、且つレーザー光源５から発射されたレーザー光Ｒの方向に対してクラブヘッド３のフェイス面４が直角の面を形成するように構成したものである。
【００２３】
このような構成の練習用ゴルフクラブパター１について詳細に説明する。本実施例においては、ゴルフクラブパター１のシャフト部２にクラブヘッド３が着脱自在に設けられている。そのための構造として、クラブヘッド３の所定箇所にシャフト部２の先端を挿着する孔部を有するシャフト結合部３ａが形成され、シャフト部２の先端をシャフト結合部３ａの孔部にネジ締結等の構造によって結合するようにしている。なお、このゴルフクラブパターとしては、ピン型のパターのみならず、マレット型、Ｔ型、Ｌ字型その他のゴルフクラブに応用することも可能である。
【００２４】
また、シャフト部２の上部に設けられたグリップ６には、後述するレーザー光源５に接続されたスイッチ７が設けられ、このスイッチ７の操作により、レーザー光源５の電源をオン、オフすることができる。また、シャフト部２に対して、例えばネジ締結構造で結合されるグリップ６の内部に不図示の収納室が設けられ、この収納室にボタン型電池等の小型電源（不図示）を収納させた構造とすることも可能である。
【００２５】
さらに、これらの電源及びスイッチ７等に接続された不図示のリード線がシャフト部２の内部の空洞（不図示）を経てクラブヘッド３の内部に導かれている。このリード線は、クラブヘッド３の上部に設けられたレーザー光源５の収納部８内に導かれている。
【００２６】
即ち、図１に示すように、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部にはレーザー光源５を収納する収納部８が取り付けられている。この収納部８は、クラブヘッド３の上部にネジ込み構造によって収納部８を捩じ込む構成とすることにより、収納部８の内部に埋め込まれたレーザー光源５をクラブヘッド３に対して着脱自在とした構造とすることが可能である。
【００２７】
また、このレーザー光源５は、上記のように、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部に設けられたものであり、レーザー光源５から発射されたレーザー光Ｒの方向に対してクラブヘッド３のフェイス面４が直角の面を形成するように構成されている。このような構造によって、練習者は、目視で、クラブヘッド３に設けられたレーザー光源５から発射されるレーザー光Ｒが当った方向が、そのクラブヘッド３のフェイス面４が直角をなす方向であると知ることができる。
【００２８】
また、上記の構造において、レーザー光源５としては、例えば、標的競技用のアーチェリーやライフル射撃に用いられるようなHe-Neレーザー光を自己集束型オプチカル・ファイバを通して収納部８の内部に取り付けた構成を用い、このレーザー光源５から、目標物に対して高輝度の赤い光点を照射するようにした構成とすることも可能である。
【００２９】
本発明の練習用ゴルフクラブパター１によれば、図２に示すように、レーザー光源５が、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部に設けられているため、図３に示すように、地面に設置されたボールＢにクラブヘッド３のフェイス面４を当てたとき、レーザー光源５のレーザー光ＲがボールＢに当ることなく前方に発射されることが可能となる。このため、クラブヘッド３のフェイス面４をボールＢに当てる瞬間においても、フェイス面４の向きをレーザー光Ｒによって目視で確認することが可能となる。
【００３０】
また、本発明の構造において、クラブヘッド３はゴルフクラブパター１のシャフト部２に着脱自在に設けられているため、レーザー光源５が設けられたクラブヘッド３を取り外して通常のクラブヘッドに交換することも可能である。
【００３１】
また、レーザー光源５のレーザー光Ｒの発光部に、不図示の発光部保護部材を設けることにより、ボールを打つ際、発光部を保護することが可能となる。ただし、この発光部及び保護部材は、フェイス面４から前方に突出しないように平面的に設けることにより、ボールの走行又は飛行方向の正確性を保つようにする必要がある。
【００３２】
さらに、本発明において、レーザー光源５のレーザー光Ｒの発光のオン・オフを行うスイッチ７がグリップ６に設けられているため、練習の際に、レーザー光源５が設けられているクラブヘッド３まで手を伸ばす必要がなく、練習者はグリップ６を握った状態でスイッチ７を操作することが可能である。
【００３３】
上記の構成による練習用ゴルフクラブパター１を用いてアドレス等の練習を行う方法として、図３に示すように、練習者は、例えばカップＣに立てられたピンＰ等の目標物に対するレーザー光Ｒの当り具合を目視で確認することにより、アドレスを繰り返したり、そのときの姿勢等を調整したりすることができる。これによって、練習者は、目標方向に対する正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することが可能となる。
【００３４】
また、上述したように、目標物として、ピンＰを立てることなく、照射板や壁を利用する場合には、レーザー光Ｒを照射板に照射させることによってアドレスの練習を行うことが可能である。このように、練習中において、レーザー光Ｒを照射する目標物は練習者によって適宜設定することが可能であり、場所の状況に応じて、練習者は自由に練習することが可能となる。
【００３５】
また、練習する場所の明るさ等の条件によって、地面や床等に対してレーザー光Ｒの描くラインを認識することが可能である場合、ピンや照射板を設ける必要はなく、そのラインそのものを目視で確認しながらアドレスをすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【００３６】
本発明の練習用ゴルフクラブパターは、特に、初心者や独習者が練習をする際、ゴルフのパターを用いてボールを目標方向へ正確にパッティングすることができるように、フェイス面が向いている方向を目視で確認するようにして、正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することができるようにした練習用ゴルフクラブパターとして利用可能である。
【符号の説明】
【００３７】
１ 練習用ゴルフクラブパター
２ シャフト部
３ クラブヘッド
３ａ シャフト結合部
４ フェイス面
５ レーザー光源
６ グリップ
７ スイッチ
８ 収納部
Ｂ ボール
Ｃ カップ
Ｐ ピン
Ｒ レーザー光
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ゴルフのパター等を練習するのに使用する練習用ゴルフクラブパターに関するものであり、クラブヘッドのフェイス面を目標方向に対して正確に位置決めする技術（以下、「アドレス」という）を習得するための練習用ゴルフクラブパターに関する。
【背景技術】
【０００２】
ゴルフクラブパターを用いてボールを目標方向に正確にパッティングするには、カップ等の目標方向に対して直角にクラブヘッドのフェイス面をアドレスしてから、ヘッドを振り出す必要がある。
【０００３】
従来から、上記のようなゴルフのアドレスを習得するには、練習する者（以下、「練習者」と云う）の視覚や身体の感覚等に依存するしかなかった。
【０００４】
また、アドレスを容易にする方法としては、ゴルフクラブに直線のガイドラインを設ける方法も案出されていた。ところが、そのような方法でアドレスをしても、いったんクラブヘッドを振り上げた後に、クラブヘッドのフェイス面を所定角度に維持することは困難であり、やはり本人の感覚に頼るしかなかった。
【０００５】
ところで、このようなクラブヘッドのフェイス面を目標方向に対して直角にアドレスすることや、その角度を維持するという技能は、いずれも相当の熟練を必要とするものである。従って、そのような技能を習得することは、初心者にとって極めて困難であり、また中級レベルの者や熟練者にとっても容易なことではなかった。
【０００６】
さらに、このような技能を独学で習得するには、よりいっそうの困難が伴うものである。さらに、視力の弱い者が行う場合、その習得はいっそう困難なものとなる。
【０００７】
そこで、上記のように、クラブヘッドのフェイス面を目標方向に対して正確に位置決めするために開発された従来技術として、特許文献１を参照する。この文献の練習用ゴルフクラブは、ゴルフクラブの先端側の球打部の前面側に、ボールが当たった部位を検出する圧力部位検出手段が設けられ、基部側のグリップの表面側に圧力部位検出手段の検出に基づいて振動する振動手段が設けられているものである。
【０００８】
この練習用ゴルフクラブは、上記の構成によって、ボールが球打部のどの部位に当ったのかをグリップに設けられた振動手段の振動により手で感じ、これによってゴルフの上達を図るようにしたものである。
【０００９】
このような特許文献１の練習用ゴルフクラブは、クラブヘッドでボールを打った後に、グリップを握った手に感じる振動によって、ボールが球打面に当った位置を知るようにしたものである。ところが、グリップを介して手に受ける振動は感覚的であって解り難いものであり、振動を吸収する手袋を嵌めている場合は、その振動は極めて感じ取り難いものとなる。また、ボールを打つ前に、クラブヘッドのフェイス面の向きを知ることができる構造ではないため、クラブヘッドの方向を目視で確認しながらアドレスの練習を行うことができるというものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】実開平５-４１５７６号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、特に、初心者や独習者が練習をする際、ゴルフのパターを用いてボールを目標方向へ正確にパッティングすることができるように、フェイス面が向いている方向を目視で確認するようにして、正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することができるようにした練習用ゴルフクラブパターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記の課題を解決するために、本発明における請求項１の練習用ゴルフクラブパターは、ゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられたクラブヘッドに、該クラブヘッドのフェイス面がボールの目標に対して直角の面を向くようにレーザー光を発射するレーザー光源が設けられた練習用ゴルフクラブパターにおいて、該レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられ、且つレーザー光源から発射されたレーザー光の方向に対してクラブヘッドのフェイス面が直角の面を形成するように構成したことを特徴とする。
【００１３】
また、本発明における請求項２の練習用ゴルフクラブパターは、請求項１において、レーザー光源は、クラブヘッドに対して着脱自在に装着できるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
上記の本発明によれば、ゴルフクラブパターを用いたアドレスを練習する際、練習者は、クラブヘッドに設けられたレーザー光源から発射されるレーザー光を目視で確認することにより、クラブヘッドのフェイス面がどの方向を向いているかを知ることができる。即ち、本発明の構造によれば、クラブヘッドに設けられたレーザー光源から発射されるレーザー光が当った方向が、そのクラブヘッドのフェイス面が直角を保つ方向であると知ることができる。
【００１５】
従って、練習者は、目標物に対するレーザー光の当り具合を目視で確認することにより、アドレスを繰り返したり、そのときの姿勢等を調整したりすることにより、目標方向に対する正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することが可能となる。
【００１６】
また、本発明の構造において、クラブヘッドはゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられているため、レーザー光源が設けられたクラブヘッドを取り外して通常のクラブヘッドに交換することも可能である。
【００１７】
さらに、本発明においては、レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられているため、地面に設置されたボールにフェイス面を当てたとき、レーザー光源のレーザー光がボールに邪魔されることなく前方に発射される。このため、クラブヘッドのフェイス面をボールに当てる瞬間においても、フェイス面の向きをレーザー光によって目視で確認することが可能となる。
【００１８】
また、レーザー光源をクラブヘッドに対して着脱自在に装着できるため、クラブヘッドからレーザー光源を取り外し、通常のクラブヘッドとして使用することも可能である。従って、レーザー光源をクラブヘッドに後付けで着脱自在に取付けることができる構成とすることができ、所有のパターを利用してレーザー光源を取付ける構成とし、これによってより安価に製造及び購入することが可能となる。
【００１９】
また、本発明のように、クラブヘッドにレーザー光源を取り付けたパターで本コースに出ることはできないが、クラブヘッドにレーザー光源を取り付けた状態でアドレスを習得し、本コースに出る際に、クラブヘッドからレーザー光源を取り外すことにより、本コースに持ち込み可能なゴルフクラブとする。これによって、練習の際に使い慣れたゴルフクラブパターを本コースでそのまま使用することができ、練習で習得した技能を本コースでも発揮することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明による練習用ゴルフクラブパターの全体斜視図である。
【図２】本発明による練習用ゴルフクラブパターのクラブヘッドの上面図である。
【図３】本発明による練習用ゴルフクラブパターの使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【００２２】
本発明の練習用ゴルフクラブパター１は、図１乃至図３に示すように、シャフト部２に着脱自在に設けられたクラブヘッド３に、該クラブヘッド３のフェイス面４がボールＢ（図３参照）の目標に対して直角の面を向くようにレーザー光Ｒを発射するレーザー光源５が設けられた練習用ゴルフクラブパター１において、該レーザー光源５が、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部に設けられ、且つレーザー光源５から発射されたレーザー光Ｒの方向に対してクラブヘッド３のフェイス面４が直角の面を形成するように構成したものである。
【００２３】
このような構成の練習用ゴルフクラブパター１について詳細に説明する。本実施例においては、ゴルフクラブパター１のシャフト部２にクラブヘッド３が着脱自在に設けられている。そのための構造として、クラブヘッド３の所定箇所にシャフト部２の先端を挿着する孔部を有するシャフト結合部３ａが形成され、シャフト部２の先端をシャフト結合部３ａの孔部にネジ締結等の構造によって結合するようにしている。なお、このゴルフクラブパターとしては、ピン型のパターのみならず、マレット型、Ｔ型、Ｌ字型その他のゴルフクラブに応用することも可能である。
【００２４】
また、シャフト部２の上部に設けられたグリップ６には、後述するレーザー光源５に接続されたスイッチ７が設けられ、このスイッチ７の操作により、レーザー光源５の電源をオン、オフすることができる。また、シャフト部２に対して、例えばネジ締結構造で結合されるグリップ６の内部に不図示の収納室が設けられ、この収納室にボタン型電池等の小型電源（不図示）を収納させた構造とすることも可能である。
【００２５】
さらに、これらの電源及びスイッチ７等に接続された不図示のリード線がシャフト部２の内部の空洞（不図示）を経てクラブヘッド３の内部に導かれている。このリード線は、クラブヘッド３の上部に設けられたレーザー光源５の収納部８内に導かれている。
【００２６】
即ち、図１に示すように、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部にはレーザー光源５を収納する収納部８が取り付けられている。この収納部８は、クラブヘッド３の上部にネジ込み構造によって収納部８を捩じ込む構成とすることにより、収納部８の内部に埋め込まれたレーザー光源５をクラブヘッド３に対して着脱自在とした構造とすることが可能である。
【００２７】
また、このレーザー光源５は、上記のように、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部に設けられたものであり、レーザー光源５から発射されたレーザー光Ｒの方向に対してクラブヘッド３のフェイス面４が直角の面を形成するように構成されている。このような構造によって、練習者は、目視で、クラブヘッド３に設けられたレーザー光源５から発射されるレーザー光Ｒが当った方向が、そのクラブヘッド３のフェイス面４が直角をなす方向であると知ることができる。
【００２８】
また、上記の構造において、レーザー光源５としては、例えば、標的競技用のアーチェリーやライフル射撃に用いられるようなHe-Neレーザー光を自己集束型オプチカル・ファイバを通して収納部８の内部に取り付けた構成を用い、このレーザー光源５から、目標物に対して高輝度の赤い光点を照射するようにした構成とすることも可能である。
【００２９】
本発明の練習用ゴルフクラブパター１によれば、図２に示すように、レーザー光源５が、クラブヘッド３のフェイス面４の中心の垂直上方であってクラブヘッド３の上部に設けられているため、図３に示すように、地面に設置されたボールＢにクラブヘッド３のフェイス面４を当てたとき、レーザー光源５のレーザー光ＲがボールＢに当ることなく前方に発射されることが可能となる。このため、クラブヘッド３のフェイス面４をボールＢに当てる瞬間においても、フェイス面４の向きをレーザー光Ｒによって目視で確認することが可能となる。
【００３０】
また、本発明の構造において、クラブヘッド３はゴルフクラブパター１のシャフト部２に着脱自在に設けられているため、レーザー光源５が設けられたクラブヘッド３を取り外して通常のクラブヘッドに交換することも可能である。
【００３１】
また、レーザー光源５のレーザー光Ｒの発光部に、不図示の発光部保護部材を設けることにより、ボールを打つ際、発光部を保護することが可能となる。ただし、この発光部及び保護部材は、フェイス面４から前方に突出しないように平面的に設けることにより、ボールの走行又は飛行方向の正確性を保つようにする必要がある。
【００３２】
さらに、本発明において、レーザー光源５のレーザー光Ｒの発光のオン・オフを行うスイッチ７がグリップ６に設けられているため、練習の際に、レーザー光源５が設けられているクラブヘッド３まで手を伸ばす必要がなく、練習者はグリップ６を握った状態でスイッチ７を操作することが可能である。
【００３３】
上記の構成による練習用ゴルフクラブパター１を用いてアドレス等の練習を行う方法として、図３に示すように、練習者は、例えばカップＣに立てられたピンＰ等の目標物に対するレーザー光Ｒの当り具合を目視で確認することにより、アドレスを繰り返したり、そのときの姿勢等を調整したりすることができる。これによって、練習者は、目標方向に対する正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することが可能となる。
【００３４】
また、上述したように、目標物として、ピンＰを立てることなく、照射板や壁を利用する場合には、レーザー光Ｒを照射板に照射させることによってアドレスの練習を行うことが可能である。このように、練習中において、レーザー光Ｒを照射する目標物は練習者によって適宜設定することが可能であり、場所の状況に応じて、練習者は自由に練習することが可能となる。
【００３５】
また、練習する場所の明るさ等の条件によって、地面や床等に対してレーザー光Ｒの描くラインを認識することが可能である場合、ピンや照射板を設ける必要はなく、そのラインそのものを目視で確認しながらアドレスをすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【００３６】
本発明の練習用ゴルフクラブパターは、特に、初心者や独習者が練習をする際、ゴルフのパターを用いてボールを目標方向へ正確にパッティングすることができるように、フェイス面が向いている方向を目視で確認するようにして、正確なアドレスからパッティングまでの一連の技能を容易に習得することができるようにした練習用ゴルフクラブパターとして利用可能である。
【符号の説明】
【００３７】
１ 練習用ゴルフクラブパター
２ シャフト部
３ クラブヘッド
３ａ シャフト結合部
４ フェイス面
５ レーザー光源
６ グリップ
７ スイッチ
８ 収納部
Ｂ ボール
Ｃ カップ
Ｐ ピン
Ｒ レーザー光
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられたクラブヘッドに、該クラブヘッドのフェイス面がボールの目標に対して直角の面を向くようにレーザー光を発射するレーザー光源が設けられた練習用ゴルフクラブパターにおいて、
該レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられ、且つレーザー光源から発射されたレーザー光の方向に対してクラブヘッドのフェイス面が直角の面を形成するように構成したことを特徴とする練習用ゴルフクラブパター。
【請求項２】
レーザー光源は、クラブヘッドに対して着脱自在に装着できるように構成したことを特徴とする請求項１記載の練習用ゴルフクラブパター。
【請求項１】
ゴルフクラブパターのシャフト部に着脱自在に設けられたクラブヘッドに、該クラブヘッドのフェイス面がボールの目標に対して直角の面を向くようにレーザー光を発射するレーザー光源が設けられた練習用ゴルフクラブパターにおいて、
該レーザー光源が、クラブヘッドのフェイス面の中心の垂直上方であってクラブヘッドの上部に設けられ、且つレーザー光源から発射されたレーザー光の方向に対してクラブヘッドのフェイス面が直角の面を形成するように構成したことを特徴とする練習用ゴルフクラブパター。
【請求項２】
レーザー光源は、クラブヘッドに対して着脱自在に装着できるように構成したことを特徴とする請求項１記載の練習用ゴルフクラブパター。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−４０２２５（Ｐ２０１２−４０２２５Ａ）
【公開日】平成２４年３月１日（２０１２．３．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１８４８９４（Ｐ２０１０−１８４８９４）
【出願日】平成２２年８月２０日（２０１０．８．２０）
【出願人】（５９３０８８０３８）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月１日（２０１２．３．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月２０日（２０１０．８．２０）
【出願人】（５９３０８８０３８）
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]