説明

繊維機械システム及び繊維機械

【課題】ホストコンピュータを介して通信する必要が無く、しかも機台の配置換えが容易な繊維機械システムを提供する。
【解決手段】自動ワインダシステム70は、複数の自動ワインダ60を備える。自動ワインダ60のそれぞれは、複数の糸巻取ユニット16と、機台制御装置11と、ZigBee端末12と、を備える。機台制御装置11は、前記糸巻取ユニット16の巻取情報を管理し、当該糸巻取ユニット16を制御する。ZigBee端末12は、他の自動ワインダ60が備えるZigBee端末12と直接的に無線通信することが可能である。機台制御装置11は、他の自動ワインダ60が備えた機台制御装置11と、ZigBee端末12による無線通信によって巻取情報を送受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要には、複数の繊維機械間で情報の通信を行う繊維機械システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の繊維処理ユニットと、前記繊維処理ユニットの動作を制御する制御装置と、を備えた繊維機械が知られている。このような繊維機械としては、例えば複数の糸巻取ユニットを備えた糸巻取機などがある。この糸巻取機の制御装置は、各糸巻取ユニットの現在の稼動状態をモニタしたり、各種の糸処理条件を設定したりすることができる。
【0003】
通常、工場内では前記のような構成の糸巻取機(機台)を複数台設置して稼動させている。この場合において、複数の糸巻取機を同じ糸処理条件で作動させたいときや糸処理条件を一括して変更したい場合などに、オペレータがそれぞれの糸巻取機のところまで行って1台ずつ設定値の変更を行うことが必要であると、効率が悪くなり、オペレータにとっても負担である。
【0004】
この点に関し、特許文献1はLAN(ローカルエリアネットワーク)によって前記設定値の転送を行うことができる繊維機械の糸処理条件設定システムを開示する。
【特許文献1】特開2006−143338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の構成は、各機台はホストコンピュータとLAN接続にて通信を行うように構築されている。そのため、ある機台で設定された糸処理条件設定を他の機台へ転送する場合、ホストコンピュータを必ず介して送信する必要がある。従って、ある機台からある機台へ糸処理条件を直接転送することができず、ネットワークトラフィックの増大等の原因となっていた。また、特許文献1の構成では、ホストコンピュータが故障した場合には機台間の通信がすべて不可能になってしまい、影響が大きくなってしまう点でも改善の余地が残されていた。
【0006】
更に、特許文献1のように有線LANにて各機台とホストコンピュータが接続されていると、繊維工場で要求される機台の配置換えが困難であった。その結果、配置換えに時間が掛かり、工場全体の生産性を下げる原因となっていた。
【0007】
一方、特許文献1の有線LANを公知の無線LANに変更し、各機台とホストコンピュータを無線により通信させることも考えられる。しかしながらこの場合、繊維工場内の他の機台が障害物となるために、全ての機台が無線LANのアクセスポイントと良好に通信できるようなレイアウト設計は困難であり、通信障害が発生する原因となっていた。そのため、結局は有線LANの場合と同様に配置換えに時間が掛かるなど、有線LANの場合と同じ問題が発生していた。
【0008】
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、それぞれの繊維機械がホストコンピュータを介することなく直接的に通信でき、しかも機台の配置換えが容易な繊維機械システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の観点によれば、以下の構成の、複数の繊維機械を備えた繊維機械システムが提供される。即ち、前記繊維機械のそれぞれは、少なくとも1つの繊維処理ユニットと、制御装置と、無線通信部と、を備える。前記制御装置は、前記繊維処理ユニットの情報を管理し、当該繊維処理ユニットを制御する。前記無線通信部は、所定の無線通信規格に従って無線通信可能に構成されている。前記無線通信部は、他の繊維機械が備える無線通信部と直接的に無線通信することが可能である。前記繊維機械の制御装置は、他の繊維機械が備えた制御装置と、前記無線通信部による無線通信によって前記情報を送受信する。
【0011】
この構成により、複数の繊維機械が設置された施設において、容易に数珠繋ぎ状の繊維機械間通信システムを構築することが可能である。これにより、ホストコンピュータを介することなく直接的に制御装置同士が通信を行うことができる。従って、ホストコンピュータを介する場合のように、1台のホストコンピュータの不調によってシステム全体が影響を受けることを回避することができる。また、無線であるため繊維機械の配置換えを容易に行うことが可能である。しかも繊維機械同士が互いに通信可能であるので、所定のアクセスポイントを介する場合のように特定の機台に電波が遮られて通信不能となることを防止でき、機台の配置の自由度を向上させることができる。
【0012】
前記の繊維機械システムにおいては、前記繊維処理ユニットを糸の巻取を行う糸巻取ユニットとし、前記情報を当該糸巻取ユニットの巻取情報とすることができる。
【0013】
これにより、複数の繊維機械間で無線通信による巻取情報の送受信が可能になる。
【0014】
前記の繊維機械システムにおいては、前記無線通信部は前記繊維機械に対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
【0015】
これにより、必要に応じて、ある繊維機械を他の繊維機械と通信可能な状態にすることができる。従って、例えば繊維機械を1台から複数台に増設する場合など、施設内の機台構成の変更を容易に行うことができる。その結果、より柔軟にシステムを構築することができるとともに、配置換えの困難に伴う生産性の低下を抑制することができる。
【0016】
前記の繊維機械システムにおいては、以下のように構成されていることが好ましい。即ち、前記複数の繊維機械は互いに隣接して配置されている。そして、まず、1つの繊維機械が備える制御装置は、当該制御装置が管理する情報を当該繊維機械と隣接する他の繊維機械が備える制御装置に無線通信により送信する。そして、当該情報を受信した制御装置は、隣接する更に他の繊維機械が備える制御装置に対して、当該受信した情報とともに、当該制御装置が管理する情報を無線通信により累積的に送信することが可能である。
【0017】
これにより、繊維機械同士が情報を送受信する際に、各繊維機械の情報を付加して送受信を行うことができるので、前記情報を繊維機械システム上で効率良く収集することができる。
【0018】
前記の繊維機械システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記無線通信部は、当該無線通信部が設けられた繊維機械が備える制御装置である第1の制御装置が管理する情報を、他の繊維機械が備える制御装置である第2の制御装置に送信する場合、当該第2の制御装置との通信が可能であるかを判断する。当該第2の制御装置との通信が可能であるときは、前記無線通信部は、前記第1の制御装置が管理する情報を前記第2の制御装置に送信する。前記第2の制御装置との通信が可能でないときは、前記無線通信部は、前記第2の制御装置とは異なる繊維機械が備える制御装置である第3の制御装置と通信する。
【0019】
これにより、通信不能な状態に陥った繊維機械が繊維機械システムの中に含まれていたとしても、当該繊維機械をスキップして他の繊維機械と通信することができる。その結果、例えば機台の配置換えなどによって電波状況が変化した場合や特定の繊維機械の通信機能が故障している場合であっても、通信経路を自動的に再構築させることができる。従って、機台の配置換えが更に容易になるとともに、特定の繊維機械の通信機能の故障によりシステム全体の通信が停止してしまうことを防止できる。これにより生産性が更に向上する。
【0020】
前記の繊維機械システムにおいては、前記所定の無線通信規格は、短距離無線通信規格であって、複数の繊維機械を連続的に前記無線通信部により通信可能に接続することが可能であることが好ましい。
【0021】
即ち、連続的に無線通信可能とすることにより、短距離無線通信であっても、複数の繊維機械を経由することができるので、広大な敷地内で互いに通信することができる。従って繊維機械システムにおいては上記の構成とすることが好適である。
【0022】
前記の繊維機械システムにおいては、前記所定の無線通信規格はZigBeeであることが好ましい。
【0023】
即ち、ZigBeeは端末間の相互通信が可能な無線規格であって、消費電力も少なく、伝送距離の点でも広大な施設内で用いるのに適当であるから、繊維機械システムに用いるのに特に好適である。
【0024】
本発明の別の観点によれば、以下の構成の繊維機械が提供される。即ち、この繊維機械は、少なくとも1つの繊維処理ユニットを備えている。また、前記繊維機械は、他の繊維機械に対して情報の送信及び受信の少なくとも何れかを直接的に行うことが可能な通信端末を備えている。
【0025】
この構成の繊維機械を複数設置して相互に通信させることにより、ホストコンピュータを介することなく通信を行うことができ、機台の配置換えも容易な繊維機械間の通信ネットワークを構築することができる。
【0026】
前記の繊維機械においては、前記繊維処理ユニットを糸巻取ユニットとし、前記情報を前記糸巻取ユニットの巻取情報とすることができる。
【0027】
これにより、糸巻取ユニットを備えた繊維機械を複数台設置して相互に巻取情報を通信させるこができる。
【0028】
前記繊維機械においては、前記通信端末の通信規格はZigBeeであることが好ましい。
【0029】
即ち、ZigBeeは端末間の相互通信が可能な無線規格であって、消費電力も少なく、伝送距離の点でも広大な施設内で用いるのに適当であるから、繊維機械間の通信ネットワークに用いるのに特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る繊維機械(糸巻取機)である自動ワインダの概略的な構成を示している。
【0031】
図1に示すように、自動ワインダ60は、機台制御装置(制御装置)11と、並べて配置された複数の糸巻取ユニット(繊維処理ユニット)16と、給糸ボビン供給装置52と、自動玉揚装置51と、を備えている。
【0032】
給糸ボビン供給装置52は、各糸巻取ユニット16に対し、給糸ボビン21を図略の供給経路に沿って搬送して供給するように構成されている。自動玉揚装置51は、各糸巻取ユニット16においてパッケージ30が満巻となった際に、当該糸巻取ユニット16の位置まで走行し、当該満巻パッケージを回収するとともに空ボビンを供給することができるように構成されている。また、前記給糸ボビン供給装置52と自動玉揚装置51の動作は、機台制御装置11によって制御されている。
【0033】
それぞれの糸巻取ユニット16は、給糸ボビン21から解舒された糸20を綾振ドラム41によって綾振りしながらボビンに巻き取り、パッケージ30を形成できるように構成されている。また、糸巻取ユニット16は、走行する糸20の太さ等を監視するクリアラ(糸品質測定器)42を備え、クリアラ42が糸20の欠陥を検出したときはそれを除去できるように構成されている。
【0034】
それぞれの前記糸巻取ユニット16はユニット制御部50を備えている。このユニット制御部50は、図略のCPU(中央演算処理装置)と、ROM(リードオンリーメモリ)と、RAM(ランダムアクセスメモリ)と、I/O(入出力)ポートと、を備えている。前記ROMには、糸巻取ユニット16の各構成(例えば綾振ドラム41等)を制御するための制御プログラムが記憶されている。前記CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを前記RAMに読み出して実行することにより、前記各構成を制御して適切に糸の巻取を行うことができるように構成されている。
【0035】
各ユニット制御部50が備える前記I/Oポートは、前記機台制御装置11に接続され、情報の送受信が可能に構成されている。これにより、自動ワインダ60が備えている複数の糸巻取ユニット16を、機台制御装置11によって一括して管理することができる。
【0036】
この機台制御装置11は、ディスプレイ13と、入力キー14と、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート15と、当該USBポート15に接続されたZigBee端末12(無線通信部、通信端末)と、を備えている。また、機台制御装置11はユニット制御部50と同様に、CPUと、ROMと、RAMと、I/Oポートと、を備えている。前記ディスプレイ13及び入力キー14は前記I/Oポートに接続されるとともに、前記USBポート15は前記I/Oポートの一部として構成されている。
【0037】
機台制御装置11のI/Oポートは、各糸巻取ユニット16に備えられるユニット制御部50のI/Oポートと、適宜の通信線を介して接続されている。この構成により、機台制御装置11は、それぞれの糸巻取ユニット16のユニット制御部50に対して各種の糸巻取条件を送信し、当該糸巻取条件を設定することができる。また機台制御装置11は、それぞれの糸巻取ユニット16のユニット制御部50から、当該糸巻取ユニット16における現在の糸巻取状況に関する情報(糸巻取状況情報)を受信可能に構成されている。
【0038】
前記の糸巻取条件としては、例えば、巻取速度、番手、巻取張力、巻取パッケージの巻取量、パッケージ重量、糸欠陥に関する項目などがある。また前記の糸巻取状況情報としては、例えば、現在のパッケージ径、現在の巻取速度、糸切れの発生状況、糸欠陥の検知状況などがある。
【0039】
具体的には、オペレータは適宜の操作によってディスプレイ13に糸巻取条件設定メニューを表示させ、入力キー14により数値入力を行うことによって糸巻取条件を設定することができる。なお、糸巻取条件に関する設定値は、各糸巻取ユニット16を個別に指定して送信することもできるし、全ての糸巻取ユニット16に対し一括して送信することもできる。
【0040】
機台制御装置11は前記ディスプレイ13に、刻々と変化する前記糸巻取状況情報をリアルタイムで表示できるように構成されている。また、機台制御装置11は糸巻取状況情報の過去の履歴を記憶可能に構成されており、例えば糸欠陥の発生頻度を時間軸に沿ってプロットしたグラフをディスプレイ13に表示することができる。更に、機台制御装置11は糸巻取状況情報の履歴を解析して統計情報を算出できるように構成されており、例えば各糸巻取ユニット16の巻取効率や、一定期間内の糸切れ発生回数等を算出してディスプレイ13に表示させることができる。
【0041】
なお、以下の説明では、以上に説明した糸巻取条件、糸巻取状況情報、過去の履歴、及び統計情報をまとめて「巻取情報」と称することがある。このように、オペレータは複数の糸巻取ユニット16の巻取情報を機台制御装置11によって一括して設定又は閲覧できるので、自動ワインダ60の管理を効率良く行うことができる。
【0042】
前記ZigBee端末12は公知のUSBコネクタ(図略)を備えており、このUSBコネクタがUSBポート15に装着されることで、前記ZigBee端末12が機台制御装置11に接続される。このZigBee端末12により、機台制御装置11は、他の自動ワインダ60が備えている機台制御装置11と前記巻取情報を送受信することができる。なお、前記ZigBee端末12は、USBコネクタを前記USBポート15から抜くことにより、機台制御装置11から取り外すこともできるように構成されている。
【0043】
次に、本発明の一実施形態に係る自動ワインダシステムについて説明する。図2は、前述の自動ワインダ60を複数備えて構成される自動ワインダシステム(繊維機械システム)70の概念図である。
【0044】
図2の2点鎖線の矢印で示すように、この自動ワインダシステム70では、複数の自動ワインダ60によって、巻取情報の送受信が可能なネットワークが形成されている。この巻取情報の送受信は、各自動ワインダ60が備えているZigBee端末12による無線通信によって実現されている。なお、図2で示す複数の自動ワインダ60には、それぞれの自動ワインダを特定して示すために符号61,62,63が付されており、以降では、この符号に従って自動ワインダを特定して説明することがある。
【0045】
前記ZigBee端末12はZigBeeの通信規格に基づいているため、相互に通信が可能である。このため、特定のホストコンピュータやアクセスポイントを設置する必要が無く、直接的に相互通信可能な(いわゆるアドホックな)ネットワークを構築することができる。従って、ZigBee端末12を備えた本実施形態の各自動ワインダ60同士は、巻取情報の送受信を、無線通信によって直接的に行うことができる。
【0046】
一方、実際の繊維工場内においては、図2に示すように、複数の自動ワインダ60(機台)が並列に配置されるのが通常である。また、数十台の機台を備えた規模の工場では、例えば機台間の距離を約2mとした場合、図2の紙面縦方向における機台設置スペースの距離が100mを超えることもある。そのため、例えば機台設置スペースの端部と反対側の端部に設置された自動ワインダ60同士が直接無線通信を行うとすると、広大な工場敷地内では電波が届きにくく、また、中間に配置された機台が障害物となるため、電波状況の点から通信が困難な場合がある。
【0047】
本実施形態ではこの点を考慮して、各自動ワインダ60が備えているZigBee端末12に情報中継機能を持たせ、複数の自動ワインダ60を経由した情報の送受信が可能に構成されている。具体的には、各自動ワインダ60が備えているZigBee端末12は、データ中継機能を備えるいわゆるルータ(ZigBee Router)として機能している。なお、以下の説明では、ルータとしてのZigBee端末12を備えた自動ワインダ60のことを、単に「ルータ端末」と称することがある。
【0048】
これにより、電波の状況等によって直接通信ができない自動ワインダ60(機台)同士でも、他の自動ワインダ60を中継することにより巻取情報を送受信することができる。また、上記のように複数の機台を中継して相互通信を可能とすることにより、機台の配置方法や配置位置にかかわらず全ての機台を無線通信ネットワークに簡単に参加させることができる。これにより、機台の配置換えなどを容易に行うことができる。またホストコンピュータを介在させずに通信を行うので、ホストコンピュータの故障によってネットワーク全体がダウンすることを回避できる点でも有利である。
【0049】
次に、この自動ワインダシステム70のネットワークを立ち上げるときの動作について説明する。
【0050】
ZigBeeのネットワークにおいては、コーディネータ(ZigBee Coordinator)と呼ばれる端末がネットワークの立上げを行う。このコーディネータはネットワーク内に1台のみ存在し、ネットワークの制御を行う端末である。また、コーディネータは前記ルータとしての機能も備えている。本実施形態では、特定の自動ワインダ60(厳密にいえば、当該自動ワインダ60が備えるZigBee端末12)をコーディネータとして予め設定しておき、当該自動ワインダ60にネットワークの立ち上げ処理を行わせている。
【0051】
このコーディネータは、PAN(Personal Area Network)IDと呼ばれる識別値を指定してネットワークを開始する。このPAN IDによってネットワークの識別が可能となり、各ルータ端末は、前記PAN IDを指定してネットワークに接続することにより、所望のネットワークに参加することができる。
【0052】
ところで、このコーディネータの役割を果たすべき特定の自動ワインダ60が、装置の電源が入っていなかったり、ZigBee端末12が故障しているなどの理由より通信不能の状態に陥っていると、自動ワインダシステム70のネットワークを立ち上げることができない。この点を考慮して、本実施形態の自動ワインダシステム70では、コーディネータとなるべき自動ワインダ60が通信不能であった場合に、代わりにコーディネータとなる自動ワインダ60を別に備えている。
【0053】
具体的には以下のとおりである。例えば、自動ワインダ61がコーディネータとして指定され、自動ワインダ62が予備のコーディネータとして指定されているとする。自動ワインダ61には第1識別値が、自動ワインダ62には第2識別値が割り当てられている。そして、当該自動ワインダシステム70に含まれる全ての自動ワインダ60には、優先順位1番目のPAN IDとして前記第1識別値が、優先順位2番目のPAN IDとして前記第2識別値が、予め記憶されている。
【0054】
以上の構成で、自動ワインダシステム70に含まれる各自動ワインダ60の電源が投入されると、コーディネータである自動ワインダ61は、PAN IDとして第1識別値を指定し、ZigBeeネットワークを立ち上げる。即ち、優先順位1番目のネットワークを立ち上げる。
【0055】
ルータである他の自動ワインダ60は、ネットワークが開始されているか否かを監視している。そして、優先順位1番として記憶されている第1識別値をPAN IDとして開始されたネットワークを検知すると、当該ネットワークに参加する。
【0056】
次に、コーディネータである自動ワインダ61が故障等の理由によりネットワークを開始できなかった場合の動作について説明する。予備のコーディネータである自動ワインダ62は、電源が投入された後の所定時間において、第1識別値をPAN IDとするネットワークが存在するか否かを監視する。自動ワインダ62が所定時間内に第1識別値をPAN IDとするネットワークを検知した場合は、通常のルータとして当該ネットワークに参加する。
【0057】
前記ネットワークを所定時間内に検知できなかった場合、予備のコーディネータである自動ワインダ62は、PAN IDとして第2識別値を指定したネットワークを自ら立ち上げる。即ち、優先順位2番目のネットワークを立ち上げる。ルータである他の自動ワインダ60は、優先順位1番目のネットワークが検知されず、優先順位2番目のネットワークのみを検知した場合は、当該優先順位2番目のネットワークに参加する。このように、コーディネータとなるべき自動ワインダ61の予備として自動ワインダ62が存在することにより、ネットワークを確実に立ち上げることができる。
【0058】
次に、機台の配置換えや、一部の自動ワインダがネットワークから離脱等したことにより、電波の状況が変化した場合の動作について説明する。
【0059】
前述したように、各ルータ端末は、他のルータ端末を複数経由して通信が可能である。また、ネットワークはコーディネータによって最初に立ち上げられる。そのため、各ルータ端末は、まずコーディネータに接続を試みることになるが、電波が届かないなどの理由によりコーディネータと直接通信が不可能なルータ端末は、既にネットワークに参加している他のルータ端末を介して当該ネットワークに参加することになる。
【0060】
そのため、本実施形態の自動ワインダシステム70のネットワークは、概念的には、コーディネータを中心としてツリー状に形成されることになる。以下の説明では、あるルータ端末に注目したときに、当該ルータ端末が直接的に通信を行っている他のルータ端末のうち、自機がコーディネータと通信する際に経由しているルータ端末を「親機」と称し、自機を経由してコーディネータと通信しているルータ端末を「子機」と称する。
【0061】
このような構造のネットワークでは、あるルータ端末に対する親機がネットワークから離脱して通信不能となった場合は、当該ルータ端末、及び当該ルータ端末を介して通信している子機の全てがネットワークに接続できなくなってしまう。このような場合としては、例えば、親機である自動ワインダ60の電源がオフになった場合、及び、親機の自動ワインダ60が備えるZigBee端末12が故障した場合等が考えられる。また、機台の配置換えなどによって電波状況が変化して親機と通信不良となった場合にも、上記のような問題が発生することがある。このような場合にネットワークの再立上げや親子関係の再設定が毎回必要になると、オペレータにとって手間であり、工場全体の生産性も低下してしまう。
【0062】
この点を考慮して、本実施形態の自動ワインダシステム70では、自動的に親子関係を再設定するように構成されている。この親子関係再設定処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。図3は、本実施形態の自動ワインダシステム70のネットワークに属しているルータ端末が巻取情報の送信を行う際に実行される、親子関係再設定処理プログラムのフローである。
【0063】
まず、ルータ端末は、巻取情報の送信に先立って、親機に対する通信を試行し(S101)、親機からの応答の有無及び応答の内容を調べることで、通信が良好であるか否かを判断する(S102)。親機と良好に通信できる場合は、ネットワークをこのまま維持すれば良いので、特に処理を行わずにフローを終了し、当該巻取情報を前記親機に送信する。
【0064】
図3のS102において親機との通信が不良であると判断された場合、自身の配下に子機が存在するか否かを調べる(S103)。そして、子機が存在している場合は、当該子機を自身の配下から離脱させる処理を行う(S104)。
【0065】
上記の処理が終了すると、ルータ端末は親機の配下から離脱し(S105)、新しい親機を検索してその配下に入る(S106)。その後、前記巻取情報を新しい親機に対して送信する。
【0066】
なお、子機と通信が可能である場合はS104の処理を省略し、自機の配下の子機を伴って新しい親機の配下に参加するようにすることもできる。ただし、今までの親機と通信不可能となった(S102)ということは、配置換えなどによって電波状況が変化した可能性が高いと考えられる。そこで、自身の配下に存在する子機を離脱させ、それぞれの子機に改めて親を検索させることにより、より最適な経路でネットワークを再構成させることができる。なお、S104の処理で離脱させた子機は、上記の場合と同様に図3のフローチャートに従って親機の検索を行う。
【0067】
このように、本実施形態の自動ワインダシステム70のネットワークは、自己改善/自己修復機能があるので、特にオペレータが通信経路の設定を行わなくても、常に良好な状態の無線通信ネットワークを維持することができる。
【0068】
ところで、本実施形態の自動ワインダシステム70では、自動ワインダ60の間で巻取情報を累積的に送信することが可能であるように構成されている。具体的には、ある自動ワインダ60が隣接する他の自動ワインダ60の巻取情報を受信した後、更に他の隣接する自動ワインダ60に当該情報を送信する際に、自身が管理している巻取情報を前記巻取情報に付加して送信することができる。
【0069】
従って、各自動ワインダ60の間で送受信するたびに最新の情報が付加されるので、自動的に情報の収集/更新が行われ、互いに最新の情報を共有することができる。これにより、例えば中央サーバのような装置を設けて情報を一元管理する必要なく、自動ワインダシステム70に含まれる自動ワインダ60間で巻取情報の共有を効率良く実現することができる。但し、少なくとも1以上の自動ワインダ60を集中管理装置として、通信可能に接続された自動ワインダ60の情報を特定箇所にて集中管理することも可能である。
【0070】
そして、本実施形態の自動ワインダシステム70は、以上のようにして無線通信ネットワークが構成され、前記巻取情報を自動ワインダ60間で送受信可能とすることにより、工場全体の管理を容易に行うことができる。
【0071】
具体的には、例えば、複数の自動ワインダ60に同一の糸巻取条件を送信することにより、当該糸巻取条件を一括して設定することが可能である。また、上記の巻取情報の送受信により、全ての機台の糸巻取状況情報や統計情報を、任意の自動ワインダ60のディスプレイ13で適宜モニタすることができる。そのため、例えば、自動ワインダ63に備えられたX番目の糸巻取ユニット16のパッケージ生成効率が悪い、といった情報を、オペレータは当該自動ワインダ63の設置場所まで行くことなく、最寄りの自動ワインダ60のディスプレイ13に表示させて確認することができる。
【0072】
以上に説明したように、本実施形態の自動ワインダシステム70は、複数の自動ワインダ60を備えている。自動ワインダ60のそれぞれは、複数の糸巻取ユニット16と、機台制御装置11と、ZigBee端末12と、を備える。機台制御装置11は、前記糸巻取ユニット16の巻取情報を管理し、当該糸巻取ユニット16を制御する。ZigBee端末12は、所定の無線通信規格であるZigBeeに従って無線通信可能に構成されている。また、ZigBee端末12は、他の自動ワインダ60が備えるZigBee端末12と直接的に無線通信することが可能である。機台制御装置11は、他の自動ワインダ60が備えた機台制御装置11と、ZigBee端末12による無線通信によって巻取情報を送受信する。
【0073】
この構成により、自動ワインダ60が設置された施設において、容易に数珠繋ぎ状の自動ワインダ間通信システムを構築することが可能である。これにより、ホストコンピュータを介することなく直接的に機台制御装置11同士が通信を行うことができる。従って、ホストコンピュータを介する場合のように、1台のホストコンピュータの不調によってシステム全体が影響を受けることを回避することができる。また、無線であるため自動ワインダ60の配置換えを容易に行うことが可能である。しかも自動ワインダ60同士が互いに通信可能であるので、所定のアクセスポイントを介する場合のように特定の機台に電波が遮られて通信不能となることを防止でき、自動ワインダ60の配置換えを柔軟かつ機動的に行うことができる。
【0074】
また、本実施形態の自動ワインダシステム70において、自動ワインダ60は複数の糸巻取ユニット16を備えている。そして、自動ワインダ60の機台制御装置11は、他の自動ワインダ60の機台制御装置11と、糸巻取ユニット16の巻取情報を送受信するように構成されている。
【0075】
これにより、複数の自動ワインダ60間で無線通信による巻取情報の送受信が可能になる。
【0076】
また、本実施形態の自動ワインダシステム70においては、ZigBee端末12は自動ワインダ60に対して着脱可能に設けられている。
【0077】
これにより、必要に応じて、ある自動ワインダ60を他の自動ワインダ60と通信可能な状態にすることができる。従って、例えば自動ワインダ60を1台から複数台に増設する場合など、施設内の機台構成の変更を容易に行うことができる。その結果、より柔軟にシステムを構築することができるとともに、配置換えの困難に伴う生産性の低下を抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態の自動ワインダシステム70においては、複数の自動ワインダ60は互いに隣接して並列に配置されており、以下のように通信することが可能である。即ち、まず、1つの自動ワインダ60が備える機台制御装置11は、当該機台制御装置11が管理する情報を当該自動ワインダ60と隣接する他の自動ワインダ60が備える機台制御装置11に無線通信により送信する。そして、当該情報を受信した機台制御装置11は、隣接する更に他の自動ワインダ60が備える機台制御装置11に対して、当該受信した情報とともに、当該機台制御装置11が管理する情報を無線通信により累積的に送信する。
【0079】
これにより、自動ワインダ60同士が情報を送受信する際に、各自動ワインダ60の情報を付加して送受信を行うことができるので、前記情報を自動ワインダシステム70上で効率良く収集することができる。
【0080】
また、本実施形態の自動ワインダシステム70は、以下のように構成されている。即ち、例えば自動ワインダ61に設けられているZigBee端末12は、当該自動ワインダ61が備える機台制御装置11が管理する巻取情報を他の自動ワインダ62の機台制御装置11に送信する場合、当該自動ワインダ62の機台制御装置11との通信が可能であるかを判断する(S102)。そして、自動ワインダ61のZigBee端末12は、自動ワインダ62の機台制御装置11との通信が可能であるときは、自動ワインダ61の機台制御装置11が管理する巻取情報を自動ワインダ62の機台制御装置11に送信する。また、自動ワインダ61のZigBee端末12は、前記自動ワインダ62の機台制御装置11との通信が可能でないときは、それとは異なる自動ワインダが備える機台制御装置(例えば、自動ワインダ63が備える機台制御装置11)を検索し(S106)、当該機台制御装置11と通信を行う。
【0081】
これにより、通信不能な自動ワインダ60(上記の例では、自動ワインダ62)が自動ワインダシステム70に含まれていたとしても、当該自動ワインダ60をスキップして他の自動ワインダ60と通信することができる。その結果、例えば自動ワインダ60の配置換えなどによって電波状況が変化した場合や特定の自動ワインダ60の通信機能が故障している場合であっても、通信経路を自動的に再構築させることができる。従って、自動ワインダ60の配置換えが更に容易になるとともに、特定の自動ワインダ60の通信機能の故障によりシステム全体が停止してしまうことを防止できる。これにより生産性が更に向上する。
【0082】
また、本実施形態の自動ワインダシステム70においては、自動ワインダ60のそれぞれが、無線通信規格としてZigBeeを用いたZigBee端末12を備えている。また、このZigBee規格は、短距離無線通信規格であり、複数の自動ワインダ60を連続的にZigBee端末12により通信可能に接続することが可能である。
【0083】
このZigBee端末12は、相互通信が可能で消費電力も少なく、伝送距離の点でも広大な施設内で用いるのに適当であって、しかも複数の繊維機械を経由することができるので広大な敷地内で互いに通信することができる。従って自動ワインダシステム70に用いるのに特に好適である。
【0084】
また、本実施形態の自動ワインダ60は、複数の糸巻取ユニット16を備えるとともに、他の自動ワインダ60に対して糸巻取情報の送信及び受信の少なくとも何れかを直接的に行うことが可能なZigBee端末12を備えている。
【0085】
この構成の自動ワインダ60を複数設置して相互に通信させることにより、ホストコンピュータを介することなく通信を行うことができ、配置換えも容易な自動ワインダ60間の通信ネットワークを構築することができる。
【0086】
以上に本発明の好適な実施形態について説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0087】
上記で説明した巻取情報は一例であって、上記以外の情報を自動ワインダ間で通信しても良いことは勿論である。また、巻取情報の一部のみ通信を行い、他の情報は通信しないという構成でも良い。例えば、糸巻取条件のみ自動ワインダ60間で通信を行う、という構成に変更できる。
【0088】
給糸ボビン供給装置52及び自動玉揚装置51は、省略又は変更することができる。例えば、給糸ボビン供給装置52によって給糸ボビン21を供給する構成に代えて、各糸巻取ユニット16の前面にマガジン式のボビン供給装置を設ける構成に変更できる。
【0089】
無線通信規格はZigBeeに限らず、例えばBluetoothといった他の無線通信規格に変更することができる。ただし、Bluetoothでは、スレーブと呼ばれる端末は、ネットワークに1台だけ存在するマスタと呼ばれる端末と相互通信を行うことはできるが、スレーブ同士の通信は不可能になっている。また、Bluetoothでは、1台のマスタに接続できるスレーブの数が7台までと少なく、通信距離も制限されているため、繊維工場のような広い空間における多数の機台間での通信には採用が困難な場合も考えられる。従って、繊維工場で機台間通信を構築する場合は、拡張や変更の柔軟性及び障害耐性等の観点からZigBeeが特に好適である。
【0090】
ZigBee端末12は、USBポート15に限らず、例えば有線LANポートに接続する構成に変更することができる。
【0091】
また、ZigBee端末12は自動ワインダ60に着脱可能とする構成に代えて、着脱不可能としても良い。ただし、拡張性及び柔軟性の観点からは、ZigBee端末12を自動ワインダ60に対して着脱可能とすることが好ましい。
【0092】
また、ZigBee端末12の取付位置としては、図1や図2に示す位置に限らず、例えば、機台制御装置11の上面や、或いは機台制御装置11に内蔵させる構成としても良い。
【0093】
図3のフローは情報を送信する際に実行する構成に代えて、例えば定期的に実行する構成に変更することができる。
【0094】
上記の説明では、コーディネータとなる自動ワインダ60は2台(メインのコーディネータが1台、予備のコーディネータが1台)として説明したが、予備のコーディネータは何台存在しても良い。また、コーディネータの設置場所については特に制限は無く、どの自動ワインダ60がコーディネータとして設定されても良い。
【0095】
また、予めコーディネータを指定しておく構成に代えて、例えば自動ワインダシステム内で最初に起動された自動ワインダが動的にコーディネータとして機能する構成に変更することができる。
【0096】
繊維機械は自動ワインダに限らず、例えば、少なくとも1つの紡績ユニットを備えた紡績機としても良い。この場合は、各紡績ユニットに関する紡績情報を他の紡績機との間で送受信することになる。
【0097】
また、同じ種類の機台同士の通信に限らず、例えば、複数の自動ワインダと複数の紡績機とを含んだ繊維機械システムとして構築しても良い。このように構成すれば、糸の紡績からパッケージ生成まで、一貫して情報を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動ワインダの正面概略図。
【図2】本発明の一実施形態に係る繊維機械システムの概念図。
【図3】親子関係再設定処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0099】
11 機台制御装置(制御装置)
12 ZigBee端末(無線通信部、通信端末)
13 ディスプレイ
14 入力キー
15 USBポート
16 糸巻取ユニット
60 自動ワインダ(繊維機械)
70 自動ワインダシステム(繊維機械システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維機械を備え、
前記繊維機械のそれぞれは、
少なくとも1つの繊維処理ユニットと、
前記繊維処理ユニットの情報を管理し、当該繊維処理ユニットを制御する制御装置と、
所定の無線通信規格に従って無線通信可能な無線通信部と、
を備え、
前記無線通信部は、他の繊維機械が備える無線通信部と直接的に無線通信することが可能であり、
前記繊維機械の制御装置は、他の繊維機械が備えた制御装置と、前記無線通信部による無線通信によって前記情報を送受信することを特徴とする繊維機械システム。
【請求項2】
請求項1に記載の繊維機械システムであって、
前記繊維処理ユニットは糸の巻取を行う糸巻取ユニットであり、
前記情報は当該糸巻取ユニットの巻取情報であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の繊維機械システムであって、
前記無線通信部は前記繊維機械に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の繊維機械システムであって、
前記複数の繊維機械は互いに隣接して配置されており、
1つの繊維機械が備える制御装置は、当該制御装置が管理する情報を当該繊維機械と隣接する他の繊維機械が備える制御装置に無線通信により送信し、
当該情報を受信した制御装置は、隣接する更に他の繊維機械が備える制御装置に対して、当該受信した情報とともに、当該制御装置が管理する情報を累積的に無線通信により送信することが可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の繊維機械システムであって、
前記無線通信部は、当該無線通信部が設けられた繊維機械が備える制御装置である第1の制御装置が管理する情報を、他の繊維機械が備える制御装置である第2の制御装置に送信する場合、当該第2の制御装置との通信が可能であるかを判断し、
当該第2の制御装置との通信が可能であるとき、前記第1の制御装置が管理する情報を前記第2の制御装置に送信し、
前記第2の制御装置との通信が可能でないとき、前記第2の制御装置とは異なる繊維機械が備える制御装置である第3の制御装置と通信することを特徴とする繊維機械システム。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の繊維機械システムであって、
前記所定の無線通信規格は、短距離無線通信規格であって、複数の繊維機械を連続的に前記無線通信部により通信可能に接続することが可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の繊維機械システムであって、
前記所定の無線通信規格はZigBeeであることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項8】
少なくとも1つの繊維処理ユニットを備えた繊維機械において、
他の繊維機械に対して情報の送信及び受信の少なくとも何れかを直接的に行うことが可能な通信端末を備えたことを特徴とする繊維機械。
【請求項9】
請求項8に記載の繊維機械であって、
前記繊維処理ユニットは糸巻取ユニットであり、
前記情報は前記糸巻取ユニットの巻取情報であることを特徴とする繊維機械。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の繊維機械であって、
前記通信端末の通信規格はZigBeeであることを特徴とする繊維機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−242029(P2009−242029A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88726(P2008−88726)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】