説明

縫合糸通し器

【課題】組立体の容易さと、可動部品の数の制限と、製造コストの低減と、耐久性の向上を実現することのできる手術器具、とりわけ縫合糸通し器を提供する。
【解決手段】第1の顎本体を第2の顎本体に旋回可能に結合する第1のピン無し接合部と、作動部材の遠位部分を前記第1の顎本体に結合する第2のピン無し接合部と、ハンドルを作動部材の近位部分に結合する第3のピン無し接合部とを備える手術器具であって、第3のピン無し接合部が、ハンドルの運動を作動部材の軸線運動に変換し、第2のピン無し接合部が、作動部材の軸線運動を、第1のピン無し接合部の周りの第2の顎本体に対する第1の顎本体の旋回可能な運動に変換し、第3のピン無し接合部が、ハンドルの運動を作動部材の軸線運動に変換し、第2のピン無し接合部が、作動部材の軸線運動を、第1のピン無し接合部の周りの第2の顎本体に対する第1の顎本体の旋回可能な運動に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、縫合糸通し器に関する。
【背景技術】
【0002】
軟組織再生などの外科的処置は、しばしば、例えば、骨に軟組織を付着させるため、または、軟組織に軟組織を付着させるため、または、軟組織の裂創を閉じるために、組織に縫合糸を通す段階を含む。縫合する組織を把持するための1対の顎を備える、組織に縫合糸を通すための器具が知られている。顎は、組織に針を通すために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,712,545号明細書
【特許文献2】特表2001−524842号公報
【特許文献3】特表2002−528161号公報
【特許文献4】国際公開第03/99136号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、手術器具は、対向する突出部の対によって規定される軸線の周りの第2の部材に対する第1の部材の旋回を可能にするために、第2の部材にある対向する開口の対に受けるための上記突出部の対を有する第1の部材を含む。第1の部材は、突出部を開口に納めることができるように、突出部を互いに向けて動かすように変形可能である。
【0005】
この態様の実施形態は、以下の1つまたは複数の特徴を含むことができる。
【0006】
例えば、対向する突出部は第1の部材と一体である。第1の部材は、第1の部材の変形を可能にするスロットを画成する。手術器具は第2の部材を含む。第1の部材は第1の顎本体を含み、第2の部材は第2の顎本体を含む。第1および第2の顎本体は、その間に組織を把持するように構成される。第1の部材は、作動部材と対合する輪郭の表面を画成する。
【0007】
手術器具は作動部材を更に含む。作動部材は、作動部材の軸線運動によって第1の部材が旋回するように第1の部材の輪郭表面と対合する構造の輪郭の遠位部分を有する。作動部材の軸線運動は、例えば、突出部によって規定される軸線に実質的に直角な方向である。
【0008】
固定部材が第2の部材から延びる。固定部材は、作動部材を受けるチャネルを画成する。作動部材を動かして第1の部材を旋回させるときに作動部材の湾曲を制限するために、固定部材は、例えば、チャネルに沿って延びる壁を含み、作動部材は、例えば、その壁に対抗して当接する構造の延長部を含む。作動部材および固定部材は、外側部材に納まる。
【0009】
手術器具は、可動レバーが固定レバーに結合されたハンドルを含む。可動レバーは、作動部材を軸線方向に動かして第1の部材を旋回させるように作動部材に結合される。可動レバーおよび固定レバーの一方はラチェットを含み、可動レバーおよび固定レバーのもう一方は、両レバーを互いに対して1つまたは複数の位置に解放可能に錠止するようにラチェットに係合する構造の、少なくとも1つの歯止めを含む。可動レバーおよび固定レバーの一方は、歯止めをラチェットの方に付勢するように構成された圧縮ばねを含む。圧縮ばねは、ラチェットから歯止めを解放するように作動させることができる。可動レバーは、可動レバーの旋回運動を作動部材の軸線運動に変換するように構成されたアダプタによって、作動部材にピン無し式に結合される。アダプタは、アクチュエータを納め、かつ可動レバーのタブを受けるためのノッチを画成する管を含む。
【0010】
第2の部材は通路を画成し、手術器具はさらに、可撓性のある遠位部分がその通路に可動式に納まる針を含む。通路は、縫合糸を組織の中に通すために、針の遠位部分を通路の中から第1の部材の方に逸らすように構成される。針アクチュエータが、ハンドルの近位側で針に結合される。針アクチュエータは、針を通路に対して動かすように動作可能である。引金部材は、ハンドルの遠位側で針に結合される。引金部材は、針を通路に対して動かすように動作可能である。
【0011】
他の態様では、手術器具は、第1の顎本体を第2の顎本体に旋回可能に結合する第1のピン無し接合部と、作動部材の遠位部分を第1の顎本体に結合する第2のピン無し接合部と、ハンドルを作動部材の近位部分に結合する第3のピン無し接合部とを含む。第3のピン無し接合部は、ハンドルの運動を作動部材の軸線運動に変換し、第2のピン無し接合部は、作動部材の軸線運動を、第1のピン無し接合部の周りの第2の顎本体に対する第1の顎本体の旋回可能な運動に変換する。
【0012】
この態様の実施形態は、以下の1つまたは複数の特徴を含むことができる。例えば、第1のピン無し接合部は、対向する一体的突出部の対によって規定される軸線の周りの第2の顎本体に対する第1の顎本体の旋回を可能にするために、第2の顎本体にある対向する開口の対に受けるための上記突出部の対を第1の顎本体に含む。第2のピン無し接合部は、第1の顎本体に画成された、作動部材の一定の輪郭形状を有する遠位部分を受ける輪郭の表面を有する。ハンドルは、可動レバーの旋回運動を作動部材の軸線運動に変換するように第3のピン無し接合部によって作動部材に結合された可動レバーを含む。第3のピン無し接合部は、可動レバーのタブを受けるためのノッチを含む。
【0013】
他の態様では、手術器具を製造する方法は、互いに対して旋回可能に動くように、第1の顎本体を第2の顎本体にピン無し式に結合する段階と、作動部材の軸線運動が第2の顎本体に対する第1の顎本体の旋回可能な運動に変換されるように、作動部材の遠位部分を第1の顎本体にピン無し式に結合する段階と、ハンドルの運動が作動部材の軸線運動に変換されるように、ハンドルを作動部材の近位部分にピン無し式に結合する段階とを含む。
【0014】
他の態様では、縫合糸通し器が、近位部分および遠位部分を有するハウジングを含む。第1の顎および第2の顎が、ハウジングの遠位部分に結合される。第1の顎は、第1および第2の顎が互いに対して旋回可能になるように第2の顎の貫通孔に受けられる、一体型のピンを有する。ハンドルが、ハウジングの近位部分に結合され、両顎を旋回させるように構成される。可撓性のある針が、第1および第2の顎の一方の通路に受けられる。可撓性のある針は、縫合糸を受けるための開口を画成する。針打込具が、針を通路に対して動かすように構成される。針を受ける顎が、少なくとも針の遠位部分を通路の中からもう一方の顎の方に逸らすように構成される。
【0015】
この態様の実施形態は、以下の1つまたは複数の特徴を含むことができる。
【0016】
例えば、第1の顎は2本の一体型のピンを有し、第2の顎は2つの貫通孔を有する。第2の顎は陥凹部を画成し、第1の顎は、1対のばね脚を形成するスロットを画成する。両ばね脚を一緒に動かし陥凹部内部に嵌合させて、一体型のピンを貫通孔内に挿入できるように、各ばね脚は一体型のピンの一方を含む。第1の顎はさらに、スロットから延びる湾曲した溝を画成し、ハウジングは、湾曲した継手が上記の溝に嵌合する構造の可動部材を含む。可動部材は、第1の顎を第2の顎に対して旋回させるように、ハンドルで動作可能である。第1および第2の顎は、ピンの軸線の周りに旋回可能である。
【0017】
ハウジングは、チャネルを画成する固定部材を含み、チャネルは、顎を旋回させるようにハンドルで動く構造の可動部材を受ける。固定部材は、例えば、チャネルに沿って延びる壁を含み、可動部材は、例えば、可動部材の湾曲を制限するために、その壁に対抗して当接する構造の延長部を含む。固定部材は、顎の一方に連結される。可動部材は、顎のもう一方に結合される。外側部材が、固定部材および可動部材を覆うように延びる。可動部材は、ハンドルの旋回可能な運動が可動部材の直線運動に変換されて顎を旋回させるように、ハンドルにピン無し式に結合される。
【0018】
針打込具は、第1の作動部材および第2の作動部材に結合され、各第2の作動部材は、針を動かすように構成される。第1の作動部材は、ハンドルを把持する親指で作動するように構成され、第2の作動部材は、親指以外の指で作動するように構成される。ハンドルは、互いに対して旋回可能な第1のレバーおよび第2のレバーを含む。第1のレバーは、ラチェットを含み、第2のレバーは、両レバーを互いに対して1つまたは複数の位置に解放可能に錠止するようにラチェットに係合する構造の、少なくとも1つの歯止めを含む。第1および第2のレバーの一方は、歯止めをラチェットの方に付勢するように構成された圧縮ばねを含む。圧縮ばねは、ラチェットから歯止めを解放するように作動させることができる。
【0019】
他の態様では、縫合糸通し器が、近位部分および遠位部分を有するハウジングを含む。第1の顎および第2の顎が、ハウジングの遠位部分に結合され、互いに対して旋回可能である。第2の顎は陥凹部を画成し、第1の顎は、両ばね脚を一緒に動かして陥凹部内部に嵌合できるように、1対のばね脚を形成するスロットを画成する。ハンドルが、ハウジングの近位部分に結合され、両顎を旋回させるように構成される。可撓性のある針が、第1および第2の顎の一方にある通路に納まる。針は、縫合糸を受けるための開口を画成する。針打込具が、通路に対して針を動かすように構成される。針を受ける顎は、針の少なくとも遠位部分を通路の中からもう一方の顎の方に逸らすように構成される。
【0020】
他の態様では、縫合糸通し器が、近位部分および遠位部分を有するハウジングを含む。第1の顎および第2の顎が、ハウジングの遠位部分に結合され、互いに対して旋回可能である。ハンドルが、ハウジングの近位部分に結合され、両顎を旋回させるように構成される。可撓性のある針が、第1および第2の顎の一方にある通路に納まる。可撓性のある針は、縫合糸を担持するための開口を画成する。針打込具が、通路に対して針を動かすように構成される。針を受ける顎は、針の少なくとも遠位部分を通路の中からもう一方の顎の方に逸らすように構成される。
【0021】
この態様の実施形態は、以下の1つまたは複数の特徴を含むことができる。例えば、ハウジングは、チャネルを画成する固定部材を含み、チャネルは、顎を旋回させるようにハンドルで動く構造の可動部材を受ける。固定部材は、チャネルに沿って延びる壁を含み、可動部材は、可動部材の湾曲を制限するために、その壁に対抗して当接する構造の延長部を含む。針打込具が、通路に対して針を動かすように構成される。針打込具は、第1の作動部材および第2の作動部材に結合され、各第2の作動部材は、針を動かすように構成される。第1の作動部材は、ハンドルを把持する親指で作動するように構成され、第2の作動部材は、親指以外の指で作動するように構成される。ハウジングは可動部材を含み、可動部材は、ハンドルの旋回運動が可動部材の直線運動に変換されて顎を旋回させるように、ハンドルにピン無し式に結合される。
【0022】
利点は、組立体の容易さと、可動部品の数の制限と、製造コストの低減と、耐久性の向上を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】縫合糸通し器の図である。
【図2A】針が器具の遠位端から延びる、図1の縫合糸通し器の図である。
【図2B】図2Aの2B部分の拡大図である。
【図3A】針がない、図1の縫合糸通し器の分解図である。
【図3B】図1の縫合糸通し器の上側顎アクチュエータの図である。
【図3C】図1の縫合糸通し器の下側顎シャフトの図である。
【図3D】図1の縫合糸通し器の外側管の図である。
【図4】図1の縫合糸通し器の下側顎シャフトおよび上側顎の遠位部分の分解図である。
【図5A】上側顎組立中の、図1の縫合糸通し器の下側顎シャフトおよび上側顎アクチュエータの遠位部分の図である。
【図5B】上側顎のスロットに沿って分割した、図1の縫合糸通し器の上側顎の拡大斜視図である。
【図5C】上側顎のスロットに沿って分割した、図1の縫合糸通し器の上側顎の拡大斜視図である。
【図5D】図3Bの上側顎アクチュエータの遠位部分の拡大斜視図である。
【図5E】図3Bの上側顎アクチュエータの遠位部分の拡大斜視図である。
【図6A】図1の縫合糸通し器の、組立済みの下側顎シャフト、上側顎アクチュエータ、および上側顎の図である。
【図6B】図6Aの線6B−6Bに沿った、組立済みの下側顎シャフトおよび上側顎アクチュエータの横断面図である。
【図7】下側顎シャフトおよび上側顎アクチュエータを覆って配置された外側管を示す、図1の縫合糸通し器の遠位部分の図である。
【図8】図1の縫合糸通し器の、上側顎アクチュエータ、下側顎シャフト、および外側管の管アダプタへの結合を示す図である。
【図9】図1の縫合糸通し器の、上側顎アクチュエータのアクチュエータリンクへの結合を示す図である。
【図10】図1の縫合糸通し器の、管アダプタおよびアクチュエータリンクのハンドルへの結合を示す図である。
【図11】針を装入前の、図1の縫合糸通し器を示す図である。
【図12】針を装入した、図1の縫合糸通し器を示す図である。
【図13】縫合糸装入位置にある針を示す、図1の縫合糸通し器の遠位部分を示す図である。
【図14】停止位置にある針を示す、図1の縫合糸通し器の遠位部分を示す図である。
【図15】使用中の図1の縫合糸通し器を示す図である。
【図16】使用中の図1の縫合糸通し器を示す図である。
【図17】使用中の図1の縫合糸通し器を示す図である。
【図18】使用中の図1の縫合糸通し器を示す図である。
【図19】縫合糸通し器の他の実施形態を示す図である。
【図20】縫合糸通し器の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1つまたは複数の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に示される。他の特徴はその説明および図面と、特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1を参照すると、縫合糸通し器10が、ハンドル12と、細長いハウジング14と、遠位の顎組立体16とを含む。顎組立体16は、可動顎20の形をした第1の部材と、固定顎18の形をした第2の部材を含む。可動顎20は、固定顎18に対して旋回可能である。ハンドル12は、母指環22の形をした固定レバーと、顎20を開閉するように母指環22に対して動作可能な、指環24の形をした可動レバーを含む。ハンドル12は、連結された母指針打込具28および指引金30を備える、針作動組立体26を含む。図2Aおよび2Bも参照すると、組織に縫合糸を通すために使用される針32が、ハウジング14内部に摺動可能に納まり、針打込具28に取り付けられる。
【0026】
図3A〜図3Dを参照すると、ハウジング14は、上側顎アクチュエータ40と、下側顎シャフト42(その顎18が遠位部分を形成する)と、アクチュエータ40および下側顎シャフト42が内部に納まる外側管44とで形成される。下記に詳細に述べるように、下側顎シャフト42および外側管44は管アダプタ46に取り付けられ、アクチュエータ40は管アダプタ46の中を通って延び、アクチュエータリンク48に取り付けられる。管アダプタ46およびアクチュエータリンク48は、管アダプタ46が母指環22に固定され、アクチュエータリンク48が母指環22に対して動作可能であるように、母指環22内部に納まる。指環24は下記のように、指環24の旋回運動によってアクチュエータリンク48が動き、それによって上側顎アクチュエータ40が軸線方向に動いて顎20が開閉するように、アクチュエータリンク48にピン無し式に取り付けられる。
【0027】
図4を参照すると、顎18に画成された2つの開口52にそれぞれ受けられる、一体的に成型または機械加工された1対の突出部50により、顎20が顎18にピン無し式に結合される(図4には突出部50は1つだけ表示)。顎20は、顎20が下側顎シャフト42内に装入されているときに2本のばね脚56a、56bを互いに圧縮することができるようにその脚56a、56bを形成するスロット54を画成する。脚56a、56bが解放されると、突出部50が顎20を顎18に結合するように穴52内に移動する。
【0028】
図5Aを参照すると、顎20は、アクチュエータ40のX軸線方向の運動が、突出部50によって規定されるほぼX軸線に垂直なY軸線の周りの顎20の旋回運動に変換されるように、アクチュエータ40にピン無し式に結合される(図5Aは、下側顎シャフト42に納まった標準位置から出ているアクチュエータ40を示す)。図5Bおよび5Cも参照すると、顎20は、脚56aの内部壁57に形成された湾曲した耳付き溝58の形と、それに対応して湾曲し、脚56bの内部壁55に形成された棚59の形をした輪郭の表面を規定する。図5Dおよび5Eも参照すると、アクチュエータ40は、スロット54内に受けられる延長部63を有する遠位の継手60と、溝58内に受けられる湾曲した耳61(斜線で示す)を含む。延長部63は、延長部63がスロット54内に受けられると底壁73が棚59に当接するように、頂壁75と、平行な両側壁69および71と、湾曲した棚59の曲率に対応する曲率を有する湾曲した底壁73とによって画成される。耳61は側壁69から延び、湾曲した底壁73と、湾曲した頂壁65と、側壁77と、延長部63の頂壁75から延びる端壁67とによって画成される。耳61の曲率は耳付き溝58の曲率に対応する。このアクチュエータ40と顎20の間に形成されたピン無し継手は、例えば米国特許第4,712,545号に記載のように、顎20を開閉するようにアクチュエータ40の軸線運動を顎20の旋回運動に伝達する。前記特許の全体を参照によりここに援用する。アクチュエータ40の遠位の継手60はまた、脚56aおよび56bの互いの方への移動を制限し、それによって顎20の、下側顎シャフト42から外れる傾向が制限される。
【0029】
図3B、図3C、図6A、および図6Bを参照すると、下側顎シャフト42は、全般にU字形の断面を有する、アクチュエータ40を受けるためのチャネル62を画成する。下側顎シャフト42は2つの壁82を有し、アクチュエータ40は2つの延長部80が側方に延びる本体41を有する。延長部80は通常、壁82および外側管44から離して隔置される。大きな負荷がアクチュエータ40にかかり、それによってアクチュエータ40が曲がった場合に、延長部80と壁82または外側管44の間が接触することによって、アクチュエータ40が下側顎シャフト42の内側に折れる傾向が制限される。アクチュエータ40がチャネル62内に配置されると、アクチュエータ40および下側顎シャフト42がその間に長手方向に延びる、針32を受けるためのスロット43を画成するように、アクチュエータ40の本体41がチャネル62の下側表面84から離して隔置される。図7も参照すると、上側顎アクチュエータ40および下側顎シャフト42は、アクチュエータ40が下側顎シャフト42のチャネル62内部に保持されるように外側管44内に納まる。
【0030】
図3A〜図3Dおよび図8を参照すると、管アダプタ46は、ねじ山の付いた穴100を画成し、下側顎シャフト42および外側管44はそれぞれ座ぐり穴102、104を画成し、座ぐり穴102、104が組立中、穴100と一列に配列される。下側顎シャフト42および管44をアダプタ46に取り付けるために、ねじ106が穴100内部にねじ込み式に受けられ、座ぐり穴102、104内に延びる。上側顎アクチュエータ40は、管アダプタ46の近位端110を超えて延びる、近位のL字形延長部108を有する。図9も参照すると、リンク48の軸線運動によってアクチュエータ40が軸線方向X方向に動くように、アクチュエータリンク48は、延長部108を受けるための、それに対応するノッチ112を画成する。管アダプタ46の近位端110は、遠位方向にアクチュエータリンク48を前進できる範囲を制限するように機能し、したがって、顎20に加えることができる閉じる力を制限する。
【0031】
図10を参照すると、管アダプタ46およびアクチュエータリンク48は、母指環22の穴120内部に納まる。母指環22はねじ山の付いた穴122を画成し、アダプタ46は、組立中、穴122と一列に配列される座ぐり穴124を画成する。アダプタ46は、穴122内にねじ込まれ、座ぐり穴124で受けられるねじ126によって、固定母指環22に対して定位置に固定される。指環24は、指環24の旋回運動をアクチュエータリンク48の軸線運動に伝達して顎20を開閉するように、アクチュエータリンク48にピン無し式に結合される。指環24の旋回運動によってアクチュエータリンク48が軸線方向X方向に動くように、アクチュエータリンク48は、ノッチ128を画成し、指環24はノッチ128内に受けられるタブ130を有する。
【0032】
図1および図3Aを再度参照すると、ハンドル12の指環24は、当分野では従来からあるようにボタン140およびばね142を開口144および146内部に受けることによって、ハンドル12の母指環22内部に保持される。引金30はハンドル12の遠位側に配置され、針打込具28はハンドル12の近位側に配置される。針32を動かすように引金30と針打込具28が一緒に動作可能であるように、引金リンク148(指環24、母指環22にそれぞれ画成されたスロット162、164内部に受けられる)によって、引金30と針打込具28が結合される。引金リンク148に引金30を旋回式に取り付けるピン154を受けるために、引金30は穴150を画成し、引金リンク148は穴152を画成する。引金リンク148に針打込具28を旋回式に取り付けるピン160を受けるために、針打込具28は穴156を画成し、引金リンク148は穴158を画成する。引金30は、ピン166を引金30、母指環22にそれぞれ画成された穴168、170に受けることによって、母指環22に旋回式に結合される。針打込具28は、ピン172を、母指環22の穴174の内部と、針打込具28内側表面の戻り止め(図示せず)内部とに受けることによって、母指環22に旋回式に結合される。
【0033】
図6Bおよび図11を参照すると、針32は例えばニチノール製のワイヤで形成され、母指環22の穴120内部に納まり、ハウジング14内部のアクチュエータ40と下側顎シャフト42の間のスロット43内で遠位方向に延びる。図3Dおよび8も参照すると、管44は、針32をスロットに差し込んでいる間、針32の案内に役立つタブ176を含む。針32は、針打込具リンク184を形成する、例えばほぼ直角の、近位の屈曲部を有する。図12も参照すると、針打込具リンク184は、針打込具28または引金30の動きによって針32がハウジング14内部でX方向に前後に動くように、針打込具28に画成された穴186内部に受けられる。ハウジング14内部に針32を配置するために、針打込具28は、針32を母指環22の穴120内に差し込むための経路を開けるように母指環22と反対側の矢印Aの方向に旋回する。このとき、針打込具リンク184を穴186内に配置できるように、針の近位端がわずかに折り曲げられる。
【0034】
図2A、図2B、図4、および図6Bも参照すると、針32は、とがった遠位端180と、縁部196と、縁部196から近位方向に延びる、縫合糸を受けるための縫合糸受けスロット182とを含む、可撓性の遠位部分181を有する。下側顎18は、合わせて針32を納めるための通路198を画成する、本体部分195および傾斜部分197を含む。針打込具28を矢印Cの方向に動かす、かつ/または引金30を矢印Dの方向に動かすときは、針32を、通路198を通って矢印Cの遠位方向に前進させる。図2Bに示すように、針32が組織に縫合糸を通すように、本体部分195および傾斜部分197によって、針32の遠位部分181が通路198から顎20の方に逸れる。
【0035】
図4および図13を参照すると、顎18は、長手方向の縫合糸受けスロット192に通じる側面の縫合糸受けスロット190を画成する。縫合糸222を針スロット190からスロット182内に通すことができるように、針32を針スロット182と顎スロット190を一列に配列して配置することができる。図14を参照すると、針182を遠位方向に前進させると、縫合糸222はスロット192を通って延び、針32と顎18の間に捕捉される。顎18は、針32の前進/後退中に針32の縁部196を支持する棚194を含む。
【0036】
例えば、図2Bに示すように、顎20は、顎20に鉤形の遠位端214を形成する、切欠き210と切欠き210に通じるスロット212を含む。針を顎18から前進させて縫合糸を組織に通すときに、針32は鉤形の遠位端214の中を自在に通る。縫合糸を組織の中に通した後、針32は顎18内に後退し、組織に縫合糸を残す。通された縫合糸をさらに鉤形の遠位端214で操作して、例えば、鉤形の遠位端214を縫合糸の輪に潜らせて配置し、組織から縫合糸を引き抜くことができる。
【0037】
図15を参照すると、使用中、例えば軟組織300を骨223に付着させる際、縫合糸アンカー220および付属の縫合糸222(ブレードU.S.P0号〜2号の縫合糸など)をカニューレ224(5.5mmカニューレなど)に通して関節の骨223(肩関節など)に配置し縫合糸222をアンカー220からカニューレ224を通して関節の外側まで延ばした後、縫合糸222を器具10内に装入する。顎20を開いて縫合糸222を装入するには、術者は針打込具28を矢印Aの方向に(図12)動かして縫合糸スロット190、182を一列に配列させる(図13)。次いで顎18に被さるように縫合糸222を輪にし(図13)、縫合糸222の自由端部分226をスロット190からスロット182に通す。針打込具28を矢印A(図12)の方向に移動させることによって、針打込具28を解放したときに、針32および針打込具28が自動的にその、図14に示す針32の位置に対応する停止位置に戻るように、針32にわずかな湾曲が生じて遠位方向に付勢される。傾斜部分197(図2B)は、針打込具28を解放したときに針32が停止位置を超えて遠位方向に移動するのを防止する。次に、術者は指環24を矢印Bの方向に動かして顎20を閉じ、器具10をカニューレを通して手術部位まで前進させる。次に、顎20を開き、骨に付着させる組織300を顎18と20の間に配置するように器具10を操作する。次に、顎20を閉じて組織300を把持する(図16)。
【0038】
図17を参照すると、組織300を顎18と20の間に固定させた状態で、術者は針打込具28を押す(矢印C、図2A)または引金30を引く(矢印D、図2A)することによって、針32を前進させて組織300の中に通す。図18を参照すると、術者は次いで針打込具28または引金30の動きを逆転させて、縫合糸222の輪228を組織300内を通して延ばしたまま、針32をその停止位置まで後退させる。術者は顎20を開いて組織300を解放し、顎20の鉤214を縫合糸222の輪228に潜らせて配置する。(あるいは、別個の把持器具を使用してもよい。)処置を完了するには、術者は顎20を閉じ、捕捉した縫合糸222と共に器具10を引っ張ってカニューレ224の中を通し、組織300を骨に再び接近させるように縫合糸222を結んで留める。器具10は、例えば、使い捨ての針32を除いて再利用可能である。
【0039】
図19および図20を参照すると、代替実施形態では、縫合糸通し器1910が可動指環1924および固定母指環1922を有するハンドル1912と、細長いハウジング1914と、遠位の顎組立体1916と、針作動組立体1926とを含み、以下を除いては上述の縫合糸通し器10と同様である。まず、針32を動かすように動く針打込具28および引金30を含む針作動組立体26とは異なり、作動組立体1926は、母指環1922に旋回式取り付けられた針打込具1928のみを含み、引金は含まない。針打込具1928の働きは、器具10の針打込具28と同様である。
【0040】
2番目に、指環1924および母指環1922が、術者が母指環1922に対して複数の位置に指環1924を錠止できるように、錠止機構1925によって接合される。錠止機構1925は、ピン1930で指環1924に接続されたラチェットアーム1927を含み、ピン1930は、指環1924およびラチェットアーム1927の穴を通って延びる。ラチェットアーム1927は、指引金1934を形成するように湾曲した遠位部分1932と、母指環1922内に形成されたスロット内部に受けられる複数の歯1942を備える近位部分1936と、圧縮ばね1940によって指環1924に接続された延長部1938とを含む。歯1942は、母指環1922のスロット1941内に配設された歯止め1944と係合可能である。使用中、術者が指環1924を矢印Eの方向に動かして顎組立体1916を閉じると、指環1924が矢印Eと反対の方向に動かないように、歯止め1944が歯1942と係合する。指環1924を解放するには、術者は矢印Fの方向に引金1934を動かす。これによって歯1942は歯止め1944から係合解除される。不注意により歯止め1944から係合解除しないよう歯1942を保護するために、圧縮ばね1940が歯1942を歯止め1944に対抗して付勢する。
【0041】
幾つかの実施形態について説明したが、様々な改変を行うことができるのが理解されよう。例えば、上側顎および下側顎のピン無し継手が、下側顎に突出部と、上側顎に対応する開口を含んでもよい。下側顎または両方の顎が動作可能であってもよい。下側顎の一定の輪郭形状を有する溝と、その溝に納まる輪郭形状を有するアクチュエータの遠位部分によって、アクチュエータを可動の下側顎にピン無し式に結合することもできる。アクチュエータが固定の下側顎シャフトを受けるためのチャネルを含んでもよい。アダプタは、リンケージまたはギアなどの様々な接合部を含んでもよい。ハンドルは、母指環および指環の一方または両方が顎を動かすように動作可能であってもよい。リンケージまたはギアなどの別の機構によって、可動の指環をアクチュエータとピン無し式に結合してもよい。針アクチュエータは、リンケージまたはギアとして、別の針を動かすための機構を含んでもよい。ラチェットおよび歯止めをハンドルの両側の輪に配置してもよい。圧縮ばねの代わりに、ラチェットまたはハンドルは、板ばねなどのラチェットを付勢する部分を含むことができる。針がその全長にわたって、または下側顎に納まる遠位部分のみに可撓性を有してもよい。以上およびその他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれる。
【0042】
また、本発明は、以上の開示事項に基づき以下の付記項に記載する特徴を抽出することができる。
〔付記項1〕
対向する突出部の対によって規定される軸線の周りで、第1の部材を第2の部材に対して回動可能にするために、前記第2の部材の対向する開口の対に受けるための前記突出部の対を有する前記第1の部材を備える手術器具であって、
前記第1の部材が、前記突出部を前記開口に納めることができるように、前記突出部を互いに向けて動かすように変形可能である手術器具。
〔付記項2〕
前記対向する突出部が、第1の部材と一体である、付記項1に記載の手術器具。
〔付記項3〕
前記第1の部材が、前記第1の部材の変形を可能にするスロットを画成する、付記項1または付記項2に記載の手術器具。
〔付記項4〕
前記第1の部材が第1の顎本体を含む、付記項1から付記項3までのいずれか1項に記載の手術器具であって、
前記第2の部材を更に備え、
前記第2の部材が第2の顎本体を備え、
前記第1及び第2の顎本体が、その間に組織を把持するように構成される手術器具。
〔付記項5〕
前記第1の部材が、作動部材と対合する輪郭の表面を画成する、付記項1から付記項4までのいずれか1項に記載の手術器具。
〔付記項6〕
前記作動部材を更に備え、
前記作動部材が、前記作動部材の軸線方向運動によって前記第1の部材が旋回するように前記第1の部材の輪郭表面と対合する構造の輪郭の遠位部分を具備する、付記項5に記載の手術器具。
〔付記項7〕
前記作動部材の前記軸線運動が、前記突出部によって規定される前記軸線に実質的に垂直な方向である、付記項6に記載の手術器具。
〔付記項8〕
前記第2の部材および前記第2の部材から延びる固定部材をさらに備え、
前記固定部材が、前記作動部材を受けるチャネルを画成し、前記作動部材を動かして前記第1の部材を旋回させるときに前記作動部材の湾曲を制限するために、前記固定部材が、前記チャネルに沿って延びる壁を含み、前記作動部材が、前記壁に対抗して当接する構造の延長部を含む、付記項6または付記項7に記載の手術器具。
〔付記項9〕
前記作動部材および前記固定部材を受ける外側部材を更に備える、付記項8に記載の手術器具。
〔付記項10〕
前記作動部材を軸線方向に動かして前記第1の部材を旋回させるように前記作動部材に結合された可動レバーと、前記固定部材に結合された固定レバーとを含むハンドルをさらに備える、付記項8または付記項9に記載の手術器具。
〔付記項11〕
前記可動レバーおよび前記固定レバーの一方がラチェットを含み、前記可動レバーおよび前記固定レバーのもう一方が、前記両レバーを互いに対して1つまたは複数の位置に解放可能に錠止するように前記ラチェットに係合する構造の、少なくとも1つの歯止めを含む、付記項10に記載の手術器具。
〔付記項12〕
前記可動レバーおよび固定レバーの一方が、前記歯止めを前記ラチェットの方に付勢するように構成された圧縮ばねを含み、前記圧縮ばねが、前記ラチェットから前記歯止めを解放するように作動させることができる、付記項11に記載の手術器具。
〔付記項13〕
前記可動レバーが、前記可動レバーの旋回運動を前記作動部材の軸線運動に変換するように構成されたアダプタによって、前記作動部材にピン無し式に結合される、付記項10から付記項12までのいずれか1項に記載の手術器具。
〔付記項14〕
前記第2の部材が通路を画成する、付記項10から付記項13までのいずれか1項に記載の手術器具であって、可撓性のある遠位部分が前記通路に可動式に納まる針をさらに備え、前記通路が、縫合糸を組織の中に通すために、前記針の遠位部分を前記通路の中から前記第1の部材の方に逸らすように構成される手術器具。
〔付記項15〕
前記ハンドルの近位側で前記針に結合された針アクチュエータをさらに含み、前記針アクチュエータが、前記針を前記通路に対して動かすように動作可能である、付記項14に記載の手術器具。
〔付記項16〕
前記ハンドルの遠位側で前記針に結合された引金部材をさらに備え、前記引金部材が、前記針を前記通路に対して動かすように動作可能である、付記項14または付記項15に記載の手術器具。
〔付記項17〕
第1の顎本体を第2の顎本体に旋回可能に結合する第1のピン無し接合部と、
作動部材の遠位部分を前記第1の顎本体に結合する第2のピン無し接合部と、
ハンドルを前記作動部材の近位部分に結合する第3のピン無し接合部とを備える手術器具であって、
前記第3のピン無し接合部が、前記ハンドルの運動を前記作動部材の軸線運動に変換し、前記第2のピン無し接合部が、前記作動部材の軸線運動を、前記第1のピン無し接合部の周りの前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回可能な運動に変換し、
前記第3のピン無し接合部が、前記ハンドルの運動を前記作動部材の軸線運動に変換し、前記第2のピン無し接合部が、前記作動部材の前記軸線運動を、前記第1のピン無し接合部の周りの前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回可能な運動に変換する手術器具。
〔付記項18〕
前記第1のピン無し接合部が、対向する一体的突出部の対によって規定される軸線の周りの前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回を可能にするために、前記第2の顎本体にある対向する開口の対に受けるための前記突出部の対を前記第1の顎本体に含む、付記項17に記載の手術器具。
〔付記項19〕
前記第2のピン無し接合部が、前記第1の顎本体に画成された、前記作動部材の一定の輪郭形状を有する遠位部分を受ける輪郭の表面を有する、付記項17または付記項18に記載の手術器具。
〔付記項20〕
前記ハンドルが可動レバーを含み、前記可動レバーが、その旋回運動を前記作動部材の軸線運動に変換するように、前記第3のピン無し接合部によって前記作動部材に結合される、付記項17から付記項19までのいずれか1項に記載の手術器具。
〔付記項21〕
互いに対して旋回可能に動くように、第1の顎本体を第2の顎本体にピン無し式に結合する段階と、
作動部材の軸線運動が前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回可能な運動に変換されるように、前記作動部材の遠位部分を前記第1の顎本体にピン無し式に結合する段階と、
ハンドルの運動が前記作動部材の軸線運動に変換されるように、前記ハンドルを前記作動部材の近位部分にピン無し式に結合する段階とを含む、手術器具の製造方法。
【符号の説明】
【0043】
10 縫合糸通し器
12 ハンドル
14 ハウジング
16 顎組立体
18 固定顎
20 可動顎
22 母指環
24 指環
26 針作動組立体
28 母指針打込具
30 指引金
32 針
40 上側顎アクチュエータ
41 アクチュエータ本体
42 下側顎シャフト
44 外側管
46 管アダプタ
48 アクチュエータリンク
50 突出部
52 開口
54 スロット
55 内部壁
56a ばね脚
56b ばね脚
57 内部壁
58 溝
59 棚
60 継手
61 耳
62 チャネル
63 延長部
65 頂壁
67 端壁
69 側壁
71 側壁
73 底壁
75 頂壁
77 側壁
80 延長部
82 壁
100 穴
102 座ぐり穴
104 座ぐり穴
106 ねじ
108 L字形延長部
110 管アダプタの近位端
112 ノッチ
120 母指環の穴
122 母指環のねじ山の付いた穴
124 アダプタの座ぐり穴
126 ねじ
128 ノッチ
130 タブ
140 ボタン
142 ばね
144 開口
146 開口
148 引金リンク
150 引金の穴
152 引金リンクの穴
154 ピン
156 針打込具の穴
158 引金リンクの穴
160 ピン
162 指環スロット
164 母指環スロット
166 ピン
168 引金の穴
170 母指環の穴
172 ピン
174 穴
176 タブ
180 針の遠位端
181 針の遠位部分
182 針スロット
184 針打込具リンク
186 針打込具の穴
190 顎スロット
192 縫合糸受けスロット
194 棚
195 下側顎の本体部分
196 針の縁部
197 下側顎の傾斜部分
198 下側顎の通路
210 切欠き
212 スロット
214 顎の遠位端
1910 縫合糸通し器
1912 ハンドル
1914 ハウジング
1916 顎組立体
1922 固定母指環
1924 可動指環
1925 錠止機構
1926 針作動組立体
1927 ラチェットアーム
1928 針打込具
1930 ピン
1932 ラチェットアームの遠位部分
1934 指引金
1936 ラチェットアームの近位部分
1938 ラチェットアームの延長部
1940 圧縮ばね
1941 母指環のスロット
1942 歯
1944 歯止め

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の顎本体を第2の顎本体に旋回可能に結合する第1のピン無し接合部と、
作動部材の遠位部分を前記第1の顎本体に結合する第2のピン無し接合部と、
ハンドルを前記作動部材の近位部分に結合する第3のピン無し接合部とを備える手術器具であって、
前記第3のピン無し接合部が、前記ハンドルの運動を前記作動部材の軸線運動に変換し、前記第2のピン無し接合部が、前記作動部材の軸線運動を、前記第1のピン無し接合部の周りの前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回可能な運動に変換し、
前記第3のピン無し接合部が、前記ハンドルの運動を前記作動部材の軸線運動に変換し、前記第2のピン無し接合部が、前記作動部材の前記軸線運動を、前記第1のピン無し接合部の周りの前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回可能な運動に変換する手術器具。
【請求項2】
前記第1のピン無し接合部が、対向する一体的突出部の対によって規定される軸線の周りの前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回を可能にするために、前記第2の顎本体にある対向する開口の対に受けるための前記突出部の対を前記第1の顎本体に含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記第2のピン無し接合部が、前記第1の顎本体に画成された、前記作動部材の一定の輪郭形状を有する遠位部分を受ける輪郭の表面を有する、請求項1または請求項2に記載の手術器具。
【請求項4】
前記ハンドルが可動レバーを含み、前記可動レバーが、その旋回運動を前記作動部材の軸線運動に変換するように、前記第3のピン無し接合部によって前記作動部材に結合される、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項5】
互いに対して旋回可能に動くように、第1の顎本体を第2の顎本体にピン無し式に結合する段階と、
作動部材の軸線運動が前記第2の顎本体に対する前記第1の顎本体の旋回可能な運動に変換されるように、前記作動部材の遠位部分を前記第1の顎本体にピン無し式に結合する段階と、
ハンドルの運動が前記作動部材の軸線運動に変換されるように、前記ハンドルを前記作動部材の近位部分にピン無し式に結合する段階とを含む、手術器具の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−91020(P2012−91020A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1385(P2012−1385)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2007−516734(P2007−516734)の分割
【原出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】