説明

織機におけるプレスローラ接離装置

【課題】簡単な構成と操作により複数のプレスローラを同時に又は個別に離間できるようにした織機におけるプレスローラ接離装置の提供にある。
【解決手段】織布Wを巻き取るサーフェスローラ3と、該サーフェスローラ3に接離可能に設けられた2本のプレスローラ4、12と、該プレスローラ4、12端部を支持する左右一対の支持レバー5、13を備えた織機におけるプレスローラ接離装置において、左右一対の支持レバー5、13に被駆動部材としての出っ張り部5a及びアーム部13aを設け、該被駆動部材にそれぞれ当接して回転する駆動部材としてのカム16をフレーム1、2に回転可能に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織機におけるプレスローラ接離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、サーフェスローラに対して接離可能に設けられた複数のプレスローラを備えたプレスローラ装置2が開示されている。
織布12をサーフェスローラ4の周面に押さえる複数のプレスローラ6は、第1プレスローラ6a及び第2プレスローラ6bより構成されている。第1プレスローラ6a及び第2プレスローラ6bは、それぞれ左右一対の第1プレスレバー10及び第2プレスレバー11に回転可能に取り付けられ、これらは固定軸14、15を介してフレーム13に回転可能に支持されている。又、引っ張りバネ16によって第1プレスローラ6a及び第2プレスローラ6bをサーフェスローラ4側に押圧している。
【0003】
第1プレスローラ6a及び第2プレスローラ6bをサーフェスローラ4から引き離すために、第1プレスローラ6aの運動を第2プレスローラ6bに伝達する伝達部材7としての突起部8、9が、第1プレスレバー10及び第2プレスレバー11のボス部にそれぞれ形成されている。
左右一対の第1プレスレバー10には、それぞれリフトアップレバー17がピン21により回転可能に取り付けられており、リフトアップレバー17の反時計方向への回転に伴い、第1プレスレバー10に支持された第1プレスローラ6aをサーフェスローラ4から離間可能となっている。
【0004】
以上の構成を持つプレスローラ装置2において、作業者がリフトアップレバー17を反時計方向に回転させると、第1プレスレバー10及びこれと一体の第1プレスローラ6aは、引っ張りバネ16の引っ張り力に抗して、固定軸14を中心とした回転運動を行い、第1プレスローラ6aをサーフェスローラ4から離間させる。
第1プレスレバー10の反時計方向への回転運動に伴い、第1プレスレバー10と一体の突起部8は、突起部9に係合し、第2プレスレバー11を時計方向に回転させる。第2プレスレバー11は、回転軸15を中心として時計方向に回転する過程で、第2プレスローラ6bを同時にサーフェスローラ4から離間させる。
【特許文献1】特開2005−9025号公報(第3〜5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1で開示された技術では、伝達部材7としての突起部8、9に係合時に大きな力が作用することにより、突起部8、9が摩耗して錆が発生する問題がある。又、突起部8、9の回転支点としての回転軸14、15が突起部8、9の近傍にあることにより、第1プレスレバー10の回転運動を突起部8、9を介して第2プレスレバー11に伝達する時に、より大きな力を必要とし、装置が大型化する問題がある。又、第1プレスローラ6a又は第2プレスローラ6bをサーフェスローラ4から個別に離間できない問題がある。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、簡単な構成と操作により複数のプレスローラをサーフェスローラから同時に又は各プレスローラを個別に離間できるようにした織機におけるプレスローラ接離装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、織布を巻き取るサーフェスローラと、該サーフェスローラに接離可能に設けられた複数のプレスローラと、該プレスローラ端部を支持する複数のレバーを備えた織機におけるプレスローラ接離装置において、前記複数のレバーにそれぞれ被駆動部材を設け、該被駆動部材の互いに対向する対向面に形成された接触部に当接して前記レバーを離間方向に駆動する駆動部材を設けたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、駆動部材を駆動させることにより駆動部材と当接する被駆動部材を動かすことができ、駆動部材を複数の被駆動部材の両方に当接させることで、被駆動部材と一体の複数のレバーに取り付けられている複数のプレスローラを同時にサーフェスローラから離間させることが可能である。また、駆動部材が複数の被駆動部材のどちらか一方に当接するように当接態様を変更することにより、複数のプレスローラを個別にサーフェスローラから離間させることも可能である。さらに、構造が簡単であり、複雑な操作を必要とすることがなく操作が簡単である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の織機におけるプレスローラ接離装置において、前記駆動部材と前記被駆動部材との接触部の少なくともどちらか一方に保護パッドを設けることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、駆動部材と被駆動部材が当接することにより接触部が摩耗し錆が発生する恐れがあるが、駆動部材と被駆動部材それぞれの少なくともどちらか一方の接触部に保護パッドが設けられているので、摩耗を防止することができ、又錆の発生を防止できる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の織機におけるプレスローラ接離装置において、前記駆動部材を突出部を有するカムで構成し、該カムを前記フレームに対しピンにより回転可能に支持すると共に前記カムに操作レバーを取り付けることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、カムに取り付けられた操作レバーを操作しカムをピンの周りに回転させることにより、カムの突出部と被駆動部材とを当接させ、被駆動部材を動かすことができる。構造と操作が簡単であり、比較的小さな力で操作可能である。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の織機におけるプレスローラ接離装置において、前記カムは外周平面部を有し、前記外周平面部が前記被駆動部材の接触部に当接することで前記レバーが離間状態に維持されることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、カムの外周平面部と被駆動部材の接触部との当接により、ロック状態を維持するための特別の機構を新たに設けなくても良い。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載の織機におけるプレスローラ接離装置において、前記カムを円周方向にそれぞれ一つの突出部を有する2枚板構造とし、一方のカム板を他方のカム板に対しピンを中心に円周方向に取り付け角度調整可能に設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、2枚のカム板それぞれの突出部を反対方向に向けて配置し角度調整を行うことにより、2本のプレスローラの同時離間用のカムを作成でき、又、それぞれの突出部を同一方向に向けて配置し角度調整を行うことにより、どちらかのプレスローラのみの個別離間用のカムを作成可能である。それぞれ別々にカムを持つ必要がないので、部品点数の削減ができ、部品管理上も楽である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、駆動部材の被駆動部材への当接態様を変更することにより複数のプレスローラを同時にも又個別にも離間可能となる。また、構造が簡単であり、複雑な操作を必要とすることがなく操作が簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態での織機におけるプレスローラ接離装置では、サーフェスローラ3の周りに2本のプレスローラ4、12が設けられている。織布Wを巻き取るサーフェスローラ3が織機のフレーム1、2間に回転可能に保持されており、サーフェスローラ3は図示しない織機駆動モータから駆動力を得て回転する。製織された織布Wは、プレスローラ4、サーフェスローラ3、プレスローラ12に順次巻き掛けられ、図示しない巻取りロールの外周に巻き取られる。
【0014】
織布Wをサーフェスローラ3の周面に押さえるプレスローラ4は、その両端部を左右一対の支持レバー5によって回転可能に支持されており、支持レバー5は回転軸6を介してフレーム1、2にそれぞれ回転可能に取り付けられている。支持レバー5の回転軸6の挿通個所に対してプレスローラ4側の端部に引っ張り棒7を介して引っ張りバネ8が取り付けられており、引っ張りバネ8によってプレスローラ4は、織布Wをサーフェスローラ3に押圧している。又、支持レバー5の回転軸6に対してプレスローラ4側に出っ張り部5aが形成されており、出っ張り部5aは被駆動部材に相当し、出っ張り部5aの下面は後で説明する駆動部材が当接する接触部となっている。そして、接触部には保護パッド11がビスにより取り付けられている。保護パッド11は、対摩耗性に優れた樹脂を用いている。
【0015】
サーフェスローラ3とプレスローラ4との織布挟圧部よりも下流側には、織布Wをサーフェスローラ3の周面に押さえる二つ目のプレスローラ12が配設されており、プレスローラ12はその両端部を左右一対の支持レバー13によって回転可能に支持されており、支持レバー13は回転軸14を介してフレーム1、2にそれぞれ回転可能に取り付けられている。支持レバー13の回転軸14の挿通個所に対してプレスローラ12側の端部に引っ張り棒7を介して引っ張りバネ8が取り付けられており、引っ張りバネ8によってプレスローラ12は、織布Wをサーフェスローラ3に押圧している。又、支持レバー13の回転軸14に対してプレスローラ12とは反対側にアーム部13aが形成されており、アーム部13aは被駆動部材に相当し、アーム部13aの上面は後で説明する駆動部材が当接する接触部となっている。そして、接触部には保護パッド15がビスにより取り付けられている。保護パッド15は、対摩耗性に優れた樹脂を用いている。出っ張り部5aの下面とアーム部13aの上面とは互いに対向する対向面を構成する。
【0016】
支持レバー5の出っ張り部5aと支持レバー13のアーム部13aの間には、駆動部材としてのカム16が設けられ、カム16はカムホルダー17に固定されており、カムホルダー17がピン18を介してフレーム1、2にそれぞれ回転可能に取り付けられている。又、カムホルダー17の外周面に操作レバー19が放射方向に向けて取り付けられている。カム16は、円周方向に二つの突出部16a、16bを有している。尚、円周方向とは、カム16がピン18を中心として回転駆動する方向を指す。カム16、カムホルダー17、ピン18及び操作レバー19でカムユニット20を構成し、カムユニット20は工具として織機(フレーム1、2)に脱着可能となっている。
【0017】
図3に示すように、操作レバー19を反時計方向に回転させ、カム16の二つの突出部16a、16bを、出っ張り部5a及びアーム部13aのそれぞれに装着された保護パッド11、15に当接させることにより、左右一対の支持レバー5は回転軸6を中心に時計方向に回転し支持レバー5と一体のプレスローラ4はサーフェスローラ3より離間する。同時に、左右一対の支持レバー13は回転軸14を中心に反時計方向に回転し支持レバー13と一体のプレスローラ12はサーフェスローラ3より離間する。
【0018】
図4(a)、(b)に示すように、カム16は円周方向に二つの突出部16a、16bを有する矩形の平板(長辺の長さを2c、短辺をdとすれば、2c>d)であり、カム16の外周面16c、16dは平面で形成され、対角線上の一方のエッジ部(図4(a)で右上隅と左下隅)16e、16fは湾曲面となっている。カム16は反時計方向に回転することにより、突出部16a、16bを構成する外周平面部16c、16d及びエッジ部16e、16fが、保護パッド11、15とそれぞれ当接する。又、カム16は、二本の皿ビス21によってカムホルダー17に固定されている。
【0019】
以上の構成を持つ織機におけるプレスローラ接離装置についてその作用を説明する。
先ず、作業者は、左右一対のカムユニット20を織機(フレーム1、2)に装着する。そして、操作レバー19を左右同時に、図1で反時計方向に回転させると、カム16はピン18を中心に回転し、カム16の二つの突出部16a、16bは、保護パッド11、15を介して出っ張り部5a及びアーム部13aにそれぞれ当接する。この時、左右一対の支持レバー5は引っ張りバネ8の引っ張り力に抗して、回転軸6を中心に時計方向に回転運動を行い、支持レバー5と一体のプレスローラ4をサーフェスローラ3より離間させる。同時に、左右一対の支持レバー13は引っ張りバネ8の引っ張り力に抗して、回転軸14を中心に反時計方向に回転運動を行い、支持レバー13と一体のプレスローラ12をサーフェスローラ3より離間させる。
【0020】
図4(a)において、カム16を反時計方向に回転させカム16の二つの突出部16a、16bを出っ張り部5a及びアーム部13aにそれぞれ当接させる時に、最初にエッジ部16e、16fがそれぞれに出っ張り部5a及びアーム部13aに装着された保護パッド11、15に当接するが、エッジ部16e、16fが湾曲面を有しているので、抵抗無くスムースに回転運動を行う。そして外周平面部16c、16dが保護バッド11、15に当接した状態となり、平面接触状態で接触を強化する方向に引っ張りバネ8、8のバネ力が作用し、カム16を上下より挟圧する方向に力が作用することにより、カム16はロック状態となる。この為、作業者が操作レバー19から手を離しても、プレスローラ4、12の離間状態は維持されたままである。
【0021】
作業者は、この状態で織り付け作業(巻取りロール側の織布に経糸を結び、その織布を巻き取り経路に通し、シート状の経糸を案内する作業)等を行う。織り付け作業終了後に、プレスローラ4、12を元の位置に復帰させる時には、操作レバー19を逆方向に回転させれば良い。(図3で時計方向)この復帰操作により、プレスローラ4、12は、同時に元の位置に復帰し、織布Wをサーフェスローラ3に押圧する。そして、左右一対のカムユニット20を織機より取り外す。なお、プレスローラ4、12のいずれか一方のみを個別に離間したい場合には、一つの突出部しか有しない別のカム(図示せず)を、操作レバー19の回転によりカムの突出部が出っ張り部5a又はアーム部13aのどちらか一方に当接するようにカムホルダー17に取り付ける。
【0022】
この実施形態に係る織機におけるプレスローラ接離装置によれば以下の効果を奏する。
(1)カム16を回転させカム16の二つの突出部16a、16bを出っ張り部5a及びアーム部13aに当接させることにより、支持レバー5、13を回転させることができ、支持レバー5、13と一体に取り付けられたプレスローラ4、12をそれぞれサーフェスローラ3より同時に離間させることができる。また、カムの種類を変えることにより、プレスローラ4、12のいずれか一方のみを個別に離間させることもできる。さらに、構造が簡単であり、複雑な操作を必要とすることがなく操作が簡単である。
(2)カム16と当接する出っ張り部5a及びアーム部13aのそれぞれの接触部に保護パッド11、15が装着されているので、繰り返し接触による摩耗を防止でき、又、錆の発生を防止できる。
(3)カム16には操作レバー19が取り付けられているので、作業者は操作レバー19を操作するだけで、カム16を回転させプレスローラ4、12をサーフェスローラ3より同時に離間させることができる。簡単な操作と、比較的小さな力で操作可能であり、作業性を向上できる。
(4)カム16と出っ張り部5a及びアーム部13aとの接触部が、支持レバー5及び13の回転軸6、14より離れた位置にあることにより、てこの原理よりカム16の回転操作を小さな力で行うことができる。又、接触部に過大な負荷がかからないので、装置を簡略化できる。
(5)カムユニット20は工具として織機に脱着可能に取り付けられているので、必要に応じてカムユニット20を織機に取り付けてプレスローラ4、12の離間を行うことができ、必要の無いときにはカムユニット20を取り外しておけば良いので、通常作業の邪魔にならず便利である。
(6)カム16の外周平面部16c、16dを出っ張り部5a及びアーム部13aに当接させた状態において、引っ張りバネ8のバネ力の作用により、カム16はロック状態となるので、ロック状態を維持するための特別の機構を新たに設けなくても良い。
(7)カム16の突出部16a、16bの突出量(図4のcに該当)を変えることにより、プレスローラ4、12のサーフェスローラ3からの離間量を任意に設定できる。
【0023】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る織機におけるプレスローラ接離装置を図5、図6に基づいて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態において、カム16を2枚板構造としたものである。
従って、ここでは、説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
【0024】
図5(a)に示すように、カム30はカム板31とカム板32より構成されている。カム板31及びカム板32は、それぞれ円周方向に一つの突出部31a、32aを有する矩形の平板であり、挿通孔31d、32dがそれぞれ形成され、挿通孔31d、32dの中心(軸心)Oより外周平面部31b又は32bまでの距離をcとし、それと反対側の外周面までの距離をeとすれば、c+e(c>e)が長辺の長さであり、それと直角の短辺の長さがdとなっている。即ち、カム板31とカム板32は同一形状をしている。
【0025】
図5(b)に示すように、カム板31及びカム板32の挿通孔31d、32dを、カムホルダー34の突出した円筒形のボス部34aの外周面に挿通し、カム板31及びカム板32それぞれの突出部31a、32aを互いに反対方向に向けて(取り付け角度180°)角度調整し、ビス33によりそれぞれカムホルダー34に固定する。
このように構成されたカム30は、ピン18を中心に回転することにより、カム板31の外周平面部31bが出っ張り部5aに当接し、プレスローラ4をサーフェスローラ3より離間させる。同時に、カム板32の外周平面部32bがアーム部13aに当接し、プレスローラ12をサーフェスローラ3より離間させる。
【0026】
図6においては、カム板31及びカム板32それぞれの突出部31a、32aを互いに同一方向に向けて(取り付け角度0°)角度調整した場合を示す。
このように構成されたカム30は、ピン18を中心に回転することにより、カム板31及び32の外周平面部31b、32bが出っ張り部5aに当接し、プレスローラ4をサーフェスローラ3より離間させる。一方、アーム部13aには当接しないので、プレスローラ12はサーフェスローラ3に押圧されたままである。
もし、カム板31及びカム板32を180°反対方向に向けて(図6で左方向)角度調整し取り付けた場合には、プレスローラ4はサーフェスローラ3に押圧されたままで、プレスローラ12をサーフェスローラ3より離間させる。
【0027】
この実施形態に係る織機におけるプレスローラ接離装置によれば以下の効果を奏する。
尚、第1実施形態の(1)〜(7)の効果は共通なので省略し、それ以外の効果を記す。(1)カム30はカム板31とカム板32より構成され、ピン18を中心とする円周方向の取り付け角度調整可能となっているので、出っ張り部5a及びアーム部13aとの当接状態の微調整を行うことができる。
(2)カム板31及びカム板32それぞれの突出部31a、32aを互いに同一方向に向けて角度調整することにより、プレスローラ4又はプレスローラ12のどちらか一方のみを、サーフェスローラ3より離間させることができる。
【0028】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 第1、第2の実施形態では、カムユニットを織機に脱着可能に構成するとして説明したが、組み込み式であっても構わない。
○ 第1、第2の実施形態では、駆動部材としてカムを用い、操作レバーを人力により動かしカムを回転するとして説明したが、例えばカムにモータを取り付けて自動的にカムを回転させ、プレスローラをサーフェスローラより離間させるようにしても良い。
○ 第1、第2の実施形態では、駆動部材としてカムを用いるとして説明したが、カムに換えて例えばモータとか油圧機器を用い、プレスローラを取り付けた支持レバーを動かすようにしても良い。
○ 第1、第2の実施形態では、左右一対の操作レバーをそれぞれ取り付け、両方の操作レバーを同時に動かすことによりプレスローラをサーフェスローラより離間させるとして説明したが、左右の操作レバーを連結部材で連結し一体化することにより、片方の操作レバーを操作するだけで両方の操作レバーを同時に動かすようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態に係る織機におけるプレスローラ接離装置の要部側面図である。(プレスローラとサーフェスローラは接触状態)
【図2】第1の実施形態に係る織機におけるプレスローラ接離装置の要部正面図である。
【図3】第1の実施形態に係る織機におけるプレスローラ接離装置の要部側面図である。(プレスローラとサーフェスローラは離間状態)
【図4】第1の実施形態に係るカム部の拡大図である。(a)拡大側面図を示す。(b)(a)のA−A線断面図である。
【図5】第2の実施形態に係るカム部の拡大図である。(a)拡大側面図を示す。(b)(a)のB−B線断面図である。
【図6】第2の実施形態の変形例に係るカム部の拡大図である。(a)拡大側面図を示す。(b)(a)のC−C線断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1、2 フレーム
3 サーフェスローラ
4 プレスローラ
5 支持レバー
5a 出っ張り部
6 回転軸
12 プレスローラ
13 支持レバー
13a アーム部
14 回転軸
16 カム
18 ピン
W 織布










































【特許請求の範囲】
【請求項1】
織布を巻き取るサーフェスローラと、該サーフェスローラに接離可能に設けられた複数のプレスローラと、該プレスローラ端部を支持する複数のレバーを備えた織機におけるプレスローラ接離装置において、
前記複数のレバーにそれぞれ被駆動部材を設け、該被駆動部材の互いに対向する対向面に形成された接触部に当接して前記レバーを離間方向に駆動する駆動部材を設けたことを特徴とする織機におけるプレスローラ接離装置。
【請求項2】
前記駆動部材と前記被駆動部材との接触部の少なくともどちらか一方に保護パッドを設けることを特徴とする請求項1に記載の織機におけるプレスローラ接離装置。
【請求項3】
前記駆動部材を突出部を有するカムで構成し、該カムをピンにより回転可能に支持すると共に前記カムに操作レバーを取り付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の織機におけるプレスローラ接離装置。
【請求項4】
前記カムは外周平面部を有し、前記外周平面部が前記被駆動部材の接触部に当接することで前記レバーが離間状態に維持されることを特徴とする請求項3に記載の織機におけるプレスローラ接離装置。
【請求項5】
前記カムを円周方向にそれぞれ一つの突出部を有する2枚板構造とし、一方のカム板を他方のカム板に対しピンを中心に円周方向に取り付け角度調整可能に設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の織機におけるプレスローラ接離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−100271(P2007−100271A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294392(P2005−294392)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】