説明

縫合糸パッケージング

【課題】従来技術の縫合糸パッケージに関連する数多くの問題を排除する外科縫合糸パッケージ用の新たな方法および装置を提供する。
【解決手段】外科縫合糸材料用のパッケージであって、該パッケージは、ベース5と、該外科縫合糸材料用のパッケージを形成するために、該ベースに隣接して置かれるよう構成されるカバー10と、該ベースの外周から延びる外壁15であって、該カバーが該ベースに隣接して置かれるとき、該外壁が該カバーに接触するような所定の高さを有する、外壁と、該外科縫合糸材料用のパッケージの中心部分に向けての所定の距離で、外科縫合糸材料を維持するために、該外壁に隣接して置かれた複数の突出部とを備える、外科糸縫合材料用のパッケージ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、同時係属中の米国特許出願第10/891,604号(2004年7月15日出願)の一部継続出願であり、該出願の利益を主張するものであり、該出願は、米国仮特許出願第60/488,464号(2003年7月18日出願)の優先権を主張するものである。両出願のそれぞれは、本明細書にて、参考として、その全体が援用される。
【0002】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、外科縫合糸用のパッケージに関する。より具体的には、外科縫合糸をパッケージする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の検討)
外科縫合糸パッケージの一般的な形式は、滅菌密封されたエンベロープに含まれ、折り畳まれた堅く処理された(stiff treated)紙の縫合糸ホルダから製造される。このエンベロープは、縫合糸ホルダおよび内部エンベロープの滅菌性を維持するために、第二の通常透明な熱可塑性でヒートシールされたエンベロープ外側ラップの中に、さらに封されている。縫合糸が使用されるべきときに、典型的には手術室で、外側の透明な包みが開かれ、封された滅菌内部エンベロープは、滅菌エリアに置かれる。次いで、手術室のスタッフが、縫合糸へのアクセスが必要とされるとき、内部エンベロープを開く。
【0004】
一端または両端に取り付けられた針を有する外科縫合糸用のパッケージは、縫合糸材料の性質および縫合糸が使用される方法に従って製造される。一般に、パッケージは、縫合糸と、取り付けられた針とをしかるべき場所に保持し、取り扱い中および保管中に、それらを保護し、縫合糸が使用されるべきときに、最小の取り扱いで取り出すために、縫合糸にすぐにアクセスすることを可能にする。
【0005】
縫合糸パッケージングの設計および製造で重要な局面は、縫合糸が、もつれたり、ねじれたり、コイル状になったり、あるいは、望まぬ方法で結び付けられたりすることのなく、取り出し可能なことである。縫合糸材料自体の性質も、パッケージの構成、縫合糸がパッケージ内で置かれる方法、針の配置、あるいは、縫合糸がパッケージから引き出される方法に制約を課し得る。
【0006】
例示的な外科縫合糸材料用のパッケージは、特許文献1に開示されている。特許文献1は、ベースを有し、そのベースから壁が螺旋状に延びる外科縫合糸材料用のパッケージングを開示している。この壁は、ベースによって規定されたエリア内に縫合糸ダクトを規定する。この縫合糸ダクトは、その第一の端で、縫合糸取り出しエリアの中へと開く。カバーが、この縫合糸ダクトの上に位置される。螺旋の壁は、その縫合糸ダクトのコースにおいて、外向きの側面に、互いに間隔の空けた縫合糸逸らせ突出部(suture−deflector protrusion)を備える。
【0007】
以前から知られる外科縫合糸材料用のパッケージングの場合の欠点は、外科縫合糸材料が取り出されるとき、縫合糸が数回転にわたって螺旋に導かれている縫合糸保持エリアで、きつく引っ張られ得ることである。すなわち、パッケージングから縫合糸を取り出そうと試みると、引張り力の方向は、しばしば、縫合糸がパッケージング内のロケーションに向かって移動する原因となることが多く、この結果、縫合糸が拘束され得る。
【0008】
例えば、縫合糸は、縫合糸保持エリアの中で、螺旋状に延びる壁とカバーとの間の接合部によって形成されるエリアの中に移動し得る。この縫合糸保持エリアは、螺旋壁、ベースおよびカバーによって規定される。しかしながら、特許文献1の縫合糸パッケージにおける壁、および、他の多くの従来技術の縫合糸パッケージの壁は、パッケージの底部からカバーに向かって延びる。従って、ギャップが、壁とカバーとの接合部によって規定されるロケーションで形成されることが多い。縫合糸が、ギャップで挟まれることは、珍しいことではなく、それゆえ、外科縫合糸材料をさらに取り出すことが、さらに困難になることも、あるいは、不可能になることもある。
【0009】
縫合糸にすぐにアクセスし、縫合糸のパッケージングから縫合糸を効率的に取り出す能力は、特に、外科処置の間で時間が非常に重要であるとき、最大の重要事である。外科縫合糸材料用のパッケージを適切に提供する装置および方法は、公知であるが、縫合糸が縫合糸パッケージ内で拘束されたり、拘束されなくとも、引っかかったりすることに関連する問題は、完全に排除されてはいない。このように、縫合糸が縫合糸パッケージ内でもつれたり、あるいは、引っかかったりするあらゆる可能性を実質的に排除する改善縫合糸パッケージに対するニーズは、相変わらず存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,076,659号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(概要)
本開示の目的は、パッケージの中の外科縫合糸材料が問題なく取り出され得るように置かれるような方法で、外科縫合糸材料用のパッケージをさらに開発することである。従って、本開示は、従来技術の縫合糸パッケージに関連する数多くの問題を排除する外科縫合糸パッケージ用の新たな方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示に従う外科縫合糸材料用のパッケージは、ベース部材およびカバー部材を含み、カバー部材は、ベース部材に隣接して置かれて、外科縫合糸材料用のパッケージを形成するように構成される。このベース部材は、その外周から延びる外壁を含む。この外壁は、カバー部材がベース部材に隣接して置かれるとき、このカバー部材を係合するような所定の高さを有する。仕切り構造体が、カバー部材の底部表面から延び、この構造体をパッケージ内で所望の向き(orientation)に保持する。この仕切り構造体は、カバーの中心から半径方向に配置された、複数の突出部を含み得る。さらに、カバーの底部表面から延び、縫合糸保持エリアの内側周縁を規定する内部壁が、複数の突出部に加えて、あるいは、複数の突出部の代わりに提供されて、縫合糸をパッケージ内で所望の向きに保持し得る。
【0013】
本開示の他の局面は、利点を提供し、製造および巻き付けプロセスをシンプルにする外科縫合糸パッケージを提供することである。
【0014】
本発明は、さらに、以下の手段を提供する。
【0015】
(項目1)
少なくとも1つの外科縫合糸用のパッケージであって、該パッケージは、
ベースと、
該少なくとも1つの外科縫合糸用のパッケージを形成するために、該ベースに隣接して置かれるように構成されたカバーであって、該カバーは、該パッケージ内に収納された針および縫合糸へのアクセスを提供するために、該カバー内に開口部を規定する、カバーと、
該ベースの外周から延びる外壁であって、該外壁は、該カバーが該ベースに隣接して置かれるとき、該カバーに接触する所定の高さを有し、該外壁は、縫合糸保持エリアの外囲いを規定する、外壁と、
該パッケージの中心部分へ向けての所定の距離で、該少なくとも1つの外科縫合糸を維持するために、該パッケージの該中心部分に向かって内側に延びる、該外壁に隣接して位置された複数の突出部と、
固定位置で、該外科縫合糸の一端に接続された針を維持するために、該カバーの上部表面上に位置付けされる針置き場と、
該カバーの底部表面から延びるプラットホームであって、該プラットホームは、該縫合糸保持エリアの内囲いを少なくとも部分的に規定するために、囲い壁を有する、プラットホームと、
該カバーの下部表面の第一および第二の弓形末端部分から延び、該縫合糸保持エリアの弓形末端部分の内囲いを規定するための複数のポストであって、該複数のポストの少なくとも2つは、網目(webbing)によって接合され、さらに、該ポストは、該カバーを該ベースに固定するために、該ベース内に形成された穴と係合するように、寸法取りされて、構成される、複数のポストと
を備える、少なくとも1つの外科縫合糸用のパッケージ。
【0016】
(項目2)
外科縫合糸材料用のパッケージであって、該パッケージは、
ベースと、
該外科縫合糸材料用のパッケージを形成するために、該ベースに隣接して置かれるよう構成されるカバーと、
該ベースの外周から延びる外壁であって、該カバーが該ベースに隣接して置かれるとき、該外壁が該カバーに接触するような所定の高さを有する、外壁と、
該外科縫合糸材料用のパッケージの中心部分に向けての所定の距離で、外科縫合糸材料を維持するために、該外壁に隣接して置かれた複数の突出部と
を備える、外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0017】
(項目3)
上記突出部は、上記パッケージの上記中心部分に向かって内向きに延びる、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0018】
(項目4)
針を固定位置で維持するための針置き場をさらに備え、該針が、上記縫合糸保持エリア内に位置される縫合糸の一端に接続される、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0019】
(項目5)
上記針置き場が、上記カバーの上部表面に位置付けされる、項目4に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0020】
(項目6)
上記針置き場が、上記ベースの上部表面に位置付けされる、項目4に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0021】
(項目7)
上記パッケージ内に少なくとも1つの縫合糸保持エリアを規定する手段をさらに備え、該手段は、上記カバーの底部表面から延びる、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0022】
(項目8)
上記パッケージ内に少なくとも1つの縫合糸保持エリアを規定する上記手段は、上記カバーの下部表面から延びる少なくとも1つの突出部を備える、項目6に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0023】
(項目9)
上記外科縫合糸材料が、少なくとも1つの縫合糸保持エリア内に巻き付けられる、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0024】
(項目10)
針が、少なくとも1つの縫合糸保持エリアによって規定されるように、上記ベースの中心領域内に位置された縫合糸材料の一端に取り付けられ、その結果、該針は針置き場と係合し、該針を固定位置で維持する、項目9に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0025】
(項目11)
上記パッケージ内に少なくとも1つの縫合糸保持エリアを規定する上記手段は、上記カバーの下部表面から延びる壁を備える、項目7に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0026】
(項目12)
上記縫合糸は、上記外壁に隣接する上記縫合糸保持エリアの一部から開始し、該縫合糸保持エリア内に巻き付けられる、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0027】
(項目13)
上記カバーは、上記ベースの外周寸法と実質的に等しい外周寸法を有する、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0028】
(項目14)
上記パッケージ内に少なくとも1つの縫合糸保持エリアを規定する上記手段は、上記カバーの下部表面から延びる複数のセットの突出部を備える、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0029】
(項目15)
上記突出部の端部に形成されたポストをさらに備え、該ポストが上記カバーを上記ベースに固定するために、該ベースに形成された穴と係合するよう寸法取りされて、構成される、項目14に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0030】
(項目16)
上記ポストは、上記カバーを上記ベースに固定するために、該ベースに溶接される、項目15に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0031】
(項目17)
上記ベースおよびカバーのうちの少なくとも1つは、射出成形される、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0032】
(項目18)
上記ベースおよびカバーのうちの少なくとも1つは、熱成形される、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0033】
(項目19)
上記ベースおよびカバーのうちの少なくとも1つは、熱可塑性樹脂から製造される、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0034】
(項目20)
上記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンおよびポリエステルからなる群より選択される、項目19に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0035】
(項目21)
上記針置き場が、上記針との3点接触を提供する3つの片持ち部材を備える、項目4に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0036】
(項目22)
上記針置き場が、異なる曲率を有する針を収容するようにフレキシブルである、項目21に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0037】
(項目23)
上記カバーが、上記パッケージ内に収容された針および縫合糸に対するアクセスを提供するよう、該カバー内に開口部を規定する、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0038】
(項目24)
上記カバーの上部表面に取り付けられた情報ラベルをさらに備える、項目2に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0039】
(項目25)
上記情報ラベルが、引き裂き線を規定する複数の穿孔を含む、項目24に記載の外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0040】
(項目26)
外科縫合糸材料用のパッケージであって、該パッケージは、
ベースと、
該外科縫合糸材料用のパッケージを形成するために、該ベースに隣接して置かれるように構成されるカバーと、
該ベースの外周から延びる外壁であって、該カバーが該ベースに隣接して置かれるとき、該外壁が該カバーに接触するような所定の高さを有する、外壁と、
該外科縫合糸材料用のパッケージの中心部分に向けての所定の距離で、外科縫合糸材料を維持するために、該外壁に隣接して位置され、該外科縫合糸材料用のパッケージの上記中心部分に向かって内向きに延びる、複数の突出部と
を備える、外科縫合糸材料用のパッケージ。
【0041】
(項目27)
上記カバーの底部表面から延びる少なくとも1つの仕切りをさらに備え、少なくとも1つの仕切りは、該パッケージ内に少なくとも1つの縫合糸保持エリアを規定し、さらに、少なくとも1つの仕切りは、該カバーの中心から半径方向に配置された複数の突出部を備える、項目26に記載の外科糸縫合材料用のパッケージ。
【0042】
(項目28)
少なくとも1つの仕切りは、上記カバーの中心から半径方向に配置された複数の突出部と、上記少なくとも1つの縫合糸保持エリアの内側縁を規定する内壁とを備える、項目26に記載の外科糸縫合材料用のパッケージ。
【0043】
(項目29)
外科縫合糸パッケージを形成する方法であって、該方法は、
ベース部材を形成するステップであって、該ベース部材は、該ベース部材の上部表面の円周から延びる壁と、該外科縫合糸材料用のパッケージの中心部分に向けての所定の距離で、外科縫合糸材料を維持するために、該外壁に隣接して位置され、該外科縫合糸材料用のパッケージの該中心部分に向かって内向きに延びる、複数の突出部とを有する、ステップと、
カバー部材を形成するステップであって、該カバー部材は、該カバー部材の下部表面から延びる少なくとも1つの仕切りを有し、該カバー部材の下部表面から延びる該少なくとも1つの仕切りは、少なくとも1つの縫合糸保持エリアを規定する、ステップと、
該カバー部材の該下部表面に形成された少なくとも1つの縫合糸保持エリア内で外科縫合糸を巻き付けるステップと、
該ベース部材に隣接するように該カバー部材を移動し、内包された外科縫合糸パッケージを形成するステップと
を包含する、方法。
【0044】
(項目30)
上記ベース部材が、該ベース部材内に複数の穴を規定し、該穴は、該ベース部材に該カバー部材を固定するために、上記突出部の端部を受けるよう寸法取りされて、構成される、項目29に記載の方法。
【0045】
(摘要)
外科縫合糸材料用のパッケージは、ベース部材およびカバー部材を含み、カバー部材は、ベース部材に隣接して置かれて、外科縫合糸材料用のパッケージを形成するように構成される。このベース部材は、その外周から延びる外壁を含む。この外部壁は、カバー部材がベース部材に隣接して置かれるとき、このカバー部材を係合するような所定の高さを有する。仕切り構造体が、カバー部材の底部表面から延び、少なくとも1つの縫合糸保持エリアを規定する。複数の突出部は、パッケージの中心部分へ向けての所定の距離で、外科縫合糸材料を維持するために、外壁に隣接して位置される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本開示の実施形態を示し、以上に述べた開示の全体的な説明および以上に述べた実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図1A】図1Aは、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示された縫合糸パッケージの横断面図である。
【図1C】図1Cは、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの斜視図である。
【図2】図2Aは、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。図2Bは、図2Aに示された縫合糸パッケージの横断面図である。
【図3】図3Aは、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。図3Bは、図3Aに示された縫合糸パッケージの横断面図である。
【図4】図4Aは、本開示の実施形態に従う外部針置き場を有する縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。図4Bは、図4Aに示された外部針置き場を有する縫合糸パッケージの横断面図である。
【図5】図5Aは、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。図5Bは、図5Aに示された縫合糸パッケージの横断面図である。
【図6】図6Aは、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。図6Bは、図6Aに示された縫合糸パッケージの横断面図である。
【図7】図7Aは、本開示の実施形態に従う外部針置き場を有する縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。図7Bは、図7Aに示された外部針置き場を有する縫合糸パッケージの横断面図である。
【図8】図8は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの斜視図である。
【図9】図9は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの斜視図である。
【図10】図10は、本開示の実施形態に従う外部針置き場を有する縫合糸パッケージの斜視図である。
【図11】図11は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージのカバーの上部表面に付けられた情報ラベルを有する縫合糸パッケージの斜視図である。
【図12】図12は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージのカバーの上部表面に付けられた情報ラベルを有する縫合糸パッケージの斜視図である。
【図13】図13は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージカバーの上面図である。
【図14】図14は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージベースの内部表面の上面図である。
【図15】図15は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージベースの外部表面の斜視図である。
【図16】図16は、本開示の別の実施形態に従う縫合糸パッケージベースの内部表面の上面図である。
【図17】図17は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージベースの外部表面の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書で開示される縫合糸パッケージおよびその方法の好ましい実施形態が、ここで、図面を参照して詳細に説明される。図面において、同様の参照番号は、幾つかの図全体を通して対応する要素を同定する。
【0048】
ここで、図1Aおよび図1Bを参照して、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの実施形態の上面図および横断面図が、それぞれ示される。パッケージは、ベース5およびカバー10を有する。外側壁(outside wall)15は、ベース5から立ち上がり、ベース5の周囲に楕円状に延びる。外側壁15は、上部リム20および下部リム25を有する。下部リム25は、ベース5に接続される。外側壁15は、所定の高さを有し、上部リム20がカバー10と、好ましくはその周囲で係合するように設計される。従って、ベース5およびカバー10が、互いに隣接するように移動される場合、カバー10の外周は、外側壁15の上部リム20に接合されて、閉じられた縫合糸パッケージの外壁(outer wall)を形成する。
【0049】
縫合糸保持エリア30は、外側壁15によって外部境界が、および内壁(inner wall)または内部壁(interior wall)35によって内部境界が規定される。本開示の実施形態に従って、内部壁35は、好ましくは、カバー10から下方に延びる。外側壁15とは異なって、内部壁35は、連続ループではない。代わりに、内部壁35は、第一の端部および第二の端部を有し、これらは、以下により詳細に記載される。内部壁35の第一の端部に隣接して、開口部は、縫合糸45の第一の端部が、縫合糸保持エリア30の中に入ることができるように規定される。内部壁35はまた、縫合糸保持エリア30の形状に従うように構成される。従って、内部壁35によって形成される開口部の点において、内部壁35の端部は、内部壁35の他のどの部分からもオフセットされる。このオフセットは、縫合糸保持エリア30の形状を維持し、縫合糸45が縫合糸保持エリア30にアクセスする開口部を提供するために必要である。
【0050】
代替として、内部壁35は、カバー10の中心においてプラトー領域の外部境界を規定し得ることが企図される。プラトー領域(縫合糸取り出しエリア85とも称される)の高さは、縫合糸保持エリア突出部40の高さから針70の厚さを減じた高さに等しいように構成される。従って、針70は、カバー10の外側表面上の、縫合糸取り出しエリア85の中のプラトー上に位置され得る。縫合糸パッケージの外部にて針を置くことが望まれる場合、スペーサーが、縫合糸取り出しエリア85中のプラトー上に配置され得る。代替の実施形態において、内部壁35は、カバー10内に楕円開口部を規定する。この場合、針置き場75は、縫合糸取り出しエリア85内でベース5に取り付けられることが好ましい。それゆえ、外科医は、カバー10内の開口部を介して針70にアクセスし、それを取り出すことができる。
【0051】
縫合糸パッケージを1つ以上の縫合糸保持エリアへと仕切る構造体が、カバー10から下方に延びている。より具体的には、4つの縫合糸保持エリア突出部40の複数のセットは、対応する数の縫合糸保持エリアを規定する。縫合糸保持エリア突出部40のセットは、カバー10の中心から半径方向に配置される。縫合糸保持エリア突出部のセットが、4つの縫合糸保持エリア突出部より多く、あるいは、少ないものとして構成され得、その結果、縫合糸保持エリアがより多く、あるいは、少なく規定されることもまた企図される。さらに、縫合糸保持エリア突出部は、1つ以上の縫合糸保持エリアを規定する1つ以上の連続壁として構成され得ることが企図される。
【0052】
縫合糸保持エリア突出部40は、外側壁15の高さに実質的に等しい高さを有する細長いフィンガー(finger)部材である。縫合糸保持エリア突出部40は、第一の端部でカバー10の底部表面に接続される。縫合糸保持エリア突出部40の第二の端部は、それから延びるポスト60を有する。ポスト60は、ベース5内に形成される穴65内に適合するように寸法取りされる。また、穴65は、くぼみ(dimple)または凹部(recess)であり得る。また、ポスト60は、カバー10をベース5に固定する(secure)ために、ベース5に熱固定され(heat staked)得るか、そうでなければ、溶接され得る。カバー10およびベース5が、一緒に接合されると、縫合糸保持エリア突出部40から延びるポスト60は、ベース5によって規定される穴65に係合する。この配置は、縫合糸パッケージに構造的支持を提供する。代替として、突出部40の端部は、カバー10が壁15とベース5上で適合した後にリベットの様式で変形され得る。壁15とカバー10との間の他のタイプおよび/または追加のタイプの接続が、可能である。従って、例えば、留め具(catch)を使用して、留め具がカバー10の周囲にて突出し、壁15において適切な対応物と係合することが考えられる。
【0053】
また、縫合糸保持エリア突出部40とベース5内の穴65との間で適合した結果として、縫合糸がパッケージから取り出される際に、縫合糸保持エリア突出部40がベース5に出会う領域において外科縫合糸がはまり込む可能性は、確実に回避される。
【0054】
より具体的には、特定の有用な実施形態において、この縫合糸は、カバーを介して取り出されるので、縫合糸は、カバー10の方向に移動する傾向にある。この方向は、縫合糸保持エリア突出部40およびベース5の交差部で形成され得るどのギャップからも離れる方向である。従って、この構成は、本開示の目的、すなわち、縫合糸の取り出しの信頼性を高めることの一助となる。本明細書に記載される代替の実施形態は、様々な構造的差異を含むが、実施形態それぞれで共通な特徴は、縫合糸保持エリアを形成する構造体が、カバーの底部表面から延びることである。
【0055】
縫合糸保持エリア突出部40は、カバー10の底部上に縫合糸保持エリア30を規定する。図1Aおよび図1Bに示される実施形態は、内部壁35と外側壁15との間で外側へと半径方向に延びる4つの縫合糸保持エリア突出部40の複数のセットを含む。従って、縫合糸保持エリア30は、4回転の縫合糸45を規定し、提供する。また、この実施形態において、縫合糸保持エリア突出部40は、縫合糸パッケージの端部セクションに位置されるのみである。縫合糸パッケージの2つの直線側面80は、突出部を一切含まない。従って、縫合糸45は、縫合糸が2つの側面80のそれぞれを横切る際に、規定された保持エリア内に拘束されない。
【0056】
縫合糸保持エリア30の第一の端部50は、縫合糸取り出しエリア85の中に開き、このエリアは、図1Aおよび図1Bに示される実施形態において、縫合糸保持エリア30によって取り囲まれるゾーンに配置される。縫合糸保持エリア30の第二の端部55は、閉じられる。図1Aを参照のこと。縫合糸保持エリア30は、ベース5によって底部に対して閉じられる。
【0057】
縫合糸パッケージ内に位置される前に、縫合糸は、典型的に、針に取り付けられて、縫合糸−針の組み合わせを提供する。すなわち、針70は、縫合糸45の一端上に適合する。針置き場アセンブリ75は、カバー10の外部表面上か、またはベース5の内部表面上の縫合糸取り出しエリア85の中心セクション内に提供される。針置き場アセンブリ75の構造体は、当業者に公知であり得る。例えば、米国特許第6,481,569号、同第5,788,062号、同第5,472,081号、同第5,180,053号、同第5,131,533号、同第5,099,994号および同第4,424,898号を参照のこと。カバー10は、縫合糸取り出しエリア85への自由なアクセスを可能にする開口部を含むことが企図される。この開口部は、カバー内の部分的な開口部であり得るか、あるいは、より広範囲の開口部であり得、それぞれの利点は、以下に記載される。外科医は、カバー10内の開口部を介して針および縫合糸へのアクセスを得て、針置き場75から針70を外し、次いで、縫合糸保持エリア30から縫合糸45を引くことによって針−縫合糸の組み合わせを取り出し得る。針70は、縫合糸45によって規定される内部空間内に位置されることに留意されるべきである。この構成はさらに、パッケージからの針−縫合糸の組み合わせを取り出す一助となる。
【0058】
図1Cは、本開示に従う縫合糸パッケージの実施形態の斜視図を示す。図1Cに、ベース5およびカバー10が示される。針70は、カバー10の凹になった縫合糸取り出しエリア85内に位置されることが示される。従って、針70は、縫合糸パッケージの外部表面上に位置される。針70は、ベース5上に存在し得ることもまた、企図される。この場合、針70は、カバー10で規定される開口部(この開口部は、開口部90より大きい)を介して縫合糸パッケージから取り出され得る。
【0059】
縫合糸取り出しエリア85は、カバー10の底部表面から延びる内部壁35によって外周が規定される。また、複数の縫合糸保持エリア突出部40も、カバー10の底部表面から延びている。カバー10が、ベース5に接して置かれるとき、縫合糸保持エリア突出部40は、ベース5内に形成される穴65に係合する。
【0060】
図1Aおよび図1Bを参照して議論されたように、縫合糸保持エリア30は、外側壁15により外部境界が、および、内部壁35より内部境界が規定される。縫合糸パッケージの末端部分において、縫合糸保持エリア30は、縫合糸保持エリア突出部40によって2つ以上の別個の保持エリアに分割される。
【0061】
ここで、図2Aおよび図2Bを参照すると、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージ100の実施形態の上面図および横断面図が、それぞれ示される。このパッケージは、ベース105およびカバー110を有する。外側壁115がベース105から立ち上がり、ベース105の周囲に楕円状に延びる。外側壁115は、上部リム120および下部リム125を有する。下部リム125は、ベース105に接続される。外側壁115は、所定の高さを有して、上部リム120がカバー110と、好ましくはその周囲で係合するように、設計される。従って、ベース105およびカバー110が、互いに隣接するように移動される場合、カバー110の外周は、外側壁115の上部リム120と接合して、閉じられた縫合糸パッケージ100の外壁を形成する。
【0062】
縫合糸保持エリア130は、外側壁115によって外部境界が規定され、内壁または内部壁135によって内部境界が規定される。本開示の実施形態に従って、内部壁135は、好ましくは、カバー110から下向きに延びる。外側壁115と異なって、内部壁135は、連続ループではない。代わりに、内部壁135は、第一の端部および第二の端部を有し、これらは、以下により詳細に記載される。内部壁135の第一の端部に隣接して、開口部は、縫合糸145の第一の端部が、縫合糸保持エリア130の中に入ることができるように規定される。内部壁135はまた、縫合糸保持エリア130の形状に従うように構成される。従って、内部壁135によって形成される開口部の点において、内部壁135の端部は、壁135の他のどの部分からもオフセットされる。このオフセットは、縫合糸保持エリア130の形状を維持し、縫合糸145が縫合糸保持エリア130にアクセスする開口部を提供するために必要である。
【0063】
縫合糸パッケージを1つ以上の縫合糸保持エリアへと仕切る構造体が、カバー110から下方に延びている。より具体的には、4つの縫合糸保持エリア突出部140の複数のセットは、対応する数の縫合糸保持エリアを規定する。縫合糸保持エリア突出部140のセットは、カバー105の中心から半径方向に配置される。縫合糸保持エリア突出部のセットが、4つの縫合糸保持エリア突出部より多く、あるいは、少ないものとして構成され得、その結果、保持エリアがより多く、あるいは、少なく規定されることもまた企図される。さらに、縫合糸保持エリア突出部は、1つ以上の縫合糸保持エリアを規定する1つ以上の連続壁として構成され得ることが企図される。
【0064】
縫合糸保持エリア突出部140は、外側壁115の高さに実質的に等しい高さを有する細長いフィンガー部材である。縫合糸保持エリア突出部140は、第一の端部でカバー110の底部表面に接続される。縫合糸保持エリア突出部140の第二の端部は、それから延びるポスト160を有する。ポスト160は、ベース105内に形成される穴165内に適合するように寸法取りされる。また、穴165は、くぼみまたは凹部であり得る。また、ポスト160は、カバー110をベース105に固定するために、ベース105に熱固定され得るか、そうでなければ、溶接され得る。カバー110およびベース105が、一緒に接合されると、縫合糸保持エリア突出部140から延びるポスト160は、ベース105によって規定される穴165に係合する。この配置は、縫合糸パッケージに構造的支持を提供する。代替として、突出部140の端部は、カバー110が壁115とベース105上で適合した後にリベットの様式で変形され得る。壁115とカバー110との間の他のタイプおよび/または追加のタイプの接続が、可能である。従って、例えば、留め具を使用して、留め具がカバー110の周囲にて突出し、壁115において適切な対応物と係合することが考えられる。
【0065】
また、縫合糸保持エリア突出部140とベース105内の穴165との間で適合した結果として、縫合糸がパッケージから取り出される際に、縫合糸保持エリア突出部140がベース105に出会う領域において外科縫合糸がはまり込む可能性は、確実に回避される。
【0066】
より具体的には、好ましい実施形態において、この縫合糸は、カバーを介して取り出されるので、縫合糸は、カバー110の方向に移動する傾向にある。この方向は、縫合糸保持エリア突出部140およびベース105の交差部で形成され得るどのギャップからも離れる方向である。従って、この構成は、本実施形態の目的、すなわち、縫合糸の取り出しの信頼性を高めることの一助となる。本明細書に記載される代替の実施形態は、様々な構造的差異を含むが、実施形態それぞれで共通な特徴は、縫合糸保持エリアを形成する構造体が、カバーの底部表面から延びることである。
【0067】
縫合糸保持エリア突出部140は、カバー110の底部上に縫合糸保持エリア130を規定する。図2Aおよび図2Bに示される実施形態は、内部壁135と外側壁115との間で外側へと半径方向に延びる4つの縫合糸保持エリア突出部140の複数のセットを含む。従って、縫合糸保持エリア130は、4回転の縫合糸145を規定し、提供する。
【0068】
縫合糸保持エリア130の第一の端部150は、縫合糸取り出しエリア185の中に開き、このエリアは、図2Aおよび図2Bに示される実施形態において、縫合糸保持エリア130によって取り囲まれるゾーンに配置される。縫合糸保持エリア130の第二の端部155は、閉じられる。図2Aを参照のこと。縫合糸保持エリア130は、ベース105によって底部に対して閉じられる。
【0069】
縫合糸パッケージ内に位置される前に、縫合糸は、典型的に、針に取り付けられて、縫合糸−針の組み合わせを提供する。すなわち、針170は、縫合糸145の一端上に適合する。針置き場アセンブリ175は、カバー110の外部表面上か、またはベース105の内部表面上の縫合糸取り出しエリア185の中心セクション内に提供される。カバー110は、縫合糸取り出しエリア185への自由なアクセスを可能にする開口部を含む。外科医は、カバー110内の開口部を介して針および縫合糸へのアクセスを得て、針置き場175から針170を外し、次いで、縫合糸保持エリア130から縫合糸145を引くことによって縫合糸を取り出し得る。針170は、縫合糸145によって規定される内部空間内に位置されることに留意されるべきである。この構成はさらに、パッケージからの縫合糸を取り出す一助となる。
【0070】
図3Aおよび図3Bを参照して、本開示の別の実施形態に従う縫合糸パッケージ200の実施形態の上面図および横断面図が、それぞれ示される。このパッケージは、ベース205およびカバー210を有する。外側壁215は、ベース205から立ち上がり、ベース205の周囲に楕円状に延びる。外側壁215は、上部リム220および下部リム225を有する。下部リム225は、ベース205に接続される。外側壁215は、所定の高さを有し、上部リム220がカバー210と、好ましくはその周囲で係合するように設計される。従って、ベース205およびカバー210が、互いに隣接するように移動される場合、カバー210の外周は、外側壁215の上部リム220に接合されて、閉じられた縫合糸パッケージ200の外壁を形成する。
【0071】
楕円形の縫合糸保持エリア230は、外側壁215によって外部境界が規定され、内部壁235によって内部境界が規定される。本開示の実施形態に従って、内部壁235は、好ましくは、カバー210から下方に延びる。外側壁215とは異なって、内部壁235は、連続ループではない。代わりに、内部壁235は、第一の端部250および第二の端部255を有する。第一の端部250に隣接して、開口部は、縫合糸245の第一の端部が、楕円形縫合糸保持エリア230の中に入ることができるように規定される。さらに、第一の端部250と第二の端部255との間にギャップが維持されて、縫合糸巻き線(suture winding)の中心の領域への針270のアクセスを提供する。
【0072】
内部壁235は、間隔を空けて、その内部壁から延びる複数のポスト260を含む。内部壁235の高さは、外側壁215の高さと実質的に等しい。ポスト260は、ベース205の中に形成された穴265内に適合するように寸法取りされる。穴265は、くぼみまたは凹部であり得る。それゆえ、カバー210およびベース205が、一緒に接合されると、内部壁から延びるポスト260は、ベース205によって規定される穴265に係合する。この配置は、縫合糸パッケージに構造的支持を提供する。代替として、ポスト260は、カバー210が壁215とベース205上で適合した後にリベットの様式で変形され得る。壁215とカバー210との間の他のタイプおよび/または追加のタイプの接続が、可能である。従って、例えば、留め具を使用して、留め具がカバー210の周囲にて突出し、壁215において適切な対応物と係合することが考えられる。
【0073】
縫合糸パッケージ内に位置される前に、針270は、縫合糸245の一端上に適合する。針置き場アセンブリ275は、カバー210の外部表面上か、またはベース205の内部表面上の縫合糸取り出しエリア285の中心セクション内に提供される。カバー210は、縫合糸取り出しエリア285への自由なアクセスを可能にする開口部を含む。外科医は、カバー210内の開口部を介して針および縫合糸へのアクセスを得て、針置き場275から針270を外し、次いで、縫合糸保持エリア230から縫合糸245を引くことによって縫合糸を取り出し得る。
【0074】
ここで図4Aおよび図4Bを参照すると、本開示の実施形態に従う外部針置き場を有する縫合糸パッケージ300の実施形態の上面図および横断面図が、それぞれ示される。この縫合糸パッケージ300は、針置き場の位置以外は、図2Aおよび図2Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似している。すなわち、ベース305の上部表面に針置き場アセンブリを位置する代わりに、縫合糸巻き線保持エリア330によって規定される中心領域内で、針370および針置き場アセンブリ375は、カバー310の上部表面に位置される。この構成によって、外科医は、縫合糸−針の組み合わせに、よりアクセスしやすくなる。外科医は、針置き場アセンブリ375から針370を簡単に外して、この針に取り付けられた縫合糸を引くための引張り力を加える。
【0075】
縫合糸保持エリア330は、図2Aおよび図2Bを参照して上述されたように、外側壁315によって外部境界が規定され、内部壁335によって内部境界が規定される。内部壁335は、カバー310から下方に延びる。また、4つの縫合糸保持エリア突出部340の複数のセットもカバー310から下方に延び、対応する数の縫合糸保持エリアを規定する。
【0076】
ここで、図5Aおよび図5Bを参照すると、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージ400の実施形態の上面図および横断面図が、それぞれ示される。この縫合糸パッケージ400は、内部壁135が存在しないこと以外は、図2Aおよび図2Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似している。すなわち、縫合糸保持エリア430の内部境界を規定する連続した内部壁を有する代わりに、縫合糸保持エリア430の内部境界は、複数の縫合糸保持エリア突出部440によって規定される。縫合糸445は、縫合糸保持エリア突出部440によって規定される縫合糸保持エリア430内に巻き付けられる。針470および針置き場アセンブリ475は、縫合糸保持エリア430によって規定される中心領域内のベース405の上部表面上に位置される。
【0077】
ここで、図6Aおよび図6Bを参照すると、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージ500の実施形態の上面図および横断面図が、それぞれ示される。この縫合糸パッケージ500は、内部壁235が存在しないこと以外は、図3Aおよび図3Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似している。すなわち、縫合糸保持エリア530の内部境界を規定する連続した内部壁を有する代わりに、縫合糸保持エリア530の内部境界は、複数の縫合糸保持エリア突出部540によって規定される。縫合糸545は、縫合糸保持エリア突出部540によって規定される縫合糸保持エリア530内に巻き付けられる。針570および針置き場アセンブリ575は、縫合糸巻き線保持エリア530によって規定される中心領域内のベース505の上部表面上に位置される。
【0078】
ここで、図7Aおよび図7Bを参照すると、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージ600の実施形態の上面図および横断面図が、それぞれ示される。この縫合糸パッケージ600は、内部壁335が存在しないこと以外は、図4Aおよび図4Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似している。すなわち、縫合糸保持エリア630の内部境界を規定する連続した内部壁を有する代わりに、縫合糸保持エリア630の内部境界は、複数の縫合糸保持エリア突出部640によって規定される。縫合糸645は、縫合糸保持エリア突出部640によって規定される縫合糸保持エリア630内に巻き付けられる。針670および針置き場アセンブリ675は、縫合糸保持エリア630によって規定される中心領域内のカバー610の上部表面上に位置される。
【0079】
本明細書中に記載されるパッケージは、従来型の成形可能な材料から製造され得る。ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン材料、他の熱可塑性材料、およびナイロンのようなポリエステル材料、ならびに、それらの等価物を使用することが特に好ましい。本明細書中で記載されるパッケージは、射出成形されることが好ましいが、これらのパッケージは、他の従来プロセスおよび熱形成を含む従来プロセスと同等のプロセスによって形成され得る。必要に応じて、これらのパッケージは、個々のアセンブリとして製造され得るか、あるいは、コンポーネントとして製造され得、次いでアセンブリされる。
【0080】
図8および図9は、本開示の実施形態に従う縫合糸パッケージの斜視図である。図8および図9に、それぞれ示される縫合糸パッケージ800および900は、互いに類似しており、図1Cを参照して上述された縫合糸パッケージに類似しているが、いくらかの差異を伴う。最も有意な差異は、図8に示される実施形態において、仕切り815の追加である。仕切り815は、縫合糸保持エリア突出部840の各列を接続する。従って、個々の縫合糸保持エリア突出部940を有する代わりに、仕切り815は、連続した壁を規定する様式で縫合糸保持エリア突出部840を接続して、縫合糸保持エリア830をさらに規定する。針870および針970が取り付けられた縫合糸825および925は、縫合糸保持エリア830および930内に巻き付けられて、示される。この仕切り815は、カバーとベースとの間の接続を強化して、縫合糸の結合(binding)を防ぐ。さらに、射出成形プロセスに関する利益は、仕切りを有する実施形態によって実現される。
【0081】
ここで、図10を参照すると、縫合糸パッケージ内に置かれる前に、この縫合糸は、典型的に、針に取り付けられ、針−縫合糸の組み合わせを提供する。すなわち、針970は、縫合糸945の一端上に適合される。針置き場アセンブリ975は、カバー910の表面上の縫合糸取り出しエリア985の中心セクション内に提供される。針置き場アセンブリ975は、一対のフィン955およびポスト965を備える。ポスト965は、環状の断面を有し、フィン955は、フレキシブルである。従って、組み合わせることで、フィン955およびポスト965の特徴は、針970との3点接触を提供し、これにより、針置き場アセンブリ975が異なる曲率を有する針を収容することが可能になる。
【0082】
カバー910が開口部990を規定して、外科医に、制約なしに針970へのアクセスを提供することが企図される。より詳細には、開口部990は、外科医に、カバーの表面を越えて針ホルダを挿入する能力を提供する。外科医は、針置き場975から針970を取り外し、次いで縫合糸保持エリアから縫合糸945を引き出すことによって、カバー910内の開口部970を介して、この針および縫合糸へのアクセスを獲得し得る。
【0083】
ここで、図11を参照すると、当業者に公知のように、アセンブリされた縫合糸パッケージ1000は、ホイルラッパー(foil wrapper)(図示せず)内にパッケージングされることが、さらに企図される。さらに、好ましい実施形態において、情報ラベル1015が、カバー1010の上部表面に貼り付けられる。この情報ラベル1015は、印(indicia)1025を含み、この印は、少なくとも部分的に、この縫合糸パッケージの内容に関する情報を提供する。この情報ラベル1015は、接着剤によって、このラベルの周縁の少なくとも一部の辺りで、カバー1010に貼り付けられるのが好ましい。接着剤が適用される場合、この接着剤が針および/または縫合糸と接触しないように、注意を払うべきである。情報ラベル1015は、紙から形成されることが好ましい。紙のラベルは、生体吸収性縫合糸が使用されるとき、水分シンクとして、特に有用である。図11に示される情報ラベル1015は、カバー1010の表面エリア全体を完全に覆ってはいない。従って、外科医は、針1070に素早くアクセスし、同時に、情報ラベル1015を迅速に剥がす能力を有する。
【0084】
図11に示される情報ラベルとは対照的に、図12に示される情報ラベル1015は、カバー1010の表面エリア全体を覆っている。紙の情報ラベル1015は、所定の位置において引き裂き線を規定するように、複数の穿孔1035を含む。この所定の位置は、カバー1010の上部表面に置かれた針1070(想像線で図示)の上で、かつ、実質的に垂直な位置に対応している。この穿孔1035は、外科医がこのパッケージを開く際に、引き裂きのガイドとなることによって、針が倒れる(tip)のを防止する。
【0085】
ここで、図13〜図17を参照すると、縫合糸パッケージのベースとカバーとが接合されているときに、パッケージの外部周縁の辺りで、縫合糸が引っ掛からないようにして、縫合糸の位置を維持するように構成される代替の縫合糸パッケージの実施形態が開示される。図13〜図16を最初に参照すると、縫合糸パッケージは、ベース1105およびカバー1010を有する。壁1115は、ベース1105の楕円形状の周囲から立ち上がる。ベース1105およびカバー1010が、完全な縫合糸パッケージを形成するようにアセンブリされるとき、カバー1110の外周は、壁1115の上部リムと出会う。壁1115は、縫合糸パッケージの中心部分に向かって内向きに延びる複数の突出部1123を含む。突出部1123は、パッケージのアセンブリの間に、縫合糸が壁1115とカバー1110との接合点で引っ掛からないように、縫合糸パッケージの中心に向かって所定の距離で、縫合糸の位置を維持する。ベースとカバーとがアセンブリされるとき、壁1115上の移動止め(detent)1127が、カバー1110上の対応する開口部1125に嵌まり込む。ポスト1140はカバー1110の内部表面から延び、パッケージがアセンブリされるとき、ベース1105内の開口部1180を通る。カバー1010およびベース1105は、熱固定ポスト1140によって、永続的に接合される。
【0086】
縫合糸パッケージの各端部で、縫合糸は、壁1115およびポスト1140によって規定されるエリア1130の中に保持される。弓形壁1145およびポスト1140を接合する壁1146は、縫合糸と接触することは意図されず、むしろ、パッケージの構造的一体性を改善することを意図している。パッケージの各側面に沿って、縫合糸がパッケージの中心部分に向かって動かないように、カバー1110上のいずれの構造体によっても、ベース1105上のいずれの構造体によっても制約されない部分1150がある。カバー1110の開口部1153は、パッケージからの縫合糸の取り出しを可能にする。
【0087】
カバー1110は、その外部表面に針置き場1175を含む。針−縫合糸の組み合わせの針は、3つの片持ち部材(1155および1165)を含み、針との3点接触を提供する針置き場1175の中に位置される。図14および図15を参照のこと。針は、その針の一方の側面に、片持ち部材のうちの2つ(図14で、1155とラベル付け)があり、その針の他方の側面に、単一の片持ち部材1165をあるように、位置される。単一の片持ち部材1165は、2つの片持ち部材1155のいずれとも、共線にない。
【0088】
図15を再び参照すると、低くなったエリア1170が、針置き場1175の中に位置された針を収納するために、カバー1110の外部表面に提供される。針が針ホルダに捕捉され得るように、針の少なくとも一部分は、針置き場に位置されるとき、開口部1154の上に位置付けられる。このパッケージに適用される紙ラベル(図示せず)は、低くなったエリア1170の少なくとも一部分を覆う。紙ラベルは、パッケージの中に含まれる製品に関する情報を提供することに加え、外部パッケージが、針の先端によって穴を空けられることから保護する。カバー1110の外部表面上のポスト1185は、ラベルを通り抜け、紙ラベルをカバーに固定するために、熱固定される。
【0089】
ここで、図16および図17を参照すると、縫合糸パッケージカバーの別の実施形態が開示され、参照番号1210として同定される。縫合糸パッケージカバー1210の各端部に、縫合糸は、ベース1105およびポスト1240から延びる壁1115によって規定されるエリア1230の中に保持される。弓形壁1245およびポスト1240を接合する壁1246は、縫合糸と接触することは意図されず、むしろ、パッケージの構造的一体性を改善することを意図している。パッケージの各側面に沿って、パッケージの中心部分に向かっての動きから、カバー1210上のいずれの構造体によっても、ベース1205上のいずれの構造体によっても制約されない部分1250がある。カバー1210の開口部1253は、パッケージからの縫合糸の取り出しを可能にする。カバー1210の開口部1253は、カバー1110の開口部1153とは異なる寸法を有するように構成される。様々な開口部構成の目的は、様々な針のサイズおよび量を収納するためである。
【0090】
カバー1210は、その外部表面に針置き場1275を含む。針−縫合糸の組み合わせの針は、3つの片持ち部材を含み、針との3点接触を提供する針置き場1275の中に位置される。針は、その針の一方の側面に、片持ち部材のうちの2つ(図16で、1255とラベル付け)があり、その針の他方の側面に、単一の片持ち部材1265があるように、位置される。単一の片持ち部材1265は、2つの片持ち部材1255のいずれとも、共線にない。
【0091】
低くなったエリア1270が、針置き場1275の中に位置された針を収納するために、カバー1210の外部表面に提供される。針が針ホルダに捕捉され得るように、針の少なくとも一部分は、針置き場に位置されるとき、開口部1254の上に位置付けられる。このパッケージに適用される紙ラベル(図11および図12で図示)は、低くなったエリア1270の少なくとも一部分を覆う。紙ラベルは、パッケージの中に含まれる製品に関する情報を提供することに加え、外部パッケージが、針の先端によって穴を空けられることから保護する。カバー1210の外部表面上のポスト1285は、ラベルを通り抜け、紙ラベルをカバーに固定するために、熱固定される。
【0092】
本明細書中に開示された実施形態に対して、様々な改変がなされ得ることが理解される。例えば、上記の実施形態は、外科縫合糸パッケージを参照して記載されているが、この開示は、このような用途に限定されず、様々な医療機器に適用され得ることが企図される。さらに、本明細書中に記載された例示的な実施形態は、パッケージ内での単一の針−縫合糸の組み合わせを開示しているが、複数の縫合糸が単一の縫合糸パッケージ内に収容され得ることが企図される。また別の例において、針置き場をカバーの表面に装着するのではなく、この針置き場は、ベースの表面上に位置付けされ得る。なお別の例において、カバー内の開口部を介して縫合糸−針の組み合わせを取り出すのではなく、この縫合糸−針の組み合わせは、ベース内に形成される開口部を介して取り出され得ることが企図される。それゆえ、以上の記載は、限定するものとして解釈されるべきはなく、好ましい実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、請求項の範囲および精神内で、他の改変を想定する。
【符号の説明】
【0093】
100、200、300、400、500、600、800、900、1000 縫合糸パッケージ
5、105、205、305、405、505、605、1105、1205 ベース
10、110、210、310、910、1010、1110、1210 カバー
15、115、215、315 外側壁
20、120、220 上部リム
25、125、225 下部リム
30、130、230、330、430、530、630、830、930、1130、1230 縫合糸保持エリア
35、135、235、335、1135 内部壁
40、140、340、440、540、640、840、940、1040、1240
縫合糸保持エリア突出部
45、145、245、445、545、645、825、925、945、1045、1145、1245 縫合糸
60、160、260、965、1060、1140、1185、1240、1285 ポスト
65、165、265、1065、1165、1265 穴
70、170、270、370、470、570、670、870、970、1070 針
75、175、275、475、575、675、975、1175、1275 針置き場
815 仕切り
1015 情報ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−187414(P2012−187414A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109401(P2012−109401)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【分割の表示】特願2007−71623(P2007−71623)の分割
【原出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】