説明

繊維生地インタフェース

本発明は、可撓性があり、軽量で高性能の電気繊維生地インタフェースに係る。該インタフェースは、着用可能な衣服と一体化され得、また、衣服の快適性及び/又は耐久性を損なうことなく多種の異なるウェアラブル・エレクトロニクスのうちのいずれかと協働し得る。繊維生地インタフェースは、1つ又はそれ以上の導電性繊維と1つ又はそれ以上の非導電性繊維で構成される可撓性のある繊維構成から形成される。非導電性繊維は、1つ又はそれ以上のゴム状弾性を有する繊維を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル・エレクトロニクスに係る。より詳細には、本発明は、多種の着用可能な電子用途及び/又は操作に適切である、可撓性のある繊維生地インタフェース(fabric interface)に係る。
【背景技術】
【0002】
様々な縫布又は織布材料におけるウェアラブル・エレクトロニクスの使用は既知であり、例えば、米国特許第6210771号明細書B1(特許文献1)及び国際公開第02/32665号パンフレットA1(特許文献2)を参照されたい。導電トレース、バイオセンサ、電極、コンピュータ、電気回路等の装置はすべて、布に組み込まれている。ウェアラブル・エレクトロニクス及び対応する繊維又は材料の多種の種類及び/又は構成に関する利点がより明白になっているため、単純で、効果的及び能率的且つ直感的ユーザ・インタフェース・ソリューションに関する要望及び必要性は、更に明白になっている。従って、異なった着用可能な及び/又はかかる装置を受容する材料によって与えられた、多種の電子機能に対して補完的であるインタフェースの必要性がある。
【特許文献1】米国特許第6210771号明細書
【特許文献2】国際公開第02/32665号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述の単純で、効果的及び能率的且つ直感的ユーザ・インタフェース・ソリューションの必要性を解決するのに適切なインタフェースを与えることを目的とする。
【0004】
本発明の他の目的は、可撓性のある繊維構造を有するインタフェースを与えることである。
【0005】
本発明の他の目的は、選択的に露出及び/又はアクセスできるインタフェースを与えることである。
【0006】
本発明の他の目的は、導電性材料を非導電性の可撓性のある材料と組合せるインタフェースを与えることである。
【0007】
本発明の他の目的は、ウェアラブル・エレクトロニクスに関する直感的ユーザ・インタフェース・ソリューションを促進するのに適切なインタフェースを与えることである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、多種の異なる動作を達成するのに適切なインタフェースを与えることである。
【0009】
本発明の更なる他の目的は、多種の異なる電子装置及び/又は機器と連携できるインタフェースを与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のこれら及び他の目的並びに利点は、導電性材料及び可撓性のある非導電性材料との適切な混合から形成されるインタフェースによって達成される。該インタフェースは、ウェアラブル・エレクトロニクスに関するユーザ・インタフェース・ソリューションを与えるのに適切ないくつかの電気スイッチ及び/又は制御機器の形状をとり得る。該インタフェースは、伸長又は延長されるインタフェースであるのと同時に、選択的に露出及び/又はアクセス可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例を以下の図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0012】
図面及び詳細には図1を参照すると、本発明の実例的な一実施例に従った繊維網又は構成が図示され、一様に参照符号1と表される。望ましくは、繊維構造1は、1つ又はそれ以上の導電性繊維10と1つ又はそれ以上の非導電性繊維20との組合せを有する。非導電性繊維20は、1つ又はそれ以上の導電性繊維10と協働するよう1つ又はそれ以上の弾性繊維20を有し、可撓性のある電子繊維生地インタフェース30を形成するようにされる。
【0013】
望ましくは、繊維生地インタフェース30は、使用される異なる適用を促進するよう多数の異なるパターンへと形成され得る。繊維生地インタフェース30は、望ましくは、多種のウェアラブル・エレクトロニクス、バイオセンサ、医療器具又は健康治療機器等の異なる電子装置と協働し得る。繊維生地インタフェース30はまた、多種の異なる電気操作を達成するよう独立して動作し得る。繊維生地インタフェース30は、上述した通り、個別に織られた繊維の組合せから形成されることに加えて、材料の層の適切な組合せからも形成され得る。該材料の層は、導電性特性を有し、1つ又はそれ以上の電気スイッチ及び/又は制御機器を適切に形成する。繊維生地インタフェース30は、所望の操作を達成するために必要であるいかなる所望の形状、寸法又は構成であり得る。
【0014】
望ましくは、1つ又はそれ以上の導電性繊維10は、織製、縫製、編製に関するいずれかの既知の方法を使用して、1つ又はそれ以上の非導電性繊維20と相互に巻き付かせられ得る。望ましくは、各導電性繊維10は、様々な形状のうちいかなる形状を有することができる。例えば、導電性繊維10は、導電性で半流動性の袖に包囲された導電性の糸状のコアを有することができる。コア及び袖は、望ましくは、ソニック溶着を介して共に接着される。他の接続方法もまた使用されうることは、留意されれる。導電性繊維10は、多種の材料及び/又は材料の組合せのいずれからも形成され得る。例えば、導電性繊維10は、金属化フォイル、導電性高分子、黒鉛化/金属化繊維、又は導電性ジェル(例えば導電性シリコン)、あるいは、同様のもののいずれかの組合せから作られ得る。
【0015】
望ましくは、各導電性繊維10は、製造に関連付けられるストレス、及び多種の異なる種類の衣類の摩耗に耐えるよう、十分な可撓性及び耐久性を与えるのに適切な特性を有する。各導電性繊維10はまた、望ましくは、電源(図示せず)と繊維生地インタフェース30との間の繊維構造1を介する電気通信を促進する。望ましくは、繊維生地インタフェース30は、同様に、多種のウェアラブル・エレクトロニクスのいずれにも与えられる電力を促進し得る。コネクタ(図示せず)は、望ましくは、電源と繊維構造1との間の電気通信に媒体を与え得る。コネクタは、かかる電気通信に手段又は手法を与えるのに適切ないずれかの構成を有し得る。導電性繊維10はまた、望ましくは、異なる形状、寸法、又は構成を有し得、繊維構造1が異なる使用を受容するよう異なる適合を有し得るようにする。
【0016】
望ましくは、各非導電性繊維20は、適度な量の弾力性及び/又は拡張性に加えて、皮膚への快適な相互作用を促進する特性を有し得、例えば、ライクラ、スパンデックス、ネオプレン、ポリエステル、及び/又はゴム押出繊維である。非導電性繊維20はまた、望ましくは、異なる形状、寸法又は構成を有し得る。繊維構造1が異なる用途を受容するよう異なる適合を有し得る。すべての導電性繊維がゴム状弾性を有する必要性はなく、ゴム状弾性繊維と非ゴム状弾性材料との混合物もまた、本発明が意図する目的を達成するよう使用され得る。
【0017】
従って、繊維構造1は、望ましくは、極めて可撓性があり、軽量で高性能の電子インタフェースを形成する。かかるインタフェースは、衣服の快適性及び/又は耐久性を損なわずに、着用可能な衣服と一体化すること、及び、多種の異なるウェアラブル・エレクトロニクスのいずれもと協働すること等が可能である。
【0018】
実例的な一実施例の望ましい特性のうちのいくつかが説明されたが、可撓性のある繊維生地インタフェース30を形成する工程又は方法は、望ましくは、少なくとも以下の段階を有する。まず、図1及び図2を参照するに、1つ又はそれ以上の導電性繊維10及び1つ又はそれ以上の非導電性繊維20を、可撓性のある繊維構造1へと形成する段階、続いて、図3を参照するに、繊維構造1を、拡張された状態まで伸長する段階、及び、続いて図2及び3を参照するに、伸長された繊維構成上に、インタフェース・グラフィックス40を模様付けする段階、である。望ましくは、インタフェース・グラフィックス40は、多種の種類のウェアラブル・エレクトロニクス等の装置と協働するのに適切であり得る。インタフェース・グラフィックス40は、望ましくは、ユーザの相互作用に適切であり得る。更に、インタフェース・グラフィックス40は、衣服に関連付けられた抽象的又は装飾的な模様の一部であり得るか、又は一体化され得る。繊維構造1が伸長又は拡張された状態にある際、繊維生地インタフェース30は、露出及び/又はアクセスされることが可能であること、また、繊維構造1が伸長又は延長されていない状態にある際、繊維生地インタフェース30は隠されるか、目立たず、あるいは、略本質的に隠れていることが留意される。繊維構造1が、図4中に図示されるヴェルクロ(Velcro)配置又はポッパー(popper)配置、あるいは他の同様の固定配置等の固定システム50を有し得る。かかる配置は、伸長又は拡張された状態の繊維構造1を、選択的に保持するのに充分である。
【0019】
本発明は、その望ましい状態を特に参照して説明されたが、定義付けられた本発明の趣旨から逸脱することなく、多種の変更及び修正が成され得ることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実例的な一実施例に従った繊維網又は構成の平面図である。
【図2】緩和状態又はアクセス不可能な状態であるインタフェースを有する本発明の実例的な一実施例に従ったインタフェースの平面図である。
【図3】伸長された状態、拡張された状態、又はアクセス可能な状態であるインタフェースを有する図2柱のインタフェースの平面図である。
【図4】本発明の実例的な一実施例に従った図2及び図3中のインタフェースを組み込んだ衣服の前面図である。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又はそれ以上の導電性繊維と、
少なくとも1つの繊維生地インタフェースを作るよう、前記1つ又はそれ以上の導電性繊維と協働する1つ又はそれ以上の非導電性繊維と、
を有する繊維構造であって、
前記非導電性繊維は、前記繊維構造に弾力性を与え、前記少なくとも1つの繊維生地インタフェースが、選択的に露出される、及び/又は、前記繊維構造の拡張と同時にアクセスされ得るようにする、
ことを特徴とする繊維構造。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上の導電性繊維は、1つ又はそれ以上の導電性材料から作られる、ことを特徴とする請求項1記載の繊維構造。
【請求項3】
前記1つ又はそれ以上の導電性繊維は、導電性高分子、導電性金属化繊維、導電性黒鉛化繊維、導電性金属化フォイル、又は導電性ジェル、あるいは、同様のもののいずれかの組合せ、のうち1つ又はそれ以上から選択され得る、ことを特徴とする請求項2記載の繊維構造。
【請求項4】
前記1つ又はそれ以上の導電性繊維は、導電性材料の混合物から作られる、ことを特徴とする請求項1記載の繊維構造。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上の非導電性繊維は、1つ又はそれ以上のゴム状弾性材料から作られる、ことを特徴とする請求項1記載の繊維構造。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上のゴム状弾性材料は、ライクラ、スパンデックス、ネオプレン、ポリエステル、及び/又はいかなるゴム押出繊維、あるいは、同様のもののいずれかの組合せのうち1つ又はそれ以上から選択され得ること、を特徴とする請求項5記載の繊維構造。
【請求項7】
前記1つ又はそれ以上の非導電性繊維は、弾性材料の混合物から作られることを特徴とする請求項1記載の繊維構造。
【請求項8】
前記少なくとも1つの繊維生地インタフェースは、ユーザの相互作用に関するインタフェース・グラフィックスを有する、ことを特徴とする請求項1記載の繊維構造。
【請求項9】
前記繊維構造は、伸長又は延長された状態の前記繊維構造を保持するよう固定システムを有し得る、ことを特徴とする請求項1記載の繊維構造。
【請求項10】
前記少なくとも1つの繊維生地インタフェースは、前記繊維構造が緩和状態の際は目立たない、ことを特徴とする請求項1記載の繊維構造。
【請求項11】
1つ又はそれ以上の電気インタフェースを形成するよう、非導電性繊維と協働する導電性材料を有する可撓性のインタフェースであって、
前記非導電性材料は、前記1つ又はそれ以上の電気インタフェースへ弾力性又は可撓性を与えるよう前記1つ又はそれ以上の電気インタフェースと協働する弾性材料である、ことを特徴とする可撓性のインタフェース。
【請求項12】
前記1つ又はそれ以上の電気インタフェースは、伸長又は延長された状態にある際は、露出される、及び/又はアクセス可能にされる、ことを特徴とする請求項11記載の可撓性のインタフェース。
【請求項13】
前記1つ又はそれ以上の電気インタフェースは、緩和された状態にある際は、隠されるか、又は略隠される、ことを特徴とする請求項12記載の可撓性のインタフェース。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上の電気インタフェースは、抽象的又は装飾的模様の一部を形成する、ことを特徴とする請求項11記載の可撓性のインタフェース。
【請求項15】
前記1つ又はそれ以上の電気インタフェースは、抽象的又は装飾的模様と一体化している、ことを特徴とする請求項11記載の可撓性のインタフェース。
【請求項16】
前記ゴム状弾性材料は、ライクラ、スパンデックス、ネオプレン、ポリエステル、及び/又はいかなるゴム押出繊維、又は同様のもののいずれかの組合せのうち1つ又はそれ以上から選択される、ことを特徴とする請求項11記載の可撓性のインタフェース。
【請求項17】
(a)1つ又はそれ以上の導電性繊維及び1つ又はそれ以上の非導電性繊維を、可撓性のある繊維構造へと形成する段階と、
(b)前記繊維構造を、延長した状態まで伸長させる段階と、
(c)前記伸長された繊維構造上に、インタフェース・グラフィックスを模様付けする段階と、
を有する、ことを特徴とする繊維生地インタフェースを形成する方法。
【請求項18】
前記インタフェース・グラフィックスは、ユーザの相互作用に適切である、ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記繊維生地インタフェースは、多種のウェアラブル・エレクトロニクス及び/又は同様の装置と協働するのに適切である、ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記インタフェース・グラフィックスは、衣服に関する抽象的又は装飾的模様の一部であるか、又は一体である、ことを特徴とする請求項17記載の方法。

【公表番号】特表2007−527956(P2007−527956A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508476(P2006−508476)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050818
【国際公開番号】WO2004/107831
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】