説明

繊維物質ウェブを製造する方法および当該方法を実施するためのツインワイヤフォーマ

本発明は、繊維物質ウェブを少なくとも1つの繊維物質懸濁液(3)から製造するための機械のツインワイヤフォーマ(1)ならびに繊維物質ウェブを少なくとも1つの繊維物質懸濁液(3)からツインワイヤフォーマ(1)内で製造する方法に関する。ツインワイヤフォーマ(1)は、楔形のインレットギャップ(6)を有するツインワイヤゾーン(2)を有しており、該ツインワイヤゾーン(2)が、循環するエンドレスな2つのワイヤ(4,5)により少なくとも区間的に形成され、両ワイヤ(4,5)のうちの、有利には位置決め可能なインレットロール(7)を介して案内される第1のワイヤ(4)が、ツインワイヤゾーン内で、相互に間隔(A)を置いて固く、有利には可動な脱水ボックス(9)に配置された複数のブレード(8)に沿って案内され、両ワイヤ(4,5)のうちの第2のワイヤ(5)が、ツインワイヤゾーン内で、有利には可動な脱水ボックスのブレードに対向して配置された複数のブレード(10)に沿って案内され、該ブレード(10)が、可撓性のエレメント(12)により支持され、選択可能な力(K12)により第2のワイヤに対して押し付けられるようになっている。第1のワイヤ(4)が、有利には調節可能な切込み角度(α)の下で、第2のワイヤ(5)上にある繊維物質懸濁液(3)に切り込む、調節可能な切込み箇所(E)の領域で、局所的に作用する少なくとも1つの脱水インパルス(I)を、第2のワイヤ(5)の側から繊維物質懸濁液(3)に加えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液からツインワイヤフォーマ内で製造する方法であって、ツインワイヤフォーマが、楔形のインレットギャップを有するツインワイヤゾーンを有しており、該ツインワイヤゾーンが、循環するエンドレスな2つのワイヤにより少なくとも区間的に形成され、両ワイヤのうちの、有利には位置決め可能なインレットロールを介して案内される第1のワイヤが、ツインワイヤゾーン内で、相互に間隔を置いて固く、有利には可動な脱水ボックスに配置された複数のブレードに沿って案内され、両ワイヤのうちの第2のワイヤが、ツインワイヤゾーン内で、有利には可動な脱水ボックスのブレードに対向して配置された複数のブレードに沿って案内され、該ブレードが、可撓性のエレメントにより支持され、選択可能な力により第2のワイヤに対して押し付けられるようになっている、繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液からツインワイヤフォーマ内で製造する方法に関する。
【0002】
さらに本発明は、請求項13の上位概念部に記載の、繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造するための機械のツインワイヤフォーマ、要するに、繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造するための機械のツインワイヤフォーマであって、循環するエンドレスな2つのワイヤが設けられており、両ワイヤが相俟って、少なくとも区間的に、楔形のインレットギャップを有するツインワイヤゾーンを形成しており、該ツインワイヤゾーン内で、有利には位置決め可能なインレットロールを介して案内される第1のワイヤが、複数のブレードに沿って走行し、該ブレードが、相互に間隔を置いて固く、有利には可動な脱水ボックスに配置されており、かつツインワイヤゾーン内で、第2のワイヤが、複数のブレードに沿って走行し、該ブレードが、有利には可動な脱水ボックスのブレードに対向して配置されており、可撓性のエレメントにより支持されており、かつ選択可能な力により第2のワイヤに対して押し付け可能である形式のものに関する。さらに本発明は、請求項32の上位概念部に記載の、有利には多層の繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造するための機械のシート形成システム、要するに、有利には多層の繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造するための機械のシート形成システムであって、ヘッドボックスノズルを有する少なくとも1つのヘッドボックスと、該ヘッドボックスに後置された少なくとも1つのツインワイヤフォーマとが設けられている形式のものに関する。
【0003】
この種の、当業者の間では「ハイブリッドフォーマ(Hybridformer)」という呼称で知られるツインワイヤフォーマ(Doppelsiebformer)は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第4002304号明細書に記載されている。
【0004】
このフォーマ型式は、インレットギャップの領域でのツインワイヤゾーン内への繊維物質懸濁液の進入、特に進入条件および進入幾何学形状が特別重要であるという特性を有している。特に、形成したい繊維物質ウェブの上面における、シート形成(Blattbildung)中の重大な障害は、しばしばこの箇所で引き起こされる。この種の障害の一例は、明るい斑(helle Flecke)である。
【0005】
確かに、これらの障害を切込み角度もしくは食込み角度(Einschneidewinkel)の変更により減じる試みはなされているが、この手段の作用はしかし、特定の条件下で、例えばワイヤにおける過度に高い乱流時に、不十分なものでしかない。切込み角度はこの場合、定義上は、第1のワイヤが切込み箇所で、第2のワイヤ上にある繊維物質懸濁液に切り込むもしくは食い込む角度のことである。
【0006】
つまり、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の方法、ツインワイヤフォーマおよびシート形成システムを改良して、特に切込み箇所の領域における初期のシート形成プロセス中の障害が、困難な条件下でも最大限効果的に回避されるようにすることである。
【0007】
この課題は、冒頭で述べた形式の方法では、本発明により、第1のワイヤが、有利には調節可能な切込み角度の下で、第2のワイヤ上にある繊維物質懸濁液に切り込む、調節可能な切込み箇所の領域で、局所的に作用する少なくとも1つの脱水インパルスを、第2のワイヤの側から繊維物質懸濁液に加えることにより解決される。加えて有利には、脱水インパルスの振幅は調節可能である。
【0008】
本発明による課題はこれにより完全に解決される。
【0009】
上記脱水インパルスを第2のワイヤの側から繊維物質懸濁液に加えることにより、この領域での繊維物質懸濁液の脱水は、とりわけまた、繊維物質懸濁液への第1のワイヤの技術的にサポートされた進入により、顕著に改善される。この改善は、確認済みであるように、言及した障害、特に明るい斑を効果的に取り除くように働く。加えて、進入のサポートに基づいて、より高い運転速度がシート形成障害なしに、全体的に改善された品質で達成可能であるという利点が生じる。ツインワイヤフォーマの前脱水区間の領域、特に進入前の領域で繊維物質懸濁液の乱流が高くても、ツインワイヤフォーマの運転が可能である。第1のワイヤおよび繊維物質懸濁液に接する境界空気層は、その上、圧力により第1のワイヤを通して除去され、これにより繊維物質懸濁液内には侵入し得ない。このことは結局のところやはり改善された品質につながる。
【0010】
第1の有利な実施形態では、脱水インパルスを切込み箇所の直接下側で加える。これにより、脱水インパルスは適当に、その結果として極めて効果的に、加えられることができる。
【0011】
実用的な観点を考慮して、脱水インパルスを有利には、少なくも1つの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードにより加える。脱水インパルスのこのような印加の仕方は、一方では極めて効果的であり、他方では低コストに実現可能である。
【0012】
脱水インパルスの振幅の調節可能性が最大限提供されているように、それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードを有利には、選択可能な力により第2のワイヤに対して押し付ける。その際、それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードを、調節可能な、有利には開ループ制御/閉ループ制御可能な進入深さでもって、第2のワイヤ、ひいては繊維物質懸濁液に押し込む。理想的にはその際、それぞれのブレードが加えて個別的に、すなわち他のブレードとは無関係に、位置決めされる。これにより、ブレードにより繊維物質懸濁液に加えられる圧力インパルスは適当に影響を及ぼされる、それどころか開ループ/閉ループ制御されることができる。全体的に、これにより、最大限可能な使用柔軟性が運転パラメータの変化時に提供されている。
【0013】
発生される脱水インパルスが最適な作用を発揮するように、それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードを有利には、25〜500mbar、有利には50〜300mbarの範囲の当付け圧でもって、第2のワイヤに対して押し付ける。この圧力範囲は、脱水のためのインパルス発生に関する所望の作用を持続的に保証する。
【0014】
さらに、有利な構成では、複数の、有利には5つまでの、特に3つの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードを、有利にはそれぞれ選択可能な力により第2のワイヤに対して押し付けるが、その際、有利には中央のブレードを脱水インパルスの印加のために使用する。これにより、種々異なる切込み角度時、ひいては種々異なる切込み箇所時に、圧力インパルス導入に関してそれぞれ最適な運転条件が支配することが保証される。これにより、可動なブレードが3つあるとき、第1のブレードは第2のワイヤの前安定化を達成し、中央のブレードは、規定された調節可能な脱水インパルスを切込み箇所に加えることを達成し、第3の最後のブレードは、第1のワイヤ内に設けられた有利には可動な脱水ボックスの、固く脱水ボックスに配置された第1のブレード(スキマブレード)へのワイヤ走行の安定化を達成する。
【0015】
加えて有利には、第2のワイヤに対して有利には位置決め可能な、有利には間接的に作用する成形ボックス上に配置さている、少なくとも1つの、有利には成形ボックスに対して可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードにより、脱水インパルスを加える。その上有利には、それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードを、少なくとも1つの可撓性のエレメントにより成形ボックス上に支持し、選択可能な力により第2のワイヤに対して押し付ける。これにより、ブレードにより繊維物質懸濁液に加えられる圧力インパルスは適当に影響を及ぼされる、それどころか開ループ/閉ループ制御されることができる。加えて、とりわけ有効に、規定された調節可能な脱水インパルスを第2のワイヤの側から繊維物質懸濁液に加えることが可能となる。全体的に、こうしてつまり、最大限可能な使用柔軟性が運転パラメータの変化時に提供されている。
【0016】
ツインワイヤフォーマ内の種々異なる生産パラメータでの、できるだけ多くの品種の製造の枠内で、インレットロールを有利には、調節可能な切込み角度が0.2〜5°、有利には0.5〜2°の範囲の運転値を有するように位置決めする。
【0017】
脱水インパルスを、調節可能な切込み箇所の領域、有利にはその直接下側の領域で所望通り加える目的で、有利には、ブレード、成形ボックス、インレットロールおよび/またはこれらの構成部分の選択を、少なくとも、目標量により負荷される制御ユニットと、調節可能な切込み箇所を検出するためのセンサと、相応の構成部分を検出するためのそれぞれ1つのセンサと、それぞれの操作量により負荷可能な、構成部分のための複数のアクチュエータとを有する少なくとも制御回路により位置決めする。
【0018】
本発明による課題は、冒頭で述べた形式のツインワイヤフォーマにおいて、第1のワイヤが、有利には調節可能な切込み角度の下で、調節可能な切込み箇所で、第2のワイヤ上にある繊維物質懸濁液に切り込む、ツインワイヤゾーンのインレットギャップの領域に、少なくとも1つの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが配置されており、繊維物質懸濁液への第1のワイヤの調節可能な切込み箇所の領域で、局所的に作用する脱水インパルスが、第2のワイヤの側から繊維物質懸濁液に加えられるようになっていることにより解決される。加えて有利には、脱水インパルスの振幅は調節可能である。
【0019】
本発明による課題はこれにより完全に解決される。
【0020】
繊維物質懸濁液の脱水は、有利には切込み箇所の直接下側に位置するこの領域で、上記脱水インパルスを第2のワイヤの側から繊維物質懸濁液に加えることにより顕著に改善される。本発明の上記利点が得られる。
【0021】
さらに、それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが有利には、第2のワイヤ、ひいては繊維物質懸濁液への調節可能な、有利には開ループ制御/閉ループ制御可能な進入深さを有する。その際、それぞれのブレードは加えて自由に、すなわち他のブレードとは無関係に位置決め可能であることができる。これにより、ブレードにより繊維物質懸濁液に加えられる圧力インパルスは適当に影響を及ぼされる、それどころか開ループ/閉ループ制御されることができる。全体的に、これにより、最大限可能な使用柔軟性が運転パラメータの変化時に提供されている。
【0022】
発生される脱水インパルスが最適な作用を発揮するように、それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが、有利な構成では、25〜500mbar、有利には50〜300mbarの範囲の当付け圧を有する。この圧力範囲は、脱水のためのそのインパルス発生に関する所望の作用を持続的に保証する。
【0023】
さらに、2つの隣接する可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが、理想的には、50〜300mm、有利には100〜250mmの範囲の間隔を有する。この場合、2つの隣接する可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレード間の間隔が、同じである、ほぼ同じであるまたはそれぞれ異なっていることができる。上述の間隔範囲は明らかに、第2のワイヤの幾何学的かつプロセス技術的に最適な案内を保証する。
【0024】
別の有利な構成では、それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが、3〜50mm、有利には10〜30mmの範囲の作用幅を有する。その際、複数の可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードの、第2のワイヤにより接触される作用幅が、同じである、ほぼ同じであるまたはそれぞれ異なっていることができる。この作用幅範囲はとりわけ、第2のワイヤの確実な案内を、十分に大きな案内面により保証する。
【0025】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが、有利には、0〜3°、有利には0.5〜2°の範囲の、第2のワイヤにおけるフォイル角度を有する。その際、複数の可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードの、第2のワイヤにおけるフォイル角度が、同じである、ほぼ同じであるまたはそれぞれ異なっていることができる。この手段により、特に効果的に、乱流、ひいては製造したい繊維物質ウェブの成形に対して影響が及ぼされる。
【0026】
本発明によるツインワイヤフォーマの第1の有利な実施形態では、複数の、有利には5つまでの、特に3つの、有利には互いに無関係かつ可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが、有利にはそれぞれ選択可能な力により、第2のワイヤに対して押し付け可能であり、有利には中央のブレードが脱水インパルスの印加のために使用される。これにより、種々異なる切込み角度時、ひいては種々異なる切込み箇所時に、圧力インパルス導入に関してそれぞれ最適な運転条件が支配することが保証される。これにより、既に言及したように、可動なブレードが3つあるとき、第1のブレードは第2のワイヤの前安定化を達成し、中央のブレードは、規定された調節可能な脱水インパルスを切込み箇所に加えることを達成し、第3の最後のブレードは、第1のワイヤ内に設けられた有利には可動な脱水ボックスの、固く脱水ボックスに配置された第1のブレード(スキマブレード)へのワイヤ走行の安定化を達成する。
【0027】
安定した運転特性の目的で、少なくとも1つの、有利には成形ボックスに対して可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが、第2のワイヤに対して有利には位置決め可能な、有利には間接的に作用する成形ボックス上に配置さている。成形ボックスはシステムにその際、ある種の安定性および再現性を付与する。
【0028】
その際、それぞれ可動な、特に第2のワイヤに対して位置決め可能なブレードが、少なくとも1つの可撓性のエレメントにより成形ボックス上に支持されており、選択可能な力により第2のワイヤに対して押し付け可能であると有利である。
【0029】
必要なプロセス変更、特に品種切換と、これに伴う生産パラメータの変化、例えば単位面積当たり質量もしくは坪量およびこれに類するもののために、第1のワイヤを案内するインレットロールが、調節可能な切込み箇所を位置決めする目的で、ひいては調節可能な切込み角度を調節するために、自由に位置決め可能である。これにより、層高さの変化およびツインワイヤゾーンの前もしくはインレットギャップの領域における乱流に対して迅速に、安価にかつ精確に反応することができる。
【0030】
できる限り多くの品種が種々異なる生産パラメータでツインワイヤフォーマ内で製造され得るように、インレットロールは、調節可能な切込み角度が0.2〜5°、有利には0.5〜2°の範囲の運転値を有するように位置決め可能に配置されている。
【0031】
有利には可動な脱水ボックスの第1のブレードが、有利には調節可能なスキマ通路を有するスキマ装置の一部である。このスキマ装置は、とりわけ、第1のワイヤから上面で流出したろ過水を迅速、確実かつ効果的に導出することを達成する。
【0032】
有利な実用的な構成では、さらに、ブレード、成形ボックス、インレットロールの位置決めおよび/またはこれらの構成部分の選択が、少なくとも1つの制御回路により行われ、該制御回路が少なくとも、目標量により負荷される制御ユニットと、調節可能な切込み箇所を検出するためのセンサと、それぞれの操作量により負荷可能な複数のアクチュエータとを有する。このことは、繊維物質ウェブを製造するための機械の運転中でさえ、ツインワイヤフォーマの常に最適な調節を実現する。少なくとも1つのアクチュエータが、有利には、ブレードを移動させるための作動装置、ブレードのための可撓性のエレメント、成形ボックスのための作動装置および/またはインレットロールのための作動装置である。
【0033】
本発明による、ヘッドボックスノズルを有する少なくとも1つのヘッドボックスと、該ヘッドボックスに後置された少なくとも1つのツインワイヤフォーマとを備えた、有利には多層の繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造するための機械のシート形成システムは、ヘッドボックスノズル内に、少なくとも1つのベーンが、噴流品質に影響を及ぼし、これを改善する目的で配置されており、かつツインワイヤフォーマが本発明により形成されていることにより特徴付けられている。
【0034】
本発明によるシート形成システムも方法も、前掲の本発明による利点を有している。
【0035】
本発明の別の特徴および利点は、従属請求項、および図面を参照した有利な実施例の以下の説明から生じる。
【0036】
図1は、ツインワイヤフォーマ(Doppelsiebformer)1のツインワイヤゾーン2の始点領域を断面した概略側面図を示す。
【0037】
ツインワイヤフォーマ1は、繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液もしくはパルプ懸濁液3から製造するための、これ以外は図示しない機械の一部である。
【0038】
ツインワイヤフォーマ1は、2つの循環するエンドレスなワイヤ、つまり、トップワイヤ(Obersieb)とも呼ばれる第1のワイヤ4と、ボトムワイヤ(Untersieb)または支持ワイヤ(Tragsieb)とも呼ばれる第2のワイヤ5とを有する。ワイヤ4,5は少なくとも一部区間にわたって相俟ってツインワイヤゾーン2を形成する。ツインワイヤゾーン2は繊維物質懸濁液3のための楔形のインレットギャップ6を有する。繊維物質懸濁液3の、図1には示さない供給は、図4に示すように、少なくとも1つの公知のヘッドボックスもしくはストックインレット(Stoffauflauf)30により行われる。ヘッドボックス30のヘッドボックスノズル31にはさらに、少なくとも1つのベーン(Lamelle)32が、噴流品質に影響を及ぼし、これを改善するために設けられていることができる。
【0039】
ツインワイヤゾーン2で、図1には示さないインレットロール7を介して案内される第1のワイヤ4は、相互の間隔Aを置いて固く脱水ボックス9に配置されている複数のブレード8に沿って走行する。その際、ブレード8は、それぞれ異なる寸法を有していることができ、相互の間隔Aは、少なくとも部分的に、それぞれ異なる値をとることができ、かつ脱水ボックス9は、特に、当業者に公知のトップワイヤボックスとして構成されていることができる。ブレード8はさらに、ワイヤ進行方向S(矢印)に対して横方向で見て、直線に沿って、曲線に沿ってまたは直線および曲線に沿って配置されていることができる。曲線の場合、曲率半径は有利には1〜15m、殊に有利には2〜10mの範囲にある。さらに、脱水ボックス9は侵入深さhの調節のために高さ方向H(双方向矢印)にわたって可動に支承されている。この点は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第4005420号明細書に記載されている。脱水ボックス9の可能な運動により、脱水ボックス9に固く配置されたブレード8も、同じベクトル方向で運動する。この場合、運動は少なくとも直動および/または回転の運動成分を有していることができる。これに加えて、組み合わされた運動、有利には高さ方向の運動とワイヤ進行方向S(矢印)の運動からなる組み合わされた運動も可能である。
【0040】
さらに、ツインワイヤゾーン2で、第2のワイヤ5は、脱水ボックス9のブレード8に対向して手段11上に配置されている、矢印により暗示された複数の可動なブレード10に沿って走行する。手段11は例えば担体構造またはこれに類するものであることができる。ブレード10は可撓性のエレメント12により手段11に関して可動に支持されており、選択可能な力K12(矢印)でフレキシブルに第2のワイヤ5に押し当て可能であり、これにより相応に位置決め可能でもある。可撓性のエレメント12は、公知の形式で、ばね、ニューマチック式のプレッシャパッドまたはこれに類するものであることができる。
【0041】
ツインワイヤゾーン2の、第1のワイヤ4が調節可能な切込み角度αの下で、調節可能な切込み箇所Eで、第2のワイヤ5上にあり繊維物質懸濁液高さHを有する繊維物質懸濁液3に切り込むインレットギャップ6の領域には、少なくとも1つの可動な、特に第2のワイヤ5に対して位置決め可能なブレード13.2が配置され、第1のワイヤ4の、繊維物質懸濁液3に切り込む調節可能な切込み箇所Eの領域、有利にはその直接下側の領域で、局所的に作用しその振幅を有利には調節可能な脱水インパルスIが、第2のワイヤ5の側から繊維物質懸濁液3に加えられる。有利には調節可能な脱水インパルスIの印加の領域はその際、定義上、切込み箇所E+/−35mm、すなわちワイヤ進行方向S(矢印)に35mmかつワイヤ進行方向S(矢印)とは逆方向に35mmである。図示の構成では、計3つのブレード13.1,13,2および13.3が存在している。この場合、中央のブレード13.2が、繊維物質懸濁液3に脱水インパルスIを加えるために使用される。
【0042】
方法に関して、つまり、第1のワイヤ4が有利には調節可能な切込み角度αの下で、第2のワイヤ5上にある繊維物質懸濁液3に切り込む調節可能な切込み箇所Eの領域で、局所的に作用する脱水インパルスIが、第2のワイヤ5の側から繊維物質懸濁液3に加えられる。
【0043】
ブレード13.1,13.2および13.3のそれぞれの位置決め可能性は、相応の運動双方向矢印AおよびBにより表されている。運動双方向矢印Aは、例えば、ワイヤ進行方向S(矢印)での相応のブレード13.1,13.2および13.3の、可能であると同時に有利なシフトを表し、これに対して、運動双方向矢印Bは、第2のワイヤ5に向かっての相応のブレード13.1,13.2および13.3の可能な位置決めを表す(図2参照)。ワイヤ進行方向S(矢印)での相応のブレード13.1,13.2および13.3のシフトは、例えば、概略的にのみブレード13.2のために暗示した作動装置14により行われ、これに対して、第2のワイヤ5に向かっての相応のブレード13.1,13.2および13.3の位置決めは、やはり、概略的にのみ暗示した可撓性のエレメント15により行われる。それぞれの作動装置14は、例えば電動モータ、ニューマチック式の調節ユニットおよび/またはハイドロリック式の調節ユニットを有していることができる。可撓性のエレメント15は、公知の形式でやはり、ばね、ニューマチック式のプレッシャパッドまたはこれに類するものであることができる。それぞれのブレード13.1,13.2および13.3はこれにより、有利には選択可能な力K15により第2のワイヤ5に押し当て可能である。
【0044】
さらに、3つのブレード13.1,13.2および13.3は、第2のワイヤ5に対して位置決め可能な、間接的に作用する成形ボックス16上に配置されている。この場合、ブレード13.1,13.2および13.3はこの構成ではやはり成形ボックス16に対して可動である。成形ボックス16の位置決めは原則的にはすべての方向、例えばワイヤ進行方向(運動双方向矢印C)でまたは第2のワイヤ5に向かって(運動双方向矢印D)行われることができる。この位置決めは、有利には、概略的に示した作動装置17により行われる。作動装置17は、例えば電動モータ、ニューマチック式の調節ユニットおよび/またはハイドロリック式の調節ユニットを有する。成形ボックス16は原則的には定置に配置されていてもよい。この場合、ブレード13.1,13.2および13.3だけが第2のワイヤ5に対して可動、特に位置決め可能である。
【0045】
第1のワイヤ4を案内する図示しないインレットロール7は、切込み箇所Eの位置決めの目的で、ひいては調節可能な切込み角度αを調節するために、自由に位置決め可能である。インレットロール7の位置決めは、有利には作動装置により行われる。作動装置は、例えば電動モータ、ニューマチック式の調節ユニットおよび/またはハイドロリック式の調節ユニットを有していることができる。一般に、インレットロール7は、切込み角度αが0.2〜5°、有利には0.5〜2°の範囲の運転値を有するように位置決め可能に配置されている。
【0046】
加えて、脱水ボックス9の第1のブレード8.1は、有利には調節可能なスキマ通路(Skimmerkanal)19を有するスキマ装置(Skimmereinrichtung)18の一部である。スキマ通路19の可能な調節は、例えば通路横断面の変更により行われることができる。この場合、通路横断面の変更は公知の形式でやはり、変更された輪郭を有する充填部材の挿入、ニューマチック式のインサートの有効な体積変更またはこれに類するものにより行われることができる。
【0047】
ツインワイヤゾーン2は、脱水ボックス9の領域に、侵入深さhを有している。その結果、インレットギャップ6の経過中、繊維物質懸濁液高さは値hΔの分だけ減少される。有効な繊維物質懸濁液高さの減少は、主として、高さ方向H(双方向矢印)での脱水ボックス9の第1のブレード8.1の位置により達成される。
【0048】
図2は、改めて、図1の概略的な拡大図Zを示す。
【0049】
ブレード13.1,13.2および13.3が位置決め可能である(運動双方向矢印AおよびB)ことが見て取れる。それぞれの運動双方向矢印Aは、例えば、ワイヤ進行方向S(矢印)での相応のブレード13.1,13.2および13.3の、可能であると同時に有利なシフトを表す。この場合、ワイヤ進行方向S(矢印)での相応のブレード13.1,13.2および13.3のシフトは、例えば、概略的にのみ暗示した作動装置14により行われる。これに対して、それぞれの運動双方向矢印Bは、第2のワイヤ5に向かっての相応のブレード13.1,13.2および13.3の可能な位置決めを表す。この場合、第2のワイヤ5に向かっての相応のブレード13.1,13.2および13.3の位置決めは、やはり、概略的にのみ暗示した可撓性のエレメント15により行われる。それぞれの作動装置14は、例えば電動モータ、ニューマチック式の調節ユニットおよび/またはハイドロリック式の調節ユニットを有していることができる。可撓性のエレメント15は、公知の形式でやはり、ばね、ニューマチック式のプレッシャパッドまたはこれに類するものであることができる。
【0050】
さらに、位置決め可能な成形ボックス16(運動双方向矢印C,D)の、隣接した可動な、特に第2のワイヤ5に対して位置決め可能な2つのブレード13.1,13.2および13.2,13.3が、50〜300mm、有利には100〜250mmの範囲の間隔A13を有していることが見て取れる。その際、間隔A13はもちろん、同じであっても、ほぼ同じであっても、それぞれ異なっていてもよい。
【0051】
さらに、位置決め可能な成形ボックス16(運動双方向矢印C,D)の、それぞれの可動な、特に第2のワイヤ5に対して位置決め可能なブレード13.1,13.2および13.3は、3〜50mm、有利には10〜30mmの範囲の作用幅B13を有している。その際、作用幅B13はもちろん、同じであっても、ほぼ同じであっても、それぞれ異なっていてもよい。
【0052】
位置決め可能な成形ボックス16(運動双方向矢印C,D)の、それぞれの可動な、特に第2のワイヤ5に対して位置決め可能なブレード13.1,13.2,13.3は、0〜3°、有利には0.5〜2°の範囲の、第2のワイヤ5におけるフォイル角度βも有している。その際、第2のワイヤ5におけるフォイル角度βはもちろん、同じであっても、ほぼ同じであっても、それぞれ異なっていてもよい。
【0053】
さらに、位置決め可能な成形ボックス16(運動双方向矢印C,D)の、可動な、特に第2のワイヤ5に対して位置決め可能な各ブレード13.1,13.2および13.3は、第2のワイヤ5、ひいては繊維物質懸濁液3内への調節可能な、有利には開ループ制御/閉ループ制御可能な進入深さt13を有している。その際、それぞれの当付け圧pは、25〜500mbar、有利には50〜300mbarの範囲の値をとる。
【0054】
図3は、制御コンセプトを含めた、図1に示した本発明によるツインワイヤフォーマ1のツインワイヤゾーン2の拡張された始点領域を断面した概略側面図を示す。
【0055】
制御コンセプトは、切込み箇所Eの領域、有利にはその直接下側の領域で脱水インパルスI(矢印)を所望の通りに加える目的で、制御回路20の使用を予定する。制御回路20は、目標量W(矢印)により負荷される1つの制御ユニット(GIC)21と、切込み箇所E(制御量X;矢印)を検出するための1つのセンサ22と、相応の構成部分13.2,16,7の位置(制御量X,X,X,X;矢印)を検出するためのそれぞれ1つのセンサ23,24,25および26と、構成部分のための、それぞれの操作量(Y,Y,Y,Y;矢印)により負荷可能な複数のアクチュエータ27とを有している。センサ22,23,24および26は、有利には市場で一般的な位置センサである。
【0056】
制御技術的に、切込み箇所Eの周囲状況に関して、つまり以下のシナリオが単独、または少なくとも部分的に互いに組み合わされて実現され得る:
−ワイヤ進行方向S(矢印)でのブレード13.1,13.2,13.3の位置の個別的な制御(運動双方向矢印A);
−第2のワイヤ5に向かってのブレード13.1,13.2,13.3の位置の個別的な制御(運動双方向矢印B);
−成形ボックス16の位置の制御(この場合、すべてのブレード13.1,13.2および13.3の可撓性のエレメント15、ひいてはブレード13.1,13.2および13.3自体が動かされる(運動双方向矢印C,D)。);および
−インレットロール7の、有利には鉛直方向の位置の制御(運動方向双方向矢印F)。
【0057】
制御ユニット21により負荷可能なアクチュエータ27は、本例では、ブレード13.1,13.2および13.2のためのそれぞれの作動装置14、ブレード13.1,13.2および13.3のためのそれぞれの可撓性のエレメント15、成形ボックス16のための作動装置17およびインレットロール7のための作動装置28である。この場合、アクチュエータ27は単独でまたは一緒に負荷され得る。制御回路20は制御技術的にやはり、上位に配置され当業者に公知のプロセス制御システム(Prozessleitsystem:PLS)に接続されていることができる。制御コンセプトはつまり、まず第一に、脱水インパルスI(矢印)の導入の位置の検出および最適化に合わされている。さらに、ブレード13.1,13.3も公知の形式で制御回路20の一部であることができる。
【0058】
アクチュエータ27としての「ブレード13.2のための作動装置14」の個別的な負荷は、中央のブレード13.2が、切込み箇所Eの領域、有利にはその直接下側の領域に当接し、第2のワイヤ5の側から繊維物質懸濁液3への、規定された調節可能な脱水インパルスIの印加による作用に至ることを目的とした、ブレード13.2の位置決め(運動双方向矢印A)を達成する。「直接」という概念は、ここでは、切込み箇所Eに関する中央のブレード13.2の位置を規定するものであり、この場合、両基準は、最適な構成では、有利には第2のワイヤ5の進行方向に対して垂直に方向付けられている直線G上にある。切込み箇所Eは,インレットロール7の位置、インレット角度αの量および脱水ボックス9の第1のブレード8.1の位置により決定される。所望の、規定された調節可能な脱水インパルスIは、行程/インパルス線図に概略的に示されている。
【0059】
アクチュエータ27としての「可動なブレード13.2のための可撓性のエレメント15」の個別的な負荷は、改めて、中央のブレード13.2が切込み箇所Eの直接下側に当接し、第2のワイヤ5の側から繊維物質懸濁液3への、規定された調節可能な脱水インパルスIの印加による作用に至ることを目的とした、可動なブレード13.2の位置決め(運動双方向矢印B)を達成する。
【0060】
アクチュエータ27としての「成形ボックス16のための作動装置17」の負荷は、やはり、中央のブレード13.2が切込み箇所Eの領域、有利にはその直接下側の領域に当接し、第2のワイヤ5の側から繊維物質懸濁液3への、規定された調節可能な脱水インパルスIの印加による作用に至ることを目的とした、成形ボックス16の位置決め(運動双方向矢印C,D)を達成する。
【0061】
最後に、アクチュエータ27としての「インレットロール7のための作動装置28」の負荷は、インレットロール7の、有利には鉛直方向での位置決め(双方向矢印F)、ひいては繊維物質懸濁液3への第1のワイヤの調節可能な切込み角度αの変更を、脱水ボックス9の第1のブレード8.1の巻掛けを変更しつつ達成する。一般に、インレットロール7は、切込み角度αが0.2〜5°、有利には0.5〜2°の範囲の運転値を有するように位置決めされる。
【0062】
ツインワイヤゾーン2は、脱水ボックス9の領域に、侵入深さhを有する。その結果、インレットギャップ6の経過中、繊維物質懸濁液高さは値hΔの分だけ減少される。
【0063】
制御コンセプトは、アクチュエータが、共通して、個別的に、対を成してかつ/またはグループごとに負荷可能であることを予定している。すべての可能な負荷の目的は、常に、中央のブレード13.2が切込み箇所Eの領域、有利にはその直接下側の領域に当接し、第2のワイヤ5の側から繊維物質懸濁液3への、規定された調節可能な脱水インパルスIの印加による作用に至ることである。
【0064】
図4は、ヘッドボックス30およびツインワイヤフォーマ1を有するシート形成システム(Blattbildungssystem)29を断面した概略図を示す。
【0065】
当業者に公知の、場合によっては公知の希釈水制御部を備えたヘッドボックス30は、少なくとも1つのベーン32が噴流品質に影響を及ぼし、これを改善することを目的として配置されているヘッドボックスノズル31を有している。
【0066】
ツインワイヤフォーマ1はこれに対して、始点側にブレストロール33を有している。ブレストロール33を介して第2のワイヤ5が案内されている。引き続いて、第2のワイヤ5は、ヘッドボックス30から排出される繊維物質懸濁液3を上面に受容する。下面には、第2のワイヤ5のこの領域に、スクリーンテーブル34が配置されている。スクリーンテーブル34の、有利にはセラミック製のライニングにはしかし、有利には開口、特にスリットまたはホールが設けられている。これにより、噴流衝突条件の改善が達成される。
【0067】
ツインワイヤフォーマ1はさらに、位置決め可能な成形ボックス16(運動双方向矢印C,D)を有している。成形ボックス16は、図示の構成では、3つの可動な、特に第2のワイヤ5に対して位置決め可能なブレード13.1,13.2,13.3(運動双方向矢印A,B)を有している。別の構成では、ツインワイヤフォーマ1が、図1〜図3に示したものに相当する。
【0068】
本発明によるツインワイヤフォーマ1も、本発明によるシート形成システム29も、有利な形式で、繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造する本発明による方法を実施するために適している。
【0069】
要するに、本発明により、障害、特に切込み箇所の領域における初期のシート形成プロセス中の障害を困難な条件下でも最大限効果的に回避する、冒頭で述べた形式の方法、ツインワイヤフォーマおよびシート形成システムが提供されることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明によるツインワイヤフォーマのツインワイヤゾーンの始点領域を断面した概略側面図である。
【図2】図1の概略拡大図Zである。
【図3】制御コンセプトを含む、図1に示した本発明によるツインワイヤフォーマのツインワイヤゾーンの拡張された始点領域を断面した概略側面図である。
【図4】ヘッドボックスおよび本発明によるツインワイヤフォーマを備えたシート形成システムの概略断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 ツインワイヤフォーマ
2 ツインワイヤゾーン
3 繊維物質懸濁液
4 第1のワイヤ
5 第2のワイヤ
6 インレットギャップ
7 インレットロール
8 ブレード
8.1 第1のブレード
9 脱水ボックス
10 ブレード
11 手段
12 可撓性のエレメント
13.1 ブレード
13.2 ブレード
13.3 ブレード
14 作動装置
15 可撓性のエレメント
16 成形ボックス
17 作動装置
18 スキマ装置
19 スキマ通路
20 制御回路
21 制御ユニット(GIC)
22 センサ
23 センサ
24 センサ
25 センサ
26 センサ
27 アクチュエータ
28 作動装置
29 シート形成システム
30 ヘッドボックス
31 ヘッドボックスノズル
32 ベーン
33 ブレストロール
34 スクリーンテーブル
A 運動双方向矢印
間隔
13 間隔
B 運動双方向矢印
13 作用幅
C 運動双方向矢印
D 運動双方向矢印
E 切込み箇所
F 運動双方向矢印
G 直線
H 高さ方向(双方向矢印)
Δ 繊維物質懸濁液高さ差
繊維物質懸濁液高さ
侵入深さ
脱水インパルス(矢印)
12 力(矢印)
15 力(矢印)
L 機械進行方向
p 当付け圧
S ワイヤ進行方向(矢印)
13 進入深さ
W 目標量(矢印)
X,X,X,X,X 制御量(矢印)
,Y,Y,Y 操作量(矢印)
Z 拡大図
α 切込み角度
β フォイル角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液(2)からツインワイヤフォーマ(1)内で製造する方法であって、ツインワイヤフォーマ(1)が、楔形のインレットギャップ(6)を有するツインワイヤゾーン(5)を有しており、該ツインワイヤゾーン(5)が、循環するエンドレスな2つのワイヤ(3,4)により少なくとも区間的に形成され、両ワイヤ(3,4)のうちの、有利には位置決め可能なインレットロール(7)を介して案内される第1のワイヤ(3)が、ツインワイヤゾーン(5)内で、相互に間隔(A)を置いて固く、有利には可動な脱水ボックス(9)に配置された複数のブレード(9)に沿って案内され、両ワイヤ(3,4)のうちの第2のワイヤ(4)が、ツインワイヤゾーン(5)内で、有利には可動な脱水ボックス(9)のブレード(9)に対向して配置された複数のブレード(10)に沿って案内され、該ブレード(10)が、可撓性のエレメント(12)により支持され、選択可能な力(K12)により第2のワイヤ(4)に対して押し付けられるようになっている、
繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液(2)からツインワイヤフォーマ(1)内で製造する方法において、
第1のワイヤ(4)が、有利には調節可能な切込み角度(α)の下で、第2のワイヤ(5)上にある繊維物質懸濁液(3)に切り込む、調節可能な切込み箇所(E)の領域で、局所的に作用する少なくとも1つの脱水インパルス(I)を、第2のワイヤ(5)の側から繊維物質懸濁液(3)に加える、
ことを特徴とする、繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液からツインワイヤフォーマ内で製造する方法。
【請求項2】
第1のワイヤ(4)が、有利には調節可能な切込み角度(α)の下で、第2のワイヤ(5)上にある繊維物質懸濁液(3)に切り込む、調節可能な切込み箇所(E)の領域で、局所的に作用する、振幅を調節可能な少なくとも1つの脱水インパルス(I)を、第2のワイヤ(5)の側から繊維物質懸濁液(3)に加える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
脱水インパルス(I)を切込み箇所(E)の直接下側で加える、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
脱水インパルス(I)を、少なくも1つの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)により加える、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)を、選択可能な力(K15)により第2のワイヤ(5)に対して押し付ける、請求項4記載の方法。
【請求項6】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)を、調節可能な、有利には開ループ制御/閉ループ制御可能な進入深さ(t13)でもって、第2のワイヤ(5)、ひいては繊維物質懸濁液(3)に押し込む、請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)を、25〜500mbar、有利には50〜300mbarの範囲の当付け圧(p)でもって、第2のワイヤ(5)に対して押し付ける、請求項4から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
複数の、有利には5つまでの、特に3つの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)を、有利にはそれぞれ選択可能な力(K15)により第2のワイヤ(5)に対して押し付けるが、その際、有利には中央のブレード(13.2)を脱水インパルス(I)の印加のために使用する、請求項4から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
第2のワイヤ(5)に対して有利には位置決め可能な、有利には間接的に作用する成形ボックス(16)上に配置さている、少なくとも1つの、有利には成形ボックス(16)に対して可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)により、脱水インパルス(I)を加える、請求項4から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)を、少なくとも1つの可撓性のエレメント(15)により成形ボックス(16)上に支持し、選択可能な力(K15)により第2のワイヤ(5)に対して押し付ける、請求項9記載の方法。
【請求項11】
インレットロール(7)を、調節可能な切込み角度(α)が0.2〜5°、有利には0.5〜2°の範囲の運転値を有するように位置決めする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
脱水インパルス(I)を、調節可能な切込み箇所(E)の領域、有利にはその直接下側の領域で所望通り加える目的で、ブレード(13.2)、成形ボックス(16)、インレットロール(7)および/またはこれらの構成部分(13.2,16,7)の選択を、目標量(W)により負荷される制御ユニット(21)と、調節可能な切込み箇所(E)を検出するためのセンサ(22)と、相応の構成部分(13.2,16,7)の位置を検出するためのそれぞれ1つのセンサ(23,24,25,26)と、それぞれの操作量(Y,Y,Y,Y)により負荷可能な、構成部分(13.2,16,7)のための複数のアクチュエータ(27)とを有する少なくとも制御回路(20)により位置決めする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液(3)から製造するための機械のツインワイヤフォーマ(1)であって、循環するエンドレスな2つのワイヤ(4,5)が設けられており、両ワイヤ(4,5)が相俟って、少なくとも区間的に、楔形のインレットギャップ(6)を有するツインワイヤゾーン(2)を形成しており、該ツインワイヤゾーン(2)内で、有利には位置決め可能なインレットロール(7)を介して案内される第1のワイヤ(4)が、複数のブレード(9,9.1)に沿って走行し、該ブレード(9,9.1)が、相互に間隔(A)を置いて固く、有利には可動な脱水ボックス(9)に配置されており、かつツインワイヤゾーン(2)内で、第2のワイヤ(5)が、複数のブレード(10)に沿って走行し、該ブレード(10)が、有利には可動な脱水ボックス(9)のブレード(9,9.1)に対向して配置されており、可撓性のエレメント(12)により支持されており、かつ選択可能な力(K12)により第2のワイヤ(5)に対して押し付け可能である形式のものにおいて、
第1のワイヤ(4)が、有利には調節可能な切込み角度(α)の下で、調節可能な切込み箇所(E)で、第2のワイヤ(5)上にある繊維物質懸濁液(3)に切り込む、ツインワイヤゾーン(2)のインレットギャップ(6)の領域に、少なくとも1つの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が配置されており、繊維物質懸濁液(3)への第1のワイヤ(4)の調節可能な切込み箇所(E)の領域で、局所的に作用する脱水インパルス(I)が、第2のワイヤ(5)の側から繊維物質懸濁液(3)に加えられるようになっていることを特徴とする、
繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造するための機械のツインワイヤフォーマ。
【請求項14】
第1のワイヤ(4)が、有利には調節可能な切込み角度(α)の下で、調節可能な切込み箇所(E)で、第2のワイヤ(5)上にある繊維物質懸濁液(3)に切り込む、ツインワイヤゾーン(2)のインレットギャップ(6)の領域に、少なくとも1つの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が配置されており、繊維物質懸濁液(3)への第1のワイヤ(4)の調節可能な切込み箇所(E)の領域で、局所的に作用する、振幅を調節可能な脱水インパルス(I)が、第2のワイヤ(5)の側から繊維物質懸濁液(3)に加えられるようになっている、請求項13記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項15】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、第2のワイヤ(5)、ひいては繊維物質懸濁液(3)への調節可能な、有利には開ループ制御/閉ループ制御可能な進入深さ(t13)を有する、、請求項13または14記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項16】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、25〜500mbar、有利には50〜300mbarの範囲の当付け圧(p)を有する、請求項13から15までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項17】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、自由に位置決め可能である、請求項13から16までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項18】
2つの隣接する可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2;13.2,13.3)が、50〜300mm、有利には100〜250mmの範囲の間隔(A13)を有する、請求項13から17までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項19】
2つの隣接する可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2;13.2,13.3)間の間隔(A13)が、同じである、ほぼ同じであるまたはそれぞれ異なっている、請求項18記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項20】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、3〜50mm、有利には10〜30mmの範囲の作用幅(B13)を有する、請求項13から19までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項21】
複数の可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)の作用幅(B13)が、同じである、ほぼ同じであるまたはそれぞれ異なっている、請求項20記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項22】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、0〜3°、有利には0.5〜2°の範囲の、第2のワイヤ(5)におけるフォイル角度(α)を有する、請求項13から21までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項23】
複数の可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)の、第2のワイヤ(5)におけるフォイル角度(β)が、同じである、ほぼ同じであるまたはそれぞれ異なっている、請求項22記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項24】
複数の、有利には5つまでの、特に3つの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、有利にはそれぞれ選択可能な力(K15)により、第2のワイヤ(5)に対して押し付け可能であり、有利には中央のブレード(13.2)が脱水インパルス(I)の印加のために使用される、請求項13から23までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項25】
少なくとも1つの、有利には成形ボックス(16)に対して可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、第2のワイヤ(5)に対して有利には位置決め可能な、有利には間接的に作用する成形ボックス(16)上に配置さている、請求項13から24までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項26】
それぞれの可動な、特に第2のワイヤ(5)に対して位置決め可能なブレード(13.1,13.2,13.3)が、少なくとも1つの可撓性のエレメント(15)により成形ボックス(16)上に支持されており、選択可能な力(K15)により第2のワイヤ(5)に対して押し付け可能である、請求項25記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項27】
第1のワイヤ(4)を案内するインレットロール(7)が、調節可能な切込み箇所(E)を位置決めする目的で、ひいては調節可能な切込み角度(α)を調節するために、自由に位置決め可能である、請求項13から26までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項28】
インレットロール(7)が、調節可能な切込み角度(α)が0.2〜5°、有利には0.5〜2°の範囲の運転値を有するように位置決め可能に配置されている、請求項13から27までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項29】
有利には可動な脱水ボックス(9)の第1のブレード(9.1)が、有利には調節可能なスキマ通路(19)を有するスキマ装置(18)の一部である、請求項13から28までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項30】
ブレード(13.2)、成形ボックス(16)、インレットロール(7)の位置決めおよび/またはこれらの構成部分(13.2,16,7)の選択が、少なくとも1つの制御回路(20)により行われ、該制御回路(20)が少なくとも、目標量(W)により負荷される制御ユニット(21)と、調節可能な切込み箇所(E)を検出するためのセンサ(22)と、相応の構成部分(13.2,16,7)の位置を検出するためのそれぞれ1つのセンサ(23,24,25,26)と、それぞれの操作量(Y,Y,Y,Y)により負荷可能な、構成部分(13.2,16,7)のための複数のアクチュエータ(27)とを有する、請求項13から29までのいずれか1項記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項31】
少なくとも1つのアクチュエータ(27)が、ブレード(13.1,13.2,13.3)を移動させるための作動装置(14)、ブレード(13.2)のための可撓性のエレメント(15)、成形ボックス(16)のための作動装置(17)および/またはインレットロール(7)のための作動装置(28)である、請求項30記載のツインワイヤフォーマ。
【請求項32】
有利には多層の繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液(3)から製造するための機械のシート形成システム(29)であって、ヘッドボックスノズル(31)を有する少なくとも1つのヘッドボックス(30)と、該ヘッドボックス(30)に後置された少なくとも1つのツインワイヤフォーマ(1)とが設けられている形式のものにおいて、
ヘッドボックスノズル(31)内に、少なくとも1つのベーン(32)が、噴流品質に影響を及ぼし、これを改善する目的で配置されており、かつ
ツインワイヤフォーマ(1)が、請求項13から31までのいずれか1項にしたがって形成されている、
ことを特徴とする、有利には多層の繊維物質ウェブ、特に紙またはボール紙のウェブを、少なくとも1つの繊維物質懸濁液から製造するための機械のシート形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−504927(P2009−504927A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525499(P2008−525499)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062511
【国際公開番号】WO2007/020112
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】