説明

縫合糸管理システム

【課題】縫合糸を骨に固定させるための外科手術に関連した縫合糸管理のための組立体、装置および方法が提供される。
【解決手段】縫合糸アンカーに取り付けられた縫合糸要素は、縫合糸のループまたはタグで終端していて、視覚的なコーディングと組み合わされた、関連するストップ部材は縫合糸を識別できるようにし、縫合糸が縫合糸アンカーから誤ってはずれることを防止し、複雑な関節鏡視下の修復の間に積極的な縫合糸管理を必要とする縫合糸の脚を減らすことができる。本発明はまた、本発明に記載されたさまざまな方法および装置、あるいは従来技術において既知である他の方法および装置、とともに使用されることができる例示的なドライバーも提供する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願への参照〕
本出願は、2006年10月31日出願の、米国特許仮出願番号60/855,628、タイトル「縫合糸管理システム(Suture Management System)」に基づく優先権を主張しており、この米国特許仮出願は、参照することによって本明細書にはっきりと組み込まれるものとする。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、概して、医療装置および医療方法に関し、より具体的には、軟組織を骨に取り付けるシステムおよび方法に関する。
【0003】
〔発明の背景〕
生体内において、靭帯、腱あるいは他の軟組織の、それらに関連する骨からの完全な、あるいは部分的な剥離は、比較的ありふれた損傷である。そのような損傷は、一般的には、これらの組織に課された過度なストレスの結果である。例としては、組織の剥離は、仕事に関連した活動の間に起こる、もしくは競技大会の途中に起こる、転倒や過度の努力といった思いがけぬ事故、または繰り返されるストレスの結果として起こりうるか、あるいは他の多くの状況および活動のいかなる一場面においても起こりうる。
【0004】
部分的な剥離の場合は、十分な時間が与えられ、創傷をさらに過度なストレスにさらさないように注意をすれば、創傷はそれ自身を治癒させることができる。多くの場合には、しかしながら、多くの場合において、軟組織をその関連している1本の骨または複数の骨に再び取り付けるために、手術が必要な可能性もある。軟組織を骨に再び取り付けるための、数多くの装置が現在利用可能である。現在利用可能な装置の例としては、ねじ、ステープル、鋲および縫合糸アンカーが挙げられる。
【0005】
縫合糸アンカーを利用して軟組織を再び取り付ける手法においては、1または複数のアンカー(それぞれのアンカーが、1または複数の縫合糸を保持している)は、組織を再び取り付けるのに望ましい骨の中の領域に配備される。縫合糸は、縫合糸アンカーと結び付く小穴、または縫合糸アンカーの一部分の周囲にある小穴を通って、あるいは別の従来の方法によって、縫合糸アンカーに取り付けることができる。縫合糸の自由端部またはループ(free ends or loops)は、軟組織あるいは軟組織の周りを通過し、軟組織を骨に結びつけるために、あるいはほかの方法で固定するために使用される。外科用針は、通常は、縫合糸が組織を通過することを容易にするために、それぞれの縫合糸のひとつの端部に取り付けられている。
【0006】
複雑または大規模な外科的修復術は、複数の縫合糸アンカー、および最大で数倍の、縫合糸の自由端部を必要とする場合がある。これらの手技において、個々の縫合糸、およびそれらの互いに対する関係を追跡すること、すなわち、縫合糸の管理は、外科医への特殊な課題を提示する場合があり、特になぜかというと、このような手技は、遠隔可視化(remote visualization)を用いて関節鏡視下で行われる場合が多いからである。外科医は、適切に修復を行い、かつ縫合糸がアンカーから誤ってはずれることがないように、どの縫合糸端部が各縫合糸アンカーと、および互いに結びついているかを識別できる必要がある。関節鏡視下の修復手法において、縫合糸の管理はとりわけ困難である場合がある。なぜなら、手術部位でのアンカーの視界、およびアンカーに結び付く縫合糸の視界が、きわめて限られうるからである。さらに、手術部位から延びている縫合糸が多数存在するため、それが原因で、単純に物理的および視覚的に乱雑となることがあり、それによって外科医にとっての外科手術をさらに困難にしており、かつ縫合糸が絡まるリスクもある。色によるコード化あるいは他のやり方で、識別のために縫合糸に視覚的に印を付けることは、従来技術において既知である。しかしながら、特に、必要な種類の縫合糸が、非常に限られた数の視覚的に異なる色または模様でのみ利用可能なときや、いくつかの、似たようにロードされた多数の縫合糸のアンカー(multi-suture anchors)が、手術中に配備される場合には、これらの縫合糸管理の問題に対して困難を取り除くには限りがある。さらに、縫合糸に視覚的に印を付けることは、手術部位に配備された多数の縫合糸に関連する物理的または視覚的な乱雑さを単独で軽減することはない。さらに別の要因は、手術が行われるスピードおよび効率である。患者は通常、可能である最短の時間にわたって麻酔をかけられることにより最良に処置される。縫合糸を管理することにおいての困難さは、手術を複雑にし、かつ手術時間を延長するおそれがある。
【0007】
したがって、外科手術で軟組織を骨に修復するために縫合糸を管理するための、改良された方法および装置が依然として必要とされている。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明のひとつの態様は、外科的修復組立体である。この組立体は、本体、および、縫合糸を通すためのアンカー本体の少なくとも一部の上の小穴、あるいは一部に結びつく小穴などの、少なくともひとつの縫合糸係合部材、および、骨を係合するための本体の少なくともひとつの固定要素、を有する縫合糸アンカーを含む。縫合糸要素は、各小穴を通過することができる。各縫合糸要素は、第1の端部、第2の端部、および、それぞれの小穴をスライド可能に通過するように構成されている縫合糸直径を有する。第1の端部は、縫合糸ループまたはタグで終端していて、ストップ部材は、縫合糸要素に沿って、ループまたはタグに実質的に隣接して位置しており、このストップ部材は、縫合糸要素が、それぞれの小穴を通過して完全にスライドすることを防ぐ。一実施形態において、各縫合糸要素の第1の端部および第2の端部は、互いに対して認識するために視覚的にコード化されている。
【0009】
アンカーに取り付けられた2つあるいはそれ以上の縫合糸要素を含む実施形態において、各要素を一意的に認識するために、縫合糸要素は視覚的にコード化されている。外科的修復組立体はまた、近位のハンドル、縫合糸アンカーを骨に打ち込むための遠位のアンカー係合部材、およびそれらの間の長手方向にスロットがあるシャフトを有する縫合糸アンカー据え付け用具も含むことができ、スロットがあるシャフトは少なくともひとつのループまたはタグ、および各ストップ部材を保持するように構成されている。
【0010】
本発明の別の態様は、軟組織を骨に再び取り付けるための方法であり、この方法は、例えば小穴を通って、縫合糸係合部材を介して縫合糸アンカーに取り付けられた縫合糸を有する、縫合糸アンカーを提供するステップを含む。縫合糸要素は、この縫合糸係合部材すなわち小穴をスライド可能に通過するように、位置されている。縫合糸要素は、第1の端部および第2の端部を有しており、第1の端部は、縫合糸要素の中に形成される結び目で固定された縫合糸ループで終端している。結び目は、結び目が部材または小穴を通過することができない大きさになっている。この方法は、縫合糸アンカーを骨内に固定するステップと、縫合糸要素を、縫合糸係合部材である小穴を通ってスライドさせて、縫合糸係合部材すなわち小穴に隣接した結び目およびループを位置させるステップと、組織を骨に固定するための縫合糸要素を位置させるためにループを把持および引っ張るステップと、をさらに含む。この方法は、縫合糸要素を用いて組織を骨に固定するステップ、をさらに含む。組織を骨に固定するステップは、外科用の結び目あるいは他の縫合糸固定方法を用いて行うことができる。
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより十分に理解されよう。
【0012】
〔発明の詳細な説明〕
ある例示的な実施形態が、本明細書に開示される装置および方法の構造、機能、製造、および使用における理念の総括的な理解を提供するために、以下に説明されるであろう。これらの実施形態のうちの1または複数の例は、添付の図面に図示されている。当業者であれば、本明細書に特に記載される、およびに添付の図面に図示されている装置および方法は非限定的で例示的な実施形態であって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される、ということを理解されよう。ひとつの例示的な実施形態に関連して説明または記載された特徴は、他の実施形態の特徴と結びつけることができる。そういった変更および変形は、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
【0013】
本発明は、一般的には、縫合糸アンカー組立体、および縫合糸を骨に固定するための方法および装置を提供する。本発明の組立体、方法および装置は、縫合糸アンカーに取り付けられた1または複数の縫合糸要素を有する1または複数の縫合糸アンカーを用いて軟組織を骨に近接させることを含む手法に対する特殊な応用とともに、外科手術のあいだの縫合糸の経路、位置づけ、および識別といった管理を提供する。本発明はまた、切開手術(open procedure)などの他の外科手術における有用性があるのと同様に、関節鏡視下手術への特殊な応用もできる。
【0014】
本明細書に開示されているように、縫合糸アンカー組立体とともに使用される縫合糸要素の少なくともひとつの端部の上にさまざまな特徴部を形成することができる。そのような特徴の例としては、以下に記載されるように、タグおよびループを含む。タグおよびループを含む縫合糸アンカー組立体の実施形態は別々に記載されているが、当業者であれば理解されるであろうが、外科手術は通常は2つ以上の縫合糸アンカー組立体を使用して、任意の所与の外科手術において、縫合糸要素は同じ種類の特徴部または異なる種類の特徴部を含むことができる。
【0015】
本発明の1実施形態に従った、タグで終端した縫合糸アンカー組立体100が図1に図示されている。組立体100は、近位の端部104、遠位の端部106、および開口109を有する第1の小穴108を有する、縫合糸アンカー102を具備する。第1の端部112、第2の端部114を有する第1の外科的な縫合糸要素すなわち縫合糸110は、第1の小穴108の開口109を通ってスライド可能に取り付けられていてよい。
【0016】
第1の縫合糸要素110の第1の端部112は、第1のストップ部材116および第1のタグ118を含むことができる。一実施形態において、第1のストップ部材116は、第1の小穴108を容易に通過することができないような寸法になっていて、それによって、第1の縫合糸要素110の第2の端部114を引っ張ってアンカー102から第1の縫合糸要素110が誤って取りはずされることを防止する。第1のストップ部材116および第1のタグ118は、外科手術のあいだの生体内におけるポジショニングに適合する任意の材料、すなわち生体適合性材料から構成されていてよい。第1のストップ部材116は、第1の小穴108を通過することとできないような大きさになっている。一実施形態において、第1のストップ部材116は、第1の縫合糸要素110の結び目である。他の実施形態において、第1のストップ部材116は、クリンプ、第1の縫合糸要素110に接着されたビーズ、熱縮小管(heat shrinkable tubing)、圧縮金具、縫合糸の成型された部分のうちのひとつであるか、あるいは別の種類の同等のストップ部材である。第1のストップ部材116はまた、色、形状、模様または大きさを使用して視覚的にコード化することによって、第1のストップ部材116を別の縫合糸要素のストップ部材と区別することができ、それによって第1のストップ部材116を、第1の縫合糸要素110の別の部分、たとえば、第1の縫合糸要素110の第2の端部114と関連付けることができるか、あるいは第1のストップ部材116を第1のタグ118と関連付けることができる。所望であれば、複数のストップ部材が、縫合糸の端部上に取り付けられるか、あるいはその端部の形に形成されていてもよい。
【0017】
第1のタグ118は、第1の縫合糸要素110を操作するために、第1の縫合糸要素110の第1の端部112の位置の視覚的な表示、第1の縫合糸要素110の第2の端部114との第1のタグ118の識別(identification)、第1の縫合糸要素110を別の縫合糸要素と区別するための視覚的なコード、および、ピンセットまたは他の外科用具を使って外科医が把持するのに便利な表面、を提供する。所望であれば、縫合糸の端部に複数のタグが取り付けられていてよい。外科分野においての使用に適合できる任意の種類の視覚的なコードを用いることができ、これには、第1のタグ118の上に表示されるか、あるいは第1のタグ118の形状に組み込まれる、色のコードおよび視覚的模様を含む。視覚的にコード化するための縫合糸の印には、色つきワックス、マーカー、追加のタグまたは他の手段を含むことができる。一実施形態では、第1のストップ部材116および第1のタグ118のうち少なくともひとつが、第1の縫合糸要素の第2の端部114との識別のために、視覚的にコード化されている。例えば、タグの色によるコード化、形状または他の識別特性が、縫合糸要素の第2の端部上の色によるコード化、形状または他の識別特性と適合することができる。第1のタグ118は、目で見えるような、また、外科手術の間に把持するのに便利であるような大きさとなっている。一実施形態では、第1のタグ118は、約10mmの最大寸法を有する。別の実施形態では、第1のタグ118は、フックや外科用把持装置による係合のため、あるいは別の縫合糸要素を通過させるための開口、を具備することができる。一実施形態では、第1のタグ118は、第1の縫合糸要素110に沿った縫合糸の1区分120によって、第1のストップ部材116から離間している。別の実施形態では、第1のストップ部材116と第1のタグ118は、第1の縫合糸要素110に沿って互いに近接して位置されている。さらに別の実施形態では、第1のストップ部材116は第1のタグ118と一体になっている。所望であれば、触覚性要素が、タグの中に形成されるか、あるいはタグに取り付けられていてよい。さらに、少なくともひとつのタグは、選択的に、タグ上に形成された1または複数の穴119を有していてもよい。もしそのような穴が存在する場合は、縫合糸要素がそこを通過することができる。
【0018】
本発明の縫合糸アンカー組立体に用いられる縫合糸アンカーは、複数の小穴、または縫合糸を取り付けるための他の構造を具備することができる。さらに、アンカーの単一の縫合糸の小穴は、2つあるいはそれより多い縫合糸を通過させるくらいの大きさであることができ、一方で、それに対応しているストップ部材は、2つあるいはそれより多い縫合糸のいずれもが、小穴を通過してはずれることを防止できる大きさになっている。一実施形態では、縫合糸アンカー102は、第2の縫合糸要素124がスライド可能に通過できるように取り付けられた第2の小穴122を具備することができる。さらに、第2の縫合糸要素124は、第1の縫合糸要素110と構造的には類似していてもよいが、色あるいは視覚的な模様においては第1の縫合糸要素110と異なっていてもよい。第2の縫合糸要素124は、第2の小穴122を通過することを制限する第2のストップ部材126、および第2のタグ128を含む。第2のストップ部材126および第2のタグ128のうちのひとつ、あるいは両方は、第2の縫合糸要素110を第1の縫合糸要素124と視覚的に区別するためにコード化されている。
【0019】
図示されているように、縫合糸アンカー102は、骨を係合し、縫合糸アンカー102を骨132に固定するための少なくともひとつの固定特徴部130を含むことができる。一実施形態において、骨の表層136の表面134の完全に下に縫合糸アンカー102が位置するように、縫合糸アンカー102は骨132の中に固定されている。特徴部130は、ねじ山、隆起、突起、1または複数のトグル部材、拡張可能な外面、あるいは接着剤のうちの1または複数を含む、アンカーを骨に固定するために適している任意の種類の従来型固定特徴部を含むことができる。
【0020】
図2は、縫合糸アンカー組立体150がループで終端されている別の実施形態を示している。ループで終端された組立体150は、タグで終端された組立体100と似ているが、ループで終端された組立体150は、タグで終端された組立体100のタグ118、128の代わりに、材料の閉じたループを含む。第1の端部154、第2の端部156を有する、ループで終端する第1の縫合糸要素152は、第1の小穴108を通過して取り付けられていることが図示されている。ループで終端する第1の縫合糸要素152の第1の端部154は、第1のストップ部材158および第1のループ160を含むことができる。一実施形態において、第1のストップ部材158は第1のループ160を閉じる結び目であってよく、第1の小穴108を容易には通過することができないような寸法になっており、それによって、第2の端部156を引っ張ることによって、ループで終端する第1の縫合糸要素152がアンカー102からはずれるのを防止する。組立体150は、第2の小穴122に取り付けられた第2のループ160’および第2のストップ部材158’を有する、ループで終端する第2の縫合糸要素162をさらに含むことができる。ループで終端する第2の縫合糸要素162は、ループで終端する第1の縫合糸要素152と似ているが、第1の縫合糸要素152および第2の縫合糸要素162が互いに関して一意的に識別できるように、ループで終端する第2の縫合糸要素162は視覚的にコード化されることができる。別の実施形態では、3つあるいはそれより多い縫合糸要素がアンカー102に取り付けられていてよい。ループ160、160’は縫合糸中に形成されていてもよいし、あるいは縫合糸の端部に取り付けられる別個のループであってもよい。
【0021】
必須ではないけれども、少なくともひとつのループ160、160’は、そこに形成されるタグ161などの追加の特徴部を選択的に含むこととできる。
【0022】
一実施形態において、ストップ部材158、158’は固定された結び目の形態をしていてよい結び目である。別の実施形態では、ストップ部材158、158’は、第1および第2のループ160、160’の大きさが調節可能であるように、スリップ・ノットの形態の結び目である。一実施形態において、本明細書に従った縫合糸要素に結びつけたループは、外科修復手術の一部として形成される縫合糸の結び目に組み込まれていてよい。さらなる実施形態において、縫合糸の結び目に組み込まれたループは、スリップ・ノットを用いてそれ自体が固定されていて、修復手術のために、ループは結び縫合糸(tying suture)に沿って閉じて締められている。別の実施形態において、1または複数の追加の縫合糸要素が、ループ160、160’を通過することができ、それに続いて、1または複数の追加の縫合糸要素をループに永続的に結合させるように、ループの締め、およびループの結びのうちの1または複数を行う。
【0023】
当業者であれば理解されるであろうが、第1および第2のストップ部材158、158’は、外科手術のあいだ生体内のポジショニングに適合する任意の構造であってよく、かつ第1の小穴108を通過することを防止するような大きさになっている。他の実施形態では、第1および第2のストップ部材158、158’は、クリンプ、第1の縫合糸要素に接着されたビーズ、熱縮小管(heat shrinkable tubing)、圧縮金具、あるいは別の種類のストップ部材のうちの1または複数である。一実施態様では、第1および第2のストップ部材158、158’は、お互いに、あるいは他の縫合糸要素のストップ部材と、物理的に区別可能とするために視覚的にコード化されている。このようにして、第1のストップ部材158などの所定のストップ部材を、例えば第2の端部156などの第1の縫合糸要素152の別の部分と結びつけることが可能となる。ストップ要素158、158’は、同じ縫合糸要素に取り付けられたループ160、160’と一体になっていてよく、あるいはストップ要素は、このようなループとは別個であってもよい。
【0024】
本発明に従った組立体に使用される縫合糸アンカーは、縫合糸アンカー上の任意の位置に、または縫合糸アンカーと結び付けられた、小穴、または他の縫合糸を取り付ける特徴部を含むことができる。図1および図2に図示されているように、例えば、縫合糸の小穴は、本発明に従った組立体において使用するために、アンカー102の近位の端部104の近くに位置していてよい。図3aは、縫合糸アンカー組立体200の実施形態を図示しており、近位の端部204、遠位の端部206、および骨固定特徴部208を有するアンカー202は、上述のように、遠位の端部206の近くに位置された1または複数の縫合糸の小穴210を具備する。組立体200はまた、上述のように、一方の端部におけるタグまたはループの終端部を備えた1または複数の縫合糸要素212も含む。一実施形態において、図示されているように、縫合糸アンカー202は、アンカー202を骨に固定することを補助するための挿入物と内部で係合するための近位の開口214を有することができる。別の実施形態では、縫合糸を通過させる小穴は、アンカーの近位の端部と遠位の端部との間に介在して位置されていてよい。さらに別の実施形態では、小穴は、アンカーの表面から延びる可撓性のあるループの形態であってよい。
【0025】
図3bは、本発明に従った縫合糸アンカー組立体220の別の実施形態を図示しており、この組立体220は、上述のように、近位の端部224、遠位の端部226、および外側にある骨固定特徴部228を有する縫合糸アンカー222を含む。図示されているように、アンカーはまた、長さ方向の通路230、および、上述した種類の1または複数の縫合糸要素234が周辺を通過することができる通路230を横断できる、少なくともひとつの内側部材232を含むことができる。さらに、各縫合糸要素234は、前述のように一端部にタグまたはループの終端部を有することができる。各内側部材232は、アンカー222の本体と一体であることができ、あるいは各内側部材232は、長さ方向の通路230を実質的に横切るように位置された交差部材であってもよい。長さ方向の通路230の近位の端部236は、アンカー222を骨に固定することを援助するための挿入物と内部で係合するように構成されることができる。一実施形態において、縫合糸組立体220は、アンカー222に取り付けられた2つの縫合糸要素を含む。他の実施形態では、縫合糸組立体は、縫合糸アンカー222に取り付けられた3つあるいはそれより多い縫合糸要素を含む。
【0026】
図3cは、本発明に従った縫合糸アンカー組立体240のさらに別の実施形態を図示している。組立体240は、近位の端部244、遠位の端部246、少なくともひとつの縫合糸取り付け通路250を有する内側本体部分248、および、内側部分248を受容し1または複数の骨固定特徴部256を支持する、チャネル254を有する外側本体部分252、を有する縫合糸アンカー242を具備することが分かる。内側部分248は、アンカー242を組み立てるために、チャネル254の中にスライド可能に嵌合するように構成されることができる。組立体240はまた、上述したような種類のタグまたはループ終端部を有する種類の少なくともひとつの縫合糸要素258を含むこともできる。一実施形態では、内側本体部分248が外側本体部分254に組み立てられる前に、縫合糸要素258は対応する通路250を通過して取り付けられる。さらなる実施形態において、外側本体部分254は、アンカー242を骨に固定することを援助するために拡張可能であってよい。さらに別の実施形態において、完全に外側本体部分254の中にある内側本体部分248は、アンカー242に対して縫合糸要素252の位置を固定することができる。一実施形態において、縫合糸組立体240はアンカー242に取り付けられた2つの縫合糸要素252を含む。別の実施形態において、縫合糸組立体は縫合糸アンカー242に取り付けられた3つあるいはそれより多い縫合糸要素252を含む。
【0027】
本発明に従って有用である挿入器具300の一実施形態が図4に図示されている。図示されているように、挿入器具300は、縫合糸アンカー306に取り付けられるように構成されている遠位端部304、およびハンドル310に接続されている近位端部308を有する、シャフト302を含むことができる。さまざまな実施形態において、(図4に図示されているように)シャフト302はアンカー306の外側部分に係合するように構成されている。図示はされていないが、当業者であれば、例えば図3aまたは図3bに図示されている種類のアンカーを係合するように、シャフト302はもう一つの方法としてアンカーの内側部分を係合することができる、ということを理解されよう。
【0028】
一実施形態において、シャフト302は少なくとも一部分的にカニューレが挿入されている(cannulated)ものであり、少なくとも部分的にシャフト302を通過して延びている内腔312を有する。さらに、1または複数のスロット314は、上述したような種類の、縫合糸アンカー306に取り付けられた1または複数の縫合糸要素316の一部分を受容するために、シャフト302を通って下部の内腔312から延びていてよい。一実施形態において、スロットカバー318を使用して、アンカー306を骨に挿入するあいだ、各縫合糸要素をスロット314の中に保持することができる。
【0029】
一実施形態において、挿入物300は、アンカー306を骨の穴の中に押し込むように構成されている。別の実施形態において、挿入物300は、遠位端部304において、アンカー306を骨の中に押し込むように縫合糸アンカー306を回転可能に係合するように構成されている。
【0030】
別の実施形態において、縫合糸アンカー306を骨に挿入および固定するために、縫合糸要素316はシャフト302に沿って近位側に位置されている縫合糸ループ320を含むことができ、それに続いて、縫合糸ループ320を縫合糸アンカー306の近くの遠位側に位置させるために縫合糸要素316の自由端部322が引っ張られて、外科医が縫合糸要素316を組織に結合するのに使用される。
【0031】
本発明に従った縫合糸組立体を使用した外科修復手術は、既知の縫合糸アンカー組立体および方法に対して、外科手術のあいだ管理を必要とする、手術部位から出てくる縫合糸の脚(suture legs)の数を劇的に減らすことができる。図5aは、軟組織358を骨354に取り付けることによって軟組織358を修復する準備において、手術部位356における骨354に固定された2つの縫合糸アンカー352の従来技術の例350を図示している。2つの縫合糸アンカー352のそれぞれは、その上に取り付けられた2つの縫合糸360を含み、その結果、外科医により管理を必要とする、手術部位から出てくる8つの縫合糸の脚362(eight suture legs 362)が出てくる。
【0032】
図5bは、図5aに関連して記載されるものと類似の、修復のための縫合糸の管理の例370を図示しているが、本発明に従った縫合糸組立体を使用している。図5bでは、軟組織378を骨374に修復する準備において、2つの縫合糸アンカー372は手術部位376にて骨374に固定されている。2つのループで終端する縫合糸要素380は上述のように、それぞれのアンカー372の近くに位置されているそれぞれの縫合糸ループ382とともに、2つのアンカー372のそれぞれに取り付けられている。図示されているように、図5aの図示に比べて、たった4つの縫合糸の脚384だけが手術部位376から導かれていて、この数は積極的な管理が必要である縫合糸の脚の数を半減している。従って、8つの縫合糸の脚は、手術部位から出てくるたった4つだけの縫合糸の脚でうまく処理される。修復ステップのために特定の縫合糸要素を使用する準備ができたら、外科医は、関連するループを把持するかまたは引っ掛けて、縫合糸要素の一部をアンカーの小穴を通してスライド可能に引っ張り、必要に応じて、組織やその周辺を通過させ、結ぶか、あるいはカットすることができる。
【0033】
別の実施形態において、本発明に従った縫合糸アンカー組立体は、挿入器具に取り付けられた縫合糸アンカー、およびアンカーにあらかじめ取り付けられ、上述されたような1または複数の視覚的にコード化された縫合糸要素を含むキットとして提供されている。さらなる実施形態において、複数の異なるキットが提供されていて、それぞれが、縫合糸要素に含まれる一意的な視覚的コーディングを有していて、それによって、外科医は、多数のアンカーの手術のための本発明の縫合糸管理の能力のさらなる利益を享受することができる。本発明に従った例示的な外科手術において、外科医は、たとえば挿入器具にあらかじめ取り付けられていて、かつループまたはタグを含む1または複数の縫合糸要素が前もって取り付けられているアンカーを使用して、手術部位においてアンカーを骨の中に挿入する。外科医は次に挿入物を抜き取り、アンカーおよび1または複数の縫合糸要素を手術部位の所定の位置に残しておく。外科医は次に、縫合糸の外側の(ループがついていない)脚をアクセスポータルに移動させて、外側のループがついていない脚およびループがついている脚の片方あるいは両方を、組織を通って通過させる。結び目を作る準備ができたら、外科医は必要に応じて視覚的にコード化されたループを把持し、ワーキングポータルからそれを引っ張り出す。そして外科医は結び目を作り、必要に応じて、あるいは必要であれば、ループを取り除く。
【0034】
本発明の組立体に使用される縫合糸は従来の生体適合性材料から作ることができ、吸収性および非吸収性のどちらであってもよい。例示的な材料としては、限定されるものではないが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、絹、ポリジオキサノン(polydioxanone)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、共重合体など、およびそれらの同等物を含む。
【0035】
本発明に従った縫合糸アンカー組立体およびそれらの利用は、多くの利点を有する。これらの利点には、限定されるものではないが、外科医にとっての使用の容易さ、手術時間の短縮が可能であること、および軟組織の骨への修復を行うときに必要とされる技術に関連した利点を含む。本発明に従った縫合糸アンカー組立体を用いて、手術部位において管理を必要とする縫合糸の脚の数も減少させることができ、それによって、関節鏡視下での手術ポータルを経由して多くの縫合糸の脚を有することに関連した、起こりうる混乱および糸のからまりのリスクを低減することができる。縫合糸要素のループ終端部またはフラッグ終端部は、外科医が必要とする時まで関連する縫合糸アンカーの近くに保たれることができ、外科医が必要なときに外科医によって把持され、結び目を作るため、あるいは他のやり方で修復を行うために、手術ポータルを経由して引っ張られることができる。本発明の縫合糸アンカー組立体はまた、ひとつの縫合糸要素を別の縫合糸要素と区別することを補助するために、縫合糸端部の色によるコード化、フラッグ、ストップ部材およびループなどの視覚的なコーディングも含むことができ、それによって本発明の縫合糸管理の容易さをさらに改良させることができる。
【0036】
他の利点としては、本発明に従った縫合糸要素のストップ部材が、縫合糸要素が骨に取り付けられた縫合糸アンカーから誤ってはずれることを防止することを援助する、ということが挙げられる。さらに、本発明の縫合糸要素に関連する縫合糸ループは、外科手術のあいだ、縫合糸要素の識別および操作を援助する。
【0037】
本発明は、本発明の詳細な実施形態に関して図示および記載されてきたが、当業者であれば、特許請求の範囲に記載されている本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の形態および詳細におけるさまざまな変更が可能である、ということを理解されよう。
【0038】
〔実施の態様〕
(1)外科修復組立体において、
縫合糸アンカーであって、
縫合糸アンカー本体であって、前記アンカー本体の少なくとも一部分を通る少なくともひとつの小穴備え、縫合糸を前記小穴に通すことができるように構成されている、縫合糸アンカー本体、および、
骨に係合するための、前記アンカー本体上の少なくともひとつの固定特徴部、
を有する、縫合糸アンカーと、
少なくともひとつの縫合糸要素であって、
各前記小穴の対応するひとつと関連していて、
各前記縫合糸要素は、第1の端部、第2の端部、および、前記縫合糸要素を各前記小穴にスライド可能に通すことができるように構成されている縫合糸直径を有しており、
前記第1の端部は、前記第2の端部の大きさおよび形状と異なる大きさおよび形状を有する特徴部で終端している、
縫合糸要素と、
を備える、組立体。
(2)実施態様1に記載の組立体において、
前記縫合糸要素に沿って前記特徴部に実質的に隣接して位置されているストップ部材、
をさらに含み、
前記ストップ部材は、前記縫合糸要素が前記1または複数の小穴を通って完全にスライドすることを防止する、組立体。
(3)実施態様1に記載の組立体において、
前記特徴部は、タグ、および縫合糸ループのうちの少なくともひとつである、組立体。
(4)実施態様1に記載の組立体において、
前記特徴部は、色、模様、形状、触覚性の特徴、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される識別特性を有する視覚的表示である、組立体。
(5)実施態様4に記載の組立体において、
前記特徴部の前記識別特性は、前記縫合糸要素の第2の端部に形成された識別特性に対応している、組立体。
(6)実施態様3に記載の組立体において、
複数の縫合糸要素が、存在し、
各縫合糸要素は、異なる種類の特徴部を有する、組立体。
(7)実施態様6に記載の組立体において、
各前記特徴部は、異なる識別特性を有する、組立体。
(8)実施態様1に記載の組立体において、
ストップ部材は、結び目、クリンプ、ビーズ、熱縮小管、および圧縮金具からなる群から選択される、組立体。
(9)実施態様1に記載の組立体において、
各ストップ部材は、視覚的な識別特性、触覚性の特性、およびこれらの組み合わせから選択される識別特性を有する、組立体。
(10)実施態様3に記載の組立体において、
前記特徴部は、縫合糸ループであり、
前記ストップ部材は、結び目である、組立体。
(11)実施態様10に記載の組立体において、
前記結び目は、スリップ・ノット、および固定された結び目のうちの一つである、組立体。
(12)実施態様11に記載の組立体において、
前記結び目は、前記縫合糸ループから離間している、組立体。
(13)実施態様1に記載の組立体において、
前記アンカー本体は、1部品のアンカー本体、および2部品のアンカー本体からなる群から選択される、組立体。
(14)実施態様13に記載の組立体において、
前記アンカー本体の前記固定特徴部は、ねじ山、隆起、突起、拡張可能な部材、接着剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、組立体。
【0039】
(15)軟組織を骨に再び取り付ける方法において、
縫合糸アンカーおよび縫合糸要素を提供するステップであって、
前記縫合糸アンカーは、そこを通って延びている縫合糸の小穴を有していて、
前記縫合糸要素は、前記小穴を通ってスライド可能に位置されていて、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部は、前記縫合糸要素に形成された結び目によって固定された縫合糸ループで終端しており、前記結び目は、前記結び目が小穴を通過することを防止する大きさになっている、
ステップと、
前記縫合糸アンカーを前記骨内に固定させるステップと、
前記縫合糸要素を前記小穴に通してスライドさせて、前記小穴に隣接して前記結び目および前記ループを位置させるステップと、
前記ループを把持して引っ張り、前記組織を前記骨に固定させるために前記縫合糸要素を位置させるステップと、
前記縫合糸要素を使用して前記組織を前記骨に固定するステップと、
を含む、方法。
(16)軟組織を骨に再び取り付ける方法において、
縫合糸アンカーおよび縫合糸要素を提供するステップであって、
前記縫合糸アンカーは、そこを通って延びている縫合糸の小穴を有していて、
前記縫合糸要素は、前記小穴を通ってスライド可能に位置されていて、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部は、前記第2の端部の大きさおよび形状と異なる大きさおよび形状を有する特徴部で終端している、
ステップと、
各前記縫合糸要素の前記第2の端部が手術部位の外に向かって延びている一方で、各前記縫合糸要素の前記第1の端部が前記縫合糸アンカーに隣接している前記手術部位の中に残っているように、前記縫合糸アンカーを前記骨内に固定させるステップと、
前記縫合糸要素を操作して、前記軟組織を前記骨に再び取り付けるステップと、
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】タグで終端していて、かつ縫合糸アンカーに取り付けられた縫合糸を含む、本発明に従った縫合糸アンカー組立体の実施形態を示す図である。
【図2】ループで終端していて、かつ縫合糸アンカーに取り付けられた縫合糸を含む、本発明に従った縫合糸アンカー組立体の実施形態を示す図である。
【図3a】遠位側に位置された縫合糸の小穴を有する縫合糸アンカーを含む、本発明に従った縫合糸アンカー組立体の実施形態を示す図である。
【図3b】内部にある縫合糸取り付け部材を有する縫合糸アンカーを含む、本発明に従った縫合糸アンカー組立体の実施形態を示す図である。
【図3c】縫合糸取り付け部材を有する多くの部分に分かれた縫合糸アンカーを含む、本発明に従った縫合糸アンカー組立体の実施形態を示す図である。
【図4】本発明に従ったアンカーの挿入物の実施形態を示す図である。
【図5a】手術部位のまわりの、縫合糸の従来技術における配置を図示する図である。
【図5b】本発明の一実施形態に従った、縫合糸アンカー組立体を使用した、手術部位のまわりの縫合糸の管理の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科修復組立体において、
縫合糸アンカーであって、
縫合糸アンカー本体であって、前記アンカー本体の少なくとも一部分を通る少なくともひとつの小穴を備え、縫合糸を前記小穴に通すことができるように構成されている、縫合糸アンカー本体、および、
骨に係合するための、前記アンカー本体上の少なくともひとつの固定特徴部、
を有する、縫合糸アンカーと、
少なくともひとつの縫合糸要素であって、
各前記小穴の対応するひとつと関連していて、
各前記縫合糸要素は、第1の端部、第2の端部、および、前記縫合糸要素を各前記小穴にスライド可能に通すことができるように構成されている縫合糸直径を有しており、
前記第1の端部は、前記第2の端部の大きさおよび形状と異なる大きさおよび形状を有する特徴部で終端している、
縫合糸要素と、
を備える、組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の組立体において、
前記縫合糸要素に沿って前記特徴部に実質的に隣接して位置されているストップ部材、
をさらに含み、
前記ストップ部材は、前記縫合糸要素が前記1または複数の小穴を通って完全にスライドすることを防止する、組立体。
【請求項3】
請求項1に記載の組立体において、
前記特徴部は、タグ、および縫合糸ループのうちの少なくともひとつである、組立体。
【請求項4】
請求項1に記載の組立体において、
前記特徴部は、色、模様、形状、触覚性の特徴、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される識別特性を有する視覚的表示である、組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の組立体において、
前記特徴部の前記識別特性は、前記縫合糸要素の第2の端部に形成された識別特性に対応している、組立体。
【請求項6】
請求項3に記載の組立体において、
複数の縫合糸要素が、存在し、
各縫合糸要素は、異なる種類の特徴部を有する、組立体。
【請求項7】
請求項6に記載の組立体において、
各前記特徴部は、異なる識別特性を有する、組立体。
【請求項8】
請求項1に記載の組立体において、
ストップ部材は、結び目、クリンプ、ビーズ、熱縮小管、および圧縮金具からなる群から選択される、組立体。
【請求項9】
請求項1に記載の組立体において、
各ストップ部材は、視覚的な識別特性、触覚性の特性、およびこれらの組み合わせから選択される識別特性を有する、組立体。
【請求項10】
請求項3に記載の組立体において、
前記特徴部は、縫合糸ループであり、
前記ストップ部材は、結び目である、組立体。
【請求項11】
請求項10に記載の組立体において、
前記結び目は、スリップ・ノット、および固定された結び目のうちの一つである、組立体。
【請求項12】
請求項11に記載の組立体において、
前記結び目は、前記縫合糸ループから離間している、組立体。
【請求項13】
請求項1に記載の組立体において、
前記アンカー本体は、1部品のアンカー本体、および2部品のアンカー本体からなる群から選択される、組立体。
【請求項14】
請求項13に記載の組立体において、
前記アンカー本体の前記固定特徴部は、ねじ山、隆起、突起、拡張可能な部材、接着剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、組立体。
【請求項15】
軟組織を骨に再び取り付ける方法において、
縫合糸アンカーおよび縫合糸要素を提供するステップであって、
前記縫合糸アンカーは、そこを通って延びている縫合糸の小穴を有していて、
前記縫合糸要素は、前記小穴を通ってスライド可能に位置されていて、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部は、前記縫合糸要素に形成された結び目によって固定された縫合糸ループで終端しており、前記結び目は、前記結び目が小穴を通過することを防止する大きさになっている、
ステップと、
前記縫合糸アンカーを前記骨内に固定させるステップと、
前記縫合糸要素を前記小穴に通してスライドさせて、前記小穴に隣接して前記結び目および前記ループを位置させるステップと、
前記ループを把持して引っ張り、前記組織を前記骨に固定させるために前記縫合糸要素を位置させるステップと、
前記縫合糸要素を使用して前記組織を前記骨に固定するステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2008−132325(P2008−132325A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−282108(P2007−282108)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】